ヘテロ多量体分子
本発明はヘテロ多量抗体と、これら抗体を高収率と高純度で製造する方法を提供する。本発明はまたこれら抗体を使用する方法及び組成物を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一軽鎖ポリペプチドと対をなす第一重鎖ポリペプチドと第二軽鎖ポリペプチドと対をなす第二重鎖ポリペプチドを含んでなり、第一重鎖ポリペプチドと第二重鎖ポリペプチドが重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域をそれぞれ含む二重特異性抗体を製造する方法であって、
(a)第一重鎖ポリペプチドと第一軽鎖ポリペプチドを第一宿主細胞で発現させ;
(b)第二重鎖ポリペプチドと第二軽鎖ポリペプチドを第二宿主細胞で発現させ;
(c)(a)及び(b)の重鎖及び軽鎖ポリペプチドを単離し;
(d)(c)の単離ポリペプチドをアニールして、第一軽鎖と対をなす第一重鎖を含む第一アームと第二軽鎖と対をなす第二重鎖を含む第二アームを含んでなる二重特異性抗体を生成することを含む方法。
【請求項2】
(a)第一標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対を第一宿主細胞で発現させ、
(b)第二標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対を第二宿主細胞で発現させ、ここで、第一対及び第二対の重鎖ポリペプチドが重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含み、第一対及び第二対の軽鎖が異なった可変ドメイン配列を含み、
(c)工程(a)の宿主細胞からポリペプチドを単離し;
(d)単離ポリペプチドの多量体化を許容する条件下でポリペプチドをインビトロで接触させ、二つの区別される標的分子に対して結合特異性を有する抗体の実質的に均一な集団を生成することを含んでなる方法。
【請求項3】
(a)4つのポリペプチドの混合物を含むサンプルを取得し、ここで、該4つのポリペプチドは、第一標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、第二標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対であり、第一対及び第二対の重鎖ポリペプチドが重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含み、
(b)ポリペプチドの多量体化を許容する条件下で4つのポリペプチドをインキュベートし、二つの区別される標的分子に対して結合特異性を有する抗体の実質的に均一な集団を生成することを含んでなる方法。
【請求項4】
4つの免疫グロブリンポリペプチドを、ポリペプチドの多量体化を許容する条件下でインキュベートして実質的に均一な抗体の集団を生成し、ここで、各抗体は二つの区別される標的分子に対して結合特異性を有し、
ここで、4つの免疫グロブリンポリペプチドは、第一標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、第二標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対であり、
ここで、第一対及び第二対の各重鎖ポリペプチドは重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含む方法。
【請求項5】
免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対を、第一対及び第二対のポリペプチドの多量体化を許容する条件下でインキュベートして実質的に均一な抗体の集団を生成し、
ここで、ポリペプチドの第一の対は第一標的分子に結合可能であり;
ここで、ポリペプチドの第二の対は第二標的分子に結合可能であり;
ここで、第一対及び第二対の各重鎖ポリペプチドは重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含む方法。
【請求項6】
免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対を、第一対及び第二対のポリペプチドの多量体化を許容する条件下でインキュベートして実質的に均一な抗体の集団を生成し、
ここで、ポリペプチドの第一の対は第一標的分子に結合可能であり;
ここで、ポリペプチドの第二の対は第二標的分子に結合可能であり;
ここで、第一重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドと第二重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドは界面で合致し、第二Fcポリペプチドの界面は、第一Fcポリペプチドの界面のキャビティに位置せしめることが可能な隆起を含む方法。
【請求項7】
第一対及び第二対の各重鎖ポリペプチドが、重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一対及び第二対が、別個の発現ユニットから得られる請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
発現ユニットが細胞である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
発現ユニットが細胞培養物である請求項8に記載の方法。
【請求項11】
発現ユニットがインビトロタンパク質発現サンプル/系である請求項8に記載の方法。
【請求項12】
上記重鎖間ジスルフィド結合がFc領域間にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
上記変異重鎖ヒンジ領域が、ジスルフィド結合を形成可能なシステイン残基を欠く請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
上記ジスルフィド結合が分子間にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
上記分子間ジスルフィド結合が2つの免疫グロブリン重鎖のシステイン間にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
ジスルフィド結合を通常は形成可能なヒンジ領域システイン残基が欠失している請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
ジスルフィド結合を通常は形成可能なヒンジ領域システイン残基が他のアミノ酸で置換されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
上記システイン残基がセリンで置換されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
上記抗体が重鎖定常ドメインと軽鎖定常ドメインを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
重鎖がヒトCH2及び/又はCH3ドメインの少なくとも一部を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
重鎖及び軽鎖ポリペプチドの一方又は両方の対がヒト化されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
上記抗体がヒト化されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
抗体が完全長抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
上記完全長抗体が重鎖及び軽鎖を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
重鎖及び軽鎖の一方又は両方の対がヒトである請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
上記抗体がヒトである請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
抗体が、ヒトCH2及び/又はCH3ドメインの少なくとも一部を含む抗体断片である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
上記抗体断片がFc融合ポリペプチドである請求項27に記載の方法。
【請求項29】
抗体がIgG、IgA及びIgDからなる群から選択される請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
抗体がIgGである請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
抗体がIgG1である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
抗体がIgG2である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
抗体が治療用抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項34】
抗体がアゴニスト抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項35】
抗体がアンタゴニスト抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
抗体が診断用抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
抗体が阻止抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項38】
抗体が中和抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
抗体が腫瘍抗原に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
腫瘍抗原が細胞表面分子ではない請求項39に記載の方法。
【請求項41】
腫瘍抗原がクラスター分類因子ではない請求項39に記載の方法。
【請求項42】
抗体がクラスター分類因子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項43】
抗体が細胞生存調節因子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項44】
抗体が細胞増殖調節因子に特異的に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
抗体が組織発生又は分化に関連する分子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
抗体が細胞表面分子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項47】
抗体がリンホカインに結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項48】
第一対及び第二対の軽鎖が異なった可変ドメイン配列を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項49】
第一重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドと第二重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドが界面で合致し、第二Fcポリペプチドの界面が第一Fcポリペプチドの界面のキャビティに位置させることが可能な隆起を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項50】
ポリペプチドの少なくとも90%が上記二重特異性抗体を生成する請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第二Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されて隆起をコードし、又は第一Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されてキャビティをコードし、又はその双方をコードする請求項49に記載の方法。
【請求項52】
第二Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されて隆起をコードし、かつ第一Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されてキャビティをコードし、又はその双方をコードする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
第一Fcポリペプチドと第二Fcポリペプチドが界面で合致し、ここで第二Fcポリペプチドの界面が、第一Fcポリペプチドのキャビティに位置させることが可能な隆起を含み、キャビティ又は隆起あるいは双方が、第一及び第二Fcポリペプチドの界面中にそれぞれ導入されている請求項49に記載の方法。
【請求項54】
上記二重特異性抗体が二つの標的分子に特異的に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項55】
第一アームが第一標的分子に特異的に結合し、第二アームが第二標的分子に特異的に結合する請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項56】
第一宿主細胞と第二宿主細胞が別の細胞培養物中にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
第一宿主細胞と第二宿主細胞が双方の宿主細胞を含む混合培養物中にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項58】
宿主細胞が原核生物である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項59】
原核宿主細胞が大腸菌である請求項58に記載の方法。
【請求項60】
大腸菌が内因性プロテアーゼ活性を欠く株のものである請求項59に記載の方法。
【請求項61】
宿主細胞が真核生物である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項62】
宿主細胞がCHOである請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ポリペプチドをコードする核酸が、ほぼ等しい強度の翻訳開始領域(TIR)に作用可能に結合している請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項64】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を室温でインキュベートすることを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項65】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を加熱することを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項66】
混合物を少なくとも40℃に加熱する請求項65に記載の方法。
【請求項67】
混合物を少なくとも50℃に加熱する請求項65に記載の方法。
【請求項68】
混合物を約40℃と60℃の間に加熱する請求項65に記載の方法。
【請求項69】
混合物が50℃である請求項65に記載の方法。
【請求項70】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を少なくとも2分間加熱することを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項71】
加熱後に混合物を冷却する請求項65に記載の方法。
【請求項72】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を、約4から約11の間(約4と約11を含む)のpHでインキュベートすることを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項73】
pHが約5.5である請求項72に記載の方法。
【請求項74】
pHが約7.5である請求項72に記載の方法。
【請求項75】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を、変性剤中でインキュベートすることを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項76】
変性剤が尿素である請求項75に記載の方法。
【請求項77】
アニーリング又は接触工程が、第一及び第二重鎖ポリペプチド間に化学結合を含まない請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項78】
ポリペプチドの少なくとも75%が、第一重鎖及び軽鎖対と第二重鎖及び軽鎖対を含む複合体中にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項79】
単離ポリペプチドの10%以下が、抗体精製工程の前に、単量体又は二量体として存在している請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項80】
第一の対及び第二の対の軽鎖が異なった可変ドメイン配列を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項81】
第一及び第二の重-軽鎖対はそれぞれ互いにジスルフィド結合した重鎖及び軽鎖を含んでなる請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項82】
第一の対及び第二の対のポリペプチドがアニール又は接触工程においてほぼ等モル量[比]で提供される請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項83】
第一の対と第二の対の間のpI値の差が少なくとも0.5である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項84】
請求項1から83の何れか一項に記載の方法によって製造された二重特異性抗体。
【請求項85】
第一の対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドと第二の対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドを含んでなり、軽鎖ポリペプチドが異なった可変ドメイン配列を含み、重鎖が重鎖間ジスルフィド結合不可の変異ヒンジ領域を含む二重特異性抗体。
【請求項86】
請求項1から85の何れか一項に記載の抗体をコードする単離された核酸。
【請求項87】
請求項86に記載の核酸を含んでなる宿主細胞。
【請求項88】
各対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドをコードする核酸が単一のベクター中に存在している請求項87に記載の宿主細胞。
【請求項89】
各対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドをコードする核酸が別のベクター中に存在している請求項87に記載の宿主細胞。
【請求項90】
請求項1から85の何れか一項に記載の二重特異性抗体を集合的にコードする一又は複数の組換え核酸を含んでなる組成物。
【請求項91】
請求項1から85の何れか一項に記載の二重特異性抗体と担体を含有してなる組成物。
【請求項92】
免疫グロブリンの少なくとも80%が請求項1から85の何れか一項に記載の二重特異性抗体である免疫グロブリン群を含んでなる組成物。
【請求項1】
第一軽鎖ポリペプチドと対をなす第一重鎖ポリペプチドと第二軽鎖ポリペプチドと対をなす第二重鎖ポリペプチドを含んでなり、第一重鎖ポリペプチドと第二重鎖ポリペプチドが重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域をそれぞれ含む二重特異性抗体を製造する方法であって、
(a)第一重鎖ポリペプチドと第一軽鎖ポリペプチドを第一宿主細胞で発現させ;
(b)第二重鎖ポリペプチドと第二軽鎖ポリペプチドを第二宿主細胞で発現させ;
(c)(a)及び(b)の重鎖及び軽鎖ポリペプチドを単離し;
(d)(c)の単離ポリペプチドをアニールして、第一軽鎖と対をなす第一重鎖を含む第一アームと第二軽鎖と対をなす第二重鎖を含む第二アームを含んでなる二重特異性抗体を生成することを含む方法。
【請求項2】
(a)第一標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対を第一宿主細胞で発現させ、
(b)第二標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対を第二宿主細胞で発現させ、ここで、第一対及び第二対の重鎖ポリペプチドが重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含み、第一対及び第二対の軽鎖が異なった可変ドメイン配列を含み、
(c)工程(a)の宿主細胞からポリペプチドを単離し;
(d)単離ポリペプチドの多量体化を許容する条件下でポリペプチドをインビトロで接触させ、二つの区別される標的分子に対して結合特異性を有する抗体の実質的に均一な集団を生成することを含んでなる方法。
【請求項3】
(a)4つのポリペプチドの混合物を含むサンプルを取得し、ここで、該4つのポリペプチドは、第一標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、第二標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対であり、第一対及び第二対の重鎖ポリペプチドが重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含み、
(b)ポリペプチドの多量体化を許容する条件下で4つのポリペプチドをインキュベートし、二つの区別される標的分子に対して結合特異性を有する抗体の実質的に均一な集団を生成することを含んでなる方法。
【請求項4】
4つの免疫グロブリンポリペプチドを、ポリペプチドの多量体化を許容する条件下でインキュベートして実質的に均一な抗体の集団を生成し、ここで、各抗体は二つの区別される標的分子に対して結合特異性を有し、
ここで、4つの免疫グロブリンポリペプチドは、第一標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、第二標的分子結合アームを生成可能な免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対であり、
ここで、第一対及び第二対の各重鎖ポリペプチドは重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含む方法。
【請求項5】
免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対を、第一対及び第二対のポリペプチドの多量体化を許容する条件下でインキュベートして実質的に均一な抗体の集団を生成し、
ここで、ポリペプチドの第一の対は第一標的分子に結合可能であり;
ここで、ポリペプチドの第二の対は第二標的分子に結合可能であり;
ここで、第一対及び第二対の各重鎖ポリペプチドは重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含む方法。
【請求項6】
免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一の対と、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第二の対を、第一対及び第二対のポリペプチドの多量体化を許容する条件下でインキュベートして実質的に均一な抗体の集団を生成し、
ここで、ポリペプチドの第一の対は第一標的分子に結合可能であり;
ここで、ポリペプチドの第二の対は第二標的分子に結合可能であり;
ここで、第一重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドと第二重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドは界面で合致し、第二Fcポリペプチドの界面は、第一Fcポリペプチドの界面のキャビティに位置せしめることが可能な隆起を含む方法。
【請求項7】
第一対及び第二対の各重鎖ポリペプチドが、重鎖間ジスルフィド結合不能の変異ヒンジ領域を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドの第一対及び第二対が、別個の発現ユニットから得られる請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
発現ユニットが細胞である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
発現ユニットが細胞培養物である請求項8に記載の方法。
【請求項11】
発現ユニットがインビトロタンパク質発現サンプル/系である請求項8に記載の方法。
【請求項12】
上記重鎖間ジスルフィド結合がFc領域間にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
上記変異重鎖ヒンジ領域が、ジスルフィド結合を形成可能なシステイン残基を欠く請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
上記ジスルフィド結合が分子間にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
上記分子間ジスルフィド結合が2つの免疫グロブリン重鎖のシステイン間にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
ジスルフィド結合を通常は形成可能なヒンジ領域システイン残基が欠失している請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
ジスルフィド結合を通常は形成可能なヒンジ領域システイン残基が他のアミノ酸で置換されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
上記システイン残基がセリンで置換されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
上記抗体が重鎖定常ドメインと軽鎖定常ドメインを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
重鎖がヒトCH2及び/又はCH3ドメインの少なくとも一部を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
重鎖及び軽鎖ポリペプチドの一方又は両方の対がヒト化されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
上記抗体がヒト化されている請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
抗体が完全長抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
上記完全長抗体が重鎖及び軽鎖を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
重鎖及び軽鎖の一方又は両方の対がヒトである請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
上記抗体がヒトである請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
抗体が、ヒトCH2及び/又はCH3ドメインの少なくとも一部を含む抗体断片である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
上記抗体断片がFc融合ポリペプチドである請求項27に記載の方法。
【請求項29】
抗体がIgG、IgA及びIgDからなる群から選択される請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
抗体がIgGである請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
抗体がIgG1である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
抗体がIgG2である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
抗体が治療用抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項34】
抗体がアゴニスト抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項35】
抗体がアンタゴニスト抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
抗体が診断用抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
抗体が阻止抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項38】
抗体が中和抗体である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
抗体が腫瘍抗原に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
腫瘍抗原が細胞表面分子ではない請求項39に記載の方法。
【請求項41】
腫瘍抗原がクラスター分類因子ではない請求項39に記載の方法。
【請求項42】
抗体がクラスター分類因子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項43】
抗体が細胞生存調節因子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項44】
抗体が細胞増殖調節因子に特異的に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
抗体が組織発生又は分化に関連する分子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
抗体が細胞表面分子に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項47】
抗体がリンホカインに結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項48】
第一対及び第二対の軽鎖が異なった可変ドメイン配列を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項49】
第一重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドと第二重鎖ポリペプチドのFcポリペプチドが界面で合致し、第二Fcポリペプチドの界面が第一Fcポリペプチドの界面のキャビティに位置させることが可能な隆起を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項50】
ポリペプチドの少なくとも90%が上記二重特異性抗体を生成する請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第二Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されて隆起をコードし、又は第一Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されてキャビティをコードし、又はその双方をコードする請求項49に記載の方法。
【請求項52】
第二Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されて隆起をコードし、かつ第一Fcポリペプチドが鋳型/元のポリペプチドから改変されてキャビティをコードし、又はその双方をコードする請求項49に記載の方法。
【請求項53】
第一Fcポリペプチドと第二Fcポリペプチドが界面で合致し、ここで第二Fcポリペプチドの界面が、第一Fcポリペプチドのキャビティに位置させることが可能な隆起を含み、キャビティ又は隆起あるいは双方が、第一及び第二Fcポリペプチドの界面中にそれぞれ導入されている請求項49に記載の方法。
【請求項54】
上記二重特異性抗体が二つの標的分子に特異的に結合可能である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項55】
第一アームが第一標的分子に特異的に結合し、第二アームが第二標的分子に特異的に結合する請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項56】
第一宿主細胞と第二宿主細胞が別の細胞培養物中にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
第一宿主細胞と第二宿主細胞が双方の宿主細胞を含む混合培養物中にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項58】
宿主細胞が原核生物である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項59】
原核宿主細胞が大腸菌である請求項58に記載の方法。
【請求項60】
大腸菌が内因性プロテアーゼ活性を欠く株のものである請求項59に記載の方法。
【請求項61】
宿主細胞が真核生物である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項62】
宿主細胞がCHOである請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ポリペプチドをコードする核酸が、ほぼ等しい強度の翻訳開始領域(TIR)に作用可能に結合している請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項64】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を室温でインキュベートすることを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項65】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を加熱することを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項66】
混合物を少なくとも40℃に加熱する請求項65に記載の方法。
【請求項67】
混合物を少なくとも50℃に加熱する請求項65に記載の方法。
【請求項68】
混合物を約40℃と60℃の間に加熱する請求項65に記載の方法。
【請求項69】
混合物が50℃である請求項65に記載の方法。
【請求項70】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を少なくとも2分間加熱することを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項71】
加熱後に混合物を冷却する請求項65に記載の方法。
【請求項72】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を、約4から約11の間(約4と約11を含む)のpHでインキュベートすることを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項73】
pHが約5.5である請求項72に記載の方法。
【請求項74】
pHが約7.5である請求項72に記載の方法。
【請求項75】
アニーリング又は接触工程が、単離ポリペプチドの混合物を、変性剤中でインキュベートすることを含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項76】
変性剤が尿素である請求項75に記載の方法。
【請求項77】
アニーリング又は接触工程が、第一及び第二重鎖ポリペプチド間に化学結合を含まない請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項78】
ポリペプチドの少なくとも75%が、第一重鎖及び軽鎖対と第二重鎖及び軽鎖対を含む複合体中にある請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項79】
単離ポリペプチドの10%以下が、抗体精製工程の前に、単量体又は二量体として存在している請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項80】
第一の対及び第二の対の軽鎖が異なった可変ドメイン配列を含む請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項81】
第一及び第二の重-軽鎖対はそれぞれ互いにジスルフィド結合した重鎖及び軽鎖を含んでなる請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項82】
第一の対及び第二の対のポリペプチドがアニール又は接触工程においてほぼ等モル量[比]で提供される請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項83】
第一の対と第二の対の間のpI値の差が少なくとも0.5である請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項84】
請求項1から83の何れか一項に記載の方法によって製造された二重特異性抗体。
【請求項85】
第一の対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドと第二の対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドを含んでなり、軽鎖ポリペプチドが異なった可変ドメイン配列を含み、重鎖が重鎖間ジスルフィド結合不可の変異ヒンジ領域を含む二重特異性抗体。
【請求項86】
請求項1から85の何れか一項に記載の抗体をコードする単離された核酸。
【請求項87】
請求項86に記載の核酸を含んでなる宿主細胞。
【請求項88】
各対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドをコードする核酸が単一のベクター中に存在している請求項87に記載の宿主細胞。
【請求項89】
各対の重鎖及び軽鎖ポリペプチドをコードする核酸が別のベクター中に存在している請求項87に記載の宿主細胞。
【請求項90】
請求項1から85の何れか一項に記載の二重特異性抗体を集合的にコードする一又は複数の組換え核酸を含んでなる組成物。
【請求項91】
請求項1から85の何れか一項に記載の二重特異性抗体と担体を含有してなる組成物。
【請求項92】
免疫グロブリンの少なくとも80%が請求項1から85の何れか一項に記載の二重特異性抗体である免疫グロブリン群を含んでなる組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−511337(P2008−511337A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530373(P2007−530373)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/031226
【国際公開番号】WO2006/028936
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/031226
【国際公開番号】WO2006/028936
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
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