ベルトジャンクションコンベヤ
【課題】搬送される搬送物に対して搬送物の破損を防止するため側面などからの衝撃を与えず、かつ搬送される搬送物を安定して確実に仕分ける。
【解決手段】主支持枠20と副支持枠21とを回動させる切替機構23を、駆動モータ70、回転体71、連結ロッド72,73から構成する。連結ロッド72の一端を回転体71に、他端を主支持枠20にそれぞれ取り付ける。連結ロッド73の一端を回転体71に、他端を副支持枠21にそれぞれ取り付ける。ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときには、駆動モータ70の作動により回転する回転体71により、連結ロッド72,73の一方が押し出され、他方が引っ張られるので、主支持枠20と副支持枠21とが相反する方向に回動し、無端ベルト80による搬送物の搬送方向が切り替わる。
【解決手段】主支持枠20と副支持枠21とを回動させる切替機構23を、駆動モータ70、回転体71、連結ロッド72,73から構成する。連結ロッド72の一端を回転体71に、他端を主支持枠20にそれぞれ取り付ける。連結ロッド73の一端を回転体71に、他端を副支持枠21にそれぞれ取り付ける。ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときには、駆動モータ70の作動により回転する回転体71により、連結ロッド72,73の一方が押し出され、他方が引っ張られるので、主支持枠20と副支持枠21とが相反する方向に回動し、無端ベルト80による搬送物の搬送方向が切り替わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤで搬送される搬送物を仕分けるベルトジャンクションコンベヤに関し、特に、搬送物を搬送する搬送コンベヤ部を左右に回動させて、該搬送物を仕分けるベルトジャンクションコンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空港手荷物、郵便物などの搬送物はベルトコンベヤにて搬送される過程で、搬送物が仕分けられるのが一般的である。搬送される過程で搬送物を仕分ける方法としては、例えば本流となるベルトコンベヤと、このベルトコンベヤから分岐するベルトコンベヤとの分岐部分に分岐アームを配置し、この分岐アームの回動の有無で搬送物を仕分ける方法や、上述した分岐部分にプッシャを配置し、このプッシャによって搬送物を押し出すか否かによって搬送物を仕分ける方法などが提案されている(例えば特許文献1など)。
【特許文献1】特開2006−008279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このように分岐アームの回動の有無によって搬送物を仕分ける場合、本流となるベルトコンベヤによって搬送される搬送物が分岐アームに当接されたときの衝撃によって搬送物が破損したり、分岐アームの下端とベルトコンベヤの搬送ベルト上面との間に生じる隙間に引っ掛かったり挟まれたりすることで、搬送や仕分けがスムーズに行われないという欠点がある。この欠点は、プッシャを用いた場合も同様に発生することから、搬送物を搬送しながら仕分ける有効な手段が見いだせないのが現状である。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するために発明されたものであり、搬送される搬送物に対して搬送物の破損を防止するため側面などからの衝撃を与えず、かつ搬送される搬送物を安定して確実に仕分けることができるようにしたベルトジャンクションコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、本発明のベルトジャンクションコンベヤは、搬送物を仕分ける搬送コンベヤ部が形成された無端ベルトと、巻き掛けられた無端ベルトを走行させるドライブプーリと、前記ドライブプーリに巻き掛けられた無端ベルトを、前記搬送コンベヤ部が上面に位置するように、前記搬送物の搬送方向における搬送コンベヤ部の上流側で折り返す2つの折返し部材と、前記2つの折返し部材によって折り返された後の無端ベルトが巻き掛けられるテールプーリと、前記ドライブプーリが回転可能に取り付けられた主支持枠と、前記テールプーリが回転可能に取り付けられた副支持枠と、一端部が前記主支持枠に取り付けられた第1の連結ロッドと、一端部が前記副支持枠に取り付けられた第2の連結ロッドと、前記2つの折返し部材が取り付けられるとともに、前記第1の連結ロッドと前記第2の連結ロッドとが同軸となるように軸着され、前記第2の連結ロッドが前記2つの折返し部材の間に配設された基枠と、前記主支持枠と副支持枠とを相反する方向に所定量回動させて、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える切替機構とを備え、前記切替機構を、アクチュエータとして作動する駆動モータと、前記駆動モータの作動により回転する回転体と、前記回転体と主支持枠とを連結する第1の連結部材と、前記回転体と副支持枠とを連結する第2の連結部材と、から構成したことを特徴とする。
【0006】
また、前記2つの折り返し部材は、それぞれ折り返しプーリから構成されるとともに、前記折り返しプーリは、前記基枠に回転可能に取り付けられることを特徴とする。また、前記2つの折り返し部材は、それぞれ円筒形状のパイプ又は円柱状のシャフトのいずれか一方から構成されることを特徴とする。例えば前記2つの折り返し部材がそれぞれ円筒形状のパイプからなる場合に、これらパイプのうち、少なくとも前記第2の連結ロッドの上方に配置されるパイプに当接される振動防止部材を前記基枠に設けたことが好ましい。
【0007】
また、前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に、半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、前記肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ前記肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ各々押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、及び無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの端縁に近接する位置に複数配置したことを特徴とする。
【0008】
また、前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、前記無端ベルトの幅方向の両端縁に設けられた肉厚縁部のいずれか一方の肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ該肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、又は無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの一端縁に近接する位置、及び無端ベルトの他端縁に近接する位置のそれぞれに少なくとも1つ配置したことを特徴とする。
【0009】
また、記ドライブプーリは、該ドライブプーリの中心軸が嵌入されるフォローシャフトを備えたモータによって回転されることを特徴とする。
【0010】
また、前記主支持枠は、前記ドライブプーリの他に、前記搬送物の搬送方向における前記搬送コンベヤ部の端部のうち、前記折返しローラが配置される端部とは反対側の端部で無端ベルトが巻き掛けられるエンドプーリをさらに備え、このエンドプーリの少なくとも前記無端ベルトが巻き掛けられる箇所をアルミニウム材により形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベルトジャンクションコンベヤによれば、プッシャや分岐アーム等を用いなくとも搬送物を仕分けることができる。つまり、分岐アームやプッシャなどによる仕分け時の搬送物側面からの衝撃を、搬送物に与えずに済むので、搬送物の破損を防止することができるとともに、分岐アームの下端と搬送ベルト上面との間に生じた隙間に搬送物を挟み込んだり、引っ掛けることがなく、搬送物を安定して仕分けることができる。また、アクチュエータとして駆動モータを使用することで、他のアクチュエータを用いる場合に比べて、ベルトジャンクションコンベヤとしての設備を小さくできるので、ベルトジャンクションコンベヤの製造コストを抑えることができる。さらに、駆動モータを用いることで、モータへ給電する電圧調整や電源交流周波数の調整、或いはアクチュエータの動作における動作速度を調整する(加減速などの調整)を行うことができるので、リンク機構や、リンク機構が接続される主支持枠、副支持枠などベルトジャンクションコンベヤの各部への衝撃をやわらげるように滑らかに動作させることが可能となる。それに加えて、ベルトジャンクションコンベヤの状態を駆動モータを用いて切り替える場合には、ストッパなどに当接させて停止させずに駆動モータの駆動停止で対応することから、ベルトジャンクションコンベヤの各部への衝撃を低減できるので、ベルトジャンクションコンベヤの各部を長寿命化でき、また、振動音や衝撃音等の騒音の発生等を防止することができる。
【0012】
また、ベルトジャンクションコンベヤの無端ベルトの両縁端に設けられた半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を、ベルトジャンクションコンベヤの支持枠に取り付けたホイール状ホルダユニットにより当接させて支持枠に幅方向中央へ無端ベルトが寄ることを規制することで、無端ベルトを折り返している部位がねじられる時に発生する蛇行傾向を抑制することができ、安定したコンベヤベルトの走行を実現させることができる。
【0013】
また、前記ドライブプーリは、該ドライブプーリの回転軸が嵌入されるフォローシャフトを備えたモータによって回転されることで、雄と雌の回転軸を接続するカップリングなどが不要となり、かつ近年モートル部と駆動伝達部が一体でコンパクト化されたフォローシャフトを備えたモータをドライブプーリを回転させる機構とすることで、ドライブプーリの中心軸をわずかに延長してモータのみを主支持枠にトルクアーム機構で配設すればよいことから、装置自体の軽量化を行うことができる。また、主支持枠が回動する際に、回動中心から一定量離れたドライブプーリ回転機構を軽量化することで、主支持枠の慣性モーメントを低減でき、切替機構の負荷を大幅に減少させることができる。
【0014】
また、前記主支持枠は、前記ドライブプーリの他に、前記搬送物の搬送方向における前記搬送コンベヤ部の端部のうち、前記折返しローラが配置される端部とは反対側の端部で無端ベルトが巻き掛けられるエンドプーリをさらに備え、このエンドプーリの少なくとも前記無端ベルトが巻き掛けられる箇所をアルミニウム材により形成したことで、主支持枠が回動する際に最も慣性モーメントに寄与する、回動中心から最も離れたエンドプーリを軽量化することで、主支持枠の慣性モーメントを低減でき、切替機構の負荷を大幅に減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜図3に示すように、本発明のベルトジャンクションコンベヤ10は、上流側に配置されたベルトコンベヤ11によって搬送された搬送物を、搬送面の進行方向を切り替えた後移載し受け取ったのちに、下流側に設けられた本流ベルトコンベヤ12、又は分岐側ベルトコンベヤ13の何れか一方に搬送することで、搬送される搬送物を仕分ける装置である。なお、以下では、本流ベルトコンベヤ12に向けて搬送物を搬送するときのベルトジャンクションコンベヤ10の状態を第1搬送状態とし、分岐側ベルトコンベヤ13に向けて搬送物を搬送するときのベルトジャンクションコンベヤ10の状態を第2搬送状態として説明する。また、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときには、後述する主支持枠20と副支持枠21とを相反する方向にそれぞれ30°回動するものとして説明する。このベルトジャンクションコンベヤ10は、主支持枠20、副支持枠21、基枠22、及び切替機構23を備えている。
【0016】
主支持枠20は、基枠22に対して回動可能となるように、後述する連結ロッド60を介して基枠22と連結される。この主支持枠20は、ドライブプーリ30、エンドプーリ31、テークアッププーリ32がそれぞれ回転可能に、且つそれぞれの軸方向が平行となるように主支持枠20に軸支される。
【0017】
ドライブプーリ30は、主支持枠20の幅方向と直交する方向において、主支持枠20の略中央となる位置に配置されている。このドライブプーリ30の中心軸は、その一端が駆動モータ33に設けられたフォローシャフト33aに嵌入される。これによって雄と雌の回転軸を接続するカップリング等が不要となり、且つモートル部と駆動伝達部が一体でコンパクト化されたフォローシャフト33aを備えた駆動モータ33を利用することにより、主支持枠20の重量を抑えることができ、主支持枠20の回動時の慣性モーメントが減少する。
【0018】
エンドプーリ31は、主支持枠20の幅方向と直交する方向における主支持枠20の一端側(図3中右側端部)に配置される。このエンドプーリ31としては、望ましくはアルミニウム製の管部分を有するプーリが用いられるのが良い。後述するように回動する主支持枠20の慣性モーメントに寄与する主支持枠先端重量を軽減し、切替機構の負荷を減少させることができる。テークアッププーリ32は、走行する無端ベルト80の経年変化による弛みを防止するために設けられる。
【0019】
これらプーリが軸支される主支持枠20の側面には、ドライブプーリ30を回転させるための駆動モータ33が設けられる。この駆動モータ33は、モートルの回転軸の回動方向を変換する駆動部を一体化したもので、駆動部にはモートルの回転軸と直交する方向にドライブプーリ30の回転軸30aを嵌入させるフォローシャフト33aが設けられている。また、図3に示すように、駆動モータ33は、主支持枠20の下面にピンで引っかかるようにしたトルクアーム33bによりわずかにフォローシャフト33a周りに遊びを持って固定される。このような固定方法を用いることで、駆動モータ33の作動時にモータ自体が回転しないように、かつ主支持枠20に固定することができる。これにより、トルクアーム33bを用いないで主支持枠20にボルトで遊びなく強固に固定した場合に起こる、ドライブプーリ30の回転軸30aのぶれが直に駆動モータ30のフォローシャフト33aに伝わり破損することが防止される。
【0020】
また、駆動モータ33が設けられる側面とは反対側となる主支持枠20の側面には、後述する連結ロッド72が取り付けられる。さらに、主支持枠20の下面には、基枠22の上面に施した板面(後述する第1ステージ50)上に当接して軸L1を中心に回動できるように、キャスター34,35が設けられている。これらキャスター34、35の車輪回動により、主支持枠20を安定して、且つ小さい力で回動させることができる。この主支持枠20は、幅方向と平行な方向に延び、主支持枠20の両側面を繋ぐ連結材を備え、キャスター34の近傍において、連結ロッド60の一端が前記連結材に取り付けられる。なお、キャスターの個数は3個に限定する必要はなく、軸L1を各キャスターの車輪の支軸見通し先として主支持枠の4隅に配置することも可能である。
【0021】
副支持枠21は、基枠22に対して回動可能となるように、且つその回動中心が主支持枠20と同一となるように、後述する連結ロッド61を介して基枠22と連結される。この副支持枠21は、テールプーリ40を備える。このテールプーリ40は、副支持枠21の幅方向と直交する方向における両端部のうち、連結ロッド61が副支持枠21に取り付けられる側の端部とは反対側の端部に、且つその軸方向が副支持枠21の幅方向と一致するように副支持枠21に回転可能に軸支される。この副支持枠21の下面には、キャスター42が3カ所に、軸L1を各キャスターの車輪の支軸見通し先として設けられている。このキャスター42により、副支持枠21を安定して回動させることができる。
【0022】
基枠22は、主支持枠20がキャスター34,35を介して載置される第1ステージ50と、副支持枠21がキャスター42を介して載置される第2ステージ51とを備える。この基枠22は、その幅方向と直交する方向における一端部に折返しローラ53,54が回転自在に軸支される。このうち、折返しローラ53は、エンドプーリ31と上面を同じレベルになるように軸支され、無端ベルト80の折返しローラ53とエンドプーリ31との間に張設される部分が最上面になるように設けられる。これら折返しローラ53,54は、その軸方向が基枠21の幅方向と一致するように、且つ所定間隔を空けて上下に配置される。
【0023】
折返しローラ54の下方の、基枠22の幅方向と直交する方向における一端部には、連結ロッド60の一端部が軸着される。この連結ロッド60の他端は、主支持枠20に取り付けられる。また、折返しローラ53,54の間には、連結ロッド61の一端部が連結ロッド60と同軸(図3に示すL1)となるように軸着される。この連結ロッド61の他端部は、副支持枠21に取り付けられる。
【0024】
切替機構23は、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替える。この切替機構23は、駆動モータ70、回転体71、連結ロッド72及び連結ロッド73から構成される。駆動モータ70は、例えば回転時のトルクが高出力となるサーボモータが用いられる。この駆動モータ70をサーボモータとすることで、回転体を高速に回転させる、つまり、ベルトジャンクションコンベヤ10の状態を、第1搬送状態と第2搬送状態との間で素早く切り替えることが可能となる。なお、この駆動モータ70の作動制御は図示しない制御装置によって実行される。
【0025】
回転体71は、略長方板形状からなる。この回転体71の両端部に連結ロッド72,73の一端部がそれぞれ軸着される。この回転体71は、その回転中心から、この回転体71に軸着される連結ロッド72の一端部に設けられた軸着ピン部72aまでの長さと、回転中心から、この回転体71に軸着される連結ロッド73に設けられた軸着ピン部73aまでの長さとがそれぞれ異なるように駆動モータ70の駆動軸に軸着される。
【0026】
連結ロッド72は、回転体71と主支持枠20とを連結するために設けられる。上述したように、連結ロッド72の一端部は回転体71に、その他端部は主支持枠20の側面にそれぞれ水平方向に回動可能な形で軸着される。
【0027】
連結ロッド73は、回転体71と副支持枠21とを連結するために設けられる。上述したように、連結ロッド73の一端部は回転体71に、その他端部は副支持枠21の側面ににそれぞれ水平方向に回動可能な形で着される。
【0028】
無端ベルト80は、主支持枠20及び副支持枠21のそれぞれに取り付けられたプーリに巻き掛けられる。つまり、無端ベルト80は、ドライブプーリ30を起点とした場合に、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の下流側に向けて折り返されるようにドライブプーリ30に巻き掛けられた後、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の上流側に向けて再度折り返されるようにエンドプーリ31及びテークアッププーリ32にそれぞれ巻き掛けられる。そして、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の上流側に折り返された無端ベルト80は、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の下流側に折り返されるように折返しプーリ53,54にそれぞれ巻き掛けられた後、再びベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の下流側に折り返されてエンドプーリ40に巻き掛けられ、プーリ表面で無端状となっている。
【0029】
これらプーリに巻き掛けられた無端ベルト80のうち、折返しプーリ53とエンドプーリ31との間に張設される上面が搬送物を載置して搬送仕分けする搬送ベルト部となる。この無端ベルト80は、そのベルトジャンクションコンベヤ10に掛け回された状態における搬送ベルト部上面となる面側で、且つ無端ベルト80の幅方向の両端部に、無端ベルト80の走行方向全長にに亘って肉厚縁部81が設けられる(図4参照)。
【0030】
無端ベルト80が主支持枠20に設けられたプーリ及び、副支持枠21に設けられたプーリによって折り返される部分の近傍には、無端ベルト80の幅方向の両端部にホルダユニット85が設けられる。
【0031】
図4は、折返しプーリ53とエンドプーリ31との間に配置されるホルダユニット85の構成を示す図である。2個1組のホルダユニット85は、無端ベルト80の両端部をベルトの走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むように配置される。このホルダユニット85は、無端ベルト80の表面側に配置される複数のホイール86と、無端ベルト80の裏面側に配置される複数のホイール87とを備える。
【0032】
これらホイールのうち、無端ベルト80の表面側に配置されるホイール86は、無端ベルト80の幅方向の端部に向けて傾斜するように配置される。このホイール86は、無端ベルト80に設けられた肉厚縁部81に当接しながら回転することで、ベルト縁部の肉厚縁部81を下方にあるホイール87の方向及びベルト縁部外側方向の両方にベクトルを持って押圧し、これを両ベルト縁部で相反するベルト縁部外側方向へ押圧することでベルトを幅方向に張設して、縁部をベルト中央に寄らないように規制する。これにより、無端ベルト80が蛇行走行することを防止している。
【0033】
一方、無端ベルト80の裏面側に配置されるホイール87は、無端ベルト80に対して垂直となるように配置される。なお符号88は、ホイール87が回転自在に取り付けられ、無端ベルト80が定常状態のホイール86の外側押圧にかかわらず、その縁がベルト中央に寄ろうとするときに肉厚縁部81の山部頂点近辺にまでホイール86が乗り上げた際に、その撓み復元力でホイール86を斜め下方に強力に押しつけ、よって肉厚縁部81をさらに外側に強く押圧させるバネ板である。なお、このホルダユニット85に設けられるホイール86,87の個数は、配置される場所によってそれぞれ異なるようにしても良いし、同一であってよいものとする。
【0034】
次に、このようにして構成されたベルトジャンクションコンベヤ10の動作について説明する。なお、図5は第1搬送状態となる場合の主支持枠20について、図6は第1搬送状態となる場合の副支持枠21について説明するものであり、図7は第2搬送状態となる場合の主支持枠20について、図8は第2搬送状態となる場合の副支持枠21について説明するものである。また、図の煩雑さを解消するために、図5及び図7については無端ベルト80及び副支持枠21については省略し、図6及び図8については無端ベルト80及び主支持枠20については省略してある。また、主支持枠20と副支持枠21とは、同一の回動中心で回動することになるが、その回動方向については、異なる英字を用いて説明する。
【0035】
ベルトジャンクションコンベヤ10が第1搬送状態となる場合、主支持枠20と副支持枠21とは、それぞれに掛け回される無端ベルト80の走行方向が同一方向となるように、つまり、連結ロッド60と連結ロッド61とのそれぞれの軸方向が平行となるように位置している。ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態から第2搬送状態へと切り替える場合には、駆動モータ70を作動させ、回転体71をC方向に回転させる。この回転体71のC方向への回転によって連結ロッド72が引っ張られる。連結ロッド72の長さは一定であり、また連結ロッド72は主支持枠20に取り付けられていることから、連結ロッド72が引っ張られることで主支持枠20が移動する。なお、主支持枠20は、その一端が基枠22に軸着された連結ロッド60が固定されていることから、主支持枠20の移動は、連結ロッド60の一端を回動中心(図3に示すL1)としたD方向への回動となる。
【0036】
一方、回転体71のC方向への回転によって、連結ロッド73は押し出される。この連結ロッド73が押し出されることで、連結ロッド73の一端部が取り付けられた副支持枠21が移動する。なお、副支持枠21は連結ロッド61が取り付けられていることから、連結ロッド61の一端を回動中心(図3に示すL1)としたE方向への回動となる。主支持枠20と副支持枠21とが、それぞれ相反する方向に30°回動すると、回転体71のC方向の回転が停止され、ベルトジャンクションコンベヤ10が第2搬送状態となる(図2参照)。
【0037】
ベルトジャンクションコンベヤ10の状態を第2搬送状態から第1搬送状態に切り替えるときには、駆動モータ70の作動により、回転体71をF方向に回転させる。この回転体71のF方向への回転によって、連結ロッド72が押し出され、主支持枠20がG方向に回動する。一方、回転体71のF方向への回転によって連結ロッド73が引っ張られ、副支持枠21がH方向に回動する。そして、第1搬送状態まで回動すると、駆動モータ70の作動が停止され、主支持枠20及び副支持枠21の回動が停止される。この場合も、主支持枠20と副支持枠21とは相反する方向にそれぞれ30°回動する。なお、駆動モータ70の作動がF方向に動作したのち、万一停止されずに行き過ぎたときには、連結ロッド73が回転体71に当接される。ベルトジャンクションコンベヤ10が第1搬送状態となる場合では、駆動モータ70が誤作動し、回転体71がF方向に回転しようとしても連結ロッド73に当接していることから、その回転が防止される。
【0038】
また、切替機構23として構成された駆動モータをサーボモータとすることで、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で高速で切り替えることができるので、搬送される搬送物が高速で搬送された場合であっても、高速に且つ確実に仕分けることができる。また、主支持枠20と副支持枠21とを回動させるだけで、無端ベルト80の搬送ベルト部による搬送方向の切替が行えることから、搬送方向の切替時に、搬送物に衝撃を与えたることを防止できる上に、仕分け時に搬送物を仕分け装置に生じる隙間に引っかける、又は引き込むことを防止することができ、安定した確実な搬送物の仕分けを行うことができる。
【0039】
また、主支持枠20に設けられる駆動モータ33をフォローシャフトモータから構成することで、ドライブプーリ30を回転させる構成を簡易にすることができ、主支持枠20に取り付けられる部材の軽量化を図ることができる。エンドプーリ31の少なくとも無端ベルト80が巻き掛けられる管部分を外側の管部分をアルミニウム材により形成することで、主支持枠20が回動する際に最も慣性モーメントに寄与する、回動中心より最も遠いエンドプーリ31を軽量化することで、主支持枠20の慣性モーメントを低減でき、切替機構23の負荷を大幅に減少させることができる。
【0040】
なお、折返しプーリ53,54を用いることで、回転しないエンドパイプを用いる場合に比べて、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときに無端ベルト80に負荷を与えずに済むことから、駆動モータ70の負担を低減させることができる。
【0041】
また、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えたときには、折返しプーリ53,54がそれぞれ回転することで無端ベルト80が蛇行しやすいが、ホルダユニット85のホイール86が無端ベルト80の表面に設けられた肉厚縁部81に当接された状態となることから、搬送状態を切り替えたときに生じる無端ベルト80の蛇行を抑止することができる。
【0042】
本実施形態では、主支持枠20と副支持枠21とを回動させる角度として30°としているが、これら支持枠を回動させる角度は30°に限定されるものではなく、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で高速に切り替えることができる範囲であれば良く、例えば20〜45°の範囲であってもよい。
【0043】
本実施形態では、切替機構23を構成する駆動モータ70の駆動軸を回転体71に取り付けた実施形態としているが、駆動モータ70にギア機構を設け、このギア機構を介して回転体71を取り付けることも可能である。このようにギア機構を設けることで、駆動モータ70の性能が低い場合であっても、高速で回転体71を回転させる、つまり、主支持枠20と副支持枠21とを高速で回動させることができる。
【0044】
本実施形態では、無端ベルト80の両端部をベルトの走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むようにホルダユニット85を配置しているが、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えたときに無端ベルト80が蛇行走行することを防止できればよいことから、必ずしも無端ベルト80の両端部をベルトの走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むようにホルダユニット85を配置する必要はなく、例えば無端ベルト80の幅方向の一端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、無端ベルト80の幅方向の他端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とを無端ベルトの走行方向において交互に配置するなど、無端ベルト80の幅方向の一端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、無端ベルト80の幅方向の他端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とをそれぞれ少なくとも1つ配置することも可能である。
【0045】
また、この他に、折返しローラ53,54の近傍となる部分に、無端ベルト80の両端部を無端ベルト80の走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むようにホルダユニット85を配置し、折返しローラ53,54以外のローラの近傍に、無端ベルト80の両端部にそれぞれ設けられる肉厚縁部81のいずれか一方の肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、他方の肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とを交互に配置することも可能である。
【0046】
本実施形態では、搬送コンベヤ部の上流側で折り返す2つの折り返し部材として、2本の折り返しプーリ53、54を用いて説明しているが、これに限定する必要はなく、例えば、2つの折り返し部材として、2本の円筒形状のパイプ91、92や、2本の円柱形状のシャフトを用いることも可能である。以下、2つの折り返し部材として円筒形状のパイプ91,92を用いた場合について説明する。なお、本実施形態と同一の機能を有する箇所については同一の符号を付して説明し、また、本実施形態と同一箇所における説明は省略する。
【0047】
図9及び図10に示すように、2つの折り返し部材として2本のパイプ(折り返し用パイプ)91,92が基枠22に取り付けられる。折り返し用パイプ91は、連結ロッド61の上方に配置され、折り返し用パイプ92は、連結ロッド61の下方に配置される。なお、これら折り返し用パイプ91,92は、その両端部に不図示のブラケットが取り付けられた状態で基枠20にそれぞれ固定される。
【0048】
これら折り返し用パイプ91,92のうち、連結ロッド91の上方に配置される折り返し用パイプ91には、該折り返し用パイプ91の周面に当接される振動防止用のシャフト93が設けられている。駆動モータ94により無端ベルト80を走行させながら、上述した切替機構23によりベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えると、巻き掛けられた無端ベルト80は折り返し用パイプ91,92によって折り返されることから、これら折り返し用パイプ91,92に摺接されながら走行することになる。なお、折り返し用パイプ91によって折り返される無端ベルト80のベルト張力は、折り返し用パイプ92によって折り返される無端ベルト80のベルト張力よりも大きいことから、主支持枠20が回動する際に折り返し用パイプ91に生じる振動と、走行する無端ベルト80が折り返し用パイプ91に摺接する際に生じる振動とが共振してしまう。この共振により、両端ブラケットを含む折り返し用パイプ91が主に影響を与える折り返し部分全体が有する固有振動数の振動が発生してしまい、ベルトジャンクションコンベヤ10の駆動時には、大音量の異音が発生する。
【0049】
そこで、上述した振動防止用のシャフト93を、その周面が折り返し用パイプ91の周面に当接された状態が維持されるように基枠22に固定することで、折り返し部分として上述の固有振動数が大きく異なるようになり、且つ折り返し用パイプ91の中央部の振幅を押さえ込むように働くことで、上述した折り返し用パイプ91に生じる前述固有振動数の振動の発生を防止することができ、その結果、ベルトジャンクションコンベヤ10の駆動時に発生する異音を防止することができる。
【0050】
なお、上述した振動防止用のシャフト93は、折り返し用パイプ91の長さと同一の長さのシャフトであっても良いし、折り返し用パイプ91の長さよりも短いシャフトを折り返し用パイプ91に複数当接させることも可能である。また、シャフト93の断面形状については触れていないが、断面形状は円形、楕円形の他に、多角形であっても良い。また、上述した記載においては、振動防止用のシャフトを当接させる対象として折り返し用パイプ91を挙げているが、折り返し用パイプ91だけでなく折り返し用パイプ92に対しても振動防止用のシャフトを当接させてもよい。
【0051】
また、折り返し用パイプにおいて発生する異音を防止する方法としては、振動防止用のシャフト93を折り返し用パイプ91に当接させる他に、例えば折り返し用パイプ91の周面に開口や切り欠きなどを設け、折り返し用パイプ91の重量を変えることが挙げられる。このように折り返し用パイプ91の重量を変えることで、主支持枠20が回動する際に折り返し用パイプ91に生じる振動の振動数が変化することから、走行する無端ベルト80が折り返し用パイプ91に摺接する際に生じる振動との共振を防止することができる。
【0052】
上述したように、折り返し部材として円筒形状の折り返し用パイプ91,92を用いた場合、走行する無端ベルト80と折り返し用パイプ91,92とが摺接するときの摩擦力は本実施形態に記載した折り返しプーリ53,54の場合よりも大きくなり、また、無端ベルト80はエンドプーリ31と折り返し用パイプ91との間で張設されていることから、無端ベルト80を走行させながらベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えた場合、折り返し用パイプ91近傍においては、走行する無端ベルト80が蛇行しにくくなる。
【0053】
このように、折り返し部材としてパイプ91,92を用いた場合には、無端ベルト80が蛇行しないことから、エンドプーリ31と折り返し用パイプ91との間や、折り返し用パイプ91とテールプーリ40との間には、ホルダユニット85を配置する必要が無くなるので、配置するホルダユニット85の数を低減させることが可能となる。
【0054】
なお、エンドプーリ31及びドライブプーリ30の間、テークアッププーリ32及び折り返し用パイプ92の間、折り返し用パイプ92及びテールプーリ40の間においては、走行する無端ベルト80の張設状態が弱いことから、これらの間を走行する無端ベルト80は蛇行しやすくなる。このため、折り返し部材として折り返し用パイプ91,92を用いた場合には、本実施形態と同様に、エンドプーリ31及びドライブプーリ30の間、テークアッププーリ32及び折り返し用パイプ92の間、折り返し用パイプ92及びテールプーリ40の間には、走行する無端ベルト80の蛇行を防止するためのホルダユニット85が配置される。
【0055】
この場合、ホルダユニット85は、無端ベルト80の両端部を無端ベルト80の走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むように配置しても良いし、無端ベルト80の幅方向の一端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、無端ベルト80の幅方向の他端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とを無端ベルト80の走行方向において、交互に配置するなどしてよいものとする。
【0056】
また、折り返し部材として円筒形状の折り返し用パイプ91,92を用いた場合には、走行する無端ベルト80と折り返し用パイプ91,92との間には摩擦力が生じることから、駆動モータ94としては、折り返しプーリ53,54を用いた場合に用いられる駆動モータ33よりも、その出力が大きい駆動モータが用いられる。なお、ベルトジャンクションコンベヤ10を作動させた場合の動きについては、本実施形態と同一であることから、ここではその詳細を省略する。
【0057】
上述したように、折り返し部材としては円筒形状の折り返し用パイプ91,92の他に、円筒状のシャフトを用いることも可能である。図示はしないが、円筒状のシャフトを用いた場合には、ベルトジャンクションコンベヤ10の駆動時に、折り返し部と無端ベルト80との間で第1搬送状態とは異なる振動数の振動が生じても、そのシャフトの材料厚みが折り返し用パイプと異なることに起因する折り返し部全体の固有振動数の変化により、該固有振動数とは大きく異なり、固定振動数の振動に起因する異音は発生しないことから、上述した振動防止用のシャフト93を基枠22に取り付ける必要はない。
【0058】
本実施形態では、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときに、主支持枠20や副支持枠21を、小さな力で、且つ安定して回動させるために、主支持枠20と副支持枠21とのそれぞれにキャスター34,35,44を取り付けている。しかしながら、主支持枠20には、駆動モータ33又は駆動モータ94など多くの部品が取り付けられることから、第1搬送状態と第2搬送状態との間の切替によって回動する主支持枠20を瞬時に停止させたときには、回動時の遠心力により基枠22に設けられた第1ステージ50から主支持枠20が浮き上がってしまうという問題が生じる。
【0059】
このような問題を解決するためには、図11に示すように、ステージ96の下面側に、回動する主支持枠20の停止時に該支持枠20の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止部材を設ければよい。この浮き上がり防止部材としては、例えばガイドホイール97が用いられ、該ガイドホイール97をステージ96の上面とは反対側の面に当接させればよい。なお、このガイドホイール97は、ブラケット98を介して主支持枠20に固定させる。これにより、回動する主支持枠20を瞬時に停止させた時に生じる主支持枠20の浮き上がりを防止することができる。なお、図示はしないが、ステージ96は、ガイドホイール97及びキャスター35の移動軌跡に基づいた形状から形成される。
【0060】
なお、上述した浮き上がりを防止する部材としてガイドホイール97を挙げているが、これに限定されるものではなく、回動する主支持枠20の停止時にステージ96の下面に当接されるストッパを主支持枠20に設ける、又は主支持枠20の回動方向に沿ったレールと、該レールが入り込み、主支持枠の移動方向を規制するガイド溝とを、主支持枠及び基枠にそれぞれ設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ベルトジャンクションコンベヤが第1搬送状態となる場合を示す上面図である。
【図2】ベルトジャンクションコンベヤが第2搬送状態となる場合を示す上面図である。
【図3】図1に示すA−A’断面図である。
【図4】ホルダユニットの構成を示す断面図である。
【図5】ベルトジャンクションコンベヤが第1搬送状態となる場合の主支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図6】ベルトジャンクションコンベヤが第1搬送状態となる場合の副支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図7】ベルトジャンクションコンベヤが第2搬送状態となる場合の主支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図8】ベルトジャンクションコンベヤが第2搬送状態となる場合の副支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図9】折り返し部材として円筒形状のパイプを用いた場合のベルトジャンクションコンベヤを示す上面図である。
【図10】折り返し部材として円筒形状のパイプを用いた場合のベルトジャンクションコンベヤの構成を示す断面図である。
【図11】浮き上がり防止用のガイドホイールを主支持枠に設けた場合のベルトジャンクションコンベヤの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・ベルトジャンクションコンベヤ、20・・・主支持枠、21・・・副支持枠、22・・・基枠、23・・・切替機構、30・・・ドライブプーリ、31・・・エンドプーリ、33・・・駆動モータ、40・・・テールプーリ、53,54・・・折返しプーリ、60,61,72,73・・・連結ロッド、70・・・駆動モータ、71・・・回転体、80・・・無端ベルト、81・・・肉厚縁部、85・・・ホルダユニット、91,92・・・折り返し用パイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤで搬送される搬送物を仕分けるベルトジャンクションコンベヤに関し、特に、搬送物を搬送する搬送コンベヤ部を左右に回動させて、該搬送物を仕分けるベルトジャンクションコンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空港手荷物、郵便物などの搬送物はベルトコンベヤにて搬送される過程で、搬送物が仕分けられるのが一般的である。搬送される過程で搬送物を仕分ける方法としては、例えば本流となるベルトコンベヤと、このベルトコンベヤから分岐するベルトコンベヤとの分岐部分に分岐アームを配置し、この分岐アームの回動の有無で搬送物を仕分ける方法や、上述した分岐部分にプッシャを配置し、このプッシャによって搬送物を押し出すか否かによって搬送物を仕分ける方法などが提案されている(例えば特許文献1など)。
【特許文献1】特開2006−008279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このように分岐アームの回動の有無によって搬送物を仕分ける場合、本流となるベルトコンベヤによって搬送される搬送物が分岐アームに当接されたときの衝撃によって搬送物が破損したり、分岐アームの下端とベルトコンベヤの搬送ベルト上面との間に生じる隙間に引っ掛かったり挟まれたりすることで、搬送や仕分けがスムーズに行われないという欠点がある。この欠点は、プッシャを用いた場合も同様に発生することから、搬送物を搬送しながら仕分ける有効な手段が見いだせないのが現状である。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するために発明されたものであり、搬送される搬送物に対して搬送物の破損を防止するため側面などからの衝撃を与えず、かつ搬送される搬送物を安定して確実に仕分けることができるようにしたベルトジャンクションコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、本発明のベルトジャンクションコンベヤは、搬送物を仕分ける搬送コンベヤ部が形成された無端ベルトと、巻き掛けられた無端ベルトを走行させるドライブプーリと、前記ドライブプーリに巻き掛けられた無端ベルトを、前記搬送コンベヤ部が上面に位置するように、前記搬送物の搬送方向における搬送コンベヤ部の上流側で折り返す2つの折返し部材と、前記2つの折返し部材によって折り返された後の無端ベルトが巻き掛けられるテールプーリと、前記ドライブプーリが回転可能に取り付けられた主支持枠と、前記テールプーリが回転可能に取り付けられた副支持枠と、一端部が前記主支持枠に取り付けられた第1の連結ロッドと、一端部が前記副支持枠に取り付けられた第2の連結ロッドと、前記2つの折返し部材が取り付けられるとともに、前記第1の連結ロッドと前記第2の連結ロッドとが同軸となるように軸着され、前記第2の連結ロッドが前記2つの折返し部材の間に配設された基枠と、前記主支持枠と副支持枠とを相反する方向に所定量回動させて、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える切替機構とを備え、前記切替機構を、アクチュエータとして作動する駆動モータと、前記駆動モータの作動により回転する回転体と、前記回転体と主支持枠とを連結する第1の連結部材と、前記回転体と副支持枠とを連結する第2の連結部材と、から構成したことを特徴とする。
【0006】
また、前記2つの折り返し部材は、それぞれ折り返しプーリから構成されるとともに、前記折り返しプーリは、前記基枠に回転可能に取り付けられることを特徴とする。また、前記2つの折り返し部材は、それぞれ円筒形状のパイプ又は円柱状のシャフトのいずれか一方から構成されることを特徴とする。例えば前記2つの折り返し部材がそれぞれ円筒形状のパイプからなる場合に、これらパイプのうち、少なくとも前記第2の連結ロッドの上方に配置されるパイプに当接される振動防止部材を前記基枠に設けたことが好ましい。
【0007】
また、前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に、半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、前記肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ前記肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ各々押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、及び無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの端縁に近接する位置に複数配置したことを特徴とする。
【0008】
また、前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、前記無端ベルトの幅方向の両端縁に設けられた肉厚縁部のいずれか一方の肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ該肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、又は無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの一端縁に近接する位置、及び無端ベルトの他端縁に近接する位置のそれぞれに少なくとも1つ配置したことを特徴とする。
【0009】
また、記ドライブプーリは、該ドライブプーリの中心軸が嵌入されるフォローシャフトを備えたモータによって回転されることを特徴とする。
【0010】
また、前記主支持枠は、前記ドライブプーリの他に、前記搬送物の搬送方向における前記搬送コンベヤ部の端部のうち、前記折返しローラが配置される端部とは反対側の端部で無端ベルトが巻き掛けられるエンドプーリをさらに備え、このエンドプーリの少なくとも前記無端ベルトが巻き掛けられる箇所をアルミニウム材により形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベルトジャンクションコンベヤによれば、プッシャや分岐アーム等を用いなくとも搬送物を仕分けることができる。つまり、分岐アームやプッシャなどによる仕分け時の搬送物側面からの衝撃を、搬送物に与えずに済むので、搬送物の破損を防止することができるとともに、分岐アームの下端と搬送ベルト上面との間に生じた隙間に搬送物を挟み込んだり、引っ掛けることがなく、搬送物を安定して仕分けることができる。また、アクチュエータとして駆動モータを使用することで、他のアクチュエータを用いる場合に比べて、ベルトジャンクションコンベヤとしての設備を小さくできるので、ベルトジャンクションコンベヤの製造コストを抑えることができる。さらに、駆動モータを用いることで、モータへ給電する電圧調整や電源交流周波数の調整、或いはアクチュエータの動作における動作速度を調整する(加減速などの調整)を行うことができるので、リンク機構や、リンク機構が接続される主支持枠、副支持枠などベルトジャンクションコンベヤの各部への衝撃をやわらげるように滑らかに動作させることが可能となる。それに加えて、ベルトジャンクションコンベヤの状態を駆動モータを用いて切り替える場合には、ストッパなどに当接させて停止させずに駆動モータの駆動停止で対応することから、ベルトジャンクションコンベヤの各部への衝撃を低減できるので、ベルトジャンクションコンベヤの各部を長寿命化でき、また、振動音や衝撃音等の騒音の発生等を防止することができる。
【0012】
また、ベルトジャンクションコンベヤの無端ベルトの両縁端に設けられた半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を、ベルトジャンクションコンベヤの支持枠に取り付けたホイール状ホルダユニットにより当接させて支持枠に幅方向中央へ無端ベルトが寄ることを規制することで、無端ベルトを折り返している部位がねじられる時に発生する蛇行傾向を抑制することができ、安定したコンベヤベルトの走行を実現させることができる。
【0013】
また、前記ドライブプーリは、該ドライブプーリの回転軸が嵌入されるフォローシャフトを備えたモータによって回転されることで、雄と雌の回転軸を接続するカップリングなどが不要となり、かつ近年モートル部と駆動伝達部が一体でコンパクト化されたフォローシャフトを備えたモータをドライブプーリを回転させる機構とすることで、ドライブプーリの中心軸をわずかに延長してモータのみを主支持枠にトルクアーム機構で配設すればよいことから、装置自体の軽量化を行うことができる。また、主支持枠が回動する際に、回動中心から一定量離れたドライブプーリ回転機構を軽量化することで、主支持枠の慣性モーメントを低減でき、切替機構の負荷を大幅に減少させることができる。
【0014】
また、前記主支持枠は、前記ドライブプーリの他に、前記搬送物の搬送方向における前記搬送コンベヤ部の端部のうち、前記折返しローラが配置される端部とは反対側の端部で無端ベルトが巻き掛けられるエンドプーリをさらに備え、このエンドプーリの少なくとも前記無端ベルトが巻き掛けられる箇所をアルミニウム材により形成したことで、主支持枠が回動する際に最も慣性モーメントに寄与する、回動中心から最も離れたエンドプーリを軽量化することで、主支持枠の慣性モーメントを低減でき、切替機構の負荷を大幅に減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜図3に示すように、本発明のベルトジャンクションコンベヤ10は、上流側に配置されたベルトコンベヤ11によって搬送された搬送物を、搬送面の進行方向を切り替えた後移載し受け取ったのちに、下流側に設けられた本流ベルトコンベヤ12、又は分岐側ベルトコンベヤ13の何れか一方に搬送することで、搬送される搬送物を仕分ける装置である。なお、以下では、本流ベルトコンベヤ12に向けて搬送物を搬送するときのベルトジャンクションコンベヤ10の状態を第1搬送状態とし、分岐側ベルトコンベヤ13に向けて搬送物を搬送するときのベルトジャンクションコンベヤ10の状態を第2搬送状態として説明する。また、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときには、後述する主支持枠20と副支持枠21とを相反する方向にそれぞれ30°回動するものとして説明する。このベルトジャンクションコンベヤ10は、主支持枠20、副支持枠21、基枠22、及び切替機構23を備えている。
【0016】
主支持枠20は、基枠22に対して回動可能となるように、後述する連結ロッド60を介して基枠22と連結される。この主支持枠20は、ドライブプーリ30、エンドプーリ31、テークアッププーリ32がそれぞれ回転可能に、且つそれぞれの軸方向が平行となるように主支持枠20に軸支される。
【0017】
ドライブプーリ30は、主支持枠20の幅方向と直交する方向において、主支持枠20の略中央となる位置に配置されている。このドライブプーリ30の中心軸は、その一端が駆動モータ33に設けられたフォローシャフト33aに嵌入される。これによって雄と雌の回転軸を接続するカップリング等が不要となり、且つモートル部と駆動伝達部が一体でコンパクト化されたフォローシャフト33aを備えた駆動モータ33を利用することにより、主支持枠20の重量を抑えることができ、主支持枠20の回動時の慣性モーメントが減少する。
【0018】
エンドプーリ31は、主支持枠20の幅方向と直交する方向における主支持枠20の一端側(図3中右側端部)に配置される。このエンドプーリ31としては、望ましくはアルミニウム製の管部分を有するプーリが用いられるのが良い。後述するように回動する主支持枠20の慣性モーメントに寄与する主支持枠先端重量を軽減し、切替機構の負荷を減少させることができる。テークアッププーリ32は、走行する無端ベルト80の経年変化による弛みを防止するために設けられる。
【0019】
これらプーリが軸支される主支持枠20の側面には、ドライブプーリ30を回転させるための駆動モータ33が設けられる。この駆動モータ33は、モートルの回転軸の回動方向を変換する駆動部を一体化したもので、駆動部にはモートルの回転軸と直交する方向にドライブプーリ30の回転軸30aを嵌入させるフォローシャフト33aが設けられている。また、図3に示すように、駆動モータ33は、主支持枠20の下面にピンで引っかかるようにしたトルクアーム33bによりわずかにフォローシャフト33a周りに遊びを持って固定される。このような固定方法を用いることで、駆動モータ33の作動時にモータ自体が回転しないように、かつ主支持枠20に固定することができる。これにより、トルクアーム33bを用いないで主支持枠20にボルトで遊びなく強固に固定した場合に起こる、ドライブプーリ30の回転軸30aのぶれが直に駆動モータ30のフォローシャフト33aに伝わり破損することが防止される。
【0020】
また、駆動モータ33が設けられる側面とは反対側となる主支持枠20の側面には、後述する連結ロッド72が取り付けられる。さらに、主支持枠20の下面には、基枠22の上面に施した板面(後述する第1ステージ50)上に当接して軸L1を中心に回動できるように、キャスター34,35が設けられている。これらキャスター34、35の車輪回動により、主支持枠20を安定して、且つ小さい力で回動させることができる。この主支持枠20は、幅方向と平行な方向に延び、主支持枠20の両側面を繋ぐ連結材を備え、キャスター34の近傍において、連結ロッド60の一端が前記連結材に取り付けられる。なお、キャスターの個数は3個に限定する必要はなく、軸L1を各キャスターの車輪の支軸見通し先として主支持枠の4隅に配置することも可能である。
【0021】
副支持枠21は、基枠22に対して回動可能となるように、且つその回動中心が主支持枠20と同一となるように、後述する連結ロッド61を介して基枠22と連結される。この副支持枠21は、テールプーリ40を備える。このテールプーリ40は、副支持枠21の幅方向と直交する方向における両端部のうち、連結ロッド61が副支持枠21に取り付けられる側の端部とは反対側の端部に、且つその軸方向が副支持枠21の幅方向と一致するように副支持枠21に回転可能に軸支される。この副支持枠21の下面には、キャスター42が3カ所に、軸L1を各キャスターの車輪の支軸見通し先として設けられている。このキャスター42により、副支持枠21を安定して回動させることができる。
【0022】
基枠22は、主支持枠20がキャスター34,35を介して載置される第1ステージ50と、副支持枠21がキャスター42を介して載置される第2ステージ51とを備える。この基枠22は、その幅方向と直交する方向における一端部に折返しローラ53,54が回転自在に軸支される。このうち、折返しローラ53は、エンドプーリ31と上面を同じレベルになるように軸支され、無端ベルト80の折返しローラ53とエンドプーリ31との間に張設される部分が最上面になるように設けられる。これら折返しローラ53,54は、その軸方向が基枠21の幅方向と一致するように、且つ所定間隔を空けて上下に配置される。
【0023】
折返しローラ54の下方の、基枠22の幅方向と直交する方向における一端部には、連結ロッド60の一端部が軸着される。この連結ロッド60の他端は、主支持枠20に取り付けられる。また、折返しローラ53,54の間には、連結ロッド61の一端部が連結ロッド60と同軸(図3に示すL1)となるように軸着される。この連結ロッド61の他端部は、副支持枠21に取り付けられる。
【0024】
切替機構23は、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替える。この切替機構23は、駆動モータ70、回転体71、連結ロッド72及び連結ロッド73から構成される。駆動モータ70は、例えば回転時のトルクが高出力となるサーボモータが用いられる。この駆動モータ70をサーボモータとすることで、回転体を高速に回転させる、つまり、ベルトジャンクションコンベヤ10の状態を、第1搬送状態と第2搬送状態との間で素早く切り替えることが可能となる。なお、この駆動モータ70の作動制御は図示しない制御装置によって実行される。
【0025】
回転体71は、略長方板形状からなる。この回転体71の両端部に連結ロッド72,73の一端部がそれぞれ軸着される。この回転体71は、その回転中心から、この回転体71に軸着される連結ロッド72の一端部に設けられた軸着ピン部72aまでの長さと、回転中心から、この回転体71に軸着される連結ロッド73に設けられた軸着ピン部73aまでの長さとがそれぞれ異なるように駆動モータ70の駆動軸に軸着される。
【0026】
連結ロッド72は、回転体71と主支持枠20とを連結するために設けられる。上述したように、連結ロッド72の一端部は回転体71に、その他端部は主支持枠20の側面にそれぞれ水平方向に回動可能な形で軸着される。
【0027】
連結ロッド73は、回転体71と副支持枠21とを連結するために設けられる。上述したように、連結ロッド73の一端部は回転体71に、その他端部は副支持枠21の側面ににそれぞれ水平方向に回動可能な形で着される。
【0028】
無端ベルト80は、主支持枠20及び副支持枠21のそれぞれに取り付けられたプーリに巻き掛けられる。つまり、無端ベルト80は、ドライブプーリ30を起点とした場合に、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の下流側に向けて折り返されるようにドライブプーリ30に巻き掛けられた後、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の上流側に向けて再度折り返されるようにエンドプーリ31及びテークアッププーリ32にそれぞれ巻き掛けられる。そして、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の上流側に折り返された無端ベルト80は、ベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の下流側に折り返されるように折返しプーリ53,54にそれぞれ巻き掛けられた後、再びベルトジャンクションコンベヤ10上面の搬送面における搬送方向の下流側に折り返されてエンドプーリ40に巻き掛けられ、プーリ表面で無端状となっている。
【0029】
これらプーリに巻き掛けられた無端ベルト80のうち、折返しプーリ53とエンドプーリ31との間に張設される上面が搬送物を載置して搬送仕分けする搬送ベルト部となる。この無端ベルト80は、そのベルトジャンクションコンベヤ10に掛け回された状態における搬送ベルト部上面となる面側で、且つ無端ベルト80の幅方向の両端部に、無端ベルト80の走行方向全長にに亘って肉厚縁部81が設けられる(図4参照)。
【0030】
無端ベルト80が主支持枠20に設けられたプーリ及び、副支持枠21に設けられたプーリによって折り返される部分の近傍には、無端ベルト80の幅方向の両端部にホルダユニット85が設けられる。
【0031】
図4は、折返しプーリ53とエンドプーリ31との間に配置されるホルダユニット85の構成を示す図である。2個1組のホルダユニット85は、無端ベルト80の両端部をベルトの走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むように配置される。このホルダユニット85は、無端ベルト80の表面側に配置される複数のホイール86と、無端ベルト80の裏面側に配置される複数のホイール87とを備える。
【0032】
これらホイールのうち、無端ベルト80の表面側に配置されるホイール86は、無端ベルト80の幅方向の端部に向けて傾斜するように配置される。このホイール86は、無端ベルト80に設けられた肉厚縁部81に当接しながら回転することで、ベルト縁部の肉厚縁部81を下方にあるホイール87の方向及びベルト縁部外側方向の両方にベクトルを持って押圧し、これを両ベルト縁部で相反するベルト縁部外側方向へ押圧することでベルトを幅方向に張設して、縁部をベルト中央に寄らないように規制する。これにより、無端ベルト80が蛇行走行することを防止している。
【0033】
一方、無端ベルト80の裏面側に配置されるホイール87は、無端ベルト80に対して垂直となるように配置される。なお符号88は、ホイール87が回転自在に取り付けられ、無端ベルト80が定常状態のホイール86の外側押圧にかかわらず、その縁がベルト中央に寄ろうとするときに肉厚縁部81の山部頂点近辺にまでホイール86が乗り上げた際に、その撓み復元力でホイール86を斜め下方に強力に押しつけ、よって肉厚縁部81をさらに外側に強く押圧させるバネ板である。なお、このホルダユニット85に設けられるホイール86,87の個数は、配置される場所によってそれぞれ異なるようにしても良いし、同一であってよいものとする。
【0034】
次に、このようにして構成されたベルトジャンクションコンベヤ10の動作について説明する。なお、図5は第1搬送状態となる場合の主支持枠20について、図6は第1搬送状態となる場合の副支持枠21について説明するものであり、図7は第2搬送状態となる場合の主支持枠20について、図8は第2搬送状態となる場合の副支持枠21について説明するものである。また、図の煩雑さを解消するために、図5及び図7については無端ベルト80及び副支持枠21については省略し、図6及び図8については無端ベルト80及び主支持枠20については省略してある。また、主支持枠20と副支持枠21とは、同一の回動中心で回動することになるが、その回動方向については、異なる英字を用いて説明する。
【0035】
ベルトジャンクションコンベヤ10が第1搬送状態となる場合、主支持枠20と副支持枠21とは、それぞれに掛け回される無端ベルト80の走行方向が同一方向となるように、つまり、連結ロッド60と連結ロッド61とのそれぞれの軸方向が平行となるように位置している。ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態から第2搬送状態へと切り替える場合には、駆動モータ70を作動させ、回転体71をC方向に回転させる。この回転体71のC方向への回転によって連結ロッド72が引っ張られる。連結ロッド72の長さは一定であり、また連結ロッド72は主支持枠20に取り付けられていることから、連結ロッド72が引っ張られることで主支持枠20が移動する。なお、主支持枠20は、その一端が基枠22に軸着された連結ロッド60が固定されていることから、主支持枠20の移動は、連結ロッド60の一端を回動中心(図3に示すL1)としたD方向への回動となる。
【0036】
一方、回転体71のC方向への回転によって、連結ロッド73は押し出される。この連結ロッド73が押し出されることで、連結ロッド73の一端部が取り付けられた副支持枠21が移動する。なお、副支持枠21は連結ロッド61が取り付けられていることから、連結ロッド61の一端を回動中心(図3に示すL1)としたE方向への回動となる。主支持枠20と副支持枠21とが、それぞれ相反する方向に30°回動すると、回転体71のC方向の回転が停止され、ベルトジャンクションコンベヤ10が第2搬送状態となる(図2参照)。
【0037】
ベルトジャンクションコンベヤ10の状態を第2搬送状態から第1搬送状態に切り替えるときには、駆動モータ70の作動により、回転体71をF方向に回転させる。この回転体71のF方向への回転によって、連結ロッド72が押し出され、主支持枠20がG方向に回動する。一方、回転体71のF方向への回転によって連結ロッド73が引っ張られ、副支持枠21がH方向に回動する。そして、第1搬送状態まで回動すると、駆動モータ70の作動が停止され、主支持枠20及び副支持枠21の回動が停止される。この場合も、主支持枠20と副支持枠21とは相反する方向にそれぞれ30°回動する。なお、駆動モータ70の作動がF方向に動作したのち、万一停止されずに行き過ぎたときには、連結ロッド73が回転体71に当接される。ベルトジャンクションコンベヤ10が第1搬送状態となる場合では、駆動モータ70が誤作動し、回転体71がF方向に回転しようとしても連結ロッド73に当接していることから、その回転が防止される。
【0038】
また、切替機構23として構成された駆動モータをサーボモータとすることで、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で高速で切り替えることができるので、搬送される搬送物が高速で搬送された場合であっても、高速に且つ確実に仕分けることができる。また、主支持枠20と副支持枠21とを回動させるだけで、無端ベルト80の搬送ベルト部による搬送方向の切替が行えることから、搬送方向の切替時に、搬送物に衝撃を与えたることを防止できる上に、仕分け時に搬送物を仕分け装置に生じる隙間に引っかける、又は引き込むことを防止することができ、安定した確実な搬送物の仕分けを行うことができる。
【0039】
また、主支持枠20に設けられる駆動モータ33をフォローシャフトモータから構成することで、ドライブプーリ30を回転させる構成を簡易にすることができ、主支持枠20に取り付けられる部材の軽量化を図ることができる。エンドプーリ31の少なくとも無端ベルト80が巻き掛けられる管部分を外側の管部分をアルミニウム材により形成することで、主支持枠20が回動する際に最も慣性モーメントに寄与する、回動中心より最も遠いエンドプーリ31を軽量化することで、主支持枠20の慣性モーメントを低減でき、切替機構23の負荷を大幅に減少させることができる。
【0040】
なお、折返しプーリ53,54を用いることで、回転しないエンドパイプを用いる場合に比べて、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときに無端ベルト80に負荷を与えずに済むことから、駆動モータ70の負担を低減させることができる。
【0041】
また、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えたときには、折返しプーリ53,54がそれぞれ回転することで無端ベルト80が蛇行しやすいが、ホルダユニット85のホイール86が無端ベルト80の表面に設けられた肉厚縁部81に当接された状態となることから、搬送状態を切り替えたときに生じる無端ベルト80の蛇行を抑止することができる。
【0042】
本実施形態では、主支持枠20と副支持枠21とを回動させる角度として30°としているが、これら支持枠を回動させる角度は30°に限定されるものではなく、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で高速に切り替えることができる範囲であれば良く、例えば20〜45°の範囲であってもよい。
【0043】
本実施形態では、切替機構23を構成する駆動モータ70の駆動軸を回転体71に取り付けた実施形態としているが、駆動モータ70にギア機構を設け、このギア機構を介して回転体71を取り付けることも可能である。このようにギア機構を設けることで、駆動モータ70の性能が低い場合であっても、高速で回転体71を回転させる、つまり、主支持枠20と副支持枠21とを高速で回動させることができる。
【0044】
本実施形態では、無端ベルト80の両端部をベルトの走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むようにホルダユニット85を配置しているが、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えたときに無端ベルト80が蛇行走行することを防止できればよいことから、必ずしも無端ベルト80の両端部をベルトの走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むようにホルダユニット85を配置する必要はなく、例えば無端ベルト80の幅方向の一端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、無端ベルト80の幅方向の他端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とを無端ベルトの走行方向において交互に配置するなど、無端ベルト80の幅方向の一端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、無端ベルト80の幅方向の他端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とをそれぞれ少なくとも1つ配置することも可能である。
【0045】
また、この他に、折返しローラ53,54の近傍となる部分に、無端ベルト80の両端部を無端ベルト80の走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むようにホルダユニット85を配置し、折返しローラ53,54以外のローラの近傍に、無端ベルト80の両端部にそれぞれ設けられる肉厚縁部81のいずれか一方の肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、他方の肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とを交互に配置することも可能である。
【0046】
本実施形態では、搬送コンベヤ部の上流側で折り返す2つの折り返し部材として、2本の折り返しプーリ53、54を用いて説明しているが、これに限定する必要はなく、例えば、2つの折り返し部材として、2本の円筒形状のパイプ91、92や、2本の円柱形状のシャフトを用いることも可能である。以下、2つの折り返し部材として円筒形状のパイプ91,92を用いた場合について説明する。なお、本実施形態と同一の機能を有する箇所については同一の符号を付して説明し、また、本実施形態と同一箇所における説明は省略する。
【0047】
図9及び図10に示すように、2つの折り返し部材として2本のパイプ(折り返し用パイプ)91,92が基枠22に取り付けられる。折り返し用パイプ91は、連結ロッド61の上方に配置され、折り返し用パイプ92は、連結ロッド61の下方に配置される。なお、これら折り返し用パイプ91,92は、その両端部に不図示のブラケットが取り付けられた状態で基枠20にそれぞれ固定される。
【0048】
これら折り返し用パイプ91,92のうち、連結ロッド91の上方に配置される折り返し用パイプ91には、該折り返し用パイプ91の周面に当接される振動防止用のシャフト93が設けられている。駆動モータ94により無端ベルト80を走行させながら、上述した切替機構23によりベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えると、巻き掛けられた無端ベルト80は折り返し用パイプ91,92によって折り返されることから、これら折り返し用パイプ91,92に摺接されながら走行することになる。なお、折り返し用パイプ91によって折り返される無端ベルト80のベルト張力は、折り返し用パイプ92によって折り返される無端ベルト80のベルト張力よりも大きいことから、主支持枠20が回動する際に折り返し用パイプ91に生じる振動と、走行する無端ベルト80が折り返し用パイプ91に摺接する際に生じる振動とが共振してしまう。この共振により、両端ブラケットを含む折り返し用パイプ91が主に影響を与える折り返し部分全体が有する固有振動数の振動が発生してしまい、ベルトジャンクションコンベヤ10の駆動時には、大音量の異音が発生する。
【0049】
そこで、上述した振動防止用のシャフト93を、その周面が折り返し用パイプ91の周面に当接された状態が維持されるように基枠22に固定することで、折り返し部分として上述の固有振動数が大きく異なるようになり、且つ折り返し用パイプ91の中央部の振幅を押さえ込むように働くことで、上述した折り返し用パイプ91に生じる前述固有振動数の振動の発生を防止することができ、その結果、ベルトジャンクションコンベヤ10の駆動時に発生する異音を防止することができる。
【0050】
なお、上述した振動防止用のシャフト93は、折り返し用パイプ91の長さと同一の長さのシャフトであっても良いし、折り返し用パイプ91の長さよりも短いシャフトを折り返し用パイプ91に複数当接させることも可能である。また、シャフト93の断面形状については触れていないが、断面形状は円形、楕円形の他に、多角形であっても良い。また、上述した記載においては、振動防止用のシャフトを当接させる対象として折り返し用パイプ91を挙げているが、折り返し用パイプ91だけでなく折り返し用パイプ92に対しても振動防止用のシャフトを当接させてもよい。
【0051】
また、折り返し用パイプにおいて発生する異音を防止する方法としては、振動防止用のシャフト93を折り返し用パイプ91に当接させる他に、例えば折り返し用パイプ91の周面に開口や切り欠きなどを設け、折り返し用パイプ91の重量を変えることが挙げられる。このように折り返し用パイプ91の重量を変えることで、主支持枠20が回動する際に折り返し用パイプ91に生じる振動の振動数が変化することから、走行する無端ベルト80が折り返し用パイプ91に摺接する際に生じる振動との共振を防止することができる。
【0052】
上述したように、折り返し部材として円筒形状の折り返し用パイプ91,92を用いた場合、走行する無端ベルト80と折り返し用パイプ91,92とが摺接するときの摩擦力は本実施形態に記載した折り返しプーリ53,54の場合よりも大きくなり、また、無端ベルト80はエンドプーリ31と折り返し用パイプ91との間で張設されていることから、無端ベルト80を走行させながらベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えた場合、折り返し用パイプ91近傍においては、走行する無端ベルト80が蛇行しにくくなる。
【0053】
このように、折り返し部材としてパイプ91,92を用いた場合には、無端ベルト80が蛇行しないことから、エンドプーリ31と折り返し用パイプ91との間や、折り返し用パイプ91とテールプーリ40との間には、ホルダユニット85を配置する必要が無くなるので、配置するホルダユニット85の数を低減させることが可能となる。
【0054】
なお、エンドプーリ31及びドライブプーリ30の間、テークアッププーリ32及び折り返し用パイプ92の間、折り返し用パイプ92及びテールプーリ40の間においては、走行する無端ベルト80の張設状態が弱いことから、これらの間を走行する無端ベルト80は蛇行しやすくなる。このため、折り返し部材として折り返し用パイプ91,92を用いた場合には、本実施形態と同様に、エンドプーリ31及びドライブプーリ30の間、テークアッププーリ32及び折り返し用パイプ92の間、折り返し用パイプ92及びテールプーリ40の間には、走行する無端ベルト80の蛇行を防止するためのホルダユニット85が配置される。
【0055】
この場合、ホルダユニット85は、無端ベルト80の両端部を無端ベルト80の走行方向に直交する仮想線のベルト縁と交わる位置で各々挟み込むように配置しても良いし、無端ベルト80の幅方向の一端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85と、無端ベルト80の幅方向の他端部に設けられた肉厚縁部81に当接されるホルダユニット85とを無端ベルト80の走行方向において、交互に配置するなどしてよいものとする。
【0056】
また、折り返し部材として円筒形状の折り返し用パイプ91,92を用いた場合には、走行する無端ベルト80と折り返し用パイプ91,92との間には摩擦力が生じることから、駆動モータ94としては、折り返しプーリ53,54を用いた場合に用いられる駆動モータ33よりも、その出力が大きい駆動モータが用いられる。なお、ベルトジャンクションコンベヤ10を作動させた場合の動きについては、本実施形態と同一であることから、ここではその詳細を省略する。
【0057】
上述したように、折り返し部材としては円筒形状の折り返し用パイプ91,92の他に、円筒状のシャフトを用いることも可能である。図示はしないが、円筒状のシャフトを用いた場合には、ベルトジャンクションコンベヤ10の駆動時に、折り返し部と無端ベルト80との間で第1搬送状態とは異なる振動数の振動が生じても、そのシャフトの材料厚みが折り返し用パイプと異なることに起因する折り返し部全体の固有振動数の変化により、該固有振動数とは大きく異なり、固定振動数の振動に起因する異音は発生しないことから、上述した振動防止用のシャフト93を基枠22に取り付ける必要はない。
【0058】
本実施形態では、ベルトジャンクションコンベヤ10を第1搬送状態と第2搬送状態との間で切り替えるときに、主支持枠20や副支持枠21を、小さな力で、且つ安定して回動させるために、主支持枠20と副支持枠21とのそれぞれにキャスター34,35,44を取り付けている。しかしながら、主支持枠20には、駆動モータ33又は駆動モータ94など多くの部品が取り付けられることから、第1搬送状態と第2搬送状態との間の切替によって回動する主支持枠20を瞬時に停止させたときには、回動時の遠心力により基枠22に設けられた第1ステージ50から主支持枠20が浮き上がってしまうという問題が生じる。
【0059】
このような問題を解決するためには、図11に示すように、ステージ96の下面側に、回動する主支持枠20の停止時に該支持枠20の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止部材を設ければよい。この浮き上がり防止部材としては、例えばガイドホイール97が用いられ、該ガイドホイール97をステージ96の上面とは反対側の面に当接させればよい。なお、このガイドホイール97は、ブラケット98を介して主支持枠20に固定させる。これにより、回動する主支持枠20を瞬時に停止させた時に生じる主支持枠20の浮き上がりを防止することができる。なお、図示はしないが、ステージ96は、ガイドホイール97及びキャスター35の移動軌跡に基づいた形状から形成される。
【0060】
なお、上述した浮き上がりを防止する部材としてガイドホイール97を挙げているが、これに限定されるものではなく、回動する主支持枠20の停止時にステージ96の下面に当接されるストッパを主支持枠20に設ける、又は主支持枠20の回動方向に沿ったレールと、該レールが入り込み、主支持枠の移動方向を規制するガイド溝とを、主支持枠及び基枠にそれぞれ設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ベルトジャンクションコンベヤが第1搬送状態となる場合を示す上面図である。
【図2】ベルトジャンクションコンベヤが第2搬送状態となる場合を示す上面図である。
【図3】図1に示すA−A’断面図である。
【図4】ホルダユニットの構成を示す断面図である。
【図5】ベルトジャンクションコンベヤが第1搬送状態となる場合の主支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図6】ベルトジャンクションコンベヤが第1搬送状態となる場合の副支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図7】ベルトジャンクションコンベヤが第2搬送状態となる場合の主支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図8】ベルトジャンクションコンベヤが第2搬送状態となる場合の副支持枠と回転体との位置関係を示す上面図である。
【図9】折り返し部材として円筒形状のパイプを用いた場合のベルトジャンクションコンベヤを示す上面図である。
【図10】折り返し部材として円筒形状のパイプを用いた場合のベルトジャンクションコンベヤの構成を示す断面図である。
【図11】浮き上がり防止用のガイドホイールを主支持枠に設けた場合のベルトジャンクションコンベヤの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・ベルトジャンクションコンベヤ、20・・・主支持枠、21・・・副支持枠、22・・・基枠、23・・・切替機構、30・・・ドライブプーリ、31・・・エンドプーリ、33・・・駆動モータ、40・・・テールプーリ、53,54・・・折返しプーリ、60,61,72,73・・・連結ロッド、70・・・駆動モータ、71・・・回転体、80・・・無端ベルト、81・・・肉厚縁部、85・・・ホルダユニット、91,92・・・折り返し用パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を仕分ける搬送コンベヤ部が形成された無端ベルトと、
巻き掛けられた無端ベルトを走行させるドライブプーリと、
前記ドライブプーリに巻き掛けられた無端ベルトを、前記搬送コンベヤ部が上面に位置するように、前記搬送物の搬送方向における搬送コンベヤ部の上流側で折り返す2つの折返し部材と、
前記2つの折返し部材によって折り返された後の無端ベルトが巻き掛けられるテールプーリと、
前記ドライブプーリが回転可能に取り付けられた主支持枠と、
前記テールプーリが回転可能に取り付けられた副支持枠と、
一端部が前記主支持枠に取り付けられた第1の連結ロッドと、
一端部が前記副支持枠に取り付けられた第2の連結ロッドと、
前記2つの折返し部材が取り付けられるとともに、前記第1の連結ロッドと前記第2の連結ロッドとが同軸となるように軸着され、前記第2の連結ロッドが前記2つの折返し部材の間に配設された基枠と、
前記主支持枠と副支持枠とを相反する方向に所定量回動させて、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える切替機構とを備え、
前記切替機構を、
アクチュエータとして作動する駆動モータと、
前記駆動モータの作動により回転する回転体と、
前記回転体と主支持枠とを連結する第1の連結部材と、
前記回転体と副支持枠とを連結する第2の連結部材と、
から構成したことを特徴とするベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項2】
前記2つの折り返し部材は、それぞれ折り返しプーリから構成されるとともに、前記折り返しプーリは、前記基枠に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項3】
前記2つの折り返し部材は、それぞれ円筒形状のパイプ又は円柱状のシャフトのいずれか一方から構成されることを特徴とする請求項1記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項4】
前記2つの折り返し部材がそれぞれ円筒形状のパイプからなる場合に、これらパイプのうち、少なくとも前記第2の連結ロッドの上方に配置されるパイプに当接される振動防止部材を前記基枠に設けたことを特徴とする請求項3記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項5】
前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に、半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、
前記肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ前記肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ各々押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、及び無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの端縁に近接する位置に複数配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項6】
前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、
前記無端ベルトの幅方向の両端縁に設けられた肉厚縁部のいずれか一方の肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ該肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、又は無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの一端縁に近接する位置、及び無端ベルトの他端縁に近接する位置のそれぞれに少なくとも1つ配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項7】
前記ドライブプーリは、該ドライブプーリの中心軸が嵌入されるフォローシャフトを備えたモータによって回転されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項8】
前記主支持枠は、前記ドライブプーリの他に、前記搬送物の搬送方向における前記搬送コンベヤ部の両端部のうち、前記折返しローラが配置される端部とは反対側の端部で無端ベルトが巻き掛けられるエンドプーリをさらに備え、このエンドプーリの少なくとも前記無端ベルトが巻き掛けられる箇所をアルミニウム材により形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項1】
搬送物を仕分ける搬送コンベヤ部が形成された無端ベルトと、
巻き掛けられた無端ベルトを走行させるドライブプーリと、
前記ドライブプーリに巻き掛けられた無端ベルトを、前記搬送コンベヤ部が上面に位置するように、前記搬送物の搬送方向における搬送コンベヤ部の上流側で折り返す2つの折返し部材と、
前記2つの折返し部材によって折り返された後の無端ベルトが巻き掛けられるテールプーリと、
前記ドライブプーリが回転可能に取り付けられた主支持枠と、
前記テールプーリが回転可能に取り付けられた副支持枠と、
一端部が前記主支持枠に取り付けられた第1の連結ロッドと、
一端部が前記副支持枠に取り付けられた第2の連結ロッドと、
前記2つの折返し部材が取り付けられるとともに、前記第1の連結ロッドと前記第2の連結ロッドとが同軸となるように軸着され、前記第2の連結ロッドが前記2つの折返し部材の間に配設された基枠と、
前記主支持枠と副支持枠とを相反する方向に所定量回動させて、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える切替機構とを備え、
前記切替機構を、
アクチュエータとして作動する駆動モータと、
前記駆動モータの作動により回転する回転体と、
前記回転体と主支持枠とを連結する第1の連結部材と、
前記回転体と副支持枠とを連結する第2の連結部材と、
から構成したことを特徴とするベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項2】
前記2つの折り返し部材は、それぞれ折り返しプーリから構成されるとともに、前記折り返しプーリは、前記基枠に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項3】
前記2つの折り返し部材は、それぞれ円筒形状のパイプ又は円柱状のシャフトのいずれか一方から構成されることを特徴とする請求項1記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項4】
前記2つの折り返し部材がそれぞれ円筒形状のパイプからなる場合に、これらパイプのうち、少なくとも前記第2の連結ロッドの上方に配置されるパイプに当接される振動防止部材を前記基枠に設けたことを特徴とする請求項3記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項5】
前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に、半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、
前記肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ前記肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ各々押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、及び無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの端縁に近接する位置に複数配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項6】
前記無端ベルトは、前記搬送コンベヤ部の上面をなす側の面で、且つ無端ベルトの幅方向の両端縁に半円状凸部又は丸味を持たせた肉厚縁部を備えているとともに、
前記無端ベルトの幅方向の両端縁に設けられた肉厚縁部のいずれか一方の肉厚縁部に弾力的に当接し、且つ該肉厚縁部を無端ベルトの幅方向における端縁側へ押圧することにより、無端ベルトの幅方向に対する無端ベルトと前記主支持枠との相対位置、又は無端ベルトと副支持枠との相対位置を規定して、前記搬送コンベヤ部における搬送物の搬送方向を切り替える際に発生する無端ベルトの蛇行を抑制するホルダユニットを、前記走行する無端ベルトの一端縁に近接する位置、及び無端ベルトの他端縁に近接する位置のそれぞれに少なくとも1つ配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項7】
前記ドライブプーリは、該ドライブプーリの中心軸が嵌入されるフォローシャフトを備えたモータによって回転されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【請求項8】
前記主支持枠は、前記ドライブプーリの他に、前記搬送物の搬送方向における前記搬送コンベヤ部の両端部のうち、前記折返しローラが配置される端部とは反対側の端部で無端ベルトが巻き掛けられるエンドプーリをさらに備え、このエンドプーリの少なくとも前記無端ベルトが巻き掛けられる箇所をアルミニウム材により形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のベルトジャンクションコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−29620(P2009−29620A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120347(P2008−120347)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】
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