ベルト式ろ過装置
【課題】容易に複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させることができるベルト式ろ過装置を提供する。
【解決手段】搬送ベルト6の搬送面11に上方から摺接して汚泥を掻き分ける複数のスクレーパ12が、搬送ベルト6の搬送軌道上において、搬送ベルト6の幅方向に間隔をあけて配設され、各スクレーパ12は、保持部材15に、個々に搬送ベルト6の幅方向へ回動自在に保持されており、複数のスクレーパ12をまとめて一斉に搬送ベルト6の幅方向へ回動させる連動フレーム21が設けられている。
【解決手段】搬送ベルト6の搬送面11に上方から摺接して汚泥を掻き分ける複数のスクレーパ12が、搬送ベルト6の搬送軌道上において、搬送ベルト6の幅方向に間隔をあけて配設され、各スクレーパ12は、保持部材15に、個々に搬送ベルト6の幅方向へ回動自在に保持されており、複数のスクレーパ12をまとめて一斉に搬送ベルト6の幅方向へ回動させる連動フレーム21が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥等の濃縮対象物をろ過脱水するベルト式ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のベルト式ろ過装置としては、例えば、図14に示すように、透水性を有する回動自在な搬送ベルト71の搬送面72に汚泥73を供給し、汚泥73を搬送ベルト71で搬送しながら脱水するベルト式ろ過装置74がある。このベルト式ろ過装置74には、搬送ベルト71の搬送面72に上方から摺接して汚泥73を掻き分ける複数のバタフライスクレーパ75が、搬送ベルト71の搬送軌道76上において、搬送ベルト71の幅方向Aに間隔をあけて配設されている。
【0003】
各バタフライスクレーパ75は、支軸77を介して固定部材78に装着されており、支軸77を中心にして搬送ベルト71の幅方向Aに回動自在である。搬送ベルト71を搬送方向Bに回動しながら汚泥73を搬送面72に供給することにより、汚泥73は、搬送軌道76上を上流側から下流側へ搬送されながら重力濾過されて脱水濃縮され、搬送軌道76の下流側から排出される。
【0004】
この際、各バタフライスクレーパ75が搬送ベルト71の搬送面72に上方から摺接しているため、搬送面72上の汚泥73は各バタフライスクレーパ75によって鋤き返され、各バタフライスクレーパ75の搬送方向下流側における搬送ベルト71の搬送面72に、汚泥73から露出する暴露部位80が生じる。これにより、汚泥73のフロック間に抱えられた内包水が汚泥層の表面から直接に搬送ベルト71の搬送面72の暴露部位80を通して排出され、脱水効率が向上する。
【0005】
また、支軸77を中心にして各バタフライスクレーパ75を搬送ベルト71の幅方向Aに回動することによって、図15に示すように、搬送方向Bに対するバタフライスクレーパ75の傾斜角度θを変更することができる。これにより、バタフライスクレーパ75の抵抗面75a上で汚泥73が搬送ベルト71の搬送力によって受ける圧搾力と上記抵抗面75a上に留まる汚泥73の滞留時間とが変化し、傾斜角度θが大きくなるほど(すなわちθは0〜90°の範囲で変化し、90°の時に最大となる)、圧搾力が増大するとともに、上記滞留時間が長くなるため、上記圧搾力を受ける時間も長くなる。したがって、バタフライスクレーパ75を回動して傾斜角度θを変更することにより、圧搾力および圧搾力を受ける時間が調節され、汚泥73を所望の濃度まで脱水することができる。
【0006】
尚、上記のように複数のバタフライスクレーパ75を備えたベルト式ろ過装置74は例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−94637
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来形式では、傾斜角度θを変えるためには、手作業で、各バタフライスクレーパ75を搬送ベルト71の幅方向Aに一枚ずつ回動させる必要があり、手間を要するといった問題がある。
【0009】
また、各バタフライスクレーパ75は支軸77を介して固定部材78に装着されているため、搬送軌道76において搬送ベルト71の一部が下方に撓んだ場合、図16に示すように、搬送ベルト71の搬送面72がバタフライスクレーパ75の下端から下方へ離間し、搬送ベルト71の搬送面72とバタフライスクレーパ75(濃縮促進部材)の下端との間に間隙82が発生するといった問題がある。このような間隙82が発生した場合、この間隙82に汚泥73が侵入して、搬送ベルト71の搬送面72に暴露部位80が発生しなくなるため、脱水効率が低下する。
【0010】
本発明は、容易に複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させることができ、また、搬送ベルトが下方に撓んでも、搬送ベルトの搬送面と濃縮促進部材との間に間隙が発生するのを防止することが可能なベルト式ろ過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本第1発明は、透水性を有する搬送ベルトの搬送面に、水分を含んだ濃縮対象物を供給し、濃縮対象物を搬送ベルトで搬送しながら脱水するベルト式ろ過装置であって、
搬送ベルトの幅方向に間隔をあけて配設され且つ搬送ベルトの搬送面に上方から摺接する複数の濃縮促進部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移自在に保持する保持部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させる変移装置が設けられているものである。
【0012】
これによると、変移装置によって、複数の濃縮促進部材をまとめて一斉に水平方向へ変移させることができるため、複数の濃縮促進部材を容易に変移させることができる。
本第2発明は、各濃縮促進部材は保持部材と変移装置に対して上下動自在であるものである。
【0013】
これによると、搬送ベルトの幅方向における一部分が下方に撓んだ場合、撓んだ部分に対応した濃縮促進部材が保持部材と変移装置とに対して下降して搬送ベルトの搬送面に摺接することで、搬送ベルトの搬送面と濃縮促進部材との間に間隙が発生するのを防止することができる。
【0014】
本第3発明におけるベルト式ろ過装置は、各濃縮促進部材は、保持部材に、搬送ベルトの搬送方向に対して角度変更自在に保持されているものである。
これによると、変移装置によって、搬送ベルトの搬送方向に対する複数の濃縮促進部材の角度をまとめて一斉に変更することができる。このため、複数の濃縮促進部材の角度を容易に変更することができる。
【0015】
本第4発明におけるベルト式ろ過装置は、保持部材は、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面に当接する使用位置と、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面から退避する退避位置とに移動自在であり、
保持部材が退避位置に移動する際、濃縮促進部材が保持部材から脱落することを防止するための濃縮促進部材用脱落防止装置が設けられているものである。
【0016】
これによると、濃縮促進部材を使用しない場合、保持部材を退避位置に移動させることにより、搬送ベルトの幅方向に配列された複数の濃縮促進部材をまとめて一斉に搬送ベルトの搬送面から退避させることができる。この際、濃縮促進部材用脱落防止装置により、各濃縮促進部材が保持部材から脱落するのを防止することができる。
【0017】
また、濃縮促進部材を使用する場合、保持部材を使用位置に移動させることにより、各濃縮促進部材が搬送ベルトに摺接する。
本第5発明におけるベルト式ろ過装置は、各濃縮促進部材には上下方向の支軸が設けられ、
保持部材には上下方向の保持孔が形成され、
各濃縮促進部材の支軸は、各保持孔に、上下動自在で且つ支軸の軸心周りに回動自在に挿通され、
濃縮促進部材用脱落防止装置は支軸の外周面から径方向外向きに突出する突部からなり、
突部は上方から保持部材に係止可能であり、
保持孔に、突部の通過を許容する着脱用の切欠部が形成され、
変移装置は、突部が切欠部に嵌まり込まない範囲で、濃縮促進部材を変移させるものである。
【0018】
これによると、保持部材を退避位置に移動させる際、突部が上方から保持部材に係止するため、支軸が保持孔から下方へ脱抜することはなく、濃縮促進部材が保持部材から脱落するのを防止することができる。また、濃縮促進部材の交換等のメンテナンス等を行なう際、濃縮促進部材を変移させて突部の位置を切欠部の位置に一致させ、突部を切欠部に嵌め込んで通過させることにより、支軸を保持孔から引き抜いて、濃縮促進部材を保持部材から容易に取り外すことができる。
【0019】
また、変移装置は、突部が切欠部に嵌まり込まない範囲で、濃縮促進部材を変移させるため、保持部材を使用位置から退避位置に移動させる際、不用意に突部が切欠部を通過することはなく、支軸が保持孔から引き抜かれて濃縮促進部材が保持部材から外れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0020】
本第6発明におけるベルト式ろ過装置は、保持部材が退避位置に移動した際、変移装置が濃縮促進部材から脱落することを防止するための変移装置用脱落防止装置が設けられているものである。
【0021】
これによると、保持部材を退避位置に移動させて、各濃縮促進部材を搬送ベルトの搬送面から退避させた際、変移装置用脱落防止装置により、変移装置が濃縮促進部材から脱落するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によると、容易に複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させることができる。また、搬送ベルトが下方に撓んでも、搬送ベルトの搬送面と濃縮促進部材との間に間隙が発生するのを防止することができる。これにより、濃縮対象物を所望の濃度まで脱水することができ、脱水効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるベルト式ろ過装置の概略斜視図である。
【図2】同、ベルト式ろ過装置の平面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】図2におけるY−Y矢視図である。
【図5】図2における一部拡大図である。
【図6】図5におけるX−X矢視図であり、(a)は搬送ベルトに撓みが無い状態、(b)は搬送ベルトが下方に撓んだ状態を示す。
【図7】図5におけるY−Y矢視図であり、保持部材が使用位置まで回動した状態を示す。
【図8】図5におけるY−Y矢視図であり、保持部材が退避位置まで回動した状態を示す。
【図9】図6(a)におけるX−X矢視図であり、(a)は突部が切欠部からずれた位置にある状態を示し、(b)は突部が切欠部に嵌まり込む位置にある状態を示す。
【図10】同、ベルト式ろ過装置の第1の回動装置用脱落防止装置の平面図である。
【図11】同、ベルト式ろ過装置の第2の回動装置用脱落防止装置の側面図である。
【図12】図5におけるZ−Z矢視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるベルト式ろ過装置の一部拡大概略平面図である。
【図14】従来のベルト式ろ過装置の概略斜視図である。
【図15】同、ベルト式ろ過装置の搬送方向に対するバタフライスクレーパの傾斜角度を示す平面図である。
【図16】同、ベルト式ろ過装置のバタフライスクレーパと搬送ベルトとの間の間隙を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施の形態を以下に説明する。図1〜図4に示すように、1は下水等の汚泥2(濃縮対象物の一例)を脱水して濃縮するベルト式ろ過装置である。ベルト式ろ過装置1は、本体フレーム3と、本体フレーム3に回転自在に設けられた上流側のローラ4および下流側のローラ5と、これら両ローラ4,5間に巻回された回動自在な無端状の搬送ベルト6と、ローラ5を回転駆動させるモータ等の駆動装置(図示せず)と、搬送ベルト6の搬送軌道7上の上流側に汚泥2を供給する供給部8と、搬送ベルト6の搬送軌道7上の下流側から汚泥2を排出する排出部9とを有している。
【0025】
搬送ベルト6は透水性を有した無端ベルトである。また、本体フレーム3には、搬送軌道7において搬送ベルト6を下方(裏面側)から受ける複数の受け部材10が設けられている。図2に示すように、受け部材10は、平面視において上流側が搬送ベルト6の幅方向Aに開くとともに下流側が上記幅方向Aの中央部に向って閉じたV形状に形成されており、上辺が搬送ベルト6の裏面に摺接している。
【0026】
ベルト式ろ過装置1には、搬送ベルト6の搬送面11に上方から摺接して汚泥2を掻き分ける複数のバタフライスクレーパ12(濃縮促進部材の一例)が、搬送ベルト6の搬送軌道7上において搬送ベルト6の幅方向Aおよび搬送方向Bに間隔をあけて配設されている。バタフライスクレーパ12は下辺を搬送ベルト6の搬送面11に摺接する平板状の部材である。図5,図6に示すように、バタフライスクレーパ12の上部には、搬送ベルト6の搬送面11に垂直な上下方向(軸方向)の支軸13と連動軸14とが設けられている。尚、平面視において、支軸13はバタフライスクレーパ12の中央部に位置し、連動軸14はバタフライスクレーパ12の一端部に位置している。
【0027】
上記複数のバタフライスクレーパ12のうち、搬送ベルト6の幅方向Aに一列に配設されている複数(例えば図5では四枚)のバタフライスクレーパ12は保持部材15に保持されている。保持部材15は、搬送方向Bにおいて複数配設されており、長手方向が搬送ベルト6の幅方向Aに一致する断面コの字形状(チャンネル形状)の保持フレーム16と、保持フレーム16の両端に設けられたアーム17とを有している。
【0028】
保持フレーム16は上下方向において対向する一対の板部16a,16bを有し、両板部16a,16bには、上下方向に貫通する一対の保持孔18a,18bが形成されている。これら一対の保持孔18a,18bは搬送ベルト6の幅方向Aにおいて複数形成されている。
【0029】
支軸13は、下方から保持孔18a,18bに、上下動自在で且つ支軸13の軸心周りに回動自在に挿通されている。これにより、各バタフライスクレーパ12は、個々に、保持部材15に対して、支軸13を中心として搬送ベルト6の幅方向A(水平方向の一例)へ回動自在(変移自在の一例)で且つ上下動自在である。尚、このように、各バタフライスクレーパ12が搬送ベルト6の幅方向Aへ回動することにより、図10に示すように、搬送ベルト6の搬送方向Bに対する各バタフライスクレーパ12の傾斜角度θが変更される。
【0030】
また、搬送ベルト6の幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12をまとめて一斉に(一括して)上記幅方向Aへ回動(変移の一例)させる一本の連動フレーム21(変移装置の一例)が上記幅方向Aにおける複数のバタフライスクレーパ12間に架け渡されて設けられている。
【0031】
連動フレーム21は、長手方向が搬送ベルト6の幅方向Aに一致しており、上下方向に貫通する孔部22を有している。これら孔部22は搬送ベルト6の幅方向Aにおいて複数形成されている。連動軸14は、下方から孔部22に、上下動自在に挿通されている。これにより、各バタフライスクレーパ12は、個々に、連動フレーム21に対して、上下動自在である。
【0032】
本体フレーム3の両側部にはブラケット25が立設され、ブラケット25には、搬送ベルト6の幅方向Aに軸体26が設けられている。これら軸体26は保持部材15のアーム17に挿通されている。これにより、保持部材15は、両軸体26に支持されて、図7に示すように各バタフライスクレーパ12が搬送ベルト6の搬送面11に当接する使用位置Cと、図8に示すように各バタフライスクレーパ12が上記搬送面11から上方へ退避する退避位置Dとに上下回動自在である。尚、退避位置Dにおいては、保持部材15とバタフライスクレーパ12と連動フレーム21との上下が反転する。
【0033】
支軸13には、保持部材15が退避位置Dに回動する際、バタフライスクレーパ12が保持部材15から脱落することを防止するための突部27(濃縮促進部材用脱落防止装置の一例)が設けられている。図6,図9(a)に示すように、突部27は、支軸13の外周面から径方向外向きに突出し、上方から保持部材15の一方(下位)の板部16aに係止可能である。
【0034】
図9(a)(b)に示すように、一方(下位)の各保持孔18aには、支軸13の軸心方向において突部27の通過を許容する着脱用の切欠部28が形成されている。尚、連動フレーム21は、突部27の位置が切欠部28の位置に一致しない範囲E(すなわち突部27が切欠部28に嵌まり込まない範囲E)で、各バタフライスクレーパ12を回動させる。
【0035】
保持部材15には、図8に示すように、保持部材15が退避位置Dに回動した際、連動フレーム21がバタフライスクレーパ12から脱落することを防止するための第1および第2の変移装置用脱落防止装置31,32が設けられている。
【0036】
図5,図7,図10に示すように、第1の変移装置用脱落防止装置31は、保持部材15の一方の板部16aの一端に設けられた扇形状の支持板34と、支持板34に形成された円弧状の案内溝35と、ボルト36と、蝶ナット37と、第1の脱落防止用孔38とを有している。第1の脱落防止用孔38は連動フレーム21の一端部に形成され、連動フレーム21の一端部が支持板34上に支持され、ボルト36が支持板34の下方から案内溝35と第1の脱落防止用孔38とに挿通され、蝶ナット37が連動フレーム21の上方からボルト36に螺合している。
【0037】
蝶ナット37をボルト36に締め付けることで、連動フレーム21の一端部がボルト36と蝶ナット37とを介して支持板34に締結され、連動フレーム21が固定される。また、蝶ナット37を緩めることにより、連動フレーム21の固定が解除される。
【0038】
図1,図4,図5,図11,図12に示すように、第2の変移装置用脱落防止装置32は、保持フレーム16の他端に設けられた回動板40と、回動板40に設けられた軸部41a〜41cと、第2の脱落防止用孔42とを有している。上記軸部41a,41bは、回動板40の上下両端部に設けられており、保持フレーム16の板部16a,16bの他端部に形成された取付孔43a,43bに嵌め込まれている。これにより、回動板40は、両板部16a,16b間に保持され、軸部41a,41bを中心にして搬送ベルト6の幅方向Aへ回動自在である。
【0039】
軸部41cは、回動板40の遊端部に、下向きへ突出して設けられている。第2の脱落防止用孔42は連動フレーム21の他端部に形成され、軸部41cが上方から第2の脱落防止用孔42に挿入されている。
【0040】
尚、バタフライスクレーパ12は搬送ベルト6よりも軟らかい樹脂で製作されており、また、支軸13と連動軸14と第2の変移装置用脱落防止装置32も樹脂製である。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0041】
搬送ベルト6を回動させ、汚泥2を供給部8から搬送ベルト6の搬送面11上に供給する。供給された汚泥2は、搬送ベルト6によって搬送軌道7上を搬送されながら重力濾過されて脱水濃縮され、排出部9から排出される。
【0042】
この際、図6に示すように、保持部材15を使用位置Cに回動させておくことにより、各バタフライスクレーパ12の下辺が搬送ベルト6の搬送面11に上方から摺接し、搬送面11上の汚泥2が各バタフライスクレーパ12によって鋤き返され、図1に示すように、各バタフライスクレーパ12の搬送方向下流側における搬送ベルト6の搬送面11に、汚泥2から露出する暴露部位50が生じる。これにより、汚泥2中の内包水が汚泥層の表面から直接に暴露部位50を通して排出され、脱水効率が向上する。
【0043】
また、図5に示すように、蝶ナット37を緩めて連結フレーム21の固定を解除し、連結フレーム21を搬送ベルト6の幅方向Aへ手動で移動させることにより、ボルト36が案内溝35に案内されながら案内溝35内を移動するとともに、回動板40が軸部41a,41bを中心に上記幅方向Aへ回動し、上記幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12が、まとめて一斉に、各支軸13を中心にして上記幅方向Aへ回動(変移)する。このため、複数のバタフライスクレーパ12を容易に回動させることができ、図10に示すように、容易に、搬送方向Bに対する複数のバタフライスクレーパ12の傾斜角度θを変更することができる。
【0044】
これにより、バタフライスクレーパ12の抵抗面12a上で汚泥2が搬送ベルト6の搬送力によって受ける圧搾力と上記抵抗面12a上に留まる汚泥2の滞留時間とが変化し、傾斜角度θが大きくなるほどすなわち抵抗面12aが搬送方向上流側に向くほど、圧搾力が増大するとともに、上記滞留時間が長くなるため、上記圧搾力を受ける時間も長くなる。したがって、バタフライスクレーパ12の傾斜角度θを変更することにより、圧搾力および圧搾力を受ける時間が調節され、汚泥2を所望の濃度まで脱水することができる。尚、バタフライスクレーパ12の回動範囲E(図9(a)参照)は、ボルト36が案内溝35内を移動する移動範囲によって、規制される。また、蝶ナット37を締め付けることにより、連結フレーム21が固定されるため、バタフライスクレーパ12の傾斜角度θが不用意に変動することはない。
【0045】
また、図2,図3に示すように、搬送ベルト6が回動している際、搬送ベルト6は、搬送軌道7において、下方から受け部材10で受けられている。このため、受け部材10で受けられている箇所においては搬送ベルト6に撓みが生じることはないが、受け部材10で受けられていない箇所すなわち各受け部材10間においては搬送ベルト6が下方に撓む虞がある。
【0046】
したがって、搬送ベルト6の幅方向Aの一部分がその他の部分に比べて下方に撓むことがあり、この場合、図6(b)に示すように、搬送ベルト6の撓んだ部分に対応したバタフライスクレーパ12が、自重により、個別に、保持部材15と連動フレーム21とに対して下降する。これにより、搬送ベルト6の撓み部分に対応したバタフライスクレーパ12の下辺が搬送ベルト6の搬送面11に摺接し、バタフライスクレーパ12と上記搬送面11との間に間隙が発生するのを防止することができる。これにより、脱水効率の低下を防止することができる。
【0047】
また、バタフライスクレーパ12は樹脂製であるため、バタフライスクレーパ12が搬送ベルト6に摺接することで、バタフライスクレーパ12側が磨耗する。このようなバタフライスクレーパ12の磨耗に対しても、各バタフライスクレーパ12が、個別に、保持部材15と連動フレーム21とに対して下降するため、バタフライスクレーパ12と搬送ベルト6の搬送面11との間に間隙が発生するのを防止することができる。
【0048】
また、図8に示すように、バタフライスクレーパ12を使用しない場合、保持部材15を使用位置Cから退避位置Dに回動させることにより、搬送ベルト6の幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12をまとめて一斉に搬送ベルト6の搬送面11から上方へ退避させることができる。したがって、濃縮された汚泥2の濃度が所望(目標)の濃度よりも高くなり過ぎるような場合、上記のように保持部材15を退避位置Dに回動させ、搬送ベルト6の搬送面11に摺接するバタフライスクレーパ12の数を減らすことによって、濃縮された汚泥2を所望の濃度に保つことができる。また、退避位置Dに回動させる保持部材15の数を変えることによって、汚泥2の濃度を調節することも可能である。
【0049】
また、上記のように保持部材15を使用位置Cから退避位置Dに回動させる際、突部27が上方から保持部材15の一方の板部16aに係止するため、支軸13が保持孔18a,18bから下方へ脱抜することはなく、これにより、各バタフライスクレーパ12が保持部材15から脱落するのを防止することができる。
【0050】
また、図8に示すように、上記のように保持部材15を退避位置Dに回動させて、バタフライスクレーパ12を搬送ベルト6の搬送面11から上方へ退避させた際、連動フレーム21の一端部がボルト36と蝶ナット37とを介して支持板34に締結されて固定されているとともに、図11の仮想線で示すように、連動フレーム21の他端部が下方から回動板40に支持されるため、連動フレーム21がバタフライスクレーパ12から脱落するのを防止することができる。
【0051】
また、バタフライスクレーパ12を使用する場合、図6に示すように、保持部材15を退避位置Dから使用位置Cに回動させることにより、搬送ベルト6の幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12の下辺がまとめて一斉に搬送ベルト6の搬送面11に摺接する。
【0052】
また、メンテナンス等を行なう場合、図8の実線で示すように、保持部材15を退避位置Dに回動させ、ボルト36と蝶ナット37とを外して連動フレーム21の固定を解除し、連動フレーム21を連動軸14から引き抜いてバタフライスクレーパ12から取り外した後、図9(b)に示すように、バタフライスクレーパ12を回動させて突部27の位置を切欠部28の位置に一致させ、突部27を切欠部28に通過させることにより、支軸13を保持孔18a,18bから引き抜いて、バタフライスクレーパ12を保持部材15から容易に取り外すことができる。
【0053】
また、連動フレーム21は、突部27の位置が切欠部28の位置に一致しない範囲Eで、バタフライスクレーパ12を回動させるため、保持部材15を使用位置Cから退避位置Dに回動させる際、不用意に突部27が切欠部28を通過することはなく、支軸13が保持孔18a,18bから引き抜かれてバタフライスクレーパ12が保持部材15から外れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0054】
上記第1の実施の形態では、濃縮促進部材を搬送ベルト6の幅方向Aへ変移させる一例として、図9(a)に示すように、支軸13を中心にしてスクレーパ12を上記幅方向Aへ回動させているが、変移の別の例として、第2の実施の形態では、図13に示すように、スクレーパ12を上記幅方向Aへ一直線に水平移動させてもよい。
【0055】
上記各実施の形態では、図2に示すように、搬送ベルト6の幅方向Aにおいて、四枚(複数)のバタフライスクレーパ12を一本の保持部材15に配設しているが、四枚以外の複数枚配設してもよい。
【0056】
上記各実施の形態では、搬送方向Bにおいて、六本の保持部材15を配設しているが、六本以外の複数本又は単数本配設してもよい。
尚、上記各実施の形態に記載されたベルト式ろ過装置1はベルトプレスの重力脱水ゾーンにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 ベルト式ろ過装置
2 汚泥(濃縮対象物)
6 搬送ベルト
7 搬送軌道
11 搬送面
12 バタフライスクレーパ(濃縮促進部材)
13 支軸
15 保持部材
18a,18b 保持孔
21 連動フレーム(変移装置)
27 突部(濃縮促進部材用脱落防止装置)
28 切欠部
31,32 第1および第2の変移装置用脱落防止装置
A 搬送ベルトの幅方向(水平方向)
B 搬送方向
C 使用位置
D 退避位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥等の濃縮対象物をろ過脱水するベルト式ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のベルト式ろ過装置としては、例えば、図14に示すように、透水性を有する回動自在な搬送ベルト71の搬送面72に汚泥73を供給し、汚泥73を搬送ベルト71で搬送しながら脱水するベルト式ろ過装置74がある。このベルト式ろ過装置74には、搬送ベルト71の搬送面72に上方から摺接して汚泥73を掻き分ける複数のバタフライスクレーパ75が、搬送ベルト71の搬送軌道76上において、搬送ベルト71の幅方向Aに間隔をあけて配設されている。
【0003】
各バタフライスクレーパ75は、支軸77を介して固定部材78に装着されており、支軸77を中心にして搬送ベルト71の幅方向Aに回動自在である。搬送ベルト71を搬送方向Bに回動しながら汚泥73を搬送面72に供給することにより、汚泥73は、搬送軌道76上を上流側から下流側へ搬送されながら重力濾過されて脱水濃縮され、搬送軌道76の下流側から排出される。
【0004】
この際、各バタフライスクレーパ75が搬送ベルト71の搬送面72に上方から摺接しているため、搬送面72上の汚泥73は各バタフライスクレーパ75によって鋤き返され、各バタフライスクレーパ75の搬送方向下流側における搬送ベルト71の搬送面72に、汚泥73から露出する暴露部位80が生じる。これにより、汚泥73のフロック間に抱えられた内包水が汚泥層の表面から直接に搬送ベルト71の搬送面72の暴露部位80を通して排出され、脱水効率が向上する。
【0005】
また、支軸77を中心にして各バタフライスクレーパ75を搬送ベルト71の幅方向Aに回動することによって、図15に示すように、搬送方向Bに対するバタフライスクレーパ75の傾斜角度θを変更することができる。これにより、バタフライスクレーパ75の抵抗面75a上で汚泥73が搬送ベルト71の搬送力によって受ける圧搾力と上記抵抗面75a上に留まる汚泥73の滞留時間とが変化し、傾斜角度θが大きくなるほど(すなわちθは0〜90°の範囲で変化し、90°の時に最大となる)、圧搾力が増大するとともに、上記滞留時間が長くなるため、上記圧搾力を受ける時間も長くなる。したがって、バタフライスクレーパ75を回動して傾斜角度θを変更することにより、圧搾力および圧搾力を受ける時間が調節され、汚泥73を所望の濃度まで脱水することができる。
【0006】
尚、上記のように複数のバタフライスクレーパ75を備えたベルト式ろ過装置74は例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−94637
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来形式では、傾斜角度θを変えるためには、手作業で、各バタフライスクレーパ75を搬送ベルト71の幅方向Aに一枚ずつ回動させる必要があり、手間を要するといった問題がある。
【0009】
また、各バタフライスクレーパ75は支軸77を介して固定部材78に装着されているため、搬送軌道76において搬送ベルト71の一部が下方に撓んだ場合、図16に示すように、搬送ベルト71の搬送面72がバタフライスクレーパ75の下端から下方へ離間し、搬送ベルト71の搬送面72とバタフライスクレーパ75(濃縮促進部材)の下端との間に間隙82が発生するといった問題がある。このような間隙82が発生した場合、この間隙82に汚泥73が侵入して、搬送ベルト71の搬送面72に暴露部位80が発生しなくなるため、脱水効率が低下する。
【0010】
本発明は、容易に複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させることができ、また、搬送ベルトが下方に撓んでも、搬送ベルトの搬送面と濃縮促進部材との間に間隙が発生するのを防止することが可能なベルト式ろ過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本第1発明は、透水性を有する搬送ベルトの搬送面に、水分を含んだ濃縮対象物を供給し、濃縮対象物を搬送ベルトで搬送しながら脱水するベルト式ろ過装置であって、
搬送ベルトの幅方向に間隔をあけて配設され且つ搬送ベルトの搬送面に上方から摺接する複数の濃縮促進部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移自在に保持する保持部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させる変移装置が設けられているものである。
【0012】
これによると、変移装置によって、複数の濃縮促進部材をまとめて一斉に水平方向へ変移させることができるため、複数の濃縮促進部材を容易に変移させることができる。
本第2発明は、各濃縮促進部材は保持部材と変移装置に対して上下動自在であるものである。
【0013】
これによると、搬送ベルトの幅方向における一部分が下方に撓んだ場合、撓んだ部分に対応した濃縮促進部材が保持部材と変移装置とに対して下降して搬送ベルトの搬送面に摺接することで、搬送ベルトの搬送面と濃縮促進部材との間に間隙が発生するのを防止することができる。
【0014】
本第3発明におけるベルト式ろ過装置は、各濃縮促進部材は、保持部材に、搬送ベルトの搬送方向に対して角度変更自在に保持されているものである。
これによると、変移装置によって、搬送ベルトの搬送方向に対する複数の濃縮促進部材の角度をまとめて一斉に変更することができる。このため、複数の濃縮促進部材の角度を容易に変更することができる。
【0015】
本第4発明におけるベルト式ろ過装置は、保持部材は、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面に当接する使用位置と、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面から退避する退避位置とに移動自在であり、
保持部材が退避位置に移動する際、濃縮促進部材が保持部材から脱落することを防止するための濃縮促進部材用脱落防止装置が設けられているものである。
【0016】
これによると、濃縮促進部材を使用しない場合、保持部材を退避位置に移動させることにより、搬送ベルトの幅方向に配列された複数の濃縮促進部材をまとめて一斉に搬送ベルトの搬送面から退避させることができる。この際、濃縮促進部材用脱落防止装置により、各濃縮促進部材が保持部材から脱落するのを防止することができる。
【0017】
また、濃縮促進部材を使用する場合、保持部材を使用位置に移動させることにより、各濃縮促進部材が搬送ベルトに摺接する。
本第5発明におけるベルト式ろ過装置は、各濃縮促進部材には上下方向の支軸が設けられ、
保持部材には上下方向の保持孔が形成され、
各濃縮促進部材の支軸は、各保持孔に、上下動自在で且つ支軸の軸心周りに回動自在に挿通され、
濃縮促進部材用脱落防止装置は支軸の外周面から径方向外向きに突出する突部からなり、
突部は上方から保持部材に係止可能であり、
保持孔に、突部の通過を許容する着脱用の切欠部が形成され、
変移装置は、突部が切欠部に嵌まり込まない範囲で、濃縮促進部材を変移させるものである。
【0018】
これによると、保持部材を退避位置に移動させる際、突部が上方から保持部材に係止するため、支軸が保持孔から下方へ脱抜することはなく、濃縮促進部材が保持部材から脱落するのを防止することができる。また、濃縮促進部材の交換等のメンテナンス等を行なう際、濃縮促進部材を変移させて突部の位置を切欠部の位置に一致させ、突部を切欠部に嵌め込んで通過させることにより、支軸を保持孔から引き抜いて、濃縮促進部材を保持部材から容易に取り外すことができる。
【0019】
また、変移装置は、突部が切欠部に嵌まり込まない範囲で、濃縮促進部材を変移させるため、保持部材を使用位置から退避位置に移動させる際、不用意に突部が切欠部を通過することはなく、支軸が保持孔から引き抜かれて濃縮促進部材が保持部材から外れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0020】
本第6発明におけるベルト式ろ過装置は、保持部材が退避位置に移動した際、変移装置が濃縮促進部材から脱落することを防止するための変移装置用脱落防止装置が設けられているものである。
【0021】
これによると、保持部材を退避位置に移動させて、各濃縮促進部材を搬送ベルトの搬送面から退避させた際、変移装置用脱落防止装置により、変移装置が濃縮促進部材から脱落するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によると、容易に複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させることができる。また、搬送ベルトが下方に撓んでも、搬送ベルトの搬送面と濃縮促進部材との間に間隙が発生するのを防止することができる。これにより、濃縮対象物を所望の濃度まで脱水することができ、脱水効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるベルト式ろ過装置の概略斜視図である。
【図2】同、ベルト式ろ過装置の平面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】図2におけるY−Y矢視図である。
【図5】図2における一部拡大図である。
【図6】図5におけるX−X矢視図であり、(a)は搬送ベルトに撓みが無い状態、(b)は搬送ベルトが下方に撓んだ状態を示す。
【図7】図5におけるY−Y矢視図であり、保持部材が使用位置まで回動した状態を示す。
【図8】図5におけるY−Y矢視図であり、保持部材が退避位置まで回動した状態を示す。
【図9】図6(a)におけるX−X矢視図であり、(a)は突部が切欠部からずれた位置にある状態を示し、(b)は突部が切欠部に嵌まり込む位置にある状態を示す。
【図10】同、ベルト式ろ過装置の第1の回動装置用脱落防止装置の平面図である。
【図11】同、ベルト式ろ過装置の第2の回動装置用脱落防止装置の側面図である。
【図12】図5におけるZ−Z矢視図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるベルト式ろ過装置の一部拡大概略平面図である。
【図14】従来のベルト式ろ過装置の概略斜視図である。
【図15】同、ベルト式ろ過装置の搬送方向に対するバタフライスクレーパの傾斜角度を示す平面図である。
【図16】同、ベルト式ろ過装置のバタフライスクレーパと搬送ベルトとの間の間隙を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施の形態を以下に説明する。図1〜図4に示すように、1は下水等の汚泥2(濃縮対象物の一例)を脱水して濃縮するベルト式ろ過装置である。ベルト式ろ過装置1は、本体フレーム3と、本体フレーム3に回転自在に設けられた上流側のローラ4および下流側のローラ5と、これら両ローラ4,5間に巻回された回動自在な無端状の搬送ベルト6と、ローラ5を回転駆動させるモータ等の駆動装置(図示せず)と、搬送ベルト6の搬送軌道7上の上流側に汚泥2を供給する供給部8と、搬送ベルト6の搬送軌道7上の下流側から汚泥2を排出する排出部9とを有している。
【0025】
搬送ベルト6は透水性を有した無端ベルトである。また、本体フレーム3には、搬送軌道7において搬送ベルト6を下方(裏面側)から受ける複数の受け部材10が設けられている。図2に示すように、受け部材10は、平面視において上流側が搬送ベルト6の幅方向Aに開くとともに下流側が上記幅方向Aの中央部に向って閉じたV形状に形成されており、上辺が搬送ベルト6の裏面に摺接している。
【0026】
ベルト式ろ過装置1には、搬送ベルト6の搬送面11に上方から摺接して汚泥2を掻き分ける複数のバタフライスクレーパ12(濃縮促進部材の一例)が、搬送ベルト6の搬送軌道7上において搬送ベルト6の幅方向Aおよび搬送方向Bに間隔をあけて配設されている。バタフライスクレーパ12は下辺を搬送ベルト6の搬送面11に摺接する平板状の部材である。図5,図6に示すように、バタフライスクレーパ12の上部には、搬送ベルト6の搬送面11に垂直な上下方向(軸方向)の支軸13と連動軸14とが設けられている。尚、平面視において、支軸13はバタフライスクレーパ12の中央部に位置し、連動軸14はバタフライスクレーパ12の一端部に位置している。
【0027】
上記複数のバタフライスクレーパ12のうち、搬送ベルト6の幅方向Aに一列に配設されている複数(例えば図5では四枚)のバタフライスクレーパ12は保持部材15に保持されている。保持部材15は、搬送方向Bにおいて複数配設されており、長手方向が搬送ベルト6の幅方向Aに一致する断面コの字形状(チャンネル形状)の保持フレーム16と、保持フレーム16の両端に設けられたアーム17とを有している。
【0028】
保持フレーム16は上下方向において対向する一対の板部16a,16bを有し、両板部16a,16bには、上下方向に貫通する一対の保持孔18a,18bが形成されている。これら一対の保持孔18a,18bは搬送ベルト6の幅方向Aにおいて複数形成されている。
【0029】
支軸13は、下方から保持孔18a,18bに、上下動自在で且つ支軸13の軸心周りに回動自在に挿通されている。これにより、各バタフライスクレーパ12は、個々に、保持部材15に対して、支軸13を中心として搬送ベルト6の幅方向A(水平方向の一例)へ回動自在(変移自在の一例)で且つ上下動自在である。尚、このように、各バタフライスクレーパ12が搬送ベルト6の幅方向Aへ回動することにより、図10に示すように、搬送ベルト6の搬送方向Bに対する各バタフライスクレーパ12の傾斜角度θが変更される。
【0030】
また、搬送ベルト6の幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12をまとめて一斉に(一括して)上記幅方向Aへ回動(変移の一例)させる一本の連動フレーム21(変移装置の一例)が上記幅方向Aにおける複数のバタフライスクレーパ12間に架け渡されて設けられている。
【0031】
連動フレーム21は、長手方向が搬送ベルト6の幅方向Aに一致しており、上下方向に貫通する孔部22を有している。これら孔部22は搬送ベルト6の幅方向Aにおいて複数形成されている。連動軸14は、下方から孔部22に、上下動自在に挿通されている。これにより、各バタフライスクレーパ12は、個々に、連動フレーム21に対して、上下動自在である。
【0032】
本体フレーム3の両側部にはブラケット25が立設され、ブラケット25には、搬送ベルト6の幅方向Aに軸体26が設けられている。これら軸体26は保持部材15のアーム17に挿通されている。これにより、保持部材15は、両軸体26に支持されて、図7に示すように各バタフライスクレーパ12が搬送ベルト6の搬送面11に当接する使用位置Cと、図8に示すように各バタフライスクレーパ12が上記搬送面11から上方へ退避する退避位置Dとに上下回動自在である。尚、退避位置Dにおいては、保持部材15とバタフライスクレーパ12と連動フレーム21との上下が反転する。
【0033】
支軸13には、保持部材15が退避位置Dに回動する際、バタフライスクレーパ12が保持部材15から脱落することを防止するための突部27(濃縮促進部材用脱落防止装置の一例)が設けられている。図6,図9(a)に示すように、突部27は、支軸13の外周面から径方向外向きに突出し、上方から保持部材15の一方(下位)の板部16aに係止可能である。
【0034】
図9(a)(b)に示すように、一方(下位)の各保持孔18aには、支軸13の軸心方向において突部27の通過を許容する着脱用の切欠部28が形成されている。尚、連動フレーム21は、突部27の位置が切欠部28の位置に一致しない範囲E(すなわち突部27が切欠部28に嵌まり込まない範囲E)で、各バタフライスクレーパ12を回動させる。
【0035】
保持部材15には、図8に示すように、保持部材15が退避位置Dに回動した際、連動フレーム21がバタフライスクレーパ12から脱落することを防止するための第1および第2の変移装置用脱落防止装置31,32が設けられている。
【0036】
図5,図7,図10に示すように、第1の変移装置用脱落防止装置31は、保持部材15の一方の板部16aの一端に設けられた扇形状の支持板34と、支持板34に形成された円弧状の案内溝35と、ボルト36と、蝶ナット37と、第1の脱落防止用孔38とを有している。第1の脱落防止用孔38は連動フレーム21の一端部に形成され、連動フレーム21の一端部が支持板34上に支持され、ボルト36が支持板34の下方から案内溝35と第1の脱落防止用孔38とに挿通され、蝶ナット37が連動フレーム21の上方からボルト36に螺合している。
【0037】
蝶ナット37をボルト36に締め付けることで、連動フレーム21の一端部がボルト36と蝶ナット37とを介して支持板34に締結され、連動フレーム21が固定される。また、蝶ナット37を緩めることにより、連動フレーム21の固定が解除される。
【0038】
図1,図4,図5,図11,図12に示すように、第2の変移装置用脱落防止装置32は、保持フレーム16の他端に設けられた回動板40と、回動板40に設けられた軸部41a〜41cと、第2の脱落防止用孔42とを有している。上記軸部41a,41bは、回動板40の上下両端部に設けられており、保持フレーム16の板部16a,16bの他端部に形成された取付孔43a,43bに嵌め込まれている。これにより、回動板40は、両板部16a,16b間に保持され、軸部41a,41bを中心にして搬送ベルト6の幅方向Aへ回動自在である。
【0039】
軸部41cは、回動板40の遊端部に、下向きへ突出して設けられている。第2の脱落防止用孔42は連動フレーム21の他端部に形成され、軸部41cが上方から第2の脱落防止用孔42に挿入されている。
【0040】
尚、バタフライスクレーパ12は搬送ベルト6よりも軟らかい樹脂で製作されており、また、支軸13と連動軸14と第2の変移装置用脱落防止装置32も樹脂製である。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0041】
搬送ベルト6を回動させ、汚泥2を供給部8から搬送ベルト6の搬送面11上に供給する。供給された汚泥2は、搬送ベルト6によって搬送軌道7上を搬送されながら重力濾過されて脱水濃縮され、排出部9から排出される。
【0042】
この際、図6に示すように、保持部材15を使用位置Cに回動させておくことにより、各バタフライスクレーパ12の下辺が搬送ベルト6の搬送面11に上方から摺接し、搬送面11上の汚泥2が各バタフライスクレーパ12によって鋤き返され、図1に示すように、各バタフライスクレーパ12の搬送方向下流側における搬送ベルト6の搬送面11に、汚泥2から露出する暴露部位50が生じる。これにより、汚泥2中の内包水が汚泥層の表面から直接に暴露部位50を通して排出され、脱水効率が向上する。
【0043】
また、図5に示すように、蝶ナット37を緩めて連結フレーム21の固定を解除し、連結フレーム21を搬送ベルト6の幅方向Aへ手動で移動させることにより、ボルト36が案内溝35に案内されながら案内溝35内を移動するとともに、回動板40が軸部41a,41bを中心に上記幅方向Aへ回動し、上記幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12が、まとめて一斉に、各支軸13を中心にして上記幅方向Aへ回動(変移)する。このため、複数のバタフライスクレーパ12を容易に回動させることができ、図10に示すように、容易に、搬送方向Bに対する複数のバタフライスクレーパ12の傾斜角度θを変更することができる。
【0044】
これにより、バタフライスクレーパ12の抵抗面12a上で汚泥2が搬送ベルト6の搬送力によって受ける圧搾力と上記抵抗面12a上に留まる汚泥2の滞留時間とが変化し、傾斜角度θが大きくなるほどすなわち抵抗面12aが搬送方向上流側に向くほど、圧搾力が増大するとともに、上記滞留時間が長くなるため、上記圧搾力を受ける時間も長くなる。したがって、バタフライスクレーパ12の傾斜角度θを変更することにより、圧搾力および圧搾力を受ける時間が調節され、汚泥2を所望の濃度まで脱水することができる。尚、バタフライスクレーパ12の回動範囲E(図9(a)参照)は、ボルト36が案内溝35内を移動する移動範囲によって、規制される。また、蝶ナット37を締め付けることにより、連結フレーム21が固定されるため、バタフライスクレーパ12の傾斜角度θが不用意に変動することはない。
【0045】
また、図2,図3に示すように、搬送ベルト6が回動している際、搬送ベルト6は、搬送軌道7において、下方から受け部材10で受けられている。このため、受け部材10で受けられている箇所においては搬送ベルト6に撓みが生じることはないが、受け部材10で受けられていない箇所すなわち各受け部材10間においては搬送ベルト6が下方に撓む虞がある。
【0046】
したがって、搬送ベルト6の幅方向Aの一部分がその他の部分に比べて下方に撓むことがあり、この場合、図6(b)に示すように、搬送ベルト6の撓んだ部分に対応したバタフライスクレーパ12が、自重により、個別に、保持部材15と連動フレーム21とに対して下降する。これにより、搬送ベルト6の撓み部分に対応したバタフライスクレーパ12の下辺が搬送ベルト6の搬送面11に摺接し、バタフライスクレーパ12と上記搬送面11との間に間隙が発生するのを防止することができる。これにより、脱水効率の低下を防止することができる。
【0047】
また、バタフライスクレーパ12は樹脂製であるため、バタフライスクレーパ12が搬送ベルト6に摺接することで、バタフライスクレーパ12側が磨耗する。このようなバタフライスクレーパ12の磨耗に対しても、各バタフライスクレーパ12が、個別に、保持部材15と連動フレーム21とに対して下降するため、バタフライスクレーパ12と搬送ベルト6の搬送面11との間に間隙が発生するのを防止することができる。
【0048】
また、図8に示すように、バタフライスクレーパ12を使用しない場合、保持部材15を使用位置Cから退避位置Dに回動させることにより、搬送ベルト6の幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12をまとめて一斉に搬送ベルト6の搬送面11から上方へ退避させることができる。したがって、濃縮された汚泥2の濃度が所望(目標)の濃度よりも高くなり過ぎるような場合、上記のように保持部材15を退避位置Dに回動させ、搬送ベルト6の搬送面11に摺接するバタフライスクレーパ12の数を減らすことによって、濃縮された汚泥2を所望の濃度に保つことができる。また、退避位置Dに回動させる保持部材15の数を変えることによって、汚泥2の濃度を調節することも可能である。
【0049】
また、上記のように保持部材15を使用位置Cから退避位置Dに回動させる際、突部27が上方から保持部材15の一方の板部16aに係止するため、支軸13が保持孔18a,18bから下方へ脱抜することはなく、これにより、各バタフライスクレーパ12が保持部材15から脱落するのを防止することができる。
【0050】
また、図8に示すように、上記のように保持部材15を退避位置Dに回動させて、バタフライスクレーパ12を搬送ベルト6の搬送面11から上方へ退避させた際、連動フレーム21の一端部がボルト36と蝶ナット37とを介して支持板34に締結されて固定されているとともに、図11の仮想線で示すように、連動フレーム21の他端部が下方から回動板40に支持されるため、連動フレーム21がバタフライスクレーパ12から脱落するのを防止することができる。
【0051】
また、バタフライスクレーパ12を使用する場合、図6に示すように、保持部材15を退避位置Dから使用位置Cに回動させることにより、搬送ベルト6の幅方向Aに配列された複数のバタフライスクレーパ12の下辺がまとめて一斉に搬送ベルト6の搬送面11に摺接する。
【0052】
また、メンテナンス等を行なう場合、図8の実線で示すように、保持部材15を退避位置Dに回動させ、ボルト36と蝶ナット37とを外して連動フレーム21の固定を解除し、連動フレーム21を連動軸14から引き抜いてバタフライスクレーパ12から取り外した後、図9(b)に示すように、バタフライスクレーパ12を回動させて突部27の位置を切欠部28の位置に一致させ、突部27を切欠部28に通過させることにより、支軸13を保持孔18a,18bから引き抜いて、バタフライスクレーパ12を保持部材15から容易に取り外すことができる。
【0053】
また、連動フレーム21は、突部27の位置が切欠部28の位置に一致しない範囲Eで、バタフライスクレーパ12を回動させるため、保持部材15を使用位置Cから退避位置Dに回動させる際、不用意に突部27が切欠部28を通過することはなく、支軸13が保持孔18a,18bから引き抜かれてバタフライスクレーパ12が保持部材15から外れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0054】
上記第1の実施の形態では、濃縮促進部材を搬送ベルト6の幅方向Aへ変移させる一例として、図9(a)に示すように、支軸13を中心にしてスクレーパ12を上記幅方向Aへ回動させているが、変移の別の例として、第2の実施の形態では、図13に示すように、スクレーパ12を上記幅方向Aへ一直線に水平移動させてもよい。
【0055】
上記各実施の形態では、図2に示すように、搬送ベルト6の幅方向Aにおいて、四枚(複数)のバタフライスクレーパ12を一本の保持部材15に配設しているが、四枚以外の複数枚配設してもよい。
【0056】
上記各実施の形態では、搬送方向Bにおいて、六本の保持部材15を配設しているが、六本以外の複数本又は単数本配設してもよい。
尚、上記各実施の形態に記載されたベルト式ろ過装置1はベルトプレスの重力脱水ゾーンにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 ベルト式ろ過装置
2 汚泥(濃縮対象物)
6 搬送ベルト
7 搬送軌道
11 搬送面
12 バタフライスクレーパ(濃縮促進部材)
13 支軸
15 保持部材
18a,18b 保持孔
21 連動フレーム(変移装置)
27 突部(濃縮促進部材用脱落防止装置)
28 切欠部
31,32 第1および第2の変移装置用脱落防止装置
A 搬送ベルトの幅方向(水平方向)
B 搬送方向
C 使用位置
D 退避位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性を有する搬送ベルトの搬送面に、水分を含んだ濃縮対象物を供給し、濃縮対象物を搬送ベルトで搬送しながら脱水するベルト式ろ過装置であって、
搬送ベルトの幅方向に間隔をあけて配設され且つ搬送ベルトの搬送面に上方から摺接する複数の濃縮促進部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移自在に保持する保持部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させる変移装置が設けられていることを特徴とするベルト式ろ過装置。
【請求項2】
各濃縮促進部材は保持部材と変移装置に対して上下動自在であることを特徴とする請求項1記載のベルト式ろ過装置。
【請求項3】
各濃縮促進部材は、保持部材に、搬送ベルトの搬送方向に対して角度変更自在に保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルト式ろ過装置。
【請求項4】
保持部材は、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面に当接する使用位置と、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面から退避する退避位置とに移動自在であり、
保持部材が退避位置に移動する際、濃縮促進部材が保持部材から脱落することを防止するための濃縮促進部材用脱落防止装置が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベルト式ろ過装置。
【請求項5】
各濃縮促進部材には上下方向の支軸が設けられ、
保持部材には上下方向の保持孔が形成され、
各濃縮促進部材の支軸は、各保持孔に、上下動自在で且つ支軸の軸心周りに回動自在に挿通され、
濃縮促進部材用脱落防止装置は支軸の外周面から径方向外向きに突出する突部からなり、
突部は上方から保持部材に係止可能であり、
保持孔に、突部の通過を許容する着脱用の切欠部が形成され、
変移装置は、突部が切欠部に嵌まり込まない範囲で、濃縮促進部材を変移させることを特徴とする請求項4記載のベルト式ろ過装置。
【請求項6】
保持部材が退避位置に移動した際、変移装置が濃縮促進部材から脱落することを防止するための変移装置用脱落防止装置が設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のベルト式ろ過装置。
【請求項1】
透水性を有する搬送ベルトの搬送面に、水分を含んだ濃縮対象物を供給し、濃縮対象物を搬送ベルトで搬送しながら脱水するベルト式ろ過装置であって、
搬送ベルトの幅方向に間隔をあけて配設され且つ搬送ベルトの搬送面に上方から摺接する複数の濃縮促進部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移自在に保持する保持部材、複数の濃縮促進部材を水平方向へ変移させる変移装置が設けられていることを特徴とするベルト式ろ過装置。
【請求項2】
各濃縮促進部材は保持部材と変移装置に対して上下動自在であることを特徴とする請求項1記載のベルト式ろ過装置。
【請求項3】
各濃縮促進部材は、保持部材に、搬送ベルトの搬送方向に対して角度変更自在に保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベルト式ろ過装置。
【請求項4】
保持部材は、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面に当接する使用位置と、各濃縮促進部材が搬送ベルトの搬送面から退避する退避位置とに移動自在であり、
保持部材が退避位置に移動する際、濃縮促進部材が保持部材から脱落することを防止するための濃縮促進部材用脱落防止装置が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベルト式ろ過装置。
【請求項5】
各濃縮促進部材には上下方向の支軸が設けられ、
保持部材には上下方向の保持孔が形成され、
各濃縮促進部材の支軸は、各保持孔に、上下動自在で且つ支軸の軸心周りに回動自在に挿通され、
濃縮促進部材用脱落防止装置は支軸の外周面から径方向外向きに突出する突部からなり、
突部は上方から保持部材に係止可能であり、
保持孔に、突部の通過を許容する着脱用の切欠部が形成され、
変移装置は、突部が切欠部に嵌まり込まない範囲で、濃縮促進部材を変移させることを特徴とする請求項4記載のベルト式ろ過装置。
【請求項6】
保持部材が退避位置に移動した際、変移装置が濃縮促進部材から脱落することを防止するための変移装置用脱落防止装置が設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のベルト式ろ過装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−91129(P2012−91129A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241577(P2010−241577)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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