説明

ベルト式伝動装置

【課題】 複数個のプーリにベルトを掛けて回転力を伝えるベルト式伝動装置において、ベルトの張りの程度の調節が可能でありにがらも構成が簡素で製造が簡便であり、又、そのベルトの張りの程度の調節をプーリの軸線と同方向から行うことを目的とする。
【解決手段】 ベース7に対して矢印B方向にスライド可能なスライド部材8に、プーリ2を枢支する枢支軸4を立設させ、且つ、矢印B方向に立ち上がる傾斜部12を備える。傾斜部12と係合して押圧する傾斜部17を有し、矢印B方向と垂直方向の矢印C方向にスライド可能な押圧部材13を備え、更に、メネジ部15に対するビスの締め付けによって押圧部材13の矢印C方向の位置を決め、これによってスライド部材8の矢印B方向の位置を決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二つ以上のプーリにベルトを掛けて、そのベルトによって回転力を伝動するベルト式伝動装置に関する。
特に、この発明は、それら二つ以上のプーリにベルトを掛けて回転力を伝動する際に、ベルトに作用する張力の程度を任意に調整することに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルト式伝動装置では、二つ以上のプーリにベルトを掛けて、一つ若しくは二つ以上のプーリに回転力を与えることによったそのベルトを介して、他のプーリに回転力を伝動させている。
しかし、所望通りに他のプーリに回転力を伝動するには、プーリに掛けられているベルトの張りの程度が大きく影響する。
【0003】
つまり、プーリに掛けられているベルトの張りの程度が小さ過ぎる場合には、プーリとベルトの間でいわゆる滑りが発生し、回転力を出力するプーリからその回転力がベルトに十分に伝わらず、結果的に、前記回転力が所定通りに伝動されないということになる。
殊に、プーリが高速で回転している際に、その回転の速さ(角速度)が変化する際には滑りが発生し易い。
【0004】
他方、プーリに掛けられているベルトの張りの程度が大き過ぎる場合、つまり、ベルトの張りが強すぎる場合には、回転力を忠実に伝動するという点では好ましい。
しかし、斯かる場合では、プーリとベルトの間に大きな摩擦力が発生し、プーリの回転がいわゆる重くなって、結果的に、回転力を出力するプーリからの回転力の作業効率が悪くなったり、ベルトとプーリの間に過剰な摩擦によって大きな発熱が生じるということになる。
【0005】
つまり、プーリに掛けられるベルトの張りの程度は、微妙ではあるが適切であることが求められている。
このことについては、当該装置を構成する複数個のプーリの回転軸方向が同方向であるベルト式伝動装置のみならず、複数個のプーリの回転軸方向が互いに直行の状態でベルトがねじれ掛けであるベルト式伝動装置であっても、同様のことが言える。
【0006】
他方、ベルト式伝動装置は、使用と共に、ベルトにいわゆる伸びが生じることがあり、複数個のプーリに掛けるベルトの張りの程度が変化する場合がある。
以上の事情から、ベルト式伝動装置について、複数個のプーリに掛けるベルトの張りの程度を調節するための手段が知られている。
ベルト式伝動装置におけるベルトの張りの程度を調節するための手段として、以下の公報で開示された技術が知られている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−93868号公報
【特許文献2】特開2000−10208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特開平8−93868号公報で開示されているベルトの張りを調節するための手段は、支持板41aに一つのプーリ51のプーリシャフト53を枢支させ、且つ、その支持板41aを固定側となるサイドフレーム31bに対して移動可能とし、更に、それら支持板41aとサイドフレーム31bの間に、支持板41aをサイドフレーム31bに対して一の方向に付勢する圧縮コイルバネ57と支持板41aのサイドフレーム31bに対する位置を調節するための調節手段(ネジ61)を介在させた構成となっている。
ここで、前記調節手段は、ネジ61を弦巻状の圧縮コイルバネ57に挿通させて配設しており、又、ネジ61を定位置に配設するための部材を必要としていた。
【0009】
特開平8−93868号公報で開示された斯かる構成の手段は、複数個の比較的精密な部品をご小さな空間に配設する必要があり、製造が煩雑であって組立てに熟練を要するという問題があった。
又、同公報で開示された発明は、ベルト55の張りの調節を行う手段を、サイドフレーム31bに対してアイドルプーリ51の逆側の位置に配設されているので、装置全体がベルトの張りの方向に伸張した構成になっていて形状的に制約を受けると共に、サイドフレーム31bに対してアイドルプーリ51の逆側の位置に開放のスペースが確保できなければ、ベルト55の張りの調節を行うことができないという問題があった。
【0010】
他方、特開2000−10208号公報で開示されているベルトの張りを調節するための手段は、プーリブラケット104がプーリ102を軸103で枢支し、且つ、プーリブラケット104を固定側である装置本体105に取り付け、更に、タイミングベルト101の張力が適当となるようにプーリ102にそれに対応する位置を取らせるための付勢力用のバネ109を装置本体105とプーリブラケット104の間に介在させる構成になっている。
尚、バネ109は、円弧状の棒形状であって、装置本体105に爪状に形成された一組のフック108に掛止させて取付け固定されている。
【0011】
特開平2000−10208号公報で開示された斯かる構成の手段は、部品、特にバネ109を掛止させるフック108の形成が煩雑であり、又、組立てに熟練を要するという問題があった。
殊に、同公報で開示の装置本体105は板状の部材から形成されているので、フック108は装置本体105に打ち抜き加工を行うことで爪状を形成して比較的容易に得ることが可能になっているが、打ち抜き加工が行えない部材の場合ではフック108の形成が難しく問題はより一層深刻となる。
【0012】
尚、特開平2000−10208号公報で開示の装置は、タイミングベルト101とそれ用のプーリ102の組み合わせであって、それらが噛合する構成であることから、それらタイミングベルト101とプーリ102の間で滑りが生じることはない。しかし、ベルトの張りが適度でなければならないという問題は、当然、残ることになる。つまり、ベルトの張りの程度を調節する手段は、矢張り、必要であるということになる。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、複数個のプーリにベルトを掛けて一つのプーリの回転力を前記ベルトを介して他のプーリに伝えるベルト式伝動装置において、ベルトの張りの程度の調節が可能であって、且つ、構成が簡素であることから製造も簡便であって、更に、ベルトも伸長方向に対して形状的な制約とベルトの張りの調節のためのスペース上の制約の受けることのないベルト式伝動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、スライドさせた際に上記ベルトの張りの程度が強弱となる方向に対して立ち上がり角度を持つ傾斜部を持つスライド部材に一つのプーリを枢支させ、且つ、前記傾斜部と係合し押圧することで前記スライド部材のスライドの位置を決定する押圧部材とベースの間に、前記押圧部材を位置決め固定するための手段を備えて構成したベルト式伝動装置である。
その詳細な構成は、複数個のプーリと、それら複数個のプーリに掛けられてプーリ間で回転力を伝動するためのベルトと、ベースと、前記複数個のプーリの一つを枢支する枢支軸が備えられ、前記ベルトを掛けた際にそのベルトの張り程度を調節し得る方向に前記ベースに対してスライド可能なスライド部材と、前記ベースと前記スライド部材の間に、前記ベースに対して前記スライド部材をスライドさせる量を調節するスライド量調節手段と、が備えられ、
上記スライド量調節手段は、上記スライド部材に備えられ、そのスライド部材をスライドさせた際に上記ベルトの張りの程度が強弱となる方向に対して立ち上がり角度を持つ傾斜部と、その傾斜部と係合し上記ベースの方向に押圧することによって、前記ベースに対する前記スライド部材のスライドの位置を決定する押圧部材と、その押圧部材を前記ベースに対して位置決め固定するためのオネジ及び前記ベース側に備えられるメネジ部から構成されてなるベルト式伝動装置である。
【0014】
つまり、この発明では、ベルトの張りの程度を調節可能とするように一つのプーリを枢支する部材をスライド可能とし、且つ、前記ベルトの伸長方向に対して立ち上がる傾斜部をその枢支用の部材に配設し、その傾斜部と係合する部材を押圧することで、前記枢支用の部材をスライドさせる構成とした。
斯かる構成では、精密な部品や煩雑な組立てを必要とせず、ベルトの張りの程度をその張りの方向に対して垂直の方向から調節を行う構成になっている。
尚、スライド量調節手段という名称は、ベルトの張りの程度を所望する正確さで調節することに対応していることを示す概念を含んでものであり、具体的な数量を意味するものではない。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ベルトを介して複数個のプーリの間で回転力を伝動し、それら複数個のプーリを枢支する軸を立設している部材にベルトの張りの伸長方向に立ち上がりの傾斜部を備え、且つ、前記傾斜部に係合して前記軸の方向に押圧と押圧解除によりその傾斜部を含む部材をベルトの張りの伸長方向に移動させる手段を備えて構成したことによって、ベルトの張りの程度を所望通りに調節することが可能であり、又、構成が簡素であることから各部材の製造と組立て簡便であって、更に、プーリを枢支する軸の方向からベルトの張りの程度を調節するのでベルトも伸長方向に対して形状的な制約とベルトの張りの調節のためのスペース上の制約の受けることのないベルト式伝動装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明を、以下において図面と共に最良の形態に基づき説明する。しかし、この形態によって、この発明が限定されるものではない。
ベルト式伝動装置1は、図1〜3に示すように、プーリ2,3と、枢支軸4,5と、ベルト6と、ベース7と、スライド部材8及びスライド量調節手段9が備えられている。
【0017】
プーリ2は、矢印A方向に回転可能に枢支軸4に枢支されている。枢支軸4は、スライド部材8に立設されている。10は、プーリ2の枢支軸4からの抜け止めを行うためのCリングである。
プーリ3は、矢印A方向に回転可能に枢支軸5に枢支されている。枢支軸5は、ベース7に立設されている。11は、プーリ3の枢支軸5からの抜け止めを行うためのCリングである。
【0018】
ベルト6は、プーリ2とプーリ3に掛けられ、プーリ2とプーリ3のいずれか一方の回転力を他方に伝動するものである。
スライド部材8はベース6に対し、スライド量調節手段9によってベルト6の張りの程度を調節する方向(矢印B方向)にスライド可能な構成になっている。
【0019】
スライド量調節手段9は、スライド部材8に備えられ、スライド部材8をスライドさせた際にベルト6の張りの程度が強弱となる方向に対して立ち上がり角度を持つ傾斜部12と、傾斜部12と係合しベース7の方向に押圧することによって、ベース7に対するスライド部材8のスライドの位置を決定する押圧部材13と、押圧部材13をベース7に対して位置決め固定するためのオネジであるビス14、ベース7の側に備えられるメネジ部15が備えられている。
【0020】
スライド部材8には、ビス14を挿通させる通孔16が開設されている。通孔16は、スライド部材8がスライド可能となるように、水平断面がスライド部材8のスライド方向に伸長した形成されている。
押圧部材13には、傾斜部12と係合する傾斜部17が備えられると共に、ビス14が挿通する通孔18が開設されている。
【0021】
押圧部材13には、更に、傾斜部17に傾斜部12に係合させた際に、スライド部材8と押圧部材13の係合の状態を保持するための規制板19,20が付設されている。
又、ビス14は、押圧部材13の通孔18とスライド部材8の通孔16を挿通されて、ベース7に開設されたメネジ部15に螺合し、このビス14のメネジ部15への螺合の程度によって押圧部材13のベース7に対する高さ位置(矢印C方向)が決まる構成になっている。
【0022】
スライド量調節手段9は、上述した構成であることより、スライド部材8をベース7に対して所望する距離だけ正確に矢印B方向にスライドさせることを可能にさせている。
ベルト式伝動装置1は、上述したように構成されている。以下において、ベルト式伝動装置1のベルト6の張りの程度の調節を説明する。
【0023】
ユーザーは、ベルト式伝動装置1のプーリ2,3を回転させたり、ベルト6を引っ張っることによって、ベルト6の張りが緩過ぎてベルト6とプーリ2,3の間に滑りが生じ易くなっていないか?、或いは、ベルト6の張りが強過ぎてベルト6とプーリ2,3の間に不必要な過大な摩擦力が働いて、プーリ2,3の回転力の伝動にロスが生じ易くなっていないか?、を調べる。
尚、プーリ2,3に掛けられたベルト6の張りの程度を正確に知る必要がある場合には、トルク計等を用いて、ベルト6の掛かっている状態と掛かっていない状態のプーリ2,3のトルクをそれぞれ求めて比較し、ベルト6の張りの程度を確認するとよい。
【0024】
ユーザーが、ベルト式伝動装置1においてプーリ2,3に掛かっているベルト6の張りの程度が弱くて緩い状態であると判断すると、ビス14を上方から見て時計の針方向に回転する。
ここで、ビス14は、ベース7のメネジ部15と螺合していることから、前記の回転によってベース7の側に進もうとして、押圧部材13を矢印Cの下方向に押圧する。
【0025】
ここで、押圧部材13の傾斜部17は矢印Cの下方向にスライドしようとするが、傾斜部17はスライド部材8の傾斜部12と係合しているので、傾斜部12を矢印Bの後方向に押圧する。
傾斜部12がこの押圧力を受けることによって矢印Bの後方向にスライドしようとすると、傾斜部12を含んでなるスライド部材8がこの押圧力を受けて矢印Bの後方向にスライドする。
【0026】
ここで、スライド部材8に枢支軸4が立設されているプーリ2も同じ方向に同じ距離だけスライドすることになる。
他方、プーリ3は、ベース7に立設された枢支軸5に枢支されており、枢支軸5はそのままの位置が保持される。
【0027】
従って、プーリ3は定位置で保持され、プーリ2はプーリ3に対して離隔の方向にスライドするから、ベルト6は二つのプーリ2,3に掛かっている状態で張りの程度が強くなる。
よって、ベルト6はプーリ2,3に対して所望する張り(強さ)の程度に掛けた状態を得ることが可能になる。
【0028】
他方、ユーザーが、ベルト式伝動装置1においてプーリ2,3に掛かっているベルト6の張りの程度が強くて回転力に大きな損失が生じていると判断すると、ビス14を上方から見て時計の針方向と逆方向に回転する。
ここで、ビス14は、ベース7のメネジ部15と螺合していることから、前記の回転によってベース7から離隔する方向に進もうとして、押圧部材13を矢印Cの上方向に押し上げる。
【0029】
ここで、押圧部材13の傾斜部17は矢印Cの上方向にスライドしようとするが、傾斜部17はスライド部材8の傾斜部12と係合している。
他方、ベルト6がプーリ2,3に強い程度の張りで掛かっていることから、ベルト6の張力がプーリ2とプーリ3の間の距離を狭くするように作用している。
【0030】
従って、押圧部材13が矢印Cの上方向にスライドするので、傾斜部12を含んでなるスライド部材8は押圧部材13の傾斜部17からの押圧規制が解除された分だけ矢印Bの前方向にスライドすることが可能になる。
傾斜部12を含むスライド部材8は、押圧部材13からのこの押圧力の解除及びベルト6の引っ張りの力によって矢印Bの前方向にスライドする。或いは、押圧部材13の傾斜部17の傾斜部12に対して押圧を解除した分に対して、ユーザーは、傾斜部12を含んでなるスライド部材8を矢印Bの前方向にスライドさせることが可能になる。
【0031】
よって、押圧部材13を矢印Cの上方向にスライドすることによって、プーリ2,3に掛けられているベルト6の張りの程度を緩める(弱める)ことができる。
ここで、プーリ2,3に掛けられているベルトの張りの強弱の程度を、掛けられているベルト6の伸長方向とは垂直の方向で調節する構成であることから、装置全体がベルト6の伸長方向に大きな寸法を必要とせず、ベルト6の張りの強弱の調整のためのスペースもベルト6の伸長方向に限定されない。
【0032】
又、ベルト式伝動装置1は、ベルト6の張りの強弱の調整を行う手段の構成及び機能は上述した通りであって、構成が簡素で組立てが簡便である。
更に、スライド部材8、押圧部材13等の構成部材は、平面加工が多く、製造も簡便である。
【0033】
上述したスライド部材12と押圧部材13のスライドでは、押圧部材13に規制板19,20が付設されているので、スライド部材12の傾斜部12は押圧部材13の傾斜部17に沿ってスライドし、傾斜部17と傾斜部12の係合が解除することはない。
又、ベルト式伝動装置1は、押圧部材13に規制板19,20を付設することで傾斜部17と傾斜部12の係合を保持しているが、スライド部材12と押圧部材13のいずれか一方に溝部(具体的には例えば、アリ溝)を、他方にその溝部と嵌合する凸部をそれぞれ形成することで、傾斜部17と傾斜部12の係合を保持する構成であってもよい。
【0034】
ベルト式伝動装置1は、上述した構成に加えて、スライド部材8とベース7の間に、ベース7に対するスライド部材8のスライド方向をガイドするガイド手段を介在させた構成
が挙げられる。
ベルト式伝動装置1は、ベース7にメネジ部15を形成しているが、メネジ部15に対応する位置にビス14が挿通する通孔を開設し、更に、その対応の位置であってベース7の裏面にビス14と螺合するナットを配設する構成であってもよい。
【0035】
ベルト式伝動装置1は、二つのプーリ2,3にベルト6を掛けて回転の力を伝動する構成であるが、三個以上のプーリを備えた構成であってもよい。
尚、三個以上のプーリを備えてなるベルト式伝動装置1では、スライド量調節手段9は任意のプーリに対して配設することが可能であることから、装置全体の大きさ、製造と組立ての簡便さ等に基づいて適宜選択するのがよい。
【0036】
又、三個以上のプーリを備えてなるベルト式伝動装置1では、必要に応じて複数のスライド量調節手段9を備えた構成であってもよい。
ベルト式伝動装置1ではプーリ2,3にベルト6平行になるように掛けて構成されているが、逆方向の回転力を伝えるようにベルト6をプーリ2,3に所謂たすき掛けで掛けた構成であってもよく、プーリ2,3を枢支する枢支軸4,5が互いに直行するねじれの構成であってもよい。
【0037】
ベルト式伝動装置1は、スライド部材8のスライド方向に対する傾斜部12の立ち上がりの角度、傾斜部12と傾斜部17が係合してスライドさせる円滑さを決定する材質、ベース7に対するスライド部材8のスライド可能な距離は、ベルト6の張りの程度を調節するために要するベース7に対するスライド部材8のスライドの距離、材質に求められる強度、ベルト6の使用に伴う伸びの程度などによって、適宜設定・選択するのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の最良の形態の構成を説明する要部斜視図である。
【図2】図1に示す最良の形態の側面図である。
【図3】図1に示す最良の形態の平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 :ベルト式伝動装置
2,3 :プーリ
6 :ベルト
7 :ベース
8 :スライド部材
9 :スライド量調節手段
12,17 :傾斜部
13 :押圧部材
14 :オネジ(ビス)
15 :メネジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のプーリと、それら複数個のプーリに掛けられてプーリ間で回転力を伝動するためのベルトと、ベースと、前記複数個のプーリの一つを枢支する枢支軸が備えられ、前記ベルトを掛けた際にそのベルトの張り程度を調節し得る方向に前記ベースに対してスライド可能なスライド部材と、前記ベースと前記スライド部材の間に、前記ベースに対して前記スライド部材をスライドさせる量を調節するスライド量調節手段と、が備えられ、
上記スライド量調節手段は、上記スライド部材に備えられ、そのスライド部材をスライドさせた際に上記ベルトの張りの程度が強弱となる方向に対して立ち上がり角度を持つ傾斜部と、その傾斜部と係合し上記ベースの方向に押圧することによって、前記ベースに対する前記スライド部材のスライドの位置を決定する押圧部材と、その押圧部材を前記ベースに対して位置決め固定するためのオネジ及び前記ベース側に備えられるメネジ部から構成されてなるベルト式伝動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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