説明

ベルト留め具

【課題】ベルト留め具においてベルトに対する押圧部材の挟持機能を高める。
【解決手段】ベルト30がその長手方向へ移動調節可能に支持されるベルト支持部6を有する留め具本体1に対し押圧部材15とロック部材24とを回動可能に支持している。押圧部材15は、ベルト30をベルト支持部6との間で挟持してベルト30がその長手方向へ移動するのを抑制する移動抑制状態P15と、ベルト30に対する挟持を解除してベルト30がその長手方向へ移動するのを許容する移動許容状態Q15とを取る。ロック部材24は、移動抑制状態P15にある押圧部材15の移動を抑制して押圧部材15が移動抑制状態P15を維持するロック状態P24と、押圧部材15に対する抑制を解除して押圧部材15が移動許容状態Q15となるロック解除状態Q24とを取る。従って、押圧部材15をロック部材24により保持したため、押圧部材15の挟持解除を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種ベルト装置の連結具として利用されるベルト留め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8に示す従来のベルト留め具において、留め具本体1には押圧部材15が支軸42を中心に回動可能に支持され、留め具本体1の内側と押圧部材15との間を通ったベルト30は、ベルト31の掛止孔11に通されて反転され、留め具本体1の外側を通って巻き掛けられて案内部43に通される。押圧部材15が留め具本体1の内側に向けて回動されてベルト30を挟持すると、ベルト30がその長手方向へ移動するのを抑制する。押圧部材15が留め具本体1の内側から離れる向きに回動すると、ベルト30に対する挟持を解除してベルト30がその長手方向へ移動するのを許容する。ベルト30をその長手方向へ移動調節して留め具本体1に対するベルト30の位置を変更すると、各種ベルト装置の長さを調節することができる。
【0003】
下記の特許文献1では、ベルトを押圧する向きに押圧部材を付勢するばねを有するベルト留め具が開示され、そのばねにより、押圧部材によるベルトの挟持力を高めているとともにそのベルトの挟持状態を維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4200190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1においては、押圧部材がばねによりベルトを押圧する向きに付勢されているものの、ばねの劣化に伴いその弾性力が低下したり、ばねの弾性力以上の外力がベルトに付与されたりすると、押圧部材が不用意に回動してベルトに対する挟持を解除するおそれがあった。
この発明は、ベルト留め具において押圧部材に対する保持手段を改良してベルトに対する押圧部材の挟持機能を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態(図1〜3に示す第1実施形態、図4〜6に示す第2実施形態、図7に示す第3実施形態)の図面の符号を援用して本発明を説明する。
【0007】
本発明にかかるベルト留め具は、ベルト(30)が支持されるベルト支持部(6)を有する留め具本体(1)と、前記留め具本体(1)に回動可能に支持されて前記ベルト支持部(6)に対してベルト(30)を圧接する押圧部材(15)と、前記留め具本体(1)に回動可能に支持されたロック部材(24)とを備えている。前記押圧部材(15)は、そのベルト(30)を留め具本体(1)のベルト支持部(6)との間で挟持してベルト(30)がその長手方向へ移動するのを抑制する移動抑制状態(P15)と、そのベルト(30)に対する挟持を解除してベルト(30)がその長手方向へ移動するのを許容する移動許容状態(Q15)とを取る。前記ロック部材(24)は、前記移動抑制状態(P15)にある押圧部材(15)の移動を抑制して押圧部材(15)が移動抑制状態(P15)を維持するロック状態(P24)と、その押圧部材(15)に対する抑制を解除して押圧部材(15)が前記移動許容状態(Q15)となるロック解除状態(Q24)とを取る。
【0008】
従って、ロック部材(24)のロック状態(P24)で押圧部材(15)の移動抑制状態(P15)を維持し、ベルト(30)が引かれてもベルト(30)の移動を抑制して、ベルト(30)に対する押圧部材(15)の挟持機能を高めることができる。例えば、ロック部材(24)を留め具本体(1)に対しロック状態(P24)で維持する保持部(14,28)を設けることが好ましい。また、ロック部材(24)のロック解除状態(Q24)で押圧部材(15)を移動許容状態(Q15)とし、ベルト(30)の移動を許容して、ベルト(30)を引いて留め具本体(1)に対するベルト(30)の位置を変更することができる。
【0009】
このベルト留め具において、前記押圧部材(15)には、前記移動抑制状態(P15)でベルト(30)を圧接して挟持し得る圧接部(19)を回動軌跡上に設けるとともに、前記移動抑制状態(P15)でロック状態(P24)のロック部材(24)により圧接される受圧部(20)を設け、前記ロック部材(24)には前記ロック状態(P24)で移動抑制状態(P15)の押圧部材(15)の受圧部(19)を圧接する圧接部(29)を回動軌跡上に設ければ、ロック部材(24)の圧接部(29)が押圧部材(15)の受圧部(20)を圧接して、移動抑制状態(P15)にある押圧部材(15)が移動許容状態(Q15)に向けて回動しようとしてもその回動を抑制することができる。その結果、押圧部材(15)を移動抑制状態(P15)に維持することができる。
【0010】
このベルト留め具において、前記押圧部材(15)の前記圧接部(19)は、先細りする形状をなし、前記ベルト(30)を圧接する部位が前記ベルト(30)の短手方向に延びる頂辺である。
【0011】
ここで、押圧部材(15)の圧接部(19)の先端をベルト(30)に食い込ませるうえでは、圧接部(19)の形状は、例えば錐体状、あるいは錐台状であってもよい。こうした圧接部(19)の形状のうち、圧接部(19)とベルト(30)との間に発生する摩擦力に関していえば、ベルトに対して食い込みやすい錐体状の方が好ましく、圧接部(19)の機械的強度に関していえば、先端部が肉厚である錐台状の方が好ましい。
【0012】
このベルト留め具によれば、圧接部(19)は、先細りする形状をなし、前記ベルト(30)を圧接する部位が前記ベルト(30)の短手方向に延びる頂辺である。その結果、ベルト(30)に圧接部(19)の先端部を適度に食い込ませること、及び圧接部の機械的強度を確保すること、それらが実現可能となる。
【0013】
このベルト留め具において、前記押圧部材(15)には前記移動抑制状態(P15)で前記ロック部材(24)の圧接部(29)と係合してロック部材(24)の回動を押圧部材(15)の回動として伝える連動部(23a)を設ければ、ロック部材(24)の圧接部(29)が押圧部材(15)の連動部(23a)と係合して、ロック部材(24)の回動を押圧部材(15)の回動として円滑に伝えることができる。
【0014】
このベルト留め具において、前記押圧部材(15)には前記移動許容状態(Q15)で前記ロック部材(24)と係合してロック部材(24)の回動を規制するストッパ部(22)を設け、このロック部材(24)がこの押圧部材(15)における受圧部(20)とストッパ部(22)との間で回動するようにすれば、ロック部材(24)の回動が押圧部材(15)における受圧部(20)とストッパ部(22)との間で規制されて、ロック部材(24)の回動を押圧部材(15)の回動として円滑に伝えることができるとともに、ベルト(30)に対する押圧部材(15)の挟持とその挟持解除とを容易に行なうことができる。
【0015】
このベルト留め具において、前記留め具本体(1)のベルト支持部(6)には押圧部材(15)の圧接部(19)により圧接されたベルト(30)を支える圧接突部(7,3b)を設ければ、ベルト(30)が引っ張られた際に圧接突部(7,3b)とベルト(30)との間に摩擦力が発生するため、ベルト(30)がその長手方向へ移動するのをより一層抑制することができる。
【0016】
このベルト留め具において、前記留め具本体(1)は、前記圧接突部(7)に並設された支持突部(35)をさらに有し、前記支持突部(35)は、前記圧接突部(7)よりも突出しており、該圧接突部(7)に支えられた前記ベルト(30)を支える。
【0017】
このベルト留め具によれば、ベルト(30)がその長手方向に沿って引っ張られた際に、支持突部(35)とベルト(30)との間にも摩擦力が発生するため、ベルト(30)がその長手方向へ移動することをさらに抑えることができる。
【0018】
このベルト留め具において、前記圧接突部(7)及び前記支持突部(35)の少なくとも一方には、その先端部に先細りする突起(36,37)が形成されている。
【0019】
このベルト留め具によれば、ベルト(30)に対して圧接突部(7)及び支持突部(35)の少なくとも一方の先端部に形成された突起(36,37)が食い込むことになるため、当該突起(36,37)が形成された突部(7,35)とベルト(30)との間に発生する摩擦力を高めることができる。
【0020】
このベルト留め具において、前記圧接突部(7)及び前記支持突部(35)の各々に前記突起(36,37)が複数形成されており、前記圧接突部(7)に形成された突起(36)の頂部と前記支持突部(35)に形成された突起(37)の頂部とは、少なくとも1つが前記ベルト(30)の短手方向において異なる位置に配置されている。
【0021】
ここで、ベルト(30)の短手方向において、圧接突部(7)の突起(36)と支持突部(35)の突起(37)との位置が同じ位置に形成されているとなれば、圧接突部(7)と支持突部(35)との間でベルト(30)が該ベルト(30)の短手方向において起伏のない状態になりやすくなり、各突部(36,37)がベルト(30)に食い込みにくくなる。この点、このベルト留め具においては、圧接突部(7)の突起(36)と支持突部(35)の突起(37)との少なくとも1つがベルト(30)の短手方向において異なる位置に形成されている。その結果、ベルト(30)に対する突起(36,37)の食い込み量が減少することを抑えることができる。
【0022】
このベルト留め具において、例えば、第3実施形態のように、前記留め具本体(1)にはそのベルト支持部(6)と前記押圧部材(15)との間を通り反転されて巻き掛けられたベルト(30)において反転後のベルト(30)が掛けられる案内部(41)を設ければ、その反転後のベルト(30)を案内部(41)により案内して反転前のベルト(30)に対し容易に重合することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、ベルト留め具において押圧部材(15)以外にロック部材(24)を付設することにより押圧部材(15)に対する保持手段を改良して、ベルト(30)に対する押圧部材(15)の挟持機能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は第1実施形態にかかるベルト留め具に対するベルトの固定状態を示す断面図であり、(b)は同じくベルトの固定解除状態を示す断面図である。
【図2】(a)は図1(a)のベルト留め具を示す組付斜視図であり、(b)は図1(b)のベルト留め具を示す組付斜視図であり、(c)はこれらのベルト留め具を示す分解斜視図であり、(d)はこのベルト留め具の押圧部材のみを示す斜視図である。
【図3】押圧部材を成形する際に用いられる金型を模式的に示す図。
【図4】第2実施形態にかかるベルト留め具に対するベルトの固定状態を示す断面図。
【図5】留め具本体の正面構造を示す平面図であって、圧接突条に対する押圧部材の圧接部の相対位置を点線で示した図。
【図6】留め具本体の巻掛板部における平面構造を示す平面図。
【図7】(a)は第3実施形態にかかるベルト留め具に対するベルトの固定状態を示す断面図であり、(b)は同じくベルト留め具の組付斜視図である。
【図8】従来のベルト留め具に対するベルトの固定状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態にかかるベルト留め具について図1〜3を参照して説明する。
【0026】
図1(a)(b)及び図2(a)(b)(c)(d)に示すようにプラスチックであるポリアセタールを射出成形することにより一体成形された留め具本体1においては、底板部2が巻掛板部3と、巻掛板部3の後縁部3aから左右方向へ広がる連結板部4とを有し、巻掛板部3の左右両縁部から側板部5が相対向して上方へ立設されている。巻掛板部3の内側に形成されたベルト支持部6において巻掛板部3の前縁部3bの付近には圧接突条7が形成されて前縁部3b(圧接突部)と圧接突条7(圧接突部)との間には左右両側板部5間で左右方向へ延びる溝部8が形成されている。この圧接突条7に対する溝部8の反対側には、該圧接突条7及び巻掛板部3に一体的に形成された2つの補強リブ7aが左右方向に並設されている。巻掛板部3の外側には左右方向へ延びる複数の凸部9が滑止めとして前後方向へ並設されている。連結板部4の前側には巻掛板部3の後縁部3aに隣接する巻掛孔10が左右方向へ延設されている。連結板部4の後側には円弧状の後縁部に沿う掛止孔11が巻掛孔10に隣接して形成されている。左右両側板部5には上縁部の付近で前側軸支孔12と後側軸支孔13とが前後方向へ並設されているとともにそれらの上縁部の後端で係止凹部14が形成されている。
【0027】
図2(a)(b)(c)(d)に示すようにポリアセタールを射出成形することにより一体成形された押圧部材15においては、押圧板部16の左右両側に軸部17が突設され、前記留め具本体1の左右両側板部5間に押圧板部16が嵌め込まれて左右両側板部5の後側軸支孔13に押圧板部16の左右両軸部17が挿嵌されている。従って、押圧部材15は左右両軸支孔13を互いに結ぶ回動中心線13aを中心に回動し得る。押圧板部16において、左右両軸部17から前記留め具本体1のベルト支持部6側へ延びる腕部18の先端部には、ベルト支持部6に面する内側でベルト支持部6の溝部8に向けて複数の圧接部19が左右方向へ並設されているとともに、圧接部19に対し反対側となる外側で左右方向へ延びる受圧部20が形成されている。圧接部19は、その延出方向における断面が矩形状であって左右方向、すなわちベルト30の短手方向に延びる頂辺へ先細りする形状をなしている。押圧板部16において、受圧部20に対向して左右両軸部17から延びる腕部21には左右方向へ延びるストッパ部22が形成されているとともに、受圧部20とストッパ部22との間には凹所23が形成されている。凹所23の底部には連動部23aが形成されている。押圧部材15の回動軌跡上にある圧接部19は、押圧部材15の回動に伴いベルト支持部6の溝部8で圧接突条7に対し係脱される。
【0028】
図2(a)(b)(c)(d)に示すようにポリアセタールを射出成形することにより一体成形されたロック部材24においては、ロック板部25の左右両側に軸部26が突設され、前記留め具本体1の左右両側板部5間にロック板部25が前記押圧板部16の外側に面して嵌め込まれて左右両側板部5の前側軸支孔12にロック板部25の左右両軸部26が挿嵌されている。従って、ロック板部25は左右両軸支孔12を互いに結ぶ回動中心線12aを中心に回動し得る。ロック板部25において、左右両軸部26側から前記留め具本体1の連結板部4側へ向けて延びる操作板部27の先端部の左右両側には係止段部28が形成されている。左右両係止段部28(保持部)はロック板部25の回動に伴い前記留め具本体1の左右両側板部5の係止凹部14(保持部)に対し係脱される。ロック板部25には前記押圧部材15の凹所23に対向して左右方向へ延びる圧接部29が左右両軸部26側から突設されている。ロック板部25の回動軌跡上にある圧接部29は、押圧部材15の凹所23に係入され、凹所23の連動部23aと係合しながら、ロック板部25の回動に伴い受圧部20とストッパ部22との間で回動し得る。
【0029】
このようなベルト留め具は、かばん類の肩掛ベルト装置の連結具や腰ベルト装置の連結具やヘルメットの顎掛ベルト装置の連結具などに広く利用することができる。それらのベルト装置の一部として図1(a)(b)に示すように、ベルト30は、留め具本体1において左右両側板部5間で巻掛板部3のベルト支持部6と押圧部材15の圧接部19との間を通り巻掛孔10で反転されて巻掛板部3の内側と外側とを通るように巻き掛けられている。また、留め具本体1において連結板部4に連結されたベルト31は掛止孔11の上側から下側に向けて挿通された後に巻掛孔10の下側から上側に向けて挿通され、さらに反転されて再度、掛止孔11の上側から下側に挿通されている。ベルト30をその長手方向へ移動調節して留め具本体1に対するベルト30の位置を変更すると、各種ベルト装置の長さを調節することができる。
【0030】
次に、前記ベルト30をその長手方向へ移動調節する手順について述べる。
図1(a)に示すように、ロック部材24の操作板部27を押し下げて左右両係止段部28を留め具本体1の左右両係止凹部14に対し係止してロック部材24を留め具本体1に固定したロック状態P24にする。ロック状態P24では、ロック部材24の圧接部29が押圧部材15の凹所23で回動して凹所23の連動部23aを押し、押圧部材15が回動して移動抑制状態P15となる。移動抑制状態P15において、ロック部材24の圧接部29が押圧部材15の受圧部20を圧接すると、押圧部材15の圧接部19が反転前のベルト30を圧接してベルト30がベルト支持部6の溝部8にくい込んで圧接部19とベルト支持部6の圧接突条7との間で挟持される。
【0031】
その場合、図1(a)に示すように、反転前のベルト30がA矢印向きへ引かれると、押圧部材15にはRA矢印向きへの回動力が生じ、その押圧部材15の回動力が受圧部20を介してロック部材24の圧接部29に伝わる。押圧部材15の受圧部20とロック部材24の圧接部29との接触部Cにおいては、押圧部材15の受圧部20からロック部材24の圧接部29が受ける力の向きと、ロック状態P24にあるロック部材24をロック解除状態Q24に向けて回動させようとする力の向きとが互いに異なっている。本実施形態では、これらの力の向きが直角に近づくように、押圧部材15の連動部23a及びロック部材24の圧接部29が設計されている。そのため、反転前のベルト30がA矢印向きへ引かれても、押圧部材15の回動がロック部材24に妨げられるとともにロック部材24が押圧部材15を介して回動しにくくなり、ロック部材24のロック状態P24を維持して押圧部材15のRA矢印向きへの回動を抑制することができる。しかも、ロック部材24のロック状態P24を解除するにはロック部材24の左右両係止段部28と留め具本体1の左右両係止凹部14との係止解除も必要とするため、ロック部材24のロック状態P24をより一層維持することができる。
【0032】
また、反転前のベルト30がB矢印向きへ引かれても、前述したように押圧部材15にはロック部材24によりRB矢印向きへの回動力が生じてベルト30が押圧部材15により挟持される。
【0033】
以上の理由により、反転前のベルト30がA矢印向きやB矢印向きへ引かれても、押圧部材15の移動抑制状態P15を維持してベルト30がその長手方向へ移動するのを抑制することができる。従って、留め具本体1に対するベルト30の位置を固定することができる。
【0034】
図1(b)に示すように、ロック部材24の操作板部27を引き上げて留め具本体1の左右両係止凹部14に対する左右両係止段部28の係止を解除してロック部材24をロック解除状態Q24にすると、ロック部材24の圧接部29が押圧部材15の受圧部20から離れて押圧部材15の凹所23で連動部23aと係合しながら押圧部材15のストッパ部22に当接するまで回動する。そして、ロック部材24の圧接部29と押圧部材15のストッパ部22とが係合し、ロック部材24の回動にともなって押圧部材15も回動する。そのため、押圧部材15は移動許容状態Q15となる。移動許容状態Q15では、押圧部材15の圧接部19をベルト支持部6の溝部8から浮かして押圧部材15によるベルト30の挟持を解除し、ベルト30がその長手方向へ移動するのを許容することができる。従って、反転前のベルト30をA矢印向きまたはB矢印向きに引いて、留め具本体1に対するベルト30の位置を変更することができる。
【0035】
なお、押圧部材15の圧接部19は、移動抑制状態P15においてベルト30がその長手方向へ移動することを抑えるべく、ベルト30に対して適度に食い込むことで圧接突条7との間に発生する摩擦力が高められることが好ましい。
【0036】
ここで、圧接部19の先端をベルト30に食い込ませるうえでは、圧接部19の形状は、例えば錐体状、あるいは錐台状であってもよい。こうした圧接部19の形状のうち、圧接部19とベルト30との間に発生する摩擦力に関していえば、ベルト30に対して食い込みやすい錐体状の方が好ましく、圧接部19の機械的強度に関していえば、先端部が肉厚である錐台状の方が好ましい。
【0037】
この点、上述した圧接部19は、その延出方向における断面が矩形状であって、左右方向に延びる頂辺へ先細りする形状をなしている。そのため、ベルト30に対して圧接部19を適度に食い込ませること、及び先端部における機械的な強度を確保すること、これらが実現可能となる。なお、これらを実現するうえでは、圧接部19の先端部における角度θ1は、θ1=50°〜80°の範囲の収まることが好ましく、本実施形態では角度θ1が約60°に設定されている。
【0038】
また、圧接部19は、その尖った先端部を具現化するために、以下のように成型されることが好ましい。すなわち、こうした尖った先端部を有する突部を1つの金型で成型しようとすると、金型の加工上、圧接部19の先端部を成型する部分が丸みを帯びてしまう。そのため、図3に示されるように、圧接部19を成型する金型33,34のうち、一方の金型34は、該圧接部19の頂辺を境界として分割された金型34A,34Bで構成されることが好ましい。
【0039】
以上説明したように、上記第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1) 押圧部材15以外にロック部材24を付設して押圧部材15をロック部材24により保持したため、ベルト30が引かれても押圧部材15の挟持解除を抑制して、ベルト30に対する押圧部材15の挟持機能を高めることができる。また、ロック部材24による押圧部材15の保持を解除し、ベルト30の移動を許容して、ベルト30を引いて留め具本体1に対するベルト30の位置を変更することができる。
【0040】
(2) 押圧部材15が移動抑制状態P15にあるとき、押圧部材15の受圧部20がロック部材24の圧接部29に圧接されるため、押圧部材15を移動抑制状態P15に維持することができる。
【0041】
(3) ロック部材24の圧接部29と押圧部材15の受圧部20及び連動部23aとにより、ロック部材24の回動を押圧部材15の回動として円滑に伝えて、押圧部材15の圧接部19によりベルト30を挟持することができる。
【0042】
(4) ロック部材24の圧接部29を押圧部材15における受圧部20とストッパ部22との間で回動させるようにして、ロック部材24の圧接部29の回動を規制し、ベルト30に対する押圧部材15の挟持とその挟持解除とを容易に行なうことができる。
【0043】
(5) ベルト30が引っ張られた際にはベルト支持部6において溝部8にくい込んだベルト30と圧接突条7や巻掛板部3の前縁部3bとの間に摩擦力が発生するため、ベルト30がその長手方向へ移動するのをより一層抑制することができる。
【0044】
(6) 押圧部材15の圧接部19が、その延出方向における断面が矩形状であって、左右方向に延びる頂辺へ先細りする形状をなしていることから、該圧接部19の機械的な強度を確保しつつ、該圧接部19をベルト30に対して適度に食い込ませることができる。これにより、移動抑制状態P15においてベルト30がその長手方向に移動しようとする際にベルト30と圧接突条7との間に発生する摩擦力を高めることができる。
【0045】
(7) 圧接突条7に対して補強リブ7aが形成されていることから、圧接突条7の機械的強度を高めることができる。その結果、押圧部材15の圧接部19によってベルト30を圧接する力が圧接突条7に作用しても、該圧接突条7の左右方向における中央部が後縁部3a側へ撓んでしまうことを抑えることができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明にかかるベルト留め具の第2実施形態について図4〜6を参照して説明する。第2実施形態におけるベルト留め具は、第1実施形態におけるベルト留め具と主要な構成が同じであるため、以下では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については、同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0047】
図4に示す第2実施形態にかかるベルト留め具において、前記巻掛板部3には、圧接突条7及び補強リブ7aに対する巻掛孔10側に、押圧部材15やロック部材24の回動の障害とならない程度であって、圧接突条7よりも突出する支持突条35(支持突部)が立設されている。そのため、第2実施形態にかかるベルト留め具においては、押圧部材15の圧接部19と圧接突条7との隙間に通された反転前のベルト30は、圧接突条7から支持突条35へと架け渡されたのち、支持突条35から後縁部3aへと架け渡されて、巻掛孔10で反転される。
【0048】
また、圧接突条7の先端部には、巻掛板部3の前縁部3b側に頂部を有する三角錐状の複数の突起36が左右方向に並設されており、支持突条35の先端部にも、四角錐状をなす複数の突起37が左右方向に並設されている。図5に示されるように、圧接突条7の突起36は、その頂部の少なくとも1つが押圧部材15の圧接部19の頂部に対して左右方向において異なる位置に配置されるように形成されている。また、支持突条35の突起37は、その頂部の少なくとも1つが圧接突条7の突起36の頂部に対して左右方向において異なる位置に配置されるように形成されている。
【0049】
一方、巻掛板部3の後縁部3aには、ここにもまた、連結板部4に向かって延出形成され、その延出方向における断面が矩形状であって、巻掛板部3の下面側に配置されて左右方向に延びる頂辺へ向けて、先細りする複数の突起38が左右方向に並設されている。この後縁部3aの突起38は、その頂部の少なくとも1つが支持突条35の突起37の頂部に対して左右方向において異なる位置に配置されるように形成されている。
【0050】
次に、上述した第2実施形態におけるベルト留め具の作用について説明する。
押圧部材15が移動抑制状態P15にあるベルト留め具において、ベルト30がA方向に引っ張られたとする。この場合、ベルト30は、押圧部材15が移動抑制状態P15から移動許容状態Q15へ変移しにくいことから、押圧部材15と圧接突条7との隙間を通じてA方向に移動しようとする。
【0051】
このとき、ベルト30には、上記引っ張る力の反力として、押圧部材15の圧接部19と圧接突条7との間に発生する摩擦力が作用する。そして、上記摩擦力に抗してベルト30が移動しようとすると、ベルト30には、上記引っ張る力の反力として、さらに、圧接突条7の突起36、支持突条35の突起37、後縁部3aの突起38、これらとベルト30との間に発生する摩擦力が作用することになる。
【0052】
また、圧接突条7及び支持突条35には、ベルト30に対して食い込む突起36,37が形成されていることから、圧接突条7とベルト30との間、支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力を高めることができる。
【0053】
ここで、例えば、圧接突条7の突起36と支持突条35の突起37とが左右方向における同じ位置に頂部を有するとなれば、ベルト30の短手方向において、突起36が食い込む位置と突起37が食い込む位置とが同じになる。そのため、ベルト30がその長手方向に移動しようとする際に、圧接突条7と支持突条35との間でベルト30が該ベルト30の短手方向において起伏のない状態になりやすくなる。こうした状態になると、突起36,37がベルト30に引っ掛かりにくくなってベルト30に対する突起36,37の食い込み量が減少してしまい、圧接突条7とベルト30との間、及び支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力が小さくなる虞がある。
【0054】
この点、上述した態様では、圧接突条7の突起36と支持突条35の突起37とは、その頂部の少なくとも1つが左右方向において互いに異なる位置に配置されるように形成されている。その結果、ベルト30に対する突起36,37の食い込み量が減少することを抑えることができることから、圧接突条7とベルト30との間、及び支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力を高めることが可能である。同様に、支持突条35の突起37と後縁部3aの突起38は、その頂部の少なくとも1つが左右方向において異なる位置に配置されるように形成されていることから、支持突条35とベルト30との間、及び後縁部3aとベルト30との間に発生する摩擦力を高めることが可能である。
【0055】
なお、支持突条35で屈曲するベルト30の角度θ2が鋭角になるほど、すなわち支持突条35を突出させるほど、支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力が大きくなる。しかし、その一方で、圧接突条7におけるベルト30の角度θ3が鈍角化してしまうため、圧接突条7とベルト30との間に発生する摩擦力が小さくなる虞がある。
【0056】
そのため、支持突条35で屈曲するベルト30の角度θ2、及び圧接突条7で屈曲するベルトの角度θ3が、それぞれθ2=70°〜120°、θ3=90°〜120°の範囲に収まることが好ましい。また、角度θ3よりも角度θ2の方が小さくなるように設定されることが好ましい。本実施形態では、支持突条35で屈曲するベルト30の角度θ2が約104°、圧接突条7で屈曲するベルトの角度θ3が約117°となるように圧接突条7及び支持突条35を形成している。
【0057】
以上説明したように、第2実施形態のベルト留め具によれば、上述した第1実施形態に記載した(1)〜(7)の効果に加えて、下記に示す効果を得ることができる。
【0058】
(8)留め具本体1には、圧接突条7及び補強リブ7aに対する巻掛孔10側に支持突条35が形成されている。そのため、移動抑制状態P15にあるベルト留め具において、ベルト30をA方向へ引っ張る力が作用したとしても、その力の反力として、押圧部材15と圧接突条7との間に発生する摩擦力に加えて、支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力を得ることができる。その結果、移動抑制状態P15にあるベルト留め具において、ベルト30がその長手方向に移動することをさらに抑えることができる。
【0059】
(9)圧接突条7の先端部に先細りする複数の突起36が形成されており、また、支持突条35の先端部にも先細りする複数の突起37が形成されている。そのため、上記突起36,37がベルト30に食い込むことによって、圧接突条7とベルト30との間、支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力を高めることができる。
【0060】
(10)圧接突条7の突起36と支持突条35の突起37は、その頂部の少なくとも一つが左右方向において異なる位置に配置されるように形成されている。そのため、ベルト30に対して圧接突条7の突起36及び支持突条35の突起37を食い込みやすくすることができる。
【0061】
(11)後縁部3aに突起38が形成されていることから、上記引っ張る力の反力として、支持突条35とベルト30との間に発生する摩擦力に加えて、後縁部3aとベルト30との間に生じる摩擦力を得ることができる。すなわち、移動抑制状態P15にあるベルト留め具において、ベルト30がその長手方向に移動することをさらに抑えることができる。
【0062】
(第3実施形態)
図7(a)(b)に示す第3実施形態にかかるベルト留め具において、前記留め具本体1の巻掛板部3には前縁部3bに沿う片持ち梁状の案内部41が形成されている。留め具本体1の内側でベルト支持部6と押圧部材15の圧接部19との間を通り巻掛板部3に対し後縁部3aで反転されて巻き掛けられたベルト30において、巻掛板部3の外側を通る反転後のベルト30が案内部41に掛けられて案内されるため、その反転後のベルト30を反転前のベルト30に対し容易に重合することができる。
【0063】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記第2実施形態において、後縁部3aに形成された突起38が割愛されてもよい。
・ 前記第2実施形態において、圧接突条7の突起36の頂部と支持突条35の突起37の頂部とが左右方向、すなわちベルト30の短手方向において同じ位置に配置されていてもよい。
【0064】
・ 前記第2実施形態において、圧接突条7と支持突条35のうち、圧接突条7にのみ突起36が形成されていてもよいし、支持突条35にのみ突起37が形成されていてもよい。また、上記突起の形状も錐体状に限らず、例えば、錐台状であってもよいし、押圧部材15の圧接部19と同様の形状であってもよい。
・ 前記第2実施形態において、圧接突条7及び支持突条35から突起36,37がそれぞれ割愛されてもよい。
・ 前記第1〜3実施形態において、押圧部材15の圧接部19は、その形状が錐体状であってもよいし、錐台状であってもよい。
【0065】
・ 前記第1〜3実施形態において、ロック部材24による押圧部材15の保持に加えて、ばねにより押圧部材15を付勢すれば、ベルト30に対する押圧部材15の挟持機能をより一層高めることができる。
【0066】
・ 前記第1〜3実施形態では留め具本体1にベルト30を巻き掛けたベルト装置として例示したが、留め具本体1にベルト30を巻き掛けることなく単に通したベルト装置にも応用することができる。
・ 前記第1〜3実施形態ではベルト30,31の断面が平坦な長方形状に形成されているが、円形断面をなすベルトを採用してもよい。
・ 前記第3実施形態において留め具本体1の巻掛板部3には前縁部3bに沿う両持ち梁状の案内部41を形成してもよい。
【0067】
・ 前記第1〜3実施形態においてベルト留め具の留め具本体1や押圧部材15やロック部材24については、ポリアセタールの他、ポリプロピレンやポリエチレンやナイロンやポリスチレンやABS樹脂などのプラスチック、金属や木材やセラミックスなどにより成形してもよい。
・ 前記第1,3実施形態において留め具本体1の巻掛板部3は、圧接突条7や溝部8が割愛された平板状であってもよい。
【0068】
・ 前記第1〜3実施形態において押圧部材15のストッパ部22が割愛されていてもよい。こうした構成では、ロック部材24がロック解除状態Q24にあるときにベルト30をA方向に引っ張ることで押圧部材15の移動抑制状態P15が解除される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかるベルト留め具は、かばん類の肩掛ベルト装置の連結具や腰ベルト装置の連結具やヘルメットの顎掛ベルト装置の連結具などとして適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1…留め具本体、6…留め具本体のベルト支持部、7…ベルト支持部の圧接突条(圧接突部)、15…押圧部材、19…押圧部材の圧接部、20…押圧部材の受圧部、22…押圧部材のストッパ部、23a…連動部、24…ロック部材、29…ロック部材の圧接部、30…ベルト、32…留め具本体の案内部、35…支持突条(支持突部)、36,37,38…突起、P15…移動抑制状態、Q15…移動許容状態、P24…ロック状態、Q24…ロック解除状態。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトが支持されるベルト支持部を有する留め具本体と、
前記留め具本体に回動可能に支持され、前記ベルト支持部に対してベルトを圧接する押圧部材とを備えたベルト留め具であって、
前記留め具本体に回動可能に支持されたロック部材をさらに備え、
前記押圧部材は、
そのベルトを留め具本体のベルト支持部との間で挟持してベルトがその長手方向へ移動するのを抑制する移動抑制状態と、そのベルトに対する挟持を解除してベルトがその長手方向へ移動するのを許容する移動許容状態とを取り、
前記ロック部材は、
前記移動抑制状態にある押圧部材の移動を抑制して押圧部材が移動抑制状態を維持するロック状態と、その押圧部材に対する抑制を解除して押圧部材が前記移動許容状態となるロック解除状態とを取る
ことを特徴とするベルト留め具。
【請求項2】
前記押圧部材は、
前記移動抑制状態でベルトを圧接して挟持し得る圧接部を回動軌跡上に有しているとともに、前記移動抑制状態でロック状態のロック部材により圧接される受圧部を有し、
前記ロック部材は、
前記ロック状態で移動抑制状態の押圧部材の受圧部を圧接する圧接部を回動軌跡上に有している
請求項1に記載のベルト留め具。
【請求項3】
前記押圧部材の前記圧接部は、
先細りする形状をなし、
前記ベルトを圧接する部位が前記ベルトの短手方向に延びる頂辺である
請求項2に記載のベルト留め具。
【請求項4】
前記押圧部材は、
前記移動抑制状態で前記ロック部材の圧接部と係合してロック部材の回動を押圧部材の回動として伝える連動部を有している
請求項2または3に記載のベルト留め具。
【請求項5】
前記押圧部材は、
前記移動許容状態で前記ロック部材と係合してロック部材の回動を規制するストッパ部を有し、
前記ロック部材は、
前記押圧部材における受圧部とストッパ部との間で回動する
請求項4に記載のベルト留め具。
【請求項6】
前記留め具本体のベルト支持部には押圧部材の圧接部により圧接されたベルトを支える圧接突部を設けた請求項2から請求項5のうちいずれか一つの請求項に記載のベルト留め具。
【請求項7】
前記留め具本体は、
前記圧接突部に並設された支持突部をさらに有し、
前記支持突部は、
前記圧接突部よりも突出して該圧接突部に支えられた前記ベルトを支える
請求項6に記載のベルト留め具。
【請求項8】
前記圧接突部及び前記支持突部の少なくとも一方には、その先端部に先細りする突起が形成されている
請求項7に記載のベルト留め具。
【請求項9】
前記圧接突部及び前記支持突部の各々に前記突起が複数形成されており、
前記圧接突部に形成された突起の頂部と前記支持突部に形成された突起の頂部とは、少なくとも1つが前記ベルトの短手方向において異なる位置に配置されている
請求項8に記載のベルト留め具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−211685(P2012−211685A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261984(P2011−261984)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(500272347)DICプラスチック株式会社 (27)
【Fターム(参考)】