説明

ベルト装置及び画像形成装置

【課題】比較的簡易な構成で、装置を高コスト化・重量化・大型化することなく、装置に急激な負荷変動が生じても画像上にショックジターが生じることのない、ベルト装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数のローラ部材12、13、16に張架されたベルト部材8と、ベルト部材8に当接してベルト部材8に張力を付与する当接部材14と、を備える。この当接部材14は、装置における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、ベルト部材8の張力が変動しないように変形可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、そこに設置されるベルト装置と、に関し、特に、中間転写ベルト、転写定着ベルト等のベルト部材を備えたベルト装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、中間転写ベルト(ベルト装置)を備えたタンデム型のカラー画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、4つの感光体ドラム(像担持体)が中間転写ベルトに対向するように並設されている。これらの4つの感光体ドラムでは、それぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が形成される。そして、各感光体ドラムで形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト上に重ねて転写(1次転写)される。さらに、中間転写ベルト上に担持された複数色のトナー像は、カラー画像として記録媒体上に転写(2次転写)される。
【0003】
特許文献1等において、ベルト部材としての中間転写ベルトは複数のローラ部材によって張架されている。複数のローラ部材のうちの1つは、テンションローラであって、中間転写ベルトに張力を付与している。さらに、テンションローラの変位を検知するポジションセンサが設置されていて、テンションローラの変位量に基いて色ずれ補正処理の実行タイミングを制御している。
【0004】
また、特許文献2等には、ベルト部材として搬送ベルト(転写搬送ベルト)を用いた画像形成装置であって、搬送ベルトに記録媒体が進入する際に生じる搬送ベルトのたるみを防止することを目的として、スプリングで付勢されて搬送ベルトに張力を付与するテンションローラを従動ローラの上流側に設置する技術が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3等には、ベルト部材として感光体ベルトを用いた画像形成装置であって、記録媒体が転写ニップに送入する際に生じる外乱による感光体ベルトへの影響を緩和することを目的として、感光体ベルトに張力を付与するテンションローラの位置変動を検知してその位置変動を修正するようにフィードバック制御する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−194996号公報
【特許文献2】特開平6−115752号公報
【特許文献3】特許第3294342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の画像形成装置は、ベルト部材が駆動されるベルト装置に急激な負荷変動が生じた場合に、その負荷変動によるベルト部材の張力変動を充分に吸収することができなかった。
【0008】
詳しくは、以下の通りである。
ベルト装置の転写ニップに記録媒体が送入・送出されるとき等には、ベルト装置に突発的で急激な負荷変動が生じる。このような負荷変動は高周波のものであって、それによりベルト部材に高周波の張力変動が生じる。この高周波の張力変動は、スプリング等によって付勢されて自身が変位することによってベルト部材に張力を付与するテンションローラでは充分に吸収することができない。すなわち、テンションローラはある程度の質量をもっているために、高周波の張力変動にすばやく応答・追従して変位する(ベルト部材の張力を最適化する)ことができない。
【0009】
そして、中間転写ベルトや転写定着ベルトをベルト部材として用いたベルト装置のように、2つの転写工程(1次転写と2次転写とである。)がベルト部材上でおこなわれる装置では、2次転写ニップへの記録媒体の送入・送出によりベルト部材に高周波の張力変動が生じたときに、画像上にショックジター(画像ひずみ)が生じてしまうことになる。
また、ベルト部材として転写搬送ベルトを用いたベルト装置や、ベルト部材として感光体ベルトを用いたベルト装置においても、突発的にベルト部材の高周波の張力変動が生じた場合に、画像上にショックジター(画像ひずみ)が生じる可能性がある。
他方、このような問題を解決するために、高出力の駆動源と高伝達剛性の減速機構とを設置する方策も考えられる。しかし、その場合、装置が高コスト化・重量化・大型化してしまうことになる。
【0010】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、比較的簡易な構成で、装置を高コスト化・重量化・大型化することなく、装置に急激な負荷変動が生じても画像上にショックジターが生じることのない、ベルト装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の請求項1記載の発明にかかるベルト装置は、複数のローラ部材に張架されたベルト部材と、前記ベルト部材に当接して当該ベルト部材に張力を付与する当接部材と、を備え、前記当接部材は、装置における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、前記ベルト部材の張力が変動しないように変形可能に形成されたものである。
【0012】
また、請求項2記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記当接部材の変形量を検知する検知手段を備え、前記ベルト部材は、前記検知手段の検知結果に基いてその駆動速度が可変されるものである。
【0013】
また、請求項3記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項2に記載の発明において、前記検知手段の検知結果に基いて、前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に前記ベルト部材を介して対向する対向部材の駆動速度が可変されるものである。
【0014】
また、請求項4記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記ベルト部材を介して対向部材に対向し、前記当接部材は、前記対向部材に対向する前記ローラ部材の駆動方向上流側と駆動方向下流側とにそれぞれ配設されたものである。
【0015】
また、請求項5記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記当接部材の変形量を検知する検知手段を備え、前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記ベルト部材を介して対向部材に対向し、前記対向部材の駆動速度に対して速度差が生じるように前記ベルト部材を駆動したときの前記検知手段の検知結果に基いて、前記ベルト部材の張力が変動するタイミングに合わせて前記速度差の量及び正逆が制御されるものである。
【0016】
また、請求項6記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記当接部材を、弾性層を具備した弾性ローラとしたものである。
【0017】
また、請求項7記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記当接部材は、前記ベルト部材に摺接する摺接部と前記摺接部を支持する支持部とからなる非回転部材であって、前記摺接部及び前記支持部のうち少なくとも一方が変形可能に形成されたものである。
【0018】
また、請求項8記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記ベルト部材を、複数の像担持体に担持されたトナー像が重ねて転写される中間転写ベルトとしたものである。
【0019】
また、請求項9記載の発明にかかるベルト装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記ベルト部材を、複数の像担持体に担持されたトナー像が重ねて転写されるとともに加熱手段によって加熱・溶融される転写定着ベルトとしたものである。
【0020】
また、この発明の請求項10記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載のベルト装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、ベルト部材に当接して張力を付与する当接部材が、装置における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、ベルト部材の張力が変動しないように変形可能に形成されている。これにより、比較的簡易な構成で、装置を高コスト化・重量化・大型化することなく、装置に急激な負荷変動が生じても画像上にショックジターが生じることのない、ベルト装置及び画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0023】
実施の形態1.
図1〜図3にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1及び図2にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるボトル収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル32Y、32M、32C、32Kが着脱自在に設置されている。
ボトル収容部31の下方にはベルト装置としての中間転写装置15が配設されている。その中間転写装置15の中間転写ベルト8(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
【0024】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム21の周囲に配設された帯電部4Y、現像部5Y、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0025】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0026】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0027】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像部5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8(ベルト部材)及び転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0028】
その後、感光体1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0029】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0030】
ここで、中間転写装置15(ベルト装置)は、中間転写ベルト8、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ12、従動ローラ13、16、当接部材としての弾性ローラ14、中間転写クリーニング部10、等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ部材12、13、16と弾性ローラ14とによって張架・支持されるとともに、駆動ローラ12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0031】
4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K との間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写電圧(転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0032】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、駆動ローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0033】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。なお、ベルト装置としての中間転写装置15の構成・動作については、後で図3を用いてさらに詳述する。
【0034】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0035】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0036】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0037】
次に、図2にて、作像部における現像部の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤収容部54Yに開口を介して連通するトナー補給部58Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
【0038】
このように構成された現像部5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0039】
ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナーボトル32Yに収容されているトナーが、トナー搬送部40Yのトナー搬送パイプ43Yやトナー補給部58Yを介して現像剤収容部54Y内に補給される。
【0040】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0041】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤はスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0042】
次に、図3にて、本実施の形態1における画像形成装置において特徴的な中間転写装置15(ベルト装置)について詳述する。
図3に示すように、ベルト装置としての中間転写装置15は、ベルト部材としての中間転写ベルト8、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ12、従動ローラ13、16、当接部材としての弾性ローラ14(スポンジローラ)、中間転写クリーニング部10、検知手段としての距離センサ60、等で構成される。
【0043】
ベルト部材としての中間転写ベルト8は、各色のトナー像をそれぞれ担持する4つの像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対向するように配設されている。中間転写ベルト8は、主として4つのローラ部材(駆動ローラ12、従動ローラ13、16、弾性ローラ14である。)によって張架・支持されている。
転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を介して対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対向している。詳しくは、イエロー用の転写ローラ9Yは中間転写ベルト8を介してイエロー用の感光体ドラム1Yに対向し、マゼンタ用の転写ローラ9Mは中間転写ベルト8を介してマゼンタ用の感光体ドラム1Mに対向し、シアン用の転写ローラ9Cは中間転写ベルト8を介してシアン用の感光体ドラム1Cに対向し、ブラック用の転写ローラ9Kは中間転写ベルト8を介してブラック用の感光体ドラム1Kに対向している。
【0044】
ここで、当接部材としての弾性ローラ14は、芯金上にフッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性層が形成されたものであって、中間転写ベルト8に当接して中間転写ベルト8に張力を付与している。弾性ローラ14は、中間転写装置15における相対的な位置が変位しないように固設されている。具体的には、弾性ローラ14は、その両端軸部が中間転写装置15のケースに軸受を介して固設されている。
また、弾性ローラ14は、中間転写ベルト8の張力が変動しないように変形可能に形成されている。すなわち、中間転写ベルト8の張力が大きくなると弾性ローラ14の弾性層が変形して(押し潰されて)、中間転写ベルト8は図3の破線に示すように変位してその張力が減ぜられる(張力の変動が軽減される。)。これに対して、中間転写ベルト8の張力が小さくなると弾性ローラ14の弾性層が膨らむ方向に変形(復元)して、中間転写ベルト8の張力が復元される。このように、中間転写ベルト8の張力の変動に応じて、弾性ローラ14が、変位するのではなくて、変形することにより、応答性の高い張力調整をおこなうことができる。なお、弾性ローラ14の弾性層の材料(硬度や弾性係数等の特性値)は、中間転写ベルト8の張力等に応じて最適なものを選択することが好ましい。
【0045】
具体的に、2次転写ニップ(中間転写ベルト8と2次転写ローラ19との間である。)に記録媒体Pが送入(又は送出)されるとき、ベルト装置に突発的で急激な負荷変動が生じる。このような負荷変動は高周波のものであって、それにより中間転写ベルト8に高周波の張力変動が生じる。このように中間転写ベルト8の張力変動が生じると、1次転写ニップにおいて中間転写ベルト8上に転写される画像上にショックジター(画像ひずみ)が生じてしまうことになる。
この高周波の張力変動は、スプリング等によって付勢されて自身が変位することによってベルト部材に張力を付与するテンションローラでは充分に吸収することができない。すなわち、テンションローラはある程度の質量をもっているために、慣性が生じて高周波の張力変動にすばやく応答・追従して変位することができない。
これに対して、本実施の形態1では、慣性がほとんど生じることなく中間転写ベルト8の高周波の張力変動にすばやく応答・追従して、弾性ローラ14(当接部材)が変形してその張力変動を吸収するため、上述したショックジター(画像ひずみ)の発生を抑止することができる。
【0046】
ここで、本実施の形態1では、中間転写ベルト8を介して弾性ローラ14に対向する位置に、弾性ローラ14の変形(中間転写ベルト8の変位)を検知する検知手段としての距離センサ60(変位センサ)が設置されている。距離センサ60としては、レーザ変位計等を用いることができる。
そして、距離センサ60の検知結果(弾性ローラ14の変形量)に基いて、中間転写ベルト8の駆動速度(走行速度)を可変する。詳しくは、駆動ローラ12を回転駆動する駆動モータ(不図示である。)を距離センサ60の検知結果に基いてフィードバック制御する。具体的に、図3の破線に示すように、弾性ローラ14が通常時に対して変形(小径化)した場合には、その状態を距離センサ60が検知して、2次転写ニップに記録媒体Pが突入して駆動ローラ12を駆動する駆動モータへの負荷が急増して駆動速度が低下したものとして、駆動モータによる駆動速度を速めるような制御をおこなう。
このような制御をおこなうことで、中間転写ベルト8の張力変動がさらに軽減されて、ショックジターの発生を確実に抑止することができる。
【0047】
さらに、このような距離センサ60の検知結果に基いた中間転写ベルト8の駆動速度の可変制御に加えて、距離センサ60の検知結果に基いて対向部材としての2次転写ローラ19の駆動速度(回転数)も可変制御することができる。詳しくは、距離センサ60の検知結果に基いて中間転写ベルト8の駆動速度が可変されるときに、2次転写ニップにおいて中間転写ベルト8と2次転写ローラ19との線速差が生じないように、2次転写ローラ19の駆動速度も可変制御する。
これにより、2次転写工程において記録媒体P上に転写ズレ等の転写不良が生じる不具合を抑止することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態1では、中間転写ベルト8(ベルト部材)に当接して張力を付与する弾性ローラ14(当接部材)が、中間転写装置15における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、中間転写ベルト8の張力が変動しないように変形可能に形成されている。これにより、比較的簡易な構成で、中間転写装置15を高コスト化・重量化・大型化することなく、中間転写装置15に急激な負荷変動が生じても画像上にショックジターが生じるのを抑止することができる。
【0049】
なお、本実施の形態1では、当接部材としての弾性ローラ14を、駆動ローラ12の近傍であって駆動ローラ12に対してベルト駆動方向(走行方向)上流側に配設した。これに対して、弾性ローラ14を、駆動ローラ12に対してベルト駆動方向下流側に配設することもできる。その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0050】
実施の形態2.
図4にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図4は、実施の形態2におけるベルト装置15を示す構成図であって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。本実施の形態2におけるベルト装置は、当接部材65として非回転部材を用いている点が、前記実施の形態1のものと相違する。
【0051】
図4に示すように、本実施の形態2における中間転写装置15(ベルト装置)も、前記実施の形態1のものと同様に、中間転写ベルト8(ベルト部材)、4つの転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ12、従動ローラ13、16、当接部材65、中間転写クリーニング部10、距離センサ60(検知手段)、等で構成される。
ここで、本実施の形態2における当接部材65は、中間転写ベルト8に摺接する摺接部65aと、摺接部65aを支持する支持部65bと、からなる非回転部材である。詳しくは、板金等で形成された支持部材65bの一端には摩擦係数の低い樹脂材料からなる摺接部65aが設置され、支持部材65bの他端は中間転写装置15のケースに固設されている。当接部材65は、中間転写ベルト8に当接して中間転写ベルト8に張力を付与している。このとき、摺接部65aは摩擦係数の低い材料で形成されているために、中間転写ベルト8の磨耗を軽減することができる。
【0052】
また、当接部材65の摺動部65aは、弾性材料からなり、中間転写ベルト8の張力が変動しないように変形可能に形成されている。すなわち、中間転写ベルト8の張力が大きくなると摺動部65aが変形して(押し潰されて)、中間転写ベルト8は変位してその張力が減ぜられる(張力の変動が軽減される。)。このように、中間転写ベルト8の張力の変動に応じて、当接部材65(摺動部65a)自身が変形することにより、応答性の高い張力調整をおこなうことができる。
これにより、急激な負荷変動によって中間転写ベルト8に高周波の張力変動が生じても、当接部材65が変形してその張力変動を吸収するため、画像上におけるショックジターの発生を抑止することができる。
【0053】
なお、本実施の形態2では、当接部材65の摺動部65aが中間転写ベルト8の張力変動にともない変形するように形成したが、当接部材65の支持部65bを板バネ部材等で形成して支持部65bが中間転写ベルト8の張力変動にともない変形するように形成することもできる。さらに、摺動部65aと支持部65bとを同一材料で一体的に形成することもできる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、中間転写ベルト8(ベルト部材)に当接して張力を付与する当接部材65が、中間転写装置15における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、中間転写ベルト8の張力が変動しないように変形可能に形成されている。これにより、比較的簡易な構成で、中間転写装置15を高コスト化・重量化・大型化することなく、中間転写装置15に急激な負荷変動が生じても画像上にショックジターが生じるのを抑止することができる。
【0055】
実施の形態3.
図5にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図5は、実施の形態3におけるベルト装置15を示す構成図である。本実施の形態3におけるベルト装置は、転写定着装置である点が、中間転写装置である前記実施の形態1のものと相違する。また、本実施の形態3におけるベルト装置は、検知手段60A、60Bによる制御方法が、前記実施の形態1のものと相違する。
【0056】
本実施の形態3における画像形成装置は、図5に示すように、中間転写装置15と2次転写ローラ19との間に、ベルト装置としての転写定着装置70が設置されている。
ベルト装置としての転写定着装置70は、ベルト部材としての転写定着ベルト71、駆動ローラ73、従動ローラ72、当接部材としての2つの弾性ローラ14A、14B、加熱手段としてのヒータ75、検知手段としての距離センサ60A、60B、等で構成される。
【0057】
ここで、ベルト部材としての転写定着ベルト71は、主として4つのローラ部材(駆動ローラ12、従動ローラ13、弾性ローラ14A、14Bである。)によって張架・支持されている。転写定着ベルト71は、基材上に弾性層、離型層が順次形成されたエンドレスベルトであって、対向部材としての2次転写ローラ19に当接して定着ニップ(2次転写ニップ)を形成する。
当接部材としての弾性ローラ14A、14Bは、前記実施の形態1のものと同様に、芯金上に弾性層が形成されたものであって、転写定着ベルト71に当接して転写定着ベルト71に張力を付与している。弾性ローラ14A、14Bは、それぞれ、転写定着装置70における相対的な位置が変位しないように固設されている。また、弾性ローラ14A、14Bは、それぞれ、転写定着ベルト71の張力が変動しないように変形可能に形成されている。このように、転写定着ベルト71の張力の変動に応じて、弾性ローラ14A、14B自身が変形することにより、応答性の高い張力調整をおこなうことができる。
これにより、急激な負荷変動によって転写定着ベルト71に高周波の張力変動が生じても、弾性ローラ14A、14Bが変形してその張力変動を吸収するため、画像上におけるショックジターの発生を抑止することができる。
【0058】
加熱手段としてのヒータ75は、ハロゲンヒータであって、その両端部が転写定着装置のケースに固定されている。そして、装置本体の電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ75によって転写定着ベルト71が加熱されて、その表面から転写定着ベルト71上のトナー像(中間転写ベルト8から転写されたトナー像である。)に熱が加えられる。ヒータ75の出力制御は、転写定着ベルト71表面に当接する温度センサ(不図示である。)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。このようなヒータ75の出力制御によって、転写定着ベルト71の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
【0059】
このように構成された転写定着装置70は、次のように動作する。
前記実施の形態1と同様の作像プロセスを経て各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8表面は、図中の矢印方向に走行して、転写定着ベルト71との対向位置に達する。そして、転写定着ベルト71上に中間転写ベルト8上のフルカラーの画像が転写される。
【0060】
中間転写ベルト8から転写されたトナー像を担持した転写定着ベルト71表面は、図5の矢印方向に走行して、2次転写ローラ19との当接位置(定着ニップである。)に達する。ここで、転写定着ベルト71は対向するヒータ75によって加熱されていて、転写定着ベルト71に担持されたトナー像が加熱・溶融される。そして、転写定着ベルト71と2次転写ローラ19との定着ニップにて、転写定着ベルト71に担持されたトナー像(フルカラー画像)が記録媒体Pに転写されるとともに定着される(転写と定着とが同時におこなわれる)。
【0061】
ここで、転写定着装置70の位置の記録媒体Pは、給紙部26からレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部26から給送された転写紙Pが、搬送経路を通過した後に、レジストローラ対28に導かれる。レジストローラ対28に達した記録媒体Pは、転写定着ベルト71上のトナー像とタイミングを合わせて、定着ニップに向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写・定着された記録媒体Pは、排紙ローラ対29によって、装置本体100外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0062】
ここで、本実施の形態3では、当接部材としての弾性ローラ14A、14Bが、対向部材としての2次転写ローラ19に対向する駆動ローラ73の駆動方向上流側と駆動方向下流側とにそれぞれ配設されている。すなわち、第1の弾性ローラ14Aが駆動ローラ73の駆動方向上流側に配設され、第2の弾性ローラ14Bが駆動ローラ73の駆動方向下流側に配設されている。さらに、2つの弾性ローラ14A、14Bは、負荷変動の発生源となる定着ニップの近傍に配設されている。
これによって、定着ニップ(転写定着ベルト71と2次転写ローラ19との間である。)に記録媒体Pが送入・送出されるときに生じる突発的な負荷変動による転写定着ベルト71の張力変動をさらに高い応答性にて吸収することができる。
【0063】
具体的に、定着ニップに記録媒体Pが送入されるとき(特に、厚紙が送入されるときである。)、大きな負荷変動が生じて駆動ローラ73の回転速度が一瞬遅くなる。このとき、駆動ローラ73の駆動方向下流側のベルト張力が高くなるために、その近傍に配設された第2の弾性ローラ14Bの変形によってベルト張力の変動が瞬時に吸収される。このとき、第2の弾性ローラ14Bの変形を検知する距離センサ60Bの検知結果が制御部80に送られて、その検知結果に基いて駆動ローラ73の回転速度が速くなるように駆動部81がフィードバック制御されるために、転写定着ベルト71のベルト張力の変動がさらに軽減されることになる。
これに対して、定着ニップから記録媒体Pが送出されるとき、大きな負荷変動が生じて駆動ローラ73の回転速度が一瞬速くなる。このとき、駆動ローラ73の駆動方向上流側のベルト張力が高くなるために、その近傍に配設された第1の弾性ローラ14Aの変形によってベルト張力の変動が瞬時に吸収される。このとき、第1の弾性ローラ14Aの変形を検知する距離センサ60Aの検知結果に基いて駆動ローラ73の回転速度が遅くなるようにフィードバック制御されるために、ベルト張力の変動がさらに軽減されることになる。
【0064】
また、本実施の形態3では、レジストローラ対28の動作タイミングを検知して、制御部80にて定着ニップに記録媒体Pが送入・送出されるタイミングを求めて、それに基いて駆動ローラ73のフィードバック制御のタイミングを定めている。これにより、上述した効果がさらに確実なものになる。
なお、定着ニップに記録媒体Pが送入・送出されるタイミングを検知するセンサを別に設けて、同様の制御をおこなうこともできる。
【0065】
本実施の形態3における転写定着装置70においても、転写定着ベルト71の張力変動が生じると、中間転写ベルト8上に担持されたトナー像が転写定着ベルト71上に転写されるときにショックジター(画像ひずみ)が生じてしまうことになる。
これに対して、本実施の形態3では、転写定着ベルト71の高周波の張力変動にすばやく応答・追従して、負荷変動減の両側で弾性ローラ14A、14Bが変形してその張力変動を吸収するため、上述したショックジター(画像ひずみ)の発生を確実に抑止することができる。
【0066】
さらに、本実施の形態3では、従動ローラ72に対向する対向部材としての駆動ローラ12(中間転写装置15の駆動ローラである。)の駆動速度に対して速度差が生じるように転写定着ベルト71を駆動して、そのときの距離センサ60A、60Bの検知結果に基いて、転写定着ベルト71の張力が変動するタイミングに合わせて上述の速度差の量や正逆を制御している。
【0067】
詳しくは、転写定着装置70において負荷変動発生源の下流側で転写定着ベルト71が弛むように、中間転写装置15の駆動速度と転写定着装置70の駆動速度とに速度差を設ける。そして、記録紙媒体Pが定着ニップに突入するタイミングを検出して、上述の転写定着ベルト71の弛み側が逆になるように速度差を制御する。これにより、定着ニップに記録媒体Pが送入・送出されるときには、負荷変動発生源(定着ニップ)の下流側のベルト弛み量の一部が上流側に移行して、非常に僅かな張力(又は、ほとんど張力がかからない状態)で記録媒体Pが定着ニップを通過することになる。したがって、転写定着ベルト71の張力変動が、転写ニップ(中間転写装置15と転写定着装置70との間である。)に伝達されずに、ショックジターの発生を軽減することができる。
なお、このような制御をおこなうにあたって、転写定着ベルト71の周長は、各ローラ部材の位置やローラ径で決まる幾何学的な周長に対して、同等又はやや長めに設定することが好ましい。これにより、上述したベルトの弛みによってテンション変動を遮断する効果が確実なものになる。
【0068】
また、一般的に、ベルト部材の張力が低いと、ベルト部材の走行時に表面の波打ちやベルト寄り等が発生しやすくなる。したがって、本実施の形態3では、上述の制御をおこなうにあたり、通常時には転写定着ベルト71にある程度のテンションをかけて安定的な走行をおこない、負荷変動が発生するタイミングに合わせて変動するテンションを吸収するようにベルトの張り・弛みを制御している。これにより、転写定着ベルト71の走行安定性が向上するとともに、負荷変動による転写定着ベルト71の張力変動を小さくできてショックジターの少ない画像を提供することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態3では、転写定着ベルト71(ベルト部材)に当接して張力を付与する弾性ローラ14A、14B(当接部材)が、転写定着装置70における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、転写定着ベルト71の張力が変動しないように変形可能に形成されている。これにより、比較的簡易な構成で、転写定着装置70を高コスト化・重量化・大型化することなく、転写定着装置70に急激な負荷変動が生じても画像上にショックジターが生じるのを抑止することができる。
【0070】
なお、前記各実施の形態において、中間転写ベルトや転写定着ベルトをベルト部材とするベルト装置に対して本発明を適用したが、感光体ベルトや転写搬送ベルトをベルト部材とするベルト装置に対して本発明を適用することができる。その場合にも、突発的にベルト部材の高周波の張力変動が生じたときの不具合を抑止することができる。
【0071】
また、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置における作像部を示す断面図である。
【図3】図1の画像形成装置に設置されるベルト装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態2におけるベルト装置を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態3におけるベルト装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0073】
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(像担持体)、
8 中間転写ベルト(ベルト部材)、
9Y、9M、9C、9K 転写ローラ、
14、14A、14B 弾性ローラ(当接部材)、
15 中間転写装置(ベルト装置)、
19 2次転写ローラ(対向部材)、
60、60A、60B 距離センサ(検知手段)、
65 当接部材(非回転部材)、
65a 摺接部、 65b 支持部、
70 転写定着装置(ベルト装置)、
71 転写定着ベルト(ベルト部材)、
75 ヒータ(加熱手段)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、 P 記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラ部材に張架されたベルト部材と、
前記ベルト部材に当接して当該ベルト部材に張力を付与する当接部材と、
を備え、
前記当接部材は、装置における相対的な位置が変位しないように固設されるとともに、前記ベルト部材の張力が変動しないように変形可能に形成されたことを特徴とするベルト装置。
【請求項2】
前記当接部材の変形量を検知する検知手段を備え、
前記ベルト部材は、前記検知手段の検知結果に基いてその駆動速度が可変されることを特徴とする請求項1に記載のベルト装置。
【請求項3】
前記検知手段の検知結果に基いて、前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に前記ベルト部材を介して対向する対向部材の駆動速度が可変されることを特徴とする請求項2に記載のベルト装置。
【請求項4】
前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記ベルト部材を介して対向部材に対向し、
前記当接部材は、前記対向部材に対向する前記ローラ部材の駆動方向上流側と駆動方向下流側とにそれぞれ配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項5】
前記当接部材の変形量を検知する検知手段を備え、
前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記ベルト部材を介して対向部材に対向し、
前記対向部材の駆動速度に対して速度差が生じるように前記ベルト部材を駆動したときの前記検知手段の検知結果に基いて、前記ベルト部材の張力が変動するタイミングに合わせて前記速度差の量及び正逆が制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項6】
前記当接部材は、弾性層を具備した弾性ローラであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項7】
前記当接部材は、前記ベルト部材に摺接する摺接部と前記摺接部を支持する支持部とからなる非回転部材であって、
前記摺接部及び前記支持部のうち少なくとも一方が変形可能に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項8】
前記ベルト部材は、複数の像担持体に担持されたトナー像が重ねて転写される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項9】
前記ベルト部材は、複数の像担持体に担持されたトナー像が重ねて転写されるとともに加熱手段によって加熱・溶融される転写定着ベルトであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−145680(P2008−145680A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331971(P2006−331971)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】