説明

ベンジル金属化合物の合成

金属塩を(ベンジル)nMgX2-n化合物と化合させることを含むジ−、トリ−またはテトラベンジル−金属化合物の合成方法であって、nは1または2であり、Xは一価のアニオン性基であり;化合は混合希釈液中で行い、該混合希釈液は、混合希釈液中0〜80体積%のエーテルの他に、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液である方法を開示した。当該方法は、様々な種類の希釈液を使用することができ、ある場合には、エーテルを使用しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば3〜10族の有機金属化合物の合成方法であり、特に、他の実施例においては3〜10族のジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル化合物に関し、さらにはテトラベンジルジルコニウムタイプおよびテトラベンジルハフニウムタイプの化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
グリニャール試薬を含んだ反応の、主要または独占的な希釈液としてエーテルを使用することは、良く知られている。特に、J.J. FeltenおよびW.P. Anderson J. Organometallic Chem. 36 87-92 (1972)ならびにU. Zucchini, E. AlbizzatiおよびU. Giannini J. Organometallic Chem. 26 357 (1971)には、金属の塩化物塩と共にグリニャール試薬を使用した反応によるテトラベンジルチタン、テトラベンジルジルコニウムおよびテトラベンジルハフニウムの合成において、希釈液として専らエーテルが使用されたことが開示されている。しかしながら、その収率は60%以下であった。
他の引用文献としては、米国特許第3855258号明細書および米国特許第3933876号明細書がある。
【特許文献1】米国特許第3855258号明細書
【特許文献2】米国特許第3933876号明細書
【非特許文献1】J.J. FeltenおよびW.P. Anderson J. Organometallic Chem. 36 87-92 (1972)
【非特許文献2】U. Zucchini, E. AlbizzatiおよびU. Giannini J. Organometallic Chem. 26 357 (1971)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
出発物質の消費を抑制し、簡便な精製過程を得るために、高い収率でベンジル金属化合物を合成する方法は有用である。そこで、我々発明者は、これらの問題をここに解決した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの実施形態は、金属塩を、30℃未満でグリニャール試薬と化合させ、特に、(ベンジル)nMgX2-n化合物と化合させることを含むジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法であり、ここでnは1または2であり、Xは一価のアニオン性基であり;
その化合は、エーテルを0〜80体積%含む混合希釈液中で行われるか、あるいは実質的にエーテルを含まない別の実施例では、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液中で行われる。
【0005】
本発明の別の実施形態は、混合希釈液中で4族金属の付加生成物を形成するために、4族金属塩を、エーテル、および炭化水素、ハロゲン化炭化水素、または、芳香族化合物希釈液と第1の化合させることを含むジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法を対象とする。その後、4族金属の付加生成物を、−100〜30℃で、付加的なエーテルおよび(ベンジル)nMgX2-n化合物と化合させる。ここで、nは1または2であり、Xは一価のアニオン性基である。
【0006】
これらの実施形態は、本願で開示される様々な実施例と組み合わせて良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本願で使用される元素周期表の「族」は、化学および物理のCRCハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics (David R. Lide編集., CRC Press 第81版2000年))中の周期表の族の“新しい”ナンバリングスキームを使用している。
【0008】
本発明の一つの形態は、金属塩を、(ベンジル)nMgX2-n化合物と化合させることを含むジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法であり、ここでnは1または2であり、Xは一価のアニオン性基であり;その化合は、エーテルを(0、1、2、3、4または5)〜(60、70または80)体積%含む混合希釈液中で行われるか、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液中で行われる。本願で使用される「ベンジル」はC6H5CH2、または、これが置換されたものであり、用語「一価のアニオン性基」は、マグネシウムと結合することができる既知のあらゆるアニオン性基を示し、ある実施例においては、アニオン性基「X」はハライドであり、好ましくは、クロライドまたはブロマイドである。好ましい実施例においては、本発明のこの実施例の方法は、テトラベンジル−金属化合物の合成を対象とすれば良い。
【0009】
好ましい実施例においては、(ベンジル)nMgX2-n化合物は、グリニャール化合物である。これらの化合物は、本技術分野においてよく知られており、既知の様々な方法で合成することができる。
【0010】
「金属塩」とは、最も広く解釈すると、ハライド、ハイドライド、サルフェート、スルフィド、アルキル、アルコキシル、またはカルボキシレート、最も好ましくはハライドなどのカウンターアニオン性基と結合する3〜13族元素またはランタノイド元素を含むあらゆる化合物である。好ましい実施例においては、金属塩は、3〜10族の金属塩からなる群から選択され、さらに好ましい実施例においては、4、5、6族の金属塩からなる群から選択され、さらに好ましい実施例においては、4族の金属塩からなる群から選択され、さらに好ましい実施例においては、ジルコニウムまたはハフニウムから選択される。これらの金属塩の例としては、ジルコニウムテトラクロライドおよびハフニウムテトラクロライドがあげられるが、それに限定されるわけではない。
【0011】
ベンジル部分(およびそれが置換されたもの)は、下記の化学式で表すことができる。

式中、
Rは、独立に、ハイドライド、ハライド、炭素原子数が1〜10のアルキルまたは、炭素原子数が5〜24個のアリールから選択され、また、2つのR基いずれかは飽和または不飽和の環を形成しても良い。
【0012】
ジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法のひとつの実施例においては、エーテルが混合希釈液中1〜80体積%、好ましくは20〜80体積%、より好ましくは30〜70体積%存在する。ここで「エーテル」とは、既知のあらゆるエーテル化合物の単独、またはその組み合わせであり、好ましくは、1気圧、−100〜50℃で気体であるものが良い。好ましい実施例においては、エーテルは炭素原子数2〜10個のエーテル、炭素原子数4〜15個の環状エーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0013】
本発明のこの形態の特定の実施例においては、混合希釈液中にエーテルは実質的に含まれない。「実質的に含有しない」の意味するところは、エーテルを混合希釈液に添加していないか、他の希釈剤の不純物としてその混合希釈液の1体積%未満のエーテルが含まれている場合、または、(ベンジル)nMgX2-n化合物の不純物として化合物の1体積%未満のエーテルが含まれている場合も含まれていても良い。
【0014】
「芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液」または「芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素」は混合希釈液の残余部分を構成する;または、エーテルが存在しない場合(すなわち0体積%である場合)、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物により混合希釈液が構成される。ある実施例においては、混合希釈液は、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素希釈液またはそれらの混合物を、30〜80体積%含有する。ある実施例においては、芳香族化合物およびハロゲン化炭化水素は、炭素原子数5〜30個の芳香族化合物、炭素原子数1〜10個のハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物から選択され;好ましくは、芳香族化合物およびハロゲン化炭化水素は、炭素原子数6〜12個の芳香族化合物、炭素原子数1〜5個のハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物から選択され;最も好ましくは、「混合希釈液」は6〜12個の芳香族化合物から選択される芳香族化合物である。適切なハロゲン化炭化水素の例としては、メチレンクロライド、ジクロロエタン、トリクロロメタン、クロロエタン、ジクロロブタン、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な芳香族化合物の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、および他のアルキル置換芳香族化合物が挙げられる。
【0015】
「化合(combining)」は、機械的撹拌などの種々の撹拌方法も用い、様々な形態を有する種々の反応容器中で行うなど当業者にとって既知の適切な方法で行うことができる。ある実施例においては、化合は、30℃未満で行えば良く、またより好ましい実施例においては、−30℃未満で行えば良い。ある実施例においては、化合は−100〜−30℃で行うと良く、他の実施例、特に金属塩がハフニウム塩である時は、化合は、−30〜30℃で行うと良い。
【0016】
「化合」によって、好ましくは大部分所望のベンジル金属化合物を含んだ反応生成物を得られる。反応生成物は、この分野で一般的な方法によって単離、精製することができる。ある実施例においては、化合で得られた生成物を単離し、ハロゲン化炭化水素、好ましくは炭素原子数が1〜5個のハロゲン化炭化水素により抽出する。さらに、金属塩および(ベンジル)nMgX2-n化合物を、その特性および所望の生成物に応じた好ましい割合で化合し、好ましくは、「ベンジル」当量の数が、金属塩を含んだ一価のアニオン性基の数とほとんど同じになるように(ベンジル)nMgX2-n化合物を添加する。
【0017】
本発明の好ましい実施例は、ジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法であり、さらに好ましくは、金属塩を(ベンジル)nMgX2-n化合物に化合させることを含むテトラベンジル−金属化合物の合成方法であり;化合は、エーテルと、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合希釈液からなる群から選択される希釈液とを含む混合希釈液中で行われる。さらに好ましくは、エーテルは、希釈液中で20〜80体積%含まれている。
【0018】
本発明の別の実施形態としては、次の2つのステップを含むジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法である:
(a)金属塩を、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物またはそれらの混合物の希釈液に、最初に混合し、第1の混合物中で4族金属の付加生成物を形成する;
(b)4族金属の付加生成物を、(ベンジル)nMgX2-n化合物に化合し、第2の混合物中を形成する。
ここで、ステップ(a)のある実施例においては、希釈液中にエーテルが存在しており、また、別の実施例においては、エーテルが第1の混合物中1〜40体積%含まれている;ステップ(b)のある実施例においては、希釈液中にエーテルが存在しており、また、別の実施例においては、エーテルが第2の混合物中30〜80体積%含まれている。
【0019】
ある実施例においては、第2のステップの化合は(−100℃、−90℃または−80℃)〜(−30℃、20℃、30℃または40℃)にて行われる。ここで「希釈液」は本発明の第1の形態で使用されているのと同様の意味で用いられている。「炭化水素」は、既知のものであればどのようなものでも良く、好ましくは、−100℃〜(10℃、20℃または40℃)において液体のもので、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、デカリン(登録商標)、ナフサ、およびその他の既知の炭化水素などである。炭化水素は好ましくは炭素原子数1〜12個の非環状炭化水素および炭素原子数4〜9個の環状炭化水素からなる群から選択され、より好ましくは、炭素原子数3〜10個の非環状炭化水素からなる群から選択されると良い。
【0020】
本発明の本形態の2つめのステップにおいて、(ベンジル)nMgX2-n化合物は固体であり、エーテル、炭化水素、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液中にある。2つめのステップの一つの実施例において、(ベンジル)nMgX2-n化合物は固体であり、エーテル、炭化水素、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液中にある。
【0021】
第1のステップにおいて、エーテルは第1の混合物中に1〜40体積%存在することが好ましく、より好ましい実施例においては、エーテルは第1の混合物中に6〜20%存在すれば良い。第2のステップにおいて、エーテルは第2の混合物中に30〜80体積%存在することが好ましく、より好ましい実施例においては、エーテルは第2の混合物中に40〜70%存在すれば良い。最も好ましくは、第4族金属塩が、ジルコニウムまたはハフニウムテトラハライド化合物であると良い。
【0022】
本発明の本形態の特定の実施例においては、第1のステップ、第2のステップまたはその両方のステップで、エーテルが実質的に含有されない。「実質的に含有されない」の意味するところは、エーテルを希釈液に添加していないか、他の希釈剤の不純物としてその混合希釈液の1体積%未満のエーテルが含まれている場合、または、(ベンジル)nMgX2-n化合物の不純物として化合物の1体積%未満のエーテルが含まれている場合も含まれていても良い。従って、ある実施例においては、第1または第2の希釈液が、炭化水素、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素希釈液またはそれらの混合物の希釈液により構成されている。
【0023】
発明の本形態の好ましい実施例においては、次の2つのステップを含むジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物、好ましくはテトラベンジル−金属化合物の合成方法である:
(a)4金属塩を、エーテル、および、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、または、芳香族化合物に、最初に混合し、第1の混合物中で4族金属の付加生成物を形成する;
(b)4族金属の付加生成物を、−100〜30℃で、付加的なエーテルおよび(ベンジル)nMgX2-n化合物に化合する。
【0024】
ある実施例において、本発明の方法をより具体的に説明する。トルエン中のジルコニウムテトラクロライド金属塩のスラリーにジエチルエーテル(Et2O)を、エーテルが混合物中(8または10)〜(16または20)体積%となるように、添加する。それから、混合物を、−50〜−80℃に冷却する。次に、C6H5CH2MgBrなどの(ベンジル)nMgX2-n化合物4当量を第1のステップの混合物/付加生成物に添加する。そこで、得られたスラリーを、スケールと他の条件に応じて、30分から10時間撹拌する。この時、固体は、例えば、重力濾過などにより除去しても良い。この時、溶液は少なくとも部分的には減圧することにより除去しても良い。さらに沈殿させるために、ペンタンのような他の希釈液を加えても良い。この時、得られたスラリーは−20〜45℃で数時間冷却保存しても良い。得られた固体は、濾過により集めても良く、最低限の量の炭化水素溶媒、例えば、ヘキサンやペンタンなどで洗浄しても良い。また、この生成物は、ある実施例においてはハロゲン化炭化水素、例えば、メチレンクロライド(CH2Cl2)で、抽出しても良い。濾液は、少なくとも部分的には減圧下で濃縮、気化させて良い。この時、さらなる沈殿を誘導するために、ペンタンやヘキサンなどの炭化水素を加えても良く、また冷却しても良い。この手順によりテトラベンジルジルコニウム生成物を65〜90%の収率で得ることができる。プロトンNMRのような一般的な方法により、生成物の特性を調べると良い。
【0025】
他の特定の実施例においては、ハフニウムテトラクロライド金属塩を、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素中、またはトルエンなどの芳香族化合物中でスラリー化する。この時、付加生成物の混合物は、0〜−30℃に冷却しても良い。ここで、エーテル中のC6H5CH2MgBrなどの(ベンジル)nMgX2-n化合物4当量を混合物に添加する。それから、得られたスラリーを、この温度中で、30分から数時間撹拌しても良い。この時、固体は濾過により集めて良く、濾液は濃縮して良い。この時、得られた生成物は、最低限の量の炭化水素溶媒、例えば、ヘキサンやペンタンなどで洗浄しても良い。この手順によりテトラベンジルハフニウム生成物を62〜90%の収率で得ることができる。
【0026】
他の特定の実施例においては、ジエチルエーテルをトルエン中のジルコニウムテトラクロライドに加え、エーテルが混合希釈液中に(15または20%)〜(40または45%)となるようにする。混合物は−40〜−70℃に冷却する。次に、C6H5CH2MgBrなどの(ベンジル)nMgX2-n化合物4当量を混合物に添加する。それから、得られたスラリーを、30分から数時間撹拌する。この時、希釈液は少なくとも部分的には減圧することにより除去しても良く、固体は、例えば、重力濾過などにより除去しても良い。この時、さらに沈殿させるために、ペンタンのような炭化水素を加えても良い。得られたスラリーは−40〜−25℃に冷却すると良い。それから、固体は、濾過により集めても良く、最低限の量の炭化水素溶媒で洗浄しても良い。この手順によりテトラベンジルジルコニウム生成物を65〜95%の収率で得ることができる。
【0027】
他の特定の実施例においては、(ベンジル)nMgX2-n化合物を、実質的にエーテルを含まない、すなわち0%、1%または2%〜10体積%のエーテルを含んだハロゲン化炭化水素に懸濁し、付加生成物を形成し、この混合物を金属塩との化合に使用する。ある実施例においては、これを実施するために、ジエチルエーテル中の(ベンジル)nMgX2-n化合物の溶液/スラリーの一定分量を減圧化におき、エーテルを除去した。エーテルを除去する方法としては、例えば、減圧に加熱を組み合わせるもの、結晶化などの既知の方法がある。粘性が残っている(ベンジル)nMgX2-n化合物は、ある実施例においてはメチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素に、別の実施例においては、芳香族化合物に再溶解しても良い。溶液は好ましくは、−40〜−80℃に冷却すれば良い。その後、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、または芳香族化合物などに希釈されたジルコニウムテトラクロライドなどの金属塩のスラリーを添加する。この手順により全体を通じて、40%かそれ以上の収率でテトラベンジルジルコニウム生成物を得ることができる。グリニャールを懸濁するエーテルまたは/もしくは他の希釈液の総量は、テトラベンジル−金属化合物の収率が増加するように調整すれば良い。
【0028】
本発明の他の実施形態としては、中性のリガンドをジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物と、非配位性溶媒または配位性が弱い溶媒中で、約20℃またはそれ以上、好ましくは、約20〜100℃で、反応させることを含む金属化合物の生成方法であり、混合物を過剰のアルキル化薬で処理し、金属錯体をリカバーするものである。好ましい実施例によると、溶媒として、沸点が60℃を超えるものが好ましく、例えば、エーテル、トルエン、キシレン、ベンゼン、メチレンクロライドおよび/またはヘキサンである。また、このような合成は、例えば、米国特許5576460号公報明細書、米国特許6518444号公報明細書、および米国特許6855839号公報明細書、ならびにこれらの文献のリファレンス中に記載されている。
【0029】
好ましい実施例において、中性のリガンドは下記の式で表される:

式中、
Yは、15族元素であり、好ましくは窒素かリンである;
Zは、15族元素であり、好ましくは窒素かリンである;
Lは、15または16族元素であり、好ましくは窒素である;
1およびR2は、独立に、炭素原子数1〜20個のヒドロカルビレン基または炭素原子数1〜20個のヒドロカルビレン基を含んだヘテロ原子であり、ここでヘテロ原子は、珪素、ゲルマニウム、スズ、鉛およびリンから選択される;
1およびR2は、相互に接続しており;
3は、欠けているか、水素、官能基を有した14族元素、ハロゲン、官能基を有したヘテロ原子である;
4およびR5は、独立に、アリール基、置換アリール基、環状アルキル基、置換環状アルキル基、または複式環である;
6およびR7は、独立に、欠けているか、水素、ハロゲン、ヘテロ原子(特に、Si、N、Al、B、O、Sであり;その原子価を、ハイドライド、ハライド、または、炭素原子数1〜20の炭化水素により満足させているもの)、ヒドロカルビル基、または、官能基を有したヘテロ原子である。
【0030】
本発明は、また、金属化合物の利用、好ましくはポリオレフィンを合成する際の触媒として利用に、関連し、金属化合物は中性のリガンドをジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物と反応させることを含むプロセスにより生成する;ここで、ジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物は金属塩を(ベンジル)nMgX2-n化合物と化合させることで生成し、nは1または2であり、Xは一価のアニオン性基であり;化合は混合希釈液中で行い、該混合希釈液は、混合希釈液中のエーテルの他に、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液を含む。本発明の本実施形態は、ここに記した他の実施形態の実施例と組み合わせることもできる。例えば、ジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物は下記のプロセスによって生成しも良い:
(a)4族金属塩を、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、または、芳香族化合物またはそれらの混合希釈液および任意にエーテルに添加し、第1の混合物中で4族金属の付加生成物を形成する;
(b)4族金属の付加生成物を、(ベンジル)nMgX2-n化合物、および任意に付加的なエーテルと化合し、第2の混合物を形成する。
【0031】
ベンジル金属化合物は、多くの場面で有用である。例えば、{[(フェニル)NCH2CH2]2NH}Zr(CH2C6H5)2、{[(ペンタメチル−フェニル)NCH2CH2]2NH}Zr(CH2C6H5)2、{[(ペンタメチル−フェニル)NCH2CH2]2NH}Hf(CH2C6H5)2、{[(ペンタメチル−フェニル)NCH2CH2]2NH}Ti(CH2C6H5)2および他のこれらの誘導体などの金属化合物のさらなる合成に使用される。これらの化合物は。オレフィン重合の触媒として利用されることが、例えば
米国特許6608149号公報明細書および米国特許6281306号公報明細書に開示されている。
【0032】
本発明の組成と方法をここに実施例として開示するが、これらの実施例は組み合わせることができる。また、本発明の実施例は、発明の理解を促進するものであり、以下の実施例により本発明が限定されるわけではない。
【実施例】
【0033】
実施例1
CH2Cl2(10.0ml)中のZrCl4(1.000g)スラリーにEt2O(10.0ml)を添加した。混合物は−70℃に冷却した。4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を混合物に添加した。得られた黄色のスラリーを3時間撹拌した。溶媒は、CH2Cl2に置換し、固体は減圧濾過により除去した。濾液には少量の沈殿が存在した。これらの固体を定量化することはなかった。下記の実施例2に、これらの固体を除去するひとつの方法を示した。濾液の体積は約98〜99%にまで減少した。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で1時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、1.524g(78%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0034】
実施例2
実施例1で得られた生成物の一部をCHCl3中に置いた。得られた混合物は、濁っていた。濾過により固体を除去した。濾液を気化させるとオレンジ色固体の生成物が得られた。これは、2度目の濾過が、残留マグネシウム塩の除去に必要であることを示している。これに変わる方法としては、1,4−ジオキサンにより塩の沈殿を生じさせる方法がある(下記参照)。
【0035】
実施例3
20mlのEt2Oおよび1.5mlの1,4−ジオキサンの混合物を抽出に利用することを除いて、実施例2の手順と同じである。この手順により、残留Mg塩を除去することができる。この手順により、0.857g(44%)の生成物が得られた。収率が低いのは、濾過が難しいからであると考えられる。
【0036】
比較のための実施例4(比較例)
−60℃に冷却したEt2O(30ml)中のZrCl4(3.101g)に4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、54ml、アルドリッチ)を添加した。得られた黄色のスラリーを2時間撹拌した。溶媒は、濃縮し、CHCl3に置換し、固体は減圧濾過により除去した。濾液の体積は約90%に減少していた。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で1時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、3.520g(58%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0037】
実施例5
CH2Cl2(15.0ml)中のZrCl4(2.901g)スラリーにEt2O(10.0ml)を添加した。混合物は−70℃に冷却した。4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を混合物に添加した。得られた黄色のスラリーを2時間撹拌した。溶媒は、濃縮し、約55mlのCHCl3に置換し、固体は減圧濾過により除去した。濾液の体積は約90%に減少していた。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で2時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、4.135g(73%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0038】
実施例6
本実施例は実施例5と類似している。CH2Cl2(15.0ml)中のZrCl4(2.320g)スラリーにEt2O(8.0ml)を添加した。混合物は−70℃に冷却した。4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を混合物に添加した。得られた黄色のスラリーを2時間撹拌した。溶媒は、濃縮し、CH2Cl2に置換し、固体は重力濾過(減圧濾過は使用していない)により除去した。濾液の体積は約90%に減少していた。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で2時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、3.239g(72%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0039】
実施例7
トルエン(10.0ml)中のZrCl4(2.900g)スラリーにEt2O(5.0ml)を添加した。混合物は−70℃に冷却した。4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を混合物に添加した。得られた黄色のスラリーを1時間撹拌した。溶媒は、減圧下で部分的に除去し(90%除去)、固体も除去した(減圧濾過)。濾液には少量の沈殿が存在した。これらの固体を定量化することはなかった。実施例3に、これらの固体を除去するひとつの方法を示した。濾液の体積は約90%にまで減少した。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で1時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、4.878g(86%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0040】
実施例8
トルエン(300ml)中のZrCl4(29.0g)スラリーにEt2O(50ml)を添加した。混合物は−70℃に冷却した。4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を混合物に添加した。得られた黄色のスラリーを1時間撹拌した。溶媒は、減圧下で部分的に除去し(約90%除去)、固体も除去した(減圧濾過)。濾液には一定の混濁が見られた。これらの固体を定量化することはなかった。実施例3に、これらの固体を除去するひとつの方法を示した。濾液の体積は約90%にまで減少した。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で1時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。CH2Cl2により生成物を抽出した。濾液は減圧下で濃縮した(約90%除去)。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で1時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、43.225g(76%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0041】
実施例9
トルエン(20ml)中のZrCl4(1.399g)スラリーを−60℃に冷却した。そのスラリーに、(C6H5CH2)2Mg(1,4-ジオキサン)1.5(固体)(4.067g)を一度に添加した。−60℃で30分撹拌した後、10mlの1,4−ジオキサンを加えた。この混合物は、2時間に渡って室温に到達させた。固体を集めて、10mlのトルエンで洗浄した。濾液は濃縮除去し、オレンジ色の半固体を得られた。得られたオレンジ色の固体にペンタンを加えて、濾過により生成物を集めた。減圧乾燥の後、2.139gの生成物を得た。最初の濾過で得られた固体をさらに50mlのCH2Cl2により抽出した。第2の濾液は上記のように処理し、さらに1.869gの生成物を得られた。この手順の全体の収率は68%であった。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0042】
実施例10
トルエン(100ml)中のZrCl4(10g)スラリーを−70℃に冷却した。4当量のC6H5CH2MgBr(175ml、Et2O中1M、アルドリッチ)を混合物に添加した。得られた黄色のスラリーを1時間撹拌した。溶媒は、減圧下で部分的に除去し、固体も除去した(減圧濾過)。濾液には少量の沈殿が存在した。さらにマグネシウム塩の沈殿を得るために、5mlの無水1,4−ジオキサンを加えた。混合物を、再度濾過した。得られたオレンジ色透明の溶液を最初の体積から約10%となるように濃縮した。濃縮の後半には、生成物が沈殿した。この混合物に、さらに沈殿を得るために、20mlの無水ペンタンを加えた。フラスコを−35℃で1時間冷却した。生成物を集めて、最小限の冷ペンタンで洗浄した。これらの手順により、オレンジ色の結晶性の固体(13.253g、68%)を得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0043】
実施例11
HfCl4(2.000g)をCH2Cl2(10.0ml)中でスラリー化した。この混合物を−70℃に冷却した。この混合物に4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を添加した。得られた黄色のスラリーを5時間撹拌した。この混合物は、室温に戻して、オーバーナイトで撹拌した(約18時間)。固体を濾過によって集めた。濾液は濃縮した。得られたオレンジ色の生成物は最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下、2時間、静置した。この手順により、2.256g(66.5%)の生成物を得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0044】
実施例12
HfCl4(2.000g)をCH2Cl2(10.0ml)中でスラリー化した。この混合物を−20℃に冷却した。この混合物に4当量のC6H5CH2MgBr(Et2O中1M、アルドリッチ)を添加した。得られた黄色のスラリーを3時間撹拌した。固体を濾過によって集めた。濾液は濃縮した。得られたオレンジ色の生成物は最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下、2時間、静置した。この手順により、2.351g(69.3%)の生成物を得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0045】
実施例13
トルエン(300ml)中のHfCl4 (64.056g)スラリーに、Et2O(100.0ml)を加えた。この混合物に4当量のC6H5CH2MgBr(800ml、Et2O中1M、アルドリッチ)を添加した。得られた黄色のスラリーを2時間撹拌した。固体を沈降させ、濾過によって集めた。濾液には、残留マグネシウム塩を沈殿させるために、1,4−ジオキサン約10mlを加えた。濾液の体積は、約90%に減少した。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で2時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、66.244g(60.9%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0046】
実施例14
Et2O中の1M C6H5CH2MgBr溶液150mlから殆どの溶媒を減圧により除去した。残留した粘性のある物質を150mlのCH2Cl2に再溶解した。溶液を−70℃に冷却した。この溶液に、CH2Cl2(20.0ml)中のZrCl4(8.739g)スラリーを加えた。得られた黄色のスラリーを1.5時間撹拌した。固体は減圧濾過により除去した。濾液には少量の沈殿が存在した。濾液に、6mlの1,4−ジオキサンを加えた。さらに固体が沈殿した。固体は濾過により除去した。濾液の体積は約80%にまで減少した。さらに沈殿を得るために、ペンタンを加えた。得られたスラリーを−35℃で1時間冷却した。濾過によりオレンジ色の固体を集めて、最小限のペンタンで洗浄した。固体は減圧下で2時間静置した。この手順により、7.521g(44%)の生成物が得られた。プロトンNMRにより、生成物の特性を調べた。
【0047】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属塩を(ベンジル)nMgX2-n化合物と化合させることを含むジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物の合成方法であって、nは1または2であり、Xは一価のアニオン性基であり;化合は混合希釈液中で行い、該混合希釈液は、混合希釈液中0〜80体積%のエーテルの他に、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液である方法。
【請求項2】
金属塩が3〜10族の金属塩からなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項3】
金属塩が4族の金属塩である請求項1の方法。
【請求項4】
金属塩がジルコニウム含有塩またはハフニウム含有塩である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ベンジル部分は、下記の化学式:
【化1】

式中、各Rは、独立に、ハイドライド、ハライド、炭素原子数が1〜10個のアルキルまたは、炭素原子数が5〜24個のアリールから選択され、いずれか2つのR基が飽和または不飽和の環を形成することができる、
で表される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
エーテルが混合希釈液に実質的に含有されない請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
エーテルが混合希釈液中1〜80体積%存在する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
エーテルが混合希釈液中30〜70体積%存在する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
エーテルが炭素原子数2〜10個のエーテル、炭素原子数4〜15個の環状エーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
芳香族化合物およびハロゲン化炭化水素が炭素原子数5〜30個の芳香族化合物、炭素原子数1〜10個のハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
芳香族化合物およびハロゲン化炭化水素が炭素原子数6〜12個の芳香族化合物、炭素原子数1〜5個のハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
芳香族化合物およびハロゲン化炭化水素が炭素原子数6〜12個の芳香族化合物を含む群から選択される請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
化合を−30℃未満で行う請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
化合により得られた生成物を単離し、ハロゲン化炭化水素により抽出する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
化合を
(a)金属塩を、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物またはそれらの混合希釈液に、最初に混合し、第1の混合物中で4族金属の付加生成物を形成する;
(b)4族金属の付加生成物を、(ベンジル)nMgX2-n化合物に化合し、第2の混合物を形成する
ことによって行う請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(a)において、希釈液としてエーテルも存在する請求項15の方法。
【請求項17】
ステップ(a)において、エーテルが第1の混合物中に1〜40体積%存在する請求項16の方法。
【請求項18】
ステップ(b)において、希釈液としてエーテルも存在する請求項15の方法。
【請求項19】
ステップ(b)において、エーテルが第2の混合物中に30〜80体積%存在する請求項18の方法。
【請求項20】
炭化水素、ハロゲン化炭化水素または芳香族化合物が、炭素原子数4〜16個の炭化水素、炭素原子数1〜10個のハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
炭化水素、ハロゲン化炭化水素または芳香族化合物が、炭素原子数4〜16個のアルカン、炭素原子数6〜12個の芳香族化合物、炭素原子数1〜5個のハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
炭化水素、ハロゲン化炭化水素または芳香族化合物が、炭素原子数6〜12の芳香族化合物からなる群から選択される請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(b)の化合を−100〜40℃で行う請求項15〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
中性のリガンドをジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物と反応させることを含む金属化合物の生成方法であって、ジベンジル、トリベンジルおよびテトラベンジル−金属化合物は金属塩を(ベンジル)nMgX2-n化合物(式中、nは1または2であり、Xは一価のアニオン性基である)と化合させることによって生成され;化合は混合希釈液中で行い、該混合希釈液は、混合希釈液中0〜80体積%のエーテルの他に、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物からなる群から選択される希釈液である方法。

【公表番号】特表2009−502781(P2009−502781A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522813(P2008−522813)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/026718
【国際公開番号】WO2007/018893
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(599168648)ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー (70)
【Fターム(参考)】