説明

ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体を含む医薬品組成物

本発明は、ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体および非イオン性可溶化剤を含み、前記組合せで、ストラウブ現象として記載されるオピエート類似効果を誘発してなることを特徴とする医薬品組成物に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体を含む医薬品組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロラゼパム(INN)は、7−クロロ−5−(o−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(WHO)、言い換えれば9−クロロ−6−(2−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−2,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5,8,10,12−テトラエン−3−オン(IUPAC命名法)である。
【0003】
ロラゼパムは、1,4−ベンゾジアゼピン類由来の向精神性の物質であり、抗不安、ストレス減少および興奮減少の性質並びに鎮静および催眠作用を有する。さらに、ロラゼパムはまた、抗痙攣および筋弛緩の効果を有する。
【0004】
ロラゼパムは、中枢神経系において極めて特定の結合部位にとても高い親和性を有する。これらの結合部位は、抑制性神経伝達物質のγ‐アミノ酪酸(GABA)のレセプターと、密接に機能的関係がある。レセプターに結合した後に、ロラゼパムは、下流の神経細胞の活性であるGABA作動性阻害を向上させる。
【0005】
静脈内および筋肉内に投与されるロラゼパムを含む治療上の処方は、1988年以降ドイツにおいて治療用途で承認され、健忘効果の発生を含み、不安およびストレスを減少させるために、診断法および外科手術の前と間の基本的な鎮静作用で、高度の神経症の不安症および極端な恐怖症の開始治療で、精神病およびうつ病における重症不安症および興奮状態の補助治療ならびにてんかん重積状態の治療で用いられる。
【0006】
ロルメタゼパム(INN)は、7−クロロ−5−(o−クロロフェニル)−1,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾ−ジアゼピン−2−オン(WHO)、言い換えれば9−クロロ−6−(2−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−2−メチル−2,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデカ−5,8,10,12−テトラエン−3−オン(IUPAC命名法)である。
【0007】
ロルメタゼパムは1,4−ベンゾジアゼピン類由来の向精神性物質であり、鎮静および催眠の効果ならびにストレスおよび興奮を減少させることに加えて抗不安作用を有する。さらにまた、ロルメタゼパムは、中心筋弛緩剤および抗けいれんの効果を有する。
【0008】
ロルメタゼパムは、中枢神経系における特定の結合部位にとても高い親和性がある。これらの結合部位は、抑制性神経伝達物質であるGABAのレセプターとの密接で機能的な結合がある。
【0009】
ドイツにおいて、ロルメタゼパムを含む静脈内に投与される治療組成物は、急性の不安状態の治療、手術前の不安緩解、外科手術での麻酔のための前投薬、および1993年以降集中治療医薬品で鎮静用に承認された。
【0010】
オキサゼパム(INN)は、9−クロロ−4−ヒドロキシ−6−フェニル−2,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5,8,10,12−テロラエン−3−オン(IUPAC命名法)である。
【0011】
オキサゼパムは1,4−ベンゾジアゼピン類由来の向精神性物質であり、抗不安、ストレス減少および興奮減少の特性ならびに鎮静および催眠作用を有する。さらに、高用量で、オキサゼパムは抗痙攣および筋弛緩の効果を有する。
【0012】
オキサゼパムは、中枢神経系の、ベンゾジアゼピンレセプターのGABA作動性送信系における特定のレセプターに、適度に強い親和性で結合する。ベンゾジアゼピンレセプターに結合の後、オキサゼパムは、GABA作動性伝達の阻害効果を向上させる。
【0013】
オキサゼパムを含有して静脈内に投与される医薬品組成物は、すでに市場で利用可能でなかったが、この物質は経口投与の形態で多くの国で承認された薬剤である。この形態において、それは、急性および慢性の不安症、ストレスおよび興奮の状態用の対症療法、重症不安症、ストレスおよび興奮の状態の補助短期治療および就眠障害の対症療法用で承認される。
【0014】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩(モノグラフ名,Ph.Eur.)、商標Solutol(登録商標) HS 15は、注射溶液用の非イオン性溶媒であり、主に12−ヒドロキシステアリン酸のモノ−およびジエステルと、マクロゴール(エチレンオキサイド15molおよび12−ヒドロキシステアリン酸1mol)との混合物からなる。
【0015】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩は、12−ヒドロキシステアリン酸のポリグリコールモノ−およびジエステル(親油性部分)と約30%の遊離ポリエチレングリコール(親水性部分)とを含む。
【0016】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩は、水、エタノールおよび2−プロパノールで溶解して、透明な溶液を形成する;水での溶解度は、より高い温度で減少する。
【0017】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩は、高い化学的安定性を有する。しかしながら、それは、長期間加熱することで液相および固相に物理的に分離することができる。これは、次の均質化によって逆転させることができる。
【0018】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩の水溶液は、121℃でオートクレープ処理する(autoclaved)ことができる。この過程でpHがわずかに低下する可能性があり、相分離を生じる可能性さえある。後者は、熱溶液を振盪することによって逆にすることができる。
【0019】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩の水溶液は、薬物の通常の防腐剤を加えることによって安定することができる。
【0020】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩はまた、良好な可溶化力、オートクレープ性(autoclavability)を有し、水溶液内の良好な安定性は有利な毒性プロフィール、例えば低い溶血性活性を加える。
【0021】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩は、非経口投与用で承認される。
【0022】
ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン誘導体または非イオン性可溶化剤のいずれも、オピエート効果を有しない。
【0023】
独国特許出願公開第4039602 A1号明細書には、静脈内注射用の製剤製品ために難溶性の薬剤物質用に関して可溶化剤として使用することができる高分子化合物を記載する。マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩はまた、非イオン性可溶化剤としてそこで言及されている。
【0024】
米国特許出願公開第2006/6183722 A1号明細書にはまた、低水溶性である親油性薬剤物質および、非経口的投与のものと関連する問題を記載する。非経口投与に適用する薬剤製品は、非イオン性界面活性剤を可溶化剤として使用することにより得られる。ベンゾジアゼピンはまた活性の親油性成分について言及される。言及される適切な可溶化剤は、マクロゴールのような非イオン性可溶化剤を含む。
【0025】
しかしながら、上述の記刊行物のいずれも、個々の物質またはそれらの組合せのオピエート類似(opiate-like)効果に言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】独国特許出願公開第4039602 A1号明細書
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/6183722 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の目的は、オピエート類似効果を誘発する医薬品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
この目的は、それがベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体ならびに非イオン性可溶化剤を含むことを特徴とする医薬品組成物によって驚くべきことに達成され、この組合せにおいて、ストラウブ(Straub)現象に記載されるオピエート類似効果を誘発する。
【0029】
本発明の好ましい実施態様において、前記非イオン性可溶化剤はマクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩である。
【0030】
本発明の特に好ましい実施態様において、前記医薬品組成物は、ロラゼパムおよび/またはロルメタゼパムおよび/またはオキサゼパムおよび/またはそれらの誘導体を含むことを特徴とする。ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体の場合には、それらの薬学的に許容できる塩類をまた使用することができる。
【0031】
さらにまた、2〜45重量%の量で非イオン性可溶化剤を使用することが特に好ましい。
【0032】
ロラゼパムを使用するとき、一般に、非イオン性可溶化剤を好ましくは2%〜10%(w/w)の量、特に好ましくは3%(w/w)の量で使用する。
【0033】
ロルメタゼパムを使用するとき、非イオン性可溶化剤は好ましくは3%〜10%(w/w)の量、特に好ましくは4%(w/w)の量で使用する。オキサゼパムを使用するとき、非イオン性可溶化剤は好ましくは10%〜25%(w/w)の量、特に好ましくは5%(w/w)の量で使用する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
様々な溶媒および様々な溶媒内のロルメタゼパムによるストラウブ現象の誘発を下記に要約する。
【0035】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

略語:
LOR AL:ロルメタゼパム/Abbolipid
LOR IL:ロルメタゼパム/Intralipid
LOR LF:ロルメタゼパム/Lipofundin
LOR SL:ロルメタゼパム/Salvilipid
SO HS 15:マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩
LOR WL:ロルメタゼパム/プロピレングリコール50%
PG 50%:プロピレングリコール50%
NMRI: ナバル難治疾患研究所
f: 雌
m: 雄
体重1/g: それぞれの薬物の投与1日前のグラム体重
体重7/g: 7日目(研究の終わり)のグラム体重
ストラウブ: ストラウブの現象の誘発
【0036】
溶液状またはゲル状で本発明の医薬品組成物の存在に加えて、他の調製物の形成もまた可能である。
【0037】
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩内に溶解されるベンゾジアゼピンを有する実験において、いわゆるストラウブ現象は、驚くべきことに、注射の直後に生じた。この効果は動物が薬物により寝入るまで持続した。
【0038】
0.2mLの点滴(i.v.)内にロラゼパム0.03−0.05mg/マウス(体重約20g)
0.2mLの点滴内にロルメタゼパム0.03−0.05mg/マウス(体重約20g)
0.2mLの点滴内にオキサゼパム0.16−0.24mg/マウス(体重約20g)
【0039】
ストラウブ現象は、マウス挙尾現象またはストラウブ挙尾反応(STR)としても知られ、尾部のS型の背屈および、仙尾骨筋の筋肉の収縮によって生じる会陰部の突出が現れる。
【0040】
この現象の発生は、以前はこれがモルヒネまたはモルヒネ類似体の注射後のみに観察されためである。予想外であった。従って、ストラウブ現象は、末梢モルヒネ効果の信頼性が高い質的および半定量的徴候としてすでに役立っていた。
【0041】
モルヒネ反応は、腰仙の脊椎のレベルで運動神経支配の刺激によって誘導される。モルヒネは、腰仙の神経細胞および、脊髄の前角を経て由来する神経末端に作用する。
【0042】
ストラウブの現象は、非イオン性可溶化剤が単独で投与されるときまたは、ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体が他の溶媒で投与されるとき生じず、特に、ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体が、溶媒として水中油型乳剤で投与されないとき(欧州特許出願公開0682943 A1号)生じないことを特に指摘すべきであるが、代わりにそれは、上述の発明の組合せのみで生じる。
【0043】
マウス挙尾現象は、例えば、Zarrindast MR, Alaei-Nia K, Shafizadeh M, On the Mechanism of Tolerance to Morphine-Induced Straub Tail Reaction in Mice, Pharmacol Biochem Behav. 2001 Jul-Aug; 69(3-4): 419-24 and Zarrindast MR, Ghadimi M, Ramezani-Tehrani B, Sahebgharani M., Effect of GABA Receptor Agonists or Antagonists on Morphine-Induced Straub Tail in Mice, International Journal of Neuroscience 2006, 116: 963-973に記載される。
【0044】
本発明の医薬品組成物は、優れた方法で、本願明細書で示される問題を解決する。
【0045】
本発明が基づく驚くべき所見は、非イオン性可溶化剤と結合するそれぞれの有効成分がベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体のものを超える範囲の効果を有することを意味する。
【0046】
この医薬品組成物は、特に麻酔、集中治療医療、痛み治療または神経学/精神医学の適用に適している。
【0047】
従って、本発明はまた、麻酔、集中治療医療、痛み治療および神経学/精神医学に用いられるベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体ならびに非イオン性可溶化剤を含む医薬品組成物に関する。
【0048】
よって、この医薬品組成物はまた、動物の体に投与するのに適している。
【0049】
注射溶液/輸液の一般的な調製物
1つの調製手順によれば、ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体を含む医薬品組成物を、後述するように調製することができる。
【0050】
可溶化剤のマクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩を、撹拌器を備える容器内で40〜60℃の温度で調整する。それから、その中で易溶である有効成分を加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液は、50℃(±10℃)の温度で、15〜30分後に得られる。
【0051】
次いで、透明な溶液を、50〜60℃で熱い注射用蒸留水の中で撹拌する。加えるとき分離を防ぐために、二相を、好ましくは55±5℃の温度とすべきである。次に、バッチを、撹拌しながら20〜30℃まで冷却する。アンプルまたはバイアルに注射溶液を注いだ後に、それをオートクレープすることができる。
【実施例】
【0052】
本発明を、実施例に基づいて下記で更に詳細に説明する。
【0053】
実施例1
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩400gを融解させる。50℃の温度で、ロラゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を、50℃に予め熱したPh.Eur.に従う注射用蒸留水(WFI)(約8リットル)に、撹拌しながら加える。次にこの混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、0.2mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0054】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たし、Ph.Eur.に従う121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0055】
実施例2
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩600gを融解させる。50℃の温度で、ロラゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を、予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約4リットル)に撹拌しながら加えて、混合した。次いで、この混合物を、WFIで正確に5リットルに希釈して、0.4mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0056】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。それから、ガラスアンプルを、各々溶液5mLで満たして、Ph.Eur.に従う121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0057】
実施例3
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩200gを融解させる。50℃の温度で、ロラゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約8リットル)に撹拌しながら加えて、混合した。次に、この混合物を、WFIで正確に10リットルに希釈して、0.2mg/mLの有効成分濃度を生ずる。
【0058】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。それから、ガラスアンプルを、各々の溶液10mLで満たして、Ph.Eur.に従う121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0059】
実施例4
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩500gを融解させる。50℃の温度で、ロラゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約4リットル)に撹拌しながら加えて混合した。次に、この混合物をWFIで正確に2リットルに希釈して、0.4mg/mLの有効成分濃度を生ずる。この溶液を冷却して滅菌濾過する。それから、ガラスアンプルを、各々の溶液5mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルを、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0060】
実施例5
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩400gを融解させる。50℃の温度で、ロルメタゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱したPh.Eurに従って注射用蒸留水(WFI)(約8リットル)で撹拌しながら加える。次に、この混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、0.2mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0061】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0062】
実施例6
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩600gを融解させる。50℃の温度で、ロルメタゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約4リットル)で撹拌しながら加えて、混合した。それから、この混合物をWFIで正確に5リットルに希釈して、0.4mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0063】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。それから、ガラスアンプルを、各々溶液5mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0064】
実施例7
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩を200g融解させる。50℃の温度で、ロルメタゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約8リットル)で撹拌しながら加えて、混合した。次に、この混合物をWFIで正確に10リットルに希釈して、0.2mg/mLの有効成分濃度を生ずる。
【0065】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。それから、ガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たして、Ph.Eurに従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0066】
実施例8
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩500gを融解させる。50℃の温度で、ロラゼパム2.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約8リットル)で撹拌しながら、加えて混合した。次に、この混合物をWFIで正確に2リットルに希釈して、0.4mg/mLの有効成分濃度を生ずる。この溶液を冷却して滅菌濾過する。それから、ガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分2mgを含む。
【0067】
実施例9
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩1500gを融解させる。50℃の温度で、オキサゼパム10.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur(約7リットル)で撹拌しながら加える。次に、この混合物をWFIで正確に10リットルに希釈して、0.1mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0068】
溶液を冷却して滅菌濾過する。次のガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たして、Ph.Eurに従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分の10mgを含む。
【0069】
実施例10
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩2000gを融解させる。50℃の温度で、オキサゼパム10.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約3.5リットル)で撹拌しながら加える。次に、この混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、2.0mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0070】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分10mgを含む。
【0071】
実施例11
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩3000gを融解させる。50℃の温度で、オキサゼパム20.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur.(約14リットル)で撹拌しながら加える。次に、この混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、1.0mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0072】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液20mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分20mgを含む。
【0073】
実施例12
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩2500gを融解させる。50℃の温度で、オキサゼパム20.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱したPh.Eur(約7リットル)に従って注射用蒸留水(WFI)で撹拌しながら加える。次に、この混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、2.0mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0074】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液10mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分20mgを含む。
【0075】
実施例13
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩3000gを融解させる。50℃の温度で、オキサゼパム30.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur(約14リットル)で撹拌しながら加える。次に、この混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、1.5mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0076】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液20mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分30mgを含む。
【0077】
実施例14
マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩7500gを融解させる。50℃の温度で、オキサゼパム50.0gを加えて、撹拌しながら溶解させる。透明な溶液を予め50℃に熱した注射用蒸留水(WFI)Ph.Eur(約40リットル)で撹拌しながら加える。次に、この混合物を、注射用蒸留水を使用して正確に10リットルに希釈して、1.0mg/mLの有効成分濃度を得る。
【0078】
この溶液を冷却して滅菌濾過する。次にガラスアンプルを、各々溶液50mLで満たして、Ph.Eur.に従って121℃で滅菌する。したがってこのような方法で調製される各々のアンプルは、所望の治療量の有効成分50mgを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゾジアゼピンおよび/またはベンゾジアゼピン誘導体ならびに非イオン性可溶化剤を含み、この組合せで、ストラウブ現象として表現されるオピエート類似効果を誘発してなることを特徴とする医薬品組成物。
【請求項2】
前記非イオン性可溶化剤がマクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の医薬品組成物。
【請求項3】
前記医薬品組成物が、ロラゼパムおよび/またはロルメタゼパムおよび/またはオキサゼパムおよび/またはそれらの誘導体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の医薬品組成物。
【請求項4】
前記医薬品組成物が、ベンゾジアゼピンまたはその誘導体の一つ以上の薬学的に許容可能な塩類を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医薬品組成物。
【請求項5】
前記医薬品組成物が、2〜45重量%の量で前記非イオン性可溶化剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医薬品組成物。
【請求項6】
前記医薬品組成物が、溶液状またはゲル状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医薬品組成物。

【公表番号】特表2011−509950(P2011−509950A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542512(P2010−542512)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000042
【国際公開番号】WO2009/089826
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510194390)
【氏名又は名称原語表記】GESELLSCHAFT FUR MEDIZINISCHE FORSCHUNG UND WEITERBILDUNG E.V.
【Fターム(参考)】