説明

ベンダムスチン環状多糖組成物

本発明は、(a)ベンダムスチン、(b)荷電した環状多糖、および(c)前記環状多糖と反対の荷電を帯びた安定化剤、を含む医薬組成物に関している。そのような組成物は、血漿のような反応性の高い環境において予想外の所望の安定性を有し、予想外の所望の抗癌活性を有している。そのような組成物はベンダムスチンによる治療を必要とする患者への注射または点滴に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は(a)ベンダムスチン、(b)荷電した環状多糖、および(c)安定化剤の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンダムスチン(4−[5−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−1−メチルベンズイミダゾール−2−イル]ブタン酸)は、白血病および特定のリンパ腫の治療に使用される。しかしながら、この化合物は血漿中での化学的安定性に制限があり、治療効果を達成するために高い投与量または繰り返し投与が必要とされる。そのため、この薬物の安定性を増す製剤設計が必要とされている。
【0003】
高分子材料でそのような分子を複合化することによりベンダムスチンの安定性を増加させる試みがなされている。しかしながら、当該手法では、わずかな成功例があるのみである。例えば、Penchevaらは、“HPLC study on the stability of bendamustine hydrochloride immobilized onto polyphosphoesters; J. Pharma. Biomed. Anal;(2008)”において、ポリリン酸エステルを用いてベンダムスチンを複合化し、ベンダムスチンの安定性の改善が試みられている。しかしながら、該文献の図2には、最も安定な複合体であってもpH7において約45分で、完全対数(full log point)(90%)減少していることが示されている。
【0004】
同様に、Evjenらは、トロムソ大学の修士論文“Development of Improved Bendamustin−Liposomes”(2007)において、デュアル非対称遠心分離を用いてリポソームにベンダムスチンを組み込んでいる。79頁の表18によると、これらの製剤は遊離ベンダムスチンと比較して安定性をわずかに向上するのみであった(細胞培地に分散されたときの20分半減期 対 遊離ベンダムスチンの14分半減期)。
【0005】
したがって、水溶液、特に血漿中で高い安定性を提供しうる、改善されたベンダムスチン製剤が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、(a)ベンダムスチン、(b)荷電した環状多糖、および(c)安定化剤(好ましくは、前記環状多糖と反対の荷電を帯びた安定化剤)を含む組成物に関する。そのような組成物は血漿のような反応性の高い環境において予想外の所望の安定性と共に、予想外の所望の抗癌活性を有する。そのような組成物はベンダムスチンを用いた治療を必要とする患者への注射または点滴に適している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、(a)ベンダムスチン、(b)荷電した環状多糖、および(c)前記環状多糖と反対の荷電を帯びた安定化剤を含む組成物に関する。
【0008】
好ましくは、環状多糖の活性成分の割合は、重量で、約1:12,500〜約1:25であり、より好ましくは約1:5,000〜約1:50であり、さらにより好ましくは約1:2,500〜約1:75であり、最も好ましくは約1:1,500〜約1:100である。
【0009】
前記安定化剤は、一般的に、前記環状多糖に対する重量の割合で、約5:1〜約1:1000で存在し、より好ましくは約2:1〜約1:200で存在する。
【0010】
環状多糖
本発明の実施に用いられうる環状多糖は、シクロデキストリン、シクロマンニン(cyclomannin)、シクロアルトリン(cycloaltrin)、シクロフルクチン(cyclofructin)および同類のものを含む。一般的に、六〜八糖単位を含む環状多糖が好ましい。
【0011】
前記環状多糖は、シクロデキストリンであるのが好ましい。
【0012】
シクロデキストリンは、少なくとも六糖単位を含む環状オリゴ−1−4−α−D−グルコピラノースである。もっとも広く知られたものは、六、七または八糖単位を含むシクロデキストリンである。六糖単位を含むシクロデキストリンはα−シクロデキストリンとして知られており、七糖単位を含むものはβ−シクロデキストリンとして知られており、八糖単位を含むものはγ−シクロデキストリンとして知られている。特に好ましい環状多糖はβ−シクロデキストリンである。
【0013】
用いられる環状多糖は1以上の荷電されうる基で修飾されている。そのような荷電されうる基はアニオン性であり得、その場合、前記安定化剤はカチオン性であり;またはそのような荷電されうる基はカチオン性であり得、その場合、前記安定化剤はアニオン性である。好ましいアニオン性基はカルボキシル、スルホニルおよび硫酸エステル基を含み;一方、好ましいカチオン性基は第四級アンモニウム基を含む。
【0014】
本明細書において用いられている「荷電された環状多糖」との語は、その1以上のヒドロキシル基が荷電されうる部分で置換されまたは置き換えられた環状多糖を意味する。そのような部分は、それ自体荷電されうる基(例えば、スルホニル基のようなもの)またはそれが1以上の荷電されうる部分で置換された有機部分(例えば、C1〜C6のアルキルまたはC1〜C6のアルキルエーテル部分)を含みうる。好ましい置換された環状多糖は、限定されないが、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン、2−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチルプロパンアンモニウムで置換されたβ−シクロデキストリン、カルボキシメチル化−β−シクロデキストリン、O−リン酸化−β−シクロデキストリン、スクシニル−(2−ヒドロキシ)プロピル−β−シクロデキストリン、スルホプロピル化−β−シクロデキストリン、ヘプタキス(6−アミノ―6−デオキシ)β−シクロデキストリン、O−硫酸化−β−シクロデキストリン、および6−モノデオキシ−6−モノ(3−ヒドロキシ)プロピルアミノ―b−シクロデキストリンを含み;特に好ましいのはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンで置換されたものである。
【0015】
カチオン性安定化剤
本実施形態において、前記環状多糖がアニオン性基で修飾されている場合、前記安定化剤はカチオン性試薬から、またはポリカチオン性化合物から選択される。用いられうるカチオン性試薬は第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたは第四級アンモニウム化合物を含み、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアミン、N−アルキル−N,N−ジエチルアミン、N−アルキル−N−N−ジエタノールアミン、N−アルキルモルホリン、N−アルキルピペリジン、N−アルキルピロリジン、N−アルキル−N,N,N−トリメチルアンモニウム、N,N−ジアルキル−N,N−ジメチルアンモニウム、N−アルキル−N−ベンジル−NN−ジメチルアンモニウム、N−アルキル−ピリジニウム、N−アルキル−ピコリニウム、アルキルアミドメチルピリジニウム、カルバルコキシピリジニウム、N−アルキルキノリニウム、N−アルキルイソキノリニウム、N,N−アルキルメチルピロリジニウム、および1−アルキル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなどである。
【0016】
特に好ましいカチオン性補助剤は、立体的に嵩高いN−アルキル−N−N−ジイソプロピルアミン、N−アルキルモルホリン、N−アルキルピペリジン、およびN−アルキルピロリジンのような第三級アミン、ならびに塩化セチルピリジニウム、塩化ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、塩化ドデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、および臭化ドミフェンのような第四級アンモニウム化合物を含む。
【0017】
オリゴ−もしくはポリアミン、またはペグ化オリゴ−もしくはポリアミンのようなポリカチオン性化合物もまた前記安定化剤として用いられうる。好ましいポリカチオン性化合物は、スペルミン、スペルミジン、プトレシン、およびカダベリンのようなオリゴアミン;ポリエチレンイミン、ポリスペルミン、ポリプトレシン、およびポリカダベリンのようなポリアミン;ならびに上記された群のペグ化オリゴアミンおよびポリアミンを含む。特に好ましくはPI2080(PEG8000と共役するポリエチレンイミン2000)である。
【0018】
一の好ましいカチオン安定化剤は約5〜約50、より好ましくは約6〜約20のアミノ酸を含むポリペプチドであり、当該アミノ酸の少なくとも約50%は正電荷を含む。最も好ましくは、そのような荷電したアミノ酸はアルギニンである。このペプチドの中で特に好ましいものは、4つのアルギニンのブロック配列を少なくとも一つ含む、アルギニンの多いペプチドを含む。この種類のペプチドのうち、他の特に好ましいものはサーモリシン(以下、低分子量プロタミンまたは「LMWP」と称される)で分解されるプロタミンである。
【0019】
疎水的に改質されたオリゴ−またはポリアミンもまた用いられうる。この種の好ましい安定化剤は、アセチルスペルミン、アセチルポリスペルミン、アセチルポリエチレンイミン、ブチリルスペルミン、ブチリルポリスペルミン、ブチリルポリエチレンイミン、ラウロイルスペルミン、ラウロイルポリスペルミン、ラウロイルポリエチレンイミン、ステアロイルスペルミン、ステアロイルポリスペルミン、およびステアロイルポリエチレンイミンを含む。
【0020】
さらに、カチオン性多糖および合成ポリカチオン性ポリマーもまた用いられうる。そのようなカチオン性多糖としては、キトサン、脱アセチル化キトサン、四級化セルロース、四級化アミロース、四級化アミロペクチン、部分的に加水分解された四級化セルロース、部分的に加水分解された四級化アミロースおよび部分的に加水分解された四級化アミロペクチンが示される。前記合成カチオン性ポリマーとしてはポリクオタニウム2(ポリ[ビス(2−クロロエチル)エーテル−alt−1,3−ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]尿素]四級化体);ポリクオタニウム11(ポリ(1−ビニルピロリドン−co−ジメチルアンモニオエチルメタクリレート)四級化体);ポリクオタニウム16および44(ビニルピロリドンおよび四級化ビニルイミダゾールの共重合体);ならびにポリクオタニウム46(ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドンおよび四級化ビニルイミダゾールの共重合体)が示される。
【0021】
アニオン性安定化剤
本実施形態において、前記環状多糖がカチオン性基で修飾されている場合、前記安定化剤はアニオン性試薬またはポリアニオン性高分子から選択される。好ましくは、前記アニオン性試薬はカルボキシ、硫酸、スルホノ、リン酸、またはホスホノ基を含む化合物から選択される。
【0022】
用いられうるアニオン性試薬の種類としては、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシネートナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンジルスルホン酸ナトリウムなどである。
【0023】
カチオン性多糖は安定化剤としても用いられうる。そのような化合物としては、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、μ−カラギーナン、ξ−カラギーナン、ψ−カラギーナン、τ−カラギーナン、ファーセレラン、ヘパラン硫酸、ケラチン、フコイダン、ヒアルロン酸、アルギン酸、ポリ(スルホニルブチロ)セルロース、ポリ(スルホニルプロぴロ)セルロース、ポリ(スルホニルプロピロ)セルロース、ポリ(スルホニルプロピロ)デキストラン、ポリ(スルホニルブチロ)デキストラン、ポリ(スルホニルブチロ)アミラーゼおよびポリ(スルホニルプロピロ)アミラーゼが示される。
【0024】
前記安定化剤はポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびそれらの共重合体から選択されるポリアニオン性高分子でありうる。
【0025】
賦形剤
本発明の前記組成物はさらに糖、ポリアルコール、溶解性ポリマー、塩および脂質のような製薬上許容されうる賦形剤を含みうる。
【0026】
用いられうる糖およびポリアルコールは、限定されないが、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールを含む。
【0027】
用いられうる溶解性ポリマーの具体例としては、ポリオキシエチレン、ポロキサマー(poloxamer)、ポリビニルピロリドン、およびデキストランである。
【0028】
利用可能な塩は、限定されないが、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムを含む。
【0029】
用いられうる脂質は、限定されないが、脂肪酸、グリセロール脂肪酸エステル、糖脂質およびリン脂質を含む。
【0030】
調製
本発明の組成物は前記環状多糖の水溶液に固形ベンダムスチンを溶解させることにより、または前記環状多糖の水溶液とベンダムスチンの水原液とを混合することにより調製されうる。得られた混合物は激しく混合され、任意に均一および平衡水溶液を得るため超音波にかけられる。前記環状多糖がシクロデキストリンであるとき、組成物を調製するのに使用されるシクロデキストリン水溶液が少なくとも4%のシクロデキストリンを含むのが好ましく;少なくとも10%のシクロデキストリンを含む前述のような溶液であるのがより好ましい。
【0031】
前記安定化剤および賦形剤(もし存在すれば)は、好ましくは前もって調製された前記環状多糖を伴うベンダムスチンの均一および平衡水溶液にそれらを添加して前記組成物に導入される。そのような試薬は純粋な物質としてまたは水溶液として添加されてもよく、好ましくは撹拌を用いて混合される。
【0032】
好ましくは、前記最終的な組成物は注射に使用される前に濾過される。
【0033】
前記組成物は、任意に凍結乾燥され、その使用前に注射剤に溶解するのに適した固体材料が製造される。安定化剤としてアミンを含む組成物は、そのような安定化剤の添加前に凍結乾燥しておき、使用直前に再溶解(reconstitution)した前記組成物にそのような試薬を導入するのが好ましい。
【0034】
本発明の一実施形態において、前記組成物は前記成分を混合し、インキュベートすることによって調製される。
【0035】
本発明の他の一実施形態において、前記組成物は前記成分を混合し、当該混合物に超音波をかけることにより調製される。
【0036】
本発明の他の一実施形態において、前記組成物は前記成分を混合し、インキュベートしおよび前記生成物を凍結乾燥することにより調製される。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、前記組成物は前記成分を混合し、前記混合物に超音波をかけ、および前記生成物を凍結乾燥することにより調製される。
【0038】
本発明の前記組成物は水溶液中でおよび血漿に導入されたとき、インビトロ(in vitro)およびインビボ(in vivo)の両方において安定性は高くなる。このように、そのような製剤の血漿中での半減期は、非製剤化ベンダムスチンの半減期より大きくなる;半減期は50%以上、好ましくは100%以上長くなる。
【0039】
さらに、本発明の組成物はベンダムスチンおよび環状多糖を含む組成物と比較して予想外に改善された抗腫瘍活性を示し、ベンダムスチンのみの場合と同様の活性を示す。
【実施例】
【0040】
実施例1 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびコンドロイチンを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(20%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、20℃で15分間インキュベートし、コンドロイチン硫酸(25%)溶液 1mLと混合した。
【0041】
実施例2 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびポリ(スルホニルブチロ)セルロースを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で15分間プレインキュベートした。その後、前記溶液をポリ(スルホニルブチロ)セルロースナトリウム塩(2%)溶液 1mLと混合した。該試料を超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0042】
実施例3 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびヒアルロン酸を含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で15分間プレインキュベートした。その後、該溶液をヒアルロン酸ナトリウム塩(0.1%)溶液 1mLと混合した。該試料を超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0043】
実施例4 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびデキストランを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(20%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、20℃で15分間インキュベートし、デキストラン40(分子量40000)(50%)溶液 1mLと混合し、さらに15分間超音波をかけた。
【0044】
実施例5 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびデキストランを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgを2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(20%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、20℃で15分間インキュベートし、デキストラン40(分子量40000)(50%)溶液 1mLと混合し、さらに15分間超音波をかけた。
【0045】
実施例6 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび四級化セルロースを含むベンダムスチン組成物の調製
四級化セルロース(塩酸塩) 2mgを水 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴(室温)中、4時間プレインキュベートした後、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(20%w/w)1mLにベンダムスチン塩酸塩 6mgを含む溶液と混合した。該溶液を十分に混合し、15分間超音波浴中インキュベートした。
【0046】
実施例7 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびポリビニルピロリドンを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、20℃で15分間インキュベートし、その後、PVP(分子量=10000)(20%)溶液 1mLと混合し、20分間超音波をかけた。
【0047】
実施例8 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgとマンニトール 8.5mgとをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(50%w/w)溶液 0.8mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、20℃で15分間インキュベートし、その後、塩化セチルピリジニウム(2.5%)溶液 0.2mLと混合した。
【0048】
実施例9 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびPI2080を含むベンダムスチン組成物の調製
PI2080の調製
ポリエチレンイミン(PEI,分子量2000)をAldrichから購入した。ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル(PEG,分子量8500)をPolymer Sources Incから購入した。
【0049】
PI2080(PEGとPEIの共役体)をVinogradov S. V. et al.のBioconjugate Chem. 1998, 9, 805−812に記載されている手順に従い調製した。PEG 4gを1,1’−カルボニルジイミダゾールと無水アセトニトリル 20mL中で反応させた。該反応生成物をSpectraPor 3 membrane、MWCO3500を用いて水に対して2回透析し、凍結乾燥した。前記凍結乾燥した物質をメタノール 32mLに溶解し、PEI2.9gと混合し、25℃で24時間インキュベートした。該生成物をSpectraPor 3 membrane、MWCO3500を用いて水に対して2回透析し、生成物PI2080を凍結乾燥した。
【0050】
スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびPI2080を含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 2.5mgとマンニトール 4.3mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(50%w/w)溶液 0.8gに溶解した。該溶液を超音波浴中、20℃で15分間インキュベートし、その後、PI2080(5%溶液)0.2mLと混合した。
【0051】
実施例10 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび硫酸プロタミンを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 2.5mgとマンニトール 4.3mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(50%w/w)溶液 0.800gに溶解した。溶液を20℃で90分間振盪させ、その後超音波浴中、30分間インキュベートした。その後、該混合物を水 0.163g中に硫酸プロタミン 30mgを含む懸濁液に加え、激しく15分間混合した。
【0052】
実施例11 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムを含む組成物におけるラットへ投与されたベンダムスチンの薬物動態
試験組成物:
コントロール: ベンダムスチン塩酸塩 6mg/mL、0.9%NaCl中マンニトール 10.2mg/mL;投与量 20mg/kg
発明組成物: ベンダムスチン塩酸塩 5mg/mL、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン 40%w/w、塩化セチルピリジニウム 0.5%、水中マンニトール 8.5mg/g(実施例8の手順に従って製造した);投与量 20mg/kg
動物:
雌性SDラット(Sprague−Dawleyラット)(250−350g)。該動物をエアフィルターカバーの付いた籠に3匹づついれ、光(光/暗闇サイクル 12時間、光 6時間)および温度 22℃±1℃に調整した。該動物の取り扱いは滅菌された層流フード下で行った。該動物はピュリナ餌および水を自由摂取した。投与する前、該動物を一晩絶食させおよび麻酔した。
【0053】
投与およびサンプリング:
本発明のベンダムスチン組成物およびコントロールをラットの尾静脈に静注した。注射後5、15、30、45分、1、1.5、2および3時間間隔をあけて、血液サンプルを採取した。該ラットをイソフルランの一般吸入により麻酔した。血液サンプルを頸静脈からヘパリン管を用いて採取し、氷上に保持した。血液を速やかに遠心分離し、血漿を分離した。該血漿サンプルを速やかに抽出した。
【0054】
サンプル抽出および分析:
血漿サンプル 0.100mLをプラスチック管に移動した。該サンプルをHCl 100mMを含むアセトニトリル溶液 0.400mL中、30秒間激しく振盪して抽出した。前記サンプルを10000RPMで5分間遠心分離した。上清を分離した。該サンプルをドライアイスで凍結し、HPLC分析まで−80℃に保持した。20μL分割量を分析用HPLCに注入した。
【0055】
HPLC条件:
C18逆相カラム 50×4.6mm、Symmetry/Shield 3.5μm
カラム温度 30℃
流速 1.5mL/分
注入量 20μL
蛍光検出波長: 励起 327nm、発光 420nm
移動相: バッファーA: 5% アセトニトリル 0.1% TFA
バッファーB: 90% アセトニトリル 0.1% TFA
ランタイム: 10分
前記コントロールに対する、試験組成物のベンダムスチンの改善薬物動態分析結果を以下の表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
上記データは、血漿中のベンダムスチンの安定性が本発明の組成物において大きく増加していることを示している。
【0058】
実施例12 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびPI2080を含む組成物におけるラットへ投薬されたベンダムスチンの薬物動態
試験組成物:
コントロール: ベンダムスチン塩酸塩 2.5mg/mL、0.9%NaCl中マンニトール 4.25mg/mL;投与量 10mg/kg
発明組成物: ベンダムスチン塩酸塩 2.5mg/mL、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム 40%w/w、PI2080 1%、水中マンニトール 4.3mg/g(実施例9に記載の手順に従って調製した);投与量 10mg/kg。
【0059】
動物:
雌性SDラット(Sprague−Dawleyラット)(250−350g)。該動物をエアフィルターカバーの付いた籠に3匹づついれ、光(光/暗闇サイクル 12時間、光 6時間)および温度 22℃±1℃に調整した。該動物の取り扱いは滅菌された層流フード下で行った。該動物はピュリナ餌および水を自由摂取した。投与する前、該動物を一晩絶食させおよび麻酔した。
【0060】
投与およびサンプリング:
本発明のベンダムスチン組成物およびコントロールをラットの尾静脈に静注した。注射後5、15、30、45分、1、1.5、2および3時間間隔をあけて、血液サンプルを採取した。該ラットをイソフルランの一般吸入により麻酔した。血液サンプルを頸静脈からヘパリン管を用いて採取し、氷上に保持した。血液を速やかに遠心分離し、および血漿を分離した。該血漿サンプルを速やかに抽出した。
【0061】
サンプル抽出および分析:
血漿サンプル 0.100mLをプラスチック管に移動した。該サンプルをHCl 100mMを含むアセトニトリル溶液 400mL中、30秒間激しく振盪して抽出した。前記サンプルを10000RPMで5分間遠心分離した。上清を分離した。該サンプルをドライアイスで凍結し、HPLC分析まで−80℃に保持した。20μL分割量を分析用HPLCに注入した。
【0062】
HPLC条件:
C18逆相カラム50×4.6mm、Symmetry/Shield 3.5μm
カラム温度 30℃
流速 1.5mL/分
注入量 20μL
蛍光検出波長: 励起 327nm、発光 420nm
移動相: バッファーA: 5% アセトニトリル 0.1% TFA
バッファーB: 90% アセトニトリル 0.1% TFA
ランタイム: 10分。
【0063】
前記コントロールに対する、試験組成物のベンダムスチンの改善薬物動態分析結果を以下の表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
上記データは、血漿中のベンダムスチンの安定性が本発明の組成物において大きく増加していることを示している。
【0066】
実施例13 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび硫酸プロタミンを含む組成物におけるラットへ投薬されたベンダムスチンの薬物動態
試験組成物:
コントロール: ベンダムスチン塩酸塩 2.5mg/mL、0.9%NaCl中マンニトール 4.25mg/mL;投与量 10mg/kg
発明組成物: ベンダムスチン塩酸塩 2.5mg/mL、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム 40%w/w、硫酸プロタミン 3%、水中マンニトール 4.3mg/g(実施例10に記載の手順に従って調製された);投与量 10mg/kg。
【0067】
動物:
雌性SDラット(Sprague−Dawleyラット)(250−350g)。該動物をエアフィルターカバーの付いた籠に3匹づついれ、光(光/暗闇サイクル 12時間、光 6時間)および温度 22℃±1℃に調整した。該動物の取り扱いは滅菌された層流フード下で行った。該動物はピュリナ餌および水を自由摂取した。投与する前、該動物を一晩絶食させおよび麻酔した。
【0068】
投与およびサンプリング:
本発明のベンダムスチン組成物およびコントロールをラットの尾静脈に静注した。注射後5、15、30、45分、1、1.5、2および3時間間隔をあけて、血液サンプルを採取した。該ラットをイソフルランの一般吸入により麻酔した。血液サンプルを頸静脈からヘパリン管を用いて採取し、氷上に保持した。血液を速やかに遠心分離し、および血漿を分離した。該血漿サンプルを速やかに抽出した。
【0069】
サンプル抽出および分析:
血漿サンプル 0.100mLをプラスチック管に移動した。該サンプルをHCl 100mMを含むアセトニトリル溶液 400mL中、30秒間激しく振盪して抽出した。前記サンプルを10000RPMで5分間遠心分離した。上清を分離した。該サンプルをドライアイスで凍結し、HPLC分析まで−80℃に保持した。20μL分割量を分析用HPLCに注入した。
【0070】
HPLC条件:
C18逆相カラム50×4.6mm、Symmetry/Shield 3.5μm
カラム温度 30℃
流速 1.5mL/分
注入量 20μL
蛍光検出波長: 励起 327nm、発光 420nm
移動相: バッファーA: 5% アセトニトリル 0.1% TFA
バッファーB: 90% アセトニトリル 0.1% TFA
ランタイム: 10分。
【0071】
前記コントロールに対する、試験組成物のベンダムスチンの改善薬物動態分析結果を以下の表3に示す。
【0072】
【表3】

【0073】
上記データは、環状多糖組成物の安定性がベンダムスチンのみの安定性と比較して大きく増加していることを示している。
【0074】
実施例14 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびルビクアットFC370を含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で15分間プレインキュベートし;その後、ルビクアットFC370(0.1%)溶液 1mLと混合した。ルビクアットFC370(ポリクオタニウム−16)はビニルピロリドンおよび四級化ビニルイミダゾール(CAS NO.95144−24−4(BASF))の共重合体である。該サンプルを超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0075】
実施例15 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびルビクアットHOLDを含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で20分間プレインキュベートし;その後、ルビクアットHOLD(0.15%)溶液 1mLと混合した。ルビクアットHOLD(ポリクオタニウム−46)は1H−イミダゾリウム、1−エテニル−3−メチル―メチル硫酸高分子と1−エテニルヘキサヒドロ−2H−アゼピン−2−オンおよび1−エテニル−2−ピロリジノン(CAS No.174761−16−1、(BASF))である。該サンプルを超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0076】
実施例16 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび四級化ポリ(ビニルピロリドン−co−2−ジメチルアミノエチルメタクリル酸)を含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で15分間プレインキュベートした。その後、該溶液を四級化ポリ(ビニルピロリドン−co−2−ジメチルアミノエチルメタクリル酸)(0.1%)溶液 1mLと混合した。該サンプルを超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0077】
実施例17 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび四級化ポリ(ビニルピロリドン−co−2−ジメチルアミノエチルメタクリル酸)を含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で15分間前インキュベートした。その後、該溶液を四級化ポリ(ビニルピロリドン−co−2−ジメチルアミノエチルメタクリル酸)(0.1%)溶液 1mLと混合した。該サンプルを超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0078】
実施例18 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよびキトサンを含むベンダムスチン組成物の調製
低重量キトサン 5mgを0.2Mの塩酸 5mLに懸濁し、一晩撹拌した。該バイアルの成分を0.45μmのガラスファイバーフィルターを用いて濾過し、凍結乾燥した。スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 2mLを前記凍結乾燥したものに加えた。該混合物を20℃で24時間インキュベートし、0.45μmのガラスファイバーフィルターを用いて濾過した。該溶液 1mLをベンダムスチン塩酸塩 6mgを溶解するのに用いた。該溶液を超音波浴中、10℃で20分間インキュベートした。
【0079】
実施例19 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび四級化ポリ(ビス(2−クロロエチル)エーテル−alt−1,3−ビス[3−ジメチルアミノ]プロピル)尿素を含むベンダムスチン組成物の調製
ベンダムスチン塩酸塩 6mgをスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(30%w/w)溶液 1mLに溶解した。該溶液を超音波浴中、10℃で15分間プレインキュベートした。その後、該溶液を四級化ポリ(ビス(2−クロロエチル)エーテル−alt−1,3−ビス[3−ジメチルアミノ]プロピル)尿素(0.05%)溶液 1mLと混合した。該サンプルを超音波浴中、10℃で30分間インキュベートした。
【0080】
実施例20
a.低分子量プロタミン(LMWP)の調製
硫酸プロタミン 2gを0.1M 酢酸アンモニウム緩衝液(pH7) 70mLに溶解し、硫酸プロタミン溶液を調製した。サーモリシン 20mgを50mM トリス緩衝液(pH7.4) 10mLに溶解し、サーモリシン溶液を調製した。該サーモリシン溶液を前記硫酸プロタミン溶液に添加し、続けて、1M 塩化カルシウム水溶液 70μLを添加した。該混合物を室温で30分間インキュベートした。該混合物に、0.7M EDTA溶液を0.7mL添加した。該混合物を凍結乾燥した。該乾燥物を酢酸水溶液(0.2%) 1mLにつき100mgを再溶解し、フィルター(0.22μm)を用いて濾過した。前記溶液 5mLをRP−HPLCカラム(Vaydac 218TP152050,5×25 cm)に注入した。該サンプルを酢酸水溶液(0.2%)中、グラジエントエタノールで溶出した。該生成物を含む画分を収集し凍結乾燥した。
【0081】
b.スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(「SBECD」)および低分子量プロタミン(「LMWP」)を含むベンダムスチン組成物の調製
スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム 400mgを水 0.600mLと混合し、完全に溶解するまで振盪した。ベンダムスチン塩酸塩 16mgおよびマンニトール 27.3mgをこの溶液に添加し、90分間振盪した。LMWP 20mgを水 936.8mgに溶解し、前記ベンダムスチン溶液と混合した。該生成物を4℃で保存した。該生成物を、分析RP−HPLCクロマトグラフィーを用いて、以下のようにベンダムスチン成分を評価した。Waters SymmetryShield RP−18 3.5μmカラム (4.6×50mm)を用いて、TFA(0.1%)を含むアセトニトリル−水勾配 流速1.5mL/minでサンプル10μLを分離した。ピーク検出をUV吸収検出(260nm)で行った。ベンダムスチンのピーク領域を3つの薬物安定性の割合を評価するために使用した。24時間後のベンダムスチンのピーク下領域ははじめの101.8%だった(標準偏差 2%)。
【0082】
実施例21 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウムおよび低分子量プロタミンを含む凍結乾燥ベンダムスチン組成物の調製
実施例20の組成物を凍結乾燥した。該生成物は非晶質の白色固体であり、水溶性であった。該生成物を使用する前に水 1.536mLで再溶解した。
【0083】
実施例22 ベンダムスチン組成物の細胞毒性
H460、RPMI8226およびMDA−MB−231細胞を、ウシ胎仔血清(FBS) 10%および抗生物質を含む適当な培地中保持した。培養24時間後、ベンダムスチン(BM);スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム(SBECD) 0.1%存在下のBM;およびSBECD 0.1%および低分子量プロタミン(LMWP) 0.002−0.005%存在下のBMを異なる濃度で細胞培地に添加し、3日間細胞を増殖させた。該薬剤細胞毒性をWST−1法を使用して評価した。IC50値はベンダムスチン、SBECDで製剤化されているベンダムスチン、およびSBECD/LMWPで製剤化されているベンダムスチンについて評価した。表4にSBECDまたはSBECD/LMWPで製剤化されているBM効力の増加を示している。BM細胞毒性活性における変化の測定として、BM IC50に対するSBECDまたはSBECD/LMWPにおけるBMのIC50の比率を計算した。それぞれの細胞株において、これらの比率は3〜12の実験における平均値を表している。
【0084】
【表4】

【0085】
SBECD製剤はBM効力を増加し、そのIC50を減少させた。SBECD製剤にLMWPを添加することで、BM IC50をさらに実質的に減少させた。H460およびRPMI8226の二つの細胞株において、LMWPの効果は、統計的に有意なものであり、それぞれp=0.036および0.018であった。MDA−MB−231細胞において、両方の製剤の効果にあまり差異はなかった。これらの三つの細胞株において、BM IC50の平均減少はSBECDおよびSBECD/LMWPのそれぞれにおいて1.5および2.2倍であった。
【0086】
実施例23 培地を用いてプレインキュベートされたベンダムスチン組成物の細胞毒性
BMおよびSBECD/LMWP製剤(SBECD20%、LMWP1%中、40mg/ml BM)をFBS 10%含むDMEM培地中、0、1または4時間インキュベートし、RPMI8226細胞に濃度を変化させて添加した。BMを扱っている間、SBECDおよびLMWPの濃度を培地中0.1および0.05%にそれぞれ保持した。細胞を72時間増殖させた。該薬剤細胞毒性をWST−1法を用いて評価した。結果を、以下の表5および6に示す。
【0087】
【表5】

【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
IC50、TGIおよびLC50パラメータをプレインキュベートの時間に対し計算した。
【0091】
【表8】

【0092】
表中:
IC50−50%細胞増殖阻害される薬物濃度
TGI−全細胞増殖阻害される薬物濃度
LC50−50%細胞死する薬物濃度
である。
【0093】
該結果は、BM、SBECDおよびLMWP組成物がBMのみよりも効能が長いことを示す。
【0094】
実施例24 SBECDおよびLMWPを含むベンダムスチン組成物の細胞毒性
RPMI8226、H69、MDA−MB−231およびH460細胞を10% FBSおよび抗生物質を含む適当な培地中保持した。平板培養して24時間後、ベンダムスチンおよびSBECD/LMWP(SBECD 20%、LMWP 1%中、BM 40mg/ml)で製剤化されたベンダムスチンを細胞培地に異なる濃度で添加し、細胞を3日間増殖させた。該薬剤細胞毒性をWST−1法を用いて評価した。結果を以下の表8に示す。
【0095】
【表9】

【0096】
上記データは本発明の組成物が増強した細胞毒性を有することを示している。
【0097】
実施例25 スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンおよび低分子量プロタミン(LMWP)を含む組成物におけるラットへ投与されたベンダムスチンの薬物動態
以下の試験組成物を調製した:
コントロール: ベンダムスチン塩酸塩 5mg/mL、0.9%NaCl中マンニトール 10.2mg/mL;投与量 10mg/kg
組成物25A
−ベンダムスチン塩酸塩 5mg/mL、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム 20%w/w、水中マンニトール 10.2mg/g;投与量 10mg/kg、
組成物25B
−ベンダムスチン塩酸塩 5mg/mL、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム 20%w/w、LMWP 1%、水中マンニトール 10.2mg/g;投与量 10mg/kg。
【0098】
動物:
雌性SDラット(Sprague−Dawleyラット)(250−350g)。該動物をエアフィルターカバーの付いた籠に3匹づついれ、光(光/暗闇サイクル 12時間、光 6時間)および温度 22℃±1℃を調整した。該動物の取り扱いを、すべて滅菌された層流フード下で行った。該動物はピュリナ餌および水を自由摂取した。該動物に投与する前、一晩絶食および麻酔した。
【0099】
投与およびサンプリング:
本発明のベンダムスチン組成物およびコントロールをラットの尾静脈に静注した。注射後5、15、30、45分、1、1.5、2、3および4時間間隔をあけて、血液サンプルを採取した。該ラットをイソフルランの一般吸入により麻酔した。血液サンプルを頸静脈からヘパリン管を用いて採取し、氷上に保持した。血液を速やかに遠心分離し、血漿を分離した。該血漿サンプルを速やかに抽出した。
【0100】
サンプル抽出および分析:
血漿サンプル0.100mLをプラスチック管に移動した。該サンプルをHCl 100mMを含むアセトニトリル溶液 400mL中、30秒間激しく振盪して抽出した。前記サンプルを10000RPMで5分間遠心分離した。上清を分離した。該サンプルをドライアイスで凍結しHPLC分析まで−80℃に保持した。20μL分割量を分析するためHPLCに注入した。
【0101】
HPLC条件:
C18逆相カラム50×4.6mm、Symmetry/Shield 3.5μm
カラム温度 30℃
流速 1.5mL/分
注入量 20μL
蛍光検出 波長: 励起 327nm、発光 420nm
移動相: バッファーA: 5% アセトニトリル 0.1% TFA
バッファーB: 90% アセトニトリル 0.1% TFA
ランタイム: 10分。
【0102】
前記コントロールに対して試験された組成物のため改善したベンダムスチンの薬物動態分析結果を以下の表9に示す。
【0103】
【表10】

【0104】
該実施例はSBECDを含むベンダムスチン組成物中LMWPの存在が血漿中BMの半減期を大幅に増加させることを示している。
【0105】
実施例26 マウス実験の肺転移モデルにおけるベンダムスチン組成物の効果
動物:
Charles Rivers C57B1/6マウス(雌、5〜6週齢)をチャールズリバーカナダ社(Charles River Canada Inc)から購入した。該動物をエアフィルターカバーの付いた籠に5匹づついれ、光(光/暗闇サイクル 12時間、光 6時間)および温度(22℃±1℃)を調整した環境に置いた。該動物の取り扱いを、すべて滅菌された層流フード下で行った。該動物はピュリナマウス餌(Pro Lab PMH 4018、商標 アグウェイ(Agway)、シラキュース、ニューヨーク州)および水を自由摂取した。これらの動物実験は“実験動物の管理と使用に関するガイドライン(Guidelines for Care and Use of Experimental Animals)”に従って行った。
【0106】
腫瘍細胞培養:
ルイス肺癌3LL細胞を適当な培地中培養した。該細胞を腫瘍移植の調製のため対数増殖期に採取した。
【0107】
腫瘍移植:
ルイス肺癌3LL細胞(PBS 200μl中2.0〜5.0×10細胞)を尾静脈より静注し、実験的肺転移癌モデルを構築した。
【0108】
処置:
処置を腫瘍移植後、その日のうちに行った。該動物に以下の投与溶液を投与した。
【0109】
コントロール:(0.9%、NaCl)
組成物:
−非製剤化ベンダムスチン(BM)、(50mg/kg)
−SBECO 20%、LMWP 1%中、ベンダムスチン(50mg/kg)
有効性評価:
転移形成を肺表面の転移点の数を数えることで評価した。所定の転移実験を前記調査の最後に全臓器において行った。
【0110】
該有効性評価結果を以下の表10に示す。
【0111】
【表11】

【0112】
前記結果はSBECDおよびLMWPを含む組成物 対 非製剤化薬物の効能の統計的に有意な改善を示す。
【0113】
実施例27 ヌードマウス中におけるヒト乳癌(MDA−MB−231)皮下(s.c.)固形腫瘍に対するベンダムスチン組成物の効能
動物:
balb/cマウス(5〜6週齢)をチャールズリバーカナダ社から購入した。該動物をエアフィルターカバーの付いた籠に5匹づついれ、光(光/暗闇サイクル 12時間、光 6時間)および温度(22℃±1℃)調整した環境においた。動物の取り扱いを、すべて滅菌された層流フード下で行った。該動物はピュリナマウス餌(Pro Lab PMH 4018、商標 アグウェイ(Agway)、シラキュース、ニューヨーク州)および水を自由摂取した。これらの動物の研究は“実験動物の管理と使用に関するガイドライン(Guidelines for Care and Use of Experimental Animals)”に従って行った。
【0114】
腫瘍細胞培養:
ヒト乳癌細胞MDA−MB−231を適当な培地中培養した。該細胞を腫瘍移植の調製のため対数増殖期に採取した。
【0115】
腫瘍移植:
マトリゲル培養 30%を含む培地 0.200mL中、ヒト腫瘍または骨髄腫細胞(2.5〜5.0×10細胞)を、1〜2cm長の20ゲージ針を用いて、balb/c nu/nuマウスの2つの脇腹に皮下移植した。
【0116】
処置:
腫瘍細胞移植後2〜3週間後に、皮下固形腫瘍の成長した動物をいくつかの同種の群(群または投与ごとにn=5の動物)に腫瘍サイズ(直径0.5〜0.8cm)をもって選別した。前記処置を翌日行った。該動物に以下の投与溶液を投与した。
【0117】
コントロール:(0.9%、NaCl)
組成物:
−非製剤化ベンダムスチン、(35mg/kg)
−SBECD 40%、硫酸プロタミン 1%中、ベンダムスチン35 mg/kg(製剤化BM)
効能評価
皮下固形腫瘍測定を最初の注射日、およびその3〜4日間隔開けて行った。それぞれの腫瘍の最も大きい垂直直径をノギスを用いて測定し、腫瘍サイズを式: TV = L × W / 2 (式中、TV:腫瘍容積; L:長さ; W:幅) を用いて見積もった。
【0118】
動物の体重も書き留めた。
【0119】
該結果を以下の表11に示した。
【0120】
【表12】

【0121】
表12は腫瘍の成長におけるBMおよびその組成物の効果を示す。
【0122】
【表13】

【0123】
前記結果はSBECDおよび硫酸プロタミンを含む組成物の予想外の毒性および良い効能を示す。
【0124】
実施例28 ヌードマウスにおけるヒト乳癌MDA−MB−231皮下固形腫瘍におけるベンダムスチン組成物の効能
該実験を、処置のため以下の組成物を使用して、実施例27に記載されるように行った。
【0125】
コントロール: (0.9%, NaCl)
組成物:
−非製剤化ベンダムスチン、(30mg/kg)
−SBECD 40%中、ベンダムスチン(30 mg/kg)(製剤化BM)
前記処置を1、2、9および10日目に行った。
【0126】
該結果を表13に示す。
【0127】
【表14】

【0128】
表14に腫瘍の成長におけるBMおよびその組成物の効果を示す。
【0129】
【表15】

【0130】
上記データは、ベンダムスチンおよび荷電したシクロデキストリン(逆荷電した安定化剤なし)を含む2つの組成物形態はベンダムスチンのみの形態よりも低いことを示す。
【0131】
実施例29 ヌードマウスにおけるヒト乳癌MDA−MB−231皮下固形腫瘍におけるベンダムスチン組成物の効能
該実験を、以下の処置用組成物を使用して、実施例28に記載する方法を用いて行った:
コントロール: (0.9%, NaCl)
組成物:
−非製剤化ベンダムスチン、(30mg/kg)
−SBECD 20%、LMWP 1%中、ベンダムスチン(30 mg/kg)(製剤化BM)
前記処置を、1、2、9および10日目に行った。
【0132】
結果を表15に示す。
【0133】
【表16】

【0134】
注釈:前記左脇腹に移植された腫瘍は、接種した腫瘍細胞数が少なかったため右脇腹に移植された腫瘍よりもはるかに小さかった。これらの腫瘍容積は前記データに含まれていない。
【0135】
該結果は、SBECD 20%およびLMWP 1%を含むベンダムスチン組成物が、非製剤化薬物よりも高活性であり、上記実施例28で得られた結果から予想できない結果であった。
【0136】
【表17】

【0137】
実施例30 リン酸緩衝液中、スルホブチルβ−シクロデキストリン(SBECD)および低分子量プロタミン(LMWP)を含む組成物におけるベンダムスチンの化学的安定性
5mM リン酸緩衝液にSBECDを溶解し、pHを7.2に調整して、SBECD4%のリン酸緩衝液(w/w)(SBECD/PB)を調製した。
【0138】
以下の組成物を調製し試験した:
コントロール: 水中のベンダムスチン塩酸塩(BM)0.6 mg/mL(5mMリン酸緩衝液(PB)pH7.2中BMを溶解することにより調製した)
組成物30−1: SBECD 4%中、BM 0.6mg/mL(SBECD/PB中BMに溶解することにより調製した)
組成物30−2: SBECD 4%およびLMWP 0.2%中、BM 0.6mg/mL(SBECD/PB中BMに溶解し、LMWPを加え調製した)
組成物30−3: SBECD 4%およびLMWP 1%中、BM 0.6mg/mL(SBECD/PB中BMを溶解し、LMWPを加え調製した)
組成物30−4: SBECD 4%およびLMWP 0.2%中、BM 0.6mg/mL(SBECD/PB中LMWPを溶解し、BMを加え調製した)
組成物30−5: SBECD 4%およびLMWP 0.2%中、BM 0.6mg/mL(SBECD/PB中LMWPを溶解し、BMを加え調製した)
前記組成物を25℃でインキュベートし、以下のように定期的にHPLCにより分析した。10μLサンプルをWaters SymmetryShield RP−18 3.5μmカラム(4.6×50mm)を用い、TFA 0.1%を含むアセトニトリル−水勾配 流速1.5mL/minで分離した。ピーク検出をUV吸収検出(260nm)で行った。ベンダムスチンのピーク領域を一次反応速度モデルで薬物の分解速度を評価するために用いた。該結果を以下の表17に分解半減期(T1/2)として示す。
【0139】
【表18】

【0140】
該結果は、LMWPがBMとSBECDの溶液中、BMの安定性を増加することを示す。また、前もって調製されたBMとSBECDの混合物にLMWPを加えた場合、LMWPの安定化効果は大きいことを示す(組成物30−3 対 30−5、および組成物30−2 対 30−4)。
【0141】
実施例31 血漿中におけるベンダムスチンの化学的安定性
ヘパリン化されたヒト血漿20μLを血漿780μLに、以下のベンダムスチン(BM)組成物と共に混合した:
コントロール: 水中のベンダムスチン塩酸塩(BM)0.6 mg/mL(水中にBMを溶解することにより調製した)。
【0142】
組成物31−A: SBECD 4%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液4%(w/w)中、BMを溶解することにより調製した)
組成物31−B: SBECD 8%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液8%(w/w)中、BMを溶解することにより調製した)
組成物31−C: SBECD 20%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液20%(w/w)中、BMを溶解することにより調製した)
組成物31−D: SBECD 40%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液40%(w/w)中、BMを溶解することにより調製した)
組成物31−1: SBECD 4%およびPI2080 3%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液 4%(w/w)中、BMを溶解し、PI2080を添加することにより調製した)
組成物31−2: SBECD 8%およびPI2080 3%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液 8%(w/w)中、BMを溶解し、PI2080を添加することにより調製した)
組成物31−3: SBECD 20%およびPI2080 3%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液20%(w/w)中、BMを溶解し、PI2080を添加することにより調製した)
組成物31−4: SBECD 40%およびPI2080 3%中、BM 0.6mg/mL(SBECD水溶液40%(w/w)中、BMを溶解し、PI2080を添加することにより調製した)
急増した血漿中のベンダムスチン濃度は初期において0.015mg/mLであった。該急増した血漿サンプルを37℃でインキュベートした。50μLのサンプルを急増した血漿から定期的に取り出し、HCl 100mMを含むアセトニトリル溶液 200μLに移し、混合し、遠心分離した。該上清50μLを95%アセトニトリルを用いて20倍に希釈し、希釈サンプル 20μLをWaters SymmetryShield RP−18 3.5μmカラム(4.6×50mm)を用い、水中(TFA 0.1%)アセトニトリル(TFA 0.1%)勾配、流速1.5mL/minで分離した。ピーク検出を蛍光検出(励起 327nmおよび発光 420nm)により行った。ベンダムスチンのピーク領域を一次反応速度モデルで薬物の分解速度を評価するため使用した。該結果を以下の表18に分解半減期(T1/2)として示す。
【0143】
【表19】

【0144】
該結果は、PI2080は血漿中でのBMの安定性を増加させることを示す。
【0145】
本明細書に記載されている前記実施例および本明細書の記載は説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本願に記載された発明を前述する記載から変更および改良して、様々な使用および条件を選択して行いうる。そのような実施形態もまた、以下の特許請求の範囲内の技術的範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ベンダムスチン;
(b)荷電した環状多糖;および
(c)前記環状多糖と反対の荷電を帯びた安定化剤;
を含む組成物。
【請求項2】
前記環状多糖がβ−シクロデキストリンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記荷電した環状多糖がアニオン性基である荷電された基を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性基が硫酸エステル、スルホニル、およびカルボニル基から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記環状多糖がスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記安定化剤が約5〜約50のアミノ酸を含むポリペプチドであり、前記アミノ酸の少なくとも約50%が正電荷を帯びている、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記安定化剤が約6〜約20のアミノ酸を含むポリペプチドであり、前記アミノ酸の少なくとも約50%が正電荷を帯びている、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリペプチドが少なくとも一つの4つのアルギニンのブロック配列を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記安定化剤がポリアルギニンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
前記安定化剤が低分子量プロタミンである、請求項5に記載の組成物。
【請求項11】
前記環状多糖の荷電した基が、カチオン性基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記荷電した基が第四級アンモニウム基である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
(a)ベンダムスチン;
(b)荷電した環状多糖;および
(c)前記環状多糖と反対の荷電を帯びた安定化剤
を含むベンダムスチン製剤であり、前記製剤が、(b)荷電した環状多糖;および(c)前記環状多糖の荷電と反対の荷電を帯びた安定化剤と組み合わされていない(a)ベンダムスチンよりも血漿中で長い半減期を有する、ベンダムスチンの製剤。
【請求項14】
非製剤化ベンタムスチンの半減期より、血漿中で少なくとも50%長い半減期を有する、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
非製剤化ベンタムスチンの半減期より、血漿中で少なくとも100%長い半減期を有する、請求項14に記載の製剤。

【公表番号】特表2012−519657(P2012−519657A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550669(P2011−550669)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000502
【国際公開番号】WO2010/097700
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511205068)スプラテック ファーマ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】