説明

ペダルの踏み位置の差異による感度差が自動修正される車輌

【課題】自動車等の車輌に於いてペダルが運転者により足踏み操作されることにより車輌の運転指標が調節される場合に、感覚的には同じペダル踏込み度に対してペダルの足踏み位置の差によってペダルの動きに差が生ずることにより運転指標の調節に差が生じることを自動的に修正することにより車輌の運転特性の安定性を高める。
【解決手段】運転者により足踏み操作されることにより運転指標を調節するペダルを備えた車輌にして、ペダルの踏込み度に対応する運転指標をペダルに対する運転者の足の当り位置の差異に応じて修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車輌に於けるペダルに係り、特に運転者が足でペダルを踏むとき、ペダル上の足の当る位置、即ちペダルの踏み位置、の差異によりペダルの感度に差が生ずることを自動的に修正することに係る。
【背景技術】
【0002】
アクセルペダルの踏込み量に応じてエンジンのスロットル開度をアクセルペダルの踏込み量と常に一定の比例関係にある開度に設定するとともに、アクセルペダルを単位量踏込むのに要する踏力を調整する調整手段と、車輌のスリップを検出するスリップ検出手段と、車輪のスリップ時もしくは車輪がスリップしやすい状態であるとき、そうでないときに比べて、アクセルペダルを単位量踏み込むのに要する踏力を重くするよう上記調整手段を制御する制御手段とを備えた自動車のアクセルペダル踏力制御装置が、下記の特許文献1に記載されている。また下記の特許文献2には、自動車のフロアに設けた支点まわりに揺動するアクセルペダルに於いて、アクセルペダルの初期角度や遊び角度が不適切であると足首の角度が不適切になり、ドライバーの疲労を早める原因となる可能性があるという事情に着目し、下端をフロアに枢支されたアクセルペダルの初期角度や遊び角度を電動アクチュエータにより調節可能にし、またドライバーの体格を検出する体格検出手段からの信号に基づいてペダルの初期角度を調整することが記載されている。
【特許文献1】特公平5-75895号公報
【特許文献2】特開2005-301441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動車等の車輌には、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルの如き足踏みペダルが設けられているが、これらのペダルのうちには、特にアクセルペダルに多く見られるように、車輌の縦方向に比較的細長い形状を有し、運転者がこれを足で踏むとき、ペダル上の足の当る位置、即ちペダルの踏み位置に、運転者の体格や個性に応じて人毎にかなりの差を生ずるものがある。この場合、ペダルが例えばその一端部にて車体に枢着され、枢着部の回りに回動するようなペダルであるときには、ペダルの踏み位置がペダルの枢着部より隔たる距離に応じて、感覚的には同じペダルの踏込み度に対するペダルの回動角に差が生ずる。即ち、ペダルの踏込みに対する反力が比較的強く、ペダル踏込み度の大小が踏込みに対する反力の大小によって感じられるようになっているペダルでは、ペダルの踏み位置がペダルの枢着部より隔たる距離が増大するにつれて、同じ感覚のペダル踏込み度に対して生ずるペダルの回動角は増大する。一方、ペダルの踏込みに対する反力が比較的弱く、ペダル踏込み度の大小が踏込みの深さの大小によって感じられるようになっているペダルでは、ペダルの踏み位置がペダルの枢着部より隔たる距離が増大するにつれて、同じ感覚のペダル踏込み度に対して生ずるペダルの回動角は減小する。
【0004】
即ち、図5に概略図にて例示する如く、運転者の足踏み操作により車輌の運転指標を調整するペダル(例えばエンジン出力を調節するアクセルペダル)1が車輌の前後方向に見た後端部或は上下方向に見た下端部にて車体のフロア部2に枢軸3の周りにばね7のばね力に抗して回動するよう枢着されているとすると、運転者が図5の(A)に示す如く足先にてペダルの長手方向の中間部を踏込み力fでまたは深さDpまで踏み込んだときの枢軸3の回りのペダルの回動角θp1と、運転者が図5の(B)に示す如く足先にてペダルの長手方向の前端部或いは上端部を踏込み力fでまたは深さDpまで踏み込んだときの枢軸3の回りのペダルの回動角θp2とでは、ペダルの踏込みに対してペダル踏み位置に作用するばね7の反力はペダルの踏込み位置が枢軸3より隔たる距離に反比例して弱くなることから、同じペダル踏込み度に対する枢軸3の周りのペダルの回動角は、ペダル踏込み度が踏込み反力により感知される場合には、ペダルの踏込み位置が枢軸3より隔たる距離の増大に応じて増大し、一方、ペダルの踏込みに対するばね反力がペダルの踏込みの度合によってはさして変化しない程度に弱く、ペダルのペダル踏込み度が専ら踏込み深さにより感知される場合には、ペダルの踏込み位置が枢軸3より隔たる距離の増大に応じて減小し、ペダル踏込み度(即ち、踏込み力または踏込み深さ)に基づく指令信号が枢軸3の周りのペダルの回動角に基づいて発せられるときには、ペダルの操作に対する感度に上記の差異に対応する差異が生ずる。
【0005】
同様のことは、図6に同様の概略図にて例示する如く、ペダル(同じく例えばアクセルペダル)4が車輌の前後方向に見た前端部或は上下方向に見た上端部にて車体のフロントパネル部5に枢軸6の周りにばね8のばね力に抗して回動するよう枢着されていて、運転者が図6の(A)に示す如く足先にてペダルの長手方向の後端部或いは下端部を踏込み力fでまたは深さDpまで踏み込んだときの枢軸6の回りのペダルの回動角θp3と、運転者が図6の(B)に示す如く足先にてペダルの長手方向の中間部を踏込み力fでまたは深さDpまで踏み込んだときの枢軸6の回りのペダルの回動角θp4との間にも生じ、同じペダル踏込み度に対しても、枢軸6の周りのペダルの回動角に基づいて発せられる指令信号には、ペダルの踏込み位置が枢軸6より隔たる距離に応じた差異が生ずる。
【0006】
本発明は、上記の如く、足踏みペダルが足踏み操作されるとき、足によるペダルの踏込み度が同じでも、ペダル上の足が当たる位置、即ちペダルの足踏み位置、の差異によりペダルが発する指令信号に差が生ずる場合があることに着目し、自動車等の車輌に於いてペダルが運転者により足踏み操作されることにより車輌の運転指標が調節される場合に、同じペダル踏込み度に対してペダルの足踏み位置の差により運転指標の調節に差が生じることを自動的に修正することにより車輌の運転特性の安定性を高めることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、運転者により足踏み操作されることにより運転指標を調節するペダルを備えた車輌にして、前記ペダルの踏込み度に対応する前記運転指標を前記ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異に応じて修正するようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。
【0008】
前記ペダルは枢軸の周りに回動するペダルであり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異は前記ペダルに対する運転者の足の当り位置の前記枢軸からの距離の差異とされてよい。
【0009】
前記ペダルはアクセルペダルであり、前記運転指標は車輌駆動源の出力であり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じて前記ペダルの回動角に対する車輌駆動源の出力の増大の割合が修正されるようになっていてよい。
【0010】
或いはまた、前記ペダルはブレーキペダルであり、前記運転指標は車輌制動装置の制動力であり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じて前記ペダルの回動角に対する制動力の割合が修正されるようになっていてよい。
【0011】
或いはまた、前記ペダルはクラッチペダルであり、前記運転指標はクラッチの解除であり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じて前記ペダルの回動角に対するクラッチ解除度の割合が修正されるようになっていてよい。
【0012】
上記のいずれの場合にも、前記ペダルは、踏み足を受ける踏み面を呈する板部材と、該板部材の両端部を前記踏み面の裏側から支持する複数個の感圧センサとを有し、前記複数個の感圧センサの相対位置と個々の感知圧力とから前記ペダルに対する運転者の足の当り位置を検出するようになっていてよい。
【0013】
或いはまた、上記のいずれの場合にも、前記ペダルは、踏み足を受ける踏み面に分散して配置された複数個の感圧センサを有し、前記複数個の感圧センサのどれが感圧するかによって前記ペダルに対する運転者の足の当り位置を検出するようになっていてよい。
【0014】
或いはまた、上記のいずれの場合にも、前記ペダルは、踏み足を受ける踏み面を複数の領域に分けてその各々の領域を呈する複数の板部材と、該板部材の各々を前記踏み面の裏側から支持する複数個の感圧センサとを有し、前記複数個の感圧センサのいずれが圧力を感知するかによって前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記複数の領域のいずれにあるかを検出するようになっていてよい。
【発明の効果】
【0015】
上記の如く運転者により足踏み操作されることにより運転指標を調節するペダルを備えた車輌に於いて、ペダルの踏込み度に対応する運転指標をペダルに対する運転者の足の当り位置の差異に応じて修正するようになっていれば、該ペダルの操作により調節される車輌運転指標のペダル踏込み度に対応する変化量を、ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異に拘わらず所定の特性に沿うよう安定させることができる。
【0016】
ペダルが枢軸の周りに回動するペダルであり、ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異はペダルに対する運転者の足の当り位置の枢軸からの距離の差異とされれば、ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異により同じペダル踏込み度に対してペダルの枢軸回りの回動角に生ずる差異を的確に把握することができる。
【0017】
ペダルがアクセルペダルであり、運転指標が車輌駆動源の出力であり、ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じてペダルの回動角に対する車輌駆動源の出力の増大の割合が修正されるようになっていれば、アクセルペダルに対する踏み位置の差異により同じアクセルペダル踏込み度に対して車輌駆動源の出力に差異が生ずることをなくすことができる。
【0018】
ペダルがブレーキペダルであり、運転指標が車輌制動装置の制動力であり、ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離応じてペダルの回動角に対する制動力の割合が修正されるようになっていれば、ブレーキペダルに対する踏み位置の差異により同じブレーキペダル踏込み度に対して車輌制動力に差異が生ずることをなくすことができる。
【0019】
ペダルがクラッチペダルであり、運転指標がクラッチの解除であり、ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じてペダルの回動角に対するクラッチ解除度の割合が修正されるようになっていれば、クラッチペダルに対する踏み位置の差異により同じクラッチペダル踏込み度に対してクラッチ解除度に差異が生ずることをなくすことができる。
【0020】
ペダルが、踏み足を受ける踏み面を呈する板部材と、該板部材の両端部を前記踏み面の裏側から支持する複数個の感圧センサとを有し、前記複数個の感圧センサの相対位置と個々の感知圧力とからペダルに対する運転者の足の当り位置を検出するようになっていれば、後程実施例について説明する通り、踏み足を受けるペダルの踏み面全体を1枚の板部材により構成し、前記複数個の感圧センサとして4個程度の感圧センサを用いることにより、踏み面のどの位置が踏まれたかを的確に検出することができる。
【0021】
ペダルが、踏み足を受ける踏み面に分散して配置された複数個の感圧センサを有し、前記複数個の感圧センサのどれが感圧するかによってペダルに対する運転者の足の当り位置を検出するようになっていれば、数としては比較的多数の感圧センサを必要とするが、この場合の個々の感圧センサはそこに足が当っているか否かの判別さえできればよいので、感圧の精度はさして高くなくてもよく、適正なコストの範囲で踏み面のどの位置が踏まれたかを的確に検出することができる。
【0022】
ペダルが、踏み足を受ける踏み面を複数の領域に分けてその各々の領域を呈する複数の板部材と、該板部材の各々を前記踏み面の裏側から支持する複数個の感圧センサとを有し、前記複数個の感圧センサのいずれが圧力を感知するかによってペダルに対する運転者の足の当り位置が前記複数の領域のいずれにあるかを検出するようになっていれば、例えばペダルの足踏み面をペダルの長手方向に沿って3つの領域に分け、ペダルの踏み位置が概略ペダル長手方向の一端部にあるか、中程にあるか、他端部にあるかを判別し、ペダル踏み位置に対する修正を3つの選択肢のうちから一つを選択するような制御とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】足踏みペダル(例えばアクセルペダル)が車輌の前後方向に見た後端部或は上下方向に見た下端部にて車体のフロア部に枢着されている場合(図A)および車輌の前後方向に見た前端部或は上下方向に見た上端部にて車体のフロントパネル部に枢着されている場合(図B)に本発明による自動修正機能を施す要領を示す概略図。
【図2】ペダルのどの位置が踏まれたかを検出する構造の一つの実施の態様を示すペダルの概略平面図(図A)および感圧センサを横切る概略縦断面図(図B)。
【図3】ペダルのどの位置が踏まれたかを検出する構造の他の一つの実施の態様を示すペダルの概略平面図(図A)および感圧センサを横切る概略縦断面図(図B)。
【図4】ペダルのどの位置が踏まれたかを検出する構造の更に他の一つの実施の態様を示すペダルの概略平面図(図A)および感圧センサを横切る概略縦断面図(図B)。
【図5】足踏みペダルが車輌の前後方向に見た後端部或は上下方向に見た下端部にて車体のフロア部に枢着されている場合に、踏み位置の差異(図AとBの間の差異)によってペダルの枢軸の周りの回動角に差異が生ずることを示す車輌のペダル部の概略図。
【図6】足踏みペダルが車輌の前後方向に見た前端部或は上下方向に見た上端部にて車体のフロントパネル部に枢着されている場合に、踏み位置の差異(図AとBの間の差異)によってペダルの枢軸の周りの回動角に差異が生ずることを示す車輌のペダル部の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、足踏みペダル(例えばアクセルペダル)10が車輌の前後方向に見た後端部或は上下方向に見た下端部にて車体のフロア部12に枢軸14の周りにばね15のばね力に抗して回動可能に枢着されている場合(図A)、および足踏みペダル(同じく例えばアクセルペダル)16が車輌の前後方向に見た前端部或は上下方向に見た上端部にて車体のフロントパネル部18に枢軸20の周りにばね21のばね力に抗して回動可能に枢着されている場合(図B)に、本発明による自動修正機能を施す要領を示す。
【0025】
足踏みペダル10および16には、それぞれその足踏み面に、以下に図2〜4を参照して説明する実施例による如き踏み位置検出手段22および24が組み込まれており、矢印にて示す足踏み位置が枢軸14または20から隔てる距離Laが検出されるようになっている。そして、足踏みペダルの枢着部に組み込まれた図には示されていない適当な回動角検出手段により検出された足踏みペダル10または16の枢軸14または20の周りの回動角θpと、踏み位置検出手段22または24により検出されたペダル上の踏み位置Laを示す信号は、車輌の電子制御装置の一部に組み込まれたペダル出力信号処理手段26により、各ペダルについて予め定められた標準踏み位置が各枢軸より隔てる距離Lsを参照して、ペダルの踏込み度がその踏込み反力によって感知されるようになっている場合にはθpLs/Laとして、またペダルの踏込み度がその踏込み深さによって感知されるようになっている場合にはθpLa/Lsとして修正処理され、ペダル踏込み角信号θfとして出力されるようになっている。
【0026】
図2は、踏み位置検出手段22または24の一つの実施の態様を示すペダルの概略平面図(図A)およびそこに組み込まれた感圧センサを横切る概略縦断面図(図B)である。この図に示す踏み位置検出手段は、踏み足を受ける踏み面を呈する長方形の板部材28がその長手方向の両端部をその踏み面の裏側から2対の感圧センサ30、32および34、36によりペダルの本体38に対して支持された構造を有している。この場合、ペダルが足踏みされることより感圧センサ30〜36が感知する圧力をそれぞれP1〜P4とし、Pu=P1+P2、Pd=P3+P4とし、感圧センサ対30、32と感圧センサ対34、36の間の距離をLtとし、枢軸14または20に近い側の感圧センサ対34、36が枢軸より隔てる距離をLbとすると、矢印にて示す踏み位置が感圧センサ対34、36より隔てる距離LxはLtPd/(Pu+Pd)として算出されるので、図1に示すLaはLx+Lbとして得られる。
【0027】
図3は、踏み位置検出手段22または24の他の一つの実施の態様を示すペダルの概略平面図(図A)およびそこに組み込まれた感圧センサを横切る概略縦断面図(図B)である。この図に示す踏み位置検出手段は、踏み足を受ける踏み面40に分散して配置された複数個の感圧センサ42を有し、これら複数個の感圧センサ42のどれが感圧するかによってペダルに対する運転者の足の当り位置を検出する。
【0028】
図4は、踏み位置検出手段22または24の更に他の一つの実施の態様を示すペダルの概略平面図(図A)およびそこに組み込まれた感圧センサを横切る概略縦断面図(図B)である。この図に示す踏み位置検出手段は、踏み足を受ける踏み面を複数(この実施例では3つ)の領域S1、S2、S3に分け、その各々の領域を呈する複数の板部材44、46、48が踏み面の裏側からそれぞれ感圧センサ50、52、54によりペダルの本体56に対し支持された構造を有している。かかる構造では、感圧センサ50、52、54のいずれが圧力を感知するかによってペダルに対する運転者の足の当り位置が複数の領域S1、S2、S3のいずれにあるかを検出する。
【0029】
以上に於いては本発明をいくつかの実施の形態ついて詳細に説明したが、これらの実施の形態ついて本発明の範囲内にて種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかだろう。
【符号の説明】
【0030】
1…ペダル、2…車体のフロア部、3…枢軸、4…ペダル、5…車体のフロントパネル部、6…枢軸、7、8…ばね、10…ペダル、12…車体のフロア部、14…枢軸、15…ばね、16…ペダル、18…車体のフロントパネル部、20…枢軸、21…ばね、22、24…踏み位置検出手段、26…ペダル出力信号処理手段、28…板部材、30〜36…感圧センサ、38…ペダルの本体、40…踏み面、42…感圧センサ、44〜48…板部材、50〜54…感圧センサ、56…ペダルの本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者により足踏み操作されることにより運転指標を調節するペダルを備えた車輌にして、前記ペダルの踏込み度に対応する前記運転指標を前記ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異に応じて修正するようになっていることを特徴とする車輌。
【請求項2】
前記ペダルは枢軸の周りに回動するペダルであり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置の差異は前記ペダルに対する運転者の足の当り位置の前記枢軸からの距離の差異であることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
【請求項3】
前記ペダルはアクセルペダルであり、前記運転指標は車輌駆動源の出力であり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じて前記ペダルの回動角に対する車輌駆動源の出力の増大の割合が修正されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車輌。
【請求項4】
前記ペダルはブレーキペダルであり、前記運転指標は車輌制動装置の制動力であり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じて前記ペダルの回動角に対する制動力の割合が修正されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車輌。
【請求項5】
前記ペダルはクラッチペダルであり、前記運転指標はクラッチの解除であり、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢軸より隔たる距離に応じて前記ペダルの回動角に対するクラッチ解除度の割合が修正されるようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車輌。
【請求項6】
前記ペダルは、踏み足を受ける踏み面を呈する板部材と、該板部材の両端部を前記踏み面の裏側から支持する複数個の感圧センサとを有し、前記複数個の感圧センサの相対位置と個々の感知圧力とから前記ペダルに対する運転者の足の当り位置を検出するようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車輌。
【請求項7】
前記ペダルは、踏み足を受ける踏み面に分散して配置された複数個の感圧センサを有し、前記複数個の感圧センサのどれが感圧するかによって前記ペダルに対する運転者の足の当り位置を検出するようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車輌。
【請求項8】
前記ペダルは、踏み足を受ける踏み面を複数の領域に分けてその各々の領域を呈する複数の板部材と、該板部材の各々を前記踏み面の裏側から支持する複数個の感圧センサとを有し、前記複数個の感圧センサのいずれが圧力を感知するかによって前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記複数の領域のいずれにあるかを検出するようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車輌。
【請求項9】
枢着部にて車体に対し枢動可能に装着され、運転者の足により踏み込まれるにつれて前記枢着部の周りに回動して車輌駆動源の出力を増大させるアクセルペダルを備えた車輌にして、前記ペダルに対する運転者の足の当り位置が前記枢着部から隔たる距離に応じて前記枢着部周りの前記ペダルの回動に対する前記車輌駆動源の出力の増大の割合が修正されるようになっていることを特徴とする車輌。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−170457(P2011−170457A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31708(P2010−31708)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】