説明

ペット用植物

【課題】 ペットの整腸効果を有するスプラウトを容器内で水耕栽培して、ペットに与える。
【解決手段】 ペットの整腸効果を有するスプラウトを容器内で水耕栽培する。スプラウトとして、エン麦のスプラウトやイタリアンライズグラスのスプラウトが該当する。又、酢、ビタミン、ミネラル、漢方薬品のようなペットの健康に良い者を混入した水で水耕栽培することによって、ペットに栄養等を与えることができる。又、押さえ部材を備えることで、容器内からスプラウトが外部へ飛び出ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用植物に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、犬や猫は、自分の体をなめる習性があり、この時、同時に体毛や汚物を飲み込み、その結果、胸やけや胃腸障害を起こし易い。この場合、犬や猫は、本能的に草を食べて胃を刺激させることで、飲み込んだ体毛や毒気を草と一緒に吐き出して自分の胃の健康を守っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、近年、自然の植物が少なくなって、周囲に、適当な植物が見当たらない場合が多くなってきた結果、ペット愛好家等からは、犬や猫等のペットに草を容易に与えることができるようにする対策が望まれている。
【0004】
ペットに関する発明として、特許文献1等が提案されているが、犬や猫等のペットに草を容易に与えることができるようにした発明は先に提案されてはいなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2007−82721号公報
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題を解決するためになされたもので、犬や猫等のペットに整腸効果の高い植物を容易に与えることができるようにしたペット用植物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、容器と、容器内に収容された水と、容器内において水耕栽培された、ペットの整腸効果を有するスプラウトとから構成されたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スプラウトは、エン麦のスプラウトであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スプラウトは、イタリアンライズグラスのスプラウトであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スプラウトは、エン麦のスプラウト、及びイタリアンライズグラスのスプラウトであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記水内には、ペットの健康を促進するための酢、ビタミン、クロレラ等のペット用健康飲料水、健康促進粒剤、又は漢方薬品等の何れかを混入したことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、
前記容器に押さえ部材を設け、押さえ部材には、前記スプライトが挿通する複数の孔が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ペットの整腸を整えることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、エン麦がペットの整腸を整えることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、イタリアンライズグラスがペットの整腸を整えることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、エン麦のスプラウト、及びイタリアンライズグラスのスプライトがペットの整腸を整えることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、スプラウトを食べたペットは、酢、ビタミン、クロレラ等のペット用健康飲料水、健康促進粒剤、又は漢方薬品等を吸収することで、健康の促進を図ることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、押さえ部材が、保水材の浮き上がりを押さえることによって、保水材及びスプライトを容器内に安定的に収容することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は容器内において、水耕栽培されているペット用植物の全体図を示す。容器1は、樹脂によって、上面が開口2した透明の有底状に形成されている。容器1の底3の外面には、両面テープ4等が設けられていることによって、容器1は、床等に固定できるようになっている。
【0020】
前記容器1内の底には、スポンジ、ロックウール、ウレタン、ハイドロボール等の保水材5が設けられて、水耕栽培用の水を保水できるようになっている。
【0021】
前記水は、真水であっても良いが、ペットの健康を促進するための酢、ビタミン、クロレラ等のペット用健康飲料水、健康促進粒剤、又は漢方薬品等の薬品を混入させることができる。これらの成分は、水に予め混入させても良いが、錠剤の状態で徐々に水内に溶け込むようにしても良い。
【0022】
前記保水材5の上には、エン麦、イタリアンライズグラス等の種子が蒔かれている。
ペット用植物は、水耕温室栽培されることで、周年出荷することができる。
【0023】
前記容器1内には、押さえ部材6が設けることができるようになっている。押さえ部材6には、複数個の孔7が開けられている。押さえ部材6は、容器1内に設けられた前記保水材6から若干の隙間を空けて上位に設けられている。押さえ部材6を容器内に位置決めする手法として、種々の手法が考えられる。
【0024】
次に、前記押さえ部材6を容器1内に位置決めするための一例を図1を用いて説明する。容器1は、例えば、上側から下側へ向けて順次、先細状に形成されることによって、容器1の横断面は下方へ進むに従って、順次小さくなっている。押さえ部材6は、容器1の横断面の形状と同形に形成されている。又、押さえ部材6の大きさは、容器1内に設けられた保水材5の位置よりも若干、上位の位置で容器を横断面にした大きさと同じ大きさとすることによって、図1中、矢印で示すように、押さえ部材6を容器1内に上から押し込むと、押さえ部材6は、保水材5よりも若干上位の位置で停止して位置決めされることなる。
【0025】
次に、作用について説明する。保水材5の上面に蒔かれた種子から発芽したエン麦、イタリアンライズグラス等のスプライトSは、押さえ部材6の孔7を挿通して成長する。この際、スプライトSは、水のみによって成長することができるが、水中に混入されている酢、ペット用健康飲料水、健康促進剤、漢方薬品、ビタミン、クロレラ等を吸収することで、スプライトS自体がペットの健康促進に好ましいものとなっている。このために、犬や猫等のペットは、エン麦、イタリアンライズグラス等のスプライトSを食べることで、胃を刺激して、胃内に飲み込まれている体毛や汚物を吐き出すことができる上に、スプライトS自体の栄養を吸収することで、健康の促進を図ることができる。
【0026】
以上のように、ペット用植物は容器1内で育成されているために、家庭で飼われているペットに容易に与えることができて、ペットの健康の促進に役立つことができる。
【0027】
特に、エン麦やイタリアンライズグラスはペットの整腸効果を有するために、ペットが、エン麦やイタリアンライズグラスを食べることで、腸の調子が整えられる。
【0028】
以上のように、ペット用植物は水耕栽培されるために、ペットがスプライトSを食べる際に、土等が周囲へ飛び散ることも無く、周囲を清潔に保つことができる。又、押さえ部材6が、保水材5の浮き上がりを防止することで、保水材5及びスプラウトSが容器1外へ飛び出して周囲を汚すことがない。
【0029】
図2は、第2実施形態を示す。図2に示す押さえ部材6は、枠状に形成されている。図2に示すように、この押さえ部材6は容器1内に配置された状態において、保水材5の周囲を下方へ押さえ付けることで、保水材5が浮き上がらないようになっている。
【0030】
図3は、第3実施形態を示す。図3に示すように、枠状の押さえ部材6が、容器1の開口に取り付けられるものである。押さえ部材6の周囲には複数の凹部8が設けられて、輪ゴムGを位置ずれしないようにして配置できるようになっている。輪ゴムGは図示のように、縦横に設けられることで、ペットがスプライトSを食べる際にスプライトSを上方へ引っ張ったとしても、スプライトSが容器1内から容器1外へ飛び出すことが無い。尚、このように、容器1の開口2に押さえ部材6を設けた場合には、容器1の底に設けられた押さえ部材6を省略することができる。
【0031】
図4は、第4実施形態を示す。図4に示すように、押さえ部材6を、容器1の蓋とした場合を示す。この実施形態においては、押さえ部材6の孔9を挿通して、スプラウトSが成長することができる。又、押さえ部材6が容器1の蓋としての役割を果たすために、容器1内へ埃等が侵入する事態を抑制することができる。
【0032】
図5は、第5実施形態を示す。同図5(a)に示すように、容器1には複数の位置に波線Hが設けられている。容器1は、波線Hの位置で容易に切断できる構造になっている。同図5図(b)は、上側の波線Hの位置で容器1を切断した状態を示す。このように、容器1を複数の位置で容易に切断できるようにすることによって、ペットがスプライトSを食べることで、スプライトSの背丈が徐々に低くなっても、ペットがスプライトSを食べ易くすることができる。
【0033】
図6は、第6実施形態を示す。図6は、容器として袋Fを用いた状態を示す。袋Fの底面に板等を用いることで、袋F自体が立っている状態を保つようにすることもできる。
【0034】
図7は第7実施形態を示す。図7は、容器1内に保水材を設けない状態を示す。この第7実施形態においては、スプラウトSの根同士が絡み合うことで、水を保水することができる。
【0035】
図8は、ペット用植物を4個束ねた状態を示す。又、図9は、ペット用植物を2個上下に重ねた状態を示す。このように、複数個のペット用植物を束ねることで、ペット用植物を販売し易くすることができる。
【0036】
以上の説明においては、容器1として、横断面が角形の容器を用いて説明したが、図10に示すように、容器1の横断面が円形の容器や、図11に示すように、容器1の横断面が三角形の容器を用いることもできる。又、容器1の形状として植木鉢型の容器を用いることも可能である。
【0037】
又、ペット用植物の容器1の周面に、またたびの粉を備えることで、猫の興味をペット用植物に引き付けることによって、猫がペット用植物を食べ易くすることができる。
【0038】
更に、ペット用植物の水内に殺菌剤を混入することで、水内の雑菌の繁殖を抑えて、ペットの健康を阻害しないようにしたり、雑菌の繁殖に伴って発生しやすい腐敗臭をおさえることができる。
【0039】
更に又、以上の実施形態においては、エン麦、イタリアンライズグラスを水耕栽培した場合について説明したが、犬や猫等のペットの好む他の植物、例えば、芽だし麦、芽だし芝等のグレインスプラウト等を水耕栽培して、犬や猫等のペットに与えることもできる。
【0040】
又、本実施形態においては、スプラウトSを用いることで、ペットに植物の栄養を十分に与えることができる。つまり、通常の野菜は、収穫直後から栄養成分が減少し始めるが、スプラウトSは生きた状態が維持するために、ペットに生きた植物の栄養成分を十分に与えることができる。
【0041】
又、エン麦やイタリアンライズグラスに、臭い消しの効果を有する植物等を混入することで、ペットの食欲を増進させることができ、更には、果実等を混入させることも可能である。
【0042】
前述したペット用植物は、ホームセンター、スーパーマーケット等の小売店の切り花、園芸、ペットコーナーやペットショップ、動物病院等で販売したり、通信販売のカタログ等で販売することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、第1実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、第2実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、第3実施形態の斜視図である。
【図4】図4は、第4実施形態の斜視図である。
【図5】図5は、第5実施形態の斜視図である。
【図6】図6は、第6実施形態の斜視図である。
【図7】図7は、第7実施形態の斜視図である。
【図8】図8は、第8実施形態の斜視図である。
【図9】図9は、第9実施形態の斜視図である。
【図10】図10は、第10実施形態の斜視図である。
【図11】図11は、第11実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 容器
5 保水部材
6 押さえ部材
S スプラウト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、容器内に収容された水と、容器内において水耕栽培された、ペットの整腸効果を有するスプラウトとから構成されたことを特徴とするペット用植物。
【請求項2】
前記スプラウトは、エン麦のスプラウトであることを特徴とする請求項1に記載のペット用植物。
【請求項3】
前記スプラウトは、イタリアンライズグラスのスプラウトであることを特徴とする請求項1に記載のペット用植物。
【請求項4】
前記スプラウトは、エン麦のスプラウト、及びイタリアンライズグラスのスプラウトであることを特徴とする請求項1に記載のペット用植物。
【請求項5】
前記水内には、ペットの健康を促進するための酢、ビタミン、クロレラ等のペット用健康飲料水、健康促進粒剤、又は漢方薬品等の何れかを混入したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のペット用植物。
【請求項6】
前記容器に押さえ部材を設け、押さえ部材には、前記スプライトが挿通する複数の孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のペット用植物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−165436(P2009−165436A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9335(P2008−9335)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(506401820)株式会社ジャパンプランツ (10)
【Fターム(参考)】