説明

ペプチド誘導体

【課題】優れた鎮痛作用を有し、その作用の持続性に優れた新規なオピオイド様ペプチド誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(1)


で表されるペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩。(式中、アルギニン残基はD体であり、チロシン残基および2’,6’−ジメチルフェニルアラニン残基はL体であり、Xは水酸基またはアミノ基を表す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた薬理作用を有する新規なペプチド誘導体に関し、特にオピオイド受容体等に対する作用を介して鎮痛等の薬理作用を発揮する鎮痛剤、癌疼痛剤等として有用である。
【背景技術】
【0002】
従来から、オピオイド受容体の作用物質として、モルヒネが知られている。オピオイド受容体は、μ、δおよびκの3種に大別されているが、モルヒネは主にμ受容体にアゴニストとして作用し、鎮痛、腸管運動抑制、呼吸抑制等の薬理作用を発現する。このように生体の神経系に作用してモルヒネ様の麻酔、鎮痛作用を発現する物質は、一般にオピオイドペプチドと総称されている。
【0003】
オピオイドペプチドの薬理作用は基本的にはモルヒネと同様と考えられ、元来生体内に存在する物質であることから、モルヒネ以上の安全性を有する薬剤となる可能性が予想される。内因性オピオイドペプチドの構造中に含まれるフェニルアラニン(Phe)およびチロシン(Tyr)などの芳香族アミノ酸はオピオイドペプチドの薬理活性および受容体相互作用において重要な役割を担うことから、それらに着目したオピオイド性ペプチドリガンドの開発と構造活性相関についての研究が盛んに行なわれている。その中でも、近年、Pheの類似体である2’6’−ジメチルフェニルアラニンが種々のオピオイド性ペプチドリガンドの開発研究に多く利用されている(例えば、非特許文献1〜7参照)。
【0004】
一方、内因性オピオイドペプチドであるデルモルフィン(dermorphin)が、1981年イタリアのErspamerらにより南アフリカ産amphibian genus Phyllomedusa (メズサアマガエル)の皮膚より単離された。デルモルフィンは、自然界では細菌以外には存在しないと言われてきたD体アミノ酸のD−アラニンをN端から2番目に含有するヘプタペプチドで、内因性オピオイドペプチドに特異的なN末端アミノ酸配列を含まず、C末端にはアミノ基を有している(例えば非特許文献8および9参照)。
【0005】
デルモルフィンが単離・同定されて以来、その薬理学的作用について数多くの報告がなされている。デルモルフィンは、ラット脳室内投与においてhot−plate法ではモルヒネの2000倍、Tail−flick法では770倍もの抗侵害活性を示すことが報告されており、モルヒネに比べ極めて強い抗侵害活性を有する(例えば非特許文献10および11参照)。また、マウス皮下投与においてtail−flick法ではモルヒネのED50値が10.8μmol/kgであるのに対してデルモルフィンのED50値は2.8μmol/kgであることから、デルモルフィンは、他のオピオイドペプチドと異なり、中枢のみならず、末梢投与においてもモルヒネより強い抗侵害作用を有しているとされる。さらに、脳のオピオイド受容体に対する結合実験においてもモルヒネおよびTyr−D−Ala−Gly−MePhe−Gly−ol(DAMGO)よりもμ受容体に対して高い親和性を有することが報告されている(例えば非特許文献12参照)。
【0006】
デルモルフィンの構造活性相関において、その抗侵害活性発現に必要な最小活性構造とされるN端のテトラペプチド(Tyr−D−Ala−Phe−Gly)のアナログ体が数多く合成され、その後、D−体のアミノ酸を含む合成オピオイドペプチドが、特にκ受容体選択性の高い合成オピオイドペプチドが麻薬性のない鎮痛薬として期待されている。しかしながら、その有効性、κアゴニストであることに起因すると思われる副作用、及び採算性の面で医薬品としての可能性は疑問視されている。
【0007】
また、近年では、N末端にアミジノ基を有するL−Tyr−(L又はD)−Arg−Pheを基本骨格とするオリゴペプチド誘導体やN−末端がアルキル化されたL−チロシン−D−アルギニン−フェニルアラニン−N−メチル−β−アラニンを基本骨格とするオリゴペプチド誘導体が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
【0008】
【特許文献1】国際公開第95/24421号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/10261号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/10262号パンフレット
【特許文献4】国際公開第00/12539号パンフレット
【非特許文献1】Suzuki K.ら, Chem. Pharm. Bull., 33, 4865-4869 (1985)
【非特許文献2】Chandrakumar N. S.ら、J. Med. Chem., 35, 223-233 (1992).
【非特許文献3】Sasaki Y.ら、Chem. Pharm. Bull., 47, 1506-1509 (1999)
【非特許文献4】Ambo A.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 13, 1269-1272 (2003)
【非特許文献5】Sasaki Y.ら、Bioorg. Med. Chem., 11, 675-678 (2003)
【非特許文献6】Ambo A.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 12, 879-881 (2002)
【非特許文献7】Sasaki Y.ら、Biol. Pharm. Bull., 27, 244-247 (2004)
【非特許文献8】Montecucchi P. C.ら、Int. J. Pept. Prot. Res., 17, 275-283. (1981)
【非特許文献9】溝口広一, 櫻田忍, 長瀬博, 緩和医療学, 4, 32-38 (2002)
【非特許文献10】Broccardo M.ら、Br. J. Pharmacol., 73, 625-631 (1981)
【非特許文献11】De Castiglione R.ら、Peptides, 2, 265-269 (1981)
【非特許文献12】Rossi A. C.ら、Peptides, 7, 755-759 (1986)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらのペプチド誘導体は、経口吸収性、経皮吸収性には優れているものの、鎮痛作用の持続性の点で十分とは言えない。そこで、本発明の目的は、優れた鎮痛作用を有し、その作用の持続性に優れた新規なオピオイド様ペプチド誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、デルモルフィンのN端テトラペプチドの2位のアミノ酸をD−アルギニンで置換したペプチド誘導体、Tyr−D−Arg−Phe−N−Me−βAlaに着目し、化学構造と抗侵害作用との関係について鋭意研究を重ねた結果、3位のPheをL−2’6’−ジメチルフェニルアラニンに置換した新規ペプチド誘導体が、所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)下記式(1)
【化2】


(式中、アルギニン残基はD体であり、チロシン残基および2’6’−ジメチルフェニルアラニン残基はL体であり、Xは水酸基またはアミノ基を表す)で表されるペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩、
(2)Xがアミノ基である請求項1記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩、
(3)上記(1)又は(2)記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する鎮痛剤、
に関する。
【0012】
本発明のペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩は、優れた鎮痛作用を有し、医薬、特に鎮痛剤の有効成分として有用である。本発明のペプチド誘導体等は、モルヒネに比し、鎮痛作用の持続時間が長いため、既知のオピオイドペプチドの代替薬としての利用が期待される。また、X1が水酸基である本発明のペプチド誘導体は、モルヒネに比べ、より短時間に鎮痛作用を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
本発明のペプチド誘導体は、L−チロシン(Tyr)、D−アルギニン(D−Arg)、L−2’,6’−ジメチルフェニルアラニン(L−2’,6’−Dmp)およびβ−アラニン(β−Ala)から構成され、β−Alaのアミノ基にメチル基を有するテトラペプチドであり、下記式(1)
【化3】


で表される(以下、式(1)で表されるペプチド誘導体のうち、Xが水酸基のものを「Tyr−D−Arg−L−2’,6’−Dmp−Me−β−Ala−OH」、Xがアミノ基のものを「Tyr−D−Arg−L−2’,6’−Dmp−Me−β−Ala−NH」ということがある)。式(1)中、アルギニン残基はD体であり、チロシン残基および2’6’−ジメチルフェニルアラニン残基はL体である。また、Xはアミノ基または水酸基であり、鎮痛作用の持続時間が長いという点でアミノ基がより好ましい。
【0015】
本発明のペプチド誘導体の薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられ、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの塩基性あるいは酸性アミノ酸といったアミノ酸塩が挙げられる。また、本発明には、上記薬学的に許容される塩の水和物、又はエタノール和物等の溶媒和物も含まれる。好ましい塩としては、例えば、塩酸塩などが挙げられる。
【0016】
本発明のペプチド誘導体は、例えば、「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会社)、M.Bondanszky,et al.,“Peptide Synthesis”,John Wiley & Sons,N.Y.,(1976)並びにJ.M.Stewart and D.J.Young,“Solid Phase Peptide Synthesis”,W.H.Freeman and Co.,San Francisco,(1969)等に記載されている一般的なペプチド合成法により製造することができる。具体的には、ペプチド液相合成法またはペプチド固相合成法を用いてペプチドカルボキシル末端より順次アミノ酸の縮合反応を行うことにより本発明のペプチド誘導体を製造することができる。また、前記合成法により目的のペプチドの断片を製造した後、これらを前記合成法により本発明のペプチド誘導体を製造してもよい。
【0017】
前記合成法に用いるアミノ酸およびアミノ酸誘導体としては、これらのアミノ基が、t−ブチルオキシカルボニル基(Boc)や9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)などの保護基で保護されているものが好ましい。また、用いるアミノ酸等の側鎖官能基はそれぞれ好ましい保護基で保護されているものが好ましい。これらアミノ酸側鎖保護基としては、例えば、t−ブチルオキシカルボニル基(Boc)、t−ブチル基(tBu)、トリチル基(Trt)、ベンジル基(Bzl)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマンスルフォニル基(Pmc)等が挙げられる。
【0018】
ペプチド結合を形成するための縮合剤としては、例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(pyBOP)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート等が挙げられる。また、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)と上記縮合剤を好ましい割合で混合して用いてもよい。
【0019】
また、ペプチド結合の形成にはカルボキシル末端を活性化してもよく、その活性化剤としては、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、p−ニトロフェニルエステルやペンタフルオロフェニルエステル等が挙げられる。ペプチド結合を形成する際に用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)等が挙げられ、ペプチド結合形成反応に用いる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド等が例示できる。
【0020】
ペプチドまたはアミノ酸のアミノ末端アミノ基の保護基であるBocおよびFmocは、それぞれトリフルオロ酢酸(TFA)またはピペリジンにより除去することができる。ペプチドのアミノ酸残基の側鎖官能基の保護基は、例えば、TFA、フッ化水素(HF)、トリフルオロメタンスルホン酸などにより除去することができる。
【0021】
また、ペプチド固相合成法において、ペプチドまたはアミノ酸残基の側鎖官能基に保護基が付いているペプチドをペプチド固相合成樹脂より脱離させる方法としては、例えば、TFAが用いられる。ペプチド固相樹脂からのペプチドの脱離と、アミノ酸残基の側鎖官能基の保護基の脱離は、それぞれ同一反応系内で同時に行うこともできる。あるいは、それぞれ独立に行うこともできる。ペプチド固相合成用のペプチド固相合成樹脂としては、例えば、4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸−ベンズヒドリルアミン−ポリスチレン樹脂、p−ベンジルオキシベンジルアルコール−ポリスチレン樹脂やオキシム樹脂などの通常市販されているものを用いることができる。
【0022】
目的のペプチド誘導体またはその中間体は、例えば、イオンクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、再結晶、抽出、分別結晶化など、種々の方法により単離、精製を行うことができる。また、こうして得られた目的化合物である本発明のペプチド誘導体は、常法によってそれぞれの塩に変換できる。
【0023】
本発明のペプチド誘導体およびその薬学的に許容される塩は、オピオイド受容体に対する特異的親和性を有しているため、優れた鎮痛作用のみならず、種々のモルヒネ様生理活性を発現しうる。すなわち、オピオイド受容体を経由して発現する種々の中枢性および末梢性応答、例えば麻酔、鎮静、呼吸、脈動、消化管機能、ホルモン分泌調節、心筋収縮調節などに生理学的作用を発現しうる。なお、本発明の適用対象はこれらに限定されない。
【0024】
本発明のペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩は、医薬として有用であり、例えば、鎮痛剤、癌疼痛剤、鎮痛麻酔剤、催眠剤、抗健忘剤、抗不安剤、消化管ホルモン促進剤、電解質吸収促進剤、腸管ぜん動抑制による下痢改善剤等の有効成分として利用することができ、特に鎮痛剤、癌疼痛剤の有効成分として有用である。
【0025】
上記薬剤は、一般的な医薬製剤の形態で用いられ、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤等を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態が使用目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)および坐剤等が挙げられる。
【0026】
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来から知られている各種のものを広く使用することができる。その例としては、例えば乳糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロピルアルコール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、カルメロースカルシウム、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用することができる。さらに錠剤については、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶性被包錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることができる。
【0027】
丸剤の形態に成形するに際しては、担体として従来この分野で公知のものを広く使用できる。その例としては、例えば結晶セルロース、乳糖、デンプン、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン等の結合剤、カルメロースカルシウム、カンテン等の崩壊剤等が挙げられる。
【0028】
カプセル剤は、常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して、硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
【0029】
注射剤として調製する場合、液剤、乳剤および懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であることが好ましく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているもの、例えば水、エタノール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用することができる。この場合等張性の溶液を調製するのに必要な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0030】
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用することができる。その例としては、例えば半合成グリセライド、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0031】
さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有させることもできる。本発明のこれらの医薬製剤中に含有されるべき有効成分の量は、特に限定されずに広範囲から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約0.001〜50重量%、好ましくは約0.01〜50重量%とするのがよい。
【0032】
上記薬剤の投与方法には特に制限はなく、各種製剤の形態、患者の性別、年齢、疾患の程度およびその他の条件により適宜選択される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与され、注射剤の場合は、単独でまたはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、点鼻剤や鼻腔内スプレー剤として調製された場合には、鼻腔内投与され、さらに必要に応じて単独で筋肉内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合は直腸内投与される。
【0033】
上記薬剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度およびその他の条件により適宜選択されるが、通常、有効成分化合物の量として、1日当たり2〜500mg/kg程度が好ましく、5〜50mg/kgがより好ましい。
【実施例】
【0034】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、本発明は、かかる実施例、製造例に限定されるものではない。
【0035】
下記参考例および実施例において、赤外線吸収スペクトル(IR)は、Perkin−Elmer Spectrum One(FT−IR)を用いて測定した。水素および炭素核磁気共鳴スペクトル(H−NMRおよび13C−NMR)は、JEOL JNM−EX270(1H:270MHz、13C:67.8MHz)を使用し、化学シフトはテトラメチルシラン((CHSi)を内部標準として、(CHSiからのppmで示した。各シグナルの分裂様式は、次の略語を使用した。s=singlet、br s = broad singlet、d = doublet、dd = doublet of doublet、t = triplet、m = multiplet。結合定数(J)はHzで示した。質量分析スペクトル(MS)は、日本電子製JMS−DX303/JMA−DA5000 SYSTEM highresolusion mass spectrometerを用いて測定した。元素分析は、Perkin−Elmer2400 CHN Elemental Analyzerを用いて測定した。旋光度は、JASCO P−1020旋光度計を用いて測定した。カラムクロマトグラフィーは、Merck Silica Gel 60(230−400mesh)を用いて行なった。
【0036】
(参考例1)
N−tert−ブトキシカルボニル−L−2’,6’−ジメチルフェニルアラニンの合成
(1)(S)−Gly−Ni(II)−BPBの合成
(S)−2−[N−(N−ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノン(BPB)(9.6g、25mmol)、Ni(NO・6HO(14.5g、50mol)、グリシン(9.4g、13mmol)のメタノール溶液(175mL)に水酸化カリウム(9.8g、15mmol)のメタノール溶液(40mL)をアルゴン気流下、40−50℃で加え、55−65℃で1時間攪拌した。反応液を酢酸で中和した後、水(380mL)を加え、室温に2時間放置した。その溶液にトリクロロメタンを加えて分液し、水層をトリクロロメタンで抽出した。トリクロロメタン層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥ろ過後, 溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トリクロロメタン:アセトン=5:1)に付し、(S)−Gly−Ni(II)−BPB(11.06g、96%)を得た。
【0037】
融点:217-219℃(エタノール). [a]D12 +2219°(c = 1.1 メタノール中) , [lit.24[a]D25 +2006°(c = 0.1 メタノール中)].
1H-NMR (CDCl3) d : 2.02-2.20 (2H, m), 2.38-2.60 (2H, m), 3.26-3.40 (1H, m), 3.47 (1H, dd, J = 5.44, 10.7 Hz), 3.63-3.75 (4H, m), 4.49 (1H, d, J = 12.5 Hz), 6.70 (1H, t, J = 8.16 Hz), 6.81 (1H, dd, J = 1.73, 8.16 Hz), 6.97-7.18 (1H, m), 7.18-7.34 (2H, m), 7.38-7.57 (5H, m), 8.07 (2H, d, J = 6.93 Hz), 8.29 (1H, d, J = 8.74 Hz).
MS m/z: 497 (M+). HRMS calcd for C27H25N3O3Ni : 497.1249, Found: 497.1175.
【0038】
(2)(S)−Gly−Ni(II)−BPBと2’,6’−ジメチルベンジルブロミドとの反応
粉末状水酸化ナトリウム(2.0g、50mmol)の無水DMF懸濁溶液(10mL)に、前記(1)で得た(S)−Gly−Ni(II)−BPB(2.5g、5mmol)を加え、アルゴン気流下、室温で1.5時間攪拌した。反応液に2’,6’−ジメチルベンジルブロミド(1.1g、5.5mmol)の無水DMF溶液(10mL)を加え、室温で5分間攪拌した。反応液を氷水(350mL)に注ぎ、沈殿物を得た。ろ取した粉末をトリクロロメタンに溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥ろ過後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン=1:1)に付し、ニッケル(II)錯体のモノアルキル体(収率93%)を得た。
【0039】
融点:123 °C (エタノール) [lit.24, 122-124 °C]. [α]D20 +2803° (c = 1.0 トリクロロメタン中).
IR (KBr) cm-1: 3477, 2968, 1669, 1635, 1164, 1070, 752.
1H-NMR (CDCl3) d: 2.07-2.13 (1H, m), 2.14 (6H, s), 2.24-2.36 (1H, m), 2.57-2.61 (1H, m), 2.64-2.74 (1H, m), 3.50-3.58 (2H, m), 3.52 (1H, d, J = 13.7 Hz), 3.82-4.00 (1H, m), 4.08 (1H, dd, J= 10.4, 14.0 Hz), 4.29 (1H, dd, J = 4.2, 10.1 Hz), 4.41 (1H, d, J = 12.5 Hz), 5.57 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.42 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.55 (1H, dd, J = 14.2, 7.1 Hz), 6.80 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.08-7.15 (2H, m), 7.16-7.25 (4H, m), 7.28-7.39 (4H, m), 8.11 (2H, d, J = 7.3 Hz), 8.19 (1H, d, J= 7.9 Hz).
13C-NMR (CDCl3) d: 20.0, 24.3, 30.7, 37.6, 57.1, 63.0, 70.3, 70.4, 120.6, 123.2, 126.1, 126.9, 127.4, 128.1, 128.4, 128.6, 128.8, 128.8, 128.9, 129.0, 131.4, 132.5, 133.2, 133.3, 133.9, 137.9, 142.3, 171.1, 178.9, 180.0.
MS m/z: 615 (M+).
【0040】
(3)N−tert−ブトキシカルボニル−L−2’,6’−ジメチルフェニルアラニンの合成
前記(2)で得たニッケル(II)錯体のモノアルキル体(2.46g,4mmol)のメタノール溶液(15mL)に70℃で3N塩酸(6mL)のメタノール溶液(6mL)を滴下し、70℃のまま反応液の赤色が消えるまで(約3時間)攪拌した。反応液を室温に戻し、減圧濃縮した。残渣を水(50mL)に溶かし、炭酸ナトリウム(2.65g、25mmol)、ジオキサン(40mL)、(Boc)O(4.4g、20mmol)を順次加え、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水(50mL)とトリクロロメタン(50mL)を加えて分液後、水層をトリクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。溶媒を減圧留去後、残渣をエタノールで再結晶し、(S)−BPB(90−96%)を回収した。水層を20%クエン酸でpH3に調整した後、トリクロロメタン(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トリクロロメタン:メタノール:酢酸=4:1:0.01)に付し、N−tert−ブトキシカルボニル−L−2’,6’−ジメチルフェニルアラニン(収率83%)を得た。
【0041】
融点:134−136℃(ヘキサン−酢酸エチル) [lit., mp 122-124 °C]. [α]D30 -25.2° (c = 1.02 トリクロロメタン中) [lit., [α]D20 -25° (c = 1 トリクロロメタン中)].
IR (KBr) cm-1: 3421, 2981, 1709, 784.
1H-NMR (CDCl3) d : 1.04, 1.35 (9H, s x 2), 2.41 (6H, s), 3.07-3.25 (2H, m), 4.54-4.60 (1H, m), 6.98-7.08 (3H, m), 7.41 (1H, d, J = 7.9 Hz), 12.77 (1H, br s).
13C-NMR (CDCl3) d : 20.3, 27.6, 34.6, 53.9, 81.2, 126.6, 128.4, 134.3, 137.4, 156.5, 175.5.
MS m/z: 293 (M+).
【0042】
〔実施例1〕
(Tyr−D−Arg−L−2’,6’−Dmp−Me−β−Ala−OHの合成)
Gene Therapy (1995), 2, 552−554に記載のFMOCプ口トコルにより、Wang樹脂を用いてPeptide synthesizer SP 650(Labortec AG)上で実施した。加ヒドラジン分解により、樹脂からペプチドを分離した。得られた生成物を脱保護し酸化的環化に付して、目的のペプチドを得た。精製したペプチドが同質であることは、分析的RPHPLCにより確認し、分子量はISPにより598.3[M+H]と決定した(C3043として計算して597.3)。
【0043】
〔実施例2〕
(Tyr−D−Arg−L−2’,6’−Dmp−Me−β−Ala−NHの合成)
各ペプチドは、市販のペプチド合成機(PerSeptive Biosystems社製品、PEPTIDE SYNTHESIZER 9050)を用いて固相合成法(Fmoc法)により合成した。なお、縮合剤としてHATU(Apnlied Biosystems社製品)を使用し、固相合成法に用いた樹脂及びアミノ酸はNOVA biochem社から購入した。アミノ酸配列のC末端をアミド化する場合には、固相担体として「Rink Amide resin(100〜200mesh)」を使用した。
【0044】
次に、上記ペプチド合成機の合成プ口グラムに準じて脱保護基反応及び縮合反応を反復して樹脂に結合するFmoc−アミノ酸からペプチド鎖を伸長していき、目的の合成ペプチドを得た。具体的には、20%ピペリジン/ジメチルホルムアミド(DMF)(関東化学社製品ペプチド、合成用グレード)によって、アミノ酸のアミノ保護基であるFmocを切断除去し、DMFで洗浄し、Fmoc−アミノ酸(−OH)各4eqを反応させ、DMFで洗浄する操作を反復した。そして、ペプチド鎖の伸長反応が全て終了した後、20%ピペリジン/DMFによりFmoc基を切断し、DMF、メタノールの順で上記反応物を洗浄した。
【0045】
固相合成後、合成したペプチド鎖を樹脂と共に遠沈管に移し、エタンジオール1.8mL、m−クレゾール0.6mL、チオアニソール3.6mL及びトリフルオロ酢酸24mLを加え、室温で2時間撹拝した。その後、ペプチド鎖に結合していた樹脂をろ過して除去した。次いで、ろ液に冷却エタノールを加え、氷冷水で冷却してペプチド沈澱物を得た。その後、遠心分離(21000rpmで5分間)によって上澄みを廃棄した。沈殿物に冷ジエチルエーテルを新たに加えて十分に撹伴した後、上記と同じ条件で遠心分離を行った。この撹拝と遠心分離の処理を計3回反復して行った。
【0046】
得られたペプチド沈殿物を真空乾燥し、高速液体クロマトグラフ(Waters 600:Waters社製品)を用いて精製を行った。
【0047】
より具体的には、プレカラム(日本ウオーターズ社製品、Guard−Pack Delta−pak C18 A300)及びC18逆相力ラム(日本ウオーターズ社製品、XTerra力ラム、MSC18、5μm、4.6×1100mm)を使用し、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオ口酢酸アセトニトリル溶液との混合液を溶離液に用いた。ここで、溶離液に含まれる上記トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液の分量を経時的に増大させつつ(容積比で10%から80%への濃度勾配を設ける)、1.5mL/分の流速で上記力ラムを用いて30〜40分間の分離精製を行った。なお、逆相力ラムから溶離したペブチドは紫外線検出器(Waters社製品、490E Detector)を用いて波長:220nmで検出され、記録チャート上にピークとして示される。
【0048】
また、溶離した各ポリペプチドの分子量をPerSeptive Biosystems社製のvoyager DE RPを用いてMALDI−TOF/MS(Matrix−−Assisted Laser Desorption Time of Flight Mass SPectrometry:マトリックス支援レーザーイオン化−飛行時間型−質量分析)に基づいて決定した。その結果、目的のポリペプチドが合成・精製されていることが確認された。
【0049】
〔試験例1〕
実施例1および2で合成したペプチド誘導体の抗侵害作用を、熱侵害刺激であるtail−flick法を用いて評価した。
【0050】
<使用動物>
実験には体重22−25gのddY系雄性マウス(日本SLC)を使用した。動物は実験に供するまで室温22±2℃、湿度55±5%、明暗12時間サイクル(明期 9:00−21:00、暗期 21:00−9:00)の一定環境で飼育した。なお、動物にはマウス用固形飼料(F2・船橋農場・船橋)および水道水を自由に摂取させた。
【0051】
<使用薬物>
薬物として、実施例1および2で得たペプチド誘導体ならびにモルヒネを用いた。薬物はすべてリンゲル液にそれぞれ溶解した。
【0052】
<投与方法>
皮下(s.c.)投与はマウス後背部へ27番ゲージ注射針(テルモ(株))を用いて、マウス体重10gあたり0.1mL(0.1mL/10g)投与した。
【0053】
<抗侵害作用の評価>
抗侵害効果の指標として、熱侵害刺激であるtail−flick法により評価した。動物を測定環境に慣れさせるために60分間測定プラスチックケージ内に放置してから実験を行った。マウス尾先端部より2cmの部分に輻射熱照射を行い、尾を振るまでの潜時を仮性疼痛閾値として評価した。マウスはあらかじめ刺激に対して2.5−3.5秒で反応するものを選択して用いた。また、刺激部位の損傷を最小限にするため、最長刺激時間(cut−off time)は10秒とした。抗侵害作用は、%MPE(% of maximum possible effect)として下記式から算出した。
【数1】

【0054】
<統計処理>
実験は一群10匹で行い、抗侵害効果は平均値および標準誤差(mean±S.E.M.)で表した。有意差検定については、二元配置の分散分析(two−way ANOVA)により処理した後、Bonferroni post−testに従い、危険率5%以下を有意差ありと判断した(図に表された符号は、以下の通りである。*;対照に対してP<0.05、**;対照に対してP<0.01)。用量-反応曲線は、曲線解析プログラム(GraphPad Prism software version3.0;GraphPad Software, San Diego,CA,USA)を用いて解析し、50%有効用量(50% effective dose:ED50)とその95%信頼限界を算出した。
【0055】
図1にモルヒネを皮下投与した場合の抗侵害作用の結果を示す。モルヒネの皮下投与により用量依存的かつ有意な抗侵害作用が発現した。作用ピーク時間である皮下投与後30分におけるED50値は3.563(1.654−7.674)mg/kgであった。モルヒネ5mg/kgの皮下投与は、作用ピーク時間において約80%の抗侵害作用を示し、その作用は投与後90分間持続した。
【0056】
図2に実施例1のペプチド誘導体を皮下投与した場合の抗侵害作用の結果を示す。実施例1のペプチド誘導体の皮下投与により用量依存的かつ有意な抗侵害作用が発現し、作用ピーク時間である皮下投与後20分におけるED50値は3.123(2.760−3.534)mg/kgであった。実施例1のペプチド誘導体10mg/kgの皮下投与は作用ピーク時間において約80%の抗侵害作用を示し、その作用は投与後120分間持続した。
【0057】
図3に実施例2のペプチド誘導体を皮下投与した場合の抗侵害作用の結果を示す。実施例2のペプチド誘導体の皮下投与により用量依存的かつ有意な抗侵害作用が発現した。実施例2のペプチド誘導体の作用ピーク時間である皮下投与後60分におけるED50値は5.676(2.343−12.75)mg/kgであった。実施例2のペプチド誘導体10mg/kgの皮下投与は作用ピーク時間において約80%の抗侵害作用を示し、その作用は投与後180分間持続した。
【0058】
上記のように、実施例1および実施例2のペプチド誘導体は皮下投与において熱侵害刺激に対する抗侵害作用を示した。約80%の抗侵害作用を示す用量における作用持続時間はいずれのペプチドもモルヒネよりも持続的であり、特にC末端のカルボキシル基をアミド化した実施例2のペプチド誘導体においてより長い作用の持続が認められた。また、実施例1のペプチド誘導体では、モルヒネの場合に比べ、抗侵害作用が短時間に発現された。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】モルヒネのddYマウスへの皮下投与による抗侵害作用を示す図である。
【図2】Tyr−D−Arg−L−2’,6’−Dmp−Me−β−Ala−OH(実施例1)のddYマウスへの皮下投与による抗侵害作用を示す図である。
【図3】Tyr−D−Arg−L−2’,6’−Dmp−Me−β−Ala−NH(実施例2)のddYマウスへの皮下投与による抗侵害作用を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】


(式中、アルギニン残基はD体であり、チロシン残基および2’6’−ジメチルフェニルアラニン残基はL体であり、Xは水酸基またはアミノ基を表す)で表されるペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
がアミノ基である請求項1記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する鎮痛剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−261958(P2007−261958A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85949(P2006−85949)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000162847)ステラケミファ株式会社 (81)
【Fターム(参考)】