ペリクル収納容器の補強材
【課題】補強材による重量増加を抑制して、搬送等におけるハンドリング性を向上させ、且つ、ケースの変形等による問題も同時に解決せしめる大型ペリクルの収納容器用の補強材を提供する。
【解決手段】ペリクルを載置収納するペリクル収納容器用の補強材7であって、前記補強材が、少なくとも2組の辺部となる辺部材10が組み合わさってなることを特徴とするペリクル収納容器の補強材。
【解決手段】ペリクルを載置収納するペリクル収納容器用の補強材7であって、前記補強材が、少なくとも2組の辺部となる辺部材10が組み合わさってなることを特徴とするペリクル収納容器の補強材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LSIや液晶パネルを製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクや、レティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルの収納容器に関し、特に液晶用大型ペリクルの収納容器に関するものであって、特に面積1000cm2以上の大型ペリクル用のペリクル収納容器用の補強材に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はペリクルを収納する容器の補強材に関する技術であるが、先ず、収納すべきペリクルについて説明する。
【0003】
従来、半導体回路パターン等の製造に於いては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止することが行われている。ペリクルはフォトマスク或いはレティクルの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面に、厚さ10μm以下のニトロセルロース或いはセルロース誘導体などの透明な高分子膜(以下、ペリクル膜という)を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着材を塗着すると共に、この粘着材上に所定の接着力で保護フィルムを粘着させたものである。
【0004】
前記粘着材は、ペリクルをフォトマスク或いはレティクルに固着するためのものであり、また、保護フィルムは該粘着材がその用に供するまで該粘着材の接着力を維持するために、該粘着材の接着面を保護するものである。
【0005】
このようなペリクルを製造者から使用者に運搬するに当たっては、ペリクル膜等に異物が付着するのを防ぎ、或いはペリクルが損傷するのを防ぐために、該ペリクルをトレイと蓋とからなる収納容器に収納し、更に防塵袋等に収納して運搬するのが一般的である(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0006】
従来、前述の構造を有する収納容器への収納は、図12に示すように行われていた。即ち、図に於いて、ペリクル膜52は展張(ピンと張った)状態で枠体51の一方の上縁面に接着され、枠体51の他の面(下縁面)には適当な厚さの粘着材53が設けられ、さらに粘着材53の下面には保護フィルムが貼り付けられてペリクルを構成している。このペリクルは、トレイ55の平坦な面である設置面55aの上に保護フィルムが接するように置かれる。
【0007】
トレイ55の設置面55a上に載置されたペリクルは、トレイ55に設けられた突起状のポスト55bによって、左右の動きが拘束され、そして蓋56を上方からかぶせ、クリップ57によって蓋56とトレイ55との4隅を固定することによって収納されていた。この結果、前記ペリクルは蓋56の斜面56aと、ポスト55bと、設置面55aとに囲まれて拘束されて収納された状態となっていた。またクリップ57のかわりに、粘着テープを用いて全周を密閉することも行なわれている。
【0008】
このような、収納容器は樹脂材料を用いて、射出成形や真空成形にて製造するのが一般である。しかし5インチ、6インチの半導体用ペリクルの収納容器は、射出成形で成形することも多いが、面積が1000cm2以上ともなる大型ペリクル用の収納容器は、真空成形する場合が多い。真空成形の方が薄肉で大型一体成形品が容易にできるからである。
【0009】
以上のような収納容器は、ペリクルに塵埃を付着させないための密封性と、ペリクル膜に非接触な状態で確実に保持しうる保持性とが要求されることはもちろん、当然に、経時的に形状が変化しないことを想定している。
【0010】
しかしながら、小型の収納容器であれば変形が問題となることはほとんどないが、本発明が対象とするような面積1000cm2以上にもなる大型ペリクル用の収納容器の場合には、両端を持って運ぶ際のたわみやねじれ、縦置き又は重ね置きで保管した際の自重による変形、温度による反りなどの変形が生じる場合がある。
【0011】
その為、トレイや蓋の反りやねじれがによる変形が、粘着材にそのまま転写してしまったり、トレーの反りによって粘着材の一部に局所的に重量がかかり、粘着材が変形するといった問題が生じてしまうこととなる。
【0012】
また、蓋に反りやねじれが発生すると収納方法によっては、ペリクルをトレイに押しつけることになり、さらに粘着材にトレイの反りを転写させることとなってしまう。
【0013】
即ち、面積1000cm2以上の大型ペリクル収納容器は、5インチや6インチの半導体用ペリクル収納容器に比べ、面積が大きいために収納容器自体も大型化され、その為、反りやねじれが大きくなる。このことは即ち、収納容器の変形が粘着材に転写しやすく、貼付不良が発生する頻度が高くなることを意味し、具体的には、粘着材をマスクやレチクルの下面に貼り付けて使用するときは、大型ペリクルでは重量が大きいために小型ペリクルでは問題にならないような小さな貼付不良でも経時的に貼付不良部が広がり、エアーパスと呼ばれるペリクル内外をつなぐ隙間ができ、その箇所からペリクル内に異物が侵入し、ペリクルの機能を果たさなくなる問題が生じることを意味している。
【0014】
また反りやたわみによってトレイや蓋がペリクルに接触すると、蓋などの摩耗粉がペリクル膜に付着し、ペリクルの機能を果たさなくなることがある。さらにケースの反りは、蓋とトレイの嵌合性を損ない、蓋とトレイの隙間から異物が混入し、ペリクルに付着する可能性がある。
【0015】
これに対して、ペリクルを収納するトレイと、前記トレイを被覆する蓋とからなり、前記トレイまたは蓋の少なくとも一方に補強板を取り付け、ケースの変形を防止し、ペリクルの粘着材や枠体が変形することの防止とリブを設ける必要がないことによる凹凸の解消による洗浄効果の向上を同時に達成しようと試みた発明もある(例えば、特許文献3)。
【0016】
【特許文献1】特開平8−62828号公報
【特許文献2】特開2000−173887号公報
【特許文献3】特開2005−49765
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、収納容器は、大型化になればなるほど、重量増加に伴うケースの変形防止のための補強の必要性が増すものの、単に補強板の枚数や厚みや面積を増加しただけでは、補強板自体の重量増に繋がりかねず、搬送等のハンドリンク性に問題が生じる可能性が高くなる。
【0018】
そこで、本発明は、補強材による重量増加を抑制して、搬送等におけるハンドリング性を向上させ、且つ、ケースの変形等による問題も同時に解決せしめる大型ペリクルの収納容器用の補強材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、補強材を構成する部材の構造とその組み合わせを特定することで、前記課題を解決せしめた。即ち、本発明は、以下の構成による。
【0020】
第1の構成は、ペリクルを載置収納するペリクル収納容器用の補強材であって、前記補強材が、少なくとも2組の辺部となる辺部材が組み合わさってなることを特徴とするペリクル収納容器の補強材である。
【0021】
また、第2の構成は、前記辺部材が、少なくとも載置するペリクル膜の膜面に平行に配置される平板と、前記膜面に垂直な方向に配置される平板との組み合わせ部材であることを特徴とする第1の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0022】
また、第3の構成は、前記2組の辺部材が、前記辺部材を接続する接続部材を介して組み合わされていることを特徴とする第1又は第2の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0023】
また、第4の構成は、前記接続部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さが、辺部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さより長いことを特徴とする第3の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0024】
また、第5の構成は、前記接続部材が、少なくとも、ペリクル膜の膜面と垂直な方向に配置される、閉じられた面からなる部材であることを特徴とする第3又は第4の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0025】
また、第6の構成は、前記辺部材の長手方向に対して垂直な断面形状が、L字型、T字型、コの字型、ロの字型のいずれかであることを特徴とする第1乃至第5の構成のいずれかに記載のペリクル収納容器の補強材である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るペリクル収納容器の補強材を用いると、大型ペリクルの収納容器であっても、従来のようにペリクル収納容器の補強板による補強に伴う重量増を抑制しつつ、従来と同レベル以上の補強効果を得ることができるため、ハンドリング性と収納容器の変形等防止を同時に達成することが可能となる。
【0027】
また、本発明の補強材は、辺部材と、辺部材を接続する接続部材との組み合わせからなる構造であるため、辺部材又は接続部材の一部にキズがついた場合であっても容易に交換が可能であり、リユースの点からも効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態について、以下に具体的に説明する。
【0029】
まず、本願の補強材7を適用するペリクル収納容器1について説明する。ペリクル収納容器1は、図1に示すように、ペリクル2を載置するペリクル載置台3と、ペリクル載置台3の上部を覆う蓋4と、から構成される。本願の補強材7はペリクル載置台3の、ペリクル2の載置面3aとは反対側の面に配置され、ペリクル載置台3を補強するものである。
【0030】
ペリクル収納容器の補強材に用いることができる材料について説明する。補強材に用いることができる材料は、収納容器の変形を抑制するための剛性を有するものであれば構わなく、金属、エンジニアリングプラスチック、強化プラスチック、セラミック等があげられる。
【0031】
中でも、金属、特に、アルミニウムやアルミニウム合金は薄い平板としても軽量で、且つ、剛性を得られるので好ましく、また、他の金属に比して、粉塵発生要因ともなる錆びの問題も生じることがないので好ましい。
【0032】
次に、補強材7の構造について説明する。補強材7は、少なくとも、図2に示すような2組の辺部材10が組み合わさった構造である。また、補強材7として、2組の辺部材10と、辺部材10どうしを接続する接続部材20とから構成されている。辺部材10は、少なくとも収納容器に載置されるペリクルのペリクル膜面方向に平行に配置される平板11と、該ペリクル膜面方向に垂直に配置される平板12とを一体的に組み合わせた部材である。また、接続部材20は、少なくとも、ペリクル膜の膜面方向と垂直な方向に配置される閉じられた面からなる部材である。
【0033】
辺部材10と接続部材20を組み合わせた補強材7は、2組の辺となる部材を用いた四角形の構造とする以外にも、トレイの形状や、保管するペリクルの面積によって様々な構造をとり得る。例えば、補強材7は、平行する辺部材10が2組である場合は図2に示すような四角形の形状となるが、平行する辺部材10が3組であれば六角形、辺部材10が4組であれば八角形となる。また、2組の平行な辺となる部材を用いた四角形の構造に加え、補強材7の構造は、図3に示すように多様である。例えば、図3(a)の正方形の補強材、図3(b)のように対角線状に一本の辺部材10を加えた補強材、図3(c)のように対角線状に二本の辺部材10を加えた補強材、図3(d)のように辺部材10と平行に一本加えた補強材、図3(e)のように辺部材10と平行に、互いに平行に二本加えた補強材、図3(f)のように辺部材10と平行に、互いに交差するように二本加えた補強材等でもよい。
【0034】
辺部材10について詳細に説明する。
【0035】
図4(a)に示すように、辺部材10は、少なくとも、収納容器1に載置するペリクル2のペリクル膜面方向に平行に配置される平板11と膜面方向に垂直に配置される平板12とを組み合わせた部材となっていることが必要である。
【0036】
ペリクルのペリクル膜面方向に平行に配置される平板11だけでは、接続部材20により組み合わせることが困難である。膜面方向に平行に配置される平板11と、膜面方向に垂直に配置される平板12と組み合わせた部材とすることによって、強度の向上を図ることができ、また、辺部材10を接続部材20に組み合わせることが容易になる。
【0037】
上記のような、辺部材10は、辺の長手方向の断面が図4(a)のようなコの字型に限るものではない。図4(b)乃至(d)に示すように、L字型、ロの字型、T字型であってもよい。ただし、接続部材との結合の容易さ、及び補強効果の向上の面から、コの字型又はL字型が好ましい。
【0038】
図4(a)に示すようなコの字型の場合、ペリクル膜の膜面方向と垂直な方向に配置される平板部分が2枚となるように配置されることが、補強効果の向上の面から好ましい。コの字型の構造をとる場合、接続部材のペリクル膜面に平行な方向の幅を規定することにより位置合わせがより容易となる。
【0039】
図4(b)に示すようなL字型の場合、図5に示す接続部材20の連結部23に当接することで位置合わせがしやすいので、組立性の観点から好ましい。尚、L字型のL字部分の角度は特に直角である必要はない。
【0040】
また、補強材としての効果をより得るためには、図4(c)に示すように、辺部材10自体をロの字型(いわゆる中空タイプ)とすることも可能である。この構造の場合には、接続部材が辺部材10の中空部に嵌め込まれる構造となることにより歪が抑制されるため補強効果をより発現することとなる。
【0041】
尚、コの字型、L字型、ロの字型のいずれのタイプであっても必要に応じて辺となる部材と接続部材を組み合わせた後、露出している接続部材にカバーを施してペリクル膜面方向に平行な面の平坦性を確保することが可能である。
【0042】
ところで、辺部材10を構成する平板の厚みについては、補強効果が出る限りにおいて制限が課されることはないが、厚みが増すことにより、重量の増加や、嵩が高くなり、ハンドリングや収納容器を積み重ねることによる保管性への影響が大きくなる。この為、アルミナやアルミニウム合金を例にとって言えば、通常は1mm以上5mm以下、好ましくは、3mm以上5mm以下である。
【0043】
接続部材20について詳細に説明する。
【0044】
接続部材20は、例えば図5に示すように、少なくとも、ペリクル膜の膜面方向と垂直な方向に配置される閉じられた面21(図5(b)参照)からなることを特徴とする。具体的には、辺部材10同士を結合し得る様々な形状を有する筒状の構造を有する。例えば接続部材20として、図6に示すように、平面どうしの組み合わせ、曲面状のもの、平面と曲面の組み合わせ等、様々な形状を取り得る。また、図6の構成においても、図5に示すようなリブ22を形成すれば、補強効果を高くすることができる。
【0045】
また、接続部材20の上下は必ずしも空洞である必要はなく、いわゆるブロック体であってもよい。尚、ブロック体を用いる場合、軽量化の観点から、素材は金属よりも、エンジニアリングプラスチック、強化プラスチック樹脂が望ましい。例えば、超高分子ポリエチレンが挙げられる。
【0046】
以上、辺部材10と、接続部材20の各々について説明した。
【0047】
図7(a)に示すように、コの字型の辺部材10どうしを接続部材20で接続して補強材7を構成する場合、辺部材10、接続部材20の形状によっては、辺部材10と接続部材のペリクル膜面方向に平行な方向の面に段差dが生じ、平坦にならないこととなる。ペリクル膜面に平行な方向の面は、後述するように平坦な面を有するトレイに補強材7の全面が極力接するように配置されることで補強効果を得られる。このため、図7(a)のような構造の場合には、面が平坦となるように、段差の低い部分となっている接続部材20の露出している上面を、図7(b)に示すように、平板で構成されたカバー部材24で覆うことが好ましい。
【0048】
上記のようなコの字型の辺部材10を用いる場合、接続部材の高さ(開口方向の長さ)を自由に調節することで、例えば、接続部材20の高さが辺部材10よりも高いと床面に補強材7を配置したトレイを有する収納容器を置いた際に、補強材自身が床面と接触する面積を軽減することができる。このため、擦れによる発塵が防止でき、補強材自身も傷つきにくくリユース性に優れ、帯電を抑えられる効果がある。更に、収納容器(該トレイと蓋の組み合わせ)を積み重ねる場合にも、収納容器どうしの接触面積が軽減され、歪みにくい補強材部分が接触部分に関わるので変形が防止され、且つ、擦れによる粉塵の抑制にも繋がることとなるので好ましい。
【0049】
具体的には、図7(c)に示すように、床面と接触する接続部材20の下部である開口部に樹脂製等のキャップ25を取り付けることにより、上記効果は一層向上する。また、キャップ25を取り付けたことで、組立て後に補強材7を置いた場合でも、床面を傷つけることを防止することができる。
【0050】
以上、補強材7の構造について説明した。
【0051】
尚、本実施形態では、補強材の構造に基づく特徴から、課題達成のために、辺部材10や接続部材20に用いる材料とその厚みで重量と補強強度とのバランスの最適化を図る以外にも、部材の材料、厚みに加え、幅も含めた全体的なバランスの最適化を図ることで課題達成が可能となる。
【0052】
例えば、辺部材10によって補強を達成しようとする場合、ペリクル膜面に平行な方向に配置される平板の厚みを増加させるだけではなく、その幅を広げてもよい。或いは、ペリクル膜面に平行な方向と垂直な方向に配置される平板の厚みを増加させたり幅を広げたりしてもよい。そして、上記のような対処は、辺部材10を接続する接続部材20の補強を達成する点では、接続部材20の形状にもよるが、同様のことが言える。
【0053】
次に、本実施形態に使用可能な補強材を構成する辺部材10及び接続部材20の製造方法とその接続方法について説明する。
【0054】
本実施形態に用いることが可能な辺部材は、基本的には、L字型であっても、コの字型であっても、平板を組み合わせた構造となっている。このため、金属塊から彫り出すことも可能であるが、通常の、平板どうしの溶接等による接合、一枚ものの平板をプレス成形することによって一体物として製造することが好ましい。また、ロの字型のような構造の場合、プレス成形と溶接を組み合わせて製造することも可能である。
【0055】
また、通常の押出し成形によって製造することも可能であり、押出し成形によれば、溶接部分の盛り上がりといった、接続部材と接合することによる高さ調整、位置合わせには不適な部分を生じさせることなく製造することができ、さらに、連続生産性が高く、加えて、長さを調節することが可能であるため、構造の自由度を高めることができるので好ましい。補強材の辺部材の長さを調整できることは、ペリクルの各種銘柄の大きさに補強材を合わせることが容易となり、補強材の生産効率も向上する。
【0056】
押出し成形の条件は、通常用いられる条件で構わなく、たとえば、アルミニウムやアルミ合金といった金属の鋳塊(ビレット)を400〜500℃の熱間で各種の形状を持つダイス穴から圧力をかけて押出すことで容易に製造することができる。
【0057】
本実施形態に用いることが可能な接続部材についても、上記の辺部材における製造方法と同様の製造方法を適用することが可能である。
【0058】
特に、接続部材を押出し成形方法によって製造する場合、補強材の高さを自由に変えられる点において好ましい。更に、接続部材は辺部材を形状自由度を高く接続し得るため、様々な形状のものが要求されるため、ダイス形状によって様々な形状の接続部材が製造できる点において押出し成形方法は好ましい。
【0059】
上記のようにして製造した補強材を構成する辺部材と接続部材とは、辺部材の適式な部分に接続部材を固定することで補強材を組み立てるのであるが、固定方法には、溶接、接着剤、ネジ留め、ビス留め等、通常の固定化手段を用いることができる。中でも工程が簡便で、高さ調整、位置合わせが容易に達成しやすいネジ留めが好ましい。
【0060】
尚、辺部材がロの字型のような中空状であって、接続部材を該中空部分に嵌め込んで組み立てるような補強材構造の場合には、寸法精度の取り方、接続部材の接続方向に垂直な断面が挿入端部から中心部にかけて太くなるように傾斜させることにより嵌合性が向上し、嵌め込むだけで、その他の固定化手段を用いないようにすることも可能である。
【0061】
上記のようにして辺部材と接続部材を組み合わせた物は、それぞれの部材の形状によっては、先記のように、ペリクル膜面方向と平行な面が平坦となっておらず接続部材と辺部材との間に段差が生じている場合がある。そのような場合には、図7(b)に示すように、接続部材20にカバー部材24を設けて平坦性を達成することが可能である。
【0062】
カバー部材の材料は、平坦性を達成できる限りにおいてどのような材料を用いても構わないが、耐久性、生産性の点から、辺部材と同種の材料を用いることが好ましい。
【0063】
そして、カバー部材の形状は、対応する辺部材と同様な形状で接続部材が露出した部分(例えば、図7(a)の接続部材20の上面部)の形状にあわせて蓋をするようなカバーが好ましい。しかし、複雑な接続部分の形状に合わせたカバーを製造するのは生産性の点から困難な場合には、少なくとも、ペリクル膜面と平行な面方向の段差をなくして平坦性を達成するためだけに、カバーをしても構わない。尚、カバーで覆う工程を回避するため、図8の接続部における側面図に示すように、接続部材20が辺部材10と接続する部分において、辺部材の厚みDの分だけ、接続部材20の鉛直方向に切込20cを入れることも可能である。図8において、D≒dである。
【0064】
以上、補強材の構造、及びその製造方法について説明した。
【0065】
尚、以上の補強材は、図1に示すように、収納容器1を構成するペリクル載置台3のペリクル2を載置する面とは反対の面に接するように配置して用いられるが、補強材7は、軽量化を達成していることから、収納容器を構成する蓋4に用いることも可能である。
【0066】
以下に、本実施形態について実施例を用いてより具体的に説明する。
【0067】
〔実施例1〕
図1に示すように、ペリクル収納容器のペリクルの載置面3aの裏面側に補強材7を固定する固定具として、ネジ8を用いて係止した。ネジ8は、載置面3aから下方に向けてねじ込まれ、載置面3aの裏面に当接する補強材7の辺部材10を貫通して固定される。
【0068】
ペリクル2のサイズは外径寸法が幅474mm×782mm、高さ5.9mmとし、ペリクル収納容器1は3mm厚のABS樹脂板の真空成型品で外径寸法910mm×600mmとし、ペリクルの載置面3aのサイズは外径寸法530mm×840mm、内径寸法350mm×670mm(環状隆起部6の一辺の上面寸法90mm×85mm)とし、ペリクルの載置面3aの高さはペリクル載置台3の周囲面3dレベルから20mmの高さとした。
【0069】
補強材7は、図9に示すような形状で、外径寸法520mm×830mm、内径寸法370mm×680mm(環状構造体7の一辺の上面寸法75mm×75mm)、高さ25mmとし、補強材7の固定具となるネジのネジ穴位置はペリクルの載置面3aの外径寸法から10mm内側で且つ補強材7の外径寸法から5mm内側でペリクル載置台3の角4隅と各辺2箇所(均等距離)の計12箇所とした。
【0070】
なお、補強材7の辺部材10としては、図4(a)に示すコの字型の部材を用い、図9(a)に示すように、辺部材10同士をトレイに接する面が平坦となるよう辺部材10の端部同士を溶接接合した。
【0071】
コの字型の辺部材10の長手方向に対して垂直な断面形状寸法は、図9(b)に示すように、コの字型の肉厚d1が3mmであり、ペリクルの載置面(ペリクルの膜面)に平行な面の幅l1が75mm、ペリクルの載置面(ペリクルの膜面)に垂直な方向の面の幅h1が25mmである。また、コの字型の辺部材10は、アルミニウムの押し出し材である。
【0072】
〔実施例2〕
補強材7の辺部材10の端部同士を溶接接合する代わりに、図10に示すような接続部材20を用い、接続部材20として超高分子ポリエチレンのブロック体20Bを用いた。辺部材10をその超高分子ポリエチレンのブロック体20Bにネジ止め接合した他は、前記実施例1と同様に構成した。
【0073】
〔実施例3〕
補強材7のコの字型の辺部材10の長手方向に対して垂直な断面形状寸法で、ペリクルの載置面(ペリクルの膜面)に垂直な方向の面の幅を25mmから20mmに変更した他は、前記実施例2と同様に構成した。
【0074】
〔実施例4〕
接続部材20として、超高分子ポリエチレンのブロック体を用いる代わりに、図11に示すようなアルミニウムのL字型の接続部材20を用い、辺部材10をそのL字型の枠の肉厚部分にネジ止め接合した他は、前記実施例3と同様に構成した。
【0075】
〔比較例1〕
補強材7の代わりに、外径寸法520mm×830mm、内径寸法370mm×680mm(環状構造体7の一辺の上面寸法75mm×75mm)である5mm厚のアルミニウム板にした他は、前記実施例1と同様に構成した。
【0076】
〔比較例2〕
アルミニウム板の厚さを5mmから10mmに変更した他は、前記比較例1と同様に構成した。
【0077】
以下の表1に上記実施例1〜4と、比較例1〜2についての評価結果を示す。以下の表1に示すペリクル収納容器1の捩れ評価では、ペリクル収納容器1の両端を持って運ぶ際にペリクル収納容器1に捩れが生じない場合を「○」、ペリクル収納容器1に多少の捩れが生じるもののペリクル膜2cがペリクル収納容器1に接触しない場合を「△」で示す。また、補強材を取り付けたペリクル収納容器の重量を示す。
【0078】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の活用例として、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルを収納して保管、搬送するためのペリクル収納容器に適用出来、特に液晶用大型ペリクルの収納容器に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ペリクル収納容器1の斜視図。
【図2】補強材7の斜視図。
【図3】補強材7の例を示す平面図。
【図4】辺部材10の説明図。
【図5】接続部材20の一例を示す図。
【図6】接続部材20の他の例を示す平面図。
【図7】辺部材10と接続部材20とを接続した状態を示す斜視図。
【図8】接続部材20に切込20cを形成した状態を示す図。
【図9】実施例1に係る補強材7の説明図。
【図10】実施例2に係るブロック体20Bの斜視図。
【図11】実施例4に係る接続部材20の説明図。
【図12】従来技術の説明図。
【符号の説明】
【0081】
1…ペリクル収納容器、2…ペリクル、3…ペリクル載置台、3a…載置面、4…蓋、7…補強材、8…ネジ、10…辺部材、11…平板、12…平板、20…接続部材、20B…ブロック体、20c…切込、22…リブ、23…連結部、24…カバー部材、25…キャップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、LSIや液晶パネルを製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクや、レティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルの収納容器に関し、特に液晶用大型ペリクルの収納容器に関するものであって、特に面積1000cm2以上の大型ペリクル用のペリクル収納容器用の補強材に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はペリクルを収納する容器の補強材に関する技術であるが、先ず、収納すべきペリクルについて説明する。
【0003】
従来、半導体回路パターン等の製造に於いては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止することが行われている。ペリクルはフォトマスク或いはレティクルの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面に、厚さ10μm以下のニトロセルロース或いはセルロース誘導体などの透明な高分子膜(以下、ペリクル膜という)を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着材を塗着すると共に、この粘着材上に所定の接着力で保護フィルムを粘着させたものである。
【0004】
前記粘着材は、ペリクルをフォトマスク或いはレティクルに固着するためのものであり、また、保護フィルムは該粘着材がその用に供するまで該粘着材の接着力を維持するために、該粘着材の接着面を保護するものである。
【0005】
このようなペリクルを製造者から使用者に運搬するに当たっては、ペリクル膜等に異物が付着するのを防ぎ、或いはペリクルが損傷するのを防ぐために、該ペリクルをトレイと蓋とからなる収納容器に収納し、更に防塵袋等に収納して運搬するのが一般的である(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0006】
従来、前述の構造を有する収納容器への収納は、図12に示すように行われていた。即ち、図に於いて、ペリクル膜52は展張(ピンと張った)状態で枠体51の一方の上縁面に接着され、枠体51の他の面(下縁面)には適当な厚さの粘着材53が設けられ、さらに粘着材53の下面には保護フィルムが貼り付けられてペリクルを構成している。このペリクルは、トレイ55の平坦な面である設置面55aの上に保護フィルムが接するように置かれる。
【0007】
トレイ55の設置面55a上に載置されたペリクルは、トレイ55に設けられた突起状のポスト55bによって、左右の動きが拘束され、そして蓋56を上方からかぶせ、クリップ57によって蓋56とトレイ55との4隅を固定することによって収納されていた。この結果、前記ペリクルは蓋56の斜面56aと、ポスト55bと、設置面55aとに囲まれて拘束されて収納された状態となっていた。またクリップ57のかわりに、粘着テープを用いて全周を密閉することも行なわれている。
【0008】
このような、収納容器は樹脂材料を用いて、射出成形や真空成形にて製造するのが一般である。しかし5インチ、6インチの半導体用ペリクルの収納容器は、射出成形で成形することも多いが、面積が1000cm2以上ともなる大型ペリクル用の収納容器は、真空成形する場合が多い。真空成形の方が薄肉で大型一体成形品が容易にできるからである。
【0009】
以上のような収納容器は、ペリクルに塵埃を付着させないための密封性と、ペリクル膜に非接触な状態で確実に保持しうる保持性とが要求されることはもちろん、当然に、経時的に形状が変化しないことを想定している。
【0010】
しかしながら、小型の収納容器であれば変形が問題となることはほとんどないが、本発明が対象とするような面積1000cm2以上にもなる大型ペリクル用の収納容器の場合には、両端を持って運ぶ際のたわみやねじれ、縦置き又は重ね置きで保管した際の自重による変形、温度による反りなどの変形が生じる場合がある。
【0011】
その為、トレイや蓋の反りやねじれがによる変形が、粘着材にそのまま転写してしまったり、トレーの反りによって粘着材の一部に局所的に重量がかかり、粘着材が変形するといった問題が生じてしまうこととなる。
【0012】
また、蓋に反りやねじれが発生すると収納方法によっては、ペリクルをトレイに押しつけることになり、さらに粘着材にトレイの反りを転写させることとなってしまう。
【0013】
即ち、面積1000cm2以上の大型ペリクル収納容器は、5インチや6インチの半導体用ペリクル収納容器に比べ、面積が大きいために収納容器自体も大型化され、その為、反りやねじれが大きくなる。このことは即ち、収納容器の変形が粘着材に転写しやすく、貼付不良が発生する頻度が高くなることを意味し、具体的には、粘着材をマスクやレチクルの下面に貼り付けて使用するときは、大型ペリクルでは重量が大きいために小型ペリクルでは問題にならないような小さな貼付不良でも経時的に貼付不良部が広がり、エアーパスと呼ばれるペリクル内外をつなぐ隙間ができ、その箇所からペリクル内に異物が侵入し、ペリクルの機能を果たさなくなる問題が生じることを意味している。
【0014】
また反りやたわみによってトレイや蓋がペリクルに接触すると、蓋などの摩耗粉がペリクル膜に付着し、ペリクルの機能を果たさなくなることがある。さらにケースの反りは、蓋とトレイの嵌合性を損ない、蓋とトレイの隙間から異物が混入し、ペリクルに付着する可能性がある。
【0015】
これに対して、ペリクルを収納するトレイと、前記トレイを被覆する蓋とからなり、前記トレイまたは蓋の少なくとも一方に補強板を取り付け、ケースの変形を防止し、ペリクルの粘着材や枠体が変形することの防止とリブを設ける必要がないことによる凹凸の解消による洗浄効果の向上を同時に達成しようと試みた発明もある(例えば、特許文献3)。
【0016】
【特許文献1】特開平8−62828号公報
【特許文献2】特開2000−173887号公報
【特許文献3】特開2005−49765
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、収納容器は、大型化になればなるほど、重量増加に伴うケースの変形防止のための補強の必要性が増すものの、単に補強板の枚数や厚みや面積を増加しただけでは、補強板自体の重量増に繋がりかねず、搬送等のハンドリンク性に問題が生じる可能性が高くなる。
【0018】
そこで、本発明は、補強材による重量増加を抑制して、搬送等におけるハンドリング性を向上させ、且つ、ケースの変形等による問題も同時に解決せしめる大型ペリクルの収納容器用の補強材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、補強材を構成する部材の構造とその組み合わせを特定することで、前記課題を解決せしめた。即ち、本発明は、以下の構成による。
【0020】
第1の構成は、ペリクルを載置収納するペリクル収納容器用の補強材であって、前記補強材が、少なくとも2組の辺部となる辺部材が組み合わさってなることを特徴とするペリクル収納容器の補強材である。
【0021】
また、第2の構成は、前記辺部材が、少なくとも載置するペリクル膜の膜面に平行に配置される平板と、前記膜面に垂直な方向に配置される平板との組み合わせ部材であることを特徴とする第1の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0022】
また、第3の構成は、前記2組の辺部材が、前記辺部材を接続する接続部材を介して組み合わされていることを特徴とする第1又は第2の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0023】
また、第4の構成は、前記接続部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さが、辺部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さより長いことを特徴とする第3の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0024】
また、第5の構成は、前記接続部材が、少なくとも、ペリクル膜の膜面と垂直な方向に配置される、閉じられた面からなる部材であることを特徴とする第3又は第4の構成に記載のペリクル収納容器の補強材である。
【0025】
また、第6の構成は、前記辺部材の長手方向に対して垂直な断面形状が、L字型、T字型、コの字型、ロの字型のいずれかであることを特徴とする第1乃至第5の構成のいずれかに記載のペリクル収納容器の補強材である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るペリクル収納容器の補強材を用いると、大型ペリクルの収納容器であっても、従来のようにペリクル収納容器の補強板による補強に伴う重量増を抑制しつつ、従来と同レベル以上の補強効果を得ることができるため、ハンドリング性と収納容器の変形等防止を同時に達成することが可能となる。
【0027】
また、本発明の補強材は、辺部材と、辺部材を接続する接続部材との組み合わせからなる構造であるため、辺部材又は接続部材の一部にキズがついた場合であっても容易に交換が可能であり、リユースの点からも効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態について、以下に具体的に説明する。
【0029】
まず、本願の補強材7を適用するペリクル収納容器1について説明する。ペリクル収納容器1は、図1に示すように、ペリクル2を載置するペリクル載置台3と、ペリクル載置台3の上部を覆う蓋4と、から構成される。本願の補強材7はペリクル載置台3の、ペリクル2の載置面3aとは反対側の面に配置され、ペリクル載置台3を補強するものである。
【0030】
ペリクル収納容器の補強材に用いることができる材料について説明する。補強材に用いることができる材料は、収納容器の変形を抑制するための剛性を有するものであれば構わなく、金属、エンジニアリングプラスチック、強化プラスチック、セラミック等があげられる。
【0031】
中でも、金属、特に、アルミニウムやアルミニウム合金は薄い平板としても軽量で、且つ、剛性を得られるので好ましく、また、他の金属に比して、粉塵発生要因ともなる錆びの問題も生じることがないので好ましい。
【0032】
次に、補強材7の構造について説明する。補強材7は、少なくとも、図2に示すような2組の辺部材10が組み合わさった構造である。また、補強材7として、2組の辺部材10と、辺部材10どうしを接続する接続部材20とから構成されている。辺部材10は、少なくとも収納容器に載置されるペリクルのペリクル膜面方向に平行に配置される平板11と、該ペリクル膜面方向に垂直に配置される平板12とを一体的に組み合わせた部材である。また、接続部材20は、少なくとも、ペリクル膜の膜面方向と垂直な方向に配置される閉じられた面からなる部材である。
【0033】
辺部材10と接続部材20を組み合わせた補強材7は、2組の辺となる部材を用いた四角形の構造とする以外にも、トレイの形状や、保管するペリクルの面積によって様々な構造をとり得る。例えば、補強材7は、平行する辺部材10が2組である場合は図2に示すような四角形の形状となるが、平行する辺部材10が3組であれば六角形、辺部材10が4組であれば八角形となる。また、2組の平行な辺となる部材を用いた四角形の構造に加え、補強材7の構造は、図3に示すように多様である。例えば、図3(a)の正方形の補強材、図3(b)のように対角線状に一本の辺部材10を加えた補強材、図3(c)のように対角線状に二本の辺部材10を加えた補強材、図3(d)のように辺部材10と平行に一本加えた補強材、図3(e)のように辺部材10と平行に、互いに平行に二本加えた補強材、図3(f)のように辺部材10と平行に、互いに交差するように二本加えた補強材等でもよい。
【0034】
辺部材10について詳細に説明する。
【0035】
図4(a)に示すように、辺部材10は、少なくとも、収納容器1に載置するペリクル2のペリクル膜面方向に平行に配置される平板11と膜面方向に垂直に配置される平板12とを組み合わせた部材となっていることが必要である。
【0036】
ペリクルのペリクル膜面方向に平行に配置される平板11だけでは、接続部材20により組み合わせることが困難である。膜面方向に平行に配置される平板11と、膜面方向に垂直に配置される平板12と組み合わせた部材とすることによって、強度の向上を図ることができ、また、辺部材10を接続部材20に組み合わせることが容易になる。
【0037】
上記のような、辺部材10は、辺の長手方向の断面が図4(a)のようなコの字型に限るものではない。図4(b)乃至(d)に示すように、L字型、ロの字型、T字型であってもよい。ただし、接続部材との結合の容易さ、及び補強効果の向上の面から、コの字型又はL字型が好ましい。
【0038】
図4(a)に示すようなコの字型の場合、ペリクル膜の膜面方向と垂直な方向に配置される平板部分が2枚となるように配置されることが、補強効果の向上の面から好ましい。コの字型の構造をとる場合、接続部材のペリクル膜面に平行な方向の幅を規定することにより位置合わせがより容易となる。
【0039】
図4(b)に示すようなL字型の場合、図5に示す接続部材20の連結部23に当接することで位置合わせがしやすいので、組立性の観点から好ましい。尚、L字型のL字部分の角度は特に直角である必要はない。
【0040】
また、補強材としての効果をより得るためには、図4(c)に示すように、辺部材10自体をロの字型(いわゆる中空タイプ)とすることも可能である。この構造の場合には、接続部材が辺部材10の中空部に嵌め込まれる構造となることにより歪が抑制されるため補強効果をより発現することとなる。
【0041】
尚、コの字型、L字型、ロの字型のいずれのタイプであっても必要に応じて辺となる部材と接続部材を組み合わせた後、露出している接続部材にカバーを施してペリクル膜面方向に平行な面の平坦性を確保することが可能である。
【0042】
ところで、辺部材10を構成する平板の厚みについては、補強効果が出る限りにおいて制限が課されることはないが、厚みが増すことにより、重量の増加や、嵩が高くなり、ハンドリングや収納容器を積み重ねることによる保管性への影響が大きくなる。この為、アルミナやアルミニウム合金を例にとって言えば、通常は1mm以上5mm以下、好ましくは、3mm以上5mm以下である。
【0043】
接続部材20について詳細に説明する。
【0044】
接続部材20は、例えば図5に示すように、少なくとも、ペリクル膜の膜面方向と垂直な方向に配置される閉じられた面21(図5(b)参照)からなることを特徴とする。具体的には、辺部材10同士を結合し得る様々な形状を有する筒状の構造を有する。例えば接続部材20として、図6に示すように、平面どうしの組み合わせ、曲面状のもの、平面と曲面の組み合わせ等、様々な形状を取り得る。また、図6の構成においても、図5に示すようなリブ22を形成すれば、補強効果を高くすることができる。
【0045】
また、接続部材20の上下は必ずしも空洞である必要はなく、いわゆるブロック体であってもよい。尚、ブロック体を用いる場合、軽量化の観点から、素材は金属よりも、エンジニアリングプラスチック、強化プラスチック樹脂が望ましい。例えば、超高分子ポリエチレンが挙げられる。
【0046】
以上、辺部材10と、接続部材20の各々について説明した。
【0047】
図7(a)に示すように、コの字型の辺部材10どうしを接続部材20で接続して補強材7を構成する場合、辺部材10、接続部材20の形状によっては、辺部材10と接続部材のペリクル膜面方向に平行な方向の面に段差dが生じ、平坦にならないこととなる。ペリクル膜面に平行な方向の面は、後述するように平坦な面を有するトレイに補強材7の全面が極力接するように配置されることで補強効果を得られる。このため、図7(a)のような構造の場合には、面が平坦となるように、段差の低い部分となっている接続部材20の露出している上面を、図7(b)に示すように、平板で構成されたカバー部材24で覆うことが好ましい。
【0048】
上記のようなコの字型の辺部材10を用いる場合、接続部材の高さ(開口方向の長さ)を自由に調節することで、例えば、接続部材20の高さが辺部材10よりも高いと床面に補強材7を配置したトレイを有する収納容器を置いた際に、補強材自身が床面と接触する面積を軽減することができる。このため、擦れによる発塵が防止でき、補強材自身も傷つきにくくリユース性に優れ、帯電を抑えられる効果がある。更に、収納容器(該トレイと蓋の組み合わせ)を積み重ねる場合にも、収納容器どうしの接触面積が軽減され、歪みにくい補強材部分が接触部分に関わるので変形が防止され、且つ、擦れによる粉塵の抑制にも繋がることとなるので好ましい。
【0049】
具体的には、図7(c)に示すように、床面と接触する接続部材20の下部である開口部に樹脂製等のキャップ25を取り付けることにより、上記効果は一層向上する。また、キャップ25を取り付けたことで、組立て後に補強材7を置いた場合でも、床面を傷つけることを防止することができる。
【0050】
以上、補強材7の構造について説明した。
【0051】
尚、本実施形態では、補強材の構造に基づく特徴から、課題達成のために、辺部材10や接続部材20に用いる材料とその厚みで重量と補強強度とのバランスの最適化を図る以外にも、部材の材料、厚みに加え、幅も含めた全体的なバランスの最適化を図ることで課題達成が可能となる。
【0052】
例えば、辺部材10によって補強を達成しようとする場合、ペリクル膜面に平行な方向に配置される平板の厚みを増加させるだけではなく、その幅を広げてもよい。或いは、ペリクル膜面に平行な方向と垂直な方向に配置される平板の厚みを増加させたり幅を広げたりしてもよい。そして、上記のような対処は、辺部材10を接続する接続部材20の補強を達成する点では、接続部材20の形状にもよるが、同様のことが言える。
【0053】
次に、本実施形態に使用可能な補強材を構成する辺部材10及び接続部材20の製造方法とその接続方法について説明する。
【0054】
本実施形態に用いることが可能な辺部材は、基本的には、L字型であっても、コの字型であっても、平板を組み合わせた構造となっている。このため、金属塊から彫り出すことも可能であるが、通常の、平板どうしの溶接等による接合、一枚ものの平板をプレス成形することによって一体物として製造することが好ましい。また、ロの字型のような構造の場合、プレス成形と溶接を組み合わせて製造することも可能である。
【0055】
また、通常の押出し成形によって製造することも可能であり、押出し成形によれば、溶接部分の盛り上がりといった、接続部材と接合することによる高さ調整、位置合わせには不適な部分を生じさせることなく製造することができ、さらに、連続生産性が高く、加えて、長さを調節することが可能であるため、構造の自由度を高めることができるので好ましい。補強材の辺部材の長さを調整できることは、ペリクルの各種銘柄の大きさに補強材を合わせることが容易となり、補強材の生産効率も向上する。
【0056】
押出し成形の条件は、通常用いられる条件で構わなく、たとえば、アルミニウムやアルミ合金といった金属の鋳塊(ビレット)を400〜500℃の熱間で各種の形状を持つダイス穴から圧力をかけて押出すことで容易に製造することができる。
【0057】
本実施形態に用いることが可能な接続部材についても、上記の辺部材における製造方法と同様の製造方法を適用することが可能である。
【0058】
特に、接続部材を押出し成形方法によって製造する場合、補強材の高さを自由に変えられる点において好ましい。更に、接続部材は辺部材を形状自由度を高く接続し得るため、様々な形状のものが要求されるため、ダイス形状によって様々な形状の接続部材が製造できる点において押出し成形方法は好ましい。
【0059】
上記のようにして製造した補強材を構成する辺部材と接続部材とは、辺部材の適式な部分に接続部材を固定することで補強材を組み立てるのであるが、固定方法には、溶接、接着剤、ネジ留め、ビス留め等、通常の固定化手段を用いることができる。中でも工程が簡便で、高さ調整、位置合わせが容易に達成しやすいネジ留めが好ましい。
【0060】
尚、辺部材がロの字型のような中空状であって、接続部材を該中空部分に嵌め込んで組み立てるような補強材構造の場合には、寸法精度の取り方、接続部材の接続方向に垂直な断面が挿入端部から中心部にかけて太くなるように傾斜させることにより嵌合性が向上し、嵌め込むだけで、その他の固定化手段を用いないようにすることも可能である。
【0061】
上記のようにして辺部材と接続部材を組み合わせた物は、それぞれの部材の形状によっては、先記のように、ペリクル膜面方向と平行な面が平坦となっておらず接続部材と辺部材との間に段差が生じている場合がある。そのような場合には、図7(b)に示すように、接続部材20にカバー部材24を設けて平坦性を達成することが可能である。
【0062】
カバー部材の材料は、平坦性を達成できる限りにおいてどのような材料を用いても構わないが、耐久性、生産性の点から、辺部材と同種の材料を用いることが好ましい。
【0063】
そして、カバー部材の形状は、対応する辺部材と同様な形状で接続部材が露出した部分(例えば、図7(a)の接続部材20の上面部)の形状にあわせて蓋をするようなカバーが好ましい。しかし、複雑な接続部分の形状に合わせたカバーを製造するのは生産性の点から困難な場合には、少なくとも、ペリクル膜面と平行な面方向の段差をなくして平坦性を達成するためだけに、カバーをしても構わない。尚、カバーで覆う工程を回避するため、図8の接続部における側面図に示すように、接続部材20が辺部材10と接続する部分において、辺部材の厚みDの分だけ、接続部材20の鉛直方向に切込20cを入れることも可能である。図8において、D≒dである。
【0064】
以上、補強材の構造、及びその製造方法について説明した。
【0065】
尚、以上の補強材は、図1に示すように、収納容器1を構成するペリクル載置台3のペリクル2を載置する面とは反対の面に接するように配置して用いられるが、補強材7は、軽量化を達成していることから、収納容器を構成する蓋4に用いることも可能である。
【0066】
以下に、本実施形態について実施例を用いてより具体的に説明する。
【0067】
〔実施例1〕
図1に示すように、ペリクル収納容器のペリクルの載置面3aの裏面側に補強材7を固定する固定具として、ネジ8を用いて係止した。ネジ8は、載置面3aから下方に向けてねじ込まれ、載置面3aの裏面に当接する補強材7の辺部材10を貫通して固定される。
【0068】
ペリクル2のサイズは外径寸法が幅474mm×782mm、高さ5.9mmとし、ペリクル収納容器1は3mm厚のABS樹脂板の真空成型品で外径寸法910mm×600mmとし、ペリクルの載置面3aのサイズは外径寸法530mm×840mm、内径寸法350mm×670mm(環状隆起部6の一辺の上面寸法90mm×85mm)とし、ペリクルの載置面3aの高さはペリクル載置台3の周囲面3dレベルから20mmの高さとした。
【0069】
補強材7は、図9に示すような形状で、外径寸法520mm×830mm、内径寸法370mm×680mm(環状構造体7の一辺の上面寸法75mm×75mm)、高さ25mmとし、補強材7の固定具となるネジのネジ穴位置はペリクルの載置面3aの外径寸法から10mm内側で且つ補強材7の外径寸法から5mm内側でペリクル載置台3の角4隅と各辺2箇所(均等距離)の計12箇所とした。
【0070】
なお、補強材7の辺部材10としては、図4(a)に示すコの字型の部材を用い、図9(a)に示すように、辺部材10同士をトレイに接する面が平坦となるよう辺部材10の端部同士を溶接接合した。
【0071】
コの字型の辺部材10の長手方向に対して垂直な断面形状寸法は、図9(b)に示すように、コの字型の肉厚d1が3mmであり、ペリクルの載置面(ペリクルの膜面)に平行な面の幅l1が75mm、ペリクルの載置面(ペリクルの膜面)に垂直な方向の面の幅h1が25mmである。また、コの字型の辺部材10は、アルミニウムの押し出し材である。
【0072】
〔実施例2〕
補強材7の辺部材10の端部同士を溶接接合する代わりに、図10に示すような接続部材20を用い、接続部材20として超高分子ポリエチレンのブロック体20Bを用いた。辺部材10をその超高分子ポリエチレンのブロック体20Bにネジ止め接合した他は、前記実施例1と同様に構成した。
【0073】
〔実施例3〕
補強材7のコの字型の辺部材10の長手方向に対して垂直な断面形状寸法で、ペリクルの載置面(ペリクルの膜面)に垂直な方向の面の幅を25mmから20mmに変更した他は、前記実施例2と同様に構成した。
【0074】
〔実施例4〕
接続部材20として、超高分子ポリエチレンのブロック体を用いる代わりに、図11に示すようなアルミニウムのL字型の接続部材20を用い、辺部材10をそのL字型の枠の肉厚部分にネジ止め接合した他は、前記実施例3と同様に構成した。
【0075】
〔比較例1〕
補強材7の代わりに、外径寸法520mm×830mm、内径寸法370mm×680mm(環状構造体7の一辺の上面寸法75mm×75mm)である5mm厚のアルミニウム板にした他は、前記実施例1と同様に構成した。
【0076】
〔比較例2〕
アルミニウム板の厚さを5mmから10mmに変更した他は、前記比較例1と同様に構成した。
【0077】
以下の表1に上記実施例1〜4と、比較例1〜2についての評価結果を示す。以下の表1に示すペリクル収納容器1の捩れ評価では、ペリクル収納容器1の両端を持って運ぶ際にペリクル収納容器1に捩れが生じない場合を「○」、ペリクル収納容器1に多少の捩れが生じるもののペリクル膜2cがペリクル収納容器1に接触しない場合を「△」で示す。また、補強材を取り付けたペリクル収納容器の重量を示す。
【0078】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の活用例として、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルを収納して保管、搬送するためのペリクル収納容器に適用出来、特に液晶用大型ペリクルの収納容器に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】ペリクル収納容器1の斜視図。
【図2】補強材7の斜視図。
【図3】補強材7の例を示す平面図。
【図4】辺部材10の説明図。
【図5】接続部材20の一例を示す図。
【図6】接続部材20の他の例を示す平面図。
【図7】辺部材10と接続部材20とを接続した状態を示す斜視図。
【図8】接続部材20に切込20cを形成した状態を示す図。
【図9】実施例1に係る補強材7の説明図。
【図10】実施例2に係るブロック体20Bの斜視図。
【図11】実施例4に係る接続部材20の説明図。
【図12】従来技術の説明図。
【符号の説明】
【0081】
1…ペリクル収納容器、2…ペリクル、3…ペリクル載置台、3a…載置面、4…蓋、7…補強材、8…ネジ、10…辺部材、11…平板、12…平板、20…接続部材、20B…ブロック体、20c…切込、22…リブ、23…連結部、24…カバー部材、25…キャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリクルを載置収納するペリクル収納容器用の補強材であって、前記補強材が、少なくとも2組の辺部となる辺部材が組み合わさってなることを特徴とするペリクル収納容器の補強材。
【請求項2】
前記辺部材が、少なくとも載置するペリクル膜の膜面に平行に配置される平板と、前記膜面に垂直な方向に配置される平板との組み合わせ部材であることを特徴とする請求項1に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項3】
前記2組の辺部材が、前記辺部材を接続する接続部材を介して組み合わされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項4】
前記接続部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さが、辺部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さより長いことを特徴とする請求項3に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項5】
前記接続部材が、少なくとも、ペリクル膜の膜面と垂直な方向に配置される、閉じられた面からなる部材であることを特徴とする請求項3又は4に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項6】
前記辺部材の長手方向に対して垂直な断面形状が、L字型、T字型、コの字型、ロの字型のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項1】
ペリクルを載置収納するペリクル収納容器用の補強材であって、前記補強材が、少なくとも2組の辺部となる辺部材が組み合わさってなることを特徴とするペリクル収納容器の補強材。
【請求項2】
前記辺部材が、少なくとも載置するペリクル膜の膜面に平行に配置される平板と、前記膜面に垂直な方向に配置される平板との組み合わせ部材であることを特徴とする請求項1に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項3】
前記2組の辺部材が、前記辺部材を接続する接続部材を介して組み合わされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項4】
前記接続部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さが、辺部材のペリクル膜の膜面に垂直な方向の長さより長いことを特徴とする請求項3に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項5】
前記接続部材が、少なくとも、ペリクル膜の膜面と垂直な方向に配置される、閉じられた面からなる部材であることを特徴とする請求項3又は4に記載のペリクル収納容器の補強材。
【請求項6】
前記辺部材の長手方向に対して垂直な断面形状が、L字型、T字型、コの字型、ロの字型のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のペリクル収納容器の補強材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−83618(P2008−83618A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266389(P2006−266389)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】
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