説明

ペルチェ素子式冷却器使用の飲料用ディスペンサ

【課題】ペルチェ式冷却器を使用して飲料用ディスペンサの小型化・優れたデザインの自由度を可能とする。
【解決手段】冷却器をヒートパイプ式からペルチェ式に変更することで冷却器自体の小型化が可能となる。しかしこのままでは氷形状に不合理が生じるので氷ガイド4を飲料パイプ3と氷5の間に設けたり、また熱抵抗体を伝熱抵抗体の一部に設ける。これにより任意の氷形状をつくれ、各部のデッドスペースをなくすことができるとともに、撹拌ペラ位置も自由になり外観形状優先で決めることができるので結果的に小型で優れたデザインのディスペンサ供給が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルチェ素子式冷却器使用の飲料用ディスペンサの小型化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペルチェ素子式冷却器は従来のヒートポンプ式冷却器に比べ小型である。しかしペルチェ素子式冷却器使用のディスペンサは先行特許文献の図1のように、氷形状・氷量は伝熱面積増加部材の形状によりある程度制御できるが、ペルチェ冷却面に近い側では大きく遠くなるにつれて小さくなり、デッドスペースが出来やすく結果的にディスペンサ形状が小型化しにくくなっている。またディスペンサ能力は氷量により左右されるのでディスペンサ能力とディスペンサ形状・大きさは比例関係にある。ここでディスペンサ形状を大きくしないで氷量を大きくしようとすると、氷が飲料パイプと接触しその後氷内に飲料パイプが埋没する。こうなると飲料パイプ内の飲料が過冷却となりシャーベット状になったり、または凍結し注出不能となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−348097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、ペルチェ式冷却器を使用して作る氷量を一定とするときのディスペンサ外形寸法の小型化等デザインの自由度を拡大することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、氷の形状を任意に決定するために図2のように伝熱冷却体と飲料パイプの間に氷ガイドを設け、それ以上氷が拡大していくのを防ぐことを特徴とするものである。また図3のように伝熱冷却体の一部に熱伝導率の比較的小さい材質(たとえば樹脂製など)の熱抵抗体を設置し氷生成速度を局部的に遅くすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上述の氷ガイド・熱抵抗体を設置することにより氷形状が任意となるため水槽内のデッドスペースにも氷を作ることができる。また飲料パイプと氷の隙間を最小にできるためディスペンサの外形寸法を小型化することができる。更に撹拌ペラ位置を自由に設定できる。
よってペルチェ素子式冷却器使用し小型でデザイン性に優れる飲料用ディスペンサが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は先行特許文献のディスペンサ構造を示した説明図である。
【図2】図2は氷ガイドの実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図3】図3は熱抵抗体の実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以上説明したように、本発明の氷ガイド・熱抵抗体設置により小型でデザイン性に優れる飲料用ディスペンサが供給できるので、従来型が設置不能だった小さな料飲店にも設置できるようになり、従来以上に多くの人に冷たい飲料の供給が可能となる。
【実施例1】
【0009】
図2は、本発明の実施例の断面図であって、1は断熱材、2は水槽内壁、3は飲料パイプ、4は氷ガイド、5は氷、6は伝熱冷却体、7は冷却器、8は水である。ここで図中上側の氷は冷却器に近いため成長が速く下側が成長する前に飲料パイプに接触してしまうが、氷ガイドによりその成長が妨げられ結果的に飲料パイプに即した氷形状となる。
【実施例2】
【0010】
図3は図2の氷ガイドのかわりに、9の熱抵抗体を設置したものである。ここでも同様に上側の氷の成長速度を遅くして飲料パイプ形状に合わせた氷形状となる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
以上説明したように、本発明の氷ガイド・熱抵抗体を設けると飲料用ディスペンサを小型化でき優れたデザインができるので、今まで以上に多くの人に冷たい飲料の供給が可能となる。
【符号の説明】
【0012】
1 断熱材
2 水槽内壁
3 飲料パイプ
4 氷ガイド
5 氷
6 伝熱冷却体
7 ペルチェ素子式冷却器
8 熱抵抗体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水・氷を使用して飲料を冷却する飲料用ディスペンサにおいて、氷ガイドを装着することを特徴とするペルチェ素子式冷却器使用の飲料用ディスペンサ。
【請求項2】
水・氷を使用して飲料を冷却する飲料用ディスペンサにおいて、伝熱冷却体の一部に熱抵抗体を装着することを特徴とする請求項1に記載のペルチェ素子式冷却器使用の飲料用ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−121629(P2011−121629A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282678(P2009−282678)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000113997)株式会社アクリテック (20)
【Fターム(参考)】