説明

ペーパーマシン内の巻き付け器の接着剤ディスペンサー

【課題】接着剤の詰まり、滴下を防止する。
【解決手段】 流れているペーパーウェブをリールドラムで支持し、交換式のリールシャフトをリールドラムと接触させてペーパーウェブを巻き取りペーパーロールを形成する、ペーパー巻き取り装置が開示されている。本装置では、加熱された接着剤を、ウェブ、及び/又は、ウェブが巻き取られるリールシャフトに塗布する。スプレーラックは、巻き付け器のスタンドのリールドラムの上流側に取り付けられ、縦方向を横切って延びているが、この他、巻き取り機の様々な別の場所に取り付けることもできる。ヒーター付きのホッパーは、接着剤を加熱し一時的にその粘度及び粘着性を下げ、滑らかで均一に噴霧できるようにする。一連のノズルが、ウェブ幅に亘って等間隔にラックに取り付けられ、加熱された接着剤を含む液体のスプレー噴射を、ウェブ及び/又はリールシャフトに散布する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、紙製造機、厳密には、ウェブをシャフト上に巻き取り、且つウェブとシャフトとの間に接着剤を塗布して巻き取り処理を開始し易くするための装置に関する。
【0002】
(発明の背景)
ティッシュウェブの製造速度は、非常に重要である。ティッシュウェブの製造速度は、近年改善が進んでいない。これは、高品質のティッシュに対する要求が増しており、また高速の製造速度を維持することが技術的に難しいためであると考えられる。製造速度が高速になると、ティッシュウェブは、坪量が低く引張強度も弱いため、振動して破断し易くなる。
【0003】
リールを交換する段階は、完成した紙ロールを新しい空のリールと交換する段階と、新しいリール上にティッシュウェブの巻き取りを開始する段階から成っている。効率的なリール交換を行えば、リール交換の際の停止時間の長さと巻き付け試行の失敗回数を最小化して、全体製造速度を向上させることができる。
【0004】
ティッシュウェブを新しいリール上へ巻き取り始める際に使われる一般的な方法は、スレッディングである。スレッディングとは、ウェブの端部を、ペーパー又はボードマシンに沿ってリーダーで引っ張ることである。リーダーは帯片状ののウェブであり、最初は唯の40から50cm幅であるが、徐々に広くなり、ウェブの全幅まで広がる。リーダーは、ウェブの一方の側端、又はウェブのどちらかの側端から随意の距離の何処かの何れかで始まり、連続ウェブと切り離されるが、その長さは、先端がウェブの全幅に亘って延びるのに掛かる時間によって決まる。リーダーは、ウェブ速度が高速なために、180から200mと非常に長い。各ペーパーリール毎にペーパーウェブの切断部分を廃棄しなければならないので、製紙工場にかなりの経費負担を強いることになる。
【0005】
一般的にティッシュペーパーから製造される衛生ティッシュ製品は市場の動向に非常に敏感なので、製品の量より品質が重要視されることが多い。従って、ペーパーリールは、巻き付けの間に、例えば、均一であることや、ひだ、裂け目又は折り目が無いことなど、幾つかの重要な特性を要求される。更に、ペーパーマシンから送り出されたペーパーのリールが均一で高品質な場合にのみ、後続の変換機械で高い効率を達成することができる。
【0006】
低強度の柔らかいペーパーについては、リールを通して密度及び弾性のようなペーパー品質をできる限り一定に保つため、注意深く巻き取らねばならない。リール密度に影響を及ぼす2つの主要な因子は、ウェブ張力と巻き上げのニップにおける半径方向圧力である。平均密度を低くするためには、ニップ圧力を低くすることが重要である。
【0007】
ウェブの厚さと弾性は、リールの外側から半径方向中心へ行くに従って低下する。これは、巻き付け中にペーパーリール内で圧縮応力が形成され、リールの半径方向内側部分を押すからである。これが、内側ウェブ層を薄くする。この影響は、リールが巻き戻されるか又は手を加えることなく長く保管されている場合には大きくなる。
【0008】
巻き付けに関する問題は、上記のようにテーパの付いたリーダーの助けを借りて新しいペーパーのリールが巻き始められるときに発生し、これは、最も内側の層の巻き取りの間に行われるウェブの回転によって、リールの軸方向に沿って不均一な半径方向の成長が生じ、リールが人参型になるからである。これは、一部にはウェブの片勾配によって、一部にはウェブ全体に亘るニップ圧力の差異によって生じる。
【0009】
ペーパーウェブの断面特性が、厚さ、ウェブの張力又は弾性に関して変化している場合、ひだ、破砕損傷、ウェブ内欠陥、リール内軸力が、ニップ圧力が高い点で発生する。最悪の場合、ウェブの破断に到ることもある。全幅リール交換の装置であれば、人参型リールの発生、高いニップ圧力及びウェブ破断を取り除くことができる。本明細書における「全幅」リールの交換とは、新しい巻き付け操作を開始するときに、ウェブの全幅をリールシャフトの周囲に巻きつけることを指す。これは、テーパ付リーダーを使ったスレッディングとは区別すべきものある。
【0010】
高速ウェブマシンは、スレッディング法か全幅法の何れかを用い、ウェブを空のリールシャフトの周囲に巻きつけなくてはならない。ウェブ速度が速い場合、リーダーには、スレッディング前にグルーが塗布される。ティッシュペーパー製品に使用されるような低速の場合、バルーン噴出付の全幅法が一般的である。バルーン噴出は、仕上げリールを幾分遅らせることによって、ウェブの全幅に亘って必然的に弛みを作ることになる。このように形成される折り目は、圧縮空気の助けを借りて、新しいリールシャフトとリールドラムとの間のニップ内に押し込まれ、その後ウェブは切断される。このタイプのリール交換の信頼度を高めるために、更に、実際のリールシャフト上にだけ、ペーパーウェブと接触する前にグルーの塗布又はテープの貼り付けが行われる。
【0011】
大型のブラシ又はスプレーガンを使った手動による塗布など、グルー又は接着剤を塗布する数多くの方法が利用されてきた。リールの交換に用いられる移送方法にかかわらず、ペーパーウェブとリールシャフトとの間に接触が起こるとき、グルーがまだ粘着性を有していることが重要である。従って、手動による方法とは別の、同時グルー噴霧を利用することが望ましい。
【0012】
自動グルー噴霧は、グルーノズルを、一般的にペーパーウェブの一方の側に、プライマリアーム近くに配置して行われる。しかし、スプレーによってグルーを塗布する場合、グルーが誤射されないよう細心の注意を払わなければならない。全幅リール交換に取り組んだ初期の頃には、縦方向を横切るスプレーパイプの使用で深刻な問題に遭遇した。スプレーパイプからのグルーがペーパーウェブの上に滴下することがあり、そうするとウェブ層が互いに接着して、ウェブが巻き戻しの際に裂けることになる。
【0013】
グルー塗布にエアゾールジェットを利用すると、米国特許第6,045,085号に開示されているように、滴下に関する幾つかの問題が回避できる。本発明では、所定量の圧縮空気を従来型の液体グルー又は接着剤と、ノズルを出るときに混合する。ノズルは、実際は、一方のノズルが他方の内側にあるもので、一方が圧縮空気を噴霧し、他方が液体グルーを噴霧する。グルーは、ペーパーリールの上流に取り付けられたスクリーン上に横に並んで配置されている複数のノズルによって、平らに、幅広魚尾パターンで散布される。エアゾールスプレーの粘稠性により、スプレー式パイプで遭遇する滴下問題の幾つかを回避することができる。しかし、グルー及びダストはノズルの先端に集まる傾向があり、それが時には滴下することになる。
【0014】
欧州特許出願EP0931744A2は、グルーを芯のスリーブ上に直接噴霧する段階を含むリール交換方法を開示している。しかし、両方の文書で使用されている従来型のグルーは、乾くと固まる傾向にあり、グルー塗布装置を詰まらせかねないので、詰まらないようにするため適した溶剤で溶かす必要がある。米国特許第6,045,085号に教示されている発明は、針装置を使用してノズルのグルー詰まりという問題に取り組んでいるが、針が常にノズルを効率的に清掃するわけではないので、ノズルがグルーで塞がれることもある。更に、詰まりの発生率を低下させるために、グルーは、ノズルにグルーを供給するコンジット内を連続して循環させなければならない。このため、スプレーラック又はスクリーンが支持しなければならない装置の重量が増大する。グルーの粘度は希釈によって下げることができるが、そうするとグルーの粘着性は相当に失われる。
【0015】
従って、全幅リール交換において、ウェブと、ウェブが上に巻き取られるリールシャフトとの間に接着剤を自動塗布し、接着剤が、滴下又は詰まりの問題もなく、均一に制御された範囲にだけ塗布できるようになれば有用である。更に、塗布後もグルーが粘着性を保ち、一方、容易に塗布できるように流動可能であることも重要である。
【0016】
(発明の概要)
本発明による装置及び方法は、上記及びその他の要件を満足しており、リールドラムの周囲に部分的に巻きつけられるウェブを支持する回転可能なリールドラムによって特徴付けられている。本装置は、リールシャフトをその軸周りに支持し回転させるための巻き取り装置を含んでいる。リールドラムと、リールシャフトを支持するための巻き取り装置との内の少なくとも一方が、他方に向かって移動できるようになっていて、リールドラム表面上のウェブが回転リールシャフトと係合するように、回転しているリールシャフトを、リールドラムに隣接する巻き取り位置に配置することができる。複数のスプレーノズルは、接着剤を噴霧するように作動し、接着剤を、ウェブ又はリールシャフトの外側表面の何れか、或いは両方に噴霧するよう配置されている。複数のスプレーノズルは、リールドラム上流のウェブ近くか、リールシャフトとリールドラムの間のニップか、又は直接リールシャフトの上など、様々な取り付け位置に配置することができる。スプレーノズルは、巻き取り装置のフレーム又は降下アーム付き巻き付け器の降下アームにノズルを固定することによって、リールシャフトが降下アームで空のリールシャフトの保管位置からリールドラムに近接する位置まで下げられるときに、リールシャフト上に噴霧するよう配置することもできる。
【0017】
接着剤をウェブ及び/又はリールシャフト上へ塗布することによって、リールシャフトがリールドラム上のウェブと係合する際に、ウェブは、リールシャフトに接着し、リールシャフト周囲へ巻き取られ始める。接着剤供給装置は、タンクと、少なくとも1つのコンジットと、駆動ユニットを含んでいる。駆動ユニットは、ピストン、ポンプ、圧縮空気、又は、接着剤をタンクからノズルへ運び、接着剤を噴射するための他の手段を含んでいる。本発明によれば、接着剤は、加熱すると下がる粘度によって特徴付けられる。従って、接着剤は、流動可能とするために希釈する必要は無い。代わりに、接着剤は、接着剤の粘度を、接着剤がノズルから容易に噴霧できるレベルにまで低下させることができる温度まで加熱される。従って、タンクは、ヒーターを備え、接着剤を保持し、接着剤をヒーターで加熱して流動可能とするのが望ましい。接着剤は固体でも液体でもよいが、半固体又はゲル状、且つ水溶性であるのが望ましい。コンジットは、タンクをスプレーノズルに連結しており、駆動ユニットは、流動可能な接着剤を、コンジットを経由してスプレーノズルへ送る。接着剤は、粘度を下げて、コンジットを通してノズルまで容易に送ることができる程度に、ノズルまでの全経路に亘って加熱するのが望ましい。巻き取り装置の稼働停止の間など、接着剤が冷却されて凝固した場合にでも、接着剤をシステム内で加熱することによって、詰まりを容易に取り除くことができる。
【0018】
(好適な実施例の詳細な説明)
以上、本発明を一般的表現で説明してきたが、添付図面を参照してみることとする。なお、添付図面は、必ずしも正確な縮尺で描いてはいない。
さて、本発明を、本発明の好適実施例が示されている添付図面を参考にしながら更に詳細に説明する。しかし、本発明は、この他様々な形態で実施することもでき、本明細書に記載されている実施例に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施例は、本開示が申し分の無い完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供されている。同じ要素には同じ番号が付されている。
【0019】
図1及び8は、ペーパーマシンの巻き付け器3内のリールドラム2のような支持装置の上流に配置されている、加熱されたグルーの散布装置1の好適な実施例を概略的に示している。リールドラム2は、巻き取りの間、ペーパーウェブを支持する。ペーパーウェブを支持するのに、リールドラム2の代わりに巻き取りベルトを用いてもよい。全幅リール交換を行う場合、本発明によれば、加熱されたグルーの散布装置1内に取り付けられているノズル5からのジェット4がペーパーウェブの全幅を覆うように、加熱された接着剤をペーパーウェブを横切って塗布し、それによってウェブの端部を、新しいリールシャフト6又は既存のペーパーロールの何れかに取り付ける。加熱されたグルーの散布装置1は、縦方向に対して横断方向に配置されたラック9に取り付けられ、コンジット7によって接着剤加熱ホッパー8に連結されている一連のノズル5を備えている。
【0020】
ラック9は、巻き付け器3のスタンド10に取り付けられており、スタンド10の上には、更に、一対の降下アーム11と、リールドラム2と、一対のプライマリアーム23とが取り付けられている。図1及び8に示されているように、スタンド10は、箱状フレームの4本柱12、13、14、15と、柱の上に取り付けられ縦方向に延びる一対の頂部支持梁20、21とを備えている。柱12及び13は巻き付け器3の上流端部にあり、柱14及び15は巻き付け器3の下流端部にある。巻き付け器3は、完成したペーパーロール18を支持するための一対のレール16を備えており、リールシャフト6の両端は、それぞれレール16の上に載せられている。
【0021】
スタンド10は、複数の空のリールシャフト6の両端を支持するための一対のレール26と、レール26の両端に配置されている一対の前部ストッパ24及び一対の後部ストッパ25を備えている。一対のレール26は、巻き付け器3の上流端部に向かって傾斜しており、空のリールシャフト6の台座を保持している。空のリールシャフト6は、一対のレール26上で回転する両端部32を有している。各リールシャフト6は、ペーパーが直接その上に巻き付けられる金属シャフトか、ペーパー芯チューブが被せられている金属シャフトか、或いは、金属シャフトのないペーパー又はポリマー製のチューブであるのが望ましい。レール26の傾斜は、空のリールシャフト6を、レール26に沿って、前部ストッパ24に向かって、後部ストッパ25から離れる方向に回転させる。
【0022】
降下アーム11はプレート構造体で構成されており、各プレート構造体は、ベース端部28と、中間部分29と、フック部分31を有しており、油圧システム(図示せず)の油圧シリンダーに連結されている。ベース端部28は、前部柱12及び13に隣接してスタンド10に回転可能に取り付けられている。
【0023】
リールドラム2は、レール16に関して固定され、且つ隣接して配置されている一対のスタンド部材34に回転可能に軸受け支持されている。リールドラム2の表面上を通って、製紙機械の製紙段階から送られてくる連続ウェブ44が流れる。リールドラム2は、作動的に連結されている駆動モーター(図示せず)で直接駆動してもよい。リールドラム2の表面は、固くても柔らかくてもよい。
【0024】
上記好適な実施例でのリールドラム2の使用は、これに限定されるものではなく、ウェブ44の支持に他の型式の支持装置を使ってもよい。例えば、リールドラム2は、ウェブ44を支持しリールシャフト6へ送ることができる移動ベルトに置き換えてもよい。もう1つの代替案は、ウェブ支持装置としてフォイルを利用することである。ある実施例では、フォイルには下流端部があり、リールシャフト6と共にニップを形成しており、そこを通過してペーパーウェブがペーパーロール上に導かれるようになっている。別の実施例では、フォイルとペーパーロールとの間にニップは形成されず、その場合、フォイルの下流端部とペーパーロールとの間に非常に短いフリードローが存在する。
【0025】
プライマリアーム23は、巻き取り工程の少なくとも最初の部分ではリールシャフト6を支持する。プライマリアーム23は、リールシャフト6をリールドラム2に対して保持しニップ36を形成するように作動するリールシャフトグリッパ37を備えている。リールシャフトグリッパ37は、空圧又は油圧シリンダーを備えたアクチュエータ(図示せず)によって駆動される。アクチュエータは、リールシャフトグリッパ37の半径方向位置を調整して、巻き取り中のリールシャフト6の半径が増加できるようにする。
【0026】
プライマリアーム23は、更に、スタンド10に軸受け支持されていて、プライマリアーム23がリールシャフト6と協働できるようにする回転ユニット(図示せず)を備えている。プライマリアーム23は、空圧又は油圧ピストンシリンダーを備えたアクチュエータ(図示せず)によって、回転ユニットの軸回りに回される。プライマリアーム23が回転ユニット周りに回転することによって、巻き取り中に、リールシャフト6がリールドラム2の表面に沿って動き、作成中のリールをセカンダリユニット(図示せず)へ送り、巻き取り工程を引き継ぐことができるようになっている。プライマリアーム23とセカンダリユニットは製紙機械の技術分野では一般的なので、本明細書では詳しく説明しない。セカンダリユニットがリールシャフト6への巻き取りを完了して、完成品のペーパーロール18が形成されると、リール18は一対のレール16に沿って次のステーションに送られる。
【0027】
ラック9は、柱12と13との間に縦方向を横切って延びる水平方向の取り付けバー38と、前記取り付けバー38に固定されている一連のほぼ垂直なチューブ支持体39を備えている。取り付けバー38は、その両端部40で2つの固定プレート41を介して、前部柱12及び13の内側面に固定されている。固定プレート41は、ファスナー又は溶接によって柱に固定してもよい。チューブ支持体39は、前部柱12と13との間を延びる部材(図示せず)に固定されている上端部を有する細長い部材であり、且つ、下方向に延びて、下端部が取り付けバー38に取り付けられている。
【0028】
加熱されたグルーの散布装置1について更に具体的に説明すると、従来型のリール交換システムより優れているその利点が分かるであろう。本発明で利用しているグルーは、他のタイプのグルー又は接着剤と大きく異なる幾つかの固有の特性を有している。グルーは、室温では固体でも半固体(例えばゲルのような)でもよいが、加熱されると、ノズル5から噴霧できるほど粘度が低くなる。これらの特性は、幾つかの理由で有用である。システム内に残っているグルーを加熱するとグルーは流動可能となるので、ノズル5及びコンジット7は、詰まったり、圧力が上がったり汚染されたりする恐れは少ない。従って、本発明は保守に費やす停止時間を削減することになる。グルーの塗布が完了し、グルーの加熱が中断されると、グルーは、固体又は半固体状態に戻るので、従来型の液体接着剤と比べて、滴下したり流れたりし難い。これによって、グルーがウェブ上へ滴下し、その後継続してウェブを巻き完成したロールになった状態でウェブ同士が互いに張り付いて、結果的に、ペーパーの廃却につながるという恐れが最小になる。
【0029】
ノズル5、コンジット7及び接着剤加熱ホッパー8は、テネシー州、ヘンダーソンビルのITW Dynatecから入手可能なDynatec加熱接着剤塗布システムを使うと好適に構成できる。図8に示すように、6つの個々のノズル5は、それぞれ、グルー材を運ぶ加熱された柔軟なホース又はパイプである個別のコンジット7に取り付けられている。接着剤加熱ホッパー8は、接着剤を加熱して流動可能とするための加熱されたホッパーグリッドを備えている。駆動装置は、接着剤又は加圧空気源をコンジット7に供給するため、ホッパー8に接続されているか、又はホッパー8に組み込まれている。駆動装置は、流動可能な接着剤を押し出すためのホッパー内の内部ピストンポンプであってもよいし、ホッパーに連結されている加圧空気源であってもよい。
【0030】
図8に示すように、6つのノズル5は、縦方向を横切って、等間隔に、取り付けバー38に取り付けられている。コンジット7は、ホッパー8から上方向に延び、前部柱12の上部に巻き付けられ、次に柱13に向かって縦方向を横切って一団となって延びている。各コンジット7は、一団から分離し、下方向に各チューブ支持体39に沿って降下し、各ノズル5に連結している。従って、チューブ支持体39は個々のコンジット7を支持しており、コンジット7は、接着剤を所定の温度に維持する加熱された可撓性のホースで作られているのが望ましい。代わりに、コンジット7を、支持部材を必要としない硬いパイプで作ることも可能である。
【0031】
ウェブの巻き付けの間に、連続ウェブ44は、ガイドロール45を通過し、リールシャフト6とリールドラム2との間に形成されているニップ36へ進む。加熱されたグルーの散布装置1は、本実施例では、ニップ36の上流側に配置されており、ウェブ44がニップ36に入る直前にグルーをウェブ44に噴霧する。ノズル5は、取り付けバー38に取り付けられており、下方向に(ウェブ44に向けて)ニップ36の方向に僅かな角度を指している。
【0032】
空のリールシャフト6は、降下アーム11によってスタンド10から回収される。降下アーム11は、油圧によって、フック部分31が、前部ストッパ24まで回転又は動かされてきた最も近い空のリールシャフト6と係合するまで、上方向に回転される。降下アーム11は、下方向に回転して空のリールシャフトを下ろす。プライマリアーム23は、下がってきたリールシャフト6を受け取り、それをリールシャフトグリッパ37で掴み、通常は、そのリールシャフト6を駆動装置(図示せず)と係合させて、ドラムを、周速がリールドラム2の周速と一致するように回転させる。次に空のリールシャフト6を、リールドラム2と係合させる。
【0033】
接着剤加熱ホッパー8内で、接着剤(例えば、スイフト接着剤 C968/103)を、約75℃、又は、接着剤をノズル5へ押し出すことができる程度まで接着剤の粘度を下げるに十分な温度まで加熱することによって、加熱されたグルーの散布装置1を起動する。接着剤の温度は、接着剤が、加熱式コンジット、ホース又はパイプ7を通してノズル5へ押し出されている間は、維持される。
【0034】
加熱された接着剤のジェット4は、ノズル5から発射される。ジェット4は、同時に、所定の時間行われる。ジェット4は、必要ならば、ノズル5を、個別に、任意の順番で、開放時間を変えて開くことによって作動させることもできる。ジェット4は、ガイドロール45とニップ36の間の位置で、ウェブ44上に噴霧される。ジェット4は、接着剤を、ウェブ44の上部を横切る縦方向を横断する均一な線で、平面扇状又は魚尾状に散布されるのが望ましい。加熱されたグルーは、ノズル5を出た後、直ぐ冷め始めて、粘度及び粘着性を取り戻す。グルーが室温に達すると、グルーは、運動及び滴下を妨げる元の状態(例えば、半固体又はゲル状態)に戻る。従って、ウェブ44上のグルーの噴霧パターンは均一でむらがなく、粘着性がある。ウェブのタイプ、ノズルの位置、リールドラム及びリールシャフトのサイズなどによって、噴霧パターンは変化する。しかし、ノズル5の数、及び機械の他の部分に誤射されるグルーの量を最小にするには、平面扇状が有利である。
【0035】
ウェブ44は、ニップ36を通して送られ、そこでウェブ44の上側に塗布されたグルーは、リールシャフト6の外側表面46と遭遇する。冷却されたばかりの粘着性のグルーは、リールシャフト6の外側表面46に接着し、ウェブ44がドラム6に固定される。ウェブ44は、好適な方法で最後部から切り離され、最後部は先に完成したペーパーロール18に巻き付く。次にウェブ44は、リールシャフト6に巻き取られ、ペーパーロール18の次の完成品が形成される。
【0036】
様々な温度、圧力、加熱されるグルーのタイプを使って、異なるウェブ材料に関する様々な要件に対応することができる。本発明は、裂けやすく、折り目その他のムラに市場が敏感な衛生用品に使用される脆いティッシュペーパーの巻き付け又は巻き取りに特に適している。しかし、本発明は、どの様な等級のペーパーの巻き取りにも利用することができる。ムラの無い粘着性のグルーを塗布することによって、冷たい接着剤の不均一な塗布から生じかねない破断及び折り目が最小になる。他の実施例で示すが、ノズル5の位置を変えれば、更に幾つかの利点を得ることができる。
【0037】
図2は、加熱されたグルーの散布装置1の第2実施例を示しており、ノズル5は、ニップ36内に直接噴霧するように配置されている。ノズル5は、第1実施例と同じくラック9によって支持されているが、ニップ36に向けられている。チューブ支持体39が巻き付け器3の下流方向に更に延びているので、ノズル5は、ニップ36にもっと近接している。ジェット4がニップ36内に向いているのは、加熱されたグルーをウェブ44の上部とリールシャフト6の外側表面の両方に散布し、ウェブ44と外側表面46の間をより確実に接着できるという点で有利である。
【0038】
図3は、リールシャフト6が降下アーム11内に保持されている間に、加熱されたグルーの散布装置1が、グルーをリールシャフト6上に供給する第3実施例を示している。この実施例では、ノズル5は降下アーム11に対して固定されている。これによって、リールシャフト6がアームのフック部分30内の後部ストッパ33まで後転すると、ノズル5が、リールシャフト6の外側表面46にジェット4を噴霧できるようになる。必要ならば、接着剤がリールシャフト上に噴霧されるときに、リールシャフト6を適した装置(図示せず)で回転させることもできる。コンジット7は、前部柱13まで進み、降下アーム11のベース端部28を超えてノズル5に繋がっている。コンジット7には弛みが残っているので、降下アーム11は自由に運動することができる。グルー塗布後、リールシャフト6はプライマリアーム23内に下げられ、プライマリアーム23はリールシャフト6をリールドラム2と係合させる。リールドラム2がウェブ44を、ニップ36を通して送り込むと、リールシャフト6の回転によってグルーがウェブ44と接触する。ウェブ44は、リールシャフト6の外側表面46上のグルーに粘着し、リールシャフト6上に巻き取られ始める。
【0039】
第3実施例は、グルーの散布装置1が、ニップ36付近の可動部品から離れているという点で有利である。更に、リールシャフト6がスタンド10から回収されているときに、リールシャフト6に噴霧することができるので、幾らか時間を削減できる。
【0040】
図4は、加熱されたグルーの散布装置1がスタンド10の構造体から垂下している第4実施例を示している。ノズル5は、支持梁20及び21に回転可能に接続された支持構造体49に取り付けられており、支持構造体49は、縦方向を横切って延びる軸の周りに、図4に仮想線で示す降下位置にある降下アーム11に保持されているリールシャフト6から比較的離れて遠くにある待機位置と、実線で示すリールシャフト6に比較的近い作動位置との間で、回転できるようになっている。接着剤加熱ホッパー8は、支持梁20、21に対して固定されており、コンジット7経由でノズル5に接続されている。支持構造体49は、空気シリンダーのような従来型のアクチュエータ(図示せず)によって、待機位置と作動位置との間で動かされ、リールシャフト6が降下アーム11によって下げられるときに、ノズルがリールシャフト6の範囲を出入りする。
【0041】
空のリールシャフト6は、降下アーム11によってスタンド10から持ち上げられ、リールドラム2の方向に下げられる。空のリールシャフト6が下げられると、ノズル支持構造体49は作動位置まで動かされて、ノズル5が空のリールシャフト6に近接して配置され、ジェット4が加熱されたグルーを空のリールシャフト6の外側表面上に供給する。次に、第3実施例で上に述べた工程と同様に、リールドラム上での巻き取りが始まる。
【0042】
図5は、ノズル5が、プライマリアーム23に固定されていて、プライマリアーム23がリールシャフト6を掴んでいる間に、加熱されたグルージェット4をリールシャフト6の外側表面46上に噴霧する、第5実施例を示している。ノズル5は、両プライマリアーム23の間を延びる機械横断支持体(図示せず)に取り付けられ、リールシャフト6に近接して配置されている。コンジット7は、スタンド10に取り付けられており、スタンド10からノズル5へ延びる可撓性部分を含んでいる。これにより、ノズルは、プライマリアーム23がリールシャフト6を操作する際、プライマリアーム23と共に動けるようになっている。
【0043】
図6は、接着剤加熱ホッパー8がプライマリアーム23に対し固定されていることを除けば、図5の実施例と同じ第6実施例を示している。この実施例では、ホッパー8は交換可能に設計されており、1つのホッパー8が空になると、接着剤を充填するのではなく別の充填済みホッパーと取り替えるようになっている。
【0044】
図7は、新たに回収された空のリールシャフト6が降下アーム11内に保持されている間に、その上にノズル5を配置する、スタンド10の頭上に取り付けられたノズル5用の支持構造体49を備えている第7実施例を示している。支持構造体49は、降下アーム11の回転軸に近接している垂直ポスト50と、ポスト50に固定され、アーム11のフック端部30に向かって延びる水平支持アーム51を含んでいる。ノズル5は、水平アーム51の端部付近に固定され、アーム11のフック部分30内に保持されているリールシャフト6に向かってほぼ下方向を指している。巻き付けドラム6は、ノズル5によってグルーが塗布されている間、停止していても、回転していてもよい。
【0045】
図9は、図1及び8の実施例と同様の加熱されたグルーの散布装置1の別の実施例を示しているが、この実施例では、縦方向を横断して延びる単一のメインコンジット52があり、メインコンジット52から複数の個別コンジット53が枝分かれして各ノズルにグルーを供給する。メインコンジット52は、一端が接着剤加熱ホッパー8に接続されており、反対の端部は閉じている。コンジット53は、メインコンジット52に接続されており、下方向に延びてノズル5に連結している。この実施例の利点は、ノズル5に供給するのに流されなければならないコンジットの量を削減できるという点である。
【0046】
図10は、縦方向を横断して動く一対の並進運動ノズル60を採用している加熱されたグルーの散布装置1の更に別の実施例を示している。各並進運動ノズル60は、それぞれ無桿シリンダー62に取り付けられている。無桿シリンダー62は、互いに平行で、縦方向を横切って延びている。シリンダー62は、一方の上に他方が配置されており、両者の間には、ノズル60が横方向運動の間に決して衝突することの無いよう十分な隙間が設けられている。シリンダー62はラック9に固定されており、ラック9は、一対のケーブルトラック63も支持している。ケーブルトラック63は、一対のノズル60に加熱された接着剤を供給する一対のコンジット7(各トラックに1つのコンジット)を備えている。ケーブルトラック63は、並進運動ノズル60の移動の間、コンジット7を保護し支持する、可撓性の仕切られたハウジングである。
【0047】
一対の並進運動ノズル60は、図11に示すように、接着剤が塗布される前はペーパーウェブの幅の中央に配置されており、ペーパーの幅の両側端に向かって外方向に動いて、移動経路に沿って加熱済み接着剤を塗布する。また、ノズル60は、図12に示すように、ペーパーウェブの幅の両側端に配置し、中央に向かって動かしてもよい。ノズルが接着剤をペーパーウェブ44に塗布する際には、並進運動ノズルをできる限り迅速に動かして、回転と並進移動を組み合わせた螺旋効果を最小にすることが望ましい。従って、ノズル60の運動は、無桿シリンダー62によって誘導するのが望ましい。しかし、別の型式の作動装置を代わりに使用することもできる。ノズルは、接着剤をウェブ44及び/又はリールシャフト6に塗布することができる。
【0048】
以上、本発明を、特定の型式の機械に関連付けて説明してきたが、本発明は、他の型式の巻き付け器や、リワインダーのような別の巻き取り装置にも適用できる。本発明は、ボール紙、印刷紙、ティッシュなど様々なペーパー等級に適用できる。本発明は、様々な型式のグルー加熱装置にも適用できる。従って、本明細書の巻き付け器に関する説明は、本発明の適用範囲を制限するものではない。
【0049】
上記説明及び添付図面に呈示した教示の利点を有する本発明が関与する分野の当業者は、本発明に関わる多くの修正及び他の実施例を想起するであろう。従って、本発明は、開示した特定の実施例に限定されるものではなく、修正及び他の実施例も、特許請求の範囲に述べる事項に含まれるものと理解頂きたい。本明細書では特定の用語を用いたが、それらは包括的且つ説明的意味で用いただけであって、限定を目的としたものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による巻き付け器の部品を一方の長手側面から見た概略側面図であり、ノズルがニップの上流でウェブに噴霧するように配置されている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図2】巻き付け器の概略側面図であり、ノズルがニップ内に噴霧するように配置されている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図3】巻き付け器の概略側面図であり、ノズルが、新たに捕捉したリールシャフト上に噴霧するため降下アームに配置されている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図4】巻き付け器の概略側面図であり、ノズルが、リールシャフトが降下アームによって下げられるときに、揺動してリールシャフトの範囲に出入りするよう配置されている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図5】巻き付け器の概略側面図であり、ノズルが、接着剤をリールシャフト上に噴霧するようプライマリアームに対して固定されている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図6】巻き付け器の概略側面図であり、ノズルと接着剤供給装置が、接着剤をリールシャフト上に噴霧するようプライマリアームに取り付けられている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図7】巻き付け器の概略側面図であり、ノズルが、降下アームによって保持されている新しく回収されたリールシャフトに噴霧するよう、空のリールシャフトの保管位置に近接するガントリーアームの端部に配置されている、加熱されたグルーの散布装置を示している。
【図8】巻き付け器の概略正面図であり、縦方向に対して横断方向に取り付けられている、ノズルと、そのそれぞれのコンジットの配置を示している。
【図9】巻き付け器の概略正面図であり、縦方向に対して横断方向に取り付けられている、ノズルとメインコンジットの配置を示している。
【図10】巻き付け器の概略正面図であり、縦方向に対して横断方向に動く、一対の並進移動式ノズルの配置を示している。
【図11】図10に示す一対のノズルにより形成される接着剤塗布の線の概略平面図であり、接着材インタフェースが、ウェブの上流方向に中心からエッジに対角線状に延びるように塗布されている。
【図12】図10に示す一対のノズルにより形成される接着剤塗布の線の概略平面図であり、接着材インタフェースが、ウェブの上流方向にエッジから中心に向かって延びるように塗布されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動している繊維材料のウェブをリールシャフトに巻き取って、繊維材料のロールを形成するための装置において、
巻き取りの間、前記ウェブを支持するための支持装置と、
前記リールシャフトを支持し、前記リールシャフトをその軸の周りに回転させるための巻き取り装置であって、前記支持装置と前記巻き取り装置の内の少なくとも一方は他方に対して移動可能であり、前記回転しているリールシャフトを、前記支持装置上のウェブが前記回転しているリールシャフトと係合するように、前記支持装置に近接する巻き取り位置に配置するようになっている巻き取り装置と、
接着剤を噴霧するように作動可能な複数のスプレーノズルであって、前記スプレーノズルは、前記リールシャフトが前記支持装置上の前記ウェブと係合する際に、前記ウェブが前記リールシャフトに接着し、前記リールシャフトの周りに巻き付き始めるように、前記ウェブと前記リールシャフトの外側表面の内の少なくとも一方の上に接着剤を噴霧するように配置されているスプレーノズルと、
或る量の接着剤を保持するためのホッパーを含む接着剤供給装置であって、前記ホッパーは、前記接着剤を前記ホッパー内で加熱して前記接着剤を流動可能にし、圧力を掛けて前記接着剤を前記スプレーノズルへ供給するように操作できるようになっている接着剤供給装置と、を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持装置は、前記ウェブが部分的に周囲に巻きつけられる回転可能なリールドラムを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項3】
前記リールドラムを回転可能に支持するためのフレームを更に備えており、前記複数のスプレーノズルは前記フレームに対して固定されていることを特徴とする、請求項2に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項4】
前記スプレーノズルは、前記接着剤を、前記リールドラムの上流で前記ウェブ上に噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項5】
前記リールドラムと前記リールシャフトとの係合が、両者の間にニップを形成し、前記スプレーノズルは、前記接着剤を前記ニップ内に噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項6】
前記スプレーノズルは、前記接着剤を、前記リールシャフトの外側表面上に噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項7】
空のリールシャフトを受け取り、前記空のリールシャフトを前記巻き取り装置内に移送するためのリール交換装置を更に備えており、前記ノズルは、前記接着剤を、前記リールシャフトが前記リール交換装置内に保持されている間に、前記リールシャフト上に噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項8】
前記リール交換装置は、一対の回転式降下アームを備えており、前記ノズルは前記降下アームに対して固定されていることを特徴とする、請求項7に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項9】
前記降下アームは、前記降下アームが回収する前記空のリールシャフトを保持するための台座を含む固定構造体に回転可能に取り付けられており、前記ノズルは、前記降下アームによって前記リールシャフトが前記巻き取り装置に向かって下げられる前に、前記降下アーム内の前記リールシャフト上に接着剤を噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項10】
前記ノズルは、前記固定構造体に対して固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項11】
前記ノズルは、前記降下アームに対して固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項12】
前記リールドラムを、回転可能に支持するためのフレームと、前記フレームに移動可能に連結されており、前記スプレーノズルを支持しているノズル支持構造体と、を更に備えており、前記支持構造体は可動式で、前記接着剤を前記リールシャフトの外側表面上に噴霧するために前記スプレーノズルを前記リールシャフトに向かって動かし、且つ前記接着剤を前記場所に噴霧した後で、前記リールシャフトから離れる方向に動かすことができるようになっていることを特徴とする、請求項2に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項13】
前記リールシャフトを台座から前記巻き取り装置に向けて下ろすための降下装置を更に備えており、前記支持構造体は、前記リールシャフトが前記降下装置内に保持されている間に、前記ノズルを、前記リールシャフトに近接する位置に動かすよう作動可能であることを特徴とする、請求項12に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項14】
前記スプレーノズルは、前記巻き取り装置に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項15】
前記接着剤供給装置は、前記巻き取り装置に取り付けられていることを特徴とする、請求項14に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項16】
前記スプレーノズルは、前記接着剤を前記シールシャフトの外側表面上に噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項17】
前記支持装置は、リールドラムを備えており、前記接着剤は、前記リールドラムと前記リールシャフトとの間に形成されているニップ内に噴霧されることを特徴とする、請求項14に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項18】
前記複数のスプレーノズルは、前記リールシャフト及び前記移動しているウェブの内の少なくとも一方に沿って接着剤を塗布するために、横方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項19】
移動している繊維材料のウェブを巻き取るための方法において、
接着剤を、タンク内で、ヒーターを使って所定の温度まで加熱し、接着剤を流動可能にする段階と、
前記ウェブを回転しているリールシャフトに導く段階と、
前記流動可能な接着剤を複数の塗布器ノズルに供給する段階と、
前記接着剤を、前記塗布器ノズルから、前記ウェブと前記リールシャフトのうちの少なくとも一方の上に塗布する段階と、
前記ウェブが前記リールシャフトに接着し、その周りに巻き取られるように、前記ウェブと前記リールシャフトとの間の接触を開始する段階と、を有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記塗布する段階が、前記接着剤を前記塗布器ノズルから噴霧することを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記噴霧する段階が、前記リールシャフトの上流で前記ウェブに噴霧することを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記噴霧する段階が、前記接着剤を、前記リールシャフトと、前記ウェブを支持している支持装置との間に形成されているニップ内に噴霧することを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記噴霧する段階が、前記接着剤を前記リールシャフト上に噴霧することを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
空のリールシャフトの台座から空のリールシャフトを回収するリール交換装置を使用する段階を更に含んでおり、前記リール交換装置は、次に、前記台座から前記回収されたリールシャフトを下げて、前記リールシャフトを、前記リールシャフトを回転させて前記ウェブをその上に巻き取るように作動できる巻き取り装置内に移送し、前記接着剤は、前記リールシャフトが前記リール交換装置によって回収された後で、前記リールシャフト上に噴霧されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記接触を開始する段階は、前記巻き取り装置を使って、前記リールシャフトを、ウェブが支持されている支持装置に向かって動かす段階を含んでいることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記噴霧する段階は、前記リールシャフトが前記リール交換装置内に保持されている間に、前記リールシャフトに噴霧する段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記接着剤が前記リールシャフトに噴霧されるときに、前記リールシャフトを回転させる段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記リールシャフトが、前記台座から下げられた後、前記リール交換装置内に保持されている間に、前記接着剤が、前記リールシャフト上に噴霧されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記噴霧する段階は、前記リールシャフトが前記巻き取り装置内に移送された後で、前記リールシャフトに噴霧することを含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記接着剤が、前記ウェブと前記リールシャフトの内の少なくとも一方に供給されているとき、前記ノズルは縦方向(machine direction)を横切って移動されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動している繊維材料のウェブをリールシャフトに巻き取って、繊維材料のロールを形成するための装置において、
巻き取りの間、前記ウェブを支持するための支持装置と、
前記リールシャフトを支持し、前記リールシャフトをその軸の周りに回転させるための巻き取り装置であって、前記支持装置と前記巻き取り装置の内の少なくとも一方は他方に対して移動可能であり、前記回転しているリールシャフトを、前記支持装置上のウェブが前記回転しているリールシャフトと係合するように、前記支持装置に近接する巻き取り位置に配置するようになっている巻き取り装置と、
接着剤を噴霧するように作動可能な複数のスプレーノズルであって、前記スプレーノズルは、前記リールシャフトが前記支持装置上の前記ウェブと係合する際に、前記ウェブが前記リールシャフトに接着し、前記リールシャフトの周りに巻き付き始めるように、前記ウェブと前記リールシャフトの外側表面の内の少なくとも一方の上に接着剤を噴霧するように配置されているスプレーノズルと、
或る量の接着剤を保持するためのホッパーを含む接着剤供給装置であって、前記接着剤供給装置は、前記接着剤を加熱して前記接着剤をホッパーからノズルまで流動可能にし、圧力を掛けて前記接着剤を前記スプレーノズルへ供給するように操作できるようになっている接着剤供給装置と、を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持装置はリールドラムを備え、前記リールドラムと前記リールシャフトとの係合が、両者の間にニップを形成し、前記スプレーノズルは、前記接着剤を前記ニップ内に噴霧するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項3】
前記ノズルは、固定されているか、または接着剤を塗布するために可動となることを特徴とする、請求項1に記載の移動しているウェブを巻き取るための装置。
【請求項4】
移動している繊維材料のウェブを巻き取るための方法において、
接着剤を、タンク内で、ヒーターを使って所定の温度まで加熱し、接着剤をノズルまでの全経路に亘って流動可能にする段階と、
前記ウェブを回転しているリールシャフトに支持装置によって導き支持する段階と、
前記流動可能な接着剤を複数の塗布器ノズルに供給する段階と、
前記接着剤を、前記塗布器ノズルから、前記ウェブと前記リールシャフトのうちの少なくとも一方の上、あるいはリールシャフトと支持装置との間のニップ間に塗布する段階と、
前記ウェブが前記リールシャフトに接着し、その周りに巻き取られるように、前記ウェブと前記リールシャフトとの間の接触を開始する段階と、を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−56716(P2006−56716A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229891(P2005−229891)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【分割の表示】特願2002−546013(P2002−546013)の分割
【原出願日】平成13年11月5日(2001.11.5)
【出願人】(501337362)メッツォ ペーパー カルルスタッド アクチボラグ (8)
【Fターム(参考)】