説明

ホイップアンテナ

【課題】部品点数を削減し、縮長時のアンテナ長を短くし、アンテナの有効長を長くする。
【解決手段】少なくとも、第1エレメントと、前記第1エレメントの内部に収容される第2エレメントと、を備えるアンテナであって、前記第2エレメントの下端には、太径に形成されたフランジ部が設けられ、前記第2エレメントの下部には、前記第1エレメントの内面を摺動するバネ部材が、前記フランジ部に当接するように取り付けられ、前記第2エレメントが前記第1エレメント内に取り付けられた状態で、前記バネ部材の太径部は前記第1エレメントの内側面を外側に付勢しており、前記バネ部材は、その下方において径の内側に突出する突起部を有するフック部を、その下端部から突出するように設け、前記突起部と前記第2エレメントの下端部とが係合することによって、前記バネ部材が前記第2エレメントに固定されることを特徴とするホイップアンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイップアンテナに関し、上段エレメントと下段エレメントとがスプリングの作用により電気的及び機械的に接続されるエレメントに給電する多段のホイップアンテナの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機には、従来より、2段ホイップアンテナが用いられており、近年、地上デジタルテレビ放送波を受信するための多段ホイップアンテナも用いられている。
【0003】
このような地上デジタルテレビ放送波を受信するための多段ホイップアンテナとして、特許文献1に記載されたアンテナが提案されている。
【0004】
また、多段ホイップアンテナは、上段エレメントの下部が下段エレメントの上部と電気的に接触して、下段エレメントから上段エレメントに給電することによって、上段エレメントと下段エレメントとが一つのエレメントとして一体に機能するように構成されている。このため、上段エレメントと下段エレメントとを安定的に接触させ、また、エレメントの伸長時に両エレメントがぐらつかないように固定するために、上段エレメントの下部に径方向に広がるスプリングを設けることが提案されている(特許文献2、3参照)。
【特許文献1】特開2008−193437号公報
【特許文献2】特開2002−223111号公報
【特許文献3】特開2002−223112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、従来の多段ホイップアンテナでは上段エレメントに取り付けられたスプリングの軸方向の移動を避けるため、固定部材によってスプリングを固定する必要があった。例えば、図8に示すホイップアンテナのエレメント30は、パイプ31の下端に筒状のスリーブ35Aを固定し、スリーブ35Aと当接する位置に配置されたスプリング32を挟むように筒状のスリーブ35Bをパイプ31に固定していた。この場合、スリーブ35A及び35Bの長さだけ、エレメント伸長時のアンテナの有効長が短くなり、アンテナ感度が低下する問題があった。また、別部材のスリーブ35A、35Bを設ける必要があり、部品点数の増加によってコストが上昇する問題があった。
【0006】
また、別のスプリングの固定方法では、パイプ31の側面を覆うチューブの下端にワッシャを配置し、該ワッシャにスプリング32が当接するように、スリーブ35Aをパイプ31に固定することによって、スプリングを固定していた(特許文献3参照)。この場合も、別部材のチューブ、ワッシャを設ける必要があり、部品点数の増加によってコストが上昇する問題があった。また、チューブを設けることによって、パイプ31が太くなり、見栄えが悪いという問題があった。
【0007】
さらに、エレメントを細くするためにチューブを取り除いた場合、特許文献3に開示されたスプリングの固定方法を採用することはできない。
【0008】
このように、エレメント間の接続部の構造が、多段ホイップアンテナの短縮化と細径化とに大きく影響する。このため、接続部の部品点数を削減し、アンテナの縮長時の長さを短くしつつ、アンテナの有効長が長くとれる構造のアンテナが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、少なくとも、第1エレメントと、前記第1エレメントの内部に収容される第2エレメントと、を備えるアンテナであって、前記第2エレメントの下端には、太径に形成されたフランジ部が設けられ、前記第2エレメントの下部には、前記第1エレメントの内面を摺動するバネ部材が、前記フランジ部に当接するように取り付けられ、前記バネ部材は、金属薄板を屈曲させることによって、その両端に筒状部と、前記筒状部の間に太径部とを形成し、前記太径部は、前記筒状部より太径で、その径方向にバネ性を有することによって径を可変可能に構成され、前記第2エレメントが前記第1エレメント内に取り付けられた状態で、前記太径部は前記第1エレメントの内側面を外側に付勢しており、前記バネ部材は、その下方において径の内側に突出する突起部を有するフック部を、その下端部から突出するように設け、前記突起部と前記第2エレメントの下端部とが係合することによって、前記バネ部材が前記第2エレメントに固定される。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記フランジ部には、前記フック部が通過可能な切り欠きが設けられている。
【0011】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記第2エレメントは、その内部に第3エレメントを収容するためのパイプで構成されており、前記突起部は、前記バネ部材が前記第2エレメントに取り付けられた状態で、その先端が前記パイプの内径より突出しない突出量である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、スプリングの軸方向の移動を規制するための部品点数を削減でき、コストの上昇を抑制することができる。また、エレメント伸長時のアンテナの有効長を長くすることができ、エレメントを細径にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態のホイップアンテナの伸長時の側面図である。
【図2A】本発明の第1の実施の形態の第3エレメント30の側面図である。
【図2B】本発明の第1の実施の形態の第3エレメント30の底面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のスプリング32の側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第3エレメント30にスプリング32が取り付けられた状態の側面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第3エレメント30にスプリング32が取り付けられた状態の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の第3エレメント30が伸長している状態の第2エレメント20の上部の断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの伸長時の側面図である。
【図8】従来の第3エレメントの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態のホイップアンテナの伸長時の側面図である。
【0016】
第1の実施の形態の多段ホイップアンテナは、第1エレメント10、第1エレメント10の内部に収容される第2エレメント20、第2エレメント20の内部に収容される第3エレメント30、及び、第3エレメント30の内部に収容される第4エレメント40を備え、第1エレメント10、第2エレメント20、第3エレメント30、第4エレメント40の順でサポート金具50側から配置される。
【0017】
なお、本発明の実施形態として、4段の伸縮式ホイップアンテナについて説明するが、他の段数(例えば、2段)のホイップアンテナでもよい。
【0018】
第1エレメント10は、金属製のパイプ11によって構成され、パイプ11の下端に先端が平板状の可倒金具12を備え、パイプ11の上部にサポート部16が設けられている。可倒金具12の下部にはベース部13が、軸14によって屈曲可能に結合されて、ヒンジ部が形成される。ベース部13の下部には、パイプ11より太径のサポート部15が設けられている。サポート部15は、アンテナ伸長時には、サポート金具50の内面と接触することによって、アンテナが携帯無線機の筐体の外部に突出するように保持する。サポート部15は、ベース部13の一部を太径に加工しても、ベース部13に別部材を取り付けることによって構成してもよい。
【0019】
第1エレメント10の上部のサポート部16は、パイプ11より太径(サポート部15と略同径)であって、アンテナ収容時には、サポート金具50の内面と接触することによって、アンテナを筐体の内部に保持する。なお、サポート部15とサポート部16との間のパイプ11は、サポート部15、16より細径なので、サポート金具50はサポート部15とサポート部16との間をスムーズに動くことができる。
【0020】
サポート部16は、パイプ11を軸方向に加圧することによって太径に成型される。このようにサポート部16をプレス加工によって太径に変形させることによって、サポート部16を別部品で構成する必要がなく、部品点数を削減し、第1エレメント10の加工コストを削減することができる。
【0021】
サポート金具50は、筐体(筐体の外面を破線で示す)に取り付けられている。サポート金具50の内面にはスプリングが取り付けられており、このスプリングがサポート部15、16の外周面と接触することによって、アンテナがサポート金具50に保持される。なお、このスプリングとパイプ11の外周面との接触は僅かである。
【0022】
第2エレメント20は、金属製の円筒状のパイプ21によって構成されている。パイプ21の外径は、パイプ11の内径より少し細く、第2エレメント20が第1エレメント10の内部を、その軸方向に移動可能となっている。パイプ21の下部には、スプリングが取り付けられている。このスプリングが第1エレメント10の内面と接触することによって、第2エレメント20が第1エレメント10の内部を安定して摺動し、かつ、電気的に安定して接触する。
【0023】
第3エレメント30は、金属製の円筒状のパイプ31によって構成されている。パイプ31の外径は、パイプ21の内径より少し細く、第3エレメント30が第2エレメント20の内部を、その軸方向に移動可能となっている。パイプ31の下部には、スプリング32(図4参照)が取り付けられている。スプリング32が第2エレメント20の内面と接触することによって、第3エレメント30が第2エレメント20の内部を安定して摺動し、かつ、電気的に安定して接触する。
【0024】
第4エレメント40は、棒状導体41によって構成されている。棒状導体41の外径は、パイプ31の内径より少し細く、第4エレメント40が第3エレメント30の内部を、その軸方向に移動可能となっている。棒状導体41の下部にはスプリングが取り付けられており、スプリングが第3エレメント30の内面と接触することによって、第4エレメント40が第3エレメント30の内部を安定して摺動し、かつ、電気的に安定して接触する。
【0025】
棒状導体41の上端にはキャップ43が取り付けられている。キャップ43は棒状導体41より太径であり、第4エレメント40の収容時にキャップ43が第3エレメント30の上端と当接することによって、第4エレメント40の全体が第3エレメント30の内部に収容されることを防止している。また、アンテナ収容時にキャップ43がサポート金具50と当接することによって、アンテナ全体が筐体内部に収容されることを防止している。
【0026】
図2Aは、第1の実施の形態の第3エレメント30のパイプ31の側面図であり、図2Bは、その底面図である。
【0027】
第3エレメント30は、パイプ31によって構成される。パイプ31の上端は、例えば絞り加工によって、細径に加工されている。これは、エレメントの伸長時に、第3エレメント30の内部を摺動する第4エレメント40が第3エレメント30から抜け落ちないようにするためである。
【0028】
パイプ31の下端には、パイプ31を太径に加工したフランジ部34が形成されている。フランジ部34は、パイプ31を軸方向にプレスによって太径に加工してもよく、パイプ31に別部材を取り付けて太径にしてもよい。なお、フランジ部34の径は、スプリング32の筒状部32Aの外径と同程度が望ましい。
【0029】
図2Bに示すように、フランジ部34は、円周方向の一部が切り欠かれている(34A)。このため、スプリング32のフック部32Cがフランジ部34の切り欠き34Aを通過して、フック部32Cの先端が第3エレメント30の下端より下に位置することができるようになっている。すなわち、フランジ部34が切り欠かれている切り欠き部34Aの幅は、フック部32Cの幅より少しだけ大きい。このため、後述するように、フック部32Cの先端に設けられた突起32Dがパイプ31の下端と係合することができる。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施形態のスプリング32の側面図である。
【0031】
スプリング32は、両端の筒状部32Aと、筒状部32Aの間の太径部32Bと、一つの筒状部32Aから軸方向に突出するフック部32Cとを備える。筒状部32Aの内径は、パイプ31がスプリング32に挿入可能なように、パイプ31の外径と同じ径、又は、少しだけ大きくなっている。
【0032】
太径部32Bを構成する金属板は外側に湾曲しており、スプリング32が、パイプ31に取り付けられ、第3エレメント30が第2エレメント20内に挿入された状態で、太径部32Bの外側面が第2エレメント20の内側面と接触する。これによって、エレメント間が電気的に接続され、また、接触部に生じる摩擦力によってエレメントが伸長状態又は収納状態で維持される。
【0033】
フック部32Cは、太径部から下方に突出する舌片状であり、その先端において内径側に突出する突起32Dが設けられている。この突起32Dは、フック部32Cの先端を径方向に折り曲げたり、フック部32Cの先端を軸方向に折り曲げて形成することができる。
【0034】
図4は、本発明の第1の実施形態のスプリング32が取り付けられた第3エレメント30を示す側面図であり、図5は、その断面図である。
【0035】
スプリング32は、パイプ31の上部から挿入される。そして、スプリング32のフック部32Cが、フランジ部34の切り欠き34Aによって、フランジ部34を通過して、パイプ31の下端に至る。この状態で、フック部32Cの突起32Dが、パイプ31の下端に係合する。突起32Dの先端は、図5に示す様に、パイプ31の内径より内部に突出しない大きさとなっている。このため、突起32Dによって、第4エレメント40がパイプ31内部を摺動することを妨げない。
【0036】
図6は、第1の実施の形態の第3エレメント30が伸長している状態の第2エレメント20の上部の断面図である。
【0037】
前述したように、第3エレメント30を構成するパイプ31の下部にはスプリング32が取り付けられている。スプリング32は、略円筒状で、軸方向の両端部がパイプ31の外側と接する筒状部32Aを形成し、軸方向の中間部が太径の太径部32Bを形成している。スプリング32の太径部32Bは第2エレメント20の内面と接触しており、第3エレメント30が第2エレメント20の内部を安定して摺動する。
【0038】
なお、図6において、スプリング32の太径部32Bは第2エレメント20の内面とは接触していないようにも見えるが、これは、図示する方向の問題であり、実際には、両者は接触している。
【0039】
また、前述したように、パイプ31の下端には、フランジ部34が形成されている。フランジ部34の外径は、スプリング32の内径より大きくなっている。また、フック部32Cの突起32Dが、パイプ31の下端に係合する。
【0040】
このように、スプリング32は、フランジ部34によって下方向の移動が規制され、パイプ31の下端と突起32Dとの係合によって、上方向の移動が規制される。これによって、スプリング32がパイプ31の所定の位置から移動することを防止し、スプリング32をパイプ31上で安定的に保持している。
【0041】
第3エレメント30の伸長時には、スプリング32の上端が第2エレメント20の先端の内面と当接する。第2エレメント20のパイプ21も、第3エレメント30のパイプ31と同様に、その先端が細径に加工されているので、第3エレメント30が第2エレメント20から抜け落ちないようになっている。
【0042】
図6を用いて第3エレメント30と第2エレメント20との接続部においてスプリング32を取り付ける構造について説明したが、第2エレメント20と第1エレメント20との接続部においてスプリング22を取り付ける構造についても同様に、スプリングの下端に突起を有するフックを設けて、スプリングの移動を規制することができる。
【0043】
本発明の実施形態のアンテナは、エレメント間を接続するスプリングに特徴を有する。この特徴部分について、第3エレメント30に設けられ、第3エレメント30と第2エレメント20との間を接続するスプリングについて説明するが、他のエレメントに設けられるスプリングも同じ構造を採用することができる。
【0044】
以上説明したように、第1の実施の形態によると、フランジ部34及びスプリング32の突起32Dによって、スプリング32の軸方向の移動を規制するので、スプリングを固定するための別部材を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、コストの上昇を抑制することができる。
【0045】
また、スプリング32をの端部を別部材のスリーブで押さえる必要がなく、スプリングを取り付けるためのスペースを短くすることができる。このため、エレメントの収容時のアンテナの長さを短くしつつ、エレメント伸長時のアンテナの有効長を長くすることができる。さらに、アンテナエレメントの外形を細くすることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は、第2の実施の形態のホイップアンテナの伸長時の側面図である。
【0047】
第2の実施の形態の多段ホイップアンテナは、前述した第1の実施の形態の多段ホイップアンテナと異なり、サポート金具50側から、第4エレメント40、第3エレメント30、第2エレメント20、第1エレメント10の順、すなわち、下側に細径のエレメントが配置され、上側に太径のエレメントが配置される。
【0048】
第2の実施の形態の多段ホイップアンテナは、第1エレメント10、第1エレメント10の内部に収容される第2エレメント20、第2エレメント20の内部に収容される第3エレメント30、及び、第3エレメント30の内部に収容される第4エレメント40を備える。
【0049】
第1エレメント10は、金属製のパイプ11によって構成され、パイプ11の上端にはキャップ43が取り付けられている。キャップ43はパイプ11の外径より太く、アンテナ収容時にキャップ43がサポート金具50と当接することによって、アンテナ全体が筐体内部に収容されることを防止している。
【0050】
パイプ11は、その上部にサポート部16を備える。サポート部16は、パイプ11より太径であって、アンテナ収容時には、サポート金具50の内面と接触することによって、アンテナを筐体の内部に保持する。
【0051】
サポート部16は、パイプ11を軸方向に加圧することによって太径に成型される。このようにサポート部16をプレス加工によって太径に変形させることによって、サポート部16を別部品で構成する必要がなく、部品点数を削減し、第1エレメント10の加工コストを削減することができる。
【0052】
第2エレメント20は、金属製の円筒状のパイプ21によって構成されている。パイプ21の外径は、パイプ11の内径より少し細く、第2エレメント20が第1エレメント10の内部を、その軸方向に移動可能となっている。パイプ21の上部には、スプリングが取り付けられている。スプリングが第1エレメント10の内面と接触することによって、第2エレメント20が第1エレメント10の内部を安定して摺動する。
【0053】
第3エレメント30は、金属製の円筒状のパイプ31によって構成されている。パイプ31の外径は、パイプ21の内径より少し細く、第3エレメント30が第2エレメント20の内部を、その軸方向に移動可能となっている。パイプ31の上部には、スプリング32(図4参照)が取り付けられている。スプリング32が第2エレメント20の内面と接触することによって、第3エレメント30が第2エレメント20の内部を安定して摺動する。
【0054】
第4エレメント40は、棒状導体41によって構成されている。棒状導体41の外径は、パイプ31の内径より少し細く、第4エレメント40が第3エレメント30の内部を、その軸方向に移動可能となっている。棒状導体41の上部には、スプリングが取り付けられている。
【0055】
棒状導体41は、その下端に、先端が平板状の可倒金具12を備える。可倒金具12の下部にはベース部13が、軸14によって屈曲可能に結合されて、ヒンジ部が形成される。ベース部13の下部には、第1エレメント10のパイプ11より太径(サポート部16と略同径)のサポート部15が設けられている。サポート部15は、アンテナ伸長時には、サポート金具50の内面と接触することによって、アンテナが携帯無線機の筐体の外部に突出するように保持する。サポート部15は、ベース部13に別部材を取り付けることによって構成してもよい。
【0056】
なお、パイプ11は、サポート部15、16より細径なので、サポート金具50はサポート部15とサポート部16との間をスムーズに動くことができる。
【0057】
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した構造は同じであるが、第2の実施の形態では、各エレメントの上下が前述した第1の実施の形態とは逆に配置されていることから、図2、図4、図6などにおいて上下が逆となる。
【0058】
以上説明したように、第2の実施の形態によると、前述した第1の実施の形態と同様に、フランジ部34及びスプリング32の突起32Dによって、スプリング32の軸方向の移動を規制するので、スプリングを固定するための別部材を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、コストの上昇を抑制することができる。また、スプリング32をの端部を別部材のスリーブで押さえる必要がなく、スプリングを取り付けるためのスペースを短くすることができる。このため、エレメントの縮長時のアンテナの長さを短くしつつ、エレメント伸長時のアンテナの有効長を長くすることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 第1エレメント
11 パイプ
12 可倒金具
13 ベース部
14 軸
15 サポート部
16 サポート部
20 第2エレメント
21 パイプ
30 第3エレメント
31 パイプ
32 スプリング
32A 筒状部
32B 太径部
32C フック部
32D 突起
34 フランジ
40 第4エレメント
41 棒状導体
43 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、第1エレメントと、前記第1エレメントの内部に収容される第2エレメントと、を備えるアンテナであって、
前記第2エレメントの下端には、太径に形成されたフランジ部が設けられ、
前記第2エレメントの下部には、前記第1エレメントの内面を摺動するバネ部材が、前記フランジ部に当接するように取り付けられ、
前記バネ部材は、金属薄板を屈曲させることによって、その両端に筒状部と、前記筒状部の間に太径部とを形成し、
前記太径部は、前記筒状部より太径で、その径方向にバネ性を有することによって径を可変可能に構成され、
前記第2エレメントが前記第1エレメント内に取り付けられた状態で、前記太径部は前記第1エレメントの内側面を外側に付勢しており、
前記バネ部材は、その下方において径の内側に突出する突起部を有するフック部を、その下端部から突出するように設け、
前記突起部と前記第2エレメントの下端部とが係合することによって、前記バネ部材が前記第2エレメントに固定されることを特徴とするホイップアンテナ。
【請求項2】
前記フランジ部には、前記フック部が通過可能な切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホイップアンテナ。
【請求項3】
前記第2エレメントは、その内部に第3エレメントを収容するためのパイプで構成されており、
前記突起部は、前記バネ部材が前記第2エレメントに取り付けられた状態で、その先端が前記パイプの内径より突出しない突出量であることを特徴とする請求項1又は2に記載のホイップアンテナ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−93779(P2013−93779A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235496(P2011−235496)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(390001074)NECネットワークプロダクツ株式会社 (23)
【Fターム(参考)】