説明

ホイール剛性測定装置及びホイール剛性の測定方法

【課題】ホイール剛性測定装置及びホイール剛性の測定方法を提供する。
【解決手段】ホイール4の周囲を固定する台座テーブル16と、ホイール4の軸線上に位置するようにホイール4のハブ面12に固定される負荷アーム17と、負荷アーム17を傾けてホイール4に負荷荷重をかける荷重発生手段18と、負荷アーム17のホイール4側先端に接続されてホイール4の軸と垂直の方向に沿うように測定面19を配するターゲット部材20と、測定面19の傾斜計測手段とを備え、
測定面19の傾斜と距離計測手段21からターゲット部材20の測定面19の傾斜を検出し、測定面19の傾斜と荷重発生手段18の負荷荷重とからホイール4の剛性を測定するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールの剛性について測定を行うホイール剛性測定装置及びホイール剛性の測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用のホイールについて剛性を測定する際にはホイール剛性測定装置を用いている。
【0003】
ホイール剛性測定装置は、図8に示す如く、床面1に配置された立体状のフレーム2と、フレーム2に配置されるロッド状の負荷アーム3とを備えている。フレーム2は、上面に、ホイール4を固定するクリップ等の固定手段(図示せず)を配した台座面5を形成している。また負荷アーム3は、台座面5に形成された通過孔6を介して配置され、上端に水平な固定面7を形成する固定部8を備えると共に、下端にはジャッキ等の荷重発生手段(図示せず)と、負荷アーム3の傾斜を測定するダイヤルゲージ9とを備えている。
【0004】
一方、ホイール4は、タイヤ(図示せず)を装着するリム10と、円盤状のディスク11とを備えて構成されており、ディスク11の中央には、車両のハブ(図示せず)に取付けるハブ面12が備えられ、ハブ面12には、車両のハブとボルト締結し得るボルト穴(図示せず)と、ホイール4の軸心に位置するハブ穴13とが形成されている。
【0005】
ホイール4の剛性を計測する際には、準備段階で、ホイール4を車両に取付けたとき車両側になる面を下面に向けるようにホイール4を載置し、ホイール4のリム10の周囲側端部を固定手段で固定し、次に、ホイール4のハブ面12に下方側から負荷アーム3の固定面7を接触させてハブ面12のボルト孔(図示せず)を介してボルト12aにより締結し、計測段階へ移行する。計測段階では、荷重発生手段により負荷アーム3を傾けてホイール4に負荷荷重をかけると同時に、ダイヤルゲージ9で負荷アーム3の傾斜を計測し、負荷アーム3の傾斜をホイール4のハブ面12の傾斜変動と推定し、ホイール4を1radねじるために必要な力としてホイール4の剛性(N・m/rad)を算出するようにしている。
【0006】
ここで負荷アーム3はホイール4へ負荷荷重をかける際に負荷アーム3自身に撓みを生じるため、撓み分の誤差を解消するように負荷アーム3の材質を考慮して材料計算によりホイール4の剛性を補正するようにしている。
【0007】
なおホイール4の剛性を測定する装置や方法としては、下記の先行技術文献が存在している。
【特許文献1】特開2004−109132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ホイール4はディスク11に様々な意匠が形成されているため、意匠の種類によってはホイール4のねじれ方向が異なり、負荷荷重の作用方向と負荷アーム3の傾斜方向とがズレて、ホイール4の剛性の測定に誤差を生じるという問題があった。また、負荷アーム3の撓みを含まないように測定し、測定の正確さを向上させることが求められていた。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、ホイールのねじれによる負荷荷重の作用方向と負荷アームの傾斜方向のズレに伴う誤差を低減すると共に、負荷アームの撓みを含まないように測定して測定の正確さを向上させるホイール剛性測定装置及びホイール剛性の測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のホイール剛性測定装置は、ホイールの周囲を固定する台座テーブルと、前記ホイールの軸線上に位置するようにホイールのハブ面に固定される負荷アームと、該負荷アームを傾けてホイールに負荷荷重をかける荷重発生手段と、前記負荷アームのホイール側先端に接続されてホイールの軸と垂直の方向に沿うように測定面を配するターゲット部材と、前記測定面の傾斜計測手段とを備え、
前記測定面の傾斜と荷重発生手段の負荷荷重とからホイールの剛性を測定するように構成されたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明のホイール剛性測定装置において、ホイールのハブ穴に挿通して負荷アームとターゲット部材を接続し、ホイールのディスク面の隣接位置にターゲット部材の測定面を配置することが好ましい。
【0012】
本発明のホイール剛性測定装置において、傾斜計測手段は、前記ターゲット部材の前記測定面からの距離を測定する距離計測手段によるものであり、距離を計測するゲージが少なくとも2箇所以上の計測地点に配置されることが好ましい。
【0013】
本発明のホイール剛性測定装置において、距離計測手段は、少なくとも2箇所の計測地点が、負荷荷重の作用方向に沿うように配置されることが好ましい。
【0014】
本発明のホイール剛性の測定方法は、ホイールの周囲を固定し且つホイールの軸心に負荷アームを固定し、該負荷アームに、測定面を配したターゲット部材を接続し、前記負荷アームを傾けてホイールに負荷荷重をかけ、ターゲット部材の測定面の傾斜を検出し、測定面の傾斜とホイールへの負荷荷重とからホイールの剛性を測定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記した本発明によれば、負荷アームのホイール側先端に接続されて且つ測定面を配するターゲット部材を備え、負荷アームを傾けてホイールに負荷荷重をかけ、ターゲット部材の測定面の傾斜を検出し、測定面の傾斜と荷重発生手段の負荷荷重とからホイールの剛性を測定するので、ターゲット部材の測定面を基準とした測定を行うことができる。また、ターゲット部材は、測定面をホイールの軸と垂直の方向に沿うように配して、距離の測定方向を測定面へ向かう方向に変更すると共にハブ面の変移量を拡大するので、ホイールのねじれによる負荷荷重の作用方向と負荷アームの傾斜方向のズレに伴う誤差を低減することができる。更に、負荷アームに撓みを生じてもターゲット部材の測定面には影響を与えないので、負荷アームの撓みを含まないように測定することが可能となり、ホイールの剛性を測定する際に測定の正確さを向上させることができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図6は本発明のホイール剛性測定装置及びホイール剛性の測定方法を実施する第1の形態例である。
【0018】
本発明のホイール剛性計測装置の第1の形態例は、図1〜図6に示す如く、床面1に底面14及び脚部15を介して配置した台座テーブル16と、台座テーブル16に配置されるロッド状の負荷アーム17と、負荷アーム17の下部に接続される荷重発生手段18と、負荷アーム17の上端に接続され且つ測定面19を配するターゲット部材20と、測定面19の傾斜を測定する距離計測手段21からなる傾斜計測手段と、荷重発生手段18及び距離計測手段21に接続されるPC等の制御器22とを備えている。
【0019】
台座テーブル16は、上面に、ホイール4を固定するクリップ等の固定手段(図示せず)を配した板状の台座部23を備えており、台座部23の中央部には所定径の通過孔24を形成している。また台座部23の両側には、上部フレーム部材25と両側の側部フレーム部材26とからなる門型フレーム27が備えられ、ホイール4及びターゲット部材20を跨ぐように配置されている。更に台座テーブル16の台座部23は、所定の厚みと剛性により荷重発生手段18等の作動によるゆがみが生じないようになっている。ここで、ホイール4を固定する固定手段(図示せず)は、クリップに限定されるものでなく、台座テーブル16に凹凸を形成してホイール4を固定しても良いし、また、他の挟み込む手段を備えて固定しても良い。また固定手段は、ホイール4のリム10部分を固定するならば、リム10のホイール軸方向内側の周囲端面を固定しても良いし、リム10のホイール軸方向外側の周囲端面を固定しても良い。なお、ホイール4を車両に取付けたとき車両側となる側をホイール軸方向内側、その反対側をホイール軸方向外側とする。更に門型フレーム27の上部フレーム部材25は、負荷荷重の作用方向に沿うように配置されることが好ましい。
【0020】
負荷アーム17は、台座部23に形成された通過孔24を介して配置されており、負荷アーム17の上端には水平な固定面28を形成する円盤状の固定部29が備えられている。固定部29の中心位置には中心取付孔30(図2参照)が形成されると共に、中心取付孔30の周囲には、ホイール4のハブ面12のボルト孔(図示せず)に対応する複数のボルト対応孔(図示せず)が形成されている。また負荷アーム17の下部には荷重発生手段18を接続し得る接続部31が備えられている。ここで負荷アーム17は、ホイール4に固定前に、下方に位置する支持部(図示せず)で支持されても良いし、荷重発生手段18で支持されても良い。
【0021】
荷重発生手段18は、進退動可能なロッド32を配する負荷荷重シリンダ33であって台座テーブル16の脚部15に固定されており、ロッド32は、チェーンやロッド部材等の連結体34によって負荷アーム17の接続部31に接続されている。またロッド32の端側には、負荷荷重シリンダ33から発生した負荷荷重を計測するロードセル35が配置されている。
【0022】
ターゲット部材20は、ホイール4のハブ穴13に挿通し得るピン36と、ピン36の上端に形成されて所定径の測定面19を有する円盤状の測定体37とを備えて構成されている。ピン36の下端には挿入突起部38が備えられており、負荷アーム17の固定面28に形成された中心取付孔30に挿入して固定し得るようになっている。ここでターゲット部材20は測定面19の測定体37のみからなり、負荷アーム17に、ホイール4のハブ穴13に挿通し得るピンを備えても良い。また負荷アーム17に挿入突起部を備えると共にターゲット部材20に取付孔を形成して負荷アーム17とターゲット部材20とを固定しても良い。更にターゲット部材20と負荷アーム17とは、接続構造を特に制限するものではなく、ホイール4のハブ穴13を介してターゲット部材20と負荷アーム17とを固定し得るならば、ネジ溝による結合、嵌入による結合、磁石による結合等のどのような結合でも良い。また、ターゲット部材20の測定面(ターゲット)19は負荷アーム17だけでなく、ホイール4のハブ面12と同じ変形をする。ターゲット部材20を固定する部位は、ホイール固定ボルトやディスク11に固定しても良い。またホイール4のディスク11等で上記同じ変形をする部位に本計測が可能な平面があれば、当該平面を直接測定面(ターゲット)として測定しても良い。
【0023】
距離計測手段(傾斜計測手段)21は、距離を測定するゲージとして、測定面19に接触して距離を計測するダイヤルゲージ等の接触ゲージ、及び/又は測定面19に非接触で距離を計測するレーザ距離計等の非接触ゲージを備えており、接触ゲージ及び/又は非接触ゲージは門型フレーム27の上部フレーム部材25に固定され、少なくとも2箇所以上の計測地点に配置されるようになっている(図5では非接触ゲージが2箇所に配置されている)。また距離計測手段21は、少なくとも2箇所の計測地点が、負荷荷重の作用方向に沿うように測定面19の両側に配置されている。
【0024】
図7に本発明の第2の形態例を示す。第2の形態例では、測定面19の傾斜を計測する手段として距離計測手段21に代えて、オートコリメーターなどの角度計測手段41を備えている。また、測定面19は小さくても良いため、ハブ穴13より小さくすることが可能であり、ホイール4のハブ面12と固定部29との間にターゲット部材20をはさんで取付けることができ、別の測定対象のホイール4を測定する場合も固定したままで良い。
【0025】
制御器22は、荷重発生手段18のロードセル35から信号ライン35aを介して信号データを受けると共に、距離計測手段21から信号ライン21a及びセンサーアンプ39を介して信号データを受けるようになっている。更に制御器22は荷重発生手段18に駆動指令を出すように制御ライン(図示せず)を備えても良い。
【0026】
以下本発明を実施する形態例の作用を説明する。
【0027】
ホイール4の剛性を測定する際には、最初に準備段階としてホイール4を測定可能な状態に配置する。具体的には、ホイール4の軸方向外側を上面に向けるようにホイール4を台座テーブル16の台座部23に載置し、ホイール4のリム10の周囲側端部をクリップ等の固定手段により固定する。またホイール4のハブ面12に下方側から負荷アーム17の固定面28を接触させてハブ面12のボルト孔(図示せず)を介してボルト12aにより締結して固定する(ステップS1)。ここで、ホイール4の周囲の固定と負荷アーム17の固定とはどちらが先でも良いし、同時に行っても良い。
【0028】
次に、ホイール4のハブ穴13を介してターゲット部材20と負荷アーム17とを接続して固定し、ターゲット部材20の測定面19をホイール4のディスク11の上方隣接位置に配置して準備段階を完了する(ステップS2)。ここで、ターゲット部材20は、測定面19をディスク11のハブ面12に近接し且つホイール4の軸と垂直の方向に配置することにより、距離の測定方向を負荷アーム17の傾斜方向(ホイール4の軸と垂直の方向)から測定面19へ向かう方向(ホイール4の軸方向)に変更すると共に、ハブ面12の変移量を拡大している。また、ターゲット部材20にピン36を備える場合には、ターゲット部材20のピン36をホイールのハブ穴13に挿通してターゲット部材20と負荷アーム17を接続しており、負荷アーム17にピンを備える場合には、負荷アーム17のピン36をホイールのハブ穴13に挿通してターゲット部材20と負荷アーム17を接続している。
【0029】
続いて測定段階としてホイール剛性の計測を開始する際には、距離計測手段21と荷重発生手段18のロードセル35から制御器22へ信号データを送る状態にし、距離計測手段21によりターゲット部材20の測定面19に対して距離の測定を開始する(ステップS3)。ここで、距離計測手段21がダイヤルゲージ等の接触ゲージの場合には、ダイヤルゲージの接触面をターゲット部材20の測定面19に接触させて測定面19の変動距離を計測可能な状態にし、距離計測手段21がレーザ距離計等の非接触ゲージの場合には、非接触で測定面19の変動距離を計測可能な状態にする。
【0030】
次に荷重発生手段18により負荷アーム17を傾動させて固定面28からホイール4のハブ面12に負荷荷重をかけ、ホイール4にねじれを発生させる(ステップS4)。
【0031】
この時、ターゲット部材20の測定面19は、ホイール4のねじれの発生場所であるハブ面12に近接してハブ面12の変化に追従しており、距離計測手段21は、ターゲット部材20の測定面19からの距離を測定し、距離変化により測定面19の傾きを連続的に算出する(ステップS5)。ここで、ホイール4のねじれにより負荷荷重の作用方向と負荷アーム17の傾斜方向のズレによる誤差がある場合であっても、ターゲット部材20が、距離の測定方向を測定面19へ向かう方向(ホイール4の軸方向)にすると共にハブ面12の変移量を拡大することにより、ホイール4のねじれの誤差を低減する。また負荷アーム17に撓みを生じても、荷重発生手段18の負荷荷重は固定面28からハブ面12に全て伝わると共に、ターゲット部材20は、負荷アーム17の撓みの影響を受けることがない。更に距離計測手段21は、負荷荷重の方向に沿ってターゲット部材20の測定面19の少なくとも2点で計測することにより、測定面19の上下の変動を検出して負荷荷重の方向に沿うターゲット部材20の測定面19の傾斜を適切に算出する。
【0032】
そしてターゲット部材20の測定面19の傾斜を測定した際には、距離計測手段21からの信号データをセンサーアンプ39を介して制御器22に送ると共に、その時の荷重発生手段18のロードセル35からの信号データを制御器22に送り、距離計測手段21によるターゲット部材20の測定面19の傾きと、荷重発生手段18による負荷荷重とから、ホイール4を1radねじるために必要な力としてホイール4の剛性(N・m/rad)を算出する(ステップS6)。
【0033】
而して、このように実施の形態例によれば、負荷アーム17のホイール4側先端の固定面28に接続されて且つ測定面19を配するターゲット部材20を備え、負荷アーム17を傾けてホイール4に負荷荷重をかけ、ターゲット部材20の測定面19からの距離を測定してターゲット部材20の測定面19の傾斜を検出し、測定面19の傾斜と荷重発生手段18の負荷荷重とからホイール4の剛性を測定するので、固定面28を基準とした測定を行うことができる。また、ターゲット部材20は、測定面19をホイール4の軸と垂直の方向に沿うように配して、距離の測定方向を負荷アーム17の傾斜方向(ホイール4の軸と垂直の方向)から測定面19へ向かう方向(ホイール4の軸方向)に変更すると共に、ハブ面12の変移量を拡大するので、ホイール4のねじれによる負荷荷重の作用方向と負荷アーム17の傾斜方向のズレに伴う誤差を低減することができる。更に、負荷アーム17に撓みを生じてもターゲット部材20の測定面19には影響を与えないので、負荷アーム17の撓みを含まないように測定することが可能となり、ホイール4の剛性を測定する際に測定の正確さを向上させることができる。
【0034】
実施の形態例において、ホイール4のハブ穴13を挿通して負荷アーム17とターゲット部材20を接続し、ホイール4のディスク11面の隣接位置にターゲット部材20の測定面19を配置すると、ターゲット部材20の測定面19を、ディスク11面のハブ面12に近接し且つホイール4の軸と垂直の方向に配置し、距離計測手段21による距離の測定方向を容易に変更すると共にハブ面12の変移量を好適に拡大するので、ホイール4のねじれにより負荷荷重の作用方向と負荷アーム17の傾斜方向のズレに伴う誤差を大幅に低減することができる。
【0035】
実施の形態例において、傾斜計測手段は、ターゲット部材20の測定面19からの距離を測定する距離計測手段21によるものであり、距離を計測するゲージが少なくとも2箇所以上の計測地点に配置されると、固定面28を基準にしてハブ面12の傾斜を適切に測定し、結果的に負荷荷重の作用方向と負荷アーム17の傾斜方向のズレによる誤差を好適に低減すると共に、負荷アーム17の撓みを含まないように測定して測定の正確さを向上させることができる。また測定面19の周方向に沿って3箇所以上配置されると、測定面19の傾斜を好適に測定することができる。
【0036】
実施の形態例において、距離計測手段21は、少なくとも2箇所の計測地点が、負荷荷重の作用方向に沿うように測定面19の両側に配置されると、距離計測手段21による距離のハブ面12の変移量を拡大して測定面19の傾斜を好適に測定し、結果的に負荷荷重の作用方向と負荷アーム17の傾斜方向のズレによる誤差を好適に低減すると共に、負荷アーム17の撓みを含まないように測定して測定の正確さを向上させることができる。
【0037】
実施の形態例において、荷重発生手段18は、負荷アーム17を傾ける負荷荷重シリンダ33と、負荷荷重シリンダ33の負荷荷重を計測するロードセル35とを備えると、ホイール4のハブ面12に作用する負荷荷重を適切に測定し、結果的に負荷荷重の作用方向と負荷アーム17の傾斜方向のズレによる誤差を好適に低減すると共に、負荷アーム17の撓みを含まないように測定して測定の正確さを向上させることができる。
【0038】
尚、本発明のホイール剛性測定装置及びホイール剛性の測定方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を実施する第1の形態例を示す概念図である。
【図2】本発明を実施する前の状態を示す概念図である。
【図3】ホイール及び負荷アームを固定した状態を示す概念図である。
【図4】ターゲット部材を固定した状態を示す概念図である。
【図5】本発明を実施する形態例を示す平面図である。
【図6】本発明を実施する手順を示すフローである。
【図7】本発明を実施する第2の形態例を示す概念図である。
【図8】従来のホイール剛性測定装置を示す概念図である。
【符号の説明】
【0040】
4 ホイール
10 リム
11 ディスク
12 ハブ面
13 ハブ穴
16 台座テーブル
17 負荷アーム
18 荷重発生手段
19 測定面
20 ターゲット部材
21 距離計測手段
41 角度計測手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールの周囲を固定する台座テーブルと、前記ホイールの軸線上に位置するようにホイールのハブ面に固定される負荷アームと、該負荷アームを傾けてホイールに負荷荷重をかける荷重発生手段と、前記負荷アームのホイール側先端に接続されてホイールの軸と垂直の方向に沿うように測定面を配するターゲット部材と、前記測定面の傾斜計測手段とを備え、
前記測定面の傾斜と荷重発生手段の負荷荷重とからホイールの剛性を測定するように構成されたことを特徴とするホイール剛性測定装置。
【請求項2】
ホイールのハブ穴に挿通して負荷アームとターゲット部材を接続し、ホイールのディスクの隣接位置にターゲット部材の測定面を配置したことを特徴とする請求項1に記載のホイール剛性測定装置。
【請求項3】
傾斜計測手段は、前記ターゲット部材の前記測定面からの距離を測定する距離計測手段によるものであり、距離を計測するゲージが少なくとも2箇所以上の計測地点に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のホイール剛性測定装置。
【請求項4】
距離計測手段は、少なくとも2箇所の計測地点が、負荷荷重の作用方向に沿うように配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホイール剛性測定装置。
【請求項5】
ホイールの周囲を固定し且つホイールの軸心に負荷アームを固定し、該負荷アームに、測定面を配したターゲット部材を接続し、前記負荷アームを傾けてホイールに負荷荷重をかけ、ターゲット部材の測定面の傾斜を検出し、測定面の傾斜とホイールへの負荷荷重とからホイールの剛性を測定することを特徴するホイール剛性の測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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