説明

ホイール用保護フィルム

【課題】車両等のホイールへの保護フィルムの安定した貼り付け状態を維持することが可能なホイール用保護フィルムを提供する。
【解決手段】ホイール用保護フィルム10は、基材層と、基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有する。ホイール用保護フィルムは、外縁部に1以上の切り欠き部18が形成されている。切り欠き部18は、中心に近い先端部18aがR形状であってもよい。ホイール用保護フィルムは、円形であってもよい。切り欠き部は、等間隔に複数配列されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール用保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミホイール等の自動車ホイールは、自動車の輸送段階において、例えば船舶による輸送の場合、船内の湿度の変化などにより、外部から自動車ホイールの内側に、水が浸入し、これによりホイールの内面側のディスクブレーキに錆が発生する等の問題が生じており、この錆の発生を防止するため、ホイール表面に保護フィルムが貼り付けられている。
【0003】
自動車ホイールに用いられる保護フィルムは、自動車の納車時まで貼り付けられた状態を維持する必要があり、納車後、保護フィルムを剥離する際には、容易に剥離することができ、剥離した際に、ホイール表面に糊残りが発生しないこと等が要求されている。
【0004】
特許文献1には、自動車ホイールのディスク面の外側に保護フィルムを取り付け、保護フィルムに圧力逃がし部を形成して、自動車の搬送時に自動車ホイールの内外の圧力差や負圧に起因して、ホイールの外面に貼り付けた保護フィルムが剥離することを防止する方法が開示されている。
【0005】
特許文献2〜9には、耐候性を有し、ホイール表面から剥がれにくい自動車ブレーキディスクアンチトラストフィルム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−155758号公報
【特許文献2】特開2006−35914号公報
【特許文献3】国際公開第05/090453号パンフレット
【特許文献4】国際公開第05/090098号パンフレット
【特許文献5】国際公開第07/114450号パンフレット
【特許文献6】国際公開第08/111663号パンフレット
【特許文献7】特許第3879985号公報
【特許文献8】特開2008−137547号公報
【特許文献9】特開2009−227746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述のような保護フィルムをホイールに貼り付ける場合、ホイールの貼り付け面に凹凸があったり、貼り付け面自体が曲面であったりすると、保護フィルムの外縁部にシワが生じやすくなる。このようなシワが生じた状態で車両が走行すると、風圧によってシワを起点とした剥がれが生じる可能性がある。
【0008】
しかしながら、前述の各特許文献に開示されている保護フィルムでは、この点が考慮されておらず、更なる改善の余地がある。
【0009】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両等のホイールへの保護フィルムの安定した貼り付け状態を維持することが可能なホイール用保護フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のホイール用保護フィルムは、基材層と、基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有する。ホイール用保護フィルムは、外縁から内側に向かって1以上の切り込み部が形成されている。
【0011】
この態様によると、保護フィルムをホイールに貼り付ける際に、ホイールの形状によるシワの発生を抑制できる。
【0012】
切り込み部の内側の端部に、該切り込み部と連なる引き裂き防止部が形成されていてもよい。引き裂き防止部は、曲線で区画された開口部であってもよい。ホイール用保護フィルムは、円形であり、切り込み部は、等間隔に複数配列されていてもよい。
【0013】
本発明の別の態様もまた、ホイール用保護フィルムである。このホイール用保護フィルムは、基材層と、基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有する。ホイール用保護フィルムは、外縁部に1以上の切り欠き部が形成されている。
【0014】
この態様によると、保護フィルムをホイールに貼り付ける際に、ホイールの形状によるシワの発生を抑制できる。
【0015】
切り欠き部は、中心に近い先端部がR形状であってもよい。ホイール用保護フィルムは、円形であり、切り欠き部は、等間隔に複数配列されていてもよい。
【0016】
ホイール用保護フィルムは、一方の面から他方の面へ空気が通過できる通気部が形成されていてもよい。通気部は、スリットであってもよい。スリットは、円弧状に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車両等のホイールへの保護フィルムの安定した貼り付け状態を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。
【図2】図1に示す保護フィルムのA−A断面図である。
【図3】第2の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。
【図5】第4の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。
【図6】第5の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。
【図7】第6の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、保護フィルムの適用対象として自動車用のホイールを例に説明するが、保護フィルムの適用対象はこのようなホイールに限られない。以下に述べる各実施の形態に係るホイール用保護フィルム(以下、適宜「保護フィルム」という。)は、基材層と、基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有する。
【0020】
また、各実施の形態に係る保護フィルムは、納車までの期間にホイール表面に傷が付くこと、汚れが付着すること、さらには、自動車の輸出時等に長時間海上を輸送する際にホイールの内面側のディスクブレーキに錆が発生することを防止することができる。また、実施の形態に係るある態様の保護フィルムは、剥離の際に基材層が裂ける問題を改善できる。
【0021】
[第1の実施の形態]
(保護フィルム)
本実施の形態に係る保護フィルムは、前述の如く自動車の輸出時等に長時間海上を輸送するような場合に、その車輪のホイールのディスク部の表側(外側)に貼り付けるもので、ディスク部に形成された複数の開口部を一時的に閉塞してホイールの内側に配設されたディスクブレーキのロータ(不図示)の錆を抑制するものである。
【0022】
図1は、第1の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。図2は、図1に示す保護フィルムのA−A断面図である。なお、図1及び図2に示す保護フィルムは、粘着剤層を保護するためのセパレータが貼り付けられている。また、図2に示す各層の厚みや直径は、必ずしも実際の縮尺比を表したものではなく、あくまでも説明の便宜上、模式的に示したものである。
【0023】
本実施の形態に係る保護フィルム10は、円盤(円形)状の形態である。また、保護フィルム10は、図2に示すように、基材層12と、基材層12の一方の面に設けられた粘着剤層14とを有する。粘着剤層14の基材層12が形成されていない側の表面には、セパレータ16が貼り付けられている。セパレータ16は、保護フィルム10を製造してから使用するまでの間に粘着剤層14の表面が汚染され、粘着力が低下すること防止する。
【0024】
セパレータ16は、外周部につまみ20が設けられている。つまみ20は、保護フィルム10をホイールに貼り付ける際に、セパレータ16自体を粘着剤層14からはく離しやすくするためのものである。保護フィルム10は、外縁から内側(中心)に向かって切り欠き部18が形成されている。本実施の形態に係る保護フィルム10において、切り欠き部18は、等間隔に複数(例えば、図1においては18個)配列されている。切り欠き部は、保護フィルムの外縁部に1(個)以上形成されていればよい。また、切り欠き部の形状としては、例えば、三角形状、半円状等の適宜の形状とすることができる。
【0025】
(粘着剤層)
本実施の形態に係る保護フィルム10に用いられる粘着剤層は、特に限定するものではないが、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー及び架橋剤を含有する粘着剤組成物からなることが好ましく、前述の(メタ)アクリル系ポリマーが、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分とすることがより好ましい。前述の(メタ)アクリル系ポリマーを構成する主成分の(メタ)アクリル系モノマーは、前述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーであれば、特に制限はないが、好ましくは、炭素数が1〜12であり、より好ましくは、炭素数が2〜10である。炭素数が前述の範囲内にあるものを使用することにより、初期の接着性、冬場など低温雰囲気下での接着性を確保できることとなり、自動車ホイール保護用途に適している。また、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分とすることが、特に好ましい態様である。なお、前述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー全量中において、前述の炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを40〜80質量%含有することが好ましく、より好ましくは50〜75質量%である。前述の炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを上記範囲で用いることにより、粘着剤の凝集力が向上し、使用後に剥離する際に糊残りを防止することができ、有効である。
【0026】
前述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。中でも、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが好適に用いられる。
【0027】
本実施の形態において、前述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、モノマー全体に対する前述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、40〜90質量%が好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。90質量%を超えると、粘着剤の凝集力が著しく低下する場合があり、40質量%未満であると、初期接着性が低下する原因となり好ましくない。
【0028】
また、前述の(メタ)アクリル系ポリマーが、前述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー以外に、保護フィルムの性能を損なわない範囲で、他のモノマー成分を含有してもよく、例えば、ヒドロキシル基含有モノマーが用いることができる。前述のヒドロキシル基含有モノマーを使用することにより、架橋剤との架橋性が高くなり、糊残りを防止することができ、有効である。前述のヒドロキシル基含有モノマーとして、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどがあげられる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどが好適に用いられる。
【0029】
本実施の形態において、前述のヒドロキシル基含有モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、モノマー全体に対する前述のヒドロキシル基含有モノマーの含有量は、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。30質量%を超えると、初期接着性が低下する場合があり、1質量%未満であると、粘着剤の凝集力が著しく低下する原因となり、好ましくない。
【0030】
さらに、上記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートや、ヒドロキシル基含有モノマーと共重合可能なビニル系モノマーを含有することもできる。例えば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ビニルエーテルモノマーなどの接着力向上や架橋化基点として働く官能基を有する成分、並びに、その他のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーなどを適宜用いることができる。これらのモノマー化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0031】
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などがあげられる。
【0032】
上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートがあげられる。
【0033】
上記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。
【0034】
上記ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ビニルピロリドンなどがあげられる。
【0035】
上記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0036】
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などがあげられる。中でも、特にアクリル酸、およびメタクリル酸が好ましく用いられる。
【0037】
上記酸無水物基含有モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などがあげられる。
【0038】
上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどがあげられる。
【0039】
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルなどがあげられる。
【0040】
上記イミド基含有モノマーとしては、例えば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
【0041】
上記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0042】
上記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
【0043】
本実施の形態において、共重合可能なビニル系モノマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー成分全体において、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。50質量%を超えると、初期接着性が低下する場合があり、10質量%未満であると、粘着剤の凝集力が著しく低下する場合があり好ましくない。
【0044】
また、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、上記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以下(通常−100℃以上)、好ましくは−10℃以下であり、より好ましくは−20℃以下である。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく被着体への濡れが不十分となり、自動車ホイールと保護フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより上記範囲内に調整することができる。なお、ガラス転移温度(Tg)(℃)は、一般的な値を採用してよく、例えば、Polymer Handbook Fourth Edition(J.Brandupら編、1999 John Wiley & Sons,Inc)VI章198項から253項に記載されている数値等を用いることができる。また、新規ポリマーの場合には、粘弾性測定法(剪断法、測定周波数:1Hz)における損失正接(tanδ)のピーク温度をガラス転移温度(Tg)として採用すればよい。
【0045】
このような上記(メタ)アクリル系ポリマーの製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知のラジカル重合法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
【0046】
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水、各種水溶液などが用いられる。反応は窒素などの不活性ガス気流下で、通常、60〜80℃程度で、4〜10時間程度行われる。
【0047】
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。
【0048】
本実施の形態に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬製、VA−057)などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組合せなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などをあげることができるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
上記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100質量部に対して、0.005〜1質量部であることが好ましく、0.02〜0.5質量部であることがより好ましい。
【0050】
また、本実施の形態においては、重合において連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤を用いることにより、アクリル系ポリマーの分子量を適宜調整することができる。
【0051】
連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどがあげられる。
【0052】
これらの連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100質量部に対して、0.01〜0.1質量部程度である。
【0053】
本実施の形態において用いられる粘着剤組成物は、上記の(メタ)アクリル系ポリマーを、架橋剤を用いて架橋することにより、より耐候性・耐熱性などに優れたものを得ることができ、有効である。本発明に用いられる架橋剤としては、上記の官能基含有(メタ)アクリル系モノマーの官能基と反応(結合形成)可能な官能基を少なくとも2つ以上分子内に有する化合物が用いられ、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物などが用いることができる。
【0054】
このうち、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、乳化型イソシアネートなどがあげられる。
【0055】
より具体的なイソシアネート化合物としては、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業製、商品名コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業製、商品名コロネートHX)などのイソシアネート付加物、自己乳化型ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業製、商品名アクアネート200)などがあげられる。これらのイソシアネート化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0056】
オキサゾリン化合物としては、例えば、2−オキサゾリン、3−オキサゾリン、4−オキサゾリン、5−ケト−3−オキサゾリン、エポクロス(日本触媒製)などがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
【0057】
エポキシ化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学製)、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジル−o−トルイジンなどのポリグリシジルアミン化合物などがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
【0058】
メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミン、水溶性メラミン系樹脂などがあげられる。
【0059】
アジリジン誘導体としては、例えば、市販品としての商品名HDU(相互薬工製)、商品名TAZM(相互薬工製)、商品名TAZO(相互薬工製)などがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
【0060】
金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
【0061】
これらの架橋剤の含有量は、架橋すべき(メタ)アクリル系ポリマーとのバランスにより、さらには、保護フィルムとして、適宜選択される。(メタ)アクリル系ポリマーの凝集力により充分な耐候性、耐熱性を得るためには、上記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.1〜6質量部含有することが好ましく、0.2〜4質量部含有されていることがより好ましく、0.4〜2質量部含有されていることが特に好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、溶剤不溶分率が低下する傾向があり、また、粘着剤層の凝集力が小さくなり、糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が6質量部を超える場合、粘着剤層の初期接着力が不足し、また、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体への濡れが不十分となって、剥がれの原因となる傾向がある。
【0062】
本実施の形態の保護フィルムに耐候性を付与するため、粘着剤層に耐候安定剤を含有することができる。前述の耐候安定剤とは、紫外線吸収剤、光安定剤、または酸化防止剤をいい、これらの化合物は耐候安定剤として、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。前述の耐侯安定剤を使用することにより、本実施の形態の保護フィルムをホイールに貼り付けた状態での長期間保管後において、フィルムの剥がれ、糊残りを防止することができる。
【0063】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等をあげることができる。
【0064】
上記紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール)]、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリチレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等をあげることができる。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0065】
上記紫外線吸収剤の中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することが好ましい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いる場合には、耐侯性をより向上させることができるため、紫外線吸収剤のブリードによって、粘着力が低下してしまうことをより防止することができる。そして、その結果、保護フィルムをホイールに貼り付けた後、長期間保管した場合であっても、粘着力を充分に保持することができるため、粘着力の低下によって走行中にホイールからフィルムが剥がれることを充分に防止することができる。また、長期間保管後の糊残りを充分に防止することができる。
【0066】
上記粘着剤層において、紫外線吸収剤の含有量は、上記粘着剤層中に含まれるアクリル系粘着剤の樹脂固形分100質量部に対して、0.05〜2質量部であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。0.05質量部未満であると、耐侯性を向上させる効果を得ることができないおそれがある。2質量部を超えると、紫外線吸収剤がブリードするおそれがある。
【0067】
上記光安定剤としては、従来公知のものを使用することができるが、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤やベンゾエート系光安定剤など公知の光安定剤を適宜使用することができる。中でも特に、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS:HinderdAmine Light Stabilizer)を使用する場合には、耐侯性をより向上させることができるため、光安定剤のブリードによって、粘着力が低下してしまうことをより防止することができる。そして、その結果、保護フィルムをホイールに貼り付けた後、長期間保管した場合であっても、粘着力を充分に保持することができるため、粘着力の低下によって走行中にホイールからフィルムが剥がれることを充分に防止することができる。また、長期間保管後の糊残りを充分に防止することができる。
【0068】
前述のヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン]縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−トリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカンとブタンテトラカルボン酸とのエステル等をあげることができる。これらの光安定剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
また、前述のヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、旭電化社製のアデカスタブLA−82、LA−87などの反応型、ヘキスト・ジャパン社製のホスタビンN−20、吉富ファインケミカル社製のトミソープ77や、三共ライフテック社製のサノールLS−770などのモノマータイプ、ビーエーエスエフ・ジャパン社製のUvinal5050Hなどのオリゴマータイプのものがあげられる。
【0070】
上記粘着剤層において、上記光安定剤の含有量は、粘着剤層中に含まれるアクリル系粘着剤の樹脂固形分100質量部に対して、0.05〜2質量部であることが好ましく、0.05〜1.5質量部であることがより好ましい。0.05質量部未満であると、耐侯性を向上させる効果を得ることができないおそれがある。2質量部を超えると、光安定剤がブリードするおそれがある。
【0071】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤など公知の酸化防止剤を適宜使用することができる。これらの酸化防止剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0072】
上記酸化防止剤の添加量は、各樹脂層のベースポリマー100質量部に対して、3質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部程度である。
【0073】
また、更に上記粘着剤組成物には、粘着付与剤を添加してもかまわない。前述の粘着付与剤としては特に限定されず、従来、粘着剤に用いられているものを使用することができ、例えば、キシレン樹脂、ロジンや重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル等の変性ロジン系樹脂;テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;脂肪族系、芳香族系及び脂環式系石油樹脂;クマロン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等をあげることができる。中でも、アルミホイール等の自動車ホイールとの接着性に優れる点から、ロジン系樹脂、芳香族石油樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0074】
上記粘着剤層において、上記粘着付与剤の含有量は、上記粘着剤層中に含まれるアクリル系粘着剤の樹脂固形分100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量部である。1質量部未満であると、粘着剤層の接着力が不十分となるおそれがある。100質量部を超えると、自動車ホイールから保護フィルムを剥がす際に、ホイールからフィルムをきれいに剥離させることができず、ホイール上に糊が残ってしまうおそれがある。
【0075】
更に上記粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、例えば、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、界面活性剤、軟化剤、帯電防止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、これらの任意成分の配合量は、表面保護材の分野で通常用いられている使用量を用いることができる。
【0076】
本実施の形態の保護フィルムの製造方法としては、基材層上に粘着剤層を形成する方法が使用できる。例えば、上記粘着剤組成物を剥離処理したセパレータなどに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を基材層に転写形成する方法、または基材層上に上記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を基材層に形成する方法などにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生(エージング処理)を行ってもよい。また、粘着剤組成物を基材層上に塗布して保護フィルムを作製する際には、基材層上に均一に塗布できるよう、粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶媒(溶剤)を新たに加えてもよい。
【0077】
本実施の形態において用いられる溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、水、各種水溶液などがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0078】
また、本実施の形態の粘着剤層の形成方法としては、表面保護フィルムの製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、ダイコーター等による押し出しコート法などの方法があげられる。
【0079】
前述の粘着剤層の厚さは、特に制限されず、適宜選択されるが、例えば、3〜50μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜40μmである。これにより、粘着剤層と自動車用ホイールとの密着性及び接着力を向上させることができる。3μm未満であると、充分な密着性及び接着力を得ることができないおそれがある。50μmを超えても、効果の向上は望めず、経済的に不利となるおそれがある。
【0080】
また、上記粘着剤層の表面にはコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの表面処理を行ってもよい。
【0081】
本実施の形態においては、後述の測定方法に基づき測定される粘着剤層のゲル分率が60〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜93質量%であり、特に好ましくは75〜90質量%である。ゲル分率が60質量%より小さくなると、凝集力が低下するため耐衝撃性(耐久性)等に劣る場合があり、95質量%を超えると、接着性に劣る場合がある。
【0082】
粘着剤層のゲル分率は、架橋剤の添加量や、架橋処理条件(加熱処理温度、加熱時間など)等で調整することができる。なお、架橋処理は、粘着剤層の乾燥工程時の温度で行ってもよいし、乾燥工程後に別途架橋処理工程を設けてもよい。
【0083】
本実施の形態においては、後述の測定方法に基づき測定される粘着剤層のゾル分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、5000〜30万であり、より好ましくは1万〜20万の範囲である。前述の範囲内にある場合には、粘着剤組成物の接着性と凝集性のバランスの他、低分子量物による被着体(自動車ホイール)に対して、汚染防止などを図ることができ、好ましい。
【0084】
本実施の形態における後述の測定方法に基づき測定される粘着剤層の膨潤度としては、5〜40倍が好ましく、より好ましくは、10〜30倍である。膨潤度が上記範囲外となると、被着体(自動車ホイール)に対する密着性の向上効果が乏しくなる傾向となる。
【0085】
本実施の形態の保護フィルムに用いられる粘着剤層表面が、露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(剥離シート、セパレータ、剥離ライナー)で粘着剤層を保護してもよい。
【0086】
セパレータ(剥離シート、剥離ライナー)の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などをあげることができるが、表面平滑性に優れる点から紙が好適に用いられる。
【0087】
そのフィルムとしては、上記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
【0088】
上記セパレータの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。
【0089】
上記セパレータには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系若しくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、上記セパレータの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜行うことにより、上記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
【0090】
なお、上記の製造方法において、剥離処理したシート(剥離シート、セパレータ、剥離ライナー)は、そのまま保護フィルムのセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る自動車ホイール用保護フィルムは、上記の構成を有する粘着剤層を基材層の片面または両面に形成してなるものである。
【0092】
なお、本実施の形態において、フィルムとは、平面状の材料を意味し、通常、テープ、シートとよばれるものを含む。
【0093】
(基材層)
本実施の形態に係る基材層としては、耐候性(耐水性、耐湿性、耐熱性など)、耐衝撃性(引裂強度など)及び、透明性の観点から、ポリエチレン系樹脂からなるポリエチレン系樹脂層を用いることが好ましい。ポリエチレン系樹脂層としては、例えば、エチレン系ポリマー(低密度、高密度、リニア低密度ポリエチレン樹脂等)、エチレン・αオレフィン共重合体などのオレフィン系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・αオレフィン共重合体などのエチレンと他モノマーとのオレフィン系ポリマーなどからなる樹脂層があげられ、特に、低密度ポリエチレン樹脂からなることがより好ましい。これらのポリエチレン層を用いることにより、耐候性、耐衝撃性、及び、透明性の観点において好ましいものとなる。
【0094】
また、上記基材層としては、特に、低密度ポリエチレン樹脂のみからなり、単一層であることがより好ましい態様である。ポリエチレンとポリプロピレンなどの異種複数種のポリオレフィン樹脂を配合して形成された基材層は、脆くなり、前述のフィルム(表面保護フィルム)を剥離する際に、裂けるという問題が生じるおそれがある。また、高速での剥離の際に、特に基材層の裂けが発生するため、好ましくない。
【0095】
また、上記基材層は樹脂を延伸したものであっても、無延伸のものでもよい。また、上記ポリエチレン系樹脂層は単独で使用してもよく、また2種以上を貼り合わせて使用してもよい。
【0096】
上記基材層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜200μmが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。10μm未満では貼り付け作業性に劣り、200μmを超えると曲面への追従性に劣る傾向にある。
【0097】
また、他の樹脂層、粘着剤層、下塗り剤等との密着性を向上させるため、基材層(または各樹脂層)の表面には、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの表面処理を行ってもよい。また、基材層(樹脂層)には背面処理を行ってもよい。
【0098】
また、耐候性の観点より、本発明の透明性等を損なわない範囲内で、上記基材層にも、耐候安定剤を用いた処理を適宜行うことができる。
【0099】
上記耐候安定剤(紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤)を用いた処理は、上記樹脂層表面に塗布処理、または転写処理、上記樹脂層への練り込み等によって行うことができる。
【0100】
また、本実施の形態の効果を損なわない範囲内で、上記基材層に難燃剤、不活性無機粒子、有機粒子、滑剤、帯電防止剤、顔料など任意の添加剤も配合することができる。
【0101】
また、本実施の形態は、自動車ホイール用の表面保護フィルムに用いるため、基材層として耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。基材層が可撓性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができる。
【0102】
また、上記基材層には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系若しくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
【0103】
また、上記基材層には、必要に応じて、表面コート層、例えば、ハードコート層やソフトコート層を適宜設けることもできる。そのような例としては、シリコーン系、メラミン系、ウレタン系、シラン系、アクリレート系などの熱硬化型若しくは化学反応硬化型の表面コート層をあげることができる。これにより、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性、防曇性などにおいて、より優れた自動車ホイール用の表面保護フィルムとすることができる。
【0104】
また、本実施の形態の保護フィルムは、上記粘着剤層や基材層を使用することにより、耐候性、接着信頼性、透明性、および耐衝撃性に優れた機能を有するため、屋外等での長期保管、流通過程を経る保護フィルムに適したものとなる。
【0105】
なお、本実施の形態において、保護フィルムとは、屋内・屋外にて自動車等のホイール表面を保護するフィルムを意味し、例えば、小型自動車、普通乗用車、大型自動車、特殊車両、重機、またはオートバイなどの各種車両に使用されるホイール表面の保護、及び、ホイールの内面側のディスクブレーキの防錆効果を発揮するために用いられるものを含むものである。
【0106】
上記保護フィルムを貼り付ける自動車ホイールの素材としては、ホイールの素材として用いられているものであれば特に限定されず使用することができる。中でも、貼り付けた状態で長期間保管した後において、粘着力が比較的大きく、糊残りを充分に防止することができる点から、アルミホイールであることが好ましい。
【0107】
このような保護フィルムを自動車ホイールに貼り付けた場合、前述のように外周端部にシワが発生することがある。そのため、自動車走行時の風圧によって、そのシワを起点として、保護フィルムがホイールから剥がれる不具合が生じる可能性がある。そこで、本実施の形態に係る保護フィルム10は、切り欠き部18が形成されている。これにより、凹凸や曲面のあるホイールへ保護フィルムを貼り付ける際に、切り欠き部18によってシワが折り込まれるため、ホイールの形状によるシワの発生が抑制される。そして、シワの発生が抑制されることで、自動車走行時に発生する風圧によって、保護フィルムがホイールから剥がれる可能性が低下する。つまり、保護フィルム10は、車両等のホイールへへの安定した貼り付け状態を維持することが可能となる。
【0108】
また、切り欠き部18は、中心に近い先端部18a(図1参照)がR形状であることが好ましい。中心部に近い先端部をR形状とすることで、例えば、ホイールに貼り付けられた保護フィルム10を剥がす際に、切り欠き部18の先端部18aから裂けにくくなる。
【0109】
次に、本実施の形態に係る保護フィルムの好適な作製方法について以下に説明するが、製造方法や材質はこれらに限定されるものではない。
【0110】
(水分散型アクリル系ポリマーの調整)
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、ブチルアクリレート58部、ブチルメタクリレート40部、アクリル酸2.0部、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.03部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸2.4部、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル硫酸アンモニウム0.8部および水150部を投入して、乳化重合し、10質量%アンモニア水によりpH8に調整して、水分散型アクリル系ポリマー(アクリル系ポリマーエマルジョン)を得た。
【0111】
(粘着剤溶液の調整)
前述の水分散型アクリル系ポリマーに、その固形分(水分散系共重合体)100部あたり、オキサゾリン基を含有する水溶性架橋剤として日本触媒(株)の商品名「エポクロスWS−500」(オキサゾリン基当量:220g・solid/eq.)2.0部、光安定剤としてチバ・ジャパン(株)の商品名「TINUVIN 765」2.0部を混合して、水分散型粘着剤組成物Aとした。
【0112】
(ホイール用保護フィルムの作製)
低密度ポリエチレン樹脂(ペトロセン180、密度:0.922g/cm、東ソー株式会社製)を用い、インフレーション法で160℃に加熱したダイスから押し出し、75μmのポリエチレンフィルムを成膜し、更に前記ポリエチレンフィルムの片面にコロナ処理を施した。このコロナ処理面に、前述の水分散型粘着剤Aを塗布し、80℃で1分間加熱して、厚さ10μmの粘着剤層を形成し、ホイール用保護フィルムを作製した。得られたホイール用保護フィルムについて、その外縁部に図1に記載の如く三角形状の切り欠き部を等間隔で18個形成し、第1の実施の形態に係るホイール用保護フィルムを作製した。
【0113】
本実施の形態で得られた保護フィルムは、基材層である低密度ポリエチレン樹脂と、基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有する。この粘着剤層は、光安定剤を含む水分散型粘着剤組成物であるため、タイヤやホイールに貼り付けられた状態で太陽光の下、長期間放置された場合であっても、粘着剤層の性能低下が抑制される。
【0114】
また、本実施の形態で得られた保護フィルムは、凹凸や曲面のあるホイールへ貼り付ける際に、切り欠き部18によってシワが折り込まれるため、ホイールの形状によるシワの発生が抑制される。その結果、保護フィルム10は、車両等のホイールへの安定した貼り付け状態を維持することが可能となる。
【0115】
[第2の実施の形態]
以下の各実施の形態に係る保護フィルムは、基材層12、粘着剤層14、セパレータ16が積層されている点で、第1の実施の形態に係る保護フィルム10と同様であり、各層の材質についても第1の実施の形態と同様である。
【0116】
図3は、第2の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。なお、図3において、セパレータは省略されている。本実施の形態に係る保護フィルム22は、円形状である。保護フィルム22は、外縁から内側に向かって切り込み部24が形成されている。本実施の形態に係る保護フィルム22において、切り込み部24は、等間隔に複数(例えば、図3においては18個)配列されている。
【0117】
切り込み部は、保護フィルムの外縁から内側に向かって1(個)以上形成すればよい。また、切り込み部の形状としては、例えば直線状、波線状等の適宜の形状とすることができる。
【0118】
これにより、凹凸や曲面のあるホイールへ保護フィルムを貼り付ける際に、切り込み部24によってシワが折り込まれるため、ホイールの形状によるシワの発生が抑制される。そして、シワの発生が抑制されることで、自動車走行時に発生する風圧によって、保護フィルムがホイールから剥がれる可能性が低下する。つまり、保護フィルム22は、車両等のホイールへの安定した貼り付け状態を維持することが可能となる。
【0119】
保護フィルム22は、切り込み部24の内側の端部に、切り込み部24と連なる引き裂き防止部26が形成されている。引き裂き防止部26は、曲線で区画された開口部である。そのため、例えば、ホイールに貼り付けられた保護フィルム22を剥がす際に、切り込み部24の先端に設けられた引き裂き防止部26により、保護フィルム22が裂けにくくなる。
【0120】
[第3の実施の形態]
図4は、第3の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。本実施の形態に係る保護フィルム28は、一方の面から他方の面へ空気が通過できる通気部30が形成されている以外は、第1の実施の形態に係る保護フィルム10と同様である。なお、図4において、セパレータは省略されている。
【0121】
通気部30が形成されている保護フィルム28をホイールに貼り付けることで、ホイールの内外の圧力差が緩和され、ホイールからの保護フィルムの剥離が抑制される。なお、通気部30は、製造の容易性から保護フィルム28とセパレータが一体の状態で形成される。そのため、セパレータにも通気部30が形成されているが、セパレータには必ずしも通気部は必要ない。
【0122】
なお、本実施の形態に係る通気部30は、複数形成されている。これにより、通気部30が一つの場合と比較して、ホイールの内外の圧力差がより緩和される。また、複数の通気部30は、環状に配列されている。特に本実施の形態に係る複数の通気部30は、保護フィルム10の中心に対して同心状に配列されている。また、複数の通気部30は、等間隔に配列されている。これにより、ホイールの内外の圧力差を緩和するように通気部30を通過する空気の流れは、保護フィルム10の周方向に等間隔な場所で発生することになる。そのため、保護フィルム10には、ホイールから剥離する方向の力が接着面に均一に働くため、保護フィルム10がホイールから剥離しにくくなる。
【0123】
[第4の実施の形態]
図5は、第4の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。本実施の形態に係る保護フィルム32は、一方の面から他方の面へ空気が通過できる通気部30が形成されている以外は、第2の実施の形態に係る保護フィルム22と同様である。なお、図5において、セパレータは省略されている。本実施の形態に係る保護フィルム32おける通気部30の働きは、第3の実施の形態で説明した通りである。
【0124】
[第5の実施の形態]
図6は、第5の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。本実施の形態に係る保護フィルム34は、第3の実施の形態に係る保護フィルム28と同様に、複数の通気部36が環状に等間隔で形成されている。第3の実施の形態に係る保護フィルム28と第5の実施の形態に係る保護フィルム34は、通気部の形状が異なっている以外は、構成は同じである。第5の実施の形態に係る通気部36は、円弧状に形成されているスリットである。そのため、ホイールが静止している状態では、保護フィルム34が貼り付けられているホイールの内側に水や汚染物が侵入しにくくなっている。また、ホイールが回転している状態では、通気部36を通過する空気の流れなどにより円弧状のスリットが変形し、空気がより流通しやすくなる。
【0125】
なお、通気部36のスリットは、円弧が保護フィルム34の中心から外側に向かって形成されているが、円弧が保護フィルム34の中心に向かって形成されていてもよい。
【0126】
[第6の実施の形態]
図7は、第6の実施の形態に係る保護フィルムの正面図である。本実施の形態に係る保護フィルム38は、第4の実施の形態に係る保護フィルム32と同様に、複数の通気部36が環状に等間隔で形成されている。第4の実施の形態に係る保護フィルム32と第6の実施の形態に係る保護フィルム38は、通気部の形状が異なっている以外は、構成は同じである。第6の実施の形態に係る通気部36も、円弧状に形成されているスリットである。本実施の形態に係る保護フィルム38における通気部36の働きは、第5の実施の形態で説明した通りである。
【0127】
以上、本発明を各実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0128】
なお、各実施の形態に係る保護フィルムの切り込み部、切り欠き部、通気部などの数や位置は、保護フィルムの貼り付け対象となるホイールの大きさや形状に応じて適宜選択すればよい。
【符号の説明】
【0129】
10 保護フィルム、 12 基材層、 14 粘着剤層、 16 セパレータ、 18 切り欠き部、 18a 先端部、 22 保護フィルム、 24 切り込み部、 26 引き裂き防止部、 28 保護フィルム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、
前記基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有するホイール用保護フィルムであって、
前記ホイール用保護フィルムは、外縁から内側に向かって1以上の切り込み部が形成されていることを特徴とするホイール用保護フィルム。
【請求項2】
前記切り込み部の内側の端部に、該切り込み部と連なる引き裂き防止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項3】
前記引き裂き防止部は、曲線で区画された開口部であることを特徴とする請求項2に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項4】
前記ホイール用保護フィルムは、円形であり、
前記切り込み部は、等間隔に複数配列されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項5】
基材層と、
前記基材層の一方の面に設けられた粘着剤層とを有するホイール用保護フィルムであって、
前記ホイール用保護フィルムは、外縁部に1以上の切り欠き部が形成されていることを特徴とするホイール用保護フィルム。
【請求項6】
前記切り欠き部は、中心に近い先端部がR形状であることを特徴とする請求項5に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項7】
前記ホイール用保護フィルムは、円形であり、
前記切り欠き部は、等間隔に複数配列されていることを特徴とする請求項5または6に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項8】
前記ホイール用保護フィルムは、一方の面から他方の面へ空気が通過できる通気部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項9】
前記通気部は、スリットであることを特徴とする請求項8に記載のホイール用保護フィルム。
【請求項10】
前記スリットは、円弧状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のホイール用保護フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−14710(P2013−14710A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149461(P2011−149461)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】