説明

ホスファフェナントレン系有機発光化合物及びこれを利用した有機電気発光素子

本発明は、優れた発光特性を有する新規なホスファフェナントレン系有機発光化合物及びこれを利用した有機電気発光素子(OLED)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光特性を有するリン化合物であるホスファフェナントレン系化合物及びこれを利用した発光特性に優れた有機電気発光素子(Organic Light Emitting Diode, 以下、OLED)に関する。
【背景技術】
【0002】
OLEDは、自発光表示素子であって、広い視野角と、速い応答速度、低電圧駆動などの様々な長所を有しており、現在、次世代平板ディスプレイとして適用されている。
【0003】
一般的なOLEDの基本的な構成は、陽極と陰極間にホール輸送層、発光層、電子輸送層及び正孔輸送層など、有機化合物から構成された多層の薄膜構造からなっており、両電極間に電気が印加されると、陰極からは電子が注入されて、陽極からは正孔が注入され、電子が発光層で正孔と再結合して、エネルギー準位が励起状態(Excited State)から基底状態(Ground State)に落ちる過程で光を放出する原理を利用したものである。
【0004】
このようなOLEDは、1987年米国のEastman Kodak社が、発光層形成用材料として芳香族ジアミンとAlq3を利用した素子を最初に開発したと発表((Appl.Phys.Lett. p.913, (1987))して以来、ナフチルジアミン系発光材料(米国特許第6549345号)、アントラセン系のような蛍光型発光材料(米国特許第6803121号)、そしてより効率の高いイリジウム錯体を利用した発光材料(米国特許第6858327号)のように、燐光型発光材料の性能を改善しようとする研究が進行されてきて、実際、現在携帯電話などの小型の平板ディスプレイに応用されて使用されている。
【0005】
現在まで知られた青色発光化合物は、出光興産(EP 388,768(1990), 九州大学(PRO. SRIE, 1910, 180(1993))などで開発したジスチリル系アントラセン誘導体などがあるが、青色発光物質は、他の色相の発光体より発光効率が劣っており、薄膜安定性、耐熱性などの改善がさらに要求されている。
【0006】
一方、エネルギー伝達を通じての効率を極大化するために、燐光型発光材料にホスト物質を使用することが普遍的であるが、たとえば、低分子燐光ホストとしては、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)と1,3−ビス(9−カルバゾリル)ベンゼン(mCP)などがあり(Journal of Materials chemistry(2003)13, 2157-2163; Journal of Materials chemistry(2005)15, 2304-2315)、高分子燐光ホストとしては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)などが使用されている。最近、C.W.Tangグループでは、燐光素子にホストとして、CBP、mCPの代わりに、高分子のポリビニルカルバゾールを燐光ホストとして単層構造及び多層構造の有機電気発光素子を報告した(J. Appl. Phys., Vol.92, No.7, 3447)。しかしながら、有機電気発光素子は、長時間駆動時、駆動熱による素子の劣化などの欠点を持つ。特に、mCPのような材料は、ガラス転移温度(glass transition Temp.-Tg)が低いため、薄膜材料として素子駆動時、容易に結晶化され、また、熱による色純度の変化及び素子寿命の減少という大きい欠点がある。したがって、長寿命・高効率のOLED素子のためには、材料開発において、色純度及び効率の外に、材料の耐熱性が重要な変数として残っている。
【0007】
本発明者らは、鋭意研究した結果、OLED用材料としてリン化合物のホスファフェナントレン系誘導体を導入し、耐熱性だけではなく、発光特性に優れた物質を開発するに至り、これを利用したOLED素子構成を成功的に進行した。
【0008】
ホスファフェナントレン系誘導体は、難燃剤などに使用された例があるが(大韓民国特許公報1993-3867号)、有機発光素子の材料用に使用された例はほとんどない。従来、米国公開特許20020193522号によって、有機発光素子の材料用としてホスファフェナントレン系化合物を含む高分子物質が公知であり、前記高分子物質に含まれるホスファフェナントレン系化合物としては、下記三つの化合物が公知である。しかしながら、本公知技術の場合、下記三つの化合物に限定されており、ELに適用していない。
[化1]

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述のように、高効率・長寿命の素子を具現するのに必要な耐熱性及び発光特性に優れたホスファフェナントレン系有機発光化合物を提供することであり、また他の目的は、製造されたホスファフェナントレン系有機発光化合物を発光物質として含有する有機電気発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、耐熱性及び発光特性に優れており、OLED用核心材料として使用が可能なリン化合物として下記化学式1で表されるホスファフェナントレン系有機発光化合物及びこれを発光材料として含有する有機電気発光素子に関する。
【0011】
[化学式1]

(式中、
は、化学結合であるか、(C−C10)アルケニレン、(C−C30)アリレンまたはNR11であり、前記Lのアルケニレンまたはアリレンは、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C30)ヘテロアリール、(C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリール、ハロゲン、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、カルボキシル酸、シアノまたはOR31から選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
は、(C−C10)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、(C−C30)アリレン、(C−C30)ヘテロアリレンまたは−Ar−A−Ar−であり、前記Lのアルケニレン、アリレンまたはヘテロアリレンは、(C−C22)アルキル、ハロゲン、シアノ、カルボキシル酸、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、(C−C30)アリール、(C−C30)ヘテロアリール、(C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリールまたはOR31でさらに置換可能であり、
Ar及びArは、互いに独立しており、(C−C30)アリレンまたは(C−C30)ヘテロアリレンであり、前記Ar及びArのアリレンまたはヘテロアリレンは、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C30)アリールオキシ、(C−C30)ヘテロアリール、ハロゲン、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、(C−C22)アルコキシ、カルボキシル酸またはシアノから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
Aは、NR12、(O=)PR13、SiR1415、SOまたはOであり、
は、水素、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C30)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、(C−C22)アルコキシ、(C−C30)アリールオキシ、(C−C30)アリールスルホニル、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)アルケニルカルボニルオキシ、(C−C)アルキニルカルボニルオキシ、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリルまたは
[化2]

であり、前記Rのアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アリールスルホニル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルシリルまたはアリールシリルは、(C−C10)アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシル酸、(C−C30)アリール、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、(C−C10)アルキルシリルまたは(C−C30)アリールシリルから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
11は、化学結合であるか、(C−C10)アルケニレン、(C−C30)アリレンまたはNR16であり、前記L11のアルケニレンまたはアリレンは、(C−C22)アルキル、(C−C22)アルコキシ、(C−C22)シクロアルキル、(C−C30)アリール、シアノ、ハロゲン、アミノ、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、ニトロまたはヒドロキシから選択された一つ以上でさらに置換可能であり、
〜Rは、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、酸素、窒素または硫黄を含む(C−C22)アルキル、(C−C22)アルコキシ、(C−C22)シクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、ヒドロキシ、ニトロ、モノ−またはジ−ベンジルアミノまたは(C−C10)シクロアルキルアミノであり、R〜Rは、隣接した置換体の炭素と(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレンで結合して融合環を形成し、前記形成された融合環の炭素は、酸素、硫黄または窒素から選択される異種原子で置換可能であって、前記R〜Rのアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールまたはアミノは、(C−C10)アルキル、ハロゲン、(C−C30)アリール、(C−C10)アルキルシリルまたは(C−C30)アリールシリルから選択された一つ以上でさらに置換可能であり、
11〜R16は、互いに独立しており、(C−C22)アルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C30)アリール、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノまたはアミノであり、前記R11〜R16のアルキル、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C22)アルコキシ、酸素、窒素または硫黄を一つ以上含む3員〜7員のヘテロシクロアルキルまたはシアノから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
21〜R28は、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、酸素、窒素または硫黄を含む(C−C22)アルキル、(C−C22)アルコキシ、(C−C22)シクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、ヒドロキシ、ニトロ、モノ−またはジ−ベンジルアミノまたは(C−C10)シクロアルキルアミノであり、R21〜R28は、隣接した置換体の炭素と(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレンで結合して融合環を形成し、前記形成された融合環の炭素は、酸素、硫黄または窒素から選択される異種原子で置換可能であり、前記R21〜R28のアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールまたはアミノは、(C−C10)アルキル、ハロゲン、(C−C30)アリール、(C−C10)アルキルシリルまたは(C−C30)アリールシリルから選択された一つ以上でさらに置換可能であり、
31は、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C10)アルケニルまたは(C−C22)アルキルカルボニルであり、前記R31のアルキル、アルケニルまたはアルキルカルボニルは、N、O及びSから選択された一つ以上を含む3員〜5員のヘテロシクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C10)アルキニル、(C−C10)アルケニル、シアノまたはハロゲンでさらに置換可能である。)
【0012】
前記(C−C30)アリール基は、好ましくは、(C−C18)アリール基であり、さらに好ましくは、(C−C12)アリール基である。前記アリール基の具体的な例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、インダニル(indanyl)、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニルのような芳香族グループを含む。
【0013】
前記(C−C30)ヘテロアリール基は、好ましくは、(C−C18)ヘテロアリール基であり、さらに好ましくは、(C−C12)ヘテロアリール基である。前記ヘテロアリール基は、芳香族環の骨格原子としてN、O、PまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、その他の芳香族環骨格原子が炭素であるアリールグループを意味する。前記へテロアリール基は、環内のヘテロ原子が酸化されるか4元化されて、例えば、N−オキシドまたは4次塩を形成する2価アリールグループを含む。代表的な例として、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びこれらの相応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)、これらの4次塩などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本発明による化学式1のホスファフェナントレン系有機発光化合物において、
[化3]

は、下記構造から選択されるが、これに限定されるものではない。
[化4]

(Bは、化学結合であるか、NR71、(O=)PR72、SiR7374、SOまたはOであり、
Dは、CR8182、NR83、O、SまたはSOであって、
31は、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C10)アルケニルまたは(C−C22)アルキルカルボニルであり、前記R31のアルキル、アルケニルまたはアルキルカルボニルは、N、O及びSから選択された一つ以上を含む3員〜5員のヘテロシクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C10)アルキニル、(C−C10)アルケニル、シアノまたはハロゲンでさらに置換可能であり、
41〜R64は、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、(C−C30)ヘテロアリール、シアノ、カルボキシル酸、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル (C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリールまたはOR31であるか、R45とR46またはR47とR48は、(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレンで結合して融合環を形成し、前記形成された融合環の炭素は、酸素、硫黄または窒素から選択される異種原子で置換可能であって、
71〜R74は、互いに独立しており、(C−C22)アルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C30)アリール、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノまたはアミノであり、前記R71〜R74のアルキル、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C22)アルコキシ、酸素、窒素または硫黄を一つ以上含む3員〜7員のヘテロシクロアルキルまたはシアノから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
81〜R83は、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、(C−C30)ヘテロアリール、シアノ、カルボキシル酸、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、(C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリールまたは(C−C22)アルコキシであり、
m及びnは、互いに独立しており、1〜4の整数である。)
【0015】
前記
[化5]

は、具体的には、下記構造から選択される。
[化6]


【0016】
本発明によるホスファフェナントレン系有機電気発光化合物は、下記の化合物で例示できるが、下記の化合物が本発明を限定するものではない。
[化7]





【0017】
また、本発明は、前記化学式1で表されるホスファフェナントレン系有機発光化合物を電子輸送層、発光層、または発光/電子輸送層内に含む有機EL素子を提供する。前記化学式1で表されるホスファフェナントレン系有機発光化合物は、電子輸送物質または発光物質として有用である。本発明によるホスファフェナントレン系有機発光化合物は、特に電子輸送物質として有用である。したがって、本発明によるホスファフェナントレン系有機発光化合物を電子輸送層または発光層内に含むOLEDの素子は、低電力駆動が可能であり、長時間駆動時にも発光効率が維持されて、素子の長期寿命化を達成することができる。
【0018】
一方、本発明の化学式1で表されるホスファフェナントレン系有機発光化合物の製造には、本内容に記述されている方法の他にも、最終物質の構造が同一であれば、公知のいかなる方法でも使用可能である。即ち、本発明の化学式1で表されるホスファフェナントレン系有機発光化合物の製造のための溶媒、反応温度、濃度、または触媒などを特に限定する必要はなく、製造収率にも影響しない。具体的には、例えば反応式1について説明すると以下の通りである。
【0019】
反応式1の場合、キノンに対するホスファフェナントレン誘導体の添加反応によりフェノール形態の誘導体が合成されて、これを、ハロゲン化メチルを製造するためにヒドロキシ基をアルコキシ化した。ハロゲン化メチルを、トリフェニルホスホニウムと反応してWittig反応ができる前駆体として合成する。Wittig反応に使用される単量体は、一般にホスホニウム塩とフェニルアルデヒド誘導体であって、これらを、テトラヒドロフランのような有機溶媒を使用してナトリウムやアルキルリチウムのような強い塩基触媒として反応させる。
[反応式1]

【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1で製造された化合物101のH−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1で製造された化合物101を適用したOLED素子の紫外線吸収(UV-vis)及び光発光(PL)スペクトルである。
【図3】実施例8で製造された化合物108を適用したOLED素子の紫外線吸収(UV-vis)及び光発光(PL)スペクトルである。
【図4】実施例9で製造された化合物109を適用したOLED素子の紫外線吸収(UV-vis)及び光発光(PL)スペクトルである。
【図5】実施例1で製造された化合物101を適用したOLED素子の電気発光(EL)スペクトルである。
【図6】実施例8で製造された化合物108を適用したOLED素子の電気発光(EL)スペクトルである。
【図7】実施例9で製造された化合物109を適用したOLED素子の電気発光(EL)スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施例に基づき、本発明による新規なホスファフェナントレン系有機発光化合物の製造方法を例示する。しかし、下記の実施例は、本発明の理解を助けるためのもので、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0022】
[実施例1] 10-{4’-[2-(4-フルオロフェニル)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物101)の合成
[化8]

【0023】
10-(4’-メチル-2’,5’-ジヒドロキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物A)の合成
1000ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド 200g(0.93 mol)、メチル-1,4-ベンゾキノン107g(0.88 mol)、2-ブトキシエタノール300mlを入れて、12時間加熱還流した。反応終了後、常温に徐々に冷却すると、沈殿物が生じるが、これをメタノールを使用して減圧濾過して、目的化合物の10-(4’-メチル-2’,5’-ジヒドロキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物A)を254g(収率: 81%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 2.15(s, 3H, CH3), 6.24(d, 1H, 芳香族), 6.75(d, 1H, 芳香族), 7.08〜7.96(m, 8H, 芳香族)
【0024】
10-(4’-メチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物B)の合成
500ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で10-(4’-メチル-2’,5’-ジヒドロキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物A) 20g(0.06モルとメタノール200mlを入れて攪拌中に、ナトリウムメトキシド7g(0.13 mol)、ヨウ化メタン83 g(0.59 mol)を順に入れて、4時間加熱還流した。反応終了後、メタノール100mlをさらに添加して、エチルアセテート200mlずつ3回抽出した。抽出したろ液を蒸留水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥後、減圧濾過して、目的化合物の10-(4’-メチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物B)を12.6g(収率: 58%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 2.17(s, 3H, CH3), 3.14(s, 3H, OCH3), 3.81(s, 3H, OCH3), 6.56(d, 1H, 芳香族), 7.03〜7.94(m, 9H, 芳香族)
【0025】
10-(4’-ブロモメチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物C)の合成
100ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で10-(4’-メチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物B) 1g(27 mmol)とテトラクロロメタン20mlを入れて攪拌中に、AIBN 0.02g(1.08mmol)、N-ブロモスクシンイミド0.97g(54mmol)を順に入れて、12時間加熱還流した。反応終了後、ジクロロメタン80mlをさらに添加して、蒸留水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥後、減圧濾過して、1.23gの褐色固体を得た。これを速成クロマトグラフィーで展開液(エチルアセテート/N-ヘキサン : 1/2)を 使用して副産物と分離し、目的化合物の10-(4’-ブロモメチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物C)を0.42g(収率: 33%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 3.14(s, 3H, OCH3), 3.86(s, 3H, OCH3), 4.41(s, 3H, CH2Br), 6.72(d, 1H, 芳香族), 7.08〜7.95(m, 9H, 芳香族)
【0026】
10-(4’-トリフェニルホスホニウムブロマイド-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物D)の合成
500ml 1口丸底フラスコに、10-(4’-ブロモメチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物C)14.85g (0.03 mol)とエタノール100mlを入れて攪拌して、トリフェニルホスフィン10.26g(0.04mol)を入れた後、4時間加熱還流した。反応終了後、常温まで徐々に冷却した。冷却後、生成された沈殿物を、ジエチルエーテルを使用してろ過し、目的化合物の10-(4’-トリフェニルホスホニウムブロマイド-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物D)を23.31g(収率: 99%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 3.14(s, 3H, OCH3), 3.26(s, 3H, OCH3), 5.15(t, 1H, CH2P), 5.67(t, 1H, CH2P), 7.16〜8.00(m, 15H, 芳香族)
【0027】
10-{4’-[2-(4-フルオロフェニル)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物101)の合成
100ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で10-(4’-トリフェニルホスホニウムブロマイド-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物D) 5g(69.6 mmol)及び4-フルオロベンズアルデヒド0.95g(76.6mmol)と無水テトラヒドロフラン50mlを入れて攪拌した後、21%-ナトリウムエトキシド3.3ml(21%エタノール溶液, 83.5mmol)を徐々に 滴加する。2時間常温で攪拌後、反応が終了すると、減圧蒸発した。この混合物を、展開液(エチルアセテート/N-ヘキサン : 1/1)を使用して目的化合物の10-{4’-[2-(4-フルオロフェニル)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物101)を2.92g(収率: 89%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 2.83(s, 3H, OCH3), 3.80(s, 3H, OCH3), 6.51〜7.96(m, 16H, ビニル及び芳香族)
【0028】
[実施例2] 10-{4’-[2-(ナフタレン)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物102)の合成
[化9]

【0029】
100ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で10-(4’-トリフェニルホスホニウムブロマイド-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物D) 1g(69.6mmol)及び1-ナフチルアルデヒド0.21g(13.9mmol)と無水テトラヒドロフラン50mlを入れて攪拌した後、21%-ナトリウムエトキシド3.3ml(21% エタノール溶液, 83.5mmol)を徐々に滴加する。2時間常温で攪拌後、反応が終了すると、減圧蒸発した。この混合物を、展開液(エチルアセテート/N-ヘキサン: 1/1)を使用して目的化合物の10-{4’-[2-(ナフタレン)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物102)を0.39g(収率: 56%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 2.83(s, 3H, OCH3), 3.80(s, 3H, OCH3), 6.51〜7.96(m, 19H, ビニル及び芳香族)
【0030】
[実施例3] 10-{4’-[2-(4-シアノフェニル)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物103)の合成
[化10]

【0031】
50ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で10-(4’-トリフェニルホスホニウムブロマイド-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物D) 1g(14mmol)及び4-シアノベンズアルデヒド0.2 g(15.4 mmol)を、無水テトラヒドロフラン30mlを入れて攪拌した後、21%-ナトリウムエトキシド0.66ml(21%エタノール溶液, 16.8 mmol)を徐々に滴加する。2時間常温で攪拌後、反応が終了すると、減圧蒸発した。この混合物を、展開液(エチルアセテート/N-ヘキサン:1/1)を使用して目的化合物の10-{4’-[2-(4-シアノフェニル)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物103)を0.42 g(収率: 65%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 3.30(s, 3H, OCH3), 3.94(s, 3H, OCH3), 6.92〜7.93(m, 16H, ビニル及び芳香族)
【0032】
[実施例4] 10-{4’-[2-(3-フェニルビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物104)の合成
[化11]

【0033】
100ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で10-(4’-トリフェニルホスホニウムブロマイド-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物D) 1g(14mmol)及びベンゼン1,3-カルバアルデヒド0.1 g(15.4 mmol)を、無水テトラヒドロフラン50mlを入れて攪拌した後、21%-ナトリウムエトキシド0.66ml(21% エタノール溶液, 16.8mmol)を徐々に滴加する。2時間常温で攪拌後、反応が終了すると、減圧蒸発した。この混合物を、展開液(エチルアセテート/N-ヘキサン : 1/1)を使用して目的化合物の10-{4’-[2-(3-フェニルビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド)-ビニル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物104)を0.23 g(収率: 20%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 3.22(s, 3H, OCH3), 3.70(s, 3H, OCH3), 6.40〜7.96(m, 28H, ビニル及び芳香族)
【0034】
[実施例5] 10-{4’-[2-(FIrpic)]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物105)の合成
[化12]

【0035】
100mlフラスコに、FIrpic alcohol 0.72 g(0.11mmol)と10-(4’-ブロモメチル-2’,5’-ジメトキシフェニル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド 0.5g(0.11mmol)をジメチルホルムアミド15mlに混合して炭酸カリウム0.46g(0.33 mmol)を入れる。添加後、100 ℃で48時間加熱還流して反応した。反応後、ジクロロメタン100mlを添加して水で洗浄し、そのろ液を、硫酸マグネシウムで水を除去した。ジクロロメタンを減圧除去して濃縮し、目的化合物の10-{4’-[2-(FIrpic)]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物105)を0.98g(収率: 81%)の黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 3.24(s, 3H, OCH3), 3.71(s, 3H, OCH3), 4.52(s, 2H, CH2), 6.40〜7.96(m, 27H, ビニル及び芳香族)
【0036】
[実施例6] 10-ビフェニル-(4-(9-オキサ-10-ホスファフェナントレン)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド(化合物106)の合成
[化13]

【0037】
100ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド 10g(0.05mol)、炭酸カリウム6.4g (0.05mol)、4-4’-ヨードビフェニル9.38g(0.023mol)、パラジウム触媒1.6g(23 mmol)をジオキサン60mlに入れて24時間加熱還流した。反応終了後、常温に徐々に冷却して減圧蒸留した後、ジクロロメタン溶液に溶かした後、蒸留水で数回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧除去して濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー法(エチルアセテート:ヘキサン = 1:1)で精製し、目的化合物の10-ビフェニル-(4-(9-オキサ-10-ホスファフェナントレン)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド(化合物106)を18.32g(収率: 68%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 6.56(d, 1H, 芳香族), 7.01〜7.99(m, 23H, 芳香族)
【0038】
[実施例7] 9,9-ジヘキシル-(2,7-(9-オキサ-10-ホスファフェナントレン)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド)フルオレン(化合物107)の合成
[化14]

【0039】
250ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド 10g(0.05mol)、炭酸カリウム6.4g(0.05mol)、4-4’-ヨード 9,9-ジヘキシルフルオレン 13.5 g(0.023 mol)、パラジウム触媒1.6 g(23 mmol)をジオキサン100mlに入れて48時間加熱還流した。反応終了後、常温に徐々に冷却して減圧蒸留した後、ジクロロメタン溶液に溶かした後、蒸留水で数回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、溶媒を減圧除去して濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー法(エチルアセテート:ヘキサン = 1:1)で精製し、目的化合物の9,9-ジヘキシル-(2,7-(9-オキサ-10-ホスファフェナントレン)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド)フルオレン(化合物107)を14.4 g(収率: 40%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 0.35〜2.1(m, 26H, ジヘキシル基), 7.05〜8.29(m, 22H, 芳香族)
【0040】
[実施例8] 10-(2-p-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-ビニル)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン 10-オキシド(化合物108)の合成
[化15]

【0041】
(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)-メタノール(化合物E)の合成
9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド 20g(0.09mol)とパラホルムアルデヒド 3.0g(0.10mol)を蒸留水100mlに溶かした後、6時間加熱還流した。反応が終了すると、常温に冷却しながら徐々にジエチルエーテルを添加し、沈殿物を生成させた。生成された沈殿物をろ過し、減圧オーブンに入れて乾燥して、目的化合物の(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)-メタノール(化合物E)を20.3 g(収率: 89%)の白色固体として得た。
【0042】
10-オクソ-10H-9-オキサ-10ホスファフェナントレン-10-カルバアルデヒド(化合物F)の合成
精製された無水ジクロロメタン100mlを、ドライアイス及びアセトンを使用して冷却する。冷却されたら、オキサリルクロライド4.25ml(0.05mol)及びジメチルサルファオキシド5.76 ml(0.08 mol)を入れて10分間攪拌する。そして(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)-メタノール(化合物F) 10g(0.04mol)を入れて1時間攪拌した後、トリエチルアミン22 mlを徐々に入れて、常温で12時間攪拌した。反応が完了すると、蒸留水100 mlを添加した後、ジクロロメタンを使用して抽出した。抽出液は、1N-塩酸水、飽和されたナトリウムビカーボネート溶液, 飽和された塩水などを使用して処理し、無水硫酸マグネシウムを使用して溶液を乾燥した。乾燥された溶液は、減圧ろ過して減圧蒸発し、褐色溶液を得た。得られた生成物質は、次の段階の反応に使用した。
【0043】
10-(2-p-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-ビニル)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド(化合物108)の合成
前記生成物7.73 g(0.03 mol)とホスホニウム塩12.7g(0.02mol)を無水テトラヒドロフラン100mlを入れて懸濁液を作った後、攪拌しながら21%-ナトリウムエトキシド溶液を滴加した。滴加完了後、24時間攪拌した後、エチルアセテート100mlを入れて蒸留水で数回洗浄した。溶液は、無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥して、減圧ろ過して減圧蒸発させ、濃い黄色の固体を得た。生成された固体は、エチルアセテート:ヘキサン(1:1)展開液を使用して精製し、副産物のトリフェニルオキシドを除去して、目的化合物の10-(2-p-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-ビニル)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド(化合物108)を6.42 g(収率: 32%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3), δ = 5.40(d, 4H, ビニル), 6.88〜8.89(m, 24H, 芳香族)
【0044】
[実施例9] 10-{4’-[2-ナフチル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物109)の合成
[化16]

【0045】
100ml 1口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で9,10-ジヒドロキシ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド3.97 g(0.02 mol)、2-ナフチル-1,4-ベンゾキノン4.05g(0.02mol)、2-エトキシエタノール10mlを入れて、12時間加熱還流した。反応終了後、常温に徐々に冷却すると、沈殿物が生じるが、これを、メタノールを使用して減圧濾過し、薄い色のパウダーを3.61gを得た。このパウダーを、ヨウ化メタン4.5g(0.03 mol)、炭酸カリウム4.43g(0.03mol)、アセトン50mlを順に入れて、4時間加熱還流した。反応終了後、ジクロロメタンと蒸留水で抽出した。無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥後、減圧ろ過して溶媒を除去し、目的化合物の10-{4’-[2-ナフチル]-2’,5’-ジメトキシフェニル}-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物109)を3.6g(収率: 44%)の白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3): δ = 2.15(s, 3H, OCH3), 6.24(d, 1H, 芳香族), 6.75(d, 1H, 芳香族), 7.08〜7.96(m, 8H, 芳香族)
【0046】
[実施例10] 10-(1,4-ジメトキシアントラセン-2-イル)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物111)の合成
[化17]

【0047】
1,4-アントラキノン(化合物I)の合成
500ml 丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で1,4-ジヒドロキシ-アントラキノン25gと無水メタノール250mlを入れて、0℃でNaBH4 15.7gを徐々に添加した。1時間 後、6N HClを0℃を維持しながら徐々に添加すると、オレンジ色の沈殿物が生じるが、これをろ過し、水とメタノールで洗浄した。メチレンクロライドとエーテルで再沈殿し、目的化合物の1,4-アントラキノン(化合物I)を15.3g(収率:70%)のオレンジ色固体として得た。
1H NMR (CDCl3): δ =7.06(d, 2H), 7.70(q, 2H), 8.06(q, 2H), 8.60(s,2H)
【0048】
2-(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)アントラセン-1,4-ジ(化合物J)の合成
500ml 丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下で1,4-アントラキノン17gと9オキサ-10-ホスファフェナントレン10-オキシド21gと2-ブトキシエタノール110mlを入れて4時間加熱還流した。高温の真空下で2-ブトキシエタノールを除去した後、 カラムクロマトグラフィー(EA:n-Hex=1:1)で精製し、目的化合物の2-(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)アントラセン-1,4-ジ(化合物J)を14.6g(収率:42%)の固体として得た。
1H NMR(acetone-d6): δ =8.46(s, 1H), 8.25(d, 1H), 8.20(t, 1H), 8.04(d, 1H), 7.89(t, 1H), 7.84(s, 1H), 7.78(t, 1H), 7.64(d, 1H), 7.55(m, 1H), 7.49(m, 5H), 7.29(d, 2H), 6.73(d, 1H)
【0049】
10-(1,4-ジメトキシアントラセン-2-イル)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物111)の合成
250ml 丸いフラスコに、2-(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)-アントラセン-1,4-ジオール5gとK2CO36.5gとCH3I 5mlとアセトン100mlを入れて4時間加熱還流した。反応終了後、アセトンを除去した後、水とエチルアセテートで抽出した後、THFとヘキサンで再沈殿し、目的化合物の10-(1,4-ジメトキシアントラセン-2-イル)-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(化合物111)を1.5g(収率:30%)の固体として得た。
1H NMR(acetone-d6): δ = 8.73(s, 1H), 8.27(q, 1H), 8.22(t, 1H), 8.07(q, 1H), 8.01(t, 1H), 7.84(s, 1H), 7.80(t, 1H), 7.67(d, 1H), 7.57(m, 1H), 7.50(m, 3H), 7.40(d, 1H), 7.30(d, 1H), 6.77(d, 1H), 4.05(s, 6H)
【0050】
[実施例11] 10-(1,4-ジメトキシ-7-メチル-アントラセン-2-イル)-9-オキサ-10-ホスファ-フェナントレン10-オキシド(化合物112)の合成
[化18]

【0051】
1,4-ジヒドロキシ-6-メチル-アントラキノン(化合物K)
500ml三角フラスコに、4-メチルフタル無水物50gとヒドロキノン34gとアルミニウムクロライド120gとNaCl 24gを入れて、250℃で10分間攪拌した。反応が進行されつつ赤色の固体が生成された。熱を冷やした後、水とHClを添加すると、オレンジ色の固体が生じるが、これをろ過した後、THFとヘキサンで再沈殿し、目的化合物の1,4-ジヒドロキシ-6-メチル-アントラキノン(化合物K)を16.7g(収率:35%)のオレンジ色固体として得た。
1H NMR(CDCl3): δ = 12.92(s, 1H), 12.88(s, 1H), 8.21(d, 1H), 8.11(s, 1H), 7.61(d, 1H), 7.28(s, 1H), 2.54(s, 3H)
【0052】
6-メチル-1,4-アントラキノン(化合物L)、7-メチル-2-(10-オクソ-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-イル)-アントラセン-1,4-ジオール(化合物M)及び10-(1,4-ジメトキシ-7-メチル-アントラセン-2-イル)-9-オキサ-10-ホスファ-フェナントレン10-オキシド(化合物112)は、前記実施例10と同一な方法により製造された。
【0053】
[試験例]紫外線、光発光特性の試験
本発明で合成した化合物に対して、UV-vis、光発光(Photoluminescence, 以下PL)値を測定し、表1に示した。UV-visの測定は、Shimatzu UV/Visスペクトロフォトメーターを使用して、 PLの測定は、LS55ルミネセンススペクトロメーター(Perkin Elmer Co.)を使用した。測定サンプルの製造は、ジクロロメタン溶液で製造し、UV-visスペクトルを求めて、UV-visピークが極大値を示す波長でPL特性を求めた。
【0054】
[表1]
化合物構造及びUV/PLデータ


【0055】
電気発光特性の評価I
電気発光(Electroluminescence, 以下EL)特性試験のために、最も一般的に使用される形態である陰極、正孔注入層、正孔伝達層、発光層、電子伝達層、電子注入層、陽極から構成される有機電気発光素子を以下のように製作した。
【0056】
パターニングされているITO透明電極上に膜厚60nmの4,4',4"-トリス(N-(2-ナフチル)-N-フェニル-アミノ)-トリフェニルアミン膜(以下、‘2-TNATA膜’という)を蒸着して正孔注入層を形成し、この2-TNATA膜上に膜厚15nmの4,4-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェニル膜(以下、‘NPD膜’という)を形成した。このNPD膜は、正孔輸送層として機能する。
【0057】
次に、このNPD膜上に化合物101、化合物103または化合物104を膜厚30nmとして蒸着して発光層を形成し、この膜上に膜厚5nmの2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン膜(以下、‘BCP膜’という)を蒸着し正孔阻止層を形成して、次いで、この膜上に膜厚30nmのトリス(8-キノリノール)アルミニウム膜(以下、‘Alq膜’という)を蒸着して、電子注入層を形成した。
【0058】
最後に、この膜上に1nmの厚さでLi/F膜を形成して、金属Al(膜厚200nm)を蒸着し金属陰極を形成して、有機電気発光素子を製作した。
【0059】
電気発光特性の評価I
電気発光(Electroluminescence, 以下EL)特性試験のために、最も一般的に使用される形態である陰極、正孔注入層、正孔伝達層、発光層、電子伝達層、電子注入層、陽極から構成される有機電気発光素子を以下のように製作した。
【0060】
パターニングされているITO透明電極上に膜厚40nmの4,4',4"-トリス(N-(2-ナフチル)-N-フェニル-アミノ)-トリフェニルアミン膜(以下、‘2-TNATA膜’という)を蒸着して正孔注入層を形成し、この2-TNATA膜上に膜厚10nmの4,4-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェニル膜(以下、‘NPD膜’という)を形成した。このNPD膜は、正孔輸送層として機能する。
【0061】
次に、このNPD膜上に化合物112を膜厚40nmとして蒸着して発光層を形成し、この膜上に膜厚10nmの4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン膜(以下、‘BPhen膜’という)を蒸着し正孔阻止層を形成した。
【0062】
最後に、この膜上に1nmの厚さでLi/F膜を形成して、金属Al(膜厚200nm)を蒸着し金属陰極を形成して、有機電気発光素子を製作した。
【0063】
下記表2に化合物112の電気発光特性を示した。
【0064】
[表2]

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明による新規なホスファフェナントレン系化合物は、OLEDの核心材料に応用できるだけではなく、優れたPL特性、非線形光学特性、光及び電気伝導性を示すため、光スイッチ、センサー、モジュール、ウェーブガイド、光蓄積または増幅材料、非線形光学材料、トランジスター、光伝導体、光吸収体などに応用できる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるホスファフェナントレン系有機発光化合物。
[化学式1]

(式中、
は、化学結合であるか、(C−C10)アルケニレン、(C−C30)アリレンまたはNR11であり、前記Lのアルケニレンまたはアリレンは、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C30)ヘテロアリール、(C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリール、ハロゲン、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、カルボキシル酸、シアノまたはOR31から選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
は、(C−C10)アルケニレン、(C−C10)アルキニレン、(C−C30)アリレン、(C−C30)ヘテロアリレンまたは−Ar−A−Ar−であり、前記Lのアルケニレン、アリレンまたはヘテロアリレンは、(C−C22)アルキル、ハロゲン、シアノ、カルボキシル酸、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、(C−C30)アリール、(C−C30)ヘテロアリール、(C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリールまたはOR31でさらに置換可能であり、
Ar及びArは、互いに独立しており、(C−C30)アリレンまたは(C−C30)ヘテロアリレンであり、前記Ar及びArのアリレンまたはヘテロアリレンは、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C30)アリールオキシ、(C−C30)ヘテロアリール、ハロゲン、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、(C−C22)アルコキシ、カルボキシル酸またはシアノから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
Aは、NR12、(O=)PR13、SiR1415、SOまたはOであり、
は、水素、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C30)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、(C−C22)アルコキシ、(C−C30)アリールオキシ、(C−C30)アリールスルホニル、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)アルケニルカルボニルオキシ、(C−C)アルキニルカルボニルオキシ、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリルまたは
[化19]

であり、前記Rのアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アリールスルホニル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルシリルまたはアリールシリルは、(C−C10)アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシル酸、(C−C30)アリール、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、(C−C10)アルキルシリルまたは(C−C30)アリールシリルから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
11は、化学結合であるか、(C−C10)アルケニレン、(C−C30)アリレンまたはNR16であり、前記L11のアルケニレンまたはアリレンは、(C−C22)アルキル、(C−C22)アルコキシ、(C−C22)シクロアルキル、(C−C30)アリール、シアノ、ハロゲン、アミノ、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、ニトロまたはヒドロキシから選択された一つ以上でさらに置換可能であり、
〜Rは、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、酸素、窒素または硫黄を含む(C−C22)アルキル、(C−C22)アルコキシ、(C−C22)シクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、ヒドロキシ、ニトロ、モノ−またはジ−ベンジルアミノまたは(C−C10)シクロアルキルアミノであり、R〜Rは、隣接した置換体の炭素と(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレンで結合して融合環を形成し、前記形成された融合環の炭素は、酸素、硫黄または窒素から選択される異種原子で置換可能であって、前記R〜Rのアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールまたはアミノは、(C−C10)アルキル、ハロゲン、(C−C30)アリール、(C−C10)アルキルシリルまたは(C−C30)アリールシリルから選択された一つ以上でさらに置換可能であり、
11〜R16は、互いに独立しており、(C−C22)アルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C30)アリール、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノまたはアミノであり、前記R11〜R16のアルキル、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C22)アルコキシ、酸素、窒素または硫黄を一つ以上含む3員〜7員のヘテロシクロアルキルまたはシアノから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
21〜R28は、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、酸素、窒素または硫黄を含む(C−C22)アルキル、(C−C22)アルコキシ、(C−C22)シクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、シアノ、アミノ、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノ、ヒドロキシ、ニトロ、モノ−またはジ−ベンジルアミノまたは(C−C10)シクロアルキルアミノであり、R21〜R28は、隣接した置換体の炭素と(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレンで結合して融合環を形成し、前記形成された融合環の炭素は、酸素、硫黄または窒素から選択される異種原子で置換可能であり、前記R21〜R28のアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールまたはアミノは、(C−C10)アルキル、ハロゲン、(C−C30)アリール、(C−C10)アルキルシリルまたは(C−C30)アリールシリルから選択された一つ以上でさらに置換可能であり、
31は、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C10)アルケニルまたは(C−C22)アルキルカルボニルであり、前記R31のアルキル、アルケニルまたはアルキルカルボニルは、N、O及びSから選択された一つ以上を含む3員〜5員のヘテロシクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C10)アルキニル、(C−C10)アルケニル、シアノまたはハロゲンでさらに置換可能である。)
【請求項2】
[化20]

は、下記構造から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のホスファフェナントレン系有機発光化合物。
[化21]

(Bは、化学結合であるか、NR71、(O=)PR72、SiR7374、SOまたはOであり、
Dは、CR8182、NR83、O、SまたはSOであって、
31は、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C10)アルケニルまたは(C−C22)アルキルカルボニルであり、前記R31のアルキル、アルケニルまたはアルキルカルボニルは、N、O及びSから選択された一つ以上を含む3員〜5員のヘテロシクロアルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C10)アルキニル、(C−C10)アルケニル、シアノまたはハロゲンでさらに置換可能であり、
41〜R64は、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、(C−C30)ヘテロアリール、シアノ、カルボキシル酸、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル (C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリールまたはOR31であるか、R45とR46またはR47とR48は、(C−C)アルキレンまたは(C−C)アルケニレンで結合して融合環を形成し、前記形成された融合環の炭素は、酸素、硫黄または窒素から選択される異種原子で置換可能であって、
71〜R74は、互いに独立しており、(C−C22)アルキル、(C−C22)シクロアルキル、(C−C30)アリール、モノ−またはジ(C−C10)アルキルアミノ、モノ−またはジ(C−C30)アリールアミノまたはアミノであり、前記R71〜R74のアルキル、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、(C−C22)アルコキシ、酸素、窒素または硫黄を一つ以上含む3員〜7員のヘテロシクロアルキルまたはシアノから選択された一つ以上でさらに置換可能であって、
81〜R83は、互いに独立しており、水素、(C−C22)アルキル、(C−C30)アリール、ハロゲン、(C−C30)ヘテロアリール、シアノ、カルボキシル酸、(C−C10)アルキルシリル、(C−C30)アリールシリル、(C−C30)アル(C−C22)アルキル、(C−C22)アルキル(C−C30)アリールまたは(C−C22)アルコキシであり、
m及びnは、互いに独立しており、1〜4の整数である。)
【請求項3】
[化22]

は、下記構造から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のホスファフェナントレン系有機発光化合物。
[化23]


【請求項4】
下記化合物から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のホスファフェナントレン系有機発光化合物。
[化24]





【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のホスファフェナントレン系有機発光化合物を含む有機電気発光素子。
【請求項6】
前記ホスファフェナントレン系有機発光化合物は、電子輸送層、発光層、またはこれらの混合機能層から選択される層に含まれることを特徴とする、請求項5に記載の有機電気発光素子。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載のホスファフェナントレン系有機発光化合物を含む有機半導体素子。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【公表番号】特表2010−531294(P2010−531294A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502030(P2010−502030)
【出願日】平成20年4月5日(2008.4.5)
【国際出願番号】PCT/KR2008/001943
【国際公開番号】WO2008/123722
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(505335441)インクテック カンパニー リミテッド (19)
【Fターム(参考)】