説明

ホッパ装置及びこれを用いた組合せ秤

【課題】被計量物のかみ込みを防止することが可能なホッパ装置及びこれを用いた組合せ秤を提供する。
【解決手段】ハウジング2の内部に第1、第2の側壁2c,2dに垂直な仮想の回転軸101を中心に回動可能に配設され、回転軸から均等な中心角θを有して放射状に延びる複数の羽根4を有する羽根車状のロータリーゲート3とを有するホッパ1と、ロータリーゲートを回転軸を中心に回転させる回転装置41とを備え、各々の羽根が、回転軸の延在方向に一様な断面形状を有し、所定の回転方向におけるその後面が該所定の回転方向に窪み、その先端面が実質的に回転軸を中心とする円筒面の一部を構成し、かつその先端部4aの回転方向における前面が回転方向と反対方向に窪むように形成されており、かつ上開口2aは、中心線202とロータリーゲートの羽根先端面の回転軌道面103との交点210が、回転軸を含む鉛直な平面201から偏倚するよう配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッパ装置及びこれを用いた組合せ秤に関し、特にロータリーゲート又はロータリーホッパを用いたホッパ装置及びこれを用いた組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤は、一般に被計量物をバッチ単位に区切って供給する複数の供給ホッパと、この複数の供給ホッパからそれぞれ供給される被計量物を計量する複数の計量ホッパとを備えていて、全ての計量ホッパのうちから最適なその計量値の組み合せを選択して、目標重量の被計量物を得るものである。
【0003】
供給ホッパ及び計量ホッパにおいて被計量物の受け取り及び排出を行うゲートは、通常は開閉式のゲートで構成される。しかし、開閉式のゲートは往復動するため動作が遅いという問題があった。
【0004】
そこで、ロータリーゲートを用いたホッパ装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。このホッパ装置は、筒状のホッパ本体の内部で羽根車状の仕切り部材(ゲート)が回転することにより被計量物の受け取り及び排出を行うように構成されている。これにより、被計量物の移送の高速化が図られている。
【0005】
この他に、ロータリーゲートを用いたホッパ装置として特許文献2乃至5に記載されたものが知られている。
【0006】
また、ロータリーゲートと同様に被計量物の移送の高速化を図った技術として、ロータリーホッパを用いた計量装置が知られている(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】特開2004−191269号公報
【特許文献2】特開平3−504767号公報
【特許文献3】特許第2750937号掲載公報
【特許文献4】特許第2673069号掲載公報
【特許文献5】特開平3−123231号公報
【特許文献6】特許第3576698号掲載公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載されたホッパ装置では、ホッパ本体部の側壁と平板状の仕切り部材とで被計量物を受け取るため、側壁に付着した被計量物を回転する仕切り部材がかみ込みやすいという問題がある。特許文献2乃至6はこのような被計量物のかみ込みの解決策には何ら言及していない。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、被計量物のかみ込みを防止することが可能なホッパ装置及びこれを用いた組合せ秤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るホッパ装置は、互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁と互いに対向し該第1及び第2の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状のハウジングと、前記ハウジングの内部に前記第1及び第2の側壁に垂直な仮想の回転軸を中心に前記第1乃至第4の側壁と所定の隙間を有して回動可能なように配設され、前記回転軸から均等な中心角を有して放射状に延びる複数の羽根を有する羽根車状のロータリーゲートと、を有するホッパと、前記ロータリーゲートを、前記回転軸を中心に回転させる回転装置と、を備え、各々の前記羽根が、前記回転軸の延在方向に一様な断面形状を有し、所定の回転方向におけるその後面が該所定の回転方向に窪み、その先端面が実質的に前記回転軸を中心とする円筒面の一部を構成し、かつその先端部の前記所定の回転方向における前面が該所定の回転方向と反対方向に窪むように形成されており、かつ前記上開口は、平面視におけるその中心線(以下、平面視中心線)と前記ロータリーゲートの前記羽根の先端面の回転軌道面との上側の交点が、前記回転軸を含む鉛直な平面から前記所定の回転方向に偏倚するように配設されている。
【0010】
前記第3及び第4の側壁のうちの前記上開口の平面視中心線に近い方の側壁に、該側壁の略全幅に渡って延在し、かつその上面が斜め下方に傾斜するとともにその下面が前記羽根の先端面の回転軌道面に沿うようにその内側に突出する案内凸部が形成されていてもよい。
【0011】
前記ロータリーゲートの前記複数の羽根が、順次、該羽根の前記後面が上を向きかつ該後面の先端と前記回転軸とを含む平面(以下、羽根基準面)が略水平である回転位置(以下、受け取り回転位置)で停止して前記上開口から投入される被測定物を受け取り、その後、前記所定の方向に回転移動して前記受け取った被測定物を前記下開口に向けて排出するように、前記回転装置によって前記ロータリーゲートを回転させる制御器を備えていてもよい。
【0012】
また、本発明のホッパ装置は、仮想の水平な回転軸と同軸状にかつ互いに平行に対向する1対の円板状の側壁と該1対の側壁に挟持され前記回転軸から均等な中心角を有して放射状に前記側壁の外周に至るように延びる複数の羽根を有する羽根車状の仕切り部材とを有するロータリーホッパと、前記ロータリーホッパを、前記回転軸を中心に回転させる回転装置と、を備え、各々の前記羽根が、前記回転軸の延在方向に一様な断面形状を有し、所定の回転方向におけるその後面が該所定の回転方向に窪み、その先端面が実質的に前記回転軸を中心とする円筒面の一部を構成し、かつその先端部の前記所定の回転方向における前面が該所定の回転方向と反対方向に窪むように形成されている。
【0013】
互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁と互いに対向し該第1及び第2の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状のハウジングをさらに有し、前記ハウジングの第1及び第2の側壁の互い対向する部分に1対の円形の側開口が形成され、該1対の側開口に前記1対の側壁が遊嵌されるようにして前記ロータリーホッパが配設され、前記上開口は、平面視におけるその中心線(以下、平面視中心線)と前記ロータリーホッパの前記羽根の先端面の回転軌道面との上側の交点が、前記回転軸を含む鉛直な平面から前記所定の回転方向に偏倚するように配設されていてもよい。
【0014】
前記ロータリーホッパの上方に配置され、互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁と互いに対向し該第1及び第2の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状の上側ガイドと、前記ロータリーホッパの下方に配置され、4角形の断面を有する筒状の下側ガイドとをさらに有し、前記上側ガイドは、前記下開口が前記ロータリーホッパの回転軌道面に沿うように形成され、かつ該下開口の平面視における中心線と前記ロータリーホッパの回転軌道面との上側の交点が、前記回転軸を含む鉛直な平面から前記所定の回転方向に偏倚するように配設されており、前記下側ガイドは、その上端の開口が前記ロータリーホッパの回転軌道面に沿うように形成されていてもよい。
【0015】
また、本発明の組合せ秤は、請求項1乃至6のいずれかに記載のホッパ装置を供給ホッパ及び計量ホッパの少なくともいずれかとして備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以上に説明したように構成され、ホッパ装置及び組合せ秤における被計量物のかみ込みを防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態において、全図面を通じて同一又は相当する構成要素には同じ符号を付してその重複する説明を省略する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。図1(a)においては、ロータリーゲート3を見やすいようにハウジング2を仮想線(二点鎖線)で示している。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態のホッパ装置は、ホッパ1と、モータ41と制御器42とを有している。
【0020】
ホッパ1は、ハウジング2とロータリーゲート3とを有している。ハウジング2は、互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁2c、2dと、互いに対向し第1及び第2の側壁2c、2dと実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁2e、2fとを有し、その上端及び下端にそれぞれ上開口2a及び下開口2bを有する筒状に形成されている。上開口2a及び下開口2bは、それぞれ、被計量物31の投入口及び排出口を構成している。
【0021】
このハウジング2の内部にロータリーゲート3が配設されている。ロータリーゲート3は、第1及び第2の側壁2c,2dに垂直な仮想の回転軸101を中心に第1乃至第4の側壁2c〜2fと所定の隙間を有して回動可能なように配設されている。ロータリーゲート3は、回転軸101から均等な中心角θ(ここでは180度)を有して放射状に延びる複数(ここでは2)の羽根4,4を有する羽根車状に形成されている。 全ての羽根4は同じ形状を有している。具体的には、羽根4は、回転軸101の延在方向に一様な断面形状を有している。羽根4の、所定の回転方向(ここでは図1における反時計方向:以下、回転方向)における後面(以下、単に後面という)は、その全面に渡ってこの反時計方向に半円状に窪むように湾曲している。羽根4の先端面は実質的に回転軸101を中心とする円筒面の一部を構成するように形成されている。羽根4の先端部4aの回転方向における前面(以下、単に前面という)はこの回転方向と反対方向(図1(a)における時計方向)に円弧状に窪むように形成されている。羽根4の先端部以外の部分前面は後面にほぼ沿った円弧状に形成されている。かくして、羽根4は全体として回転方向に湾曲しその先端部4aが楔形に広がった板状に形成されている。
【0022】
本発明においては、羽根4の後面の先端と回転軸101とを含む平面を、羽根の姿勢を表す基準面(以下、羽根基準面)102として定義する。また、羽根4の湾曲した後面によって囲まれた空間をポケット5と呼ぶ。このポケット5はその両側の第1及び第2の側壁とともに被計量物31の収容部を構成する。また、羽根4の先端部4aの前面が湾曲しているか否かは、羽根4の前面の先端と回転軸101とを含む平面104を基準に判断される。また、隣接する2つの羽根4の羽根基準面102の交差角を両者の間の中心角θとして定義する。本実施の形態では、この中心角は既述のように180度である。ロータリーゲート3には回転軸101と同軸状にシャフト43が配設されており、このシャフト43がハウジング2の第1及び第2の壁2c,2dに回動自在に取り付けられている。
【0023】
ハウジング2の第3の側壁2eの中央部は、ロータリーゲート3の回転軌道面(正確には羽根4の先端面の回転軌道面)103と微小な間隔を有するように外側に向かって円弧状に湾曲している。この第3の側壁2fの中央部の直上部の内面に案内凸部6が形成されている。この案内凸部6は、第3の側壁2eの略全幅に渡って延在し、かつその上面が斜め下方に傾斜するとともにその下面がロータリーゲート3の回転軌道面103に沿うように突出している。
【0024】
ハウジング2の第4の側壁2fは、その上部7が安息角より大きい角度を有するように内側へ斜め下方に傾斜し、その中央部がロータリーゲート3の回転軌道面103と微小な間隔を有するように外側に向かって円弧状に湾曲し、その下部が安息角を有するように内側へ斜め下方に傾斜するように形成されている。
【0025】
そして、上開口2aとロータリーゲート3とは、平面視における上開口2aの中心線(以下、平面視中心線)202とロータリーゲートの回転軌道面103との上側の交点210が、回転軸101を含む鉛直な平面(以下、回転軸鉛直基準面)201から所定の回転方向に偏倚するような位置関係となるように設けられている。
【0026】
そして、上述のシャフト43が駆動モータ41の主軸に連結されている。駆動モータ41は例えばステッピングモータで構成されている。駆動モータ41は、制御器42によってその回転を制御される。制御器42はマイコン等の演算器で構成されている。
【0027】
次に、以上のように構成されたホッパ装置の動作を説明する。
【0028】
図2はホッパ1の動作を示す図であって、(a)は被計量物を受け取った状態を示す図、(b)は被計量物を排出している状態を示す図、(c)は次のサイクルに移行する途中の状態を示す図である。図3はロータリーゲートの1サイクルにおける回転角度に対する回転速度の変化パターンを示す図である。
【0029】
以下の動作は、制御器42が駆動モータ41の回転を制御することによって遂行される。
【0030】
図2(a)に示すように、制御器42は、まず、いずれかの羽根4を所定の受け取り回転位置に停止させる。ここでは、この受け取り回転位置は、羽根4が、後面が上を向きかつ羽根基準面102が水平となる回転位置に設定されている。この状態で、上開口2aから被計量物31が投入される。すると、この被計量物31が落下して羽根4のポケット5に受け取られる。本実施の形態では、上開口2aの平面視中心線202がロータリーゲート3の回転中心である回転軸101に対し平面視において偏倚しているので、このように受け取り回転位置を設定しても、上開口2aから投入される被計量部物31を受け取り回転位置に位置する羽根4がそのポケット5に適切に受け取ることができる。
【0031】
次いで、図2(b)に示すように、制御器42は、ロータリーゲート3を反時計方向に回転させる。これにより、羽根4がその羽根基準面102が鉛直になる位置付近まで回転すると、羽根4のポケット5から被計量物31が落下し、下開口2bから排出される。このとき、他方の羽根4が第3の側壁2eに形成された案内凸部6に接近する。この他方の羽根4の先端部4aは回転方向における前方に鋭く尖っており、かつこの羽根の先端部4bの回転軌道面103と案内凸部6の下面とは非常に近接しているので、もし、この案内凸部6に被計量物31が付着していても、当該尖った部分Aがこれを掻き落としてしまう。また、第3の側壁2eの、ロータリーゲートの回転軌道面103に沿った部分に被計量物31が付着している場合も、羽根4の先端部4aの当該尖った部分Aがこれを掻き落としてしまう。このため、羽根4と第3の側壁2eとの間に被計量物31がかみ込まれることを防止することができる。また、被計量物31の比重が軽い場合には、受け取り停止付近の空間に被計量物31が浮遊していることがあるが、これが他方の羽根4の前面によって下方に叩き落とされる。これにより、投入される被計量物31の切れ(1バッチ毎の区切り)が良くなる。
【0032】
次いで、図2(c)に示すように、制御器42は、他方の羽根4を受け取り回転位置に停止させる。かくして、被計量物31の投入及び排出の1サイクルが完了する。
【0033】
このサイクルにおいて、制御器42は、例えば、図3に示すように、ロータリーゲートの回転速度を、最初の所定期間に急速に上昇させ、その後一定に維持し、最後の所定期間に急速に下降するように変化させる。これにより、最初の所定期間において羽根4の回転による負圧によって、次のバッチの被計量物31の落下が促進され、最後の所定期間において、羽根4の負圧による被計量物31の落下の阻害が抑制される。その結果、被計量物31の移動が早くなり、ホッパ装置の動作速度(計量サイクル)を向上させることができる。
【0034】
また、本実施の形態のホッパ装置では、羽根4の回転軸101と同じ高さで被計量物31を受け取って、その位置から下方に回転するので、被計量物31が羽根4の回転による遠心力を受けることはない。その結果、被計量物31が第3の側壁2eに遠心力で押し付けられて羽根4との間にかみ込まれることが防止される。また、羽根4の後面が湾曲していて、この湾曲面で囲まれたポケット5に被計量物31が収容されるので、被計量物31が第3の側壁2eと接触する機会が減少し、その分、第3の側壁2eと羽根4との間への被計量物31のかみ込みが低減される。
【0035】
次に、本実施の形態の変形例を説明する
[変形例1]
図4は本発明の実施の形態の変形例1に係るホッパ装置の構成を示す縦断面図である。
【0036】
図4に示すように、本変形例においては、ロータリーゲート3が3つの羽根4を有している。この場合、隣接する羽根4間の中心角θは120度である。これ以外は本実施の形態の基本構成(図1)と同じである。本変形例によっても、本実施の形態の基本構成と同じ効果が得られる。
【0037】
[変形例2]
図5は本発明の実施の形態の変形例2に係るホッパ装置の構成を示す縦断面図である。
【0038】
図5に示すように、本変形例においては、ロータリーゲート3が回転方向にV字上に屈曲する羽根4を有している。羽根4の先端部4aは図1の羽根4と同じ形状を有している。 案内凸部6が第3の側壁を内側へ屈曲させて形成されている。これ以外は本実施の形態の基本構成と同じである。本変形例によっても、本実施の形態の基本構成と同じ効果が得られる。
【0039】
なお、図1の構成では、案内凸部6を第3の側壁2eの厚みを大きくして形成したが、これを第3の側壁2eを内側へ屈曲させて形成してもよいことは言うまでもない。
【0040】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る組合せ秤の構成を示す模式図である。
【0041】
図6を参照すると、本実施の形態の組合せ秤300は、分散フィーダ51と、供給ホッパ53と、計量ホッパ54と、重量センサ55と、集合シュート56と、集合ホッパ57と、制御器60と、を主な構成要素として備えている。
【0042】
組合せ秤300の最上部の中央部に分散フィーダ51が配設されている。分散フィーダ51は、図示されない供給部から供給される被計量物31を放射状に分散させる。直進フィーダ52は、分散フィーダ51の周縁部の下方に円状に複数列設され、この分散された被計量物を移送する。供給ホッパ53は、複数の分散フィーダ52に対応して、該分散フィーダ52の先端下方に円状に列設され、分散フィーダ52から投下される被計量物31を受け取り、これをバッチ単位に区切って排出する。計量ホッパ54は供給ホッパ53に対応して該供給ホッパの下方に配設され、供給ホッパ53から排出される被計量物31を受け取ってこれを計量した後、排出する。計量ホッパ54は、重量センサ55に支持されていて、この重量センサの検出信号が制御装置60に入力される。制御器60はマイコン等の演算器で構成され、組合せ秤全体の動作を制御する。集合シュート56は、計量ホッパ54の下方に配設され、計量ホッパから排出される被計量物を、集合シュート56の下方に配設された集合ホッパに集める。集合ホッパ57はこの集まった被計量物31を1つのまとまりとして排出する。
【0043】
本実施の形態の組合せ秤300では、供給ホッパ53及び計量ホッパ54が変形例1及び変形例2を含む実施の形態1のホッパ装置で構成されている。計量ホッパ54では、ホッパ1と駆動モータ41との双方が重量センサ55によって支持されている。また、図1の制御器42は制御器60で構成されている。
【0044】
次に、以上のように構成された組合せ秤300の動作を簡単に説明する。この動作は制御器60の制御により遂行される。
【0045】
分散フィーダ51に供給された被計量物31は、各直進フィーダ52に分散されてそこから供給ホッパ53に供給され、そこで定量に区切られて計量ホッパ54に排出される。計量ホッパ54に排出された被計量物31を重量センサ55が計量してその計量値を制御器60に入力する。制御器60は、全ての計量ホッパ54に対応する計量値の所定の組合せのうちから最適な組合せを選択し、この選択した計量値に対応する計量ホッパ54にその被計量物を排出させる。これにより、この排出された被計量物31が集合ホッパ57に集まり、目標重量を満たす被計量物31の1つのまとまりとして、集合ホッパ57から排出される。
【0046】
次に、供給ホッパ53及び計量ホッパ54の動作を詳しく説明する。
【0047】
図7(a)乃至図7(c)は本実施の形態の組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの動作を示す図である。
【0048】
図7(a)に示すように、あるタイミングにおいて、供給ホッパ53のロータリーゲート3と計量ホッパ54のロータリーゲート3とは、共に、受け取り回転位置に停止している。この状態から、図7(b)に示すように、計量ホッパ54のロータリーゲート3が被計量物31を排出する。その後、図7(c)に示すように、計量ホッパ54のロータリーゲート3が受け取り回転位置に停止するとともに、供給ホッパ53のロータリーゲート3が被計量物31を排出する。
【0049】
これにより、開閉式ゲートを採用した場合に比べて計量サイクルクが高速化されるとともに、被計量物31のかみ込みが防止される。
【0050】
次に、本発明の実施の形態の変形例3及び変形例4を説明する。
【0051】
[変形例3]
図8は本発明の実施の形態の変形例3に係る組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの構成を示す縦断面図である。
【0052】
図8に示すように、本変形例では、計量ホッパ54を構成するホッパ装置が図7の計量ホッパ54を構成するホッパ装置と反対方向を向くように設定されており、それにより、供給ホッパ53のロータリーゲート3と計量ホッパ54のロータリーゲート3とが互いに逆方向に回転する。このように構成しても上述の場合と同様の効果が得られる。
【0053】
[変形例4]
図9は本発明の実施の形態の変形例4に係る組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの構成を示す縦断面図である。
【0054】
図9に示すように、本変形例では、計量ホッパ54の受け取り回転位置が図7の計量ホッパのように水平一位置でなく、水平位置から所定の回転角度θだけ下がった(前進した)位置に設定されている。このように設定すると、集合ホッパを組合せ秤300の中心方向へ寄せることができる(但し図9では理解しやすくするため、そうしてはいない)。
【0055】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3に係る組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの構成を示す縦断面図である。
【0056】
本実施の形態は、粉体計量用の組合せ秤を例示したものである。本実施の形態では、被計量物32が粉体であることから、図6の直進フィーダ52に代えて、スクリューフィーダ58が用いられる。スクリューフィーダ58と供給ホッパ53との間には菊座59が配設されている。また、粉塵対策として、各構成要素間の気密性が高められ、かつ、計量ホッパ54の下開口にエアー脱気パイプが接続され。
【0057】
実施の形態1のホッパ装置1は気密性が高いので粉体の計量に適しており、このような構成することにより、粉体を高速で適切に計量することができる。
【0058】
(実施の形態4)
図11は本発明の実施の形態4に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。図11(a)においては、ロータリーホッパ71の仕切り部材73を見やすいようにハウジング2とロータリーホッパ71の側壁72,72とを仮想線(二点鎖線)で示している。
【0059】
図11に示すように、本実施の形態のホッパ装置は、ロータリーホッパ71がハウジング83に収容されるようにして構成されている。
【0060】
ロータリーホッパ71は、図1のロータリーゲート3の両側面に1対の円板状の側壁が配設された構成を有している。具体的には、ロータリーホッパ71は、仮想の水平な回転軸101と同軸状にかつ互いに平行に対向する1対の円板状の側壁72,72と該1対の側壁72,72に挟持され回転軸101から均等な中心角を有して放射状に側壁101の外周に至るように延びる複数(ここでは2)の羽根74を有する羽根車状の仕切り部材73とを有している。仕切り部材73の形状は図1のロータリーゲート3と全く同じであるので、その説明を省略する。
【0061】
また、ハウジング83は、互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁83c、83dと、互いに対向し第1及び第2の側壁83c、83dと直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁83e、83fとを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口83a及び下開口83bを有する筒状に形成されている。そして、ハウジング83の第1及び第2の側壁83c、83dの互い対向する部分に1対の円形の側開口83gが形成され、この1対の側開口83gにその1対の側壁72,72が遊嵌されるようにしてロータリーホッパ71が配設されている。
【0062】
上開口83aは、図1のホッパ装置と同様に、平面視中心線(図示せず)とロータリーホッパ71の羽根の先端面の回転軌道面(図示せず)との上側の交点(図示せず)が、回転軸鉛直基準面201から回転方向に偏倚するように配設されている。また、第3の側壁には図1と同様に案内凸部86が設けられている。
【0063】
このように構成されたホッパ装置では、上開口83aから投入された被計量物31をロータリーホッパ71の羽根74が、受け取り回転位置においてそのポケット75で受け取り、そこからさらに回転することにより、そのポケット75から被計量物31が落下する。この落下した被計量物31は、ハウジング83の下開口83bから排出される。
【0064】
本実施のホッパ装置によっても実施の形態1のホッパ装置と同様の効果が得られる。
【0065】
(実施の形態5)
図12は本発明の実施の形態5に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。図12(a)においては、ロータリーホッパ71の仕切り部材73を見やすいようにガイド81,82とロータリーホッパ71の側壁72,72とを仮想線(二点鎖線)で示している。
ロータリーホッパ71のを見やすいようにハウジング2を仮想線(二点鎖線)で示している。
【0066】
図12に示すように、本実施の形態のホッパ装置は、実施の形態4のホッパ装置とは、ハウジング83に代えて、ガイド81,82が配設されている点で異なり、その他の点は同じである。
【0067】
上側ガイド81は、ロータリーホッパ71の上方に配置され、互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の1対の側壁と互いに対向し該1対の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する他の1対の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状に形成されている。また、下側ガイド82は、ロータリーホッパ71の下方に配置され、4角形の断面を有する筒状に形成されている。上側ガイド81及び下側ガイド82は、要するに、実施の形態4のハウジング83の上部及び下部とそれぞれ同じ形状を有するので、これ以上の具体的な説明は省略する。
【0068】
このように構成された本実施のホッパ装置によっても実施の形態1のホッパ装置と同様の効果が得られる。
【0069】
(実施の形態6)
図13は本発明の実施の形態6に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。
【0070】
図13に示すように、本実施の形態は、実施の形態4とは、ハウジング83が省略されている点とロータリーホッパ71の形状が若干異なる点で相違し、その他の点では同じである。
【0071】
本実施の形態では、ロータリーホッパ71は、仕切り部材73の先端部74が両方の側壁72,72の外周に沿って回転方向の両側にそれぞれ板状に延びている。その結果、ロータリーホッパ71は、全体として容器状をなし、各羽根74に対応して開口91が形成されたような形状を呈する。ロータリーホッパ71は、この開口91を通じて被計量物31を受け取りかつ排出する。そして、上記延長部分74a,74bにより、回転の際、そのポケット75から被計量物31がこぼれるのが防止される。また、このこぼれた被計量物31が他の部材との間にかみ込みまれたりすることが防止される。
【0072】
このような構成によっても実施の形態4と同様の効果が得られる。
【0073】
なお、実施の形態2における供給ホッパ53及び計量ホッパ54を実施の形態3乃至6のホッパ装置で構成しても良いことはいうまでもない。
【0074】
また、実施の形態2において供給ホッパ53及び計量ホッパ54のいずれか一方のみを実施の形態1、3〜6のホッパ装置で構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のホッパ装置は、高速化を図った組合せ秤の用途に有用である。
【0076】
本発明の組合せ秤は、高速化を図った組合せ秤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。
【図2】ホッパの動作を示す図であって、(a)は被計量物を受け取った状態を示す図、(b)は被計量物を排出している状態を示す図、(c)は次のサイクルに移行する途中の状態を示す図である。
【図3】ロータリーゲートの1サイクルにおける回転角度に対する回転速度の変化パターンを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例1に係るホッパ装置の構成を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例2に係るホッパ装置の構成を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る組合せ秤の構成を示す模式図である。
【図7】図7(a)乃至図7(c)は本実施の形態の組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの動作を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の変形例3に係る組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの構成を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例4に係る組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの構成を示す縦断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る組合せ秤の供給ホッパ及び計量ホッパの構成を示す縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係るホッパ装置の構成を示す図であって、(a)はホッパ装置の外観を示す斜視図、(b)はホッパ装置の縦断面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 ホッパ
2 ハウジング
3 ロータリーゲート
4 羽根
4a 先端部
5 ポケット
6 案内凸部
7 第4の側壁の上部
31,32 被計量物
41 駆動モータ
42,60 制御器
43 シャフト
51 分散フィーダ51
52 直進フィーダ
53 供給ホッパ
54 計量ホッパ
55 重量センサ
56 集合シュート
57 集合ホッパ
58 スクリューフィーダ
59 菊座
71 ロータリーホッパ
72 側壁
73 仕切り部材
74 羽根
75 ポケット
81 上側ガイド
82 下側ガイド
83 ハウジング
86 案内凸部
91 開口
101 回転軸
102 羽根基準面
103 ロータリーゲートの回転軌道面
104 羽根の前面の先端と回転軸とを含む平面
201 回転軸鉛直基準面
202 平面視中心線
300 組合せ秤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁と互いに対向し該第1及び第2の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状のハウジングと、前記ハウジングの内部に前記第1及び第2の側壁に垂直な仮想の回転軸を中心に前記第1乃至第4の側壁と所定の隙間を有して回動可能なように配設され、前記回転軸から均等な中心角を有して放射状に延びる複数の羽根を有する羽根車状のロータリーゲートと、を有するホッパと、
前記ロータリーゲートを、前記回転軸を中心に回転させる回転装置と、を備え、
各々の前記羽根が、前記回転軸の延在方向に一様な断面形状を有し、所定の回転方向におけるその後面が該所定の回転方向に窪み、その先端面が実質的に前記回転軸を中心とする円筒面の一部を構成し、かつその先端部の前記所定の回転方向における前面が該所定の回転方向と反対方向に窪むように形成されており、
かつ前記上開口は、平面視におけるその中心線(以下、平面視中心線)と前記ロータリーゲートの前記羽根の先端面の回転軌道面との上側の交点が、前記回転軸を含む鉛直な平面から前記所定の回転方向に偏倚するように配設されている、ホッパ装置。
【請求項2】
前記第3及び第4の側壁のうちの前記上開口の平面視中心線に近い方の側壁に、該側壁の略全幅に渡って延在し、かつその上面が斜め下方に傾斜するとともにその下面が前記羽根の先端面の回転軌道面に沿うようにその内側に突出する案内凸部が形成されている、請求項1に記載のホッパ装置。
【請求項3】
前記ロータリーゲートの前記複数の羽根が、順次、該羽根の前記後面が上を向きかつ該後面の先端と前記回転軸とを含む平面(以下、羽根基準面)が略水平である回転位置(以下、受け取り回転位置)で停止して前記上開口から投入される被測定物を受け取り、その後、前記所定の方向に回転移動して前記受け取った被測定物を前記下開口に向けて排出するように、前記回転装置によって前記ロータリーゲートを回転させる制御器を備える、請求項1に記載のホッパ装置。
【請求項4】
仮想の水平な回転軸と同軸状にかつ互いに平行に対向する1対の円板状の側壁と該1対の側壁に挟持され前記回転軸から均等な中心角を有して放射状に前記側壁の外周に至るように延びる複数の羽根を有する羽根車状の仕切り部材とを有するロータリーホッパと、
前記ロータリーホッパを、前記回転軸を中心に回転させる回転装置と、を備え、
各々の前記羽根が、前記回転軸の延在方向に一様な断面形状を有し、所定の回転方向におけるその後面が該所定の回転方向に窪み、その先端面が実質的に前記回転軸を中心とする円筒面の一部を構成し、かつその先端部の前記所定の回転方向における前面が該所定の回転方向と反対方向に窪むように形成されている、ホッパ装置。
【請求項5】
互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁と互いに対向し該第1及び第2の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状のハウジングをさらに有し、
前記ハウジングの第1及び第2の側壁の互い対向する部分に1対の円形の側開口が形成され、該1対の側開口に前記1対の側壁が遊嵌されるようにして前記ロータリーホッパが配設され、
前記上開口は、平面視におけるその中心線(以下、平面視中心線)と前記ロータリーホッパの前記羽根の先端面の回転軌道面との上側の交点が、前記回転軸を含む鉛直な平面から前記所定の回転方向に偏倚するように配設されている、請求項4に記載のホッパ装置。

【請求項6】
前記ロータリーホッパの上方に配置され、互いに平行に対向し鉛直方向に延在する平板状の第1及び第2の側壁と互いに対向し該第1及び第2の側壁と実質的に直角な稜線を形成するように接する第3及び第4の側壁とを有し、上端及び下端にそれぞれ上開口及び下開口を有する筒状の上側ガイドと、前記ロータリーホッパの下方に配置され、4角形の断面を有する筒状の下側ガイドとをさらに有し、
前記上側ガイドは、前記下開口が前記ロータリーホッパの回転軌道面に沿うように形成され、かつ該下開口の平面視における中心線と前記ロータリーホッパの回転軌道面との上側の交点が、前記回転軸を含む鉛直な平面から前記所定の回転方向に偏倚するように配設されており、
前記下側ガイドは、その上端の開口が前記ロータリーホッパの回転軌道面に沿うように形成されている、請求項4に記載のホッパ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のホッパ装置を供給ホッパ及び計量ホッパの少なくともいずれかとして備える、組合せ秤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−232688(P2008−232688A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69845(P2007−69845)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(505260556)
【Fターム(参考)】