説明

ホログラフィックメモリ装置

【課題】信号光と参照光の光軸を含む面に垂直な方向のチルトエラーが生じた場合にも、ホログラフィックメモリから情報を適正に再生できるようにする。
【解決手段】再生時、ホログラフィックメモリ10は、再生対象ブロックに対する初期アクセス位置からディスク周方向の前後一定範囲においてステップ送りされる。ステップ送りされたそれぞれの位置にて、再生信号のSNRがSNR計算回路19にて算出され、再生信号の品質が検出される。SNRが最良となるディスク周方向位置が当該再生対象ブロックに対する周方向位置に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号光と参照光を内部で干渉させたときの干渉縞を定着させることにより情報の記録が行われるホログラフィックメモリから情報を再生するホログラフィックメモリ装置に関するものであり、特に、ホログラフィックメモリと参照光の間のチルトエラーを補正する際に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホログラフィックメモリは、信号光と参照光を内部で干渉させたときの干渉縞をホログラフィックメモリ材料層に定着させることによって情報の記録が行われる。ここで、信号光は、記録情報に応じて空間光変調されているため、信号光と参照光をホログラフィックメモリに照射すると、ホログラフィックメモリ材料層中に、記録情報に応じた明暗の干渉縞が生じる。かかる干渉縞のうち“明”の領域に、ホログラフィックメモリ材料層中の光重合性の高いモノマーが引き寄せられてポリマー化することで、ホログラフィックメモリ材料層中に、干渉縞に応じた屈折率分布が定着する。これにより、ホログラフィックメモリに対する情報の記録が行われる。
【0003】
なお、ホログラフィックメモリにおいては、ホログラフィックメモリ材料層に対する参照光の入射角度を変更することによって、一つの記録箇所(記録ブロック)に複数種類の情報を同時に記録できることが知られている(角度多重)。すなわち、参照光の入射角度毎に、異なる情報にて信号光を空間光変調することにより、それぞれの記録情報に応じた干渉縞を、角度毎に個別に、同一の記録箇所に定着させることができる。
【0004】
再生時には、記録時と同一角度にて参照光がホログラフィックメモリ材料層に照射される。これにより、参照光に当該角度の干渉縞に応じた回折が生じ、これを受光素子が受光することにより、当該角度の記録情報が再生される。
【0005】
なお、以下に示す特許文献1および特許文献2には、角度多重によるホログラフィックメモリ装置が記載されている。
【0006】
角度多重にて情報を記録する場合には、一般に、信号光と参照光の光軸を含む面の面内方向において、ホログラフィック材料層に対する参照光の入射角度が変更される。このため、再生時に、かかる面内方向においてホログラフィックメモリと参照光の間にチルトエラーが生じても、このチルトエラーに応じて参照光調整用のアクチュエータ(ガルバノミラー等)を制御することにより、ホログラフィックメモリに対する参照光の入射角度を適正な状態に調整することができる。
【0007】
たとえば、図10(a)に示す如くしてホログラフィックメモリ材料層に干渉縞が生成された場合には、再生時に、このホログラフィックメモリに図10(a)のX−Y平面内におけるチルトが発生しても、図10(b)に示す如く、参照光用のアクチュエータを駆動制御して参照光の入射角度を補正することにより、ホログラフィックメモリに対して適正な角度にて参照光を入射させることができる。
【0008】
しかし、信号光と参照光の光軸を含む面に垂直な方向においてチルトエラーが生じた場合、すなわち図10(a)のX−Z平面の面内方向にチルトエラーが発生した場合には、干渉縞の方向ベクトルが参照光用アクチュエータの駆動方向とは異なる方向のベクトル成分をもつようになるため、参照光用のアクチュエータを制御するだけでは、このベクトル成分を抑制することはできない。この場合、参照光用のアクチュエータを制御しても、干渉縞と参照光の間の角度が記録時のものに比べ相違することとなり、その結果、適正な再生信号が得られなくなる。
【特許文献1】特開平11−16374号公報
【特許文献2】特開2000−338846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題を解消し、信号光と参照光の光軸を含む面に垂直な方向においてホログラフィックメモリにチルトエラーが生じた場合にも、ホログラフィックメモリから情報を適正に再生し得るホログラフィックメモリ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に鑑み本発明は、以下の特徴を有する。
【0011】
請求項1の発明は、ホログラフィックメモリ媒体に参照光を照射して、該ホログラフィックメモリ媒体に画素毎に光変調されて記録されている1、0の2値化データを再生するホログラフィックメモリ装置において、前記ホログラフィックメモリ媒体によって回折された前記参照光を受光して回折状態に応じた信号を前記画素毎に出力する受光手段と、前記受光手段から出力される前記信号の品質を検出する品質検出手段と、前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する位置変更手段と、前記品質検出手段における検出結果に基づいて該品質が適正状態となるときの前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を検出する位置検出手段と、前記ホログラフィックメモリ媒体が前記位置検出手段によって検出された回転位置にあるときに前記受光手段から出力される信号から再生データを取得する再生データ取得手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るホログラムメモリ装置において、前記品質検出手段は、前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する毎に前記受光手段から出力される前記信号の品質を検出し、前記位置検出手段は、前記品質検出手段によって検出された品質が最良となるときの回転位置を当該再生時における前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置として検出することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項または2の発明に係るホログラフィックメモリ装置において、前記品質検出手段は、前記受光手段から出力される画素毎の信号のうち前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ0の差分に基づいて前記受光手段から出力される信号の品質を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1または2の発明に係るホログラフィックメモリ装置において、前記品質検出手段は、前記受光手段から出力される画素毎の信号のうち前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ0の和に基づいて前記受光手段から出力される信号の品質を検出することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1または2の発明に係るホログラフィックメモリ装置において、前記品質検出手段は、前記受光手段から出力される画素毎の信号のうち前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ0の差分と、前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ0の和に基づいて前記受光手段から出力される信号の品質を検出することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、ホログラフィックメモリ媒体に参照光を照射して、該ホログラフィックメモリ媒体に記録されているデータを再生するホログラフィックメモリ装置において、前記ホログラフィックメモリ媒体のチルトを検出するチルト検出手段と、前記チルト検出手段における検出結果に基づいて前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を前記チルトの影響を抑制する位置に調整する調整手段とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、請求項6の発明に係るホログラフィックメモリ装置において、前記調整手段は、前記チルト量と前記回転位置の補正量とを対応付けたテーブルを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、ホログラフィックメモリ媒体に参照光を照射して、該ホログラフィックメモリ媒体に記録されているデータを再生するホログラフィックメモリ装置において、前記ホログラフィックメモリ媒体によって回折された前記参照光を受光して回折状態に応じた信号を前記画素毎に出力する受光素子と、制御回路を備え、該制御回路は、前記受光素子から出力される前記信号の品質を検出する品質検出処理と、前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する位置変更処理と、前記品質検出処理における検出結果に基づいて該品質が適正状態となるときの前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を検出する位置検出処理と、前記ホログラフィックメモリ媒体が前記位置検出処理によって検出された回転位置にあるときに前記受光素子から出力される信号から再生データを取得する再生データ取得処理を含む処理を実行する。
【0019】
請求項9の発明は、請求項8の発明に係るホログラムメモリ装置において、前記品質検出処理は、前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する毎に前記受光素子から出力される前記信号の品質を検出し、前記位置検出処理は、前記品質検出手段によって検出された品質が最良となるときの回転位置を当該再生時における前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置として検出する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、信号光と参照光の光軸を含む面に垂直な方向においてチルトエラーが生じた場合にも、ホログラフィックメモリ媒体の回転位置が適正位置に調整されることにより、高品質の再生データを取得することができる。
【0021】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
【0022】
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0024】
図1に、本実施例に係るホログラフィックメモリ装置の光学系を示す。なお、図1に示す光学系は、透過型のホログラフィックメモリ10に対して情報を記録/再生する際に用いられるものである。
【0025】
図1に示す如く、この光学系は、半導体レーザ101と、コリメータレンズ102と、シャッター103と、ビームスプリッタ104と、シャッター105と、偏光ビームスプリッタ106と、λ/4板107と、空間光変調器108と、フーリエ変換レンズ109と、ガルバノミラー110と、リレーレンズ111と、フーリエ変換レンズ112と、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ113から構成されている。
【0026】
半導体レーザ101は、ホログラフィックメモリ10に適した波長のレーザ光を出射する。コリメータレンズ102は、半導体レーザ101から入射されるレーザ光を平行光に変換する。シャッター103は、メカニカルシャッター等によって構成され、制御信号に応じて、レーザ光の通過/遮断を行う。具体的には、記録/再生動作の際の露光時にのみOFF(通過)とされる。OFFとされる時間によってホログラフィックメモリ10に対する露光時間が制御される。ビームスプリッタ104は、コリメータレンズ102からのレーザ光を信号光と参照光に分割する。
【0027】
シャッター105は、メカニカルシャッター等によって構成され、制御信号に応じて、信号光の通過/遮断を行う。具体的には、記録時にはOFF(通過)とされ、再生時にはON(遮断)とされる。
【0028】
偏光ビームスプリッタ106は、シャッター105から入射される信号光を略全透過するとともに、λ/4板107から入射される信号光を略全反射する。λ/4板107は、偏光ビームスプリッタ106から入射される信号光を直線偏光から円偏光に変換するとともに、空間光変調器108から入射される円偏光の信号光を、偏光ビームスプリッタ106からの入射時に比べて直交する直線偏光に変換する。
【0029】
空間光変調器108は、液晶パネルと反射ミラーの組み合わせ等によって構成され、記録信号(1、0の2値化データ)に応じて画素毎に信号光の偏光状態を制御し、これにより、信号光に記録信号に応じた空間光変調を与える。
【0030】
偏光ビームスプリッタ106を透過したP偏光の信号光はλ/4板107で右旋回または左旋回の円偏光となる。ここで、信号光の旋回方向は、λ/4板107の結晶軸の方向によって決まる。たとえば、信号光の旋回方向が右旋回となった場合、信号光は、空間光変調器108の液晶パネルを往復することにより、たとえば、デジタルデータ“1”の画素位置においては右旋回のままとされ、デジタルデータ“0”の画素位置においては左旋回へと変化する。したがって、再度、λ/4板107を通過することにより、信号光は、デジタルデータ“1”の画素位置ではS偏光となり、デジタルデータ“0”の画素位置ではP偏光となる。このうち、デジタルデータ“1”に対するS偏光の光みが、偏光ビームスプリッタ106にて反射され、デジタルデータ“0”に対するP偏光の光は偏光ビームスプリッタ106透過する。
【0031】
フーリエ変換レンズ109は、偏光ビームスプリッタ106から入射された信号光をホログラフィックメモリ10内のホログラフィックメモリ材料層上に収束させる。
【0032】
ガルバノミラー110は、参照光を反射すると共に、制御信号に応じて、信号光と参照光の光軸を含む面の面内方向に回動される。ガルバノミラー110が回動されることにより、記録ブロックに対する参照光の入射角度が調整される。リレーレンズ111は、ガルバノミラー110によって反射された参照光をホログラフィックメモリ10の記録ブロックに導く。
【0033】
フーリエ変換レンズ112は、ホログラフィックメモリ材料層によって回折されホログラフィックメモリ10を透過した参照光(以下、ホログラフィックメモリ10を透過した後の参照光を特に「再生光」と称する)を平行光に変換してCMOSイメージセンサ113に導く。CMOSイメージセンサ113は、フーリエ変換レンズ112を介して受光した再生光の強度分布に応じた電気信号を信号増幅回路(後述)に出力する。
【0034】
記録時において、半導体レーザ101から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ102にて平行光に変換された後、シャッター103を通過し、ビームスプリッタ104によって信号光と参照光に分割される。このうち、信号光は、シャッター105を通過した後、偏光ビームスプリッタ106を透過し、空間光変調器108によって変調される。空間光変調器108にて変調された信号光は、偏光ビームスプリッタ106で反射され、フーリエ変換レンズ109によってホログラフィックメモリ10に収束照射される。また、参照光は、ガルバノミラー110によって反射された後、リレーレンズ111を介してホログラフィックメモリ10の信号光照射位置に入射される。
【0035】
かくして、信号光と参照光は、ホログラフィックメモリ10のホログラフィックメモリ材料層に照射される。これにより、ホログラフィックメモリ材料層のレーザ光照射箇所に干渉縞が生じ、モノマーがこの干渉縞に応じてポリマー化する。しかして、干渉縞に応じた屈折率分布がホログラム材料層に定着し、ホログラフィックメモリに対する記録が行われる。
【0036】
なお、角度多重による記録時には、ガルバノミラー110が所定角度(ページ送り分)だけ回転され、ホログラフィックメモリ10に対する参照光の入射角度が変更される。このとき、ガルバノミラー110にて反射された参照光は、リレーレンズ111を介することで、ホログラフィックメモリ10上の入射位置を変えることなく、ホログラフィックメモリ10に対する角度のみが変更されて、信号光の照射位置に照射される。また、参照光の角度変更に応じて、空間光変調器108に、次ページ分の記録信号が供給される。かかる参照光の角度変更と空間光変調器108に対する記録信号の変更は、当該記録ブロックに対する多重記録が終了するまで繰り返される。これにより、当該記録ブロックに、参照光の入射角度毎に異なる干渉縞が生じ、その結果、当該記録ブロックに、異なる干渉縞に応じた屈折率分布が定着する。しかして、当該記録ブロックに、異なる記録信号が角度多重にて記録される。
【0037】
再生時において、半導体レーザ101から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ102にて平行光に変換された後、シャッター103を通過し、ビームスプリッタ104によって信号光と参照光に分割される。このうち、信号光は、シャッター105によって遮断される。一方、参照光は、ガルバノミラー110およびリレーレンズ111を介してホログラフィックメモリ10のホログラフィックメモリ材料層に照射される。
【0038】
しかる後、参照光は、ホログラフィックメモリ材料層に定着されている干渉縞によって回折され、ホログラフィックメモリ10を透過する。その後、参照光(再生光)は、フーリエ変換レンズ112によって平行光に変換され、CMOSイメージセンサ113に入射される。
【0039】
CMOSイメージセンサ113は、受光した再生光の強度分布に応じた電気信号を信号増幅回路(後述)に出力する。ここで、CMOSイメージセンサ113によって受光される再生光の強度分布は、記録時に空間光変調器108によって信号光に付与された空間光変調に応じたものとなっている。なお、CMOSイメージセンサ113は、調整機構(図示せず)によって、受光面に平行な方向の位置と角度が調整される。
【0040】
CMOSイメージセンサ113から出力された電気信号は、信号増幅回路によって増幅された後、デコーダによって復調される。このとき、ホログラフィックメモリ10に対する参照光のチルトエラーを補償するための処理が実行される。なお、この処理については、追って、図4を参照しながら詳述する。
【0041】
図2は、本実施例に係るホログラフィックメモリ装置の構成を示す図である。図2に示す如く、ホログラフィックメモリ装置は、エンコーダ11と、SLMドライバ12と、光学ヘッド13と、信号増幅回路14と、デコーダ15と、サーボ回路16と、ステッピングモータ17と、送り機構18と、SNR計算回路19と、コントローラ20から構成されている。
【0042】
エンコーダ11は、記録データにエンコード処理を施しSLMドライバ12に送る。SLMドライバ12は、エンコード処理された記録データから空間光変調器108を駆動するための記録信号を生成し、生成した記録信号に応じて、光学ヘッド13中の空間光変調器108を駆動する。
【0043】
光学ヘッド13は、上記図1の光学系を内蔵し、記録再生用の信号光および参照光を、ホログラフィックメモリ(ディスク媒体)10に照射する。光学ヘッド13は、後述のようにホログラフィックメモリ10が一つの径の方向(以下、「ラジアル方向」と称する)にステップ送りされるとき、信号光と参照光の照射位置がこの径上を移動するよう配置されている。また、光学ヘッド13は、信号光と参照光がこの径に対して垂直な方向(以下、「タンジェンシャル方向」という)から入射されるようにして配置されている。
【0044】
信号増幅回路14は、光学ヘッド13中のCMOSイメージセンサ113から出力される電気信号を増幅し、これをデコーダ15とSNR計算回路19に送る。デコーダ15は、信号増幅回路14から入力された再生信号をデコードして再生データを生成し、これを後段回路に出力する。
【0045】
サーボ回路16は、コントローラ20からの制御指令に応じて、ホログラフィックメモリ10をディスク周方向にステップ送りするためのサーボ信号を生成し、これをステッピングモータ17に送る。また、コントローラ20からの制御指令に応じて、ホログラフィックメモリ10をラジアル方向にステップ送りするためのサーボ信号を生成し、これを、送り機構18の駆動モータ18aに送る。さらに、コントローラ20からの制御指令に応じて、光ヘッド13内に配された半導体レーザ101の駆動制御、シャッター103、105のON/OFF制御およびガルバノミラー110の駆動制御を行う。
【0046】
ステッピングモータ17は、サーボ回路16からのサーボ信号に応じて、ホログラフィックメモリ10をディスク周方向にステップ送りする。送り駆動機構18は、光ヘッド13とホログラフィックメモリ10がラジアル方向に相対移動するようステッピングモータ17をスライド可能に支持する。モータ(ステッピングモータ)18aは、ステッピングモータ17をラジアル方向にステップ送りするための駆動力を付与する。
【0047】
SNR計算回路19は、後述する計算式に従って再生信号のSNR(Signal to Noise Ratio)を計算し、計算結果をコントローラ20に出力する。コントローラ20は、記録/再生動作時に、制御指令を各回路に出力する。
【0048】
次に、SNR計算回路19におけるSNRの計算方法について、図3を参照しながら説明する。
【0049】
上述の如く、空間光変調器108は、記録信号に応じて画素(ピクセル)毎に光の偏光状態を制御し、これにより、信号光に記録信号に応じた空間光変調を与える。この場合、たとえば、デジタルデータ“1”のピクセル位置にて信号光の位相を変化させず、デジタルデータ“0”のピクセル位置では信号光位相を180°変化させるよう空間光変調器108が駆動されるとすると、このようにして記録されたホログラフィックメモリ10に適正角度にて参照光を照射した場合、理想的には、CMOSイメージセンサ113の受光面上において、デジタルデータ“1”のピクセル位置に同一強度P1の光強度が生じ、デジタルデータ“0”のピクセル位置には同一強度P2の光強度が生じることとなる。
【0050】
しかし、実際には、光の漏れこみ等によって、デジタルデータ“1”のピクセル位置の強度は一律に強度P1とはならず、強度P1からややずれた強度範囲内の光強度を持つこととなる。同様に、デジタルデータ“0”のピクセル位置の強度も一律に強度P2とはならず、強度P2からややずれた強度範囲内の光強度を持つこととなる。
【0051】
したがって、ホログラフィックメモリ10に適正角度にて参照光を照射した場合、一般に、それぞれの光強度を持つピクセルの個数は、図3に示すように分布することとなる。
【0052】
ここで、デジタルデータ“0”の分布曲線とデジタルデータ“1”の分布曲線の重なり部分が少ないほど、デジタルデータ“0”、“1”の何れとして復調すべきか不明な範囲が狭くなり、再生信号に生じるエラー率が低くなる。すなわち、この重なりが少ないほど、再生信号の品質は良くなる。
【0053】
したがって、デジタルデータ“0”の分布曲線における光強度の平均値をμ0、当該分布曲線の標準偏差をσ0とし、デジタルデータ“1”の分布曲線における光強度の平均値をμ1、当該分布曲線の標準偏差をσ1とすると、μ1−μ0が大きいほど再生信号の品質は良くなり、また、σ1+σ0が小さいほど再生信号の品質は良くなる。
【0054】
このことから、再生信号のSNRは、たとえば次式にて得ることができる。
SNR=20・log{(μ1−μ0)/(σ1+σ0)}…(1)
【0055】
上述のSNR計算回路19は、たとえば、この式(1)に従って、信号増幅回路14から入力される再生信号のSNRを算出し、その算出結果を、コントローラ20に出力する。
【0056】
なお、SNRの算出式は、上記式(1)に限られるものではなく、再生信号の品質を評価できるものであれば、他の式を用いることも可能である。たとえば、μ1−μ0の大きさのみ、または、σ1+σ0の大きさのみから、再生信号のSNRを求めるようにすることもできる。μ1−μ0の大きさからSNRを求める場合は、この値が大きいほど再生信号の品質が良いとされ、σ1+σ0の大きさからSNRを求める場合は、この値が小さいほど再生信号の品質が良いとされる。
【0057】
次に、当該ホログラフィックメモリ装置における記録時の動作について説明する。
【0058】
記録動作が開始されると、シャッター103はON(遮断)、シャッター105はOFF(通過)とされ、光ヘッド13が記録ブロック位置にアクセスされる。かかるアクセスは、ステッピングモータ17によるホログラフィックメモリ10のステップ送り(ディスク周方向)と、送り機構18によるホログラフィックメモリ10のステップ送り(ラジアル方向)によって行われる。
【0059】
次に、ガルバノミラー110が第1ページに対応する初期角度にセットされ、当該ページの記録のために露光する時間だけ、シャッター103がOFF(通過)とされる。このとき、空間光変調器108は、当該ページの記録データに対応する画素パターンを持つよう駆動される。
【0060】
かかる露光により、当該記録ブロックに先頭ページの記録データが記録されると、コントローラ20は、さらに記録すべきデータが存在するかを判別する。そして、記録すべきデータが存在する場合には、ガルバノミラー110をページ送り分に相当する角度だけ回転させ、上記と同様にして、当該記録ブロックに次ページの記録データを記録する。かかる角度多重によるデータ記録は、当該記録ブロックに対するデータ記録が終了するまで繰り返し実行される。
【0061】
当該記録ブロックに対する記録が終了したときに、さらに、記録すべきデータが存在する場合には、次の記録ブロックに対するアクセスがなされ、上記と同様、角度多重により、当該次の記録ブロックに対する記録が行われる。
【0062】
次に、図4を参照して、ホログラフィックメモリ装置における再生時の動作を説明する。
【0063】
再生動作が開始されると、シャッター103、105がともにON(遮断状態)とされた後(S101)、光ヘッド13が再生対象の記録ブロック位置にアクセスされる(S102)。かかるアクセスは、上記記録時と同様、ステッピングモータ17によるホログラフィックメモリ10のステップ送り(ディスク周方向)と、送り機構18によるホログラフィックメモリ10のステップ送り(ラジアル方向)によって行われる。
【0064】
しかして、光ヘッド13のアクセスがなされると、次に、再生対象ページに対するガルバノミラー110の引き込み制御が行われる(S103)。かかる引き込み制御は、たとえば、以下のように行われる。
【0065】
まず、シャッター103がOFF(通過)とされて、参照光が当該記録ブロックに照射される。その後、ガルバノミラー110がイニシャル位置から先頭ページ(第1ページ)に対応する角度方向へと回転される。かかる回転の際、CMOSイメージセンサ113の出力が随時モニターされる。そして、この出力が最初にピークとなるガルバノミラー110の角度位置が先頭ページ(第1ページ)に対応する角度位置として検出される。
【0066】
かかる検出の後、再生対象までのページ送り分だけ、ガルバノミラー110がさらに回転される。さらに、CMOSイメージセンサ113の出力が最大となる位置に、ガルバノミラー110が微調整される。これにより、信号光と参照光を含む面内方向における再生対象ページと参照光の間のチルトエラーが補正され、ガルバノミラー110は、再生対象ページの角度位置へと引き込まれる。引き込みが終了すると、シャッター103はON(遮断)とされる。
【0067】
しかして、ガルバノミラー110の引き込みが終了すると、再生のために露光する時間だけシャッター113がOFFとされる(S104)。このとき取得される再生信号をもとに、上述のSNRが、SNR計算回路19にて算出される(S105)。その後、S102でアクセスされた際の位置(初期アクセス位置)からディスク周方向の前後一定範囲における全てのステップ位置においてSNRが取得されたかが判別される(S106)。ここで、SNRが全て取得されていなければ(S106:NO)、ステッピングモータ17が1ステップだけ駆動され、光ヘッド13がディスク周方向の次のステップ位置に位置づけられる(S107)。そして、上記と同様、再生のために露光する時間だけシャッター113がOFFとされ(S104)、このとき取得される再生信号をもとに、SNRが算出される(S105)。
【0068】
かかるSNRの算出処理は、初期アクセス位置からディスク周方向の前後一定範囲における全てのステップ位置においてSNRが取得されるまで繰り返される(S106)。そして、当該範囲における全てのSNRが取得されると(S106:YES)、次に、取得されたSNRが相互に比較され(S108)、このうちSNRが最良となるディスク周方向位置に光学ヘッド13が位置づけられるよう、ステッピングモータ17が駆動される(S109)。しかして、周方向位置の設定がなされた後、再生のために露光する時間だけシャッター113がOFFとされ、再生対象ページに対する再生処理が行われる(S110)。
【0069】
なお、S109およびS110の処理に代えて、SNRの取得処理(S104〜S107)の際に読み取ったそれぞれの再生信号を予めデコーダ15にて復調してメモリ(図示せず)に格納しておき、この中から、SNRが最良となる再生信号に対応するデータを選択して、当該再生対象ページの再生データとして出力するようにしても良い。
【0070】
しかして、再生対象ページの再生がなされると、再生対象とされる全てのページに対する再生が終了したかが判別される(S111)。ここで、再生すべきページが残っていれば(S111:NO)、S102またはS103に戻り、次の再生対象ページに対する再生処理が行われる。すなわち、当該記録ブロック中にさらに再生すべきページがあれば、S103に戻り、このページに対する引き込み処理が行われた後、S104以降の処理が行われる。また、他の記録ブロックにさらに再生すべきページがあれば、S102に戻り、この記録ブロックに対するアクセスがなされた後、S103にて、再生対象ページに対する引き込み処理が行われ、その後、S104以降の処理が行われる。
【0071】
本実施例によれば、S104〜S109の処理により、再生対象ページと参照光の間に生じるラジアル方向のチルトエラーが抑制されるため、高品質の再生データを復調することができる。すなわち、図5(a)に模式的に示す如く、干渉縞の方向ベクトルにラジアル方向のチルトエラーが生じても、図5(b)に示す如く、SNRが最良となる位置にホログラフィックメモリ10を回転させることにより、ラジアル方向における干渉縞の方向ベクトルのチルトエラーを抑制することができる。なお、同図紙面に垂直な方向における干渉縞の方向ベクトルのチルトエラーは、上記の如く、ガルバノミラー110を微調整することにより補正される。
【0072】
なお、本実施例では、信号光と参照光の入射方向がタンジェンシャル方向となるよう光ヘッド13を配置したが、信号光と参照光の入射方向がラジアル方向となるよう光ヘッド13を配置した場合も、ガルバノミラー110では調整できないチルトエラーを、上記図4に示す処理にて、抑制することができる。すなわち、図6(a)に模式的に示す如く、干渉縞の方向ベクトルにタンジェンシャル方向のチルトエラーが生じても、図6(b)に示す如く、SNRが最良となる位置にホログラフィックメモリ10を回転させることにより、タンジェンシャル方向における干渉縞の方向ベクトルのチルトエラーを抑制することができる。
【0073】
同様に、信号光と参照光の入射方向がラジアル方向とタンジェンシャル方向の間となるよう光ヘッド13を配置した場合も、上記図4に示す処理にて、ガルバノミラー110では調整できないチルトエラーを抑制することができる。
【実施例2】
【0074】
上記実施例1では、再生信号のSNRを実際に算出し、再生信号のSNRが最良の位置にホログラフィックメモリ10のディスク周方向位置を設定するようにした。これに対し、本実施例では、チルト検出器にてホログラフィックメモリ10のチルト量を検出し、検出したチルト量をもとに、ホログラフィックメモリ10のディスク周方向位置をチルトエラーが抑制され得る位置に設定する。なお、本実施例においても、上記実施例1と同様、信号光と参照光はホログラフィックメモリ10に対してタンジェンシャル方向に入射するものとする。
【0075】
本実施例では、ホログラフィックメモリ10のラジアル方向のチルト量とディスク周方向の補正量とを対応付けたテーブルが、コントローラ20内の内蔵メモリに保持されている。このテーブルは、ホログラフィックメモリ10にラジアル方向のチルトが生じたときに、どれだけホログラフィックメモリ10をディスク周方向に回転させれば再生信号の品質が最良となるかを予め求めておき、その結果からチルト量とディスク周方向の回転量を対応付けてテーブル化したものである。なお、本実施例では、ステッピングモータ17のステップ数がディスク周方向の補正量としてテーブルに保持されている。
【0076】
図7に、本実施例に係る光ヘッド13の光学系を示す。図7に示す如く、本実施例に係る光学系には、ホログラフィックメモリ10のラジアル方向のチルト量を検出するチルト検出器114が配されている。その他の構成は、上記実施例1と同様である。なお、チルト検出器114は、従来周知のものをそのまま用いることができる。たとえば、ホログラフィックメモリ10にレーザ光を照射し、その反射光を2分割センサにて受光するとの構成をとることができる。この場合、2分割センサからの出力を減算処理することにより、チルトの方向と大きさが検出される。
【0077】
図8に、本実施例に係るホログラフィックメモリ装置の構成を示す。図8に示す如く、本実施例では、図2に示す構成に比べ、SNR計算回路19が省略されている。また、コントローラ20の内蔵メモリには、上記の如く、ホログラフィックメモリ10のラジアル方向のチルト量とディスク周方向の補正量とを対応付けたテーブルが保持されている。このテーブルは、たとえば、
チルト量:+Ti0〜+Ti1のとき、ステップ数:+ST0、
チルト量:+Ti1〜+Ti2のとき、ステップ数:+ST1、…
のように、チルト量のレンジとステッピングモータ17のステップ数を互いに対応付けたものとして構成される。なお、このテーブルは、ホログラフィックメモリ10の径方向位置に拘わらず一律に適用される。
【0078】
図9を参照して、再生時の動作について説明する。再生動作が開始されると、シャッター103、105がともにON(遮断状態)とされた後(S201)、光ヘッド13が再生対象の記録ブロック位置にアクセスされる(S202)。かかるアクセスは、上記実施例1と同様、ステッピングモータ17によるホログラフィックメモリ10のステップ送り(ディスク周方向)と、送り機構18によるホログラフィックメモリ10のステップ送り(ラジアル方向)によって行われる。
【0079】
しかして、光ヘッド13のアクセスがなされると、次に、当該記録ブロック位置におけるチルト量がチルト検出器114によって検出される(S203)。そして、検出されたチルト量に対応する補正量(ステップ数)がコントローラ20内のメモリから読み出され(S204)、当該補正量に応じたステップ数だけ、ステッピングモータ17が駆動される(S205)。これにより、ラジアル方向のチルトエラーが補正される。
【0080】
しかる後、上記実施例1と同様、再生対象ページに対するガルバノミラー110の引き込み制御が行われる(S206)。かかる引き込み制御の際に、上記実施例1と同様、信号光と参照光を含む面内方向における再生対象ページと参照光の間のチルトエラーが補正される。ガルバノミラー110の引き込みが終了すると、シャッター103はON(遮断)とされる。
【0081】
しかる後、再生のために露光する時間だけシャッター103がOFFとされ、再生対象ページに対する再生処理が行われる(S207)。
【0082】
しかして、再生対象ページの再生がなされると、再生対象とされる全てのページに対する再生が終了したかが判別される(S208)。ここで、再生すべきページが残っていれば(S208:NO)、S202またはS206に戻り、次の再生対象ページに対する再生処理が行われる。すなわち、当該記録ブロック中にさらに再生すべきページがあれば、S206に戻り、このページに対する引き込み処理が行われた後、S207における再生処理が行われる。また、他の記録ブロックにさらに再生すべきページがあれば、S202に戻り、この記録ブロックに対するアクセスがなされた後、S203からS205にて、ラジアル方向のチルト補正が行われる。その後、S206にて再生対象ページに対する引き込み処理が行われ、S207における再生処理が行われる。
【0083】
本実施例によれば、上記実施例1と同様、再生対象ページと参照光の間に生じるラジアル方向のチルトエラーが抑制されるため、高品質の再生データを復調することができる。このとき、ディスク周方向の補正量は、コントローラ20内に保持されたテーブルから取得されるため、上記実施例1のようにSNRを実際に算出する場合に比べ、処理の簡素化を図ることができる。
【0084】
なお、本実施例では、信号光と参照光の入射方向がタンジェンシャル方向となるよう光ヘッド13を配置したが、信号光と参照光の入射方向がラジアル方向となるよう光ヘッド13を配置した場合も、タンジェンシャル方向のチルトエラーを、上記と同様の処理にて、抑制することができる。ただし、この場合、チルト検出器114は、タンジェンシャル方向におけるホログラフィックメモリ10のチルトを検出するよう構成される。また、コントローラ20内に保持されるテーブルには、タンジェンシャル方向のチルト量とディスク周方向の補正量が規定される。
【0085】
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0086】
たとえば、信号光と参照光を発するための光源は、半導体レーザ101に限定されるものではなく、たとえば、SHGレーザであっても良い。
【0087】
また、シャッター103、105はメカニカルシャッターに限定されるものではなく、液晶シャッターであっても良い。
【0088】
また、空間光変調器108は、液晶とミラーを組み合わせたものに限定されるものではなく、DMD(Digital Micro-mirror Device)であっても良い。また、空間光変調器108を液晶のみから構成される光透過型の空間光変調器とすることもできる。この場合、この空間光変調器は、図1の光学系において、シャッター105の後段に配される。
【0089】
また、リレーレンズ111に代えて、ミラーを2枚以上組み合わせて参照光の入射位置を調整することもできる。
【0090】
さらに、干渉光を受光する光検出器は、CMOSイメージセンサ113に限定されるものではなく、たとえばCCDイメージセンサであっても良い。
【0091】
また、多重方式は、角度多重に限定されるものではなく、その他の多重方式、あるいは種々の多重方式の組み合わせであっても良い。
【0092】
さらに、ホログラフィックメモリ10のラジアル方向のステップ送りは、ステッピングモータ17をステップ送りする構成に限らず、光ヘッド13の方をホログラフィックメモリ10のラジアル方向に送る構成を用いることもできる。
【0093】
また、上記実施例には、透過型のホログラムメモリを用いるホログラムメモリ装置を示したが、本発明は、反射型のホログラムメモリ装置にも適用可能である。
【0094】
この他、干渉縞を定着させる処理が必要な場合には、記録動作に次いで、適宜、定着処理が行われる。かかる定着処理は、参照光を定着用の光として用いる方法の他、専用のレーザ光を別に配する方法等、種々の方法を用いることができる。
【0095】
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施例1に係るホログラムメモリ装置の光学系を示す図
【図2】実施例1に係るホログラムメモリ装置の構成を示す図
【図3】実施例1に係るSNRの算出方法を説明する図
【図4】実施例1に係るホログラムメモリ装置の再生動作を示すフロー図
【図5】実施例1に係るチルト補正動作を説明する図
【図6】実施例1に係るチルト補正動作を説明する図
【図7】実施例2に係るホログラムメモリ装置の光学系を示す図
【図8】実施例2に係るホログラムメモリ装置の構成を示す図
【図9】実施例2に係るホログラムメモリ装置の再生動作を示すフロー図
【図10】干渉縞とチルトの関係を説明する図
【符号の説明】
【0097】
13 光学ヘッド
14 信号増幅回路
15 デコーダ
16 サーボ回路
17 ステッピングモータ
19 SNR計算回路
20 コントローラ
113 CMOSイメージセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィックメモリ媒体に参照光を照射して、該ホログラフィックメモリ媒体に画素毎に光変調されて記録されている1、0の2値化データを再生するホログラフィックメモリ装置において、
前記ホログラフィックメモリ媒体によって回折された前記参照光を受光して回折状態に応じた信号を前記画素毎に出力する受光手段と、
前記受光手段から出力される前記信号の品質を検出する品質検出手段と、
前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する位置変更手段と、
前記品質検出手段における検出結果に基づいて該品質が適正状態となるときの前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を検出する位置検出手段と、
前記ホログラフィックメモリ媒体が前記位置検出手段によって検出された回転位置にあるときに前記受光手段から出力される信号から再生データを取得する再生データ取得手段とを有する
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記品質検出手段は、前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する毎に前記受光手段から出力される前記信号の品質を検出し、
前記位置検出手段は、前記品質検出手段によって検出された品質が最良となるときの回転位置を当該再生時における前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置として検出する
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記品質検出手段は、前記受光手段から出力される画素毎の信号のうち前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ0の差分に基づいて前記受光手段から出力される信号の品質を検出する、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項4】
請求項1または2において、
前記品質検出手段は、前記受光手段から出力される画素毎の信号のうち前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ0の和に基づいて前記受光手段から出力される信号の品質を検出する、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項5】
請求項1または2において、
前記品質検出手段は、
前記受光手段から出力される画素毎の信号のうち前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の平均値μ0の差分と、前記1の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ1と前記0の2値化データに対応する信号群の信号値の標準偏差σ0の和に基づいて前記受光手段から出力される信号の品質を検出する、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項6】
ホログラフィックメモリ媒体に参照光を照射して、該ホログラフィックメモリ媒体に記録されているデータを再生するホログラフィックメモリ装置において、
前記ホログラフィックメモリ媒体のチルトを検出するチルト検出手段と、
前記チルト検出手段における検出結果に基づいて前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を前記チルトの影響を抑制する位置に調整する調整手段とを有する、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記調整手段は、前記チルト量と前記回転位置の補正量とを対応付けたテーブルを備える、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項8】
ホログラフィックメモリ媒体に参照光を照射して、該ホログラフィックメモリ媒体に記録されているデータを再生するホログラフィックメモリ装置において、
前記ホログラフィックメモリ媒体によって回折された前記参照光を受光して回折状態に応じた信号を前記画素毎に出力する受光素子と、
制御回路を備え、該制御回路は、
前記受光素子から出力される前記信号の品質を検出する品質検出処理と、
前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する位置変更処理と、
前記品質検出処理における検出結果に基づいて該品質が適正状態となるときの前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を検出する位置検出処理と、
前記ホログラフィックメモリ媒体が前記位置検出処理によって検出された回転位置にあるときに前記受光素子から出力される信号から再生データを取得する再生データ取得処理を含む処理を実行する、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記品質検出処理は、前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置を変更する毎に前記受光素子から出力される前記信号の品質を検出し、
前記位置検出処理は、前記品質検出手段によって検出された品質が最良となるときの回転位置を当該再生時における前記ホログラフィックメモリ媒体の回転位置として検出する、
ことを特徴とするホログラフィックメモリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−141426(P2007−141426A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161889(P2006−161889)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(501182197)インフェイズ テクノロジーズ インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】