説明

ホログラフィック・データ・ストレージ

【課題】 ホログラフィック・データ記憶媒体内に情報をストアするための装置及び方法を提供する。
【解決手段】 ホログラフィック・データ記憶媒体内に情報をストアする方法は、アラインメント・パターンを含むホログラムを準備し、そのホログラムをホログラフィック・データ記憶媒体内に製造時に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィック・データ記憶媒体に情報をストアするための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィック情報記憶においては、情報の全ページが同時に光学干渉パターンとして厚い感光性光学材料の内部にストアされる。これは、2つのコヒーレント・レーザ・ビームを記憶材料内で交差させることによってなされる。データ・ビームと呼ばれる第1のビームは、ストアされる情報を含み、参照ビームと呼ばれる第2のビームは、例えば平面波面を有する単純な平行ビームを再生し易いように設計される。
【0003】
結果として得られる光干渉パターンは感光性媒体内に化学的及び/又は物理的変化を引き起こし、干渉パターンのレプリカが感光性媒体の吸収係数、屈折率、又は厚さの変化としてストアされる。ストアされた干渉パターンを、記録中に用いた2つの波のうちの一方の波で照射するとき、この入射光の一部分が、ストアされた干渉パターンによって回折されて他方の波が復元される。ストアされた干渉パターンを参照波で照射することによってデータ・ビームが復元され、逆もまた同様である。
【0004】
多数のこれらの干渉パターンを同じ厚い媒体片内で重ね合せることができ、また、それらがパターンの方向又は間隔によって区別できる限り、独立にアクセスすることができる。そのような分離は、物体波と参照波と間の角度を変化させることによって、又は、レーザ波長を変化させることによって達成することができる。次に、任意の特定のデータ・ページを、ストアされたパターンをそのページをストアするのに用いた参照波で照射することによって、独立に読み出すことができる。ホログラムの厚さのために、この参照波は、所望の物体波のみが電子カメラ上で有意に復元されて像形成される様式で、干渉パターンによって回折される。この技術の記憶密度の理論限界は、1立方センチメートルあたり数十テラビットのオーダーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0061966A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
情報をホログラム的にストアするためのホログラフィック記憶媒体、ホログラフィック・ドライブ装置、及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハウジングと、ハウジング内に配置されたレーザ光源と、ハウジング内に配置されたビーム・スプリッタと、ハウジング内に配置された反射型空間光変調器と、ハウジング内に配置されたドライブ・サーボ機構とを備えたホログラフィック・ドライブ装置を含む。特定の実施形態において、ホログラフィック・ドライブ装置は、ハウジング内に配置された光センサ・アレイをさらに備え、ここで光センサ・アレイは、回転可能入力スクリーンと、回転エラー・サーボと、回転エラー・サーボから外向きに延びる回転可能シャフトとを含み、回転可能シャフトの遠位端は回転可能入力スクリーンに取り付けられる。
【0008】
本発明はさらに、ホログラフィック・ドライブ装置を用いて情報をホログラフ的にストアする方法を含む。この方法は、情報を受け取り、ホログラフィック・ドライブ装置内にホログラフィック・データ記憶媒体を装着し、ホログラフィック・データ記憶媒体を回転させ、回転ホログラフィック・データ記憶媒体にアラインメント・パターンを含む第1のホログラムを符号化し、回転ホログラフィック・データ記憶媒体内に情報を含む1つ又は複数のデータ・ホログラムを符号化し、回転ホログラフィック・データ記憶媒体内にアラインメント・パターンを含む第2のホログラムを符号化するものである。
【0009】
本発明はさらに、ホログラフィック・ドライブ装置を用いて情報をホログラフ的に読み出す方法を含む。この方法は、符号化されたホログラフィック・データ記憶媒体をホログラフィック・ドライブ装置内に装着し、ホログラフィック・データ記憶媒体を回転角φで回転させ、入力スクリーンを回転角φで回転させ、回転された符号化されたホログラフィック・データ記憶媒体を参照ビームで照射してデータ・ビームを形成し、データ・ビームを回転入力スクリーン上に投射するものである。
本発明の実施形態を、ここで添付の図面を参照しながら例証としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ホログラフィック・データ記憶媒体の斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図2】図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に情報を符号化している状態で示す、ホログラフィック・データ記憶システムの一実施形態の斜視図である。
【図3】図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に情報を符号化している状態で示す、ホログラフィック・データ記憶システムの第2実施形態の斜視図である。
【図4】図3のホログラフィック・データ記憶システムを示すブロック図である。
【図5】図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化された情報を復号している状態で示す、ホログラフィック・データ記憶システムの一実施形態の斜視図である。
【図6】図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化された情報を復号している状態で示す、ホログラフィック・データ記憶システムの第2の実施形態の斜視図である。
【図7】本出願人らのホログラフィック・データ記憶システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図8】本出願人らの光学検波器の一実施形態の一部分の斜視図である。
【図9】図8の光学検波器のウォーム・ギア部分を示す図である。
【図10】本出願人らの光学検波器の第2の実施形態のブロック図である。
【図11】ホログラフィック・データ記憶媒体内に情報を符号化するのに用いられている本出願人らのホログラフィック・ドライブ装置を示すブロック図である。
【図12】ホログラフィック・データ記憶媒体内に書き込まれた情報を復号するのに用いられている図11のホログラフィック・ドライブ装置を示すブロック図である。
【図13】図1のホログラフィック・データ記憶媒体の上面図である。
【図14】図1のホログラフィック・データ記憶媒体の特定の特性を示すチャートである。
【図15】本出願人らのアラインメント・パターンの一実施形態を示すブロック図である。
【図16】配向パターンを含むホログラムを図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に配置するための本出願人らの方法の特定のステップを要約したフロー・チャートである。
【図17】図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化された情報を復号するための本出願人らの方法のステップを要約したフロー・チャートである。
【図18】図1のホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化された情報を復号するための本出願人らの方法の特定の付加的なステップを要約したフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、以下の説明において図面を参照しながら好ましい実施形態で説明するが、図面中、類似の番号は同じ又は類似の要素を表す。この明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態」、又は類似の言葉についての言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造体、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、この明細書を通して、「一実施形態において」、「実施形態において」という句及び類似の言葉の出現は、必ずではないが、すべて同じ実施形態を指す可能性がある。
【0012】
本発明の説明する特徴、構造体又は特性は、1つ又は複数の実施形態において、任意の適切な様式で組み合せることができる。以下の説明において、多くの特定の細部が本発明の実施形態の十分な理解を与えるために列挙される。しかしながら、当業者であれば、本発明は、1つ又は複数の特定の細部を用いずに、又は、他の方法、コンポーネント、材料などを用いて、実施できることを認識するであろう。他の場合には、周知の構造体、材料、又は、操作は、本発明の態様を曖昧にしないように、詳細には図示又は説明しない。
【0013】
ここで図2を参照すると、ホログラフィック・データ記憶システム200は、レーザ光源205、ビーム・スプリッタ210、透過型空間光変調器(「SLM」)215、及びミラー280を含む。特定の実施形態において、レーザ205は、約405nmの波長の青色光を放射する。特定の実施形態において、レーザ205は、約650nmの波長の赤色光を放射する。特定の実施形態において、レーザ205は、約780nmの波長の赤外光を放射する。特定の実施形態において、レーザ205は、ホログラフィック・データ記憶媒体100(図1)の記録及び/又は読出し特性に対して調整された他の波長の光を放射する。
【0014】
特定の実施形態において、透過型SLM215はLCD型デバイスを含む。情報は、SLM215のディスプレイ上の明又は暗ピクセルによって表される。SLM215は通常は半透明である。
【0015】
レーザ光源205から生ずるレーザ光は、ビーム・スプリッタ210によって2つのビーム、キャリア・ビーム220と参照ビーム230に分割される。キャリア・ビーム220は、光がSLM215を通過する際に、SLM215によって表示される像240をピックアップして、データ・ビーム260を形成する。参照ビーム230は、第1の面ミラー280で反射されて反射参照ビーム290を形成する。反射参照ビーム290は、データ・ビーム260と干渉してデータ・ホログラム130を形成する。データ・ホログラム130は、干渉パターン270としてホログラフィック記憶媒体100内に符号化される。
【0016】
ここで図3及び図4を参照すると、ホログラフィック・データ記憶システム300は、レーザ光源205、ビーム・スプリッタ210、反射型空間光変調器310、及びホログラフィック記憶媒体100を含む。光源205によって生成された光は、ビーム・スプリッタ210によって参照ビーム320とキャリア・ビーム330に分割される。装置300を用いる場合、参照ビーム320は反射されない。
【0017】
図3の例証的な実施形態においては、反射型空間光変調器(「RSLM」)310がデータ像240を表示する。特定の実施形態において、反射型空間光変調器310は、複数のマイクロ・ミラーを備えた組立体を含む。他の実施形態において、反射型空間光変調器310は、液晶オン・シリコン(「LCOS」)ディスプレイ・デバイスを含む。液晶と電極が偏光ガラス板の間に挟まれたLCDに用いられるツイスト・ネマチック型液晶とは対照的に、LCOSデバイスは、シリコン・チップの表面上にコーティングされた液晶を有する。像形成を推進する電子回路はチップ内にエッチング形成され、このチップはコーティングされて反射(アルミニウム処理)面を有する。光がチップに反射される前と後の両方の光路内に偏光子が配置される。LCOSデバイスは通常のLCDディスプレイよりも製造するのが容易である。LCOSデバイスは、1つのチップ上に数百万ピクセルをエッチング形成することができるのでより高い解像度を有する。LCOSデバイスは、通常のLCDディスプレイよりも遥かに小さくすることができる。
【0018】
キャリア・ビーム330は、光が反射型空間光変調器310で反射される際に像240をピックアップして、像240を含む反射データ・ビーム340を形成する。反射されない参照ビーム320が、反射されたデータ・ビーム340と干渉してデータ・ホログラム130を形成する。干渉パターン270はデータ・ホログラム130を符号化してホログラフィック記憶媒体100内に形成され、その結果、光活性記憶媒体に干渉パターン270を形成させる。
【0019】
図5は、媒体100内にストアされた干渉パターン270を復号するホログラフィック・データ記憶システム200を示す。図5の例証的な実施形態において、ホログラフィック・データ記憶システム200は光センサ・アレイ510を含む。光センサ・アレイ510は、その上に投射される復元データ・ビーム550をデジタル形式で取り込むのに十分に、ホログラフィック記憶媒体100から離して配置される。干渉パターン270(図2)を復号するのに、参照ビーム230がミラー280で反射されて反射参照ビーム290を形成し、これが次に、符号化されたホログラフィック記憶媒体100上に入射する。参照ビーム290が干渉パターン270と干渉する際に、復元データ・ビーム550が生成され、ここで復元データ・ビーム550は元の像240に似た像540を含む。光センサ・アレイ510は、入力スクリーン520上の像540を含む情報をデジタル形式で取り込む。
【0020】
ここで図8、図9及び図10を参照すると、光センサ・アレイ510はさらに、回転エラー・サーボ(「RES」)840を含む。当業者であれば分かるように、サーボは、回転可能シャフト850のような外部シャフトを備えたデバイスを含む。ここで図9を参照すると、特定の実施形態においてRES840は回転可能ウォーム歯車842を含み、シャフト850は螺旋状ねじ部852を含み、ここで螺旋状ねじ部852はウォーム歯車842と噛み合う。
【0021】
回転可能シャフト850は、RES840に所定のコード化された信号を送ることによって、特定の角度位置に位置決めすることができる。コード化された信号が入力ライン860上に存在する限り、RES840は、シャフト850の関連する角度位置を維持することになる。コード化された信号が変化すると、シャフト850の角度位置が変化する。
【0022】
RES840は、回転可能シャフト850によって入力スクリーン520の背部504に相互接続される。RES840は、回転可能シャフト850を第1の方向に又は第2の方向にそれぞれ回転させることによって、入力スクリーン520を第1の方向に、即ち時計回りに回転させ、又は、第2の反対方向に、即ち反時計回りに回転させることができる。
【0023】
図8の例証的な実施形態において、光センサ・アレイ510はさらに、検波器コントローラ810を備え、ここでRES840は検波器コントローラ810の内部に配置される。図8の例証的な実施形態において、検波器コントローラ810はさらに、プロセッサ820及びメモリ830を備える。特定の実施形態において、メモリ830は、非限定的にバッテリ・バックアップRAMのような不揮発性メモリ、磁気ディスクに対して情報の読出し及び書込みを行うための関連するソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアと組み合せた磁気ディスク、光ディスクに対して情報の読出し及び書込みを行うための関連するソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアと組み合せた光ディスク、電子記憶媒体などを含む。「電子記憶媒体」により、本出願人らは、例えば、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュPROM、コンパクトフラッシュ、スマートメディアなどのようなデバイスを意味する。
【0024】
図8の例証的な実施形態において、検波器コントローラ810はさらにマイクロコード832を備え、ここでマイクロコード832はメモリ830に書き込まれる。プロセッサ820は、マイクロコード832を用いて光センサ・アレイ510を動作させる。図9の例証的な実施形態において、信号入力ライン860が、RES840をストレージ・コントローラ760(図7)のような外部コントローラと相互接続させる。特定の実施形態において、光センサ・アレイ510はさらに、フロア・スタンド880及び垂直ピラー870を含む。ピラー870は垂直以外の任意の角度にすることができる。
【0025】
図6は、干渉パターン270を復号するのに用いられているホログラフィック・データ記憶システム300を示す。図6の例証的な実施形態において、参照ビーム608はホログラフィック記憶媒体100に向けられ、その結果参照ビーム608が干渉パターン270によって回折されて、元の像240に似た像640を含む復元データ・ビーム650を形成する。データ・ビーム650は、光センサ・アレイ510の入力スクリーン520上に投射される。次に、光センサ・アレイ510が、像640を含む情報をデジタル形式で取り込む。
【0026】
ここで図11及び図12を参照すると、特定の実施形態において、レーザ光源205、ビーム・スプリッタ210、反射型空間光変調器310、及び、光センサ・アレイ510の回転可能入力スクリーン520が、ホログラフィック・ドライブ装置900の内部に配置される。図11の例証的な実施形態において、ホログラフィック・ドライブ装置900はさらにハウジング910を備える。
【0027】
特定の実施形態において、ホログラフィック・データ記憶媒体100は、ハウジング910の内部に取外し可能に配置することができる。図11の例証的な実施形態において、ホログラフィック・データ記憶媒体100は、ドライブ・サーボ940及び回転可能シャフト950を備えたドライブ・サーボ機構に取外し可能に装着される。ドライブ・サーボは、回転可能シャフト950を回転させ、従ってまたホログラフィック・データ記憶媒体100を回転させる。
【0028】
図11の例証的な実施形態において、ホログラフィック・ドライブ装置900はさらにコントローラ970を備える。コントローラ970は、プロセッサ920、メモリ930、及びメモリ930に書き込まれたマイクロコード935を備える。メモリ930はまた命令824を含むことができる。特定の実施形態において、命令824は、とりわけ、式[1−4]を含む。コントローラ970は、通信リンク960を介してドライブ・サーボ940と相互接続され、また、通信リンク860を介してRES840と相互接続される。コントローラ970は、プロセッサ920及びマイクロコード935を用いて、ホログラフィック・データ記憶媒体100を第1の回転速度で回転させることができ、同時に、入力スクリーン520を第2の回転速度で回転させることができ、ここで第1の回転速度は第2の回転速度に等しくすることができ、また、第1の回転速度は第2の回転速度とは異なるようにすることができる。
【0029】
特定の実施形態において、メモリ930は、非限定的に、バッテリ・バックアップRAMのような不揮発性メモリと、磁気ディスクに対して情報の読出し及び書込みを行うための関連するソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアと組み合せた磁気ディスクと、光ディスクに対して情報の読出し及び書込みを行うための関連するソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアと組み合せた光ディスクと、電子記憶媒体などとを含む。「電子記憶媒体」により、本出願人らは、例えば、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュPROM、コンパクトフラッシュ、スマートメディアなどのようなデバイスを意味する。
【0030】
図11は、データ・ホログラム130をホログラフィック・データ記憶媒体100内に符号化するのに用いられているホログラフィック・ドライブ装置900を示す。図12は、データ・ホログラム130を復号するのに用いられているホログラフィック・ドライブ装置900を示す。図11及び図12の例証的な実施形態において、データ入力スクリーン520は、通信リンク905により情報を出力する。特定の実施形態において、通信リンク905は1つ又は複数のホスト・コンピュータと相互接続される。特定の実施形態において、通信リンク905は、例えばストレージ・コントローラ760(図7)のようなストレージ・コントローラと相互接続される。
【0031】
図7は、本出願人らのデータ記憶及び検索システム700の一実施形態を示す。図7の例証的な実施形態において、データ記憶及び検索システム700は、コンピュータ・デバイス710、720及び730と通信する。図7の例証的な実施形態において、コンピュータ・デバイス710、720及び730は、データ通信ファブリック740を通じてストレージ・コントローラ760と通信する。特定の実施形態において、ファブリック740は、1つ又は複数のデータ・スイッチ750を含む。さらに図7の例証的な実施形態において、ストレージ・コントローラ760は、1つ又は複数のホログラフィック・データ記憶システムと通信する。図7の例証的な実施形態において、データ記憶及び検索システム700は、ホログラフィック・データ記憶システム200及び300、並びにホログラフィック・ドライブ装置900を含む。
【0032】
特定の実施形態において、コンピュータ・デバイス710、720及び730は、アプリケーション・サーバ、ウェブ・サーバ、ワーク・ステーション、ホスト・コンピュータ、又は情報を生成するのに適した他の同様のデバイスから成る群から選択される。特定の実施形態において、1つ又は複数のコンピュータ・デバイス710、720及び/又は730は、ファイバー・チャネル(「FC」)物理層上で走る小型コンピュータ・システム・インターフェース(「SCSI」)プロトコルを用いてファブリック740と相互接続される。他の実施形態において、コンピュータ・デバイス710、720及び730の間の接続は、インフィニバンド、イーサネット、又はインターネットSCSI(「iSCSI」)のような他のプロトコルを含む。特定の実施形態において、スイッチ750は、コンピュータ・デバイス710、720及び/又は730からのトラフィックを直接ストレージ・コントローラ760にルーティングするように構成される。
【0033】
図7の例証的な実施形態において、ストレージ・コントローラ760は、データ・コントローラ762、メモリ763、マイクロコード822、命令824、プロセッサ764、及びデータ・キャッシュ766、767及び768を備え、ここで、これらのコンポーネントはデータ・バス765により通信する。特定の実施形態において、メモリ763は、磁気情報記憶媒体、光学情報記憶媒体、電子情報記憶媒体などを含む。「電子記憶媒体」により、本出願人らは、例えば、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュPROM、コンパクトフラッシュ、スマートメディアなどのようなデバイスを意味する。
【0034】
特定の実施形態において、ストレージ・コントローラ760は、1つ又は複数のコンピュータ・デバイス710、720及び/又は730上のシリアル・データ・バスに対してデータ信号の読出し及び書込みを行うように構成される。或いは、他の実施形態において、ストレージ・コントローラ760は、データ・バス765及びファブリック740を通じて1つ又は複数のコンピュータ・デバイス710、720及び/又は730に対してデータ信号の読出し及び書込みを行うように構成される。
【0035】
特定の実施形態において、ストレージ・コントローラ760は、シリアル・データ・ストリームを畳み込み符号化データ・イメージに変換する。これらのデータ・イメージは、SLM215又はRSLM310に転送される。
【0036】
特定の実施形態において、相互接続されたホログラフィック・データ記憶システム200及び300は、異なる地理的場所に配置される。特定の実施形態において、ストレージ・コントローラ760は、2つ又はそれ以上のホログラフィック・データ記憶システムの間に情報を分配して情報を保護する。
【0037】
図1は、幾何学的ディスク中心105を有するホログラフィック・データ記憶媒体100を示す。図1(B)の例証的な実施形態において、ホログラフィック・データ記憶媒体100は、データ面150に沿って配置された、工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))、ドライブ書込み・校正ホログラム110(図1(B))、コンピュータ生成ホログラム140(図1(B))、及びデータ・ホログラム130(図1(B))を含む。データ面150は、基板104とカバー102の間に挟まれる。
【0038】
工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))及びコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))は、製造時に媒体製造業者によってホログラフィック・データ記憶媒体内に配置される。「製造時」により、本出願人らは、ホログラフィック・データ記憶媒体を売りに出す前、且つ、例えば顧客データのような任意の情報をその中に符号化する前を意味する。
【0039】
特定の実施形態において、コンピュータ生成ホログラム140(図1(B))は、媒体の読出し専用部分にストアされ、これは次に、別の製造プロセス中にデータ面150の内部に物理的に埋め込まれる。他の実施形態において、コンピュータ生成ホログラム140は、データ面150に沿ってホログラフィック・データ記憶媒体100の上に刻印又はリソグラフ印刷される。
【0040】
工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))は、製造時に直接ホログラフィック・データ記憶媒体100内に符号化される。工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))及び/又はコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))は、光学許容差範囲に配置される。符号化ホログラフィック・ドライブ装置に関して、そのような光学許容差は、すべての集束レンズの屈折率、空間光変調器(透過型SLMを用いる場合)屈折率、及びビーム・スプリッタの屈折率を含む。媒体に関して、これらの光学許容差は、ホログラフィック・データ記憶媒体の各層の厚さ及び屈折率を含む。
【0041】
データ・ホログラム130(図1(B))は、購入後にホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化される。データ・ホログラム130を符号化するのに用いる装置は、そのデータ・ホログラム130(図1(B))を後で復号するのに用いるのと同じ装置を含む必要はない。第1の装置を用いてデータ・ホログラムを符号化し、第2の装置を用いてそのホログラムを復号することは交換と呼ばれる。特定の実施形態において、1つ又は複数のドライブ書込み・校正ホログラム110は、1つ又は複数のデータ・ホログラム130(図1(B))と共に符号化される。これらの1つ又は複数のドライブ書込み・校正ホログラム110は、データ・ホログラム130(図1(B))の配向を確認するのに用いられる。
【0042】
図13は、ホログラフィック記憶媒体100の上面図を示す。ホログラフィック記憶媒体100は、幾何学的ディスク中心105を含む。書込みプロセス中、ホログラフィック・データ記憶媒体100は、書込み回転中心1010の回りに回転する。読出しプロセス中、ホログラフィック・データ記憶媒体は、読出し回転中心1020の回りに回転する。
【0043】
理想的には、幾何学的ディスク中心105、書込み回転中心1010、及び読出し回転中心1020は、磁気ハード・ディスク・ドライブと同様に一致する。ホログラフィック・データ記憶媒体100は、異なるホログラフィック・ドライブ装置900に取り外し可能に装着することができるので、幾何学的ディスク中心105、書込み回転中心1010、及び読出し回転中心1020は異なる可能性がある。ホログラフィック記憶媒体100に書込まれた情報が直ちにリード・バックされる場合、書込み回転中心1010と読出し回転中心1020は一致することになる。しかし、一般的には、幾何学的ディスク中心105、書込み回転中心1010、及び読出し回転中心1020は一致しない。
【0044】
幾何学的ディスク中心105と書込み回転中心1010の間の距離は、書込み偏心距離We1030を含む。幾何学的ディスク中心105と読出し回転中心1020の間の距離は、読出し偏心距離Re1040を含む。書込み回転中心1010と読出し回転中心1020の間の距離は、交換偏心距離Ie1050を含む。
【0045】
書込み回転中心1010とデータ・ホログラム130の間の距離は、書込み半径Rw1060を含む。Rw1060ベクトルは、データ・ホログラムのY軸の方向Yw1065を定義する。データ・ホログラムのX軸の方向Xw1085は、Yw1065に対して垂直である。読出し回転中心1020とデータ・ホログラム130の間の距離は、読出し半径Rr1070を含む。Rr1070ベクトルは、光センサ・アレイ510のような光学検波器によって読出される像のY軸の方向Yr1075を定義する。検波器のX軸の方向Xr1080はYr1075に対して垂直である。本出願人らの方法は、読出しプロセス中に入力スクリーン520をZ軸の回りに回転させて、Xw1085及びYw1065をそれぞれXr1080及びYr1075に位置合せするものである。アライメントは、書込みプロセス中の偏心距離と読出しプロセス中の偏心距離とから決定され、これらの偏心距離の組合せが交換偏心距離Ieとなる。
【0046】
工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))を書き込むとき、又はコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))をストアするとき、書込み回転中心1010を幾何学的ディスク中心105の可能な限り近くに配置して、工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))又はコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))に関する書込み偏心距離We1030を最小にすることが好ましい。書込み偏心距離を最小にすることはまた、工場精度書込み・校正ホログラム120(図1(B))又はコンピュータ生成ホログラム140を読出すときの交換偏心距離Ieを最小にする。
【0047】
書込みホログラムのY軸Yw1065及びX軸Xw1085は、行列変換を介してY軸Yr1075及びX軸Xr1080に関連付けられる。角度シータ(θ)1090は、第1のホログラフィック・ドライブ装置を用いて初めに符号化されたホログラムと、そのホログラムを復号する第2のホログラフィック・ドライブ装置内に配置された光学検波器との間の交換ミスアラインメントの角度を表す。角度シータは、書込みドライブと読出しドライブの間で変化することになり、そしてまた、ホログラフィック・データ記憶媒体100が同じホログラフィック・ドライブ装置に装着される度に変化することになる。RES840によって補正されるのはこの角度シータ1090である。
【0048】
角度シータの変化のために、像をキャッシュして複数のデータ・ホログラムを同時に符号化することが望ましい。従って、ひとたびこれらの像のどれか1つに対して交換角度シータが決定されると、同時に書き込まれた全ての像に対する交換角度シータが、ホログラフィック・ドライブ装置(図1、図13)によるZ軸回りのホログラフィック・データ記憶媒体100の角回転又は「スピン」回転を表すファイ(φ)の関数として決定される。
【0049】
交換ミスアラインメントの角度θ1090は、式(1)によって交換偏心距離Ieと関連付けられる。
【数1】

【0050】
角度θについて解き、Rw=Rr=Rであることを意味するIeが小さいと仮定すると、式(2)が導出される。
【数2】

【0051】
角度θのサイン(sine)について解くと、式(3)が導出される。
【数3】

【0052】
式(2)及び(3)を用いると、以下の行列変換、式(4)は、書込みベクトル(Xw,Yw)、読出しベクトル(Xr,Yr)及び回転行列[M]で構成される。
【数4】


ここで、行列[M]の要素は、
【数5】


で、Ie=(e)sin(φ)であり、ここで角度ファイ(φ)は、ホログラフィック・ドライブ装置(図1、図13)によるZ軸回りのホログラフィック・データ記憶媒体100の角回転又は「スピン」回転を表す。
【0053】
従って、行列[M]の要素は、ドライブ内のディスクの回転と共に周期的に変化し、検波器入力スクリーン520は、検波器入力スクリーンがZ軸回りに回転することに加えて、ディスク100のスピンの角度φに相当してZ軸回りに反時計回り及び時計回りに回転して、角度θを補正することになる。角度φは、書込み回転中心1010と読出し回転中心1020が一致するときにゼロとなる。行列[M]の行列式は所望通り1に等しくなり、従って行列[M]による像の歪みは生じない。
【0054】
工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))を書き込むとき、又はコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))をストアするとき、行列[M]は可能な限り単位行列に近いことが好ましい。本出願人らの方法における1つのステップは、製造時に工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))を書き込むとき、又はコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))をストアするとき、幾何学的ディスク中心105にホログラフィック・データ記憶媒体100の中心を合わせるステップを含む。
【0055】
入力スクリーン520が符号化されたホログラムを追跡するのを容易にするために、行列[M]は、データの環状トラック全体に対して角度φだけ変化することが好ましい。特定の実施形態において本出願人らの方法は、データ・ホログラムのトラック全体を同時に符号化して、データ・ホログラム130(図1(B))を読出すときに入力スクリーン520がZ軸回りで1つの配向から別の配向に不規則かつ予測不能にジャンプしないようにする。そのデータ・トラックは、環状アーク又は螺旋状アークを含むことができる。
【0056】
復元データ・ビームを復号するとき、光センサ・アレイ510は角度θを使用し、ここで角度θは、角度φ並びに書込み回転中心1010及び読出し回転中心1020の回転に伴って変化する。1つ又は複数のドライブ書き込み・校正ホログラム110(図1(B))は、各データ・トラックが書き込まれるときにドライブによって書き込まれて、入力スクリーン520と読み出されるデータ・ホログラム130(図1(B))とのアラインメントの助けとなることが好ましい。
【0057】
特定の実施形態において、本出願人らの方法は、ホログラフィック・データ記憶媒体100のようなホログラフィック・データ記憶媒体を、ホログラフィック・ドライブ装置900のようなホログラフィック・ドライブ装置に装着する。次に、この方法は、ホログラフィック・データ記憶媒体を回転させ、回転するホログラフィック・データ記憶媒体内に、アラインメント・パターンを含む第1のドライブ書込みホログラムを符号化し、回転するホログラフィック・データ記憶媒体内に、情報を含む1つ又は複数のデータ・ホログラムを符号化し、回転するホログラフィック・データ記憶媒体内に、アラインメント・パターンを含む第2のドライブ書込みホログラムを符号化するが、ここで第1のドライブ書込みホログラム、1つ又は複数のデータ・ホログラム、及び第2のドライブ書込みホログラムは環状トラックを定義する。
【0058】
図16は、アラインメント・パターンを含むコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))又はアラインメント・パターンを含む工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))を、製造時にホログラフィック・データ記憶媒体内に配置するための、本出願人らの方法のステップを要約する。ステップ1310において本出願人らの方法は、ホログラフィック・データ記憶媒体に関する統計的中点及び全ての光学的許容差の範囲を決定する。特定の実施形態においてステップ1310の光学的許容差は、ホログラフィック・データ記憶媒体の各層の厚さ及び屈折率のうちの1つ又は複数を含む。ここで図14を参照すると、例示的な光学的許容差が、媒体100の各層の媒体厚さ対屈折率のグラフ1100により示される。図14において、層0は透過型ホログラフィック媒体100のカバー102を表すことができ、層1は基板104を表すことができる。
【0059】
再び図16を参照すると、ステップ1320において本出願人らの方法は、1つ又は複数のコンピュータ生成ホログラム(GCH)140(図1(B))をホログラフィック・データ記憶媒体内に配置するかどうかを判断する。本出願人らの方法がステップ1320において、配向パターンを含むコンピュータ生成ホログラムをホログラフィック・データ記憶媒体内に配置することを決めた場合、本方法はステップ1320からステップ1330に移行し、そこで本方法は、配向パターン1200(図15)を含むコンピュータ生成ホログラム140のマスターを、光路の統計的中点及び統計的「角」(端)に供給する。
【0060】
ここで図15を参照すると、アラインメント・パターン1200は、外周部を備えたアラインメント領域1220を含み、また、アラインメント・マーク1230、1240、1250及び1260を含み、これらのマークは、回転エラー・サーボRES840(図8、図10、図11、図12)が用いる角度θを光センサ・アレイ510によって決定するためのものである。アラインメント・マーク1230、1240、1250及び1260は、角度シータ1090を最大精度で決定するように外周部に配置される。データ1210は、アラインメント領域1220によって囲まれる。データ1210は、工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))、ドライブ書込み・校正ホログラム110(図1(B))、コンピュータ生成ホログラム140(図1(B))、及びデータ・ホログラム130(図1(B))を含むことができる。
【0061】
特定の実施形態において、コンピュータ生成ホログラムのマスターは、刻印又は書込み校正ホログラムを生成するための、例えばDVD−ROMマスター・ライタに類似した、レーザ・ライタ内での使用に適したビット・ストリームを含む。特定の実施形態においてマスターは、フォトリソグラフィ又はリソグラフィ浸漬ステッパ・ツール内で用いるための二次元干渉パターンを含んで特定のパターンを生成する。特定の実施形態において、マスターは、ホログラフィック・イメージング・ライタ内で用いるための三次元干渉パターンを含む。
【0062】
ステップ1340において、本出願人らの方法は、アラインメント・パターン1200(図15)を含むコンピュータ生成ホログラムを、製造時にホログラフィック・データ記憶媒体内に配置する。特定の実施形態においてステップ1340は、例えばCGH140(図1(B))のようなアラインメント・パターンを含むコンピュータ生成ホログラムを、ホログラフィック・データ記憶媒体100のようなホログラフィック・データ記憶媒体内に刻印する、又は埋め込む、又はリソグラフ印刷するステップを含む。特定の実施形態において、CGH140は、データ面150(図1(B))に沿って配置される。
【0063】
本出願人らの方法が、ステップ1320において、コンピュータ生成ホログラム140(図1(B))をホログラフィック・データ記憶媒体内に配置しないと決めた場合、本方法は、ステップ1320からステップ1350に移行し、そこで本方法は、ホログラフィック・ドライブ装置900(図11、図12)のようなホログラフィック・ドライブ装置を準備し、また、レイ・トレースはホログラフィック・ドライブ装置から生成されてその光学特性の「フットプリント」を決定し、そしてドライブの光学部品は、ドライブ仕様ごとに公称(中点)屈折率を有するものが選択される。特定の実施形態において、ステップ1350の光学特性は、全ての集束レンズの屈折率、透過型SLMを用いる場合には空間光変調器の屈折率、及びビーム・スプリッタの屈折率を含む。
【0064】
ステップ1360において、本出願人らの方法は、ホログラフィック・データ記憶媒体100を、ステップ1350のホログラフィック・ドライブ装置に装着する。ステップ1370において、ホログラフィック・データ記憶媒体は、ホログラフィック・ドライブ装置内の中心に置いて書込み偏心距離We1030を最小にし、それゆえに、後にステップ1380において、アラインメント・パターン1200(図15)を含めるために、ホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化された工場精度書込み・校正ホログラム120(図1(B))を読み出すときの交換偏心距離Ie1050を減少させる。特定の実施形態において、ステップ1370は、引用により本明細書に組み入れられる特許文献1に記載された方法を使用する。本出願人らの方法は、読出し回転中心1020の統計的分布が一様である場合、偏心率eの大きさ、従って式(4)中のIeを2分の1に減少させる。ステップ1380において、本出願人らの方法は、工場書込み・校正ホログラム120(図1(B))をホログラフィック・データ記憶媒体100内に符号化する。
【0065】
本出願人らの発明は、ホログラフィック・データ記憶媒体100のようなホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化された像を読み出す方法を含む。ここで図17を参照すると、ステップ1410において本出願人らの方法は、ホログラフィック・ドライブ装置900(図11、図12)のようなホログラフィック・ドライブ装置を準備する。
【0066】
ステップ1420において本出願人らの方法は、1つ又は複数の工場精度書込み・校正ホログラム120(図1(B))、及び/又は、1つ又は複数のコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))、及び/又は、1つ又は複数のドライブ書込み・校正ホログラム110(図1(B))、そしてさらに1つ又は複数のデータ・ホログラム130として符号化された情報、を含むホログラフィック・データ記憶媒体を装着する。これらのホログラム120、140、110及び130の各々はさらに、アラインメント・パターン1200(図15)を含む。
【0067】
ステップ1430において本出願人らの方法は、ステップ1420の装着されたホログラフィック・データ記憶媒体を回転角φで回転させる。ステップ1440において本出願人らの方法は、光センサ・アレイ510のような回転可能な光学検波器を回転角φで回転させる。
【0068】
ステップ1450において本出願人らの方法は、回転ホログラフィック・データ記憶媒体を参照ビームで照射して複数のデータ・ビームを生成する。ステップ1460において本出願人らの方法は、ステップ1450で生成された複数のデータ・ビームを回転光センサ・アレイ510の上に投射する。
【0069】
特定の実施形態において、ステップ1440は、図18に示したステップで置き換える。ここで図18を参照すると、ステップ1510において本出願人らの方法は、ステップ1420(図17)のホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化されたデータ・ホログラム130(図1(B))のようなデータ・ホログラムを選択する。ステップ1520において本出願人らの方法は、式[1−4]の使用などによって交換ミスアラインメント角θ1090を計算する。ステップ1580において本出願人らの方法は、回転角φ及び交換ミスアラインメント角θ1090の両方に基づいてステップ1410の光センサ・アレイ510を回転させる。
【0070】
特定の実施形態において、ステップ1520は、ステップ1530からステップ1570までを含む。ステップ1530において本出願人らの方法は、選択されたデータ・ホログラムに関する読出し回転中心を決定する。特定の実施形態において、ステップ1530は、1つ又は複数の符号化された工場精度書込み・校正ホログラム120(図1(B))及び/又は、1つ又は複数のコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))を読み出すステップと、それらの1つ又は複数の工場精度書込み・校正ホログラム120(図1(B))、及び/又は、1つ又は複数のコンピュータ生成ホログラム140(図1(B))を含む1つ又は複数のアラインメント・パターンを用いて読出し回転中心を決定するステップとをさらに含む。ステップ1540において本出願人らの方法は、読出し重心と選択されたデータ・ホログラムの位置との間の距離を含むRr半径を決定する。
【0071】
ステップ1550において本出願人らの方法は、選択されたデータ・ホログラムに関する書込み回転中心を決定する。特定の実施形態においてステップ1550は、1つ又は複数の符号化されたドライブ書込み・校正ホログラム110(図1(B))を読み出すステップと、それらの1つ又は複数のドライブ書込み・校正ホログラム110(図1(B))を含む1つ又は複数のアラインメント・パターンを用いて書込み回転中心を決定するステップとをさらに含む。ステップ1560において本出願人らの方法は、書込み重心と選択されたデータ・ホログラムの位置との間の距離を含むRw半径を決定する。
【0072】
ステップ1570において本出願人らの方法は、ステップ1530の読出し重心とステップ1550の書込み重心との間の距離を含む交換偏心距離Ieを計算する。本出願人らの方法は、ステップ1530の読出し重心、ステップ1540のRr半径、ステップ1550の書込み重心、ステップ1560のRw半径、及びステップ1570の交換偏心距離Ieを用いて、式[1−4]によりステップ1520の交換ミスアラインメント角θ1090を計算する。
【0073】
図17に要約された本出願人らの方法は、図18に要約されたステップを随意に用いるものであるが、ストレージ・サービス・プロバイダが用いて1人又は複数のデータ・ストレージ・サービス顧客にデータ・ストレージ・サービスを提供することができる。
【0074】
特定の実施形態において、図16、図17、及び/又は図18に列挙された個々のステップは、組み合せるか、削除するか、又は並べ替えることができる。
【0075】
特定の実施形態において、本出願人らの発明は、メモリ763(図7)、及び/又はメモリ830(図8)、及び/又はメモリ930(図11)に常駐する命令824(図7、図8、図11)のような命令を含み、これらの命令は、プロセッサ764(図7)、及び/又はプロセッサ820(図8)、及び/又はプロセッサ920(図11)のようなプロセッサによって実行されて、図16に列挙された1つ又は複数のステップ1360、1370及び/又は1380、及び/又は、図17に列挙された1つ又は複数のステップ1420、1430、1440及び/又は1450、及び/又は、図18に列挙された1つ又は複数のステップ1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570及び/又は1580を実施する。
【0076】
特定の実施形態において、本出願人らの発明は、任意の他のコンピュータ・プログラムの中に常駐する命令を含み、これらの命令は、ホログラフィック・データ記憶システム200、ホログラフィック・データ記憶システム300、ホログラフィック・データ記憶及び検索システム700、及び/又は、ホログラフィック・ドライブ装置900の、外部又は内部のコンピュータによって実行され、図16に列挙された1つ又は複数のステップ1360、1370及び/又は1380、及び/又は、図17に列挙された1つ又は複数のステップ1420、1430、1440及び/又は1450、及び/又は、図18に挙げられた1つ又は複数のステップ1510、1520、1530、1540、1550、1560、1570及び/又は1580を実施する。いずれの場合にも、これらの命令は、例えば、磁気情報記憶媒体、光学情報記憶媒体、電子情報記憶媒体などを含む情報記憶媒体内に符号化することができる。「電子記憶媒体」により、本出願人らは、例えばPROM、EPROM、EEPROM、フラッシュPROM、コンパクトフラッシュ、スマートメディアなどのようなデバイスを意味する。
【0077】
本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲において説明される本発明の範囲から逸脱することなく、それらの実施形態に対する修正及び変更を行うことができることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0078】
100:ホログラフィック・データ記憶媒体
102:カバー
104:基板
105:幾何学的ディスク中心
110:ドライブ書込み・校正ホログラム
120:工場書込み・校正ホログラム
130:データ・ホログラム
140:コンピュータ生成ホログラム(CGH)
150:データ面
200、300:ホログラフィック・データ記憶システム
205:レーザ光源
210:ビーム・スプリッタ
215:透過型空間光変調器(SLM)
220、330:キャリア・ビーム
230、320、608:参照ビーム
240、540、640:像
260、650:データ・ビーム
270:干渉パターン
280:ミラー
290:反射参照ビーム
310:反射型空間光変調器(RSLM)
340:反射データ・ビーム
504:入力スクリーン520の背部
510:光センサ・アレイ
520:入力スクリーン
550、650:復元データ・ビーム
700:データ記憶及び検索システム
710、720、730:コンピュータ・デバイス
740:ファブリック
750:データ・スィッチ
760:ストレージ・コントローラ
762:データ・コントローラ
763、830、930:メモリ
764、820、920:プロセッサ
765:データ・バス
766、767、768:データ・キャッシュ
810:検波器コントローラ
824:命令
822、832、935:マイクロコード
840:回転エラー・サーボ(RES)
842:回転可能ウォーム歯車
850、950:回転可能シャフト
852:螺旋状ねじ部
860:入力ライン(通信リンク)
870:ピラー
880:フロア・スタンド
900:ホログラフィック・ドライブ装置
905、960:通信リンク
910:ハウジング(コントローラ)
940:ドライブ・サーボ
1010:書込み回転中心
1020:読出し回転中心
1030:書込み偏心距離We
1040:読出し偏心距離Re
1050:交換偏心距離Ie
1060:書込み半径Rw
1065:データ・ホログラムのY軸方向Yw
1070:読出し半径Rr
1075:検波器のY軸方向Yr
1080:検波器のX軸方向Xr
1085:データ・ホログラムのX軸方向Xw
1090:交換ミスアラインメント角(θ)
1200:アラインメント・パターン
1210:データ
1220:アラインメント領域
1230、1240、1250、1260:アラインメント・マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィック・データ記憶媒体内に情報をストアする方法であって、
アラインメント・パターンを含むホログラムを準備するステップと、
前記ホログラムを、製造時にホログラフィック・データ記憶媒体内に配置するステップと、
を含む前記方法。
【請求項2】
前記準備するステップは、前記アラインメント・パターンを含むコンピュータ生成ホログラムを準備するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配置するステップは、刻印するステップ及び埋め込むステップからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記配置するステップは、
前記アラインメント・パターンの像をホログラフィック・ドライブ装置の空間光変調器上に表示するステップと、
前記アラインメント・パターン像を含むデータ・ビームを形成するステップと、
前記アラインメント・パターン像を含むホログラムを形成するステップと、
前記ホログラムを前記ホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ホログラフィック・データ記憶媒体を、光源、ドライブ・サーボ機構、空間光変調器、及び回転可能光学検波器を含むホログラフィック・ドライブ装置内に装着するステップと、
前記ホログラフィック・データ記憶媒体を回転させるステップと、
前記回転ホログラフィック・データ記憶媒体内に、前記アラインメント・パターンを含む第1のドライブ書込みホログラムを符号化するステップと、
前記回転ホログラフィック・データ記憶媒体内に、情報を含む1つ又は複数のデータ・ホログラムを符号化するステップと、
前記回転ホログラフィック・データ記憶媒体内に、前記アラインメント・パターンを含む第2のドライブ書込みホログラムを符号化するステップと、
をさらに含み、
前記第1のドライブ書込みホログラム、前記1つ又は複数のデータ・ホログラム、及び前記第2のドライブ書込みホログラムは環状トラックを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホログラフィック・データ記憶媒体を回転角φで回転させるステップと、
前記光学検波器を前記回転角φで回転させるステップと、
前記回転した符号化ホログラフィック・データ記憶媒体を参照ビームで照射してデータ・ビームを形成するステップと、
前記データ・ビームを前記回転光学検波器上に投射するステップと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
データ・ホログラムを選択するステップと、
前記選択されたデータ・ホログラムに関する交換ミスアラインメント角θを計算するステップと、
前記回転角φ及び前記交換ミスアラインメント角θの両方に基づいて前記光学検波器を回転させるステップと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
交換ミスアラインメント角を前記計算するステップは、
前記データ・ホログラムに関する読出し回転中心を決定するステップと、
前記読出し回転中心と前記データ・ホログラムの間の距離を含むRr半径を決定するステップと、
前記データ・ホログラムに関する書込み回転中心を決定するステップと、
前記書込み回転中心と前記データ・ホログラムの間の距離を含むRw半径を決定するステップと、
前記読出し回転中心と前記書込み回転中心の間の距離を含む交換偏心距離Ieを計算するステップと、
をさらに含み、
交換ミスアラインメント角を前記計算するステップは、前記Rr半径、前記Rw半径、及び前記交換偏心距離Ieを用いて交換ミスアラインメント角θを計算するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
レーザ光源、ビーム・スプリッタ、ドライブ・サーボ機構、プロセッサ、及び、コンピュータ可読媒体内に配置されたコンピュータ可読プログラム・コードを含むホログラフィック・ドライブ装置であって、
前記コンピュータ可読プログラム・コードは、前記プロセッサにより情報をホログラフィック・データ記憶媒体内に符号化するのに使用可能であり、
前記コンピュータ可読プログラム・コードは、請求項1乃至請求項8の何れかに記載のステップを実行するための一連のコンピュータ可読プログラム・ステップを含む、
前記装置。
【請求項10】
レーザ光源、ビーム・スプリッタ、ドライブ・サーボ機構、空間光変調器、回転可能光学検波器、及び、内部に取り外し可能に配置されたホログラフィック・データ記憶媒体を含むホログラフィック・ドライブ装置を動作させるための、コンピュータ可読媒体内に符号化されたコンピュータ・プログラムであって、
前記ホログラフィック・データ記憶媒体は、アラインメント・パターンを含む少なくとも1つの工場書き込みホログラムを含み、
請求項1乃至請求項8の何れかに記載のステップを実行するためのコンピュータ可読プログラム・コードを含む、
前記コンピュータ・プログラム。
【請求項11】
データ・ストレージ・サービス・プロバイダにより、1人又は複数のデータ・ストレージ・サービス顧客にデータ・ストレージ・サービスを提供する方法であって、
データ・ストレージ・サービス顧客から情報を受信するステップと、
請求項4乃至請求項8の何れかに記載のステップを実行するステップと、
を含む前記方法。
【請求項12】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたレーザ光源と、
前記ハウジング内に配置されたビーム・スプリッタと、
前記ハウジング内に配置された反射型空間光変調器と、
前記ハウジング内に配置されたドライブ・サーボ機構と、
を備えるホログラフィック・ドライブ装置。
【請求項13】
前記ハウジング内に配置された光センサ・アレイをさらに備える、請求項12に記載のホログラフィック・ドライブ装置。
【請求項14】
前記光センサ・アレイは、
回転可能入力スクリーンと、
回転エラー・サーボと、
前記回転エラー・サーボから外向きに延びる回転可能シャフトと、
を含み、
前記回転可能シャフトの遠位端は前記回転可能入力スクリーンに取り付けられる、請求項13に記載のホログラフィック・ドライブ装置。
【請求項15】
前記ドライブ・サーボ機構及び前記回転エラー・サーボと通信するコントローラをさらに備える、請求項14に記載のホログラフィック・ドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−521711(P2010−521711A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553990(P2009−553990)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052309
【国際公開番号】WO2008/113659
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
2.イーサネット
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】