説明

ホログラム効果を発現する印刷物及びこれに用いる印刷インキ

【課題】 合成樹脂、金属、コート紙、ガラス等の各種基材からなる被印刷素材に対し、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果、意匠性を発現する印刷物を提供する。
【解決手段】基材表面にホログラム層を印刷し、その上に重ね印刷層としての押え印刷層又はオーバーコート層を印刷する。ホログラム層は、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満のアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、ブチラール樹脂と、選択樹脂としてのセルロース系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂の何れか1種以上を含むホログラムインキで印刷する。重ね印刷層は、樹脂と溶剤を含む押えインキ又はオーバーコートインキで印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ポリカーボネート,ABS樹脂,アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理された又は表面未処理のポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料、アルミニウムやステンレス等の金属板、金属やプラスチックに塗装がされた塗装板、コート紙、ガラス等からなる被印刷素材としての基材の表面に、ホログラム層を印刷すると共に、該ホログラム層の上に重ね印刷層を印刷してなる、ホログラム効果を発現する印刷物、並びに、この印刷物の製造に用いるホログラムインキ、オーバーコートインキ、押えインキ等の印刷インキに関する。
【背景技術】
【0002】
反射する光が回折現象により分光されて虹色に変化するホログラム効果を発現させることを目的として、塗料中にホログラム顔料(アルミニウム顔料)を含有させたホログラム塗料が従来から知られている(例えば特許文献1〜5参照)。
【0003】
この種ホログラム塗料を用いると、基材に対して一枚のホログラム箔を熱圧着する場合に比べ、低コストで容易に塗膜(ホログラム層)を形成できるという利点がある。しかし、従来のホログラム塗料で形成された塗膜は、塗料に含まれたホログラム顔料の形状や大きさ、その含有量等により、ホログラム顔料同士が重なり合って粒子感が発現されたり、ホログラム顔料が塗膜表面へ突出する等して、光輝効果は発現するものの、一枚のホログラム箔と同等のホログラム効果が得られないという問題があった。
【0004】
このような問題点を解消するために、ポリカーボネート、アクリル、表面易接着性のPET等の平滑な透明基材の表面に塗膜を形成し、該透明基材の平滑面上にホログラム顔料がほぼ整列状に並ぶことを利用して、該透明基材の裏面側(非印刷面側)を観賞面とすることが行われている。
【0005】
しかし、このような場合においても、塗料中のホログラム顔料の濃度が低く塗膜中にホログラム顔料が散在していると、グリッター感が得られるのみで充分なホログラム効果が得られない。
また、塗料中のホログラム顔料濃度が高い場合は、前記特許文献中に記載されたいずれのホログラム顔料(厚さ0.1〜100μmのアルミニウム顔料)を使用しても、アルミニウム顔料同士の重なり合いにより生じる粒子感等により、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果は得られていなかった。
【0006】
一方、特許文献6(特表平8−502301号公報)には、前述した粒子感を発現させずに、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果を得ることを目的として、塗料中に、厚さ0.1μm未満のエンボス模様付きの金属質薄片顔料(薄片ホログラム顔料)を含有させることが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特表平9−506379号公報
【特許文献2】特開2000−33334号公報
【特許文献3】特開2001−62391号公報
【特許文献4】特開2001−64240号公報
【特許文献5】特開2003−201445号公報
【特許文献6】特表平8−502301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献6に開示された薄片ホログラム顔料を、塗料やスクリーンインキに一般的に使用される樹脂中に分散させて得られたホログラムインキを用いて、スクリーン印刷によりホログラム層を形成した場合、以下のような問題が生じていた。
【0009】
すなわち、前記ホログラムインキを用いて前記透明基材の平滑面上にホログラム層を印刷し、該透明基材の裏面側(非印刷面側)を観賞面とする場合、該透明基材を製品(例えば電化製品等)に組み込むため所望形状に成形するインサート成形時等におけるホログラム層の保護等のために、前記ホログラム層の上に白、黒等の有色の押えインキを重ね印刷して押え印刷層を形成することが一般的に行われるが、汎用の押えインキで重ね印刷すると、ホログラム効果の低下を引き起こし、意匠性を損ねることが確認されている。
【0010】
また、前記ホログラムインキを用いて不透明基材等の表面にホログラム層を印刷し、該基材の表面側(印刷面側)を観賞面とする場合、ホログラム層の耐擦傷性、耐候性の向上等の為に、前記ホログラム層の上に、透明なオーバーコートインキによりオーバーコート層を重ね印刷することが多いが、汎用のオーバーコートインキで重ね印刷すると、ホログラム効果の低下を引き起こし、意匠性を損ねることが確認されている。
【0011】
また、被印刷素材である基材が合成樹脂である場合、ホログラム層の印刷や、押え印刷層、オーバーコート層の印刷に伴い基材が変質してホログラム効果の低下を引き起こし、意匠性を損ねることが確認されている。
このように、現実の使用状況において所望のホログラム性能を発現し、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果が得られる印刷物は未だ提供されていなかった。
【0012】
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、ポリカーボネート,ABS樹脂,アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理された又は表面未処理のPETやPP等の合成樹脂材料、アルミニウムやステンレス等の金属板、金属やプラスチックに塗装がされた塗装板、コート紙、ガラス等からなる各種基材に対し、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果を発現することができる新規な印刷物と、これに用いるホログラムインキ、重ねインキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の従来事情に鑑み、本発明者等は鋭意研究を重ね、前記したホログラム効果の低下は、ホログラム顔料の配向性の低下によるものであることを見出した。
すなわち、前述のホログラム顔料を含有したホログラムインキが、グリコール等の比較的溶解力が弱いとされている溶剤で容易に溶解される樹脂を使用している場合、重ね印刷に使用する押えインキやオーバーコートインキに含まれる溶剤の影響で、ホログラム層が再溶解されてホログラム顔料の均一な配向性を乱し、これによりホログラム効果が低下することを知見した。
また、ホログラムインキに含まれる樹脂と、重ね印刷用の押えインキやオーバーコートインキに含まれる樹脂との相溶性も重要であり、互いに相溶性の悪い樹脂が使用された場合、ホログラム層に対する重ね印刷層のなじみが悪く、ホログラム顔料の均一な配向性を乱し、これによりホログラム効果が低下することを知見した。
【0014】
さらに、被印刷素材である基材が合成樹脂である場合、ホログラムインキ、オーバーコートインキ、押えインキに含まれる溶剤や樹脂の影響により、基材の白濁化や微細クラックの発生等が生じ、ホログラム効果が低下することを知見した。
【0015】
このような知見に基づき本発明者等はさらに鋭意研究を続け、ホログラムインキや重ねインキ(オーバーコートインキ、押えインキ)に用いる樹脂と溶剤、ホログラム層を印刷面側から観賞する場合と非印刷面側から観賞する場合の違い等に応じて、適切な材料の組み合わせを選択することで、前述した従来の欠点を解消し、ホログラム顔料の均一な配向性を維持して、所望のホログラム効果を発現し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0016】
以下、本発明に係るホログラムインキ、押えインキ、オーバーコートインキと、これらのインキを用いてなる印刷物について詳述する。
【0017】
〔ホログラムインキ〕
本発明において、ホログラム層を印刷するためのホログラムインキが、以下の組成であることが重要である。
【0018】
〔ホログラム顔料〕
ホログラムインキに含まれるホログラム顔料として、スクリーン印刷に用いる場合を考慮すると、表面に回折格子(グレーティング)状のエンボス加工を施した厚さ0.01μm以上、0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料を用いる。さらに、細かい文字など高精細の印刷物への適用、再現性などを考慮すると、例えば、特表平8−502301号に開示された方法で製造された、厚さ0.02〜0.07μm、平均粒径10〜20μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料を用いることが好ましい。
このような薄片ホログラム顔料を、ホログラムインキ全体に対し、重量比で0.5〜8wt%含有することで、ホログラム顔料の散在を防止することができる。同時に、該薄片ホログラム顔料が、印刷されたホログラム層中に均一な配向性をもって整列するので、ホログラム顔料同士の重なり合いによる粒子感の発生や、ホログラム顔料のホログラム層からの突出を防止して、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同程度のホログラム効果を発現することができる。
薄片ホログラム顔料の含有量が8wt%を超えると、ホログラム顔料同士の重なり合いにより白ボケ等が発生し、ホログラム効果が低下するので好ましくない。薄片ホログラム顔料の含有量が0.5wt%未満だと、ホログラム顔料が散在して基材の隠蔽性が低減し、ホログラム効果が低下するので好ましくない。
尚、本発明において、薄片ホログラム顔料を前記範囲で含有することに加え、有機顔料や無機顔料等の有色顔料、アルミペーストやパール顔料等の光輝性顔料、その他市販の各種顔料を、前述したホログラム効果を阻害しない範囲で含有することができる。
【0019】
被印刷素材が透明基材であって非印刷面側である基材裏側から観賞する場合、該透明基材の平滑表面寄り(ホログラム層の下方域)に薄片ホログラム顔料を沈降させ、該平滑表面上に均一に薄片ホログラム顔料を配向させるために、ホログラムインキ全体に対する薄片ホログラム顔料の含有量が3.5〜8wt%であることが好ましい。
被印刷素材が不透明基材等(透明基材でも構わない)であって印刷面側である基材表側から観賞する場合、ホログラム層の上方域にて薄片ホログラム顔料を均一に配向させるために、ホログラムインキ全体に対する薄片ホログラム顔料の含有量が2.5〜7wt%であることが好ましい。
【0020】
〔ホログラムインキの樹脂〕
前述した基材の白濁化や微細クラックの発生を引き起こす虞れの無い溶剤で溶解可能であることに加え、ポリカーボネート,ABS樹脂,アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理されたPETやPP等の合成樹脂材料、アルミニウムやステンレス等の金属板、金属やプラスチックの塗装がされた塗装板、コート紙、ガラス等の各種基材に対する密着性、印刷適正等を考慮し、本発明では、ホログラムインキに使用する必須樹脂として、ブチラール樹脂(ポリビニルブチラール)を選択した。
【0021】
また本発明では、印刷されたホログラム層における耐薬品性等の物性向上又は被印刷素材に対する密着性の向上等のために、ブチラール樹脂以外の樹脂を選択して混入させる。
該混入樹脂(選択樹脂)としては、ブチラール樹脂との相溶性を考慮すれば、塗料やスクリーンインキで一般に使用される熱可塑性合成樹脂、例えば、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂をあげることができ、これ以外にも、前記薄片ホログラム顔料が耐熱性の高い顔料であることから、熱硬化性合成樹脂、例えば、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂をあげることができ、さらに、酸化重合型樹脂のアルキッド樹脂をあげることができ、これら樹脂の何れかを単独で又は2種以上を混合して用いることが考えられる。
セルロース系樹脂としては、例えば、酢酸セルロース、硝酸セルロース等をあげることができる。
ビニル系樹脂としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー等をあげることができ、この中でも、印刷適正の面で、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーを用いることが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステルをあげることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル等をあげることができ、印刷適正の面で、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチルを用いることが好ましい。
塩素化ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン・プロピレン共重合体、塩素化エチレン・酢酸ビニルコポリマー等をあげることができる。
ウレタン系樹脂としては、例えば、イソシアネートと水酸基等との付加反応により生成される熱可塑性ポリウレタン、反応性ポリウレタン等をあげることができる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、脂環式エポキシ等をあげることができる。
メラミン系樹脂としては、例えば、メチルメラミン、ブチルメラミン等をあげることができる。
アルキッド系樹脂としては、例えば、アクリル変性アルキッド、フェノール変性アルキッド樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂、ウレタン化油アルキッド樹脂、エポキシエステルアルキッド樹脂等をあげることができる。
【0022】
これらの樹脂の中でも、必須樹脂としてブチラール樹脂を選択したことによる前述の特性(ホログラム効果、基材への密着性、印刷適正等)が低減しない又は向上することと、耐薬品性等の物性の向上を考慮し、本発明では、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂の何れか1種を単独で、又はこれらの2種以上を混合して用いることが好ましい。
【0023】
被印刷素材が透明基材であって非印刷面側である基材裏側から観賞する場合、選択樹脂として、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂の中から選択される何れか1種以上を用いることが好ましい。これらの中でも、特に良好なホログラム効果が得られるため、セルロース系樹脂を用いることが好ましい。
また、この場合におけるブチラール樹脂と選択樹脂の合計含有量は、ホログラムインキ全体に対しての重量比で、樹脂固形分として4〜25wt%が好ましく、4〜17wt%であることがより好ましい。該合計含有量が25wt%を超えると薄片ホログラム顔料の配向性が悪くなってホログラム効果が低下し、4wt%未満だと耐アルコール性等の物性や基板への密着性等が低下するため好ましくない。
【0024】
被印刷素材が不透明基材等(透明基材でも構わない)であって印刷面側である基材表側から観賞する場合、ホログラム層に重ね印刷されるオーバーコート層(オーバーコートインキ)の影響を考慮し、選択樹脂として、ビニル系樹脂又はポリエステル系樹脂を単独で又はこれらを混合して用いることが好ましい。
また、この場合におけるブチラール樹脂と選択樹脂の合計含有量は、ホログラムインキ全体に対しての重量比で、樹脂固形分として4〜25wt%が好ましく、4〜17wt%であることがより好ましい。該合計含有量が25wt%を超えると薄片ホログラム顔料の配向性が悪くなってホログラム効果が低下し、4wt%未満だと耐アルコール性等の物性や基板への密着性等が低下するため好ましくない。
尚、本発明において、前記ブチラール樹脂と前記選択樹脂との混合割合は、ブチラール樹脂8〜60%:選択樹脂40〜92%であることが好ましい。
【0025】
〔ホログラムインキの溶剤〕
ホログラムインキに使用する溶剤としては、前記した各々の樹脂を溶解するに充分な溶解力を持つと共に、合成樹脂製基材の白濁化や微細クリックの発生等が懸念されない溶剤であれば、塗料やスクリーンインキに一般的に使用される溶剤を95.5〜60wt%の範囲で用いることができる。
例えば、ソルベッソ100、ソルベッソ150、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ケロシン、石油ナフタ等の芳香族炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、ガンマーブチロラクトン、2,6,8,−トリメチルノナノン−4、アセトン油、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、ホロン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−1.5−ペンタジオール、3−メチルペンテノン、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシブチルアセテート等の脂肪族系溶剤を、単独で又はこれらの2種以上を混合して用いることができる。
また、静電気によるフィザーリング防止等のためにアルコール系溶剤を混入したり、溶解力をあげること等を目的として、前記以外の溶剤を、前述した特性を阻害しない範囲で必要に応じて混入することができる。
【0026】
〔ホログラムインキの添加剤、架橋剤、乾燥条件〕
ホログラムインキに含まれる添加剤としては、前述した組成のホログラムインキで得られるホログラム効果を阻害しないことを条件に、必要に応じて、消泡剤,安定剤,分散剤やその他、塗料やスクリーンインキに一般的に使用される各種添加剤を含有することができる。また、ホログラム層の物性向上のために、必要に応じて、例えば、イソシアネート、アミン、イミダゾリン等の架橋剤を添加することもできる。これら添加剤、架橋剤等の含有割合は、前述した顔料及び樹脂及び溶剤の含有量の残部となる。
ホログラムインキの乾燥条件としては、含有する樹脂の特性に合わせて、自然乾燥、強制乾燥の何れかを適宜選択することができる。
【0027】
〔重ねインキ〕
本発明において、重ねインキとは、ホログラム層の上に押え印刷層を重ね印刷するための押えインキ、又は、ホログラム層の上にオーバーコート層を重ね印刷するためのオーバーコートインキである。
【0028】
〔重ねインキの樹脂〕
前述した組成のホログラムインキで形成されたホログラム層における前述の樹脂との相溶性、ホログラム層に対する密着性に加え、押え印刷層又はオーバーコート層に求められる物性、例えば、高光沢性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性、耐熱性等を考慮し、適切な樹脂を選択する必要がある。
【0029】
〔オーバーコートインキの樹脂〕
重ねインキがオーバーコートインキである場合、含有樹脂として、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルポリオールを除くアクリル系樹脂(水酸基を持たないアクリル系樹脂)の何れか1種を単独で又はこれらの2種以上を混合して用いることができる。これら樹脂の含有量は、オーバーコートインキ全体に対し、重量比で7wt%〜50wt%であることが好ましい。
アクリルポリオールを除くアクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル等で水酸基を持たないものをあげることができる。それ以外の樹脂の具体例は前記したものと同様のため省略する。
ホログラム層が、ブチラール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、又は、ブチラール樹脂と飽和ポリエステルを含有したホログラムインキで、前述した基材上に印刷されており、該ホログラム層の上にオーバーコート層を重ね印刷する場合、オーバーコートインキが、前記した樹脂の中でも、ビニル系樹脂を含むことが好ましい(請求項9)。
【0030】
〔押えインキの樹脂〕
重ねインキが押えインキである場合、含有樹脂として、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂の何れか1種を単独で又はこれらを混合して用いることができる。これらの樹脂の具体例は前記したものと同様のため省略する。また、これら樹脂の含有量は、押えインキ全体に対し、重量比で7wt%〜50wt%であることが好ましい。
【0031】
前記した樹脂の中でも、ホログラム層が、ブチラール樹脂と、酢酸セルロース又は硝酸セルロースとを含有したホログラムインキで、ポリカーボネート、アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理された又は表面未処理のPETやPP等の合成樹脂材料、ガラス等の透明基材上に印刷されており、該ホログラム層の上に押え印刷層を重ね印刷する場合、押えインキが、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド系樹脂の何れか1種を単独で又は2種以上を混合して含むことが好ましい(請求項6)。
ホログラム層が、ブチラール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーを含有したホログラムインキで、ポリカーボネート、アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理された又は表面未処理のPETやPP等の合成樹脂材料、ガラス等の透明基材上に印刷されており、該ホログラム層の上に押え印刷層を重ね印刷する場合、押えインキが、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂の何れか1種を単独で又は2種以上を混合して含むことが好ましい(請求項7)。
ホログラム層が、ブチラール樹脂と飽和ポリエステルを含有したホログラムインキで、ポリカーボネート、アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理された又は表面未処理のPETやPP等の合成樹脂材料、ガラス等の透明基材上に印刷されており、該ホログラム層の上に押え印刷層を重ね印刷する場合、押えインキが、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、アルキッド系樹脂の何れか1種を単独で又は2種以上を混合して含むことが好ましい(請求項8)。
【0032】
〔重ねインキの溶剤〕
重ねインキに用いる前述の樹脂を溶解するに充分な溶解力を持つと共に、ホログラム層が再溶解されず、且つ、前述した合成樹脂製基材の白濁化や微細クリックの発生等が懸念されない溶剤であれば、塗料やスクリーンインキに一般的に用いられる溶剤を、押えインキ全体に対し、重量比で90wt%〜20wt%の範囲で用いることができる。
例えば、ソルベッソ100、ソルベッソ150、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ケロシン、石油ナフタ等の芳香族炭化水素系溶剤、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、ガンマーブチロラクトン、2,6,8,−トリメチルノナノン−4、アセトン油、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、ホロン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−1.5−ペンタジオール、3−メチルペンテノン、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシブチルアセテート等の脂肪族系溶剤を、単独で又はこれらの2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、薄片ホログラム顔料の配向性を維持するためには、グリコール系溶剤を用いることが好ましい。
また、静電気によるフィザーリング防止等のためにアルコール系溶剤を混入したり、溶解力をあげること等を目的として、前記以外の溶剤を前述した特性を阻害しない範囲で必要に応じて混入することができる。
【0033】
〔重ねインキの顔料、添加剤、架橋剤、乾燥条件等〕
前述した組成のホログラムインキで得られるホログラム効果を阻害しないことを条件に、必要に応じて、塗料やスクリーンインキで一般的に使用される各種顔料、例えば、有機顔料や無機顔料等の有色顔料、アルミペーストやパール顔料等の光輝性顔料等を含有することができる。また、同様の条件で、必要に応じて、塗料やスクリーンインキで一般的に使用される添加剤、例えば、顔料分散剤、消泡剤、安定剤等を含有することができる。また、オーバーコート層又は押え印刷層の物性向上のために、必要に応じて、例えば、イソシアネート、アミン、イミダゾリン等の架橋剤を添加することもできる。これら顔料、添加剤、架橋剤等の含有割合は、前述した樹脂及び溶剤の含有量の残部となる。
重ねインキの乾燥条件としては、含有樹脂に合わせて、自然乾燥、強制乾燥の何れかを適宜選択することができるが、ホログラム層における薄片ホログラム顔料の均一な配向性を保つためには、自然乾燥が好ましい。
【0034】
このような組成の重ねインキ(オーバーコートインキ、押えインキ)を用いることで、ホログラム層の印刷膜が再溶解されることを防止して、薄片ホログラム顔料の均一な配向状態を維持すると共に、基材が溶解されたり、基材の白濁化や微細クラックの発生等を防止して、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果を発現することができる。また、前記ホログラム層に対し密着性良く、重ね印刷層(オーバーコート層、押え印刷層)を適正に印刷することができる。
【0035】
〔被印刷素材〕
本発明において、被印刷素材としての基材は必ずしも限定されるものではないが、例えば、ポリカーボネート,ABS樹脂,アクリル(表面をハードコート処理したものを含む),ポリ塩化ビニル,密着性等を上げるために表面処理された又は表面未処理のポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂材料、アルミニウムやステンレス等の金属板、金属やプラスチックの塗装がされた塗装板、コート紙、ガラス等をあげることができる。
【0036】
〔印刷物の後加工〕
また、本発明に係る印刷物は、基材が合成樹脂からなる板材であり、該基材上に前記ホログラム層と前記重ね印刷層を印刷した後、真空成形やインサート成形等の後加工を施して所定形状に成形することができる。
また、重ね印刷層を印刷しても、ホログラム効果の低下がなく意匠性に優れるため、化粧箱や書籍等の紙製品への応用のみにとどまることなく、オーバーコート層や押え印刷層を必須とされる製品分野、例えば電化製品や車両関係への応用等も期待することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は以上の構成としたことにより、優れたホログラム効果を発現するホログラムインキを得ることができた。また、ホログラム層の上にオーバーコート層や押え印刷層を重ね印刷しても、薄片ホログラム顔料の均一な配向性を維持して、一枚のホログラム箔を熱圧着した場合と同等のホログラム効果を得ることができた。よって、限られた用途にしか使用する事ができなかった従来のホログラム塗料に比べ、その用途を大幅に拡大することができた。
また、作製コストが大きい一枚のホログラム箔を熱圧着する手段に比べ、スクリーン印刷により、これと同等のホログラム効果、意匠性を得ることができるので、低コスト化を実現できた。また、一枚のホログラム箔を熱圧着する場合、基材の材質によっては、熱圧着前に接着層を形成する必要があったが、そのような基材に対しても接着層を不要とし、基材上に直接印刷してホログラム層を形成することが可能であるから、製造工程の簡素化、低コスト化を図ることが出来る等、多くの効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、実施例と比較例に基づき本発明について詳述するが、前出の説明と同様の箇所については、重複する説明を一部省略する。
【0039】
〔実施例1〜5〕
被印刷素材として、実施例4ではガラス製の透明基材を、それ以外ではポリカーボネート製の透明基材を用い、該透明基材の表面に、樹脂としてブチラール樹脂と酢酸セルロースを含有する下記組成のホログラムインキを用いてスクリーン印刷し、60℃×30分の条件で強制乾燥してホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、下記組成の押えインキを用いて押え印刷層を重ね印刷し、室温で1週間自然乾燥して、透明基材の裏面側(非印刷面側)が観賞面である、請求項6に係る印刷物を得た。
尚、夫々の組成において、樹脂の含有比率は樹脂固形分としての重量比を表す。また、夫々の組成における薄片ホログラム顔料として、特表平8−502301号に開示された方法で製造された、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.06μm、平均粒径10μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料を用いた。また、各組成の添加剤は、印刷時に泡が出るものについては消泡剤を、塩化ビニル樹脂を含むものについては塩化ビニル安定剤を、顔料を含むものについては分散剤を、インキ粘度を調整する必要があるものについては増粘剤を、必要に応じて用いた(以下同様とする)。
【0040】
これら印刷物に対し、押え印刷層の印刷前と印刷後の夫々において、ホログラム効果、基材に対する密着性、印刷適正について、後述する方法で評価試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前と印刷後の夫々において、前記全ての項目において「特に良い」との評価が得られた。結果を表1に記す。
【0041】
〔比較例1〜5〕
ホログラムインキ又は押えインキの組成を、本発明の対象外である樹脂又は溶剤(対象外であるものの頭に*を付す。以下同様とする。)を含むものとしたこと以外は、実施例1〜5と同様にして印刷物を得ると共に、実施例1〜5と同様にして評価試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前又は印刷後の何れか又は双方において、ホログラム効果、基材に対する密着性、印刷適正の何れかが「悪い」ことが確認できた。結果を表1に記す。
【0042】
〔実施例1〕
ホログラムインキの組成は、インキ全体の重量100wt%中、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:60wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:8wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%の配合比とした。
押えインキの組成は、インキ全体の重量100wt%中、(顔料)カーボンブラック:4wt%、(樹脂)硝酸セルロース:9wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:11wt%、ポリメタクリル酸メチル:4wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:21wt%、シクロヘキサノン:15wt%、イソホロン:9wt%、ガンマーブチロラクトン:7wt%、ソルベッソ100:16wt%、(添加剤):4wt%の配合比とした。
〔比較例1〕
ホログラムインキを、インキ全体の重量100wt%中、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*熱可塑性ポリウレタン樹脂:12wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:40wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:4wt%、シクロヘキサノン:12wt%、メチルイソブチルケトン:20wt%、ソルベッソ100:5wt%、(添加剤):1wt%の配合比とした。
【0043】
〔実施例2〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:68wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:9wt%、(樹脂)酢酸セルロース:18wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:30wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:10wt%、シクロヘキサノン:16wt%、ソルベッソ100:16wt%、(添加剤):1wt%とした。
〔比較例2〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)*グルタル酸ジメチル:60wt%、エチレングリコールモノブチルエーテル:24wt%とした。
【0044】
〔実施例3〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:65wt%、ダイアセトンアルコール:3wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:14wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:18wt%、ポリメタクリル酸メチル:6wt%、(溶剤)シクロヘキサノン:14wt%、イソホロン:16wt%、ガンマーブチロラクトン:11wt%、ソルベッソ100:15wt%、(添加剤):6wt%とした。
〔比較例3〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:14wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:18wt%、ポリメタクリル酸メチル:6wt%、(溶剤)*グルタル酸ジメチル:40wt%、シクロヘキサノン:5wt%、イソホロン:6wt%、ガンマーブチロラクトン:5wt%、(添加剤):6wt%とした。
【0045】
〔実施例4〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:68wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:9wt%、(樹脂)グリシジルエーテル:33wt%、(架橋剤)アミン:22wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:20wt%、シクロヘキサノン:7wt%、ソルベッソ100:6wt%、(添加剤):3wt%とした。
〔比較例4〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:9wt%、(樹脂)グリシジルエーテル:33wt%、(架橋剤)アミン:22wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:6wt%、*ジクロルエチルエーテル:27wt%)、(添加剤):3wt%とした。
【0046】
〔実施例5〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:68wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:7wt%、(樹脂)アクリル変性アルキッド:37wt%、(溶剤)ソルベッソ150:36wt%、(添加剤):20wt%とした。
〔比較例5〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:7wt%、(樹脂)*塩素化ポリプロピレン:37wt%、(溶剤)ソルベッソ150:36wt%、(添加剤):20wt%とした。
【0047】
〔ホログラム効果の評価方法〕
印刷物の反射光にて、目視する方向を連続的に動かし、プリズム分光による虹色の発現を目視にて確認した。プリズム分光による虹色の発現が顕著で一枚のホログラム箔と同等に見られたものを「特に良い」と評価した。また、程度はやや落ちるが、プリズム分光による虹色の発現が一枚のホログラム箔とほぼ同等に見られたものを「良い」と評価した。また、シルバー色を呈すのみでプリズム分光による虹色の発現が見られないもの、又は、プリズム分光による虹色の発現は見られるものの一枚のホログラム箔のようには見えないものを「悪い」と評価した。
【0048】
〔基材に対する密着性の評価方法〕
印刷面に粘着テープを貼って剥離する試験を行った。印刷層の剥離がないものを「特に良い」と評価した。印刷層の一部が剥離するが、大半は剥離しないものを「良い」と評価した。印刷層の大半が剥離したものを「悪い」と評価した。
【0049】
〔印刷適正の評価方法〕
印刷基材に対し、手刷りにてスクリーン印刷を施すに際し、ホログラム層の印刷ではスクリーン印刷版として、T(テトロン)−270メッシュ版を使用した。重ね保護層又はオーバーコート層の印刷では、T−250メッシュ版を使用した。
スキージの滑り、インキの紗の通りが特に良好で、印刷物に欠け、カスレ、ピンホール等がなく、連続印刷が可能であるものを「特に良い」と評価した。
スキージの滑り、インキの紗の通りが良好で、印刷物に欠け、カスレ、ピンホール等がなく、連続印刷が可能であるものを「良い」と評価した。
カスレ、ピンホール等が発生し、連続印刷が不可能であるものを「悪い」と評価した。
【0050】
【表1】

【0051】
〔実施例6〜9〕
ポリカーボネート製透明基材の表面に、ブチラール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーを含有する下記組成としたホログラムインキを用い、前記実施例と同様にしてホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、下記組成の押えインキを用い、前記実施例と同様にして、請求項7に係る印刷物を得た。
これら印刷物に対し、前記同様の試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前と印刷後の夫々において、前記全ての項目において「特に良い」との評価が得られた。結果を表1に記す。
【0052】
〔比較例6〜9〕
ホログラムインキ又は押えインキの組成を、本発明の対象外である樹脂又は溶剤を含むものとしたこと以外は、実施例6〜9と同様にして印刷物を得ると共に、実施例6〜9と同様の試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前と印刷後の何れか又は双方において、ホログラム効果、基材に対する密着性、印刷適正の何れかが「悪い」ことが確認できた。結果を表1に記す。
【0053】
〔実施例6〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:40wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:8wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:2wt%、(樹脂)酢酸セルロース:10wt%、熱可塑性ポリウレタン:17wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:23wt%、シクロヘキサノン:25wt%、イソホロン:10wt%、ソルベッソ100:8wt%、ソルベッソ150:3wt%、(添加剤):2wt%とした。
〔比較例6〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:6wt%、(樹脂)*塩素化ポリプロピレン:12wt%、(溶剤)ソルベッソ100:5wt%、ソルベッソ150:25wt%、トルエン:29wt%、(添加剤):23wt%とした。
【0054】
〔実施例7〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:45wt%、ダイアセトンアルコール:3wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:6wt%、(樹脂)ポリメタクリル酸メチル:26wt%、(架橋剤)イソシアネート:8wt%、(溶剤)ソルベッソ150:13wt%、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート:10wt%、シクロヘキサノン:7wt%、(添加剤):30wt%とした。
〔比較例7〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*ポリメタクリル酸メチル:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:55wt%、ダイアセトンアルコール:3wt%、ガンマーブチロラクトン:6wt%、ソルベッソ150:14wt%、(添加剤):1wt%とした。
【0055】
〔実施例8〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:48wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:5wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:11wt%、飽和ポリエステル:6wt%、硝酸セルロース:5wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:12wt%、シクロヘキサノン:33wt%、イソホロン5wt%、ソルベッソ100:17wt%、(添加剤):6wt%とした。
〔比較例8〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:5wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:11wt%、飽和ポリエステル:6wt%、酢酸セルロース:5wt%、(溶剤)*ジクロルエチルエーテル:57wt%、シクロヘキサノン:10wt%、(添加剤):6wt%とした。
【0056】
〔実施例9〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:48wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:6wt%、(樹脂)アクリル変性アルキッド:32wt%、飽和ポリエステル:5wt%、(溶剤)シクロヘキサノン:4wt%、ガンマーブチロラクトン:4wt%、ソルベッソ150:32wt%、(添加剤):17wt%とした。
〔比較例9〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*アクリル変性アルキッド:20wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:43wt%、シクロヘキサノン:5wt%、ソルベッソ150:24wt%、(添加剤):2wt%とした。
【0057】
〔実施例10〜13〕
実施例11ではガラス製基材の表面に、それ以外ではポリカーボネート製透明基材の表面に、樹脂としてブチラール樹脂と飽和ポリエステルを含有する下記組成のホログラムインキを用い、前記実施例と同様にしてホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、下記組成の押えインキを用い、前記実施例と同様にして、請求項8に係る印刷物を得た。
これら印刷物に対し、前記同様の試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前と印刷後の夫々において、前記全ての項目において「特に良い」との評価が得られた。結果を表2に記す。
【0058】
〔比較例10〜13〕
ホログラムインキ又は押えインキの組成を、本発明の対象外である樹脂又は溶剤を含むものとしたこと以外は、実施例10〜13と同様にして印刷物を得ると共に、実施例10〜13と同様の試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前と印刷後の何れか又は双方において、ホログラム効果、基材に対する密着性、印刷適正の何れかが「悪い」ことが確認できた。結果を表2に記す。
【0059】
〔実施例10〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、飽和ポリエステル:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:30wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:4wt%、シクロヘキサノン:32wt%、メチルイソブチルケトン:10wt%、ソルベッソ100:3wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:7wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:14wt%、飽和ポリエステル:8wt%、(溶剤)シクロヘキサノン:39wt%、イソホロン:7wt%、ソルベッソ100:18wt%、(添加剤):7wt%とした。
〔比較例10〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*熱可塑性ポリウレタン:12wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:40wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:4wt%、シクロヘキサノン:12wt%、メチルイソブチルケトン:20wt%、ソルベッソ100:5wt%、(添加剤):1wt%とした。
【0060】
〔実施例11〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、飽和ポリエステル:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、シクロヘキサノン:35wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:4wt%、(樹脂)熱可塑性ウレタン:43wt%、(溶剤)イソホロン:19wt%、シクロヘキサノン:30wt%、ソルベッソ150:1wt%、(添加剤):3wt%とした。
〔比較例11〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*グリシジルエーテル:18wt%、(架橋剤)アミン:12wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:55wt%、シクロヘキサノン:4wt%、ソルベッソ100:4wt%、(添加剤):1wt%とした。
【0061】
〔実施例12〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、飽和ポリエステル:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:40wt%、ダイアセトンアルコール:4wt%、シクロヘキサノン:35wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:9wt%、(樹脂)酢酸セルロース:18wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、シクロヘキサノン:14wt%、ソルベッソ100:14wt%、(添加剤):1wt%とした。
〔比較例12〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:9wt%、(樹脂)酢酸セルロース:18wt%、(溶剤)*グルタル酸ジメチル:72wt%、(添加剤):1wt%とした。
【0062】
〔実施例13〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)飽和ポリエステル:15wt%、ブチラール樹脂:2wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、シクロヘキサノン:35wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:6wt%、(樹脂)アクリル変性アルキッド:32wt%、硝酸セルロース:5wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:7wt%、シクロヘキサノン:2wt%、ソルベッソ100:32wt%、(添加剤):16wt%とした。
〔比較例13〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*アクリル変性アルキッド:23wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、ソルベッソ150:25wt%、(添加剤):2wt%とした。
【0063】
【表2】

【0064】
〔実施例14、15〕
被印刷素材として、実施例14ではガラス製の基材を用い、実施例15ではポリカーボネート製の基材を用い、該基材の表面に、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー又は飽和ポリエステルと、ブチラール樹脂とを含有する下記組成のホログラムインキを用い、前記実施例と同様にしてホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、下記組成のオーバーコートインキを用いてオーバーコート層を重ね印刷し、室温で1週間自然乾燥して、基材の表面側(印刷面側)が観賞面である、請求項9に係る印刷物を得た。
これら印刷物に対し、前記同様の試験を行ったところ、オーバーコート層の印刷前と印刷後の夫々において、前記全ての項目において「特に良い」との評価が得られた。結果を表2に記す。
また、各印刷物に対し、オーバーコート層の表面にアルコール溶液を塗布して耐薬品性試験を行ったところ、前記各評価に変化は見られず、耐薬品性も良好(オーバーコート層を有する印刷物として良好)であるとの評価が得られた。尚、前述した押え印刷層を有する印刷物では耐薬品性は要求されないので、耐薬品性試験は行っていない。
【0065】
〔比較例14、15〕
オーバーコートインキの組成を、本発明の対象外である樹脂を含むものとしたこと以外は、実施例14、15と同様にして印刷物を得ると共に、実施例14、15と同様の試験を行った。比較例14では、オーバーコート層の印刷後において、ホログラム効果が「悪い」ことが確認できた。比較例15では、ホログラム効果に関し実施例15に比べ劣ることが確認できた。結果を表2に記す。また、比較例15に対し前記した耐薬品性試験を行ったところ、オーバーコート層、ホログラム層が溶解してホログラム効果の低下が見られ、オーバーコート層を有する印刷物として不適であることが確認された。
【0066】
〔実施例14〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:40wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:8wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
オーバーコートインキは、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:30wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:41wt%、シクロヘキサノン:14wt%、ソルベッソ100:14wt%、(添加剤):1wt%とした。
〔比較例14〕
オーバーコートインキを、(樹脂)*グリシジルエーテル:36wt%、(架橋剤)アミン:24wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:21wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):3wt%とした。
【0067】
〔実施例15〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)飽和ポリエステル:15wt%、ブチラール樹脂:2wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、シクロヘキサノン:35wt%とした。
オーバーコートインキは、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:30wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:30wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:12wt%、シクロヘキサノン:14wt%、ソルベッソ100:13wt%、(添加剤):1wt%とした。
〔比較例15〕
オーバーコートインキを、(樹脂)*酢酸セルロース:20wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:30wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:18wt%、シクロヘキサノン:16wt%、ソルベッソ100:16wt%とした。
【0068】
〔実施例16〕
ポリカーボネート製基材の表面に、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーとブチラール樹脂を含む下記組成のホログラムインキを用い、前記実施例と同様にしてホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、樹脂としてポリメタクリル酸メチルを含む下記組成のオーバーコートインキを用いてオーバーコート層を重ね印刷し、実施例14、15と同様にして、請求項4に係る印刷物を得た。
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:48wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
オーバーコートインキは、(樹脂)ポリメタクリル酸メチル:30wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:31wt%、シクロヘキサノン:11wt%、ソルベッソ100:27wt%、(添加剤):1wt%とした。
【0069】
この印刷物に対し、実施例14、15と同様の試験を行ったところ、オーバーコート層の印刷後において、ホログラム効果のみに関し実施例14、15より劣るものの、本発明の課題を満足する「良い」との評価が得られた。結果を表3に記す。また、前記耐薬品性試験を行ったところ、各評価に変化は見られず、オーバーコート層を有する印刷物として良好との評価が得られた。
【0070】
〔比較例16〕
オーバーコートインキを、本発明の対象外である水酸基を含むアクリル系樹脂(アクリルポリオール)を含有する下記組成とし、実施例16と同様にして印刷物を得ると共に、実施例16と同様にして試験を行ったところ、オーバーコート層の印刷後において、ホログラム効果が「悪い」ことが確認できた。
オーバーコートインキを、(樹脂)*ヒドロキシル化ポリメタクリル酸メチル:42wt%、(架橋剤)イソシアネート:7wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:19wt%、シクロヘキサノン:4wt%、ソルベッソ100:21wt%、(添加剤):7wt%とした。
【0071】
【表3】

【0072】
〔実施例17〕
ポリカーボネート製透明基材の表面に、樹脂としてブチラール樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーと飽和ポリエステルを含む下記組成のホログラムインキを用いて、実施例1〜13と同様にしてホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、樹脂として熱可塑性ウレタンを含む下記組成の押えインキを用い、実施例1〜13と同様にして、請求項5に係る印刷物を得た。
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:8wt%、飽和ポリエステル:5wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、シクロヘキサノン:22wt%、イソホロン:4wt%、ソルベッソ100:10wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:4wt%、(樹脂)熱可塑性ウレタン:43wt%、(溶剤)イソホロン:19wt%、シクロヘキサノン:30wt%、ソルベッソ150:1wt%、(添加剤):3wt%とした。
【0073】
この印刷物に対し、実施例1〜13と同様の試験を行ったところ、押え印刷層の印刷後において、印刷適正のみに関し実施例1〜13より劣るものの、本発明の課題を満足する「良い」との評価が得られた。結果を表3に記す。
【0074】
〔比較例17〕
ホログラムインキを、塩素化ポリプロピレンを含有する下記組成とし、実施例17と同様にして印刷物を得ると共に、実施例17と同様の試験を行ったところ、押え印刷層の印刷前後において、ホログラム効果が実施例17より劣ると共に、印刷適正と密着性が「悪い」ことが確認できた。結果を表3に記す。
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:3wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*塩素化ポリプロピレン:12wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:39wt%、ソルベッソ100:4wt%、ソルベッソ150:22wt%、トルエン:18wt%、とした。
【0075】
〔実施例18〜20〕
ホログラムインキと押えインキを下記組成とし、実施例1〜13と同様にして、請求項6〜8の何れかに係る印刷物を得た。各印刷物に対し、実施例1〜13と同様の試験を行ったところ、実施例1〜13と同様の評価が得られた。結果を表3に記す。
〔実施例18〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、酢酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:68wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:7wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:14wt%、飽和ポリエステル:8wt%、(溶剤)シクロヘキサノン:39wt%、イソホロン:7wt%、ソルベッソ100:18wt%、(添加剤):7wt%とした。
〔実施例19〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:48wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:4wt%、(樹脂)熱可塑性ウレタン:43wt%、(溶剤)イソホロン:19wt%、シクロヘキサノン:30wt%、ソルベッソ150:1wt%、(添加剤):3wt%とした。
〔実施例20〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、飽和ポリエステル:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:44wt%、シクロヘキサノン:35wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:7wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、飽和ポリエステル:9wt%、(溶剤)シクロヘキサノン:35wt%、イソホロン:8wt%、ソルベッソ100:19wt%(添加剤):7wt%とした。
【0076】
〔比較例18〜20〕
ホログラムインキにおける顔料を、厚み12μm、平均粒径50μmのアルミニウムフレーク:4wt%としたこと以外は、対応する実施例と同じ組成のホログラムインキ、押えインキを用い、実施例18〜20と同様にして印刷物を得た。各印刷物に対し、実施例18〜20と同様の試験を行ったところ、ホログラム効果が「悪い」ことが確認された。結果を表3に記す。
【0077】
〔実施例21〜23〕
ホログラムインキと押えインキを下記組成とし、実施例1〜9と同様にして、請求項6又は7に係る印刷物を得た。各印刷物に対し、実施例1〜9と同様の試験を行ったところ、実施例1〜9と同様の評価が得られた。結果を表4に記す。
【0078】
〔実施例21〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、硝酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:60wt%、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール:8wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:4wt%、(樹脂)酢酸セルロース:9wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:11wt%、ポリメタクリル酸メチル:4wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:21wt%、シクロヘキサノン:15wt%、イソホロン:9wt%、ガンマーブチロラクトン:7wt%、ソルベッソ100:16wt%、(添加剤):4wt%とした。
〔実施例22〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、硝酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:68wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ150:8wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:14wt%、(樹脂)塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:18wt%、ポリメタクリル酸ブチル:6wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:10wt%、シクロヘキサノン:30wt%、ガンマーブチロラクトン:11wt%、ソルベッソ100:5wt%、(添加剤):6wt%とした。
〔実施例23〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:48wt%、シクロヘキサノン:22wt%、ソルベッソ100:8wt%、(添加剤):1wt%とした。
押えインキは、(顔料)カーボンブラック:6wt%、(樹脂)ポリメタクリル酸ブチル:26wt%、(架橋剤)イソシアネート:8wt%、(溶剤)ソルベッソ150:13wt%、エチレングリコールモノブチルエーテル:10wt%、シクロヘキサノン:7wt%、(添加剤):30wt%とした。
【0079】
〔比較例21〜23〕
ホログラムインキ又は押えインキにおいて、本発明が対象外とする樹脂又は溶剤を含むこと以外は、対応する実施例と同じ組成のホログラムインキ、押えインキを用い、実施例21〜20と同様にして印刷物を得た。各印刷物に対し、実施例21〜23と同様の試験を行ったところ、ホログラム効果、印刷適正が「悪い」ことが確認された。結果を表4に記す。
【0080】
〔比較例21〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:4wt%、(樹脂)酢酸セルロース:9wt%、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:11wt%、ポリメタクリル酸メチル:4wt%、(溶剤)*グルタル酸ジメチル:68wt%、(添加剤):4wt%とした。
〔比較例22〕
ホログラムインキを、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、*熱可塑性ポリウレタン:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:40wt%、シクロヘキサノン:30wt%、ソルベッソ150:14wt%とした。
〔比較例23〕
押えインキを、(顔料)カーボンブラック:6wt%、(樹脂)ポリメタクリル酸ブチル:26wt%、(架橋剤)イソシアネート:8wt%、(溶剤)*ジクロルエチルエーテル:30wt%、(添加剤):30wt%とした。
【0081】
【表4】

【0082】
〔実施例24、25〕
ポリカーボネート製基材の表面に、硝酸セルロース又は飽和ポリエステルと、ブチラール樹脂とを含む下記組成のホログラムインキを用い、前記実施例と同様にしてホログラム層を形成した。さらに、このホログラム層の上に、樹脂として飽和ポリエステル又は熱可塑性ウレタンを含む下記組成のオーバーコートインキを用いてオーバーコート層を重ね印刷し、実施例14、15と同様にして、請求項2に係る印刷物を得た。
【0083】
〔実施例24〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、硝酸セルロース:10wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:68wt%、シクロヘキサノン:8wt%、ソルベッソ100:8wt%とした。
オーバーコートインキは、(樹脂)飽和ポリエステル:29wt%、(溶剤)ガンマーブチロラクトン:35wt%、シクロヘキサノン:30wt%、ソルベッソ150:5wt%、(添加剤):1wt%とした。
〔実施例25〕
ホログラムインキは、(顔料)薄片ホログラム顔料:4wt%、(樹脂)ブチラール樹脂:2wt%、飽和ポリエステル:15wt%、(溶剤)エチレングリコールモノブチルエーテル:43wt%、シクロヘキサノン:35wt%、添加剤:1wt%とした。
オーバーコートインキは、(樹脂)熱可塑性ウレタン:24wt%、(溶剤)メチルイソブチルケトン:47wt%、シクロヘキサノン:23wt%、ソルベッソ150:5wt%、(添加剤):1wt%とした。
【0084】
この印刷物に対し、実施例14、15と同様の試験を行ったところ、オーバーコート層の印刷後において、ホログラム効果のみに関し実施例14、15より劣るものの、本発明の課題を満足する「良い」との評価が得られた。結果を表5に記す。また、前記耐薬品性試験を行ったところ、各評価に変化は見られず、オーバーコート層を有する印刷物として良好との評価が得られた。
【0085】
〔比較例24、25〕
ホログラムインキにおける顔料を、厚さ1μm、平均粒径20μmのアルミニウムフレーク:4wt%としたこと以外は、対応する実施例と同じ組成のホログラムインキ、オーバーコートインキを用い、実施例24、25と同様にして印刷物を得た。各印刷物に対し、実施例24、25と同様の試験を行ったところ、ホログラム効果が「悪い」ことが確認された。結果を表5に記す。
【0086】
【表5】

【0087】
以上の結果から、本発明に係る印刷物と、その製造に用いるホログラムインキ、押えインキ、オーバーコートインキの優位性を確認することができた。
以上、本発明の実施形態例を実施例に基づき説明したが、本発明は各実施例に限定されるものではなく、特許請求範囲の各請求項に記載した技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、セルロース系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、必須樹脂としてのブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むことを特徴とするホログラムインキ。
【請求項2】
請求項1記載のホログラムインキで被印刷素材上に印刷されたホログラム層の上に、オーバーコート層を重ね印刷するためのオーバーコートインキであって、
少なくとも、ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂(但し、アクリルポリオールを除く)の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むことを特徴とするオーバーコートインキ。
【請求項3】
請求項1記載のホログラムインキで被印刷素材上に印刷されたホログラム層の上に、押え印刷層を重ね印刷するための押えインキであって、
少なくとも、セルロース系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,アルキッド系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むことを特徴とする押えインキ。
【請求項4】
被印刷素材上にホログラム層を印刷し、該ホログラム層の上にオーバーコート層を重ね印刷してなる印刷物であって、
前記ホログラム層が、少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、セルロース系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、必須樹脂としてのブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むホログラムインキで印刷されており、
前記オーバーコート層が、少なくとも、ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂(但し、アクリルポリオールを除く)の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むオーバーコートインキで印刷されており、前記オーバーコート層を介して印刷面側から前記ホログラム層を観賞することを特徴とする印刷物。
【請求項5】
被印刷素材上にホログラム層を印刷し、該ホログラム層の上に押え印刷層を重ね印刷してなる印刷物であって、
前記ホログラム層が、少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、セルロース系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、必須樹脂としてのブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むホログラムインキで印刷されており、
前記押え印刷層が、少なくとも、セルロース系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,ウレタン系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,アルキッド系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含む押えインキで印刷されており、前記被印刷素材が透明基材からなり、該透明基材を介して非印刷面側から前記ホログラム層を観賞することを特徴とする印刷物。
【請求項6】
被印刷素材の上に、少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、酢酸セルロース又は硝酸セルロースと、ブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むホログラムインキで印刷されたホログラム層を形成し、
該ホログラム層の上に、少なくとも、セルロース系樹脂,アクリル系樹脂,ビニル系樹脂,エポキシ系樹脂,アルキッド系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含む押えインキで押え印刷層を重ね印刷してなる印刷物。
【請求項7】
被印刷素材の上に、少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー及びブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むホログラムインキで印刷されたホログラム層を形成し、
該ホログラム層の上に、少なくとも、セルロース系樹脂,アクリル系樹脂,ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,ウレタン系樹脂,アルキッド系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含む押えインキで押え印刷層を重ね印刷してなる印刷物。
【請求項8】
被印刷素材の上に、少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、飽和ポリエステル及びブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むホログラムインキで印刷されたホログラム層を形成し、
該ホログラム層の上に、少なくとも、ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,ウレタン系樹脂,セルロース系樹脂,アルキッド系樹脂の中から選択される何れか1種以上の樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含む押えインキで押え印刷層を重ね印刷してなる印刷物。
【請求項9】
被印刷素材の上に、少なくとも、表面に回折格子状のエンボス加工を施した厚さ0.1μm未満、平均粒径5〜100μmのアルミニウムフレークからなる薄片ホログラム顔料と、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー又は飽和ポリエステルと、ブチラール樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むホログラムインキで印刷されたホログラム層を形成し、
該ホログラム層の上に、少なくとも、ビニル系樹脂と、芳香族炭化水素系溶剤,ケトン系溶剤,グリコール系溶剤,脂肪族系溶剤の中から選択される何れか1種以上の溶剤と、を含むオーバーコートインキでオーバーコート層を重ね印刷してなる印刷物。

【公開番号】特開2007−31688(P2007−31688A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114437(P2006−114437)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(592167787)株式会社セイコーアドバンス (13)
【Fターム(参考)】