ホワイトバランス制御装置及び撮像装置
【課題】撮像素子の転送効率によらず補正を正確に行うことができるホワイトバランス制御装置及び撮像装置を提供する。
【解決手段】転送効率検出部70は、CCD36の転送効率を検出。カメラ感度検出部72は、CCD36の感度情報を取得。光源色温度検出部74は、CPU10で算出された光源の色温度情報を取得。駆動周波数検出部76は、CCD36の駆動パルスの周波数を取得。筐体温度検出部78は、カメラ1の筐体温度を検出。WB用積算値補正部80は、CCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源色温度情報、筐体温度に基づきWB用積算値(R/G、B/G)を補正。AE/AWB検出回路62は、分割エリア毎に信号の色別平均積算値を算出しCPU10に提供。CPU10は、分割エリア毎のR/G、B/Gの色空間での分布等に基づき光源種を判別しR、G、B信号へのゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色信号を補正。
【解決手段】転送効率検出部70は、CCD36の転送効率を検出。カメラ感度検出部72は、CCD36の感度情報を取得。光源色温度検出部74は、CPU10で算出された光源の色温度情報を取得。駆動周波数検出部76は、CCD36の駆動パルスの周波数を取得。筐体温度検出部78は、カメラ1の筐体温度を検出。WB用積算値補正部80は、CCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源色温度情報、筐体温度に基づきWB用積算値(R/G、B/G)を補正。AE/AWB検出回路62は、分割エリア毎に信号の色別平均積算値を算出しCPU10に提供。CPU10は、分割エリア毎のR/G、B/Gの色空間での分布等に基づき光源種を判別しR、G、B信号へのゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色信号を補正。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホワイトバランス制御装置及び撮像装置に係り、特にカラー画像に対してホワイトバランス処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCD(Charge Coupled Devices)等の光電変換を利用した撮像素子を用いた撮像装置(電子カメラ、デジタルカメラ)が開発されている。CCDを用いた撮像装置により撮像を行った場合、CCDの各画素には露出時間に応じて信号電荷が蓄積される。各画素に蓄積された信号電荷は、垂直転送路から水平転送路に転送されて画像処理回路に出力される。各画素に蓄積された信号電荷は、各転送路の転送素子のそれぞれに形成されたポテンシャル井戸を介して順次転送される。このとき、信号電荷が次の転送素子に完全に転送されずに残ることにより、この転送素子に残った信号電荷と次の転送による異なる色の信号電荷とが混じって混色を引き起こしてしまう。これに対して、例えば、特許文献1には、転送エラーによる像信号の歪を補正し、測距不良を無くすようにした測距用CCDの信号補正装置について開示されている。また、特許文献2には、TDIイメージセンサの垂直転送効率からTDI段方向に並ぶ各イメージセンサの垂直転送残り量の総和をあらかじめ求め、TDIイメージセンサで試料を撮像したときのTDIイメージセンサの出力から前記あらかじめ求めた垂直転送残り量の総和を減算し、該減算した出力を用いて画像処理する画像処理方法について開示されている。
【特許文献1】特開平7−146139号公報
【特許文献2】特開2004−295709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、上記のような撮像装置には、ホワイトバランス機能が設けられている。ホワイトバランスを行う際には、白やグレーの色情報を用いて撮影光源の色温度を推定して画像を補正する。しかしながら、上記のように画素レベルの混色が発生した場合には、白やグレーの画素が混色することにより、ホワイトバランスの基準となる白やグレーの色情報が正確に検出されず、正確なホワイトバランス補正ができないという問題があった。また、撮影条件下の光源の色温度によっても混色が起こりやすくなり、ホワイトバランスに影響を与えることがあった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮像素子の転送効率の変化等に関わらず、ホワイトバランス補正を正確に行うことができるホワイトバランス制御装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に係るホワイトバランス制御装置は、撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、前記検出されたパラメータに基づいて前記積算値を補正する積算値補正手段と、前記補正された積算値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1に係るホワイトバランス制御装置によれば、転送効率等の撮像素子のパラメータに応じて積算値を補正することにより、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【0007】
請求項2に係るホワイトバランス制御装置は、請求項1において、前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、前記積算値補正手段は、前記R、B、Gの積算値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする。請求項2は、積算値(R/G値及びB/G値)の補正方法を限定したものである。
【0008】
請求項3に係るホワイトバランス制御装置は、請求項1又は2において、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、前記積算値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記色情報を補正することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係るホワイトバランス制御装置によれば、光源情報(例えば、光源の色温度)に基づいて、色情報を補正することにより、正確にホワイトバランス補正を行うことができる。
【0010】
請求項4に係るホワイトバランス制御装置は、撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源を判定するための光源評価値を算出する光源評価値算出手段と、少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、前記検出されたパラメータに基づいて前記光源評価値を補正する光源評価値補正手段と、前記補正された光源評価値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係るホワイトバランス制御装置によれば、撮像素子のパラメータに応じて光源評価値を補正することにより、撮影状況下の光源の判定を正確に行うことができ、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【0012】
請求項5に係るホワイトバランス制御装置は、請求項4において、前記光源評価値補正手段は、G信号とR信号の積算値の差を算出することを特徴とする。請求項5は、光源評価値の種類を限定したものである。
【0013】
請求項6に係るホワイトバランス制御装置は、請求項4又は5において、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、前記光源評価値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする。
【0014】
請求項6に係るホワイトバランス制御装置によれば、光源情報(例えば、光源の色温度)に基づいて、光源評価値を補正することにより、正確にホワイトバランス補正を行うことができる。
【0015】
請求項7に係るホワイトバランス制御装置は、撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、前記算出された積算値からグレーの色情報を取得するグレー取得手段と、少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、前記検出されたパラメータに基づいて、前記グレーの色情報を補正するグレー補正手段と、前記取得されたグレーの色情報に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係るホワイトバランス制御装置によれば、転送効率等の撮像素子のパラメータに応じてホワイトバランスの基準となるグレーの色情報を補正することにより、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【0017】
請求項8に係るホワイトバランス制御装置は、請求項7において、前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、前記グレー補正手段は、前記グレーの色情報のR、B、G値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする。
【0018】
請求項8に係るホワイトバランス制御装置によれば、色情報(R/G値及びB/G値)の補正方法を限定したものである。
【0019】
請求項9に係るホワイトバランス制御装置は、請求項7又は8において、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、前記グレー補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする。
【0020】
請求項9に係るホワイトバランス制御装置によれば、光源情報(例えば、光源の色温度)に基づいて、グレーの色情報を補正することにより、正確にホワイトバランス補正を行うことができる。
【0021】
請求項10に係るホワイトバランス制御装置は、請求項1から9において、前記撮像素子のパラメータは、前記撮像素子の感度、駆動周波数又は温度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。請求項10は、請求項1から9において、撮像素子のパラメータを限定したものである。
【0022】
請求項11に係る撮像装置は、請求項1から10のいずれか1項記載のホワイトバランス制御装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、撮像素子の転送効率、感度、駆動周波数又は温度等の撮像素子のパラメータや、光源の色温度により、WB用積算値、光源評価値又はグレーの色情報を補正することにより、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面に従って本発明に係るホワイトバランス制御装置及びこのホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の好ましい実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明のホワイトバランス制御装置が適用された撮像装置(デジタルカメラ)を例にとって説明するが、本発明は撮像装置を備えた携帯電話や携帯情報端末(PDA)、PCカメラ等にも適用することができる。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図である。図1に示す撮像装置1(以下の説明では、カメラ1と記載する)は、静止画や動画の記録及び再生機能を備えたデジタルカメラであり、カメラ1全体の動作は中央処理装置(CPU)10によって統括制御される。CPU10は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算等、各種演算を実施する演算手段として機能する。電源回路12は、本カメラシステムの各ブロックに電源を供給する。
【0026】
CPU10には、バス14を介してROM(Read Only Memory)16及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)18が接続されている。ROM16には、CPU10が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM18には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
【0027】
また、メモリ(SDRAM、Synchronous Dynamic Random Access Memory)20は、プログラムの展開領域及びCPU10の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。VRAM(Video Random Access Memory)22は、画像データ専用の一時記憶メモリであり、A領域22AとB領域22Bを含んでいる。なお、メモリ20とVRAM22は共用することが可能である。
【0028】
カメラ1には、モード選択スイッチ、撮影ボタン、メニュー/OKキー、十字キー、キャンセルキー等の操作スイッチ群24が設けられている。これら各種の操作スイッチからの信号はCPU10に入力され、CPU10は入力信号に基づいてカメラ1の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像表示装置(液晶モニタ)26の表示制御等を行う。
【0029】
モード選択スイッチは、撮影モードと再生モードとを切り換えるための操作手段である。撮影ボタンは、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にONするS1スイッチと、全押し時にONするS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。メニュー/OKキーは、画像表示装置26の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行等を指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの上/下キーは撮影時のズームスイッチあるいは再生時の再生ズームスイッチとして機能し、左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。キャンセルキーは、選択項目等所望の対象の消去や指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時等に使用される。
【0030】
画像表示装置26は、カラー表示可能な液晶モニタで構成されている。画像表示装置26(以下の説明では、液晶モニタ26と記載する)は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段として利用される。また、液晶モニタ26は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容等の情報が表示される。液晶モニタに代えて、有機EL(electro-luminescence)等他の方式の表示装置を用いることも可能である。
【0031】
カメラ1は、メディアソケット(メディア装着部)28を有し、メディアソケット28には記録メディア30を装着することができる。記録メディア30の形態は特に限定されず、xD-PictureCard(商標)、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の媒体を用いることができる。メディアコントローラ32は、メディアソケット28に装着される記録メディア30に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
【0032】
また、カメラ1は、パーソナルコンピュータその他の外部機器と接続するための通信手段として外部接続インターフェース(I/F)部34を備えている。カメラ1は、図示せぬUSBケーブル等を用いてカメラ1と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。もちろん、通信方式はUSBに限らず、IEEE1394やBluetooth、その他の通信方式を適用してもよい。
【0033】
次に、カメラ1の撮影機能について説明する。モード選択スイッチによって撮影モードが選択されると、カラーCCD固体撮像素子36(以下の説明では、CCD36と記載する)を含む撮像部に電源が供給され、撮影可能な状態になる。
【0034】
レンズユニット38は、フォーカスレンズ40及びズームレンズ42を含む撮影レンズ44と、絞り兼用メカシャッタ46とを含む光学ユニットである。撮影レンズ44のフォーカシングは、フォーカスレンズ40をフォーカスモータ40Aによって移動させることにより行われ、ズーミングは、ズームレンズ42をズームモータ42Aで移動させることにより行われる。フォーカスモータ40Aとズームモータ42Aは、それぞれフォーカスモータドライバ40Bとズームモータドライバ42Bにより駆動制御される。CPU10は、このフォーカスモータドライバ40Bとズームモータドライバ42Bに制御信号を出力して制御する。
【0035】
絞り46は、いわゆるターレット型絞りで構成されており、F2.8からF8の絞り孔が穿孔されたターレット板を回転させて絞り値(F値)を変化させる。この絞り46の駆動はアイリスモータ46Aによって行われる。アイリスモータ46Aはアイリスモータドライバ46Bにより駆動制御される。CPU10は、このアイリスモータドライバ46Bに制御信号を出力して制御する。
【0036】
レンズユニット38を通過した光は、CCD36の受光面に結像される。CCD36の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプ等)で配置されている。また、CCD36は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU10は、タイミングジェネレータ(TG)48を介してCCD36での電荷蓄積時間を制御する。
【0037】
CCD36の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU10の指令に従いTG48から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0038】
CCD36から出力された信号はアナログ処理部(CDS/AMP)50に送られ、ここで画素ごとのR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器52に加えられる。A/D変換器52によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ54を介してメモリ20に記憶される。
【0039】
画像信号処理回路56は、メモリ20に記憶されたR、G、B信号をCPU10の指令に従って処理する。すなわち、画像信号処理回路56は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU10からのコマンドに従ってメモリ20を活用しながら所定の信号処理を行う。
【0040】
画像信号処理回路56に入力されたRGBの画像データは、画像信号処理回路56において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像信号処理回路56で処理された画像データはVRAM22に格納される。
【0041】
撮影画像を液晶モニタ26にモニタ出力する場合、VRAM22から画像データが読み出され、バス14を介してビデオエンコーダ58に送られる。ビデオエンコーダ58は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合画像信号)に変換して液晶モニタ26に出力する。
【0042】
CCD36から出力される画像信号によって、1コマ分の画像を表す画像データがVRAM22のA領域22AとB領域22Bとで交互に書き換えられる。VRAM22のA領域22A及びB領域22Bのうち、画像データが書き換えられている方の領域以外の領域から、書き込まれている画像データが読み出される。このようにしてVRAM22内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される画像信号が液晶モニタ26に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに液晶モニタ26に表示される。撮影者は、液晶モニタ26に表示される映像(スルームービー画)によって撮影画角を確認できる。
【0043】
撮影ボタンが半押しされ、S1がオンすると、カメラ1はAE及びAF処理を開始する。すなわち、CCD36から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ54を介してAF検出回路60並びにAE/AWB検出回路62に入力される。
【0044】
AE/AWB検出回路62は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8又は16×16)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU10に提供する。CPU10は、AE/AWB検出回路62から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定され、これに従いCPU10はCCD36の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
【0045】
また、AE/AWB検出回路62は、自動ホワイトバランス調整時には、分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU10に提供する。CPU10は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値のR/G、B/G軸座標の色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に応じてホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。なお、ホワイトバランス調整の詳細は後述する。
【0046】
カメラ1におけるAF制御は、例えば、画像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカスレンズ40を移動させるコントラストAFが適用される。すなわち、AF検出回路60は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)にあらかじめ設定されているフォーカス対象エリア内の信号を切り出すAFエリア抽出部及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
【0047】
AF検出回路60により求められた積算値のデータはCPU10に通知される。CPU10は、フォーカスモータドライバ40Bを制御してフォーカスレンズ40を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、CPU10は、求めた合焦位置にフォーカスレンズ40を移動させるようにフォーカスモータドライバ40Bを制御する。なお、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
【0048】
撮影ボタンが半押しされ、S1オンによってAE/AF処理が行われ、撮影ボタンが全押しされ、S2オンによって記録用の撮影動作がスタートする。S2オンに応動して取得された画像データは画像信号処理回路56において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ20に格納される。
【0049】
メモリ20に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路64によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ32を介して記録メディア30に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式で記録される。
【0050】
モード選択スイッチにより再生モードが選択されると、記録メディア30に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路64を介して非圧縮のYC信号に伸張され、画像信号処理回路56及びビデオエンコーダ58を介して表示用の信号に変換された後、液晶モニタ26に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ26の画面上に表示される。
【0051】
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア30から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ26に再生表示される。
【0052】
また、再生モード時に、パーソナルコンピュータやテレビ等の外部ディスプレイがビデオ入出力端子66を介してカメラ1に接続されている場合には、記録メディア30に記録されている画像データはビデオ出力回路68により処理されて、この外部ディスプレイに再生表示される。
【0053】
本実施形態のカメラ1は、転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、光源色温度検出部74、駆動周波数検出部76、筐体温度検出部78及びWB用積算値補正部80を更に備える。
【0054】
転送効率検出部70は、CCD36の転送効率を検出する装置である。ここで、転送効率の算出方法について、図2を参照して説明する。図2は、CCD36における電荷の転送経路を模式的に示す図である。図2に示すように、CCD36は、撮影レンズ30を介して入射した光が結像し、画像の取り込みに使用される有効画素領域と、画像の取り込みに使用されない、有効画素領域の周囲の無効なオプティカルブラック(OB)領域に分けられる。
【0055】
カメラ1により被写体(例えば、単色のチャート)が撮像されると、CCD36の各画素に電荷が蓄積される。この電荷は、垂直転送路90を通って垂直方向の1画素分が垂直転送された後、水平転送路92を通って水平転送される。そして、この電荷は、電荷−電圧変換器94によって電圧に変換されて、アナログ信号処理回路42に出力される。これを垂直方向の画素数分繰り返すことにより、CCD36の全ての画素の電荷が読み出される。
【0056】
転送効率検出部70は、有効画素領域からOB領域に変わる境目の領域において、OB領域側の1画素96Bの電圧値を取得する。このOB領域側の1画素96Bの電圧値は、有効画素領域側の1画素96Aを転送時の電荷の取り残し分に相当している。転送効率検出部70は、この画素96A及び96Bの電圧値に基づいてCCD36の転送効率を算出する。
【0057】
なお、本実施形態では、転送効率検出部70により転送効率を算出するのではなく、転送効率の値をメモリ20等にあらかじめ記憶しておき、転送効率検出部70がこれを取得するようにしてもよい。メモリ20には、例えば、電源投入後の経過時間ごとの転送効率が記憶されるようにしてもよい。
【0058】
以下、図1の説明に戻る。カメラ感度検出部72は、撮像時に設定されたCCD36の感度(ISO)情報を取得する。光源色温度検出部74は、上記CPU10によって算出された光源の色温度情報を取得する。駆動周波数検出部76は、TG48から出力される駆動パルスの周波数(CCD36の駆動周波数情報)を取得する。筐体温度検出部78は、カメラ1の筐体の温度を検出する。なお、本実施形態では、カメラ1の筐体の温度の代わりに、CCD36、アナログ処理部50及びA/D変換器52を含む、アナログ信号を処理するブロックの温度を検出するようにしてもよい。
【0059】
WB用積算値補正部80は、上記において検出されたCCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源の色温度情報、筐体温度に基づいてホワイトバランス(WB)用積算値データ(R/G、B/G)を補正する。
【0060】
次に、本発明に係るオートホワイトバランス調整方法について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るホワイトバランス調整の処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
まず、撮影ボタンが押されると、被写体の撮影が行われる。この撮影時にCCD36から得られたR、G、B信号は一旦メモリ20に格納される。CPU10は、メモリ20に格納されているR、G、B信号を用いて、1画面が16×16に分割された256個の分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、分割エリアごとにR、G、Bの平均積算値の比、すなわち、R/G及びB/Gの比(WB用積算値)を算出する(ステップS10)。そして、このWB用積算値は、上記WB用積算値補正部80によって補正される。なお、このWB用積算値の補正方法については後述する。
【0062】
このようにして算出された256個の分割エリアごとの色情報は、前記R/G、B/Gの値に基づいて図4に示すR/G、B/G軸座標の色空間上で分布する256個の点として表すことができる。
【0063】
次に、光源の色温度を算出する(ステップS12)。CPU10は、R/G、B/G軸座標の色空間上で分布する256個の色情報のうちの相互に近似している色情報の集合(以下の説明では、「カタマリ」と記載する)の重心位置を算出する。そして、上記カタマリの重心位置が示す色情報の色温度を検出する。なお、上記色情報のカタマリが生じる理由は、被写体が或る色温度の光源によって照明されているからである。従って、カタマリの重心位置の色情報と最も近似する色情報を有する光源種(例えば、図5に示す青空、日陰1〜4、昼光色1〜4、晴れ、昼白色1、2、白色1、2、温白色1〜4、タングステン1〜4、低タングステン等)を求めることで撮影時の光源種を自動判別することもできる。
【0064】
その次に、ステップS12において検出した色温度に対応する黒体軌跡上の色情報の所定の色順応後の色情報を目標値として設定して、ホワイトバランスのゲインを算出する(ステップS14)。ステップS14では、検出した色温度に対応する黒体軌跡上の色情報そのものではなく、色順応による“人間の本来の見え”とするために、色順応後の色情報を目標値として設定する。このときの色順応後の色情報は、例えば、CIE(国際照明委員会)の色順応予測式によって予測される値とすることができる。
【0065】
そして、R/G、B/G座標系のカタマリ重心位置の座標を(Xi、Yi)とし、目標値の座標を(Xj、Yj)とすると、座標(Xi、Yi)が座標(Xj、Yj)にくるようにホワイトバランスゲイン(WBゲイン)を求める。いま、求めるWBゲインをgri、gbiとすると、gri、gbiは、次式:gri=Xj/Xi、gbi=Yj/Yiにより表すことができる。
【0066】
以上のようにして求めたWBゲインgri、gbiから、図1のメモリ20に保存したR、G、B信号に対するR、G、Bゲイン値(WB補正値)を求める。なお、G信号に付与する所要のゲイン値を、上記WBゲインgri、gbiに乗算することによりR、B信号に付与するR、Bゲイン値を求めることができる。また、G信号に付与する所要のゲイン値を1とした場合には、上記WBゲインgri、gbiがそのままR、B信号に付与するR、Bゲイン値となる。
【0067】
そして、上記R、G、Bゲイン値(WB補正値)によりメモリ20に保存したR、G、B信号を補正する。これによりホワイトバランス調整が行われる(ステップS16)。
【0068】
このように“光源の見え”から完全順応までの間の色を目標値に設定してホワイトバランス調整を行なうことにより、例えば、タングステン光源では少し赤みを抜くようなホワイトバランス調整が行われ、すっきりとした自然な色合いとなる。
【0069】
なお、この実施の形態では、複数の分割エリアの色情報が分布する色空間上のカタマリの重心位置により光源種に関わる色情報を求めるようにしたが、これに限らず、R/G、B/Gの色空間上に、図5に示したような青空、日陰1〜4、昼光色1〜4、晴れ、昼白色1、2、白色1、2、温白色1〜4、タングステン1〜4、低タングステン等の光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を設定し、各分割エリアごとの色情報に基づいて各検出枠に色情報が入る分割エリアの個数を求め、被写体の輝度レベル及び検出枠に入る分割エリアの個数に基づいて光源種を判別し、その光源種に対応する検出枠の中心座標を撮影状況下の光源種に関わる色情報として求めるようにしてもよい。
【0070】
次に、WB用積算値の補正方法について説明する。図6は、ホワイトバランスの積算値の補正方法を示すグラフである。図6において、横軸はCCD36の転送効率であり、縦軸はWB用積算値である。図6の破線L1及びL2に示すように、CCD36の転送効率が低下すると、アナログレベルで画素混合が起こるため、転送効率が100%の場合と比べてWB用積算値がずれてしまう。本実施形態では、CCD36の転送効率ごとにWB用積算値の変化をあらかじめ測定しておく。この測定結果に基づいて、WB用積算値のずれを補正するためのWB用積算値補正係数1を転送効率ごとに算出する。このWB用積算値補正係数1は、積算値R/G及びB/Gごとに算出される。そして、この転送効率とWB用積算値補正係数1の関係が記録されたテーブル(WB用積算値補正係数1テーブル)はメモリ20に格納される。
【0071】
図7は、転送効率とWB用積算値補正係数1との関係を示すWB用積算値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフである。図7の実線L3に示すように、WB用積算値R/Gに掛けるWB用積算値補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて大きくなっている。一方、図7の実線L4に示すように、WB用積算値B/Gに掛けるWB用積算値補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて小さくなっている。
【0072】
WB用積算値補正部72は、上記転送効率検出部70によって検出されたCCD36の転送効率に応じて、上記WB用積算値補正係数1テーブルからWB用積算値R/G及びB/Gに対応するWB用積算値補正係数1を選択してWB用積算値と掛算する。これにより、図6の実線L1′及びL2′に示すように転送効率が100%の場合の値に近づくようにWB用積算値R/G及びB/Gが補正される。
【0073】
また、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度についても、WB用積算値補正係数があらかじめ設定されている。WB用積算値補正部72は、上記において検出されたCCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に基づいて、対応するWB用積算値補正係数を選択してWB用積算値と掛算する。これにより、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化によって生じる画素混合によるWB用積算値のずれを補正することができる。なお、以下の説明では、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応して設定されるWB用積算値補正係数をそれぞれWB用積算値補正係数2から5と記載する。
【0074】
なお、WB用積算値補正係数は、WB用積算値R/G及びB/Gの2つの値ごとに算出されるようにしたが、例えば、R、G、Bの3つの値のうち少なくとも1つの値に掛ける係数が設定されるようにしてもよい。
【0075】
次に、WB用積算値の補正処理の流れについて、図8のフローチャートを参照して説明する。図8は、WB用積算値の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
まず、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって、CCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度が取得される(ステップS30)。次に、ステップS30において検出されたCCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度に基づいて、WB用積算値R/G及びB/Gに掛けるWB用積算値補正係数1から5がそれぞれ2つずつ取得される(ステップS32からステップS40)。そして、下記式(1)に示すように、WB用積算値R/G及びB/GにWB用積算値補正係数1から5を掛けられてWB用積算値R/G及びB/Gが補正される(ステップS42)。
【0077】
[補正されたWB用積算値(R/G又はB/G)]=[WB用積算値(R/G又はB/G)]×(WB用積算値補正係数1)×(WB用積算値補正係数2)×(WB用積算値補正係数3)×(WB用積算値補正係数4)×(WB用積算値補正係数5)…(1)
本実施形態によれば、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化により生じる画素混合によるWB用積算値のずれを補正することができるので、正確なホワイトバランス制御を行うことができる。
【0078】
なお、本実施形態では、WB用積算値R/G及びB/GにWB用積算値補正係数1から5を掛ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下記の式(2)に示すように、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応するWB用積算値の補正値(それぞれWB用積算値補正値1から5)をWB用積算値R/G及びB/Gに加えるようにしてもよい。なお、WB用積算値を補正する方法としては、加減乗除のいずれを用いてもよい。
【0079】
[補正されたWB用積算値(R/G又はB/G)]=[WB用積算値(R/G又はB/G)]+(WB用積算値補正値1)+(WB用積算値補正値2)+(WB用積算値補正値3)+(WB用積算値補正値4)+(WB用積算値補正値5)…(2)
次に、本発明の第2の実施形態について、図9から図12を参照して説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図9に示すように、本実施形態の撮像装置(カメラ)1は、光源評価値補正部82及び光源判定部84を備える。光源評価値補正部82は、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって検出されたCCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源の色温度情報、筐体温度に基づいて光源評価値を補正する。ここで、光源評価値とは、例えば、RとBの積算値の差(B−R)又は(R−B)である。なお、光源評価値としては、上記のほか、例えば、R/G及びB/Gや色差信号(B−Y、R−Y及びG−Y)を用いることができる。光源判定部84は、上記光源評価値補正部98によって補正された光源評価値に基づいて光源の種類を判定する。
【0081】
図10は、光源評価値の補正方法を示すグラフである。図10において、横軸はCCD36の光源評価値であり、縦軸は明るさである。図10に示すように、CCD36の転送効率が低下すると、アナログレベルで画素混合が起こるため、転送効率が100%の場合と比べて光源評価値がずれてしまう。
【0082】
本実施形態では、CCD36の転送効率ごとに光源評価値の変化をあらかじめ測定しておく。この測定結果に基づいて、光源評価値のずれを補正するための光源評価値補正係数1を転送効率ごとに算出する。そして、この転送効率と光源評価値補正係数1の関係が記録されたテーブル(光源評価値補正係数1テーブル)はメモリ20に格納される。
【0083】
図11は、転送効率と光源評価値補正係数1との関係を示す光源評価値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフである。図10に示す例では、CCD36の転送効率の低下により光源評価値が低下して、蛍光灯光源をタングステン光源と誤認識するおそれがある。そこで、図11に示すように、光源評価値に掛ける光源評価値補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて大きくなっている。
【0084】
光源評価値補正部82は、上記転送効率検出部70によって検出されたCCD36の転送効率に応じて、上記光源評価値補正係数1テーブルから光源評価値補正係数1を選択して光源評価値と掛算する。これにより、図10に示すように転送効率が100%の場合の値に近づくように光源評価値が補正される。
【0085】
また、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度についても、光源評価値補正係数があらかじめ設定されている。光源評価値補正部82は、上記において検出されたCCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に基づいて、対応する光源評価値補正係数を選択して光源評価値と掛算する。これにより、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化によって生じる画素混合による光源評価値のずれを補正することができる。なお、以下の説明では、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応して設定される光源評価値補正係数をそれぞれ光源評価値補正係数2から5と記載する。
【0086】
次に、光源評価値の補正処理の流れについて、図12のフローチャートを参照して説明する。図12は、光源評価値の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
まず、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって、CCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度が取得される(ステップS50)。次に、ステップS50において検出されたCCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度に基づいて、光源評価値補正係数1から5が取得される(ステップS52からステップS60)。そして、下記式(3)に示すように、光源評価値に光源評価値補正係数1から5を掛けられて光源評価値が補正される(ステップS62)。
【0088】
(補正された光源評価値)=(光源評価値)×(光源評価値補正係数1)×(光源評価値補正係数2)×(光源評価値補正係数3)×(光源評価値補正係数4)×(光源評価値補正係数5)…(3)
本実施形態によれば、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化により生じる画素混合による光源評価値のずれを補正することができるので、正確な光源判定ができ、正確なホワイトバランス制御を行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態では、光源評価値に光源評価値補正係数1から5を掛ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下記の式(4)に示すように、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応する光源評価値の補正値(それぞれ光源評価値補正値1から5)を光源評価値に加えるようにしてもよい。なお、光源評価値を補正する方法としては、加減乗除のいずれを用いてもよい。
【0090】
(補正された光源評価値)=(光源評価値)+(光源評価値補正値1)+(光源評価値補正値2)+(光源評価値補正値3)+(光源評価値補正値4)+(光源評価値補正値5)…(4)
次に、本発明の第3の実施形態について、図13から図16を参照して説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上記第1及び第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
図13に示すように、本実施形態の撮像装置(カメラ)1は、目標座標補正部86及び目標座標決定部88を備える。目標座標補正部86は、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって検出されたCCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源の色温度情報、筐体温度に基づいて、R/G,B/G色座標を補正する。目標座標決定部88は、上記目標座標補正部86によって補正されたR/G,B/G色座標に基づいて、ホワイトバランスの基準となるグレーの座標(R/G,B/G)=(1,1)を決定する。
【0092】
図14は、目標座標の補正方法を示すグラフである。図14において、横軸はCCD36の転送効率であり、縦軸はグレーの座標(R/G,B/G)である。図14に示すように、転送効率が100%の場合には、座標(R/G,B/G)=(1,1)がグレーの目標座標に設定される。しかしながら、CCD36の転送効率が低下すると、アナログレベルで画素混合が起こるため、転送効率が100%の場合と比べて目標座標がずれてしまう。
【0093】
本実施形態では、CCD36の転送効率ごとに目標座標の変化をあらかじめ測定しておく。この測定結果に基づいて、目標座標のずれを補正するためのグレー補正係数1を転送効率ごとに算出する。そして、この転送効率とグレー補正係数1の関係が記録されたテーブル(グレー補正係数1テーブル)はメモリ20に格納される。
【0094】
図15は、転送効率とグレー補正係数1との関係を示すグレー補正係数1テーブルの一部を図示したグラフである。図14に示す例では、CCD36の転送効率の低下により目標座標B/G(実線L5)が増加して、目標座標R/G(実線L6)が減少している。したがって、図15の実線L7に示すように、目標座標B/Gに掛けるグレー補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて小さくなっている。一方、図15の実線L8に示すように、目標座標R/Gに掛けるグレー補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて大きくなっている。
【0095】
目標座標補正部86は、上記転送効率検出部70によって検出されたCCD36の転送効率に応じて、上記グレー補正係数1テーブルからグレー補正係数1を選択して、対応する上記CPU10によって画像中の分割領域ごとに算出されたR/G座標及びB/G座標と掛算する。これにより、図14の実線L5′及びL6′に示すように転送効率が100%の場合の値(R/G,B/G)=(1,1)に近づくように目標座標R/G及びB/Gが補正される。
【0096】
なお、図14では、補正後の目標座標を示す実線L5′及びL6′が図をみやすくするために離れて図示されているが、実際には、実線L5′及びL6′はともに対G比の値が1.0の直線になるように補正されることが好ましい。
【0097】
また、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度についても、グレー補正係数があらかじめ設定されている。座標補正部86は、上記において検出されたCCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に基づいて、対応するグレー補正係数を選択してR/G座標及びB/G座標と掛算する。これにより、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化によって生じる画素混合による目標座標のずれを補正することができる。なお、以下の説明では、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応して設定されるグレー補正係数をそれぞれグレー補正係数2から5と記載する。
【0098】
次に、目標座標の補正処理の流れについて、図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、目標座標の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0099】
まず、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって、CCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度が取得される(ステップS70)。次に、ステップS70において検出されたCCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度に基づいて、グレー補正係数1から5がR/G及びB/Gに対して2つずつ取得される(ステップS72からステップS80)。そして、下記式(5)及び(6)に示すように、R/G座標及びB/G座標にグレー補正係数1から5を掛けられて目標座標が補正される(ステップS82)。
【0100】
(グレー補正値)=(グレー補正係数1)×(グレー補正係数2)×(グレー補正係数3)×(グレー補正係数4)×(グレー補正係数5)…(5)
(補正されたR/G座標及びB/G座標)=(R/G座標及びB/G座標)×(R/G座標及びB/G座標のグレー補正値)…(6)
本実施形態によれば、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化により生じる画素混合による目標座標のずれを補正することができるので、正確なホワイトバランス制御を行うことができる。
【0101】
なお、本実施形態では、R/G座標及びB/G座標に対応するグレー補正係数1から5を掛ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下記の式(7)に示すように、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応するR/G座標及びB/G座標の補正値(それぞれグレー補正値1から5)をR/G座標及びB/G座標に加えるようにしてもよい。なお、R/G座標及びB/G座標を補正する方法としては、加減乗除のいずれを用いてもよい。
【0102】
(補正されたR/G座標及びB/G座標)=(R/G座標及びB/G座標)+(グレー補正値1)+(グレー補正値2)+(グレー補正値3)+(グレー補正値4)+(グレー補正値5)…(7)
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図
【図2】CCD36における電荷の転送経路を模式的に示す図
【図3】本発明の一実施形態に係るホワイトバランス調整の処理の流れを示すフローチャート
【図4】R/G、B/G色空間におけるWB用積算値の分布を模式的に示すグラフ
【図5】R/G、B/G色空間における黒体の色変化の軌跡を示すグラフ
【図6】ホワイトバランスの積算値の補正方法を示すグラフ
【図7】転送効率とWB用積算値補正係数1との関係を示すWB用積算値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフ
【図8】WB用積算値の補正処理の流れを示すフローチャート
【図9】本発明の第2の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図
【図10】光源評価値の補正方法を示すグラフ
【図11】転送効率と光源評価値補正係数1との関係を示す光源評価値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフ
【図12】光源評価値の補正処理の流れを示すフローチャート
【図13】本発明の第3の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図
【図14】目標座標の補正方法を示すグラフ
【図15】転送効率とグレー補正係数1との関係を示すグレー補正係数1テーブルの一部を図示したグラフ
【図16】目標座標の補正処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0104】
1…撮像装置(カメラ)、10…中央処理装置(CPU)、12…電源回路、14…バス、16…ROM、18…EEPROM、20…メモリ(SDRAM)、22…VRAM、24…操作スイッチ群、26…画像表示装置(液晶モニタ)、28…メディアソケット、30…記録メディア、32…メディアコントローラ、34…外部接続インターフェース(I/F)部、36…CCD、38…レンズユニット、40…フォーカスレンズ、42…ズームレンズ、44…撮影レンズ、46…絞り兼用メカシャッタ、48…タイミングジェネレータ(TG)、50…アナログ処理部(CDS/AMP)、52…A/D変換器、54…画像入力コントローラ、56…画像信号処理回路、58…ビデオエンコーダ、60…AF検出回路、62…AE/AWB検出回路、64…圧縮伸張回路、66…ビデオ入出力端子、68…ビデオ出力回路、70…転送効率検出部、72…カメラ感度検出部、74…光源色温度検出部、76…駆動周波数検出部、78…筐体温度検出部、80…WB用積算値補正部、82…光源評価値補正部、84…光源判定部、86…座標補正部、88…目標座標決定部、90…垂直転送路、92…水平転送路、94…電荷−電圧変換器、96A…有効画素領域からOB領域に変わる境目の有効画素領域側の1画素、96B…有効画素領域からOB領域に変わる境目のOB領域側の1画素
【技術分野】
【0001】
本発明はホワイトバランス制御装置及び撮像装置に係り、特にカラー画像に対してホワイトバランス処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCD(Charge Coupled Devices)等の光電変換を利用した撮像素子を用いた撮像装置(電子カメラ、デジタルカメラ)が開発されている。CCDを用いた撮像装置により撮像を行った場合、CCDの各画素には露出時間に応じて信号電荷が蓄積される。各画素に蓄積された信号電荷は、垂直転送路から水平転送路に転送されて画像処理回路に出力される。各画素に蓄積された信号電荷は、各転送路の転送素子のそれぞれに形成されたポテンシャル井戸を介して順次転送される。このとき、信号電荷が次の転送素子に完全に転送されずに残ることにより、この転送素子に残った信号電荷と次の転送による異なる色の信号電荷とが混じって混色を引き起こしてしまう。これに対して、例えば、特許文献1には、転送エラーによる像信号の歪を補正し、測距不良を無くすようにした測距用CCDの信号補正装置について開示されている。また、特許文献2には、TDIイメージセンサの垂直転送効率からTDI段方向に並ぶ各イメージセンサの垂直転送残り量の総和をあらかじめ求め、TDIイメージセンサで試料を撮像したときのTDIイメージセンサの出力から前記あらかじめ求めた垂直転送残り量の総和を減算し、該減算した出力を用いて画像処理する画像処理方法について開示されている。
【特許文献1】特開平7−146139号公報
【特許文献2】特開2004−295709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、上記のような撮像装置には、ホワイトバランス機能が設けられている。ホワイトバランスを行う際には、白やグレーの色情報を用いて撮影光源の色温度を推定して画像を補正する。しかしながら、上記のように画素レベルの混色が発生した場合には、白やグレーの画素が混色することにより、ホワイトバランスの基準となる白やグレーの色情報が正確に検出されず、正確なホワイトバランス補正ができないという問題があった。また、撮影条件下の光源の色温度によっても混色が起こりやすくなり、ホワイトバランスに影響を与えることがあった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮像素子の転送効率の変化等に関わらず、ホワイトバランス補正を正確に行うことができるホワイトバランス制御装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に係るホワイトバランス制御装置は、撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、前記検出されたパラメータに基づいて前記積算値を補正する積算値補正手段と、前記補正された積算値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1に係るホワイトバランス制御装置によれば、転送効率等の撮像素子のパラメータに応じて積算値を補正することにより、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【0007】
請求項2に係るホワイトバランス制御装置は、請求項1において、前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、前記積算値補正手段は、前記R、B、Gの積算値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする。請求項2は、積算値(R/G値及びB/G値)の補正方法を限定したものである。
【0008】
請求項3に係るホワイトバランス制御装置は、請求項1又は2において、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、前記積算値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記色情報を補正することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係るホワイトバランス制御装置によれば、光源情報(例えば、光源の色温度)に基づいて、色情報を補正することにより、正確にホワイトバランス補正を行うことができる。
【0010】
請求項4に係るホワイトバランス制御装置は、撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源を判定するための光源評価値を算出する光源評価値算出手段と、少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、前記検出されたパラメータに基づいて前記光源評価値を補正する光源評価値補正手段と、前記補正された光源評価値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係るホワイトバランス制御装置によれば、撮像素子のパラメータに応じて光源評価値を補正することにより、撮影状況下の光源の判定を正確に行うことができ、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【0012】
請求項5に係るホワイトバランス制御装置は、請求項4において、前記光源評価値補正手段は、G信号とR信号の積算値の差を算出することを特徴とする。請求項5は、光源評価値の種類を限定したものである。
【0013】
請求項6に係るホワイトバランス制御装置は、請求項4又は5において、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、前記光源評価値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする。
【0014】
請求項6に係るホワイトバランス制御装置によれば、光源情報(例えば、光源の色温度)に基づいて、光源評価値を補正することにより、正確にホワイトバランス補正を行うことができる。
【0015】
請求項7に係るホワイトバランス制御装置は、撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、前記算出された積算値からグレーの色情報を取得するグレー取得手段と、少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、前記検出されたパラメータに基づいて、前記グレーの色情報を補正するグレー補正手段と、前記取得されたグレーの色情報に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係るホワイトバランス制御装置によれば、転送効率等の撮像素子のパラメータに応じてホワイトバランスの基準となるグレーの色情報を補正することにより、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【0017】
請求項8に係るホワイトバランス制御装置は、請求項7において、前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、前記グレー補正手段は、前記グレーの色情報のR、B、G値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする。
【0018】
請求項8に係るホワイトバランス制御装置によれば、色情報(R/G値及びB/G値)の補正方法を限定したものである。
【0019】
請求項9に係るホワイトバランス制御装置は、請求項7又は8において、前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、前記グレー補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする。
【0020】
請求項9に係るホワイトバランス制御装置によれば、光源情報(例えば、光源の色温度)に基づいて、グレーの色情報を補正することにより、正確にホワイトバランス補正を行うことができる。
【0021】
請求項10に係るホワイトバランス制御装置は、請求項1から9において、前記撮像素子のパラメータは、前記撮像素子の感度、駆動周波数又は温度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。請求項10は、請求項1から9において、撮像素子のパラメータを限定したものである。
【0022】
請求項11に係る撮像装置は、請求項1から10のいずれか1項記載のホワイトバランス制御装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、撮像素子の転送効率、感度、駆動周波数又は温度等の撮像素子のパラメータや、光源の色温度により、WB用積算値、光源評価値又はグレーの色情報を補正することにより、正確なホワイトバランス補正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面に従って本発明に係るホワイトバランス制御装置及びこのホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の好ましい実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明のホワイトバランス制御装置が適用された撮像装置(デジタルカメラ)を例にとって説明するが、本発明は撮像装置を備えた携帯電話や携帯情報端末(PDA)、PCカメラ等にも適用することができる。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図である。図1に示す撮像装置1(以下の説明では、カメラ1と記載する)は、静止画や動画の記録及び再生機能を備えたデジタルカメラであり、カメラ1全体の動作は中央処理装置(CPU)10によって統括制御される。CPU10は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算等、各種演算を実施する演算手段として機能する。電源回路12は、本カメラシステムの各ブロックに電源を供給する。
【0026】
CPU10には、バス14を介してROM(Read Only Memory)16及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)18が接続されている。ROM16には、CPU10が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM18には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
【0027】
また、メモリ(SDRAM、Synchronous Dynamic Random Access Memory)20は、プログラムの展開領域及びCPU10の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。VRAM(Video Random Access Memory)22は、画像データ専用の一時記憶メモリであり、A領域22AとB領域22Bを含んでいる。なお、メモリ20とVRAM22は共用することが可能である。
【0028】
カメラ1には、モード選択スイッチ、撮影ボタン、メニュー/OKキー、十字キー、キャンセルキー等の操作スイッチ群24が設けられている。これら各種の操作スイッチからの信号はCPU10に入力され、CPU10は入力信号に基づいてカメラ1の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像表示装置(液晶モニタ)26の表示制御等を行う。
【0029】
モード選択スイッチは、撮影モードと再生モードとを切り換えるための操作手段である。撮影ボタンは、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にONするS1スイッチと、全押し時にONするS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。メニュー/OKキーは、画像表示装置26の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行等を指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの上/下キーは撮影時のズームスイッチあるいは再生時の再生ズームスイッチとして機能し、左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。キャンセルキーは、選択項目等所望の対象の消去や指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時等に使用される。
【0030】
画像表示装置26は、カラー表示可能な液晶モニタで構成されている。画像表示装置26(以下の説明では、液晶モニタ26と記載する)は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段として利用される。また、液晶モニタ26は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容等の情報が表示される。液晶モニタに代えて、有機EL(electro-luminescence)等他の方式の表示装置を用いることも可能である。
【0031】
カメラ1は、メディアソケット(メディア装着部)28を有し、メディアソケット28には記録メディア30を装着することができる。記録メディア30の形態は特に限定されず、xD-PictureCard(商標)、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の媒体を用いることができる。メディアコントローラ32は、メディアソケット28に装着される記録メディア30に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
【0032】
また、カメラ1は、パーソナルコンピュータその他の外部機器と接続するための通信手段として外部接続インターフェース(I/F)部34を備えている。カメラ1は、図示せぬUSBケーブル等を用いてカメラ1と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。もちろん、通信方式はUSBに限らず、IEEE1394やBluetooth、その他の通信方式を適用してもよい。
【0033】
次に、カメラ1の撮影機能について説明する。モード選択スイッチによって撮影モードが選択されると、カラーCCD固体撮像素子36(以下の説明では、CCD36と記載する)を含む撮像部に電源が供給され、撮影可能な状態になる。
【0034】
レンズユニット38は、フォーカスレンズ40及びズームレンズ42を含む撮影レンズ44と、絞り兼用メカシャッタ46とを含む光学ユニットである。撮影レンズ44のフォーカシングは、フォーカスレンズ40をフォーカスモータ40Aによって移動させることにより行われ、ズーミングは、ズームレンズ42をズームモータ42Aで移動させることにより行われる。フォーカスモータ40Aとズームモータ42Aは、それぞれフォーカスモータドライバ40Bとズームモータドライバ42Bにより駆動制御される。CPU10は、このフォーカスモータドライバ40Bとズームモータドライバ42Bに制御信号を出力して制御する。
【0035】
絞り46は、いわゆるターレット型絞りで構成されており、F2.8からF8の絞り孔が穿孔されたターレット板を回転させて絞り値(F値)を変化させる。この絞り46の駆動はアイリスモータ46Aによって行われる。アイリスモータ46Aはアイリスモータドライバ46Bにより駆動制御される。CPU10は、このアイリスモータドライバ46Bに制御信号を出力して制御する。
【0036】
レンズユニット38を通過した光は、CCD36の受光面に結像される。CCD36の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプ等)で配置されている。また、CCD36は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU10は、タイミングジェネレータ(TG)48を介してCCD36での電荷蓄積時間を制御する。
【0037】
CCD36の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU10の指令に従いTG48から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0038】
CCD36から出力された信号はアナログ処理部(CDS/AMP)50に送られ、ここで画素ごとのR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器52に加えられる。A/D変換器52によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ54を介してメモリ20に記憶される。
【0039】
画像信号処理回路56は、メモリ20に記憶されたR、G、B信号をCPU10の指令に従って処理する。すなわち、画像信号処理回路56は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU10からのコマンドに従ってメモリ20を活用しながら所定の信号処理を行う。
【0040】
画像信号処理回路56に入力されたRGBの画像データは、画像信号処理回路56において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像信号処理回路56で処理された画像データはVRAM22に格納される。
【0041】
撮影画像を液晶モニタ26にモニタ出力する場合、VRAM22から画像データが読み出され、バス14を介してビデオエンコーダ58に送られる。ビデオエンコーダ58は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合画像信号)に変換して液晶モニタ26に出力する。
【0042】
CCD36から出力される画像信号によって、1コマ分の画像を表す画像データがVRAM22のA領域22AとB領域22Bとで交互に書き換えられる。VRAM22のA領域22A及びB領域22Bのうち、画像データが書き換えられている方の領域以外の領域から、書き込まれている画像データが読み出される。このようにしてVRAM22内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される画像信号が液晶モニタ26に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに液晶モニタ26に表示される。撮影者は、液晶モニタ26に表示される映像(スルームービー画)によって撮影画角を確認できる。
【0043】
撮影ボタンが半押しされ、S1がオンすると、カメラ1はAE及びAF処理を開始する。すなわち、CCD36から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ54を介してAF検出回路60並びにAE/AWB検出回路62に入力される。
【0044】
AE/AWB検出回路62は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8又は16×16)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU10に提供する。CPU10は、AE/AWB検出回路62から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定され、これに従いCPU10はCCD36の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
【0045】
また、AE/AWB検出回路62は、自動ホワイトバランス調整時には、分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU10に提供する。CPU10は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値のR/G、B/G軸座標の色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に応じてホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。なお、ホワイトバランス調整の詳細は後述する。
【0046】
カメラ1におけるAF制御は、例えば、画像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカスレンズ40を移動させるコントラストAFが適用される。すなわち、AF検出回路60は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)にあらかじめ設定されているフォーカス対象エリア内の信号を切り出すAFエリア抽出部及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
【0047】
AF検出回路60により求められた積算値のデータはCPU10に通知される。CPU10は、フォーカスモータドライバ40Bを制御してフォーカスレンズ40を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、CPU10は、求めた合焦位置にフォーカスレンズ40を移動させるようにフォーカスモータドライバ40Bを制御する。なお、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
【0048】
撮影ボタンが半押しされ、S1オンによってAE/AF処理が行われ、撮影ボタンが全押しされ、S2オンによって記録用の撮影動作がスタートする。S2オンに応動して取得された画像データは画像信号処理回路56において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ20に格納される。
【0049】
メモリ20に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路64によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ32を介して記録メディア30に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式で記録される。
【0050】
モード選択スイッチにより再生モードが選択されると、記録メディア30に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路64を介して非圧縮のYC信号に伸張され、画像信号処理回路56及びビデオエンコーダ58を介して表示用の信号に変換された後、液晶モニタ26に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ26の画面上に表示される。
【0051】
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア30から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ26に再生表示される。
【0052】
また、再生モード時に、パーソナルコンピュータやテレビ等の外部ディスプレイがビデオ入出力端子66を介してカメラ1に接続されている場合には、記録メディア30に記録されている画像データはビデオ出力回路68により処理されて、この外部ディスプレイに再生表示される。
【0053】
本実施形態のカメラ1は、転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、光源色温度検出部74、駆動周波数検出部76、筐体温度検出部78及びWB用積算値補正部80を更に備える。
【0054】
転送効率検出部70は、CCD36の転送効率を検出する装置である。ここで、転送効率の算出方法について、図2を参照して説明する。図2は、CCD36における電荷の転送経路を模式的に示す図である。図2に示すように、CCD36は、撮影レンズ30を介して入射した光が結像し、画像の取り込みに使用される有効画素領域と、画像の取り込みに使用されない、有効画素領域の周囲の無効なオプティカルブラック(OB)領域に分けられる。
【0055】
カメラ1により被写体(例えば、単色のチャート)が撮像されると、CCD36の各画素に電荷が蓄積される。この電荷は、垂直転送路90を通って垂直方向の1画素分が垂直転送された後、水平転送路92を通って水平転送される。そして、この電荷は、電荷−電圧変換器94によって電圧に変換されて、アナログ信号処理回路42に出力される。これを垂直方向の画素数分繰り返すことにより、CCD36の全ての画素の電荷が読み出される。
【0056】
転送効率検出部70は、有効画素領域からOB領域に変わる境目の領域において、OB領域側の1画素96Bの電圧値を取得する。このOB領域側の1画素96Bの電圧値は、有効画素領域側の1画素96Aを転送時の電荷の取り残し分に相当している。転送効率検出部70は、この画素96A及び96Bの電圧値に基づいてCCD36の転送効率を算出する。
【0057】
なお、本実施形態では、転送効率検出部70により転送効率を算出するのではなく、転送効率の値をメモリ20等にあらかじめ記憶しておき、転送効率検出部70がこれを取得するようにしてもよい。メモリ20には、例えば、電源投入後の経過時間ごとの転送効率が記憶されるようにしてもよい。
【0058】
以下、図1の説明に戻る。カメラ感度検出部72は、撮像時に設定されたCCD36の感度(ISO)情報を取得する。光源色温度検出部74は、上記CPU10によって算出された光源の色温度情報を取得する。駆動周波数検出部76は、TG48から出力される駆動パルスの周波数(CCD36の駆動周波数情報)を取得する。筐体温度検出部78は、カメラ1の筐体の温度を検出する。なお、本実施形態では、カメラ1の筐体の温度の代わりに、CCD36、アナログ処理部50及びA/D変換器52を含む、アナログ信号を処理するブロックの温度を検出するようにしてもよい。
【0059】
WB用積算値補正部80は、上記において検出されたCCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源の色温度情報、筐体温度に基づいてホワイトバランス(WB)用積算値データ(R/G、B/G)を補正する。
【0060】
次に、本発明に係るオートホワイトバランス調整方法について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るホワイトバランス調整の処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
まず、撮影ボタンが押されると、被写体の撮影が行われる。この撮影時にCCD36から得られたR、G、B信号は一旦メモリ20に格納される。CPU10は、メモリ20に格納されているR、G、B信号を用いて、1画面が16×16に分割された256個の分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、分割エリアごとにR、G、Bの平均積算値の比、すなわち、R/G及びB/Gの比(WB用積算値)を算出する(ステップS10)。そして、このWB用積算値は、上記WB用積算値補正部80によって補正される。なお、このWB用積算値の補正方法については後述する。
【0062】
このようにして算出された256個の分割エリアごとの色情報は、前記R/G、B/Gの値に基づいて図4に示すR/G、B/G軸座標の色空間上で分布する256個の点として表すことができる。
【0063】
次に、光源の色温度を算出する(ステップS12)。CPU10は、R/G、B/G軸座標の色空間上で分布する256個の色情報のうちの相互に近似している色情報の集合(以下の説明では、「カタマリ」と記載する)の重心位置を算出する。そして、上記カタマリの重心位置が示す色情報の色温度を検出する。なお、上記色情報のカタマリが生じる理由は、被写体が或る色温度の光源によって照明されているからである。従って、カタマリの重心位置の色情報と最も近似する色情報を有する光源種(例えば、図5に示す青空、日陰1〜4、昼光色1〜4、晴れ、昼白色1、2、白色1、2、温白色1〜4、タングステン1〜4、低タングステン等)を求めることで撮影時の光源種を自動判別することもできる。
【0064】
その次に、ステップS12において検出した色温度に対応する黒体軌跡上の色情報の所定の色順応後の色情報を目標値として設定して、ホワイトバランスのゲインを算出する(ステップS14)。ステップS14では、検出した色温度に対応する黒体軌跡上の色情報そのものではなく、色順応による“人間の本来の見え”とするために、色順応後の色情報を目標値として設定する。このときの色順応後の色情報は、例えば、CIE(国際照明委員会)の色順応予測式によって予測される値とすることができる。
【0065】
そして、R/G、B/G座標系のカタマリ重心位置の座標を(Xi、Yi)とし、目標値の座標を(Xj、Yj)とすると、座標(Xi、Yi)が座標(Xj、Yj)にくるようにホワイトバランスゲイン(WBゲイン)を求める。いま、求めるWBゲインをgri、gbiとすると、gri、gbiは、次式:gri=Xj/Xi、gbi=Yj/Yiにより表すことができる。
【0066】
以上のようにして求めたWBゲインgri、gbiから、図1のメモリ20に保存したR、G、B信号に対するR、G、Bゲイン値(WB補正値)を求める。なお、G信号に付与する所要のゲイン値を、上記WBゲインgri、gbiに乗算することによりR、B信号に付与するR、Bゲイン値を求めることができる。また、G信号に付与する所要のゲイン値を1とした場合には、上記WBゲインgri、gbiがそのままR、B信号に付与するR、Bゲイン値となる。
【0067】
そして、上記R、G、Bゲイン値(WB補正値)によりメモリ20に保存したR、G、B信号を補正する。これによりホワイトバランス調整が行われる(ステップS16)。
【0068】
このように“光源の見え”から完全順応までの間の色を目標値に設定してホワイトバランス調整を行なうことにより、例えば、タングステン光源では少し赤みを抜くようなホワイトバランス調整が行われ、すっきりとした自然な色合いとなる。
【0069】
なお、この実施の形態では、複数の分割エリアの色情報が分布する色空間上のカタマリの重心位置により光源種に関わる色情報を求めるようにしたが、これに限らず、R/G、B/Gの色空間上に、図5に示したような青空、日陰1〜4、昼光色1〜4、晴れ、昼白色1、2、白色1、2、温白色1〜4、タングステン1〜4、低タングステン等の光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を設定し、各分割エリアごとの色情報に基づいて各検出枠に色情報が入る分割エリアの個数を求め、被写体の輝度レベル及び検出枠に入る分割エリアの個数に基づいて光源種を判別し、その光源種に対応する検出枠の中心座標を撮影状況下の光源種に関わる色情報として求めるようにしてもよい。
【0070】
次に、WB用積算値の補正方法について説明する。図6は、ホワイトバランスの積算値の補正方法を示すグラフである。図6において、横軸はCCD36の転送効率であり、縦軸はWB用積算値である。図6の破線L1及びL2に示すように、CCD36の転送効率が低下すると、アナログレベルで画素混合が起こるため、転送効率が100%の場合と比べてWB用積算値がずれてしまう。本実施形態では、CCD36の転送効率ごとにWB用積算値の変化をあらかじめ測定しておく。この測定結果に基づいて、WB用積算値のずれを補正するためのWB用積算値補正係数1を転送効率ごとに算出する。このWB用積算値補正係数1は、積算値R/G及びB/Gごとに算出される。そして、この転送効率とWB用積算値補正係数1の関係が記録されたテーブル(WB用積算値補正係数1テーブル)はメモリ20に格納される。
【0071】
図7は、転送効率とWB用積算値補正係数1との関係を示すWB用積算値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフである。図7の実線L3に示すように、WB用積算値R/Gに掛けるWB用積算値補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて大きくなっている。一方、図7の実線L4に示すように、WB用積算値B/Gに掛けるWB用積算値補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて小さくなっている。
【0072】
WB用積算値補正部72は、上記転送効率検出部70によって検出されたCCD36の転送効率に応じて、上記WB用積算値補正係数1テーブルからWB用積算値R/G及びB/Gに対応するWB用積算値補正係数1を選択してWB用積算値と掛算する。これにより、図6の実線L1′及びL2′に示すように転送効率が100%の場合の値に近づくようにWB用積算値R/G及びB/Gが補正される。
【0073】
また、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度についても、WB用積算値補正係数があらかじめ設定されている。WB用積算値補正部72は、上記において検出されたCCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に基づいて、対応するWB用積算値補正係数を選択してWB用積算値と掛算する。これにより、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化によって生じる画素混合によるWB用積算値のずれを補正することができる。なお、以下の説明では、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応して設定されるWB用積算値補正係数をそれぞれWB用積算値補正係数2から5と記載する。
【0074】
なお、WB用積算値補正係数は、WB用積算値R/G及びB/Gの2つの値ごとに算出されるようにしたが、例えば、R、G、Bの3つの値のうち少なくとも1つの値に掛ける係数が設定されるようにしてもよい。
【0075】
次に、WB用積算値の補正処理の流れについて、図8のフローチャートを参照して説明する。図8は、WB用積算値の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
まず、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって、CCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度が取得される(ステップS30)。次に、ステップS30において検出されたCCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度に基づいて、WB用積算値R/G及びB/Gに掛けるWB用積算値補正係数1から5がそれぞれ2つずつ取得される(ステップS32からステップS40)。そして、下記式(1)に示すように、WB用積算値R/G及びB/GにWB用積算値補正係数1から5を掛けられてWB用積算値R/G及びB/Gが補正される(ステップS42)。
【0077】
[補正されたWB用積算値(R/G又はB/G)]=[WB用積算値(R/G又はB/G)]×(WB用積算値補正係数1)×(WB用積算値補正係数2)×(WB用積算値補正係数3)×(WB用積算値補正係数4)×(WB用積算値補正係数5)…(1)
本実施形態によれば、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化により生じる画素混合によるWB用積算値のずれを補正することができるので、正確なホワイトバランス制御を行うことができる。
【0078】
なお、本実施形態では、WB用積算値R/G及びB/GにWB用積算値補正係数1から5を掛ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下記の式(2)に示すように、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応するWB用積算値の補正値(それぞれWB用積算値補正値1から5)をWB用積算値R/G及びB/Gに加えるようにしてもよい。なお、WB用積算値を補正する方法としては、加減乗除のいずれを用いてもよい。
【0079】
[補正されたWB用積算値(R/G又はB/G)]=[WB用積算値(R/G又はB/G)]+(WB用積算値補正値1)+(WB用積算値補正値2)+(WB用積算値補正値3)+(WB用積算値補正値4)+(WB用積算値補正値5)…(2)
次に、本発明の第2の実施形態について、図9から図12を参照して説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図9に示すように、本実施形態の撮像装置(カメラ)1は、光源評価値補正部82及び光源判定部84を備える。光源評価値補正部82は、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって検出されたCCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源の色温度情報、筐体温度に基づいて光源評価値を補正する。ここで、光源評価値とは、例えば、RとBの積算値の差(B−R)又は(R−B)である。なお、光源評価値としては、上記のほか、例えば、R/G及びB/Gや色差信号(B−Y、R−Y及びG−Y)を用いることができる。光源判定部84は、上記光源評価値補正部98によって補正された光源評価値に基づいて光源の種類を判定する。
【0081】
図10は、光源評価値の補正方法を示すグラフである。図10において、横軸はCCD36の光源評価値であり、縦軸は明るさである。図10に示すように、CCD36の転送効率が低下すると、アナログレベルで画素混合が起こるため、転送効率が100%の場合と比べて光源評価値がずれてしまう。
【0082】
本実施形態では、CCD36の転送効率ごとに光源評価値の変化をあらかじめ測定しておく。この測定結果に基づいて、光源評価値のずれを補正するための光源評価値補正係数1を転送効率ごとに算出する。そして、この転送効率と光源評価値補正係数1の関係が記録されたテーブル(光源評価値補正係数1テーブル)はメモリ20に格納される。
【0083】
図11は、転送効率と光源評価値補正係数1との関係を示す光源評価値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフである。図10に示す例では、CCD36の転送効率の低下により光源評価値が低下して、蛍光灯光源をタングステン光源と誤認識するおそれがある。そこで、図11に示すように、光源評価値に掛ける光源評価値補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて大きくなっている。
【0084】
光源評価値補正部82は、上記転送効率検出部70によって検出されたCCD36の転送効率に応じて、上記光源評価値補正係数1テーブルから光源評価値補正係数1を選択して光源評価値と掛算する。これにより、図10に示すように転送効率が100%の場合の値に近づくように光源評価値が補正される。
【0085】
また、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度についても、光源評価値補正係数があらかじめ設定されている。光源評価値補正部82は、上記において検出されたCCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に基づいて、対応する光源評価値補正係数を選択して光源評価値と掛算する。これにより、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化によって生じる画素混合による光源評価値のずれを補正することができる。なお、以下の説明では、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応して設定される光源評価値補正係数をそれぞれ光源評価値補正係数2から5と記載する。
【0086】
次に、光源評価値の補正処理の流れについて、図12のフローチャートを参照して説明する。図12は、光源評価値の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
まず、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって、CCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度が取得される(ステップS50)。次に、ステップS50において検出されたCCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度に基づいて、光源評価値補正係数1から5が取得される(ステップS52からステップS60)。そして、下記式(3)に示すように、光源評価値に光源評価値補正係数1から5を掛けられて光源評価値が補正される(ステップS62)。
【0088】
(補正された光源評価値)=(光源評価値)×(光源評価値補正係数1)×(光源評価値補正係数2)×(光源評価値補正係数3)×(光源評価値補正係数4)×(光源評価値補正係数5)…(3)
本実施形態によれば、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化により生じる画素混合による光源評価値のずれを補正することができるので、正確な光源判定ができ、正確なホワイトバランス制御を行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態では、光源評価値に光源評価値補正係数1から5を掛ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下記の式(4)に示すように、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応する光源評価値の補正値(それぞれ光源評価値補正値1から5)を光源評価値に加えるようにしてもよい。なお、光源評価値を補正する方法としては、加減乗除のいずれを用いてもよい。
【0090】
(補正された光源評価値)=(光源評価値)+(光源評価値補正値1)+(光源評価値補正値2)+(光源評価値補正値3)+(光源評価値補正値4)+(光源評価値補正値5)…(4)
次に、本発明の第3の実施形態について、図13から図16を参照して説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図である。なお、以下の説明において、上記第1及び第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
図13に示すように、本実施形態の撮像装置(カメラ)1は、目標座標補正部86及び目標座標決定部88を備える。目標座標補正部86は、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって検出されたCCD36の転送効率、感度、駆動周波数、光源の色温度情報、筐体温度に基づいて、R/G,B/G色座標を補正する。目標座標決定部88は、上記目標座標補正部86によって補正されたR/G,B/G色座標に基づいて、ホワイトバランスの基準となるグレーの座標(R/G,B/G)=(1,1)を決定する。
【0092】
図14は、目標座標の補正方法を示すグラフである。図14において、横軸はCCD36の転送効率であり、縦軸はグレーの座標(R/G,B/G)である。図14に示すように、転送効率が100%の場合には、座標(R/G,B/G)=(1,1)がグレーの目標座標に設定される。しかしながら、CCD36の転送効率が低下すると、アナログレベルで画素混合が起こるため、転送効率が100%の場合と比べて目標座標がずれてしまう。
【0093】
本実施形態では、CCD36の転送効率ごとに目標座標の変化をあらかじめ測定しておく。この測定結果に基づいて、目標座標のずれを補正するためのグレー補正係数1を転送効率ごとに算出する。そして、この転送効率とグレー補正係数1の関係が記録されたテーブル(グレー補正係数1テーブル)はメモリ20に格納される。
【0094】
図15は、転送効率とグレー補正係数1との関係を示すグレー補正係数1テーブルの一部を図示したグラフである。図14に示す例では、CCD36の転送効率の低下により目標座標B/G(実線L5)が増加して、目標座標R/G(実線L6)が減少している。したがって、図15の実線L7に示すように、目標座標B/Gに掛けるグレー補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて小さくなっている。一方、図15の実線L8に示すように、目標座標R/Gに掛けるグレー補正係数1の値は、転送効率が低下するのにつれて大きくなっている。
【0095】
目標座標補正部86は、上記転送効率検出部70によって検出されたCCD36の転送効率に応じて、上記グレー補正係数1テーブルからグレー補正係数1を選択して、対応する上記CPU10によって画像中の分割領域ごとに算出されたR/G座標及びB/G座標と掛算する。これにより、図14の実線L5′及びL6′に示すように転送効率が100%の場合の値(R/G,B/G)=(1,1)に近づくように目標座標R/G及びB/Gが補正される。
【0096】
なお、図14では、補正後の目標座標を示す実線L5′及びL6′が図をみやすくするために離れて図示されているが、実際には、実線L5′及びL6′はともに対G比の値が1.0の直線になるように補正されることが好ましい。
【0097】
また、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度についても、グレー補正係数があらかじめ設定されている。座標補正部86は、上記において検出されたCCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に基づいて、対応するグレー補正係数を選択してR/G座標及びB/G座標と掛算する。これにより、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化によって生じる画素混合による目標座標のずれを補正することができる。なお、以下の説明では、CCD36の感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応して設定されるグレー補正係数をそれぞれグレー補正係数2から5と記載する。
【0098】
次に、目標座標の補正処理の流れについて、図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、目標座標の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0099】
まず、上記転送効率検出部70、カメラ感度検出部72、駆動周波数検出部76、光源色温度検出部74及び筐体温度検出部78によって、CCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度が取得される(ステップS70)。次に、ステップS70において検出されたCCD36の転送効率、カメラ感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体温度に基づいて、グレー補正係数1から5がR/G及びB/Gに対して2つずつ取得される(ステップS72からステップS80)。そして、下記式(5)及び(6)に示すように、R/G座標及びB/G座標にグレー補正係数1から5を掛けられて目標座標が補正される(ステップS82)。
【0100】
(グレー補正値)=(グレー補正係数1)×(グレー補正係数2)×(グレー補正係数3)×(グレー補正係数4)×(グレー補正係数5)…(5)
(補正されたR/G座標及びB/G座標)=(R/G座標及びB/G座標)×(R/G座標及びB/G座標のグレー補正値)…(6)
本実施形態によれば、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度の変化により生じる画素混合による目標座標のずれを補正することができるので、正確なホワイトバランス制御を行うことができる。
【0101】
なお、本実施形態では、R/G座標及びB/G座標に対応するグレー補正係数1から5を掛ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下記の式(7)に示すように、CCD36の転送効率や感度、駆動周波数、光源の色温度及び筐体の温度に対応するR/G座標及びB/G座標の補正値(それぞれグレー補正値1から5)をR/G座標及びB/G座標に加えるようにしてもよい。なお、R/G座標及びB/G座標を補正する方法としては、加減乗除のいずれを用いてもよい。
【0102】
(補正されたR/G座標及びB/G座標)=(R/G座標及びB/G座標)+(グレー補正値1)+(グレー補正値2)+(グレー補正値3)+(グレー補正値4)+(グレー補正値5)…(7)
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図
【図2】CCD36における電荷の転送経路を模式的に示す図
【図3】本発明の一実施形態に係るホワイトバランス調整の処理の流れを示すフローチャート
【図4】R/G、B/G色空間におけるWB用積算値の分布を模式的に示すグラフ
【図5】R/G、B/G色空間における黒体の色変化の軌跡を示すグラフ
【図6】ホワイトバランスの積算値の補正方法を示すグラフ
【図7】転送効率とWB用積算値補正係数1との関係を示すWB用積算値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフ
【図8】WB用積算値の補正処理の流れを示すフローチャート
【図9】本発明の第2の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図
【図10】光源評価値の補正方法を示すグラフ
【図11】転送効率と光源評価値補正係数1との関係を示す光源評価値補正係数1テーブルの一部を図示したグラフ
【図12】光源評価値の補正処理の流れを示すフローチャート
【図13】本発明の第3の実施形態に係るホワイトバランス制御装置を備える撮像装置の主要構成を示すブロック図
【図14】目標座標の補正方法を示すグラフ
【図15】転送効率とグレー補正係数1との関係を示すグレー補正係数1テーブルの一部を図示したグラフ
【図16】目標座標の補正処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0104】
1…撮像装置(カメラ)、10…中央処理装置(CPU)、12…電源回路、14…バス、16…ROM、18…EEPROM、20…メモリ(SDRAM)、22…VRAM、24…操作スイッチ群、26…画像表示装置(液晶モニタ)、28…メディアソケット、30…記録メディア、32…メディアコントローラ、34…外部接続インターフェース(I/F)部、36…CCD、38…レンズユニット、40…フォーカスレンズ、42…ズームレンズ、44…撮影レンズ、46…絞り兼用メカシャッタ、48…タイミングジェネレータ(TG)、50…アナログ処理部(CDS/AMP)、52…A/D変換器、54…画像入力コントローラ、56…画像信号処理回路、58…ビデオエンコーダ、60…AF検出回路、62…AE/AWB検出回路、64…圧縮伸張回路、66…ビデオ入出力端子、68…ビデオ出力回路、70…転送効率検出部、72…カメラ感度検出部、74…光源色温度検出部、76…駆動周波数検出部、78…筐体温度検出部、80…WB用積算値補正部、82…光源評価値補正部、84…光源判定部、86…座標補正部、88…目標座標決定部、90…垂直転送路、92…水平転送路、94…電荷−電圧変換器、96A…有効画素領域からOB領域に変わる境目の有効画素領域側の1画素、96B…有効画素領域からOB領域に変わる境目のOB領域側の1画素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、
少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、
前記検出されたパラメータに基づいて前記積算値を補正する積算値補正手段と、
前記補正された積算値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
を備えることを特徴とするホワイトバランス制御装置。
【請求項2】
前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、
前記積算値補正手段は、前記R、B、Gの積算値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする請求項1記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項3】
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、
前記積算値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記色情報を補正することを特徴とする請求項1又は2記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項4】
撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源を判定するための光源評価値を算出する光源評価値算出手段と、
少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、
前記検出されたパラメータに基づいて前記光源評価値を補正する光源評価値補正手段と、
前記補正された光源評価値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
を備えることを特徴とするホワイトバランス制御装置。
【請求項5】
前記光源評価値補正手段は、G信号とR信号の積算値の差を算出することを特徴とする請求項4記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項6】
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、
前記光源評価値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする請求項4又は5記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項7】
撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記算出された積算値からグレーの色情報を取得するグレー取得手段と、
少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、
前記検出されたパラメータに基づいて、前記グレーの色情報を補正するグレー補正手段と、
前記取得されたグレーの色情報に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
を備えることを特徴とするホワイトバランス制御装置。
【請求項8】
前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、
前記グレー補正手段は、前記グレーの色情報のR、B、G値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする請求項7記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項9】
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、
前記グレー補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする請求項7又は8記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項10】
前記撮像素子のパラメータは、前記撮像素子の感度、駆動周波数又は温度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載のホワイトバランス制御装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、
少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、
前記検出されたパラメータに基づいて前記積算値を補正する積算値補正手段と、
前記補正された積算値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
を備えることを特徴とするホワイトバランス制御装置。
【請求項2】
前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、
前記積算値補正手段は、前記R、B、Gの積算値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする請求項1記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項3】
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、
前記積算値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記色情報を補正することを特徴とする請求項1又は2記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項4】
撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源を判定するための光源評価値を算出する光源評価値算出手段と、
少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、
前記検出されたパラメータに基づいて前記光源評価値を補正する光源評価値補正手段と、
前記補正された光源評価値に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
を備えることを特徴とするホワイトバランス制御装置。
【請求項5】
前記光源評価値補正手段は、G信号とR信号の積算値の差を算出することを特徴とする請求項4記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項6】
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、
前記光源評価値補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする請求項4又は5記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項7】
撮像素子を介して入力された画像からホワイトバランス調整用の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記算出された積算値からグレーの色情報を取得するグレー取得手段と、
少なくとも前記撮像素子の転送効率を含む、前記撮像素子のパラメータを検出する検出手段と、
前記検出されたパラメータに基づいて、前記グレーの色情報を補正するグレー補正手段と、
前記取得されたグレーの色情報に基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、
を備えることを特徴とするホワイトバランス制御装置。
【請求項8】
前記積算値算出手段は、G信号の積算値のR及びB信号の積算値に対する比R/G値及びB/G値を算出し、
前記グレー補正手段は、前記グレーの色情報のR、B、G値のうち少なくとも1つに演算を施して、前記R/G値及びB/G値を補正することを特徴とする請求項7記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項9】
前記算出された積算値に基づいて撮影状況下の光源情報を取得する光源情報取得手段を更に備え、
前記グレー補正手段は、前記光源情報に基づいて前記光源評価値を補正することを特徴とする請求項7又は8記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項10】
前記撮像素子のパラメータは、前記撮像素子の感度、駆動周波数又は温度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のホワイトバランス制御装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載のホワイトバランス制御装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−53499(P2007−53499A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236054(P2005−236054)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
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