説明

ホームゾーンサービス

セルラ通信ネットワークのセル内でのホームゾーンサービス利用可能性を決定するシステムであって、そのセルの複数のユーザにはホームゾーンユーザと非ホームゾーンユーザとが含まれ、そのホームゾーンユーザに関しては当該ユーザがそのセルにいるとき、特別なホームゾーン加入者料金でサービスが提供される。そのシステムは、前記セル内の全ての利用度を測定する測定手段と、更なるホームユーザが前記セルに追加できるかどうかを、前記測定と1つ以上のホームゾーンユーザ利用度プロフィールから決定する決定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルラ通信ネットワークにおける測定ベースのホームゾーンプロビジョニングのためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体電話セルラネットワークの運用者は、固定電話から移動体電話への代用を促進している。そこでは、ユーザは固定ケーブルや有線のデジタル加入者ライン(DSL)から移動体ネットワークへの切り替えが奨励されている。この代用を促進する1つの方法は、ユーザにホームゾーンサービスを提供することによってなされる。そのサービスでは、電話の呼やデータサービスはユーザが他のセルではなくホームゾーンセルにいるときには非常に安価である。音声呼についてのホームゾーンサービスは、ある運用者(例えば、ドイツにおけるO2's Genion(登録商標))では人気のあるものなってきている。かぎとなる必要条件は。それが固定サービスを本当にエミュレートするようにサービスを提供することである(例えば、Genionのユーザには移動局の番号と固定局の番号とが割当てられている)。固定局番号への発呼者は標準的な固定ネットワークの電話料金を支払う。Genionの加入者は彼らが自分のホームゾーン外にいるときには、固定局の番号に電話をかけるために何が生じるのかを選択することができる。即ち、呼は無料の音声メール、或は、追加料金を伴う移動局の番号への転送がなされるのかである。
【0003】
今日、ホームゾーンサービスの利用可能性は、3Gカバレッジのネットワークに依存している(音声ホームゾーンは2Gネットワークを用いて同様に提供される)。しかしながら、多くの加入者は固定ラインを保持することを選択する。なぜなら、固定ラインはインターネットアクセスのために用いられるからである。インターネットアクセスに関して言うならば、移動体ネットワークの能力はDSLやケーブルネットワークに比べると依然としてはるかに劣っている。達成可能なデータ速度が平均的な速度のDSLに匹敵するものであるが、セル容量は制限されており、これは移動体ネットワークによりインターネットアクセスを提供することを移動体ネットワーク運用者にとって相対的に高価なものにしている。運用者は高速パケットアクセス(HSPA)技術を用いるなら、DSL運用者と本当の競争相手となれることを望んでいるが、分析はこの可能性が依然として限定的であることを示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“居住ユーザ間のトラフィックの成長の衝撃と示唆(The Impact and Implications of the Growth in Residential User-to-User Traffic)”、チョー・ケンジロー、フクダ・ケンスケ(IIJ)、エサキ・ヒロシ(国立情報学研究所)、カトー・アキラ(東京大学)、東京大学ACMSigcomm、2006
【非特許文献2】“データクラスタリング:レビュー(Data Clustering: A Review )”、A.K.ジャイン(A.K.Jain)、M.N.マーティ(M.N.Murty)、P.J.フライン(P.J.Flynn)、ACM Computing Surveys、第31巻、第3号、264−323頁、1999年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの理由には、DSLシステムへのアクセスと比較して、移動体ネットワークでは、最初の集合地点(即ち、基地局)への接続が共用資源である点がある。従って、利用可能性は単にカバレッジの問題ではない。ネットワーク容量も同様に制限なのである。言い換えると、ホームゾーンサービスの利用可能性は3Gネットワークのカバレッジと容量の両方により決定される。その結果、運用者は実際に利用可能な容量への要求を制限する方法を見出すことが強いられる。セル資源はセル内のユーザにより共用されるのであるから、運用者はセルの過負荷を避けるために、セル内のホームゾーンインターネットアクセス加入者の数を制限するかもしれない。しかしながら、セル当りの加入者最大数についてそのような静的な制限を設定することは難しく、それは多くのゾーンにおけるネットワークの過大利用或は過小利用を引き起こす。ユーザの挙動は非常に変化に富んだものである。例えば、負荷の軽いユーザと負荷の重いユーザのトラフィック要求にはその大きさの点で何桁もの違いがあり、非ホームゾーンユーザの数もセル間で大きく変化する。例えば、非特許文献1を参照されたい。このことは、サービスの品質がセル容量に達したあるセルでは損なわれ、他のセルでは余分の容量があることを意味する。サービス品質が損なわれてしまうことは、ユーザが応答が遅いことやダウンロード時間が長いことを感じることを意味する。
【0006】
本発明の目的は、サービスの良好な品質が保証される一方、ネットワーク利用性が高いことも達成されるように制御された方法でホームゾーンサービスの発展と管理とを可能にするシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明を第1の側面から見れば、セルラ通信ネットワークのセル内でのホームゾーンサービス利用可能性を決定するシステムであって、前記セルの複数のユーザにはホームゾーンユーザと非ホームゾーンユーザとが含まれ、該ホームゾーンユーザに関しては当該ユーザが前記セルにいるとき、特別なホームゾーン加入者料金でサービスが提供されるものであり、前記システムは、
前記セル内の全ての利用度を測定する測定手段と、
更なるホームユーザが前記セルに追加できるかどうかを、前記測定と1つ以上のホームゾーンユーザ利用度プロフィールから決定する決定手段とを有することを特徴とするシステムが備えられる。
【0008】
本発明は特に、ユーザに共用無線IPアクセスを提供するセルラネットワーク、例えば、HSPAを提供するネットワークに関する。
【0009】
本発明の利点は、前記システムがホームゾーンと非ホームゾーンのインターネットトラフィックのセルレベルでの測定に基づく容量情報を改善したサービス利用可能性マップに提供できることにある。
【0010】
本発明に従う典型的なシステムは、ホームゾーンサービス利用可能性の情報、特に、セルスループット容量と登録されたホームゾーンユーザアイデンティティに関する情報を格納するデータベースを有する。
【0011】
そのシステムは、移動体ネットワーク運用者の管理システムに内蔵されると良い。ネットワークセル内のホームゾーンサービスの利用可能性に関する照会は営業用端末から前記決定手段に送信されると良い。その結果は、前記システムにより前記営業用端末に返送され、その端末では、営業担当者(或は、自動サブスクリプションサービス)がその商談を進行させるかどうかの決定を行なうことができる。
【0012】
本発明の好適な実施例では、現存するホームゾーンユーザについてのセル利用度を測定する第2の測定手段を有する。
【0013】
本発明の好適な実施例では、経験的な方法で現存するホームゾーンユーザについての典型的な利用度プロフィールを構築する。前記決定手段は、各ホームゾーンユーザを複数のユーザカテゴリの1つに割当てるよう構成されている。そのカテゴリの境界は、測定データに基づいて、動的に調整される(カテゴリが付加されたり除去されたりする)と良い。1つ以上の付加的なホームゾーンユーザをうまく処理するセルの能力は、典型的な利用度プロフィールに基づいて、1つ以上の付加的なユーザがネットワークでもつであろう効果を予測することにより決定される。
【0014】
前記決定手段は、前記各ホームゾーンユーザ利用度プロフィールを前記全てのセル利用度に追加して、更なるホームゾーンユーザが前記セルに追加可能であるかどうかを決定するよう構成されることが好ましく、その追加の結果は、セルの容量と比較される。
【0015】
本発明の代替的な実施例では、前記各ホームゾーンユーザ利用度プロフィールは固定値であり、その値はセル内の測定された全利用度とセル容量と比較された結果とに付加される。
【0016】
本発明を第2の側面から見れば、セルラ通信ネットワークのセル内でのホームゾーンサービス利用可能性を決定する方法であって、前記セルの複数のユーザにはホームゾーンユーザと非ホームゾーンユーザとが含まれ、該ホームゾーンユーザに関しては当該ユーザが前記セルにいるとき、特別なホームゾーン加入者料金でサービスが提供されるものであり、前記方法は、
前記セル内の全ての利用度を測定する工程と、
更なるホームユーザが前記セルに追加できるかどうかを、前記測定と1つ以上のホームゾーンユーザ利用度プロフィールから決定する工程とを有することを特徴とする方法を備える。
【0017】
前記方法は、現存するホームゾーンユーザについての利用度を測定する工程をさらに有することが好ましい。前記決定する工程は、前記測定の結果を用いて、1つ以上のホームゾーンユーザカテゴリについての典型的なホームゾーンユーザ利用度プロフィールを決定することを含む。複数のホームゾーンユーザはカテゴリに割当てられ、そのカテゴリについての利用度データが測定可能になる。前記各カテゴリに関し、前記全てのセル利用度にホームゾーンユーザ利用度プロフィールが追加され、前記セルがそのような付加的なユーザをロード可能であるかどうかに関する決定がなされる。
【0018】
前記方法の各工程は全て、事態の進展と共に実行される。或は、少なくとも最後の決定する工程は、ホームゾーンサービスへの加入のためのユーザからの申し込みを処理する営業用端末などからの要求があるときに実行されても良い。もし、許可されるなら、新しいユーザが複数のカテゴリの内の選択されたものにホームゾーンユーザとして加えられる。
【0019】
本発明を第3の側面から見れば、セルラ通信ネットワークへの新しい加入者を前記ネットワークの特定セルにおけるホームゾーンユーザとして許可するための照会を受信する手段と、前記ネットワークの全てのユーザによる前記セルにおける資源利用度の測定に基づいて、前記特定のセルについてのホームゾーンサービス利用可能性の指標を受信する手段と、前記指標に従って前記特定セルにおけるホームゾーン加入者として、前記ネットワークへの前記新しい加入者を許可する手段とを有することを特徴とするシステム端末を備える。
【0020】
加えて、ホームゾーンサービスの利用可能性の前記受信した指標は、前記セルのホームゾーンユーザによる資源の使用度に基づいていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】セルのスループット容量の3つの異なる値について、セルのユーザ人口と目標アクセス速度との関係を示すグラフである。
【図2】目標アクセス速度に依存してセルで許可された資源利用度を示すグラフである。
【図3】本発明に従うシステムの1実施例を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施例に従う、ホームゾーン利用可能性の決定手順を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
既に上述のように、セルラネットワークの運用者は、セルラ電話ネットワーク内の特定のセル内に居住するユーザに、そのセルでアクティブであるが他のセルに居住するユーザに課金する料金と比較して割引料金をすすめたいと願っている。この検討のために、前者を“ホームゾーン”ユーザとして言及し、後者を“在圏(visiting)”ユーザとして言及する。
【0023】
図1は、もし各ユーザが毎月1Gバイトをダウンロードするなら(これ以降、ユーザロード値という)、目標アクセス速度Pで1つのセルを共用できる人口(ユーザの凡その数)を示すグラフである。そのデータは、セルスループット容量R(Mバイト/秒)の3つの異なる値に対して示されており、そのグラフ上の線は、ユーザにより認められるアクセス速度がP未満であることが1%未満の確率であることに基づいたものである。ユーザのアクティビティはポアソン分布に従って発生すると仮定する。所与のセル容量Rに関して、セルにアクセスすることが許されているユーザの数は、(保証された)アクセス速度が増加するほど、少なくなる。
【0024】
さて、図2において、この図は目標アクセス速度に依存したセルの資源利用度を示す(ここで、1は利用度が100%であることに等しい)。図1のように、このグラフ上の線はユーザにより認められるアクセス速度がP未満であることが1%未満の確率であることを示す。ここで再び、Rはセルのトータル容量を示し、各ユーザはポアソン分布に従って発生するアクティビティがあり、毎月1或は5Gバイトのトラフィックを生み出すことを仮定する。R=2Mbpsであり、目標アクセス速度が500kbpsである場合を考慮すると、この図からは許可されるセル利用度は広い範囲のユーザロード値(1〜5Gバイト/月)にわたって約25%であることが分かる。図2は、運用者が僅かなユーザにより高いサービス品質を保証する場合、ネットワーク利用度が低下することを示している。これに対して、多数のユーザにより低いサービス品質しか保証しない場合には、ネットワーク利用度は高くなる。
【0025】
アクティブユーザの数とともにユーザの挙動もセル間で大きな変化を被り、時間とともに変化することが認識されるであろう。全てのセルでホームゾーンユーザの最大数(この数は在圏ユーザに十分に余分な容量を残すように決定される)を同じ数に限定するとおそらく、いくつかのセルでは利用度が過大になり、いくつかのセルでは利用度が過小になる結果となるであろう。より良いやり方は、典型的な利用プロフィールを決定するために、各セルをベースにしてホームゾーンユーザの挙動を監視することである。更なるホームゾーンユーザを追加することが望まれる場合、セル利用の予想される増加が(全)セル利用履歴に加えられ、全セル容量と比較され、新しいユーザを収容可能であるかどうかを決定することができる。もし収容可能であるなら、もしあれば、制限すべきことがユーザアクセス時に設けられるべきである。
【0026】
図3は、セルラネットワーク内の新しいホームゾーンユーザを割当てるシステムの構成要素とその構成要素の機能/相互作用を模式的に示している。図3に示されているように、ネットワーク10は複数のセルを有しており、その内の2つのセル12、14が示されている。セル−レベルでの測定がネットワーク10で実行される。これらの測定は移動体ネットワーク(不図示)の管理システムにより実行されるのが好ましいが、外部測定機器、即ち、運用者のネットワーク管理システムの外部にある機器が用いられても良い。そのシステムは中央データベース16とプロセッサ18とを含む(これらは、同じ場所にあっても良いが、そうである必要はないし、或は、同じハードウェア構成要素の一部であっても良い)。ホームゾーンユーザのアイデンティティはデータベースに含まれている。
【0027】
好適な実施例では、各セルについての測定は次の通りである。即ち、
1.各セルについてのトータルなセル資源利用度の毎日のプロフィール(データベースは別々に格納可能な毎日、毎週、毎週末に更新される平滑化された測定を格納する)と、
2.アップロード/ダウンロードされたKバイト/時で表現される日毎のプロフィールの形式でのホームゾーンユーザについての利用度パターンとである。ユーザは、例えば、管理されない学習技術を用いて、類似の利用パターンを反映するカテゴリに割当てられる。カテゴリの数と定義は動的に調整されても良い。非特許文献2にはデータクラスタリング技術が一般的に説明されている。
【0028】
時間について、プロセッサは測定データを“平均化”し、週の日曜日から土曜日までの各日についてのセル資源利用度プロフィールを生成する。同様に、平均化された毎週のプロフィールは各ユーザカテゴリに対して生成される。その結果得られるプロフィールはデータベース16に格納され、動的に更新される。
【0029】
データベース16に格納されたデータは、セルスループット容量と現在登録されているホームゾーンユーザのアイデンティティとを含む。ネットワーク利用度の閾値が用いられてカテゴリ境界を形成する利用度レベルを決定すると良い。或は、用いられるサービスやアプリケーション、転送データ量、或は、ユーザにより用いられるサイズの一日の内の時間帯を混合したようなファクタに依存してカテゴリの境界を決定するように規則やアルゴリズムが用いられても良い。
【0030】
図3に図示されたシステムの実施例は、プロセッサ18とのデータリンク22をもつ営業用端末20を含む。このリンクを通って、ホームゾーンサービス利用可能性情報が営業用端末20へ提供される。この実施例の簡略化されたバージョンでは、新しい加入者がホームゾーンサービスの契約をしたいとき、照会が営業用端末20で、ホームゾーンロケーション(例えば、新しい加入者のアドレス或はホームロケーション)を指定して(例えば、営業スタッフにより)入力される。この情報はデータリンク22を通ってプロセッサ18に送信される。この情報はプロセッサ18で受信され、プロセッサ18はデータベース16から適切なデータを取り出し、そのデータを操作する。特に、そのプロセッサは1週間のトータルなセル利用度に各クラスタプロフィールを別々に追加する。もし、その結果が与えられたクラスタについて、その期間中のいずれかの時に容量を超えているなら、そのプロセッサはこれを示すためにそのクラスタにフラグを付ける。もし、その結果がある予め定義されたマージン内、例えば、95%の制限に近づくなら、再び、そのクラスタにはこのことを示すためにフラグが付けられる。どんな条件にも合致しないなら、クラスタはそのようなものとしてフラグが付けられる。これらの結果に基づいて、プロセッサはセルを次の1つとして分類する。即ち、
・ホームゾーンサービス許可:新しい加入者は許可される
・ホームゾーンサービス利用不可能:新しい加入者は許可されない
・制限付きホームゾーンサービス許可:新しい加入者は限定的な利用制限で許可されるである。
【0031】
決定されたセルクラスはプロセッサ18によって通信されて、営業用端末20へと戻される。もし、新しいホームゾーン加入者がその結果に基づいて許可されるなら、このことが営業用端末により通信されてプロセッサに戻される。そのプロセッサはそのユーザのアイデンティティをデータベース16のホームゾーンユーザのリストに付加し、そのプロセッサに関して特定の測定がなされる。[新しいユーザにはデフォルトのプロフィールカテゴリが割当てられ、その後、そのユーザについての十分なデータが収集され解析されたなら、適切なカテゴリへと移動させても良い]。
【0032】
図4は上述したホームゾーンユーザ利用可能性の決定手順を図示するフローチャートであり、図示されているステップは、測定(100)、カテゴリの定義と更新(101)、トータルな利用度とカテゴリプロフィールの組合わせ(102)、容量との比較(103)、及びレポート(104)である。
【0033】
本発明により、ホームゾーンインターネットアクセスサービスの品質が自動的に維持されるので、ホームゾーンサービスをスムーズに導入することが可能になる。もし、新しいセルや新しいユーザがシステムに入るなら、データベースは自動的にこれを登録し、プロビジョニングアルゴリズムがこれを考慮することを可能にする。これにより、利用可能な容量情報をもつサービス利用可能性の拡張が可能になる。これは、今日のカバレッジマップを超える新しく価値のある改善である。なぜなら、DSLアクセスとは反対に、最初の集合地点(即ち、移動体の場合には基地局)への接続は共用資源であり、従って、利用可能性は単にカバレッジの問題ではないからである。
【0034】
本発明のシステムと方法によりサービスの浸透(そのサービスを採用するユーザの数)が、(公知の方法のように)価格付けのみならず利用度の直接的な測定とにより制御されることが可能になる。それ故に、ホームゾーンサービスの価格をさらに下げることが可能になり、従って、より多くのユーザに対して魅力的なものとなり、システムが重い過負荷になるリスクを犯すことなく、固定局を移動局で代用させることを加速できる。
【0035】
上述の実施例に対する種々の変形が本発明の範囲を逸脱することなくなされることが当業者には認識されるであろう。例えば、HSPAアクセス技術について上述したが、本発明は他のアクセス技術、例えば、Wimax、CDMA EVDO改訂版、及び、3GPP LTEアクセスアーキテクチュアにも適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ通信ネットワークのセル内でのホームゾーンサービス利用可能性を決定するシステムであって、前記セルの複数のユーザにはホームゾーンユーザと非ホームゾーンユーザとが含まれ、該ホームゾーンユーザに関しては当該ユーザが前記セル内にいるとき、特別なホームゾーン加入者料金でサービスが提供されるものであり、
前記システムは、
前記セル内の総利用度を測定する測定手段と、
更なるホームユーザが前記セルに追加できるかどうかを、前記測定と1つ以上のホームゾーンユーザ利用度プロフィールから決定する決定手段とを有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
ホームゾーンサービスの利用可能性の情報を格納するデータベースをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データベースに格納されたデータは、セルスループット容量に関する情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記測定手段と前記決定手段により移動体ネットワークの管理システムの一部を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記測定手段と前記決定手段とは、運用者の前記ネットワークの管理システムの外部に測定機器を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
現存するホームゾーンユーザについてのセルの利用度を測定する第2の測定手段と、
該測定に基づいて、前記ホームゾーンユーザ利用度プロフィールを決定する手段とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記決定手段は、1つ以上の典型的なホームゾーンユーザカテゴリを決定し、各カテゴリについてのホームゾーンユーザプロフィールを決定するよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記決定手段は、各ホームゾーンユーザを複数のユーザカテゴリの1つに割当て、各カテゴリについて典型的なホームゾーンユーザプロフィールを決定するよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記決定手段は、前記測定の結果に基づいて、動的に前記カテゴリの定義を適合させるよう構成されていることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記決定手段は、前記測定の結果に基づいて、複数のホームゾーンユーザを複数のカテゴリに動的に再割当てするよう構成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
前記決定手段は、前記各ホームゾーンユーザプロフィールを前記全てのセル利用に追加して、更なるホームゾーンユーザが前記セルに追加可能であるかどうかを決定することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記追加の結果は前記セルの容量に対して比較されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1と第2の測定手段は、毎時のアップロードされた/ダウンロードされたバイト数の日ごとのプロファイルの形式で利用度パターンを提供するように構成されていることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記決定手段は、ホームゾーンサービス許可と、制限付きホームゾーンサービス許可と、ホームゾーンサービス利用可能性なしとの内の1つを利用可能性カテゴリとして示すように構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記決定手段に対するデータリンクをもつ営業用端末をさらに有し、
前記決定手段に対するデータリンクを通って、リンクホームゾーンサービス利用可能性の情報が前記営業用端末に提供されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
セルラ通信ネットワークのセル内でのホームゾーンサービス利用可能性を決定する方法であって、前記セルの複数のユーザにはホームゾーンユーザと非ホームゾーンユーザとが含まれ、該ホームゾーンユーザに関しては当該ユーザが前記セル内にいるとき、特別なホームゾーン加入者料金でサービスが提供されるものであり、
前記方法は、
前記セル内の総利用度を測定する工程と、
更なるホームユーザが前記セルに追加できるかどうかを、前記測定と1つ以上のホームゾーンユーザ利用度プロフィールから決定する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項17】
現存するホームゾーンユーザについての利用度を測定する工程をさらに有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記決定する工程は、前記測定の結果を用いて、1つ以上のホームゾーンユーザカテゴリについての典型的なホームゾーンユーザ利用度プロフィールを決定することを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記決定する工程は、前記各カテゴリに関し、
前記全てのセル利用に前記典型的なホームゾーンユーザ利用度プロフィールを追加し、
前記セルはそのような付加的なユーザがロード可能であるかどうかを決定することを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複数のホームゾーンユーザのカテゴリが利用の異なるレベルやパターンに対応して定義され、
前記決定する工程は、どのカテゴリに新しいホームゾーンユーザが追加できる可能性があるのかを決定することを含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記決定する工程は、少なくとも部分的には、前記セルにおける前記ホームゾーンサービスに対する新しい加入者の許可を要求する営業用端末における照会の入力に応答して実行され、
前記要求の許可は、前記測定する工程と前記決定する工程とが実行される測定システムに対して送信され、
前記方法は、前記測定システムから前記営業用端末に対して前記決定の結果を返却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記新しい加入者が前記プロビジョニング処理により許可されるなら、後続の測定において前記新しい加入者を含めるために前記新しいホームゾーン加入者の識別子が前記測定システムと通信されることを特徴とする請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
セルラ通信ネットワークへの新しい加入者を前記ネットワークの特定セルにおけるホームゾーンユーザとして許可するための照会を受信する手段と、
前記ネットワークの全てのユーザによる前記セルでの資源の利用を測定することに基づいて、前記特定のセルについてのホームゾーンサービス利用可能性の指標を受信する手段と、
前記指標に従って前記特定セルにおけるホームゾーン加入者として、前記ネットワークへの前記新しい加入者を許可する手段とを有することを特徴とするシステム端末。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−518665(P2010−518665A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547545(P2009−547545)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051049
【国際公開番号】WO2008/092507
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】