説明

ホームネットワークシステム

【課題】適切に機器の自動制御を行うホームネットワークシステムを提供する。
【解決手段】住人の入眠と起床とを検知する入眠・起床センサ1と、機器の制御を行う制御装置2と、入眠・起床センサ1および制御装置2との通信をネットワーク経由で行う通信部31と、検知時刻を取得する時刻取得部32と、入眠または起床状態と検知時刻とに対応付けられた制御内容を記憶する制御ルール記憶部331と、入眠・起床センサ1からの入眠または起床状態の情報と時刻取得部32が取得した検知時刻とを制御ルール記憶部331に照合し、入眠・起床状態と検知時刻とに応じた制御内容を抽出する制御内容抽出部34と、制御内容抽出部34が抽出した制御内容に従って制御装置2に対し機器の制御指示を行う制御指示部35と、を有する管理装置3と、を備えることを特徴とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、機器を自動で制御するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動で機器を制御するシステムが数多く発明されてきた。さらに近年では、自動制御のトリガとして、入眠や覚醒を検知して用いる発明もなされている。例えば、特開平3−225143号公報(特許文献1)に示されるような空気調和機の制御装置は、人体の動きを検出することで覚醒時、睡眠時、起床時を検知し、検知した覚醒時、睡眠時、起床時という情報を用いて温度や気流を快適に自動制御する。また、この空気調和機の制御装置は、入眠時刻を学習記憶し、就寝前に送風を行うことで寝床付近の予熱や予冷を行う。これにより、使用者は、手動で設定を行うことなく快適な睡眠環境を創ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−225143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示された従来の制御装置においては、入眠時刻を用いて寝床付近の予熱や予冷を行うための空気調和機の制御が行われてはいるが、このとき使われる時刻情報はタイマーのように用いられるのみである。つまり、この制御装置は、覚醒時、睡眠時、起床時を検知すると、入眠時刻等、他の情報を考慮せずに空気調和機の制御を行う。このような制御では、状況を何ら考慮していないため、使用者やその同居人が置かれている状況によっては制御が不適切になることがあるという問題が存在する。
【0005】
本願発明は、このような従来の課題を解決するものであり、検知された個人の状態だけでなく、そのときの検知対象の個人と宅内との状況を考慮に入れることで、複数の機器を、より適切に、自動制御するホームネットワークシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明のホームネットワークシステムは、複数の機器をネットワーク経由で制御するものであって、入眠・起床センサと制御装置と管理装置とを備えて構成される。入眠・起床センサは住人の入眠と起床とを検知し、制御装置は機器の制御を行う。管理装置は、入眠・起床センサとの通信および制御装置との通信をネットワーク経由で行う通信部と、検知時刻を取得する時刻取得部と、を有する。管理装置3はまた、入眠または起床状態と検知時刻とに対応付けられた制御内容を記憶する制御ルール記憶部を有する。さらに管理装置3は、入眠・起床センサからの入眠または起床状態の情報と時刻取得部が取得した検知時刻とを制御ルール記憶部に照合し、当該入眠または起床状態と当該検知時刻とに応じた制御内容を抽出する制御内容抽出部と、制御内容抽出部が抽出した制御内容に従って制御装置に対し機器の制御指示を行う制御指示部と、を有する。
【0007】
このホームネットワークシステムは、入眠・起床センサにより入眠または起床が検知された場合、当該検知対象の住人を識別する個人識別センサを備えることが望ましい。通信部はこの個人識別センサとの通信を行う。そして制御ルール記憶部は、入眠または起床状態と当該入眠または起床状態の対象の個人識別情報と検知時刻と住人の推定外出状況とに対応付けられた制御内容を記憶する。制御内容抽出部は、入眠・起床センサからの入眠または起床状態の情報と当該検知対象の個人識別情報と時刻取得部により取得された当該入眠または起床状態の検知時刻と住人の推定外出状況とを制御ルール記憶部に記憶された制御内容に照合し、当該入眠または起床状態と当該個人識別情報と当該検知時刻と当該推定外出状況とに応じた制御内容を抽出することが望ましい。
【0008】
このホームネットワークシステムは、入眠・起床センサにより入眠または起床が検知された場合、当該検知対象の住人を識別する個人識別センサを備え、通信部はこの個人識別センサとの通信を行うことが望ましい。そして制御ルール記憶部は、入眠または起床状態と当該入眠または起床状態の対象の個人識別情報と検知時刻と住人の推定就寝状況とに対応付けられた制御内容を記憶する。制御内容抽出部は、入眠・起床センサからの入眠または起床状態の情報と当該検知対象の個人識別情報と時刻取得部により取得された当該入眠または起床状態の検知時刻と住人の推定就寝状況とを制御ルール記憶部に記憶された制御内容に照合し、当該入眠または起床状態と当該個人識別情報と当該検知時刻と当該推定就寝状況とに応じた制御内容を抽出することが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本願発明のホームネットワークシステムは、検知された個人の状態だけでなく、そのときの検知対象の個人と宅内との状況を考慮に入れることで、より適切に機器の自動制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本願発明の実施形態1にかかるホームネットワークシステムの構成図
【図2】本願発明の実施形態1にかかるホームネットワークシステムにおける制御内容の一例を示す図
【図3】本願発明のホームネットワークシステムの動作の一例を示すフローチャート
【図4】本願発明の実施形態2にかかるホームネットワークシステムの構成図
【図5】本願発明の実施形態3にかかるホームネットワークシステムの構成図
【図6】本願発明の実施形態4にかかるホームネットワークシステムの構成図
【図7】本願発明の実施形態5にかかるホームネットワークシステムの構成図
【図8】本願発明の実施形態5にかかるホームネットワークシステムにおける外出パターンの一例を示す図
【図9】本願発明の実施形態5にかかるホームネットワークシステムにおける就寝パターンの一例を示す図
【図10】本願発明の実施形態6にかかるホームネットワークシステムの構成図
【図11】本願発明の実施形態7にかかるホームネットワークシステムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。ただし、以下の実施形態は本願発明の実施例を示したに過ぎず、本願発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
<実施形態1>
本願発明の第1の実施形態を図1に示す。まず、本実施形態の概要を述べると、このホームネットワークシステムは、複数の機器をネットワーク経由で制御するものである。そして、入眠・起床センサ1と制御装置2と管理装置3とを備えてなる。入眠・起床センサ1は住人の入眠と起床とを検知する。制御装置2は機器の制御を行う。管理装置3は、入眠・起床センサ1との通信および制御装置2との通信をネットワーク経由で行う通信部31と、検知時刻を取得する時刻取得部32とを有する。また管理装置3は、入眠または起床状態と検知時刻とに対応付けられた制御内容を記憶する制御ルール記憶部331を有する。管理装置3はさらに、入眠・起床センサ1からの入眠または起床状態の情報と時刻取得部32が取得した検知時刻とを制御ルール記憶部331に照合し、当該入眠または起床状態と当該検知時刻とに応じた制御内容を抽出する制御内容抽出部34と、制御内容抽出部34が抽出した制御内容に従って制御装置2に対し機器の制御指示を行う制御指示部35と、を有する。
【0013】
ここから、本実施形態のホームネットワークシステムを具体的に説明する。本実施形態の制御装置2は、消費電力が少なくなるように機器を制御する省エネ制御装置21を有する。また本実施形態の管理装置3は、通信部31と、時刻取得部32と、制御ルール記憶部331を有する記憶部33と、制御内容抽出部34と、制御指示部35と、を有する。
【0014】
入眠・起床センサ1は、温度センサを有し、住人の体温の変化からその住人の入眠と起床を検知する。このとき、頭部、四肢末端部、体幹部の表面温度差を用いれば、より精度のよい検知が可能となる。また、例えば、湿度センサによって、住人の発汗量を検出し、発汗量の変化からその住人の入眠と起床を検知してもよい。心拍数や体動、脳波等の変化からその住人の入眠と起床を検知するものなどでもよい。
【0015】
省エネ制御装置21は、快適性を損なわずかつ消費電力が少なくなるように、自己に記憶されているプログラムと、管理装置3からの制御指示と、に従ってネットワーク経由で複数の機器を制御する。
【0016】
管理装置3は、入眠・起床センサ1および制御装置2との通信を行いながら、制御内容抽出部34が抽出した制御内容に従って、制御装置2に制御指示を行って機器を制御させる。
【0017】
通信部31は、入眠・起床センサ1および制御装置2との通信を行う。
【0018】
時刻取得部32は、例えばアンテナ部を備え、標準電波などにより、検知時刻を取得する。また、時刻取得部32は、ネットワークを介して他の機器から検知時刻を取得するものでもよい。
【0019】
記憶部33は、住人の人数や、寝室の位置情報、制御ルールなどを記憶する。記憶部33は入力手段を備え、内容を自由に設定できる。例えば、宅内のパソコンやデジタルテレビなどを記憶部33の入力手段とすることが考えられる。
【0020】
制御ルール記憶部331は、入眠または起床状態と検知時刻とを検討項目として、この検討項目に対応した、機器の制御内容を記憶する。制御内容は、記憶部33に記憶されている、住人の人数や寝室の位置情報などを検討項目に含めたものであるほうがよい。また、制御内容は、制御装置2の管理下にある機器の制御状態を検討項目に含めたものであってもよい。
【0021】
以下に、上記のそれぞれの場合についての制御内容の例を示す。まず、最初の場合については、夜の8時から朝の5時の間に住人の入眠を検知すると、門灯以外で稼動状態にある機器の電源を切る、という制御内容が考えられる。次に、2番目に挙げた、制御内容の検討項目に住人の人数や寝室の位置情報などを含める場合は、例えば、図2に制御内容の例を示すように、夜の8時から朝の5時の間に寝室で入眠を検知すると、門灯以外で稼動状態にある機器の電源を切る、という制御内容が考えられる。検討の対象とする機器の稼動状態は、電源のオン・オフだけでなく、明るさ(照明)や設定温度(エアコン)などのような詳細情報としてもよい。また、最後の、制御内容の検討項目に制御装置2の管理下にある機器の制御状態を含める場合は、例えば、住人2名の住宅で夜の8時から朝の5時の間に寝室で入眠を一度検知し、そのとき宅内で寝室以外の部屋の照明がついていない場合は、門灯と寝室以外で稼動状態にある機器の電源を切る、という制御内容が考えられる。これは、宅内で起きている人物はいるがその人物はすでに寝室にいるとして、寝室と門灯以外の、廊下の照明などといった機器は電源を切る、という制御の例である。
【0022】
この制御ルール記憶部331は、入力手段を備え、制御内容を自由に設定できるようにしてもよい。例えば、宅内のパソコンやデジタルテレビなどを制御ルール記憶部331の入力手段とし、この入力手段から、制御内容を生活の実態や住人の好みに合わせて設定してもよい。例えば、上記の例において、就寝直前にトイレに行くことが習慣になっているのであれば、住人2名の住宅で夜の8時から朝の5時の間に寝室で入眠を一度検知し、そのとき宅内で寝室以外の部屋の照明がついていない場合でも、トイレまでの廊下の照明は消さないように設定することが考えられる。
【0023】
制御内容抽出部34は、入眠・起床センサ1が入眠または起床状態を検知した場合、その入眠または起床状態と、時刻取得部32が取得した検知時刻と、を制御ルール記憶部331に記憶されている制御内容に照合し、これらの情報に応じた制御内容を抽出する。制御内容抽出部34は、制御内容が、記憶部33に記憶されている情報や制御装置2の制御下にある機器の制御状態を考慮したものである場合は、これらの情報も考慮に入れて制御内容を抽出する。例えば、夜の12時に寝室で入眠を検知し、門灯と居間と寝室の照明がついており、寝室のオーディオ機器が稼動状態である場合には、門灯はそのままで居間と寝室の照明を切り、寝室のオーディオ機器の電源を切る、という制御内容が抽出される。
【0024】
制御指示部35は、制御装置2に対し、制御内容抽出部34が抽出した制御内容に従って機器の制御を行うよう指示する。
【0025】
次に、上述のように構成されたホームネットワークシステムの動作について、図3に示すフローをもとに説明する。ここでは、記憶部33に記憶されている情報や制御装置2の制御下にある機器の制御状態を考慮した制御内容である場合について述べる。
はじめに、入眠・起床センサ1によって住人の入眠または起床が検知される(ステップS1)。入眠・起床センサ1は、入眠または起床を検知すると、管理装置3に入眠を検知したことを示す入眠検知信号または起床を検知したことを示す起床検知信号を送る。
【0026】
管理装置3が入眠・起床センサ1から入眠検知信号または起床検知信号を受け取ると、時刻取得部32は検知時刻を取得する。制御内容抽出部34は、通信部31を通して制御装置2の制御管理下にある機器の制御状態を取得する(ステップS2)。
【0027】
その上で、制御内容抽出部34は、取得された入眠または起床状態と検知時刻と制御状態と、記憶部33に記憶されている情報と、の全てに対応した制御内容を、制御ルール記憶部331に記憶されている制御内容から抽出する(ステップS3)。
【0028】
制御指示部35は、制御装置2に対し、制御内容抽出部34が抽出した制御内容に従って機器の制御を行うよう指示する制御指示を送信する(ステップS4)。
【0029】
制御指示を受信した制御装置2は、受信した制御指示に従って自己の制御管理下にある機器の制御を行う(ステップS5)。本実施形態においては、この制御は省エネ制御装置21が行う。
【0030】
これらのステップを入眠または起床を検知するたびに行う。これにより、省エネ制御装置21自身がもつ制御プログラムによる制御に加え、入眠または起床状態の検知をトリガとして、検知時刻などの情報をもとに抽出された制御をも行うことができる。入眠または起床状態の検知をトリガとすると、例えば人感センサなどによる情報をトリガとする場合に比べ、誤制御の減少が期待できる。人感センサなどによる情報をトリガとする場合の例として、人感センサにより人がいないと判断されると照明やエアコンを切るなどの制御を行う場合を考える。このとき、人感センサは人がいても動いていなければ不在と判断してしまうので、誤操作の可能性が高くなる。一方で、本実施形態のホームネットワークシステムは、入眠または起床という明確な状態をトリガとするため、このような誤制御を減少させることができる可能性がある。また、本実施形態のホームネットワークシステムは、トリガを検知した際の検知対象の個人と宅内との状況に応じた制御内容を抽出するため、より適切な制御が実現できる。例えば検知時の時刻を判断材料に組み込むことで、例えば朝に起床する時と夜中にトイレのため起きる時とで異なる制御ができる。
【0031】
ここで、本実施形態の他の例を示す。
住人は2名であり、寝室は同室であることが記憶部33に記憶されている。この状態で夜の10時に寝室で入眠が一度検知されたとする。この場合は、住人2名のうち1名の入眠しか確認できていないことになる。管理装置3は、制御ルールに従って制御装置2に対し寝室の照明を少し暗くするよう指示を出し、制御装置2によって照明の照度が落とされる。次に、起床が一度も検知されないまま夜の11時にもう一度寝室で入眠が検知されたとする。住人2名に対し、就寝者が2名ということになるので、住人全てが就寝したということになり、管理装置3は、制御ルールに従い、制御装置2の制御管理下にある全ての機器のうち動作状態のままになっている機器を全て停止状態にするよう制御装置2に対し指示を出す。そして、指示を受けた制御装置2によって制御が行われる。
【0032】
これらの制御は、家庭環境に合わせて設定可能である。例えば、朝10時から夜8時の間は、入眠しても就寝ではなく仮眠の可能性が高いとして、入眠が検知されてから30分間起床が検知されない状態が続いた場合にのみ機器を停止状態にするなどの制御を実行するようにしてもよい。また、寝室以外で入眠を検知した場合は、就寝ではなく仮眠の可能性が高いとして、入眠が検知されてから30分間起床が検知されない状態が続いた場合にのみ機器を停止状態にするなどの制御を実行するようにしてもよい。さらに、夜の12時から朝の5時までの間は、起床が検知されても、トイレに起きただけの可能性が高いとして、起床が検知されるとトイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明だけを点灯させるようにしてもよい。
【0033】
これにより、手動で操作することなく、誤制御の少ないこまめな機器電源のオン・オフ制御を行うことができる。
【0034】
以上で示したように、トリガとなる状態を検知したときの時刻や場所など、検知された状態だけでなく、そのときの状況を考慮に入れて自動制御が行われるので、より誤作動の少ない、また、より住人の希望に添った適切な制御を実現することが可能である。
【0035】
<実施形態2>
図4に、本願発明の第2の実施形態を示す。このホームネットワークシステムは実施形態1と略同一の構成を備えているので、共通の構成については説明を省略し特徴的な構成および作用効果についてのみ説明する。
【0036】
本実施形態のホームネットワークシステムは、制御装置2が、省エネ制御装置21を有するのではなく、防犯目的で機器を制御する防犯制御装置22を有する。
【0037】
防犯制御装置22は、自己に記憶されている防犯を目的としたプログラムと、管理装置3からの制御指示と、に従ってネットワーク経由で複数の機器を制御する。
【0038】
この場合の例を示す。住人は2名であることが予め記憶部33に記憶されているとする。この状態で、起床の検知を間に挟まず入眠が二度検知された場合、管理装置3は、制御ルールに従い、防犯制御装置22に対し、電気錠を施錠状態にし、防犯制御装置22のモードを警戒モードに設定するよう指示を出す。そして、防犯制御装置22により指示に従った制御が行われる。
【0039】
これにより、就寝前に使用者がマニュアル操作で実施するべき防犯モードの切り替えを自動で行うことが可能となる。
【0040】
以上で示したように、トリガとなる状態を検知したときの時刻や場所、その他条件など、検知された個人の状態だけでなく、そのときの検知対象の個人と宅内との状況を考慮に入れて自動制御が行われるので、より誤作動の少ない、また、より住人の希望に添った制御を実現することが可能である。
【0041】
<実施形態3>
図5に、本願発明の第3の実施形態を示す。このホームネットワークシステムは実施形態1と略同一の構成を備えているので、共通の構成については説明を省略し特徴的な構成および作用効果についてのみ説明する。
【0042】
本実施形態のホームネットワークシステムは、制御装置2が、省エネ制御装置21を有するのではなく、来客時に用いられ、来客映像を記憶するレコーダを有するインターホン制御装置23を有する。
【0043】
インターホン制御装置23は、インターホンを管理下に置いており、インターホンが取得した来客映像を記憶するレコーダを備える。また、自己に記憶されているプログラムと、管理装置3からの制御指示と、に従ってネットワーク経由で複数の機器を制御する。
【0044】
この場合の例を示す。住人は2名であることが予め記憶部33に記憶されているとする。この状態で、起床が検知されることなく入眠が二度検知された場合、次に起床が検知されるまでは、管理装置3は、制御ルールに従い、インターホン制御装置23に対し、インターホンの親機、子機等の来客音を無音にするよう指示を出す。また、この間にインターホンが来客情報を受信した場合は、来客映像をインターホン制御装置23のレコーダに記録するよう指示を出す。そして、指示を受けたインターホン制御装置23により指示に従った制御が行われる。
【0045】
これにより、睡眠中に起こされることなく、また来客映像は後で確認可能となる。
【0046】
さらに、朝の8時から夜の11時までは、入眠が検知されてから起床が検知されるまでの間もインターホンの親機、子機等の来客音を通常通り出させ、夜の11時から朝の8時までは無音にするなど、細かい設定を行ってもよい。
【0047】
これにより、仮眠中などの訪問者には対応し、夜の就寝中の訪問者には即時には対応しないなどといった、生活実態や好みに合った制御が可能となる。
【0048】
以上で示したように、トリガとなる状態を検知したときの時刻や場所、その他条件など、検知された個人の状態だけでなく、そのときの検知対象の個人と宅内との状況を考慮に入れて自動制御が行われるので、より誤作動の少ない、また、より住人の希望に添った制御を実現することが可能である。
【0049】
<実施形態4>
図6に、本願発明の第4の実施形態を示す。このホームネットワークシステムは実施形態1と略同一の構成を備えているので、共通の構成については説明を省略し特徴的な構成および作用効果についてのみ説明する。
【0050】
本実施形態のホームネットワークシステムは、制御装置2が、省エネ制御装置21と防犯制御装置22とインターホン制御装置23とをすべて有する。
【0051】
この場合の例を示す。住人は2名であり、寝室は同室であることが記憶部33に記憶されている。この状態で夜の10時に寝室で入眠が一度検知されたとする。この場合、住人2名のうち1名の入眠しか確認できていないことになるため、寝室の照明を少し暗くする。住人2名のうち1名が起きていることになるので、防犯制御装置22は非警戒モードのまま運用する。インターホン制御装置23も通常通り来客音を出す制御を行う。次に、起床が一度も検知されないまま夜の11時にもう一度寝室で入眠が検知されたとする。住人2名に対し、就寝者が2名ということになるので、住人全てが就寝したということになり、省エネ制御装置21の制御管理下にある機器のうち、動作状態のままになっている機器は全て停止状態にされる。また、防犯制御装置22制御下の電気錠は施錠状態にされ、防犯制御装置22は警戒モードで運用を開始する。さらに、インターホン制御装置23は、来客音を無音にし、インターホンが来客情報を受信した場合は来客映像をレコーダに記録する制御を行う。これらの指示は全て管理装置3によって行われる。
【0052】
これにより、一度のトリガ検知で複数の制御装置管理下の機器を全て自動制御できる。
【0053】
以上で示したように、トリガとなる状態を検知したときの時刻や場所、その他条件など、検知された個人の状態だけでなく、そのときの検知対象の個人と宅内との状況を考慮に入れて自動制御が行われるので、より誤作動の少ない、また、より住人の希望に添った制御を実現することが可能である。
【0054】
<実施形態5>
図7に、本願発明の第5の実施形態を示す。このホームネットワークシステムは実施形態1〜4と略同一の構成を備えているので、共通の構成については説明を省略し特徴的な構成および作用効果についてのみ説明する。
【0055】
入眠・起床センサ1により入眠または起床が検知された場合に当該検知対象の住人を識別する個人識別センサ4を備える。通信部31は個人識別センサ4との通信も行う。そして制御ルール記憶部331は、入眠または起床状態と当該入眠または起床状態の対象の個人識別情報と検知時刻と住人の推定外出状況とに対応付けられた制御内容を記憶する。制御内容抽出部34は、入眠・起床センサ1からの入眠または起床状態の情報と当該検知対象の個人識別情報と時刻取得部32により取得された当該入眠または起床状態の検知時刻と住人の推定外出状況とを制御ルール記憶部331に記憶された制御内容に照合し、当該入眠または起床状態と当該個人識別情報と当該検知時刻と当該推定外出状況とに応じた制御内容を抽出する。そして制御ルール記憶部331は、入眠または起床状態と当該入眠または起床状態の対象の個人識別情報と検知時刻と住人の推定就寝状況とに対応付けられた制御内容を記憶する。制御内容抽出部34は、入眠・起床センサ1からの入眠または起床状態の情報と当該検知対象の個人識別情報と時刻取得部32により取得された当該入眠または起床状態の検知時刻と住人の推定就寝状況とを制御ルール記憶部331に記憶された制御内容に照合し、当該入眠または起床状態と当該個人識別情報と当該検知時刻と当該推定就寝状況とに応じた制御内容を抽出する。
【0056】
記憶部33は、さらに外出パターン記憶部332と就寝パターン記憶部333とを有する。また、記憶部33は、登録されている住人のID、その住人の性別、身長などの個人情報、その住人の自室(寝室)、制御ルール、外出パターン、就寝パターンなどを記憶する。
【0057】
外出パターン記憶部332は、登録されている住人の生活パターンのうち住人の外出パターンを記憶する。外出パターン記憶部332は、入力手段を備え、外出パターンを自由に設定できる。図8に記憶内容の一例を示す。例えば、ID1の住人は朝7時から夜7時までは外出し、ID2の住人は毎日決まった外出時間帯はないといったおよその外出パターンを、入力手段から外出パターン記憶部332に記憶させておく。この情報を用いることにより、入眠・起床センサ1および個人識別センサ4によってある住人の入眠または起床状態が検知された場合に、その時間に他の住人は在宅か、などといった情報から宅内の状況をも推定可能となる。
【0058】
就寝パターン記憶部333は、登録されている住人の生活パターン就寝時刻と起床時刻とからなる就寝パターンを記憶する。就寝パターン記憶部333は入力手段を備え、この入力手段から就寝パターンを自由に設定できる。図9に記憶内容の一例を示す。例えば、ID1の住人は朝6時に起きて夜11時に就寝し、ID2の住人は朝5時に起きて夜10時に就寝するといった、およその就寝パターンを記憶させておく。この情報を用いることにより、入眠・起床センサ1および個人識別センサ4によって、ある住人の入眠が検知された場合に、それが本格的な就寝かまたは仮眠か、あるいは、起床が検知された場合に、それが本格的な起床かまたはトイレ等のために一時的に起きたのか、を推定可能となる。
【0059】
通信部31は、個人識別センサ4とも通信を行う。
【0060】
個人識別センサ4は、センサ部を有し、入眠・起床センサ1によって入眠または起床が検知された場合に、その検知対象の住人を識別する。例えば、信号電波等を発信する装置を住人が携帯し、センサ部がそれを受信することで個人識別をする。信号電波等を発信する装置でなく、IDカードなどを用いてもよい。また、個人識別センサ4は、対象となりうる人物の身長や行動範囲などの個人情報を記憶する記憶部を有し、センサ部から得た、入眠または起床を検知された対象の人物の情報と、記憶部の情報と、を照合して、個人識別を行うことも考えられる。このとき、個人識別センサ4は自己で記憶部を設けずに管理装置3の記憶部32が個人情報を記憶し、個人識別センサ4は、管理装置3との通信により個人情報を取得するようにしてもよい。他にも、顔などの画像を取得して識別を行うなど、個人の識別が可能であれば手段は問わない。
【0061】
制御ルール記憶部331に記憶される制御内容は、入眠または起床状態とその対象の個人識別情報と検知時刻と住人の推定外出状況と住人の推定就寝状況とに対応付けられたものである。例えば、朝7時から夜7時まではID1の住人は不在でID2の住人は在宅という推定外出状況であるとすると、朝7時から夜7時までは、ID2の住人の入眠が検知されたら、ID1の住人の入眠を検知していなくても現在稼動中の機器の電源を切る、などの制御内容が考えられる。また、その際、朝7時から夜12時まではID2の住人は活動しているという推定就寝状況であるとすると、朝7時から夜12時までの時間帯に入眠が検知された場合については、仮眠であるとして、全機器の電源を切るのではなく例えば空調以外の機器の電源だけを切る、などの制御内容が考えられる。実施形態1〜4と同様、制御内容は、記憶部33に記憶されている情報を検知項目に含めたものであるほうがよい。また、制御内容は、制御装置2の管理下にある機器の制御状態を検知項目に含めたものであってもよい。
【0062】
制御内容抽出部34は、処理部を備え、外出パターン記憶部332に記憶されている外出パターンから、入眠・起床センサ1による入眠または起床状態の検知時刻における住人の推定外出状況を判断する。また、制御内容抽出部34は、就寝パターン記憶部333に記憶されている就寝パターンから、入眠または起床状態の検知時刻における住人の推定就寝状況を判断する。そして、制御内容抽出部34は、入眠・起床センサ1が入眠または起床状態を検知した場合、その入眠または起床状態と、個人識別センサ2が検出した個人識別情報と、時刻取得部32が取得した検知時刻と、住人の推定外出状況と、住人の推定就寝状況と、を制御ルール記憶部331に記憶されている制御内容に照合し、これらの情報に応じた制御内容を抽出する。例えば、平日の朝7時から夜7時まではID1の住人は不在であることが外出パターン記憶部332に記憶されているとすると、平日の昼2時にID2の住人の入眠が検知され、居間の照明と空調とテレビがついている場合、ID1の住人の入眠を検知していなくても居間の照明と空調とテレビを消す、という制御内容が抽出される。また、その際、ID2の住人の起床時間が朝5時で就寝時間が夜10時であることが就寝パターン記憶部333に記憶されているとすると、平日の昼2時にID2の住人の入眠が検知され、居間の照明と空調とテレビがついている場合、ID1の住人の入眠を検知していなくても居間の照明とテレビを消すが空調は消さない、という制御内容が抽出される。制御内容が、記憶部33に記憶されている情報や制御装置2の制御下にある機器の制御状態を考慮したものである場合は、これらの情報も考慮に入れて制御内容を抽出する。
【0063】
本実施形態で追加される動作について説明する。なお、ここでも、実施形態1と同様に、記憶部33に記憶されている情報や制御装置2の制御下にある機器の制御状態を考慮した制御内容である場合について述べる。
【0064】
図3のステップS1で、入眠または起床を検知した入眠・起床センサ1は、管理装置3だけでなく個人識別センサ4にも入眠検知信号または起床検知信号を送る。
【0065】
ステップS2で、入眠・起床センサ1から入眠検知信号または起床検知信号を受け取った個人識別センサ4は、自己のセンサ部により収集した情報と自己の記憶部の情報とを照合して、入眠または起床を検知された対象の住人を識別する。その後、個人識別センサ4は識別された住人が誰かという情報を管理装置3に送る。
【0066】
ステップS3では、制御内容抽出部34は、検知時刻と外出パターン記憶部332に記憶されている外出パターンと就寝パターン記憶部333に記憶されている就寝パターンとから住人の推定外出状況と推定就寝状況とを判断し、取得された入眠または起床状態と個人識別情報と検知時刻と制御状態と、記憶部33に記憶されている情報と、推定外出状況と、推定就寝状況と、の全てに対応した制御内容を、制御ルール記憶部331に記憶されている制御内容から抽出する。
【0067】
これにより、例えば住人の外出パターンと検知時刻とから検知時にどの住人が在宅かを把握し、その上で入眠または起床の検知情報と検知対象の個人識別情報とからどの住人が入眠または起床したかの情報を得、さらに住人の就寝パターンからその住人の就寝または起床の状況を得るというように、住人の外出パターンと就寝パターンと検知時刻と入眠または起床の検知情報と検知対象の個人識別情報とを全て判断材料に組み込んだ制御が行える。例えば住人の一人の入眠を検知したとき、その住人以外の住人が不在であるならば在宅の全ての住人が就寝したことになるが、その住人以外の住人が在宅であるならば、在宅で起きている(入眠が未だ検知されていない)住人がいることになる。また、例えば起床時間の異なる2人の住人がいる住宅で一人の起床を検知したとき、検知時間が就寝時間帯に入る住人が起床したならばトイレ等のため一時的に起きた可能性が高いのに対し、起床時間を過ぎた、あるいは起床時間の近い住人が起床したならば本格的な起床である可能性が高いと判断できる。本実施形態のホームネットワークシステムは、個人識別情報と外出パターンと就寝パターンと検知時刻とを利用することにより、それぞれの場合によって異なる制御を行うことができる。
【0068】
ここから、本実施形態の例を示す。住人は夫と妻の2名であり、寝室は同室であることが記憶部33に記憶されている。また、夜の7時以降は夫、妻ともに帰宅していることが外出パターン記憶部332に記憶されているとする。この状態で夜の10時に入眠・起床センサ1および個人識別センサ4により妻の入眠が検知されたとする。この場合、夫の入眠がまだ確認できていないため、管理装置3は、制御ルールに従って、省エネ制御装置21に対し、全ての機器の電源を切るのではなく、寝室の照明を少し暗くするよう指示を出し、省エネ制御装置21によって照明の照度が落とされる。次に、夜の11時に入眠・起床センサ1および個人識別センサ4により夫の入眠が検知されると、在宅の住人全てが就寝したとして、管理装置3は、制御ルールに従って、省エネ制御装置21の制御管理下にある全ての機器のうち動作状態のままになっている機器を全て停止状態にするよう省エネ制御装置21に対し指示を出す。そして、指示を受けた省エネ制御装置21によって制御が行われる。
【0069】
さらに、外出パターン記憶部332に、夫は平日の朝7時から夜7時まで不在であることが記憶されているとする。この場合、平日の朝7時から夜7時までは妻のみの入眠または起床の状態から制御内容を抽出することにしてもよい。例えば、平日の昼2時に妻の入眠が検知された場合、在宅の住人全てが就寝したとして、管理装置3は、省エネ制御装置21の制御管理下にある全ての機器のうち動作状態のままになっている機器を全て停止状態にするよう省エネ制御装置21に対し指示を出す。そして、指示を受けた省エネ制御装置21によって制御が行われる。
【0070】
または、住人は夫と妻の2名であることが記憶部33に、夫の起床時間は朝の6時で妻の起床時間は朝の5時であることが就寝パターン記憶部333に記憶されているとする。さらに、就寝時刻の1時間後から起床時刻の1時間前までの間は、起床が検知されるとトイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明のみを点灯させるような制御内容が設定されている。この状態で、朝の4時30分に起床が検知されたとする。検知されたのが妻の起床である場合は、起床時刻の一時間前を過ぎているので、廊下や洗面所などの照明をつける。検知されたのが夫の起床である場合は、就寝時刻の1時間後から起床時刻の1時間前までの間にあたるので、トイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明のみを点灯させる。
【0071】
上記は省エネ制御装置21による制御の例であるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば以下のように、省エネ制御装置21と防犯制御装置22とインターホン制御装置23とによる制御も考えられる。なお、省エネ制御装置21と防犯制御装置22や、防犯制御装置22とインターホン制御装置23、インターホン制御装置23と省エネ制御装置21、などの組み合わせでもよいし、他の制御装置を用いてもよい。
【0072】
住人は夫と妻の2名であることが記憶部33に、夫は平日の朝7時から夜7時まで不在であることが外出パターン記憶部332に記憶されているとする。平日の朝7時から夜7時までは妻のみの入眠または起床の状態を考慮することが制御内容として制御ルール記憶部331に記憶されているとする。さらに、朝の8時から夜の11時までは、入眠が検知されてから起床が検知されるまでの間もインターホンの親機、子機等の来客音を通常通り発生させ、夜の11時から朝の8時までは無音にすることが制御内容として制御ルール記憶部331に記憶されているとする。この状態で昼の2時に妻の入眠が検知された場合を考える。在宅の住人全てが就寝したことになるので、省エネ制御装置21の制御管理下にある全ての機器のうち、動作状態のままになっているものは全て停止状態にされる。また、在宅の住人全てが就寝したことになるので、防犯制御装置22は警戒モードに設定され、その状態で自己の管理下にある機器を制御する。在宅の住人全てが就寝したことになるものの、時間帯による設定がなされているので、インターホン制御装置23の管理下にあるインターホンの親機、子機等の来客音は通常通り発される。
【0073】
このように、誰が寝たか、あるいは起きたか、ということを識別することで、より生活実態に応じた制御が可能となる。
【0074】
以上で示したように、トリガとなる状態を検知したときの時刻などの他に、検知対象の個人識別情報や住人の生活パターン等の個人情報なども活用した上で自動制御が行われるので、より住人の生活実態に合った制御を実現することが可能である。
【0075】
<実施形態6>
図10に、本願発明の第6の実施形態を示す。このホームネットワークシステムは実施形態5と略同一の構成を備えているので、共通の構成については説明を省略し特徴的な構成および作用効果についてのみ説明する。
【0076】
本実施形態のホームネットワークシステムは、さらに、管理装置3が就寝パターン自動設定部361を有する自動設定部36を備えるものである。
【0077】
就寝パターン自動設定部361は、入眠・起床センサ1および個人識別センサ4から得られる情報と就寝パターン記憶部333に記憶されている就寝パターンとを照合し、記憶されている就寝パターンと異なる就寝パターンが続くと、より実態に近い就寝パターンを予測し、自動で就寝パターンを変更、更新する。また、この就寝パターン自動設定部361は、同じ状況について頻繁に終身パターンの設定変更が手動でなされている場合などに、最適な就寝パターンを予測して自動で制御内容を変更、更新する。
【0078】
例を述べる。例えば、就寝時刻が夜の11時で、起床時刻が朝の6時であることが就寝パターン記憶部333に記憶されているとする。その上で、就寝時刻の1時間後から起床時刻の1時間前までの間は、起床が検知されてもトイレに起きただけの可能性が高いとして、起床が検知されるとトイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明のみを点灯させるような制御内容が設定されている。しかし、住人の生活パターンは、平日は確かにおよそ夜の11時に就寝して朝の6時に起床するが、週末は夜中の2時に就寝して朝の9時に起床する、というものであるとする。この場合、就寝パターン自動設定部361は、過去1ヶ月の入眠時刻と起床時刻のデータから就寝時刻と起床時刻を自動予測して、就寝パターン記憶部333の就寝パターンを自動的に書き換える。これにより、週末の就寝時刻は夜中の2時で起床時刻は朝の9時であることが就寝パターン記憶部333に記憶される。その結果、夜中の3時から朝の8時までの間は、起床が検知されるとトイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明のみを点灯させるような制御が行われる。
【0079】
また、インターホン制御装置23を有する場合は、このように就寝時刻と起床時刻を自動更新すると、インターホン制御装置23によるインターホンの親機、子機等の来客音を無音にし、来客映像をレコーダに記録する制御などの時間帯を自動で更新させることもできる。
【0080】
このように、本実施形態のホームネットワークシステムは自動で就寝パターン記憶部333の情報を更新するので、変更のたびに手動で就寝パターンを書き換えるという手間を減らすことができる。手動で就寝パターンを書き換えなくても自動で更新されるので、就寝パターンをより実態にあったものに保つことができるという効果もある。
【0081】
<実施形態7>
図11に、本願発明の第7の実施形態を示す。このホームネットワークシステムは実施形態6と略同一の構成を備えているので、共通の構成については説明を省略し特徴的な構成および作用効果についてのみ説明する。
【0082】
本実施形態のホームネットワークシステムは、さらに、管理装置3の自動設定部36が制御内容自動設定部362を備えるものである。
【0083】
制御内容自動設定部362は、制御装置2の管理下にある機器の制御状態の履歴を収集して分析を行う。制御内容に従った制御がなされた後に、制御装置2の制御によらず制御状態が変更されることが続いた場合や、同じ状況について頻繁に制御内容の設定変更が手動でなされている場合などに、最適な制御内容を予測し、自動で制御内容を変更する。
【0084】
例を述べる。例えば、就寝時刻が夜の11時で、起床時刻が朝の6時であることが就寝パターン記憶部333に記憶されているとする。その上で、就寝時刻の1時間後から起床時刻の1時間前までの間は、起床が検知されてもトイレに起きただけの可能性が高いとして、起床が検知されるとトイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明のみを点灯させるような制御内容が設定されている。しかし、住人は、トイレに起きたついでに毎回キッチンに寄って水を飲んでいたとする。この場合は、手動でキッチンの照明をつけることになる。制御内容自動設定部362は、機器の制御状態の情報から、自動で機器制御を行った後にさらに手動で機器の操作が行われたことを検知し、現在の制御内容は最適ではないと判断する。そして、例えば過去一週間、就寝時刻の1時間後から起床時刻の1時間前までの間で起床が検知されたときに毎回キッチンの照明が手動でつけられているというデータを得ると、就寝時刻の1時間後から起床時刻の1時間前までの間は、起床が検知されるとトイレの照明と寝室からトイレまでの廊下の照明とキッチンの照明を点灯させる、という制御内容に自動で書き換える。
【0085】
このように、本実施形態のホームネットワークシステムは自動で制御内容を変更するので、自動制御の内容が希望通りでないときに毎回手動で機器を操作しなおしたり、手動で制御内容を書き換えたりといった手間を減らすことができる。手動で制御内容を書き換えなくても自動で変更されるので、制御内容をより最適に近いものに保つことができるという効果もある。
【符号の説明】
【0086】
1 入眠・起床センサ
2 制御装置
3 管理装置
31 通信部
32 時刻取得部
331 制御ルール記憶部
34 制御内容抽出部
35 制御指示部
4 個人識別センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器をネットワーク経由で制御するホームネットワークシステムであって、
住人の入眠と起床とを検知する入眠・起床センサと、
前記機器の制御を行う制御装置と、
前記入眠・起床センサとの通信および前記制御装置との通信をネットワーク経由で行う通信部と、検知時刻を取得する時刻取得部と、入眠または起床状態と検知時刻とに対応付けられた制御内容を記憶する制御ルール記憶部と、前記入眠・起床センサからの入眠または起床状態の情報と前記時刻取得部が取得した検知時刻とを前記制御ルール記憶部に照合し、当該入眠または起床状態と当該検知時刻とに応じた前記制御内容を抽出する制御内容抽出部と、前記制御内容抽出部が抽出した前記制御内容に従って前記制御装置に対し前記機器の制御指示を行う制御指示部と、を有する管理装置と、
を備えることを特徴とするホームネットワークシステム。
【請求項2】
前記入眠・起床センサにより入眠または起床が検知された場合、当該検知対象の住人を識別する個人識別センサを備え、
前記通信部は前記個人識別センサとの通信を行い、
前記制御ルール記憶部は、前記入眠または起床状態と当該入眠または起床状態の対象の個人識別情報と前記検知時刻と住人の推定外出状況とに対応付けられた制御内容を記憶し、
前記制御内容抽出部は、前記入眠・起床センサからの入眠または起床状態の情報と、個人識別センサにより識別された当該検知対象の個人識別情報と、前記時刻取得部により取得された前記入眠または起床状態の検知時刻と、前記住人の推定外出状況と、を前記制御ルール記憶部に記憶された制御内容に照合し、当該入眠または起床状態と当該個人識別情報と当該検知時刻と当該推定外出状況とに応じた前記制御内容を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載のホームネットワークシステム。
【請求項3】
前記入眠・起床センサにより入眠または起床が検知された場合、当該検知対象の住人を識別する個人識別センサを備え、
前記通信部は前記個人識別センサとの通信を行い、
前記制御ルール記憶部は、前記入眠または起床状態と当該入眠または起床状態の対象の個人識別情報と前記検知時刻と住人の推定就寝状況とに対応付けられた制御内容を記憶し、
前記制御内容抽出部は、前記入眠・起床センサからの入眠または起床状態の情報と、個人識別センサにより識別された当該検知対象の個人識別情報と、前記時刻取得部により取得された前記入眠または起床状態の検知時刻と、前記住人の推定就寝状況と、を前記制御ルール記憶部に記憶された制御内容に照合し、当該入眠または起床状態と当該個人識別情報と当該検知時刻と当該推定就寝状況とに応じた前記制御内容を抽出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のホームネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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