ホーム基地局を備えた通信システムにおけるトラフィックの管理方法及び構成
本発明はホーム基地局(1)と連携して効率的なトラフィック搬送を可能にする方法及び装置に関する。ホーム基地局と接続されている移動体端末(2)からホーム基地局に着信するトラフィックをローカルブレークアウト・トランスポート手段によってトランスポートすることが可能となる。このトランスポートは、ローカルネットワーク(20)を介してローカルノード(4)へ、又は、移動通信システムのコアネットワーク(15)を経由することなくインターネット(21)へトラフィックを転送することを意味する。移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラであるローカルブレークアウトベアラ (22)が確立される。上記移動体端末は、ローカルブレークアウトベアラでの、ホーム基地局へのローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックの転送を行う。従って、ローカルノード又はインターネットを宛先とするトラフィックがコアネットワークを経由する必要がなくなり、これによって効率のよいトラフィック転送が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホーム基地局を備えた通信システムにおける方法及び構成に関し、特に、ホーム基地局と接続してトラフィックを管理する方法及び構成に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代UMTSシステム(例えば、非特許文献1、特に、その発展型バージョンSAE/LTE(例えば、(発展型パケットシステム(EPS)とも呼ばれる)非特許文献2、及び、非特許文献3において、ホーム基地局というコンセプトが導入されている。3Gにおいてホーム基地局がHome NodeB(HNB)と呼ばれるのに対して、EPSにおいては、ホーム基地局はHome eNodeB(HeNB)と呼ばれる。ホーム基地局はプライベートな家庭内に配置され、移動通信システムのコアネットワークにアクセスするためのホーム所有者の固定ブロードバンド接続を利用するものと仮定されている。また、ホーム所有者がホーム基地局の実際の物理的設置の管理を行うことも仮定されている。このため、ホーム基地局の配備計画は不可能となる。なぜなら、ホーム基地局の大部分が移動通信システムの通信事業者の制御の範囲外になるからである。ホーム基地局というコンセプトの別の重要な特性として、潜在的に非常に多数のホーム基地局が存在することが挙げられる。
【0003】
(Home NodeBあるいはHome eNodeBのような)ホーム基地局は、通信事業者のネットワークの境界においてセキュリティゲートウェイにつながる(IPsecにより保護されているものと仮定される)安全なトンネルを介して通信事業者のコアネットワークと接続している。このトンネルを介して、ホーム基地局は、通信事業者のコアネットワークのコアネットワークノード(EPS内のSIインタフェースを介するMME及びS−GW、あるいは、3G UMTS内のIuインタフェース又はIuhインタフェースを介するSGSN及びMSC(又はMGW及びMSCサーバ)など)と接続する。3GPP通信事業者はまた、ホーム基地局と正規のコアネットワークノードとの間において通信事業者のネットワーク内に集信装置ノードを配備している場合もある。EPSの標準化では、このような集信装置ノードは一般にHeNBゲートウェイと呼ばれるが、このようなノードはEPS HeNBによる解決方法におけるオプションのノードであってもよい。3G UMTS規格における対応するノード名はHNBゲートウェイであり、このノードは3G HNBシステムにおいて必須のものである。
【0004】
EPSと3G UMTSの双方の場合、ホーム基地局は、搬送ネットワーク(の一部)としてブロードバンドアクセスネットワークを使用する。ホーム基地局とコアネットワーク間における可能なネットワークアドレス変換装置(NAT)は、例えば(IKEv2のような)インターネットキー交換プロトコルを使用している場合、安全なトンネルにとって問題となるものではない。この交換プロトコルは、NATトラバーサル(すなわち、必要に応じて行われるEPSトラフィック用のアクティベートUDP(ユーザデータグラムプロトコル)カプセル化)の管理が可能であり、かつ、安全なトンネル確立のために使用されると仮定されている。
【0005】
さらに、ユーザプレーンセキュリティ、RLCプロトコル及びPDCPプロトコルは、3GではRNCにおいて、及び、LTEではeNodeBにおいて終端される。ホーム基地局が使用されているとき、これらのプロトコルは、ホーム基地局において(RNC機能が3G HNBアーキテクチャ内のHNB内に存在する場合にはHNB内において、あるいは、RNC機能がLTE内のHeNBに置かれている場合にはHeNBにおいて)終端される。これによって、ホーム基地局においてユーザプレーンIPパケットを容易に可視化させている。
【0006】
この設定を通じて、ユーザ機器(UE、移動体端末とも呼ばれる)が、他の任意のUEの場合のようにホーム基地局及びコアネットワークを介して通信を行うことが可能となる。しかし、ホーム基地局が(ブロードバンドモデムなどの)該ホーム基地局の所有者のブロードバンドアクセスと接続されているため、このホーム基地局は潜在的に(ローカルCPEネットワークとしても知られている)家庭内LANの一部である。従って、UEは、プリンタ又はコンピュータなどの家庭内LANと接続されている別の装置と潜在的に通信を行うことも可能となる。この結果、ホーム基地局に関連したメカニズムは、UEが(家庭内LAN内の装置と)ローカルに、そして、(家庭内LANの外部にある装置と)リモートに通信を可能にする必要があると共に、これら2つのタイプのトラフィックをミックスし、かつ、同時に進行中の、ローカル及び遠隔の双方による通信セションを行うことが可能であることが望ましい。
【0007】
しかし、従来技術による解決方法によれば、ホーム基地局は、リモートな通信セションに関連するトラフィックと比較して、ローカルな通信セションに関連するトラフィックに対する特別の処理を区別し、かつ、この処理を提供することはできない。従って、現行のホーム基地局による解決方法には、特定タイプのトラフィックに適合したさらに効率のよいトラフィック管理の実現のための、ローカルなトラフィックと遠隔トラフィックとを別様に管理する方法が存在していない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】3GPP TS23.002、「第3世代パートナープロジェクト技術仕様グループサービス及びシステムの諸側面」、ネットワークアーキテクチャ(リリース8)、2007年12月
【非特許文献2】3GPP TS23.401 v8.1.0、「第3世代パートナープロジェクト;技術仕様グループサービス及びシステムの諸側面;発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)のための汎用パケット無線サービス(GPRS)の拡張機能(リリース8)」、2008年3月
【非特許文献3】3GPP TS36.401 v8.1.0、「第3世代パートナープロジェクト;技術仕様グループ無線アクセスネットワーク;発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN);アーキテクチャ記述(リリース8)、2008年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ホーム基地局を備えた通信システムにおいて効率のよいトラフィック搬送を可能にする方法及び構成を提供することである。
【0010】
上述の目的は独立請求項に係る複数の方法及びノードにより実現される。
【0011】
本発明の実施例の基本アイデアは、ホーム基地局を介して移動体端末からの様々なタイプのアップリンクトラフィックの様々なタイプの搬送を可能にすることである。本発明の実施例は、ホーム基地局を介してトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポート(local breakout transportation)を可能にすることであり、このトランスポートは、トラフィックが移動通信システムのコアネットワークを経由することなくトランスポートされることを示唆するものである。本発明の実施例によれば、移動体端末とホーム基地局との間において、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックに対して別個の専用ベアラが確立される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の実施例は、移動体端末におけるトラフィックの転送方法を提供する。この移動体端末はホーム基地局との無線接続部を有する。ホーム基地局は、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介する移動通信システムのコアネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介するインターネットとの接続部とを有する。この方法は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別する工程を含む。ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、アップリンクトラフィックをローカルノードとインターネットとの内の少なくともいずれかへ転送することを示唆する。この方法には、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いてホーム基地局と通信を行う工程も含まれる。前記ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。この方法によれば、前記識別されたアップリンクトラフィックは前記確立されたローカルブレークアウトベアラでホーム基地局へ送信される。
【0013】
本発明の第2の実施例は、ホーム基地局におけるトラフィックの転送方法を提供する。ホーム基地局は、無線インタフェースを介する移動体端末との接続部と、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介する移動通信システムのコアネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介するインターネットとの接続部とを有する。その方法は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いて移動体端末と通信を行う工程が含まれる。上述したように、ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットとの内の少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示唆するものである。ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。この方法によれば、ホーム基地局は、前記確立されたローカルブレークアウトベアラで移動体端末からアップリンクトラフィックを受信し、ローカルブレークアウト・トランスポートに従う前記ローカルブレークアウトベアラで前記受信されたアップリンクトラフィックを転送する。
【0014】
本発明の第3の実施例は移動通信システムにおいて用いる移動体端末を提供する。この移動体端末はホーム基地局との接続用として適合された無線インタフェースを有し、そのホーム基地局は、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークと、アクセスネットワークを介して移動通信システムのコアネットワークと、さらに、アクセスネットワークを介してインターネットと接続されている。その移動体端末は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別するように適合された処理ユニットも備える。上述したように、ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットとの内の少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示唆する。前記処理ユニットはさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いてホーム基地局と通信を行うよう適合される。前記ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。その移動体端末はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポート用の前記処理ユニットにより識別されたアップリンクトラフィックを、前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記ホーム基地局へ送信するように適合された出力ユニットを備える。
【0015】
本発明の第4の実施例は移動通信システムにおいて用いるホーム基地局を提供する。このホーム基地局は、1つ以上の移動体端末との接続用として適合された無線インタフェースを備えるのみならず、アクセスネットワークを介する移動通信システムのコアネットワークとの接続用として、さらに、アクセスネットワークを介するインターネットとの接続用として、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークとの接続用として適合された1つ以上のインタフェースも備える。そのホーム基地局はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いて移動体端末と通信を行うように適合された処理ユニットを備える。上述したように、ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示唆するものである。ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。そのホーム基地局は、確立されたローカルブレークアウトベアラで移動体端末からアップリンクトラフィックを受信するように適合された入力ユニットと、ローカルブレークアウト・トランスポートに従って受信されたアップリンクトラフィックをローカルブレークアウトベアラで転送するように適合された出力ユニットとを有している。
【0016】
本発明の第5の実施例は、通信システムの運用及び保守システムにおいて使用する運用及び保守ノードを提供する。このノードはホーム基地局と通信を行うように適合された制御ユニットを備え、ローカルブレークアウト・トランスポートを行うために、ホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりする。ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示唆する。
【0017】
本発明の第6の実施例は、通信システムの運用及び保守システムの運用及び保守ノードおける方法を提供する。この方法はローカルブレークアウト・トランスポートのために、ホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりするために、制御情報をホーム基地局へ送信する工程を含む。ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示唆する。
【0018】
本発明の実施例の利点として、これらの実施例が、ホーム基地局が接続されている接続先である(家庭内LANなどの)ローカルネットワークと接続されている他のノードとローカルに通信を行う可能性を有するホーム基地局と接続された移動体端末(UE)を提供できるという点が挙げられる。ローカルな通信が行われている間、トラフィックはローカルブレークアウト・トランスポートによりトランスポートされる。このローカルブレークアウト・トランスポートは、トラフィックが(3GPPコアネットワークなどの)移動通信システムのコアネットワークを経由しないことを示唆する。
【0019】
本発明の別の実施例の利点として、トラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートが使用されるとき、ローカル通信中に経験される待ち時間が著しく低減されるという点が挙げられる。
【0020】
本発明の実施例のさらに別の利点として、ローカルブレークアウト・トランスポートが使用されるとき、ローカル通信中のユーザ経験が改善され、かつ、ローカル通信に対するトラフィック課金及び長い待ち時間と共に生活しなければならないという腹立ちが取り除かれるという点が挙げられる。
【0021】
本発明の実施例のさらに別の利点として、或るトラフィック用のローカル搬送が使用されるとき、移動通信システムのコアネットワークがオフロードされる(さらに、移動通信の登録に対する定額制料金が利用されていれば、このようなオフローディングが通信事業者の収入を減少させることはない)という点が挙げられる。
【0022】
さらに、本発明の実施例のさらなる利点として、これらの実施例によって、移動通信システムのコアネットワークを介することなく、ホーム基地局と接続された移動体端末が、インターネットとの通信あるいはインターネットを経由する通信(即ち、インターネットトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポート)を行うことが可能になるという利点が挙げられる。これによって、3GPPの登録トラフィック料金を支払うことなく、ホーム基地局を介してインターネットにアクセスすることが可能となる。オーバヘッドの低減に起因して、このタイプのインターネットアクセスは、ユーザがより高速なアクセスを経験できるものにもなる。インターネットトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートが使用される場合、移動通信システムのコアネットワークはオフロードされる。移動通信の登録に対する定額制料金が利用されていれば、このようなオフローディングが通信事業者の収入を減少させることはない。
【0023】
本発明の実施例のさらなる利点と特徴は添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むとき明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例が実現される第1の適用シナリオを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施例が実現される第3の適用シナリオを示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施例が実現される第5の適用シナリオを示す概略ブロック図である。
【図4】HeNBゲートウェイを介する場合と、HeNBゲートウェイを使用しない場合のそれぞれについて、3GPP EPSコアネットワークと接続されたHeNB用制御プレーンプロトコルスタックを示す概略ブロック図である。
【図5】HeNBゲートウェイを介する場合と、HeNBゲートウェイを使用しない場合のそれぞれについて、3GPP EPSコアネットワークと接続されたHeNB用制御プレーンプロトコルスタックを示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の第1のタイプの実施例に係る種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図7】本発明の第1のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図8】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図9】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図10】本発明の第2のタイプの実施例に係る、ローカルブレークアウトベアラの確立解除を示す概略シグナリング図である。
【図11】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラのさらに別の代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図12】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラのさらに別の代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図13】本発明のスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理(local breakout operation)の実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図14】本発明の実施例に係るトラフィック転送のための移動体端末における方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施例に係るトラフィック転送のためのホーム基地局における方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施例に係る移動体端末の概略ブロック図である。
【図17】本発明の実施例に係るO&Mノードの概略ブロック図である。
【図18】本発明の実施例に係るホーム基地局の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の好適な実施例が示されている添付図面を参照しながら、以下本発明についてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多種多様な形態で実施が可能であり、ここで説明される実施例に限定されると考えるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的かつ完全であることを期し、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提示するものである。これらの図面では同じ参照番号は同じ要素を指している。本説明の間ずっと使用される略語の要約リストがこのセクションの最後に提供される。
【0026】
上述したように、従来技術による解決方法によれば、トラフィックが、ローカルセション(UEとローカルCPEネットワーク内の諸装置間の通信)に関するものであるか、あるいは、遠隔セション(UEとローカルCPEネットワークの外側にある装置間での通信)に関するものであるかどうかに関りなく、ホーム基地局がすべてのトラフィックを等しく処理する。この結果、複数の次善の状況が生じることが考えられる。ホーム基地局と接続されているUEが、ローカルノード(すなわち、ネットワークプリンタ又はマルチプレイヤーゲーム用のユーザ機器などのローカルCPEネットワーク内の別のノード)との通信を所望するとき、IPパケットは、3GPPコアネットワークにおいて、GGSNとGiインタフェースとを介して(HNBの場合)、あるいは、PDNゲートウェイとSGiインタフェースとを介して(HeNBの場合)ルーティングされることになる。ホーム基地局はローカルCPEネットワークトラフィックをグローバルなトラフィックと区別することはできない。これはパフォーマンス及びリソース利用の双方から見て最善のものであるとは言い難く、ユーザは不当な遅延を経験する場合がある。さらに、3GPP通信事業者が、(3GPPコアネットワークを介してトラフィックがルーティングされるという理由で)UEと、ローカルCPEネットワークと接続されている別のノードとの間のトラフィック料金をユーザに課金する場合、ユーザはかなりの腹立ちをいだくことになりそうに思われる。さらに、ローカルCPEネットワークのノードがネットワークアドレス変換装置(NAT)を介してブロードバンドアクセスネットワークと接続されている場合(これは通常行われている、予想されるシナリオである)、ノードはNATの外側からは着信不能になり、従って、3GPPコアネットワークを介して通信を行うUE(及びGi又はSGiインタフェース)は同じローカルCPEネットワークと接続されている別のノードへ向けて通信セションを開始できなくなる。UEが3GPPコアネットワークから(ルーティングが不可能な)プライベートアドレスも受信する場合(これは現在展開されているGPRS/UMTSネットワークでは時々生じるケースである)、ローカルCPEネットワークに接続されている装置はUEへ向けて通信セションを開始できなくなり、これは、UEが(アプリケーションレベルのランデブ・サーバの補助なしでは)ローカルCPEネットワーク上の他のノードと全く通信を行うことができなくなるということを意味する。
【0027】
ローカルCPEネットワークトラフィックのローカルブレークアウトが妨げられるのと同じ理由によって、ブロードバンドアクセスネットワークを介するインターネットトラフィックのローカルブレークアウトも妨げられる。家庭内LANと接続されている他の任意のIP動作が可能な装置の場合と同様に、ホーム基地局及び家庭内LANと接続されている間、ユーザがブロードバンドアクセスネットワークを介して(かつ3GPPコアネットワークを介することなく)インターネットへのアクセスを選択できるようになれば有益であろう。この選択に対するインセンティブとしてコストの低減が挙げられる。というのは、3GPP通信事業者からの潜在的課金がこのトラフィックの場合発生することがないからである。別のインセンティブとして、例えば、インターネットに到達する前に巡回すべきIPsecトンネルもコアネットワークも必要とせずに実現される、インターネットアクセス時の低いオーバヘッドに起因して得られるさらに高速のアクセスが考えられる。その一方で、ユーザは、このようなローカルにブレークアウトされたインターネットトラフィックに対しては、3GPPベースのモビリティサポートを受けることを全く期待できなくなることが考えられる。
【0028】
これらの理由のために、ホーム基地局において適切に選択されたトラフィックのためのローカルブレークアウトをサポートし、それによって、ローカルなCPEネットワークに対してローカルなCPEネットワークトラフィックを制限すると共に、3GPPコアネットワーク内を行き巡ることなく、ブロードバンドアクセスネットワークを介してインターネットトラフィックを直接動作可能にすることは有益であろうと考えられる。
【0029】
本発明の実施例によって、UEが(Home NodeB又はHome eNodeBなどの)ホーム基地局と接続されて、(家庭内LANなどの)ローカルCPEネットワークと接続された他のノードとローカルに通信を行うことが可能となる。従って、UEと、ローカルCPEネットワークと接続されたノードとの間のトラフィックは、ローカルに、かつ、3GPPコアネットワークを介することなくルーティングされることになり、これによって、ローカル通信中に経験される待ち時間の短縮が可能になると共に、ローカル通信中のユーザ経験の改善が可能となる。インターネットトラフィックの搬送時に3GPPコアネットワークを必要とすることなく、ホーム基地局と接続されたUEにインターネットと通信させたり、インターネットを介して通信させたりすることも本発明の実施例により可能になる。トラフィックが、(3GPPコアネットワークなどの)移動通信システムのコアネットワークを経由することなく、ホーム基地局を介してローカルにトランスポートされたり、インターネットへトランスポートされたりする場合、このトランスポートを、ここではローカルブレークアウト・トランスポート又はローカルブレークアウトと呼ぶことにする。
【0030】
本発明の実施例によれば、UEとホーム基地局間での明確なシグナリングが、ローカルブレークアウト・トランスポートによって(すなわちコアネットワークを経由することなく)トランスポートされることが望ましいトラフィック用の個別ベアラの確立に用いられる。ここではこの個別ベアラをローカルブレークアウトベアラと呼ぶことにする。ローカルブレークアウトベアラは、UEとホーム基地局との間においてローカルブレークアウトトラフィックを搬送するものであって、コアネットワーク内へ続くものではない。従って、ホーム基地局が、コアネットワークへトランスポートされることが望ましいトラフィックから、ローカルブレークアウトトラフィックを分離することは非常に簡単なタスクになる。ローカルブレークアウトトラフィックを非ローカルブレークアウトトラフィックから分離する実際の努力は、最も望ましい場所であるUEにおいて行われる。その理由として、UEが、ユーザの意図を最も容易に反映するアップリンクトラフィックのソースであるという理由が挙げられる。
【0031】
本願に記載の種々の実施例は、種々のタイプのシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラを確立できる方法からなる複数の種々のオプション、並びに、種々のアドレスオプションと種々のシナリオとを用いてローカルブレークアウト・トラフィックをトランスポートする方法からなる複数の種々のオプションを提示する。ここでに提示されるこれらの種々のオプションの多くは互いに無関係であるため、これらのオプションを組み合わせて多数の種々の実施例にすることが可能である。第1の代替例のタイプの実施例によれば、ローカルブレークアウトベアラは、RRCシグナリングに組み込まれて確立されると共に、別のタイプの実施例によれば、ローカルブレークアウトベアラは、NASシグナリングに組み込まれた形で確立される。以下さらに詳述するように、UEは、例えば、ローカルブレークアウトトラフィック用として3GPPコアネットワークがUEに割り当てたIPアドレスを使用してもよいし、あるいは、ローカルブレークアウトトラフィック用の別個のIPアドレスを使用してもよい。NAT(ネットワークアドレス変換)及びALG(アプリケーションレベル/レイヤゲートウェイ)機能などに関して、ホーム基地局内におけるトラフィック処理に関して種々の要求を出す複数の種々のシナリオの形でホーム基地局及びUEが使用されてもよい。
【0032】
以下は、本発明を適用できるいくつかのシナリオを例示によって説明するものである。
【0033】
図1に示す第1のシナリオでは、ホーム基地局(HN)1は、イーサネット(登録商標)/WLAN接続部5を介してNAT16によりCPE(ホーム)ルータ9と接続され、かつ、複数のローカルノード4(説明を簡略にするために唯一のローカルノードしか示されていないが、任意の個数であってもよい)がイーサネット(登録商標)/WLAN接続部8を介してCPEルータ9と接続されている。ローカルノード4にはCPEルータ9から(ルーティングが不可能な)プライベートIPアドレスが割り当てられる。CPEルータ9は、ブロードバンドモデムのようなL2ブロードバンドCPE10を介してブロードバンドアクセスネットワーク14と接続される。第1のシナリオでは、ブロードバンドアクセスネットワーク14は、1つの(グローバルなルーティングが可能な)公開IPアドレス(本例ではIPv4アドレス)を個々のブロードバンドアクセス加入者に対して割り当てる。これは、L2ブロードバンドCPE10が単一のパブリックIPアドレスに割り当てられることを意味する。ホーム基地局は、IPsecトンネル13によってコアネットワーク15(本図では3GPPコアネットワーク)と接続する。ブロードバンドアクセスネットワークは、インターネット21並びにコアネットワーク15にアクセスを提供することができる。このケースでは、3GPP無線インタフェースである無線インタフェース3を介して、UE2はホーム基地局と接続してもよい。家庭内における配置が仮定されているこれらのユニットはローカルCPEネットワーク20の一部である(ここではローカルネットワークとも呼ばれる)。
【0034】
第2のシナリオでは、図1の第1のシナリオの場合と同様に、ローカルノード4は、イーサネット(登録商標)/WLAN接続を介してCPEルータと接続される代わりに、3GPP無線インタフェース3を介してホーム基地局と接続される。その他の点では第1及び第2のシナリオは同様のシナリオである。しかし、第2のシナリオは起こりそうにないと考えられ、かつ、本発明に係る解決方法としては関心をひくものが少ないものである。というのは、おそらくこのシナリオでは、別の任意の2つの3GPP端末間での通信の場合と同様、3GPPコアネットワーク15を介してUE1及びローカルノード4に通信を行わせるのが妥当であると考えられるからである。
【0035】
図2は、ホーム基地局1がケーブルモデムや(ADSLなどの)xDSLモデムなどのレイヤ2ブロードバンドCPE10と接続されるか、あるいは、レイヤ2ブロードバンドCPEと一体化される第3のシナリオを示す図である。ホーム基地局1はNATとの一体型ルータ31を有する。ローカルノードは、イーサネット(登録商標)/WLAN接続33を介してホーム基地局ルータ31と接続される。ブロードバンドアクセスネットワーク14は(グローバルなルーティングが可能な)1つのパブリックIPアドレスを個々のブロードバンドアクセス加入者に割り当てる。ローカルノード4に対して、ホーム基地局ルータ31から(ルーティングが不可能な)プライベートIPアドレスが割り当てられる。
【0036】
第4のシナリオでは、ホーム基地局は、第3のシナリオの場合と同様、ケーブルモデム又は(ADSLなどの)xDSLモデムなどのレイヤ2ブロードバンドCPE10と接続されるか、あるいは、レイヤ2ブロードバンドCPEと一体化される。しかし、ローカルノード4は3GPP無線インタフェース3を介してホーム基地局と接続される。その他の点では第3と第4のシナリオは同様のシナリオである。上述の第2のシナリオの場合と同様に、第4のシナリオもまた起こりそうにないと考えられ、かつ、本発明に係る解決方法としては関心をひくものが少ないものである。というのは、おそらくこのシナリオでは、別の任意の2つの3GPP端末間での通信の場合と同様に、3GPPコアネットワーク15を介してUE1及びローカルノード4に通信を行わせるのが妥当であると考えられるからである。
【0037】
図3に示す第5のシナリオでは、ブロードバンドアクセスネットワーク14は、複数のグローバルなルーティングが可能な、パブリックIPアドレスをローカルCPEネットワーク20内の複数の装置に割り当てることができる(このシナリオは、シナリオ1〜4の場合に有効なブロードバンドアクセスネットワークから割り当てられた単一のアドレスという仮説からは逸脱するものである)。ブロードバンドCPEは、ローカルネットワーク20の装置間でのスイッチとして動作するレイヤ2ブロードバンドCPE51である。ホーム基地局1はイーサネット(登録商標)/WLAN接続部52を介してレイヤ2ブロードバンドCPE51と接続される。ローカルノード4はイーサネット(登録商標)/WLAN接続部53を介してレイヤ2ブロードバンドCPE51と接続される。
【0038】
ここで詳述されている本発明の実施例では、ホーム基地局1はLTE内などのHeNBであると仮定されている。しかし、本発明は同様のシグナリングを用いて(但し3Gプロトコル又は他のタイプのホーム基地局から選択された特定のメッセージと共に)3G HNBに対しても適合されてもよい。これについては後程さらに詳述する。
【0039】
UE及びHeNBによる、ローカルブレークアウトトラフィックに対する条件についての明示的な同意を可能にするために、UE−HeNB専用プロトコルが利用される。3GPPコアネットワーク15が完全に関与しない状態に保ちながら、かつ、ローカルブレークアウトトラフィックの存在が意識されない状態に保つことが可能である間、上記専用プロトコルの利用によって、UE/ユーザに対する柔軟性とHeNB用の単純なメカニズムとが可能になる。ローカルブレークアウト用の特別の(無線)ベアラ22が利用されているが、この(無線)ベアラは3GPPコアネットワーク15内へ続くものではない。
【0040】
ここに詳述されている本発明の実施例をより良く理解するために、3GPP EPSコアネットワークと接続されているHeNB用のいくつかの関連するプロトコルスタックが図4及び図5に示されている。図4は、HeNBゲートウェイ(HeNB GW)を介して3GPP EPSコアネットワークと接続されているHeNB用の制御プレーンプロトコルスタックを示す。図5は、HeNB GWを用いることなく3GPP EPSコアネットワークと接続されているHeNB用の制御プレーンプロトコルスタックを示す。ローカルブレークアウトベアラ22を確立するために使用されるシグナリングタイプという点から見ると異なるものである、本発明の2つの異なるタイプの実施例について以下説明する。第1のタイプの実施例によれば、RRC(無線リソース制御)レベルのシグナリングはローカルブレークアウトベアラ22を確立するために使用される。第2のタイプの実施例によれば、NAS(非アクセス層)レベルのシグナリングはローカルブレークアウトベアラ22を確立するために使用される。無線インタフェースを巡回するベアラの一部は「無線ベアラ」と呼ばれる場合が多い。結果的に、「無線ベアラ」という用語はUE2とHeNB1との間で使用されるRRCプロトコルに関連して使用される頻度が高くなるのに対して、「ベアラ」という用語は、コアネットワーク15においてUE2とMMEとの間で使用されるNASプロトコルに関連して使用される。ここでは、他の特段の区別が用語「ベアラ」及び「無線ベアラ」と関連づけられていないため、これら2つの用語は本質的に均等物と解釈してもよい。
【0041】
以下は、図6及び図7に示すシグナリング図に関連して、RRCレベルのシグナリングを使用するローカルブレークアウトトラフィック用無線ベアラの確立処理について説明するものである。UE2は、該UE2のトラフィックのうちのいくつかの又は全てのトラフィックのローカルブレークアウトを所望する旨を決定する。この決定は、例えば、ユーザからの手動による指示によってトリガすることができるし、あるいは、(ある種の「接続プリファレンス」などの)構成に基づいて結論を下すことができる。例えば、ユーザがこの接続プリファレンスをUE2内に構成してもよい。次いで、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22の確立を所望する旨を示すRRC要求メッセージ62をホーム基地局1へ送信する。RRC要求メッセージ62は、上記目的のために専用の新たなメッセージ(表示のRRC LBO−ベアラ要求(BearerRequest)メッセージなど)、あるいは、新たなタイプの指標を有する既存のメッセージ(RRC RRC接続要求(ConnectionRequest)メッセージ、若しくは、RRC RRC測定要求(MeasurementReport)メッセージなど)であってもよい。別の実施例によれば、UEが以下のようにRRC要求メッセージ62の形で追加のプリファレンスを示すという可能性も考えられる。
【0042】
ローカルベアラがその確立のために主として意図され、かつ、該ベアラの確立のために条件づけられたトラフィックタイプを示すプリファレンス情報。このようなプリファレンス情報は、例えば、ローカルブレークアウトベアラ22が、インターネットトラフィックのために(主として)意図されるものである旨を示すと共に、インターネットトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成できる場合にのみ、ローカルブレークアウトベアラが確立されるべきである旨を示してもよい。これに対応して、プリファレンス情報は、ローカルブレークアウトベアラ22が、UE2とローカルノード4の間でのローカルトラフィックのために(主として)意図される旨を、並びに、ローカルトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成できる場合にのみ、ローカルブレークアウトベアラ22を確立すべきである旨を示すものであってもよい。上記とは別に、プリファレンス情報は、インターネットトラフィックとローカルトラフィックとの少なくとも一方のトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成できる場合にのみ、ローカルブレークアウトベアラが確立されるべきである旨を示すことができる。
【0043】
IPアドレス割当てプリファレンス/機能に関するプリファレンス情報。例えば、次のようなものである。
【0044】
(a)UE2がローカルブレークアウトトラフィックに対して割り当てられた専用IPアドレスの取得を予期することを示す情報。この取得は、UE2が、ユーザプレーンにおいて(即ち、ローカルブレークアウトベアラ22の両端にわたって)DHCP(動的ホスト構成プロトコル)を使用して、IPアドレスを取得する方法などによって実行することができる。この場合、シナリオに応じて、専用IPアドレスの割当てを行うDHCPサーバが、(ホームルータなどの)ローカルCPEネットワーク20あるいはブロードバンドアクセスネットワーク14に配置されるか、ホーム基地局1内に一体化されるかのいずれかが行われてもよい。別の着想可能な方法によれば、UE2は、ホーム基地局1がRRC要求メッセージ62への応答65時にローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスの割当てを行うことを予期する。この方法の詳細な実施形に応じて、ホーム基地局1はインターネットトラフィック、ローカルCPEネットワークトラフィック、又はこれら双方のトラフィックに対してNATとして動作しなければならない場合もある。
【0045】
(b)3GPPコアネットワーク15から割り当てられた、やはりローカルブレークアウトトラフィック用のIPアドレスの使用をUEが予期し、それによってホーム基地局1におけるNATサポートを要求する旨の情報。この場合、使用IPアドレスはIPv4アドレスであるべきであるという旨の仮定がされている(従って、UE2は、場合に応じてIPv6アドレスに加えて、IPv4アドレスが割り当てられることを所望する旨を3GPPコアネットワーク15に対して明示しなければならない場合もある)。
【0046】
ローカルブレークアウトベアラ22の確立のためにホーム基地局がUE2からRRC要求メッセージ62を受信すると、UE2は、この要求内の任意の特定のプリファレンス/条件情報を処理し、かつ、ホーム基地局が要求を受け入れると仮定して、適切な内部コンテキストデータを作成すると共に、応答65をUEへ返信することによりローカルブレークアウトベアラ22の確立を行う。この応答は、表示のRRC LBO−ベアラアクセプト(BearerAccept)メッセージなどの専用RRCメッセージの形の指標、あるいは、(好適にはRRC RRC接続要求メッセージに応答するRRC RRC接続設定(ConnectionSetup)メッセージなどの要求を搬送していたRRCメッセージへの応答メッセージとして普通に使用される)既存のメッセージの形の指標であってもよい。上記応答は、(適切な要求であれば)要求の形で表現されるプリファレンス/条件のそれぞれを表す状態指標であって、例えば、ローカルトラフィック又はインターネットトラフィック用の、あるいは、これら双方のトラフィック用のローカルブレークアウト・トランスポートを構成できるかどうかという点と、ホーム基地局1がUE2用のNAT機能の提供が可能であり、かつ、提供するかどうかという点との少なくともいずれかの点を示す状態指標を含んでもよい。UE2がホーム基地局1からのローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスの受信を予期している場合、ホーム基地局1はUE2への応答65の中に上記IPアドレスを含んでもよい。このIPアドレスを得るために、ホーム基地局は、ローカルCPEネットワーク20又はブロードバンドアクセスネットワーク14に配置されているDHCPサーバ61からDHCPを介して、プライベートアドレスを内部で割り当てたり、このプライベートアドレスを取り出したりし、それによって、ある種の「DHCPクライアントプロキシ」としてUE2の代わりに動作してもよい。別の代替例として、UEのアドレス割当てプリファレンス/機能は、(RRC UE能力照会(CapabilityInquiry)メッセージに応じて)RRC UE能力情報(CapabilityInformation)メッセージの形でホーム基地局1へ搬送されるという代替例が挙げられる。さらに別の代替例として、ローカルブレークアウトベアラ22の確立に関係する何らかのプリファレンスをUE2からホーム基地局1へ搬送せず、その代わりにデフォルト値に頼るという代替例がある。ローカルブレークアウトトラフィック用の別個のIPアドレスがUE2に割り当てられる場合、このIPアドレスには、サブネットマスク、デフォルトのゲートウェイアドレス及びDNS(ドメイン名システム)サーバアドレスのような他のIPホスト構成データが付随してもよい。
【0047】
図6は、上述したローカルブレークアウトトラフィック用ローカルブレークアウトベアラの確立手順及び専用IPアドレスの割当ての種々の変形例を示す図である。
【0048】
専用IPアドレスがローカルブレークアウトトラフィック用としてUE2に割り当てられることなくローカルブレークアウトベアラ22が確立される場合、上記確定手順はUE2からホーム基地局1へRRC要求メッセージ62を送信するステップと、ホーム基地局1からUE2へ応答メッセージ65を送信するステップとを含んでもよい。その場合、アドレス割当てプリファレンス情報が要求メッセージ62の中に含まれなくなると共に、IPアドレスも応答メッセージ65の中に含まれなくなる。RRC要求メッセージがRRC LBO−ベアラ要求であること、及び、応答メッセージ65がRRC LBO−ベアラアクセプトメッセージであることが図6に示されているが、これらのメッセージはまた、ローカルブレークアウトベアラ要求を運ぶRRC RRC接続要求及びRRC RRC接続設定メッセージのような別の既存のメッセージであってもよく、かつ、これらのメッセージの正規の内容に加えて、指標(及び任意の関連づけられたパラメータ)も受け入れる。
【0049】
ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスがローカルCPEネットワーク20又はブロードバンドアクセスネットワーク14内のDHCPサーバ61によってUE2に割り当てられる場合、図6の矢印66により示されているように、UEとDHCPサーバ間においてシグナリングが実行される。次いで、RRC要求メッセージ62の中には、ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスの、DHCPによる受信をUEが予期する旨を示すアドレス割当てプリファレンス情報が含まれている。ホーム基地局1が一体型DHCPサーバを備えていれば、UEは、ホーム基地局と通信を行って、矢印66により示されているようなIPアドレスの代わりに、図6の矢印67により示されているようなDHCPを介する専用IPアドレスを受信してもよい。
【0050】
上述したように、ホーム基地局1は「DHCPクライアントプロキシ」としてUEの代わりに動作することが可能である。その場合、RRC要求メッセージ62内のアドレス割当てプリファレンス情報には、UEがホーム基地局から専用IPアドレスを受信することを予期している旨が示される。ホーム基地局は、図6の矢印63により示されているように、DHCPを介してDHCPサーバ61と通信を行って、UEの代わりに専用IPアドレスを受信する。別の代替例として、ホーム基地局1自身が、図6のボックス64により示されているようにローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスをUE2に割り当てるという代替例がある。次いで、上記DHCPサーバ又はホーム基地局により割り当てられた専用IPアドレスは、例えば、応答メッセージ65の形でローカルブレークアウトベアラの確立手順中にホーム基地局1からUE2へ転送される。UE2へ伝えられるIPアドレスには、サブネットマスク、デフォルトのゲートウェイアドレス及びDNSサーバアドレスのような別のIPホスト構成データが付随してもよい。
【0051】
上記ローカルブレークアウトベアラの確立手順はまた、新たなRRCメッセージと修正された既存メッセージの双方のメッセージを利用してハイブリッドアプローチを利用してもよい。このようなアプローチによれば、図7に示されているように、RRC LBO−ベアラ要求62などによるローカルブレークアウトベアラの確立手順を開始してもよく、この確立手順に続いて、正規のRRC接続再構成設定手順、即ち、ホーム基地局1からUE2への正規のRRC RRC接続再構成設定(ConnectionReconfiguration)メッセージ71と、UE2からホーム基地局1へのRRC RRC接続再構成設定の完了(ConnectionReconfigurationComplete)メッセージ72とが後続する。しかし、メッセージ71及び72は、ローカルブレークアウトトラフィック用として割り当てられた専用IPアドレスなどのような任意の必要な追加パラメータや、ホーム基地局のローカルブレークアウト能力を表す状態指標により増大する。専用IPアドレスをローカルブレークアウトトラフィック用として割り当てるこれらの種々の変形例は、図6に関連して説明した変形例に対応する変形例であるため、図7に関しては詳細には説明されていない。
【0052】
図1に示す第1のシナリオでは、DHCPサーバはCPE(ホーム)ルータ9に配置されていると予期することができる。(たとえCPE(ホーム)ルータ9が本願においてルータと呼ばれていても、ルータ9は、以下さらに詳細に説明するように、本発明の実施例が用いられる場合、ローカルトラフィックに関してはスイッチとして機能することができる。)このような専用IPアドレスが所望/予期される場合、CPE(ホーム)ルータ9内のDHCPサーバを使用して、ローカルブレークアウトトラフィック用専用IP(プライベート)アドレスをUE2に提供することができる。UE2はローカルブレークアウトユーザプレーンを介してDHCPサーバと直接通信を行ってもよいし、あるいは、ホーム基地局1がUEの代わりにDHCPサーバと通信を行い、かつ、上述のようにローカルブレークアウトベアラの確立手順中に、割り当てられたIPアドレスをUE2へ転送してもよい。
【0053】
図2に示す第3のシナリオでは、上記のような専用IPアドレスが使用される場合、UE2には、ホーム基地局1からローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスが割り当てられなければならない。上記の理由として、L2ブロードバンドCPE10がDHCPサーバを備えていないこと、かつ、ブロードバンドアクセスネットワーク14が2以上のアドレスを同じアクセス接続に割り当てることはないという理由が挙げられる。UE2がローカルブレークアウトユーザプレーンを介してDHCPを用いて上記アドレスを取得する場合、ホーム基地局1はDHCPサーバを含む必要がある。上記以外の場合、UE2が、(RRC LBO−ベアラアクセプトメッセージ65などの形で)ローカルブレークアウトベアラの確立手順中にホーム基地局1からのアドレスの受信を予期すれば、ホーム基地局1内の任意の内部アドレス割当てメカニズムが作動することになる。
【0054】
図3に示す第5のシナリオのUE2に対して、ローカルブレークアウトトラフィック用として専用IPアドレスを割り当てるべきである場合、このアドレスはブロードバンドアクセスネットワーク14により割り当てられることが望ましい。UE2自身が、ブロードバンドアクセスネットワーク14内のDHCPサーバ61から(ローカルブレークアウトユーザプレーン内の)DHCPを介してアドレスを取り出してもよい。上記とは別に、ホーム基地局1は、ブロードバンドアクセスネットワーク14の(DHCPクライアントプロキシとしてUE2の代わりに動作する)DHCPサーバ61からDHCPを介してアドレスを得ることができると共に、(RRC LBO−ベアラアクセプトメッセージ65などにおいて)ローカルブレークアウトベアラの確立手順中にこのアドレスをUE2へ転送することができる。さらに別の代替例として、ホーム基地局自身がUE2にアドレスを割り当てるという代替例があるが、この場合、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用する必要があり、同じローカルCPEネットワーク20に対して(即ち、同じ加入者アクセスを介して)複数のルーティングが可能なアドレスを割り当てることができるブロードバンドアクセスネットワークの利点は利用されなくなる。
【0055】
ローカルブレークアウトベアラ22が確立されるとすぐに、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22でトラフィックの送信(及び受信)を開始できると共に、ローカルブレークアウトベアラで受信したトラフィックの処理がホーム基地局1において開始する。この処理には適切な転送ステップ、及び、場合に応じてNATのような追加機能も含まれる。ローカルブレークアウトトラフィックの処理はシナリオに依存する。本発明の実施例によれば、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックは、実際には、UE2内にすでにある、コアネットワーク15を経由すべきトラフィックから分離される。この分離は、本発明の実施例がローカルブレークアウトトラフィック用専用無線ベアラ22の使用に起因して生じる分離である。従って、ホーム基地局は、ローカルブレークアウトベアラ22で着信するすべてのアップリンクパケットがローカルにブレークアウトされる(即ち、ローカルブレークアウト・トランスポートにより転送される)べきである旨を知ることになる。
【0056】
送信すべきアップリンクデータをUE2が有している場合、UE2はそのアップリンクデータの送信をどのベアラに乗せるべきかの選択を行わなければならない。同じベアラ(即ち、ローカルブレークアウトベアラ22)ですべてのローカルブレークアウトトラフィックが送信されるのに対して、非ローカルブレークアウトトラフィックは、3GPPコアネットワーク15を経由して継続する他の正規のベアラで送信される。このため、UE2が個々のパケットを送信するための載せるべきベアラを選択すると、ローカルブレークアウトトラフィックの分離が生じることになる。この分離は以下の態様で実現することができる。即ち、
− UEの内部ルーティングテーブルの形で、
− ソースアドレス選択メカニズムとして(UE2がローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスを有している場合)、
− パケットフィルタメカニズム(MIPv6と関連する気付アドレス選択用などとしての使用を意図するフィルタルールなど)を用いる場合、あるいは、
− UE2において何らかの方法で実装されている任意の正規のベアラ選択メカニズムの適用によってである。
【0057】
ホーム基地局1は、ローカルCPEネットワーク20と、インターネット21へ向かうブロードバンドアクセスネットワーク14との少なくともいずれかのネットワークにおいてローカルブレークアウトベアラ22で受信したすべてのアップリンクパケットをローカルノード4へ向けて転送する。ダウンリンク時に、ホーム基地局1は、ローカルCPEネットワーク20とブロードバンドアクセスネットワーク14の少なくともいずれかのネットワークと、UE2にアドレス指定されたインターネット21とにおいて、ローカルノード4からすべてのパケットをローカルブレークアウトベアラ22で転送する。上記パケットの中には、(UE2がローカルブレークアウトトラフィック用専用アドレスを有している場合)IPヘッダ内の宛先アドレスとして行先アドレスの形でUEのアドレスを有するパケットが含まれているか、あるいは、(ホーム基地局がローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用する場合)宛先アドレスとしてホーム基地局のアドレスを有すると共に、NATの状態に従うパケットが含まれる。ホーム基地局はまた、ローカルCPEネットワーク20とブロードバンドアクセスネットワーク14との少なくともいずれかのネットワーク及びインターネット21から、ローカルブレークアウトベアラ22を介して同報トラフィックとマルチキャストトラフィックとをUE2へ転送してもよい。
【0058】
場合に応じてホーム基地局1は、いくつかのローカルブレークアウトトラフィックか、あるいは、すべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用しなければならない。これらのケースには以下のケースが含まれる。
【0059】
UE2がローカルブレークアウトトラフィック用専用アドレスを有していない。この場合には、ホーム基地局1は、図1に示す第1のシナリオと、図3に示す第5のシナリオの双方のシナリオにおけるすべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能17(例えば、UPnPトラフィック用ALG機能などが望ましい)を適用しなければならない。図2に示す第3のシナリオでは、ホーム基地局1はNAT(及びALG)機能32をすべてのローカルブレークアウトトラフィックに対して適用してもよいが、ホーム基地局1はまた、NAT機能32を適用することなく、ローカルCPEネットワーク20のトラフィックとインターネット21のトラフィックとの区別を選択し、次いで、UE間を往来するローカルCPEネットワークトラフィックの方を許可してもよい。
【0060】
UE2がホーム基地局1により割り当てられたローカルブレークアウトトラフィック用専用(プライベート)アドレスを有している。この場合には、ホーム基地局1は、図1及び図3にそれぞれ示されている第1及び第5のシナリオにおけるすべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT(及び好適にはALG)機能17を適用しなければならない。図2に示す第3のシナリオでは、ホーム基地局は、すべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT(ALG)機能32を適用してもよいが、ローカルCPEネットワーク20のトラフィックとインターネット21のトラフィックとを区別し、かつ、インターネットのトラフィックに対してのみNAT(場合に応じてALG)機能32を適用することが望ましい。ホーム基地局1は、IPパケットのIPヘッダ内の宛先アドレスをスヌープすることによって、アップリンクローカルCPEネットワーク20のトラフィックをアップリンクインターネット21のトラフィックと区別してもよい。上記アドレスが、ローカルCPEネットワーク20において、該アドレス自身によりローカルノード4に割り当てられたものであれば、(あるいは上記とは別に、このアドレスがプライベートアドレスの範囲内にあれば)パケットはローカルCPEネットワークトラフィックとして分類される。ダウンリンクトラフィックの場合、パケットのIPヘッダ内のソースアドレスを同様にスヌープすることによって、ローカルなCPEネットワークのトラフィックとインターネットのトラフィックとの分類を行うことが可能であるが、さらに簡単な分類法として、どのようなインタフェースにパケットが着信したかを単に追跡する分類方法がある(即ち、前記ブロードバンドアクセスネットワーク14とホーム基地局1との間のインタフェースに着信するパケットがインターネットのトラフィックとして分類されるのに対して、(非3GPP)ローカルインタフェースのうちの任意のインタフェースに着信するパケットはローカルCPEネットワークのトラフィックとして分類される)。
【0061】
UE2が、ホーム基地局1以外の別の発信ソースからローカルブレークアウトトラフィック用専用アドレスを取得した場合(即ち、ホーム基地局1以外の別のエンティティにより割り当てられた場合)、ホーム基地局は、ローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT(又はALG)機能を何も提供する必要はない。(しかしこの方法は第3のシナリオに対しては適用できない。なぜなら、第3のシナリオでは、専用アドレスをUE2に割り当てることができる唯一のエンティティはホーム基地局1のみであるからである)。ホーム基地局1がローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用しないとき、ホーム基地局1はUE2の代わりにプロキシARPを実行してもよい(即ち、ホーム基地局はUE2の代わりにARPシグナリングの管理を行うようにしてもよい。例えば、UEのローカルブレークアウトIPアドレスを求めるARP要求がホーム基地局1に着信すると、ホーム基地局は、ARPへの応答時に(IEEE802MAC−48アドレスなどの)基地局自身のハードウェアアドレスを用いてUE2の代わりに上記要求に応答する。
【0062】
UE2が3GPPコアネットワーク15から割り当てられたIPv6アドレスを使用している場合(通常このアドレス使用の回避は簡単に行えることが望ましい)、ホーム基地局1はローカルブレークアウトトラフィック用のNATとして動作することに加えて、IPv6とIPv4間の変換を行う必要がある。
【0063】
第1、第3及び第5のシナリオに対するローカルブレークアウトトラフィックの処理が図1〜図3に概略的に示されている。UEとローカルノード4との間のローカルブレークアウトトラフィックが太線11で示されている一方で、インターネットへの、そして、インターネットからのローカルブレークアウトトラフィックは太線24で示されている。コアネットワーク15を経由する(本願でコアトランスポートと呼ぶ)トラフィックは太線12で示されている。
【0064】
2つの(またはそれ以上の)UE2がホーム基地局1と同時接続されている場合、これらのUE2は、自身のそれぞれのローカルブレークアウトベアラ22を介して(即ち、3GPPコアネットワーク15及びインターネット21の中を巡回することなく)ローカルに通信を行ってもよい。ホーム基地局1は、UEのローカルブレークアウトトラフィック用ローカル同報セグメントをエミュレートして、UEのうちの1つのUEのローカルブレークアウトベアラからのアップリンクパケットを、もう一方のUEのローカルブレークアウトベアラでダウンリンク方向に転送できるようにしてもよい。ホーム基地局1は、UEが使用しているアドレスを知っているため、上記態様での転送に適したパケットを選択することができる。第3のシナリオ(図2を参照)では、ホーム基地局1と接続されている2つのUE2間のローカルブレークアウトトラフィックはまた、(通信経路内の可能なホーム基地局のNAT機能32により課されるアドレス指定上の制限を有する)一体型ルータ31により転送されてもよい。上記2つのUE2のうちの一方のみがローカルブレークアウトベアラ22を有している場合、2つのUE2(この場合も通信経路内の可能なNAT32により課されるアドレス指定上の制限を有する)は、3GPPコアネットワーク15及びインターネット21を介して(あるいは双方のUE2が非ローカルブレークアウトベアラを使用している場合、3GPPコアネットワーク15を介してのみ)相互に通信を行う。
【0065】
ローカルブレークアウトベアラ22の確立が可能であるだけでなく、ローカルブレークアウトベアラの確立解除も可能である。ローカルブレークアウトベアラの確立のために使用されるRRCシグナリングに対応して、RRCシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラの確立解除を行うことができる。すなわち、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するために専用RRCメッセージを使用する場合、ローカルブレークアウトベアラ22の確立解除のために専用RRCメッセージを使用することが望ましい。そして、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するために既存のRRCメッセージの形の指標を使用する場合、対応する既存のRRCメッセージの形の指標を使用してローカルブレークアウトベアラの確立解除を行うことが望ましい(但し、このケースでは、専用ローカルブレークアウトベアラの確立解除メッセージを使用してもよい)。UE2又はホーム基地局1のいずれかが、確立解除要求の送信によってローカルブレークアウトベアラの確立解除手順を開始することが可能であり、かつ、受信ユニットは確立解除が完了した旨を示すメッセージの送信により応答を行ってもよい。
【0066】
本発明の第1のタイプの実施例に従うRRCレベルのシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラ22を確立する処理について以上説明した。次に、第2のタイプの実施例に係るNASレベルのシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラ22を確立する処理について、図8及び図9に示すシグナリング図を参照して説明する。これらの図において、“RRCメッセージ{NASメッセージ}”という表記は、NASメッセージがRRCメッセージの形で搬送されることを示すものとする。
【0067】
NASレベルのシグナリングはUE2ベアラ要求用の通常のシグナリングレベルである。しかし、このNASシグナリングは通常3GPPコアネットワーク15ではUE2とMMEとの間で実行される。従って、ローカルブレークアウトベアラの確立手順時の3GPPコアネットワーク15の関与を回避するために、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトベアラ22に関連するUE2からあらゆるNASメッセージを遮断し、かつ、ローカルブレークアウトベアラ関連のNASメッセージの交換のためにMMEのエミュレーションを行う。遮断されたメッセージは3GPPコアネットワーク15内のMMEへ転送されなくなる。このため、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトベアラに関連したNASメッセージを識別するために、アップリンクNASメッセージのヘッダをスヌープしなければならなくなる。別の代替変形例に従ってLBOベアラを要求するための種々のNASメッセージの利用を行うことができる。第2のタイプの実施例に従うローカルブレークアウトベアラの確立と、前述した第1のタイプの実施例との間の相違点は、ローカルブレークアウトベアラの確立及び確立解除の際に存在するものであり、ローカルブレークアウトトラフィックの処理時に存在するわけではない。従って、ローカルブレークアウトベアラがRRCレベルのシグナリング又はNASレベルのシグナリングを用いて確立されたかどうかに関りなく、ローカルブレークアウトトラフィックの処理は上述したものと同様の処理となる。
【0068】
第1のタイプの実施例に関連して上述したように、第2のタイプの実施例の変形例においても、RRC UE能力情報メッセージを用いて、IPアドレス割当てプリファレンスを搬送したり、デフォルトのプリファレンス値を信頼したりすることが可能である。
【0069】
図8に示す第2のタイプの実施例の第1の変形例によれば、(例えば、“NAS LBOベアラ要求”などのラベルがつけられた)新たなNAS要求メッセージ81がローカルブレークアウトトラフィック用ベアラの確立を目的とする専用メッセージとなる。この新たなNAS要求メッセージ81は、IPアドレス割当てプリファレンスなどのようなローカルブレークアウトベアラの確立に関連する上記のパラメータのうちの任意のパラメータを含むことができる。ホーム基地局1は、NAS要求メッセージ81のスヌープと遮断とを行う(82)と共に、例えば、“NAS LBOベアラアクセプト”などのラベルがつけられた新たな対応するNAS応答メッセージ83を用いて応答する。NAS応答メッセージ83は、上述のように、ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスなどのような、第1のタイプの実施例のためのローカルブレークアウトベアラの確立関連パラメータを含んでもよい。NAS要求メッセージ81は、図8に図示のようにRRC接続再構成設定手順交換メッセージ83及び84を開始するためにホーム基地局1に対してトリガをかけることも行う。この変形例は、ホーム基地局1がNASメッセージを識別する最も単純な方法を提供するものであり、このNASメッセージはローカルブレークアウトベアラ22を求める要求を含むものであり、従って、遮断されると共に、MME及び3GPPコアネットワーク15へ転送されないようにすることが望ましい。ホーム基地局1は、アップリンクNASメッセージのメッセージタイプフィールド(このフィールドは常にメッセージの第2のオクテットである)のチェックを単に行うと共に、このメッセージタイプが、(例えば、“NAS LBOベアラ要求”などの)新たなローカルブレークアウトベアラ要求メッセージに対応するメッセージタイプ値にマッチしたとき、遮断をトリガする必要があるだけである。前述した第1のタイプの実施例に従って利用可能な種々のIPアドレスの割当てオプションは第2のタイプの実施例に関しても利用可能である。唯一の相違点として、任意のアドレス割当てプリファレンス情報及び(必要であれば)専用IPアドレスがRRCレベルで含まれるのではなく、NASメッセージの形で含まれているという点が挙げられる。従って、図6及び図7の場合と同じ参照番号が図8及び図9においてもIP割当て手順ステップに対して用いられている。これらのステップの詳細な説明のために、第1のタイプの実施例に関連する上記説明について以下言及する。
【0070】
第2のタイプの実施例の第1の変形例に係るローカルブレークアウトベアラ22の確立解除は、例えば、“NAS LBOベアラの確立解除要求”などのラベルがつけられた新たな専用NASメッセージによりトリガがかけられる。UE2又はホーム基地局1のいずれかによりこのメッセージを送信することができる。メッセージを受け取る通信相手は、例えば、“NAS LBOベアラの確立解除ACK”などのようなラベルがつけられた確認応答メッセージを用いて応答してもよいが、この確認応答メッセージを省いてもよい。上記手順はRRC接続再構成設定手順のトリガをかけることも行う。すべてのパケットデータネットワークからUE2が接続を切断された旨の指標をホーム基地局1が3GPPコアネットワーク15(即ち、MME)から受信した場合、ローカルブレークアウトベアラ22の確立解除も行われるようにしてよい。
【0071】
図9に示す第2のタイプの実施例の第2の変形例によれば、UE2は、既存のNAS PDN接続要求(NAS PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージ91を用いてローカルブレークアウトベアラ22の確立を要求する。NAS要求メッセージ91がローカルブレークアウトベアラ要求であることを示すために、UE2は、(アドレス割当てプリファレンス情報あるいは確立条件に関する情報のような任意のプリファレンス情報と共に)NAS要求メッセージ91の中に含まれている専用のAPN値を使用する。上記特別のAPN値は、無線USIM構成技術を利用して、UE2内に予め構成されるか、あるいは、UEのUSIM(ユニバーサル加入者識別モジュール)へダウンロードされるかのいずれかが行われる。図9に示すように、NAS要求メッセージ91はホーム基地局1によってステップ92でスヌープされる。ホーム基地局1において、上記特別のAPN値は、予め構成される(又はさらにハードコードされる)か、あるいは、ホーム基地局1のインストール時にO&M手段を介して構成されるかのいずれかが行われる。この特別のAPN値にとって、あまり望ましくない代替例として、専用のEPSベアラ識別子(この識別子は予め構成するか、特別のAPN値のようにダウンロードするかを行う必要がある)を使用することになるか、あるいは、新たなメッセージパラメータか、ローカルブレークアウトベアラ要求指標を導入して、NAS PDN接続要求メッセージの形でローカルブレークアウトベアラ要求を示すようにするという代替例が挙げられる。IPアドレス割当てプリファレンスなどのようなローカルブレークアウトベアラの確立に関連する上記記載のパラメータのうちの任意のパラメータを含むように、NAS PDN接続要求メッセージを場合に応じて増大させてもよい。
【0072】
ホーム基地局1は、特別のAPN値によって(又は専用EPSベアラ識別子や明確なローカルブレークアウトベアラ要求指標によって)トリガされて、UE1からNAS PDN接続要求メッセージを遮断する(92)(この接続要求メッセージは3GPPコアネットワーク15及びMMEへは転送されない)。MMEを装うために、ホーム基地局1は、該ホーム基地局1がEPSベアラ識別子及びローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立と関連づけられたパラメータを場合に応じて含むNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求(NAS ACTIVATE DEFAULT EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ93を用いて応答する。UE2は、ステップ95において、ホーム基地局によっても遮断されるNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキストアクセプト(NAS ACTIVATE DEFAULT EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ94を用いて順次応答する。この手順はRRC接続再構成設定手順にトリガをかけることも行う。
【0073】
第2のタイプの実施例の第2の変形例に従って確立されたローカルブレークアウトベアラの確立解除は、図10に示すように、NASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求メッセージ93の形で以前に受信したEPSベアラ識別子(又はリンクされたEPSベアラ識別子)を含むNAS PDN切断要求(NAS PDN DISCONNECT REQUEST)又はNASベアラリソース解除要求(NAS BEARER RESOURCE RELEASE REQUEST)メッセージ101を送信することにより実行されてもよい。ホーム基地局1は、NASメッセージ101をスヌープし、ホーム基地局1が以前にUE2へ送信したEPSベアラ識別子(又はリンクされたEPSベアラ識別子)を認識し、次いで、ステップ102によって示されるようにメッセージを遮断する(かつ、3GPPコアネットワーク及びMMEへは該メッセージを転送しない)。この遮断されたメッセージに関連してMMEを装って、ホーム基地局1をトリガして停止EPSベアラコンテキスト手順を開始する。このため、ホーム基地局1は、NAS停止EPSベアラコンテキスト要求(NAS DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ103をUE2へ送信する。UE2は、NAS停止EPSベアラコンテキストアクセプト(NAS DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ104を用いて応答し、メッセージ104もホーム基地局1により遮断される(105)。
【0074】
第2のタイプの実施例の第2の変形例において、UE2から以前のトリガを行うことなく、ホーム基地局1がローカルブレークアウトベアラの確立解除を開始することも可能である。このようなケースでは、ホーム基地局1は上述のように停止EPSベアラコンテキスト手順を開始するが、その場合、先行するNAS PDN切断要求又はNASベアラリソース解除要求メッセージ101のUEからの受信は伴わない。上記のように、停止EPSベアラコンテキスト手順は、ホーム基地局1からのNAS停止EPSベアラコンテキスト要求メッセージ103から構成され、その後に、UE2からの応答するNAS停止EPSベアラコンテキストアクセプトメッセージ104が続く。この手順はRRC接続再構成設定手順にトリガをかけることも行う。
【0075】
図11及び図12に示す第2の実施例の第3の変形例によれば、UE2は、NASベアラリソース割当て要求(NAS BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージ111を用いてローカルブレークアウトベアラ22を要求する。この要求がローカルブレークアウトベアラ22に関するものであることを示すために、UE2はNAS要求メッセージ111内にEPSベアラ識別子の専用値を含む。この専用値はUE2内に予め構成されるか、あるいは、無線USIM構成技術を用いてUSIMへダウンロードされる。ホーム基地局1において、上記専用値は、予め構成設定される(あるいはさらにハードコードされる)か、あるいは、ホーム基地局1のインストール時にO&M手段を介して構成設定されるかのいずれかの構成設定が行われる。専用EPSベアラ識別子の使用に対する代替例として、特別のQoS指標を使用する代替例があり、ホーム基地局1はこのQoS指標をローカルブレークアウトベアラ22を求める要求と解釈する。さらに別の代替例として、NASベアラリソース割当て要求メッセージ111の中に明確なローカルブレークアウトベアラ要求指標を導入する代替例がある。NASベアラリソース割当て要求メッセージ111を場合に応じて増大させて、IPアドレス割当てプリファレンスなどのようなローカルブレークアウトベアラの確立などに関係する上述のパラメータのうちの任意のパラメータを含むようにしてもよい。
【0076】
ホーム基地局1は、NASベアラリソース割当て要求メッセージ111をスヌープし(112)、この要求がローカルブレークアウトベアラを求める要求であり、従って、上記メッセージを3GPPコアネットワーク15及びMMEへは転送しないことを決定する。その代わりに、ホーム基地局は、図11に示すような専用EPSベアラコンテキスト起動手順か、図12に示すようなEPSベアラコンテキスト修正手順かのいずれかの手順の開始によりMMEを装う。前者の図11の場合には、ホーム基地局1は、(ローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立と関連づけられたパラメータを場合に応じて含む)NASアクティベート専用EPSベアラコンテキスト要求(NAS ACTIVATE DEDICATED EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ113をUE2へ送信する。このメッセージに対してUE2は、NASアクティブ専用EPSベアラコンテキストアクセプト(NAS ACTIVATE DEDICATED EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ114を用いて応答する(このメッセージはホーム基地局により遮断される(115))。後者の図12の場合には、ホーム基地局1は、NAS修正EPSベアラコンテキスト要求(NAS MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ121(ローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立と関連づけられたパラメータを場合に応じて含む)をUE2へ送信する。UE2は、NAS修正EPSベアラコンテキストアクセプト(NAS MODIFY EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ122を用いて応答する(このメッセージはホーム基地局1によって遮断される(123))。アクティブにされたNAS手順(即ち、専用EPSベアラコンテキスト起動手順又はEPSベアラコンテキスト修正手順)はRRC接続再構成設定手順に対するトリガをかけることも行う。図11及び図12の両図に、他の実施例と関連して前述したすべての種々のIPアドレス割当てオプションが示されている。
【0077】
第2のタイプの実施例の第3の変形例において、図10と関連する第2のタイプの実施例の第2の変形例と共に上述した方法と同じ方法でローカルブレークアウトベアラの確立解除が実行される。
【0078】
UE2が3GPPコアネットワーク15につながる少なくともデフォルトのベアラを有するとき、上述した種々の実施例を用いてもよい。しかしこれらの実施例はまた、スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理のために(すなわち、UE2が3GPPコアネットワーク15と接続されることなく、従って、3GPPコアネットワーク15につながるベアラを何ら用いることなく)適合されてもよい。本発明の上記の第1のタイプの実施例をスタンドアロン型のローカルブレークアウトによる解決方法にするためには、UE2が、ホーム基地局1とのRRC接続を確立した後、NASアタッチ要求メッセージの送信を控える(即ち、UEが、このような場合通常含まれているNASアタッチメッセージをRRC RRC接続設定完了メッセージの中に含まない)ようにすれば十分である。その代わりに、(通常ランダムアクセス手順を終結させる)RRC RRC接続設定完了メッセージに後続して、UE2は上述のように、ローカルブレークアウトベアラ22の確立を開始する。即ち、UE2は、(表示のRRC LBO−ベアラ要求などの)新たな専用RRCメッセージ62の形か、あるいは、ホーム基地局1につながる既存のRRCメッセージ(このRRCメッセージはRRC RRC接続設定完了メッセージであってもかまわない)の中に含まれる形かのいずれかの形で、ローカルブレークアウト無線ベアラ22を求めるUE2の要求をホーム基地局1へ送信する。次いで、ホーム基地局1は既に述べたようにローカルブレークアウト無線ベアラの確立を続行する。
【0079】
ホーム基地局1にアタッチ手順を遮断させ、関連するアップリンクNASメッセージを3GPPコアネットワーク15へ転送することを控えさせ、次いで、その代わりに上記手順中にMMEを装うことによって、上述した第2の実施例のタイプをスタンドアロン型ローカルブレークアウトの動作のために適合させてもよい。この適合を可能にするために、UE2は、アタッチ手順がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理に関するものである旨をホーム基地局1に対して示すことが望ましい。簡単な方法として、UE2が、アタッチ手順の開始時に(NAS PDN接続要求メッセージと共に)送信するNASアタッチ要求(NAS ATTACH REQUEST)メッセージの形で、EPSアタッチタイプIEに対する新たな値を導入するという方法がある。EPSアタッチタイプIEの値は3ビットから構成される。これによって、8つの異なる値が利用可能であるが、これらの値のうち4つの値のみが現在定義されている。上記4つの未定義の値のうちの1つの値を持つEPSアタッチタイプIEの受信時に、ネットワーク(即ち、MME)はデフォルトの解釈“初期アタッチ”を使用することが望ましい。この新たな“スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ”タイプは4つの現在未使用の値のうちの1つの値を占めることになる。ホーム基地局1がNASメッセージをスヌープすると、ホーム基地局1は、NASアタッチ要求メッセージのメッセージタイプを認識し、次いで、このメッセージタイプがトリガとなって、EPSアタッチタイプIEの値のチェックを行うことになる。このIEが“スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ”を示しているとホーム基地局1が判断した場合、ホーム基地局1は、(NASアタッチ要求メッセージと共にUE2が送信する)NASアタッチ要求とNAS PDN接続要求メッセージの双方を遮断し、かつ、3GPPコアネットワーク15(及びMME)への上記双方の転送を控える。その代わりに、ホーム基地局1は、受信されたNASメッセージに応答することによってMMEを装い、かつ、デフォルトのEPSベアラコンテキスト起動手順を開始する。即ち、ホーム基地局1は、NASアタッチアクセプト(NAS ATTACH ACCEPT)メッセージと共にNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求メッセージの送信を行う。UE2は、NASアタッチ完了(NAS ATTACH COMPLETE)メッセージと共にNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキストアクセプトメッセージを用いて応答する。これら2つのメッセージはまた、ホーム基地局1により遮断され(かつ転送されず)、従って、スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理のためのアタッチ手順は終結されることになる。前述したように、デフォルトのEPSベアラコンテキスト起動手順は、ローカルブレークアウトベアラ22の確立を終結させるRRC接続再構成設定手順に対するトリガをかけることも行う。IPアドレス割当てプリファレンスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立に関係するパラメータ(もし何らかのパラメータが存在する場合)が、NASアタッチ要求メッセージ又はNAS PDN接続要求メッセージのいずれかのメッセージの中に含まれる可能性があり、ホーム基地局1は、NASアタッチアクセプト又はNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求メッセージのいずれかのメッセージので、例えば、IPアドレスのようなパラメータ(もし、何らかのパラメータがあるなら)を含む可能性がある。
【0080】
UE2がNASアタッチ要求メッセージ内の新たなEPSアタッチタイプ値を用いるとき、ホーム基地局1は、NASアタッチアクセプトメッセージ内の「スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ」を示す、EPSアタッチの結果であるIEの対応する新たな値を使用することが望ましい。また、EPSアタッチの結果であるIEの値は3ビットから構成され、これらの3ビットによって8つの値が利用可能になる。これら8つの値のうちの4つの値のみが現在定義されている。そのため、新たな指標を表すためにこれら4つの未使用値のうちの1つを利用することができる。初期NASメッセージ(即ち、NASアタッチ要求と、NAS PDN接続要求)のうちのいずれのメッセージもローカルブレークアウトベアラ22の確立に関連するパラメータに伴って増大しなければ(かつ、その代わりにRRC UE能力情報メッセージ又はデフォルト値が用いられる場合)、この方法は、ローカルブレークアウトをサポートしない(少なくとも上記ローカルブレークアウトによる解決方法をサポートしない)ホーム基地局1とのスムーズな下位互換性を好適に提供するものとなる。ホーム基地局1がNASアタッチ要求メッセージ及び(新たなEPSアタッチタイプ値によりトリガされる)NAS PDN接続要求メッセージを遮断しなければ、これらのメッセージは通常MMEへ転送される。MMEは、デフォルトの解釈“初期アタッチ”を用いてEPSアタッチタイプ値を解釈し、デフォルトのEPSベアラコンテキスト起動手順を開始し、次いで、EPSアタッチの結果であるIEの中に“初期アタッチ”指標を含むNASアタッチアクセプトメッセージをUE2へ送信する。EPSアタッチの結果であるIEを示す上記の値から、UE2は、ホーム基地局1がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理を求める要求をサポートしなかった旨の結論と、UEのアップリンクNASメッセージがMMEへ転送された旨の結論とを下すことができる。UE2は、3GPPコアネットワーク15とのベアラの確立の継続と承認とを選択するか、あるいは、ネットワークからデタッチするかのいずれかの選択を行うことができる。
【0081】
さらに、本発明の第2のタイプの実施例の上記の3つの変形例を用いて、ローカルブレークアウトベアラ22の確立時にコアネットワーク15とのアタッチメントの抑止を行ってもよい。この抑止によって、結果としてスタンドアロン型ローカルブレークアウトの動作が生じることになる。
【0082】
第2のタイプの実施例の第1の変形例がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理の確立のために用いられるとき、UE2はNASアタッチ要求メッセージを完全に削除し、その代わりにローカルブレークアウトベアラ要求用の新たな専用NASメッセージをRRC RRC接続設定完了メッセージ(このメッセージの中には通常NASアタッチ要求メッセージが含まれる)の中に含める。
【0083】
第2のタイプの実施例の第2の変形例がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理の確立のために用いられるとき、UE2は、スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理が要求されている旨を示す特別のAPN値か、専用のEPSベアラ識別子か、あるいは新たな明確なメッセージパラメータをNAS PDN接続要求メッセージの中に含むことになる。UE2は、NASアタッチ要求メッセージと共に送信されるNAS PDN接続要求メッセージの中に上記指標を含むことが望ましい。
【0084】
スタンドアロン型のローカルブレークアウト処理を確立するために第2のタイプの実施例の第3の変形例を用いることも可能である。このような場合には、UE2は、RRC RRC接続設定完了メッセージ131の中にNASアタッチ要求メッセージを(さらにNAS PDN接続要求メッセージも)全く含まないことになる。その代わりにUE2は、RRC RRC接続設定完了メッセージの中に(専用のEPSベアラ識別子か、特別のQoS指標かのいずれかと共に)NASベアラリソース割当て要求(NAS BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことになる。上記とは別に、UE2は、RRC RRC接続設定完了メッセージ131の中にNASメッセージを全く含まないようにし、その代わりにRRC UL情報転送メッセージの中にNASベアラリソース割当て要求メッセージを後で送信するようにすることも可能である。このことは、図13に示されている。
【0085】
3GPPコアネットワーク15とのUEアタッチメントを伴わない上記のローカルブレークアウト処理の具体的な形は、オープンWLAN、すなわち暗号化及び認証を伴わないWLANと同様の状況を結果としてもたらすことになる。アプリケーションによっては上記の状況を容認できるものも考え得るが、さらに高レベルのセキュリティを望むアプリケーションもあり得る。認証及び無線インタフェースによる暗号化は3GPPコアネットワーク15の関与を必要とする。通常、3GPPコアネットワークはUSIM内に共有されている秘密に基づいて認証手順を実行し、AuC/HSS暗号化鍵が処理時に生成される。しかしながら、3GPPコアネットワーク15の関与は、3GPPコアネットワーク15とのアタッチメントを利用しないローカルブレークアウトトラフィックの確立という目標に或る意味で矛盾するものとなる。3GPPコアネットワーク15の関与なしで実行可能なさらに高レベルのセキュリティを実現する1つのオプションとして、ホーム基地局1においてIMSIベースのアクセス制御を可能にするというオプションがある。このオプションでは2つの条件、即ち、ホーム基地局1へのアクセスが許可されている登録者リストがホーム基地局1に保存され、かつ、ローカルブレークアウトベアラの確立中に、あるいは、ローカルブレークアウトベアラの確立に先行してUE2からIMSIが搬送されなければならないという2つの条件が満たされなければならない。(ホーム基地局1の所有者により定義されている)ホーム基地局へのアクセスリストは、(ホーム基地局所有者によって)ホーム基地局1内へ直接入力されるか、所有者により定義されたアクセスリスト(そしてこのリストは、例えば、ウェブインタフェースを介してO&Mエンティティ内へ入力されてもよい)を保有するO&Mエンティティから転送されるかのいずれかが行われれば第1の条件は満たされる。第2の条件を満たすためにはローカルブレークアウトに関連するシグナリングに対する或る種の修正又は拡張が必要となる。第1のタイプの実施例の場合、IMSIはローカルブレークアウト無線ベアラ要求を搬送するRRCメッセージ62の中に含まれている。第2のタイプの実施例の場合、処理はさらに複雑になる。新たなEPSアタッチタイプ(‘スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ’)を用いてNASアタッチ要求メッセージを利用する方法の場合、UE2は、このタイプのアタッチの場合、UE2の識別子としてGUTIではなくIMSIを含むように権限を与えれば十分である。第2のタイプの実施例の第1の変形例を利用する場合、専用のローカルブレークアウト無線ベアラの確立要求メッセージの中にIMSIが含まれることが望ましい。第2のタイプの実施例の第2の変形例が利用される場合、NASアタッチ要求メッセージか、該メッセージと共に送信されるNAS PDN接続要求メッセージかのいずれかのメッセージが所望の識別子を運ぶことができる。“専用EPSアタッチ型”の方法に関連して説明したように、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22を要求する場合、NASアタッチ要求メッセージの形でUE2の識別子としてIMSIを含むように権限が与えられる。上記とは別に、ローカルブレークアウトベアラ要求指標を搬送するNAS PDN接続要求メッセージの中にIMSIが含まれるようにすることも可能である。第2のタイプの実施例の第3の変形例が利用される場合、ローカルブレークアウトベアラ要求指標を搬送するNASベアラリソース割当て要求の中にIMSIが含まれることが望ましい。これらの拡張/修正を適切に施すことによって、ホーム基地局1は、そのアクセスリストに対して受信されたIMSIのチェックを行い、かつ、違法なUE2からのローカルブレークアウトベアラ要求を拒絶することができる。しかしながら、この方法の場合、IMSIの認証は行われないことに留意されたい。そのため、悪意のある(不法な)ユーザが、偽のIMSIをホーム基地局1へ提供することによって、このアクセス制御を回避することは依然可能である(但し、少なくとも何らかのセキュリティレベルがこの方法により提供される。というのは、IMSIへのなりすましを実行することは簡単なタスクではないからである)。
【0086】
許可されるアクセスにするために、UE2がホーム基地局1へ供給しなければならないPINコード又はパスワードの導入により別の種類のアクセス制御を実現することも可能である。ホーム基地局の所有者はPINコード又はパスワードをホーム基地局1の中へ直接入力することも可能である。上記とは別に(ホーム基地局の所有者が、例えば、ウェブインタフェースを介してO&Mノードの中へPINコード又はパスワードを入力した後)O&Mを介してPINコード又はパスワードを構成することも可能である。さらに代替例として、ホーム基地局1が転送されると、PINコード又はパスワードを予め構成設定したり、ハードコード化したりする代替例がある。許可されるアクセスになるようにUE2を準備させるために、ユーザは、PINコード又はパスワードを(マニュアル操作などによって)UE2内へ入力しなければならない。上記PINコード又はパスワードを一度使用したり、将来再使用するためにこのUE2内に格納したりすることができる。PINコード(又はパスワード)をホーム基地局1へ搬送するために、UE2は、別個のパラメータとしてか、あるいは、例えば、特別のAPN値の一部として既存のパラメータのうちの1つのパラメータ内に一体化されるかのいずれかの態様で使用されるメッセージのうちの1つのメッセージの中に上記PINコード又はパスワードを含めて、ローカルブレークアウトベアラ22を要求するようにする。
【0087】
正規のEPS認証と、暗号化キーの生成とを行うアルゴリズムの利用が可能な場合、ずっと高レベルのセキュリティの実現も可能であることは言うまでもないが、このセキュリティの実現を行うには3GPPコアネットワーク15とのアタッチが必要となる。潜在的次善策として、3GPPコアネットワーク15とまずアタッチし、無線インタフェースの暗号化の認証と確立とを行い、次いで、UE2とホーム基地局1との間でローカルブレークアウトベアラ22を確立すると共に、その後、3GPPコアネットワーク15からデタッチを行うという次善の策もあり得るが、UE2とホーム基地局1との間でローカルブレークアウトベアラ22を保持するという次善の策も考えられる。上記とは別に、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22を確立する前に3GPPコアネットワーク15からデタッチしてもよい(但しUE2とホーム基地局1の双方は確立されたセキュリティコンテキストを保持するものとする)。このデタッチはまた、UE2がNASメッセージを正規の方法で暗号化しないことを要件とする。通常、NASメッセージはUE2とMMEとの間で暗号化されるため、(第2のタイプの実施例の場合のように)NASメッセージをホーム基地局1により解釈する場合、このNASメッセージを正規の方法で暗号化してはならない。UE2は、上記NASメッセージを暗号化せずに送信するか、RRCシグナリング用として通常意図される暗号化を利用するかのいずれかを行う必要がある。
【0088】
別の可能な次善策として、MMEをトリガして、単に暗号化鍵を認証し、かつ、提供するのみで、それ以外には何もしないNASアタッチ要求メッセージ(あるいは既存のNASメッセージ、若しくは、全く新たなNASメッセージの形の別の指標)での新たなEPSアタッチタイプを使用するという策さえ考えられる。即ち、MMEは実際にはUE2をアタッチせず、かつ、状態情報(従ってUEコンテキスト)を何も作成しないことになる。このMMEの関与から得られる唯一の結果として、UE2が認証されるということ、及び、暗号化がUE2とホーム基地局1との間で確立されるということが挙げられる。
【0089】
さらに、EPSセキュリティ手順を利用する上記の次善策を用いて、正規のホーム基地局の動作の場合によく行われるように、UE2がこの特別のホーム基地局1へのアクセスを許可されているかどうかに関するアクセス制御をMMEによって実行することが可能となる。上記とは別に、IMSI、PIN又はパスワードに基づくIMSIベースのアクセス制御を上述のようにホーム基地局1により実行することも可能である。しかし、IMSIベースのアクセス制御は、アクセス制御のためにホーム基地局1が使用しているIMSIが、MMEによる認証手順で使用されたものと同じIMSIであることがホーム基地局1が知ることを必要とする。このことを保証するために、UE2は、NASアタッチ要求メッセージ(又は新たなNASメッセージ)の形でIMSI(GUTIではない)を送信し、それによってホーム基地局1がこのメッセージをスヌープできるようにしなければならない。
【0090】
MMEに関与しないEPS認証及びキーアグリーメント(AKA)メカニズムを利用する代替方法として、(MMEではなく)ホーム基地局1が、UE2へ向けて手順を開始し、かつ、インターネットを経由して(Diameterなどの)AAAプロトコルを介して、あるいは、IPsecトンネル13と、通信事業者のネットワーク内のトランスポートネットワークとを介して、通信事業者のHSS/AAAサーバと通信を行うという代替方法がある。AAAクライアントとして動作し、かつ、通信事業者のHSS/AAAサーバと通信を行うことができるようにするためには、ホーム基地局1は、通信事業者のHSS/AAAサーバのFQDN(又はIPアドレス)を用いて(好適にはインストール時にO&Mを介して)構成設定されなければならない。UE2へ向けて、ホーム基地局1は、PANAで搬送されるEAP−AKAを使用して、認証と、暗号化キーの確定手順とを実行することになる。AAAプロトコルの適切な選択として、EAPをサポートするためのDiameter EAPアプリケーション又はRADIUSを選択することも可能である。上記とは別に、ホーム基地局1は、AKA手順中にMMEのエミュレーションを行うと共に、暗号化の開始のみならず通常AKA手順の送信を行うNASメッセージを使用する。このケースでは、ホーム基地局1は、HSS/AAAサーバへ向けて3GPPネットワークと共に用いるように適合されたDiameterアプリケーションを使用することになる。
【0091】
さらに、コアネットワーク15とのUEアタッチメントなしでローカルブレークアウトトラフィックが使用されるシナリオに対してセキュリティを提供する方法として、予め共有されたキー又は暗号による証明書などに基づいて、UE2とホーム基地局1との間でIKE又はIKEv2をローカルに使用するという方法がある。予め共有されたキーベースのAKAはPANAの形で搬送されるEAP−AKAを用いてUE2とホーム基地局1との間でローカルに実行することも可能である。
【0092】
(ローカルブレークアウトをサポートしていないか、あるいは、UE2以外の別のローカルブレークアウト方法をサポートする)ホーム基地局との下位互換性上の問題を防止する単純な方法として、同報システム情報の形でそのローカルブレークアウトサポートをホーム基地局1に告知させるという方法がある。その場合、UE2はホーム基地局の能力に適合することができる(あるいは、UE2がシステム情報で表されたローカルブレークアウト能力の指標を理解しないか、若しくは、UE2及びホーム基地局1が互換性を有していない(即ち、UE2とホーム基地局1のローカルブレークアウト能力がマッチしない)か、若しくは、UE2が別の理由のために、ホーム基地局1のローカルブレークアウト能力に関して条件を満たしていない場合には、UE2はローカルブレークアウトの利用を控えることができる)。下位互換性を処理する別の方法として、ホーム基地局1が、UEのローカルブレークアウト関連メッセージと指標の少なくともいずれかを理解しないかもしれないことを容認するという方法がある。本発明の第1のタイプの実施例の場合、上記方法は、ホーム基地局1が理解しないローカルブレークアウト無線ベアラ要求のための新たな専用RRCメッセージが、ホーム基地局1により無視される可能性があることを意味する。(場合に応じて数回再試行した後)予期した応答がなければ、UE2は、ホーム基地局1が所望のローカルブレークアウトメカニズムをサポートしていないと結論を下すことになり、次いで、3GPPコアネットワーク15に対する正規のベアラの確立を試みるか、その代わりにベアラの確立を完全に放棄するかのいずれかの選択を行うことができる。本発明の第2のタイプの実施例の場合、上記アプローチとの下位互換性は、MMEが、未知の、予見されない、かつ、エラーを含むNASプロトコルデータをどのように管理するかに依存する。MMEが未知の/理解不能なメッセージパラメータ又はパラメータ値を無視する(又は適切な場合、デフォルトの解釈を使用する)ようにさせることができれば、下位互換性はかなり容易に実現されることになる。ホーム基地局1が遮断すべきであったローカルブレークアウト関連NASメッセージをホーム基地局1がMMEへ転送した場合、MMEはこれらのメッセージを正規のメッセージと解釈して、そのようなものとしてこれらのメッセージに応答してしまうことが考えられる。応答メッセージ内の予期される情報不足から、UE2は、ホーム基地局1が想定されたローカルブレークアウトメカニズムをサポートしていないこと、並びに、応答メッセージがMMEから着信するものである旨を推論することができる。それから、UE2は、手順を続行して(非ローカルブレークアウトトラフィックに対する)正規のベアラを確立するか、ベアラの確立を打ち切るかのいずれかの選択を行うことができる。
【0093】
本発明の実施例によれば、UE2が、どのトラフィックをローカルにブレークアウトすべきか、並びに、正規の3GPPトラフィック15としてどのトラフィックを処理すべきかを制御するものであるとはいえ、通信事業者は一般にローカルブレークアウト機能の制御全体を以前のまま実行してもよい。O&M手段を介して、通信事業者は、例えば、ホーム基地局1内のローカルブレークアウト機能を動作可能にすべきか、動作不能にすべきかを制御してもよい。この動作可能/動作不能の制御は、例えば、曜日と時刻の少なくともいずれかに基づいて条件付けることも可能である。この条件付けをさらにきめ細かくして、ローカルCPEネットワークトラフィック用のローカルブレークアウトと、インターネットアクセス用のローカルブレークアウトとを区別して、ローカルブレークアウト機能がトラフィックタイプのうちの1つのタイプに対応して動作可能にはなるが、その他のトラフィックタイプに対しては動作不能になるようにすることも可能である。さらにきめ細かな制御によって、ホーム基地局1へパケットフィルタをダウンロードし、例えば、どの宛先アドレスがローカルにブレークアウトすることが許されているか、あるいは、どの宛先アドレスがローカルにブレークアウトされてはならないかというような指定を行うことも可能である。
【0094】
図17は本発明の実施例に係るO&Mノード170の概略ブロック図である。O&Mノード170は、ホーム基地局1と通信を行うように適合された制御ユニット171を備え、ローカルブレークアウト・トランスポートを行うためにホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりする。
【0095】
通信事業者による制御への別のアプローチとして、加入者が((使用される時刻や、使用されるのがどのホーム基地局1(又はCSG ID)であるかなどに基づくような))条件付きで、あるいは、無条件に)ローカルブレークアウト機能の使用を可能にするか否かを加入者データの中に指定するアプローチがある。加入者データは、ネットワークアタッチメントの結果又はトラックエリアの更新の結果として、(他の加入者データと共に)HSSからMMEへダウンロードされるようにすると共に、MMEは、(1以上の新たなIE内の指示を含む)S1AP初期コンテキスト設定要求(S1AP INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)メッセージなどの適切なS1APメッセージを通じて適宜ホーム基地局1に対して順次指示を出すようにする。
【0096】
上記に詳述した本発明のこれら実施例は、EPS(SAE/LTE)コンテキストに基づくものであり、かつ、ホーム基地局1はHeNBである。しかし、当業者であれば理解するように、上記の実施例を3G及びHNBに適合させることは簡単である。対応するメッセージ及びパラメータを3Gプロトコルでも利用することができる。
【0097】
第1のタイプの実施例を3Gに適合させるために、LTE RRCメッセージに関連して上述したのと同様に、ローカルブレークアウトベアラの確立のために新たな3G RRCメッセージを導入することができる。上記とは別に、3G RRC RRC接続要求(RRC CONNECTION REQUEST)メッセージ又は3G RRC測定報告(RRC MEASUREMENT REPORT)メッセージなどの既存のメッセージで表される新たな指標を利用することも可能である。
【0098】
本発明の第2のタイプの実施例を3Gに適合させるために、対応する3G GPRSセション管理メッセージによってNASメッセージを置換することも可能である。第2のタイプの実施例の第1の変形例の場合、EPS NASメッセージに関連して上述したのと同様に、ローカルブレークアウトベアラの確立のために新たな3G GPRSセション管理メッセージを導入することができる。第2のタイプの実施例の第2の変形例の場合、(特別のAPN値又は特別のNSAPIあるいは(特別のEPSベアラ識別値の代わりに)LLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3GアクティベートPDPコンテキスト要求(3G ACTIVATE PDP CONTEXT REQUEST)メッセージによって、若しくは、(特別のNSAPI又は(特別のEPSベアラ識別値の代わりに)LLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3Gアクティベート2次PDPコンテキスト(3G ACTIVATE SECONDARY PDP CONTEXT REQUEST)要求メッセージによって、NAS PDP接続要求メッセージを置換することも可能である。第2のタイプの実施例の第3の変形例の場合、(特別のLLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3G修正PDPコンテキスト要求(3G MODIFY PDP CONTEXT REQUEST)メッセージによって、又は、(特別のNSAPI又は(特別のEPSベアラ識別値の代わりの)LLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3Gアクティベート2次PDPコンテキスト要求メッセージによってNASベアラリソース割当て要求メッセージを置換することも可能である。
【0099】
本発明のこれら種々の実施例では、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックを、確立されたローカルブレークアウトベアラ22でホーム基地局1へ送信する手段によってコアネットワーク15を経由すべき対象トラフィックから、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックを分離する処理を行うのはまさに、UE2である。この手順は、本発明の実施例に係るUE2における方法を示すフローチャートである図14に示されている。ステップ141において、UE2は、上記に詳述した種々の確立手順のうちの任意の確立手順に従って、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するためにホーム基地局1と通信を行う。ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスが使用される場合、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するステップ141の必須部分として、このIPアドレスを取得してもよいし、あるいは、上記に詳述したように、専用IPアドレスを取得するためにUEによりDHCPサーバとの通信が行われるステップ142において別個にこのIPアドレスを取得してもよい。ステップ143において、UEはローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別し、次いで、ステップ144において、UEは、上記確立されたローカルブレークアウトベアラ22で上記識別されたアップリンクトラフィックをホーム基地局1へ送信する。なお、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別するUEによりステップ141にトリガをかけて実行してもよく、それによって、ステップ141よりも前にステップ143が実際には実行されるようになる。しかし、ローカルトランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックの識別は、アップリンクトラフィックが生成されている間、UEにおいても連続的に実行される。何らかのアップリンクトラフィックがローカルブレークアウト・トランスポート用として識別されたか否かに係わりなく、UEがホーム基地局1と接続されるとすぐにステップ141にトリガをかけて実行することも可能である。
【0100】
図15は、ローカルブレークアウト処理に関連してホーム基地局1において実行してもよい本発明の実施例に係る方法を示すフローチャートである。ステップ151において、ホーム基地局はローカルブレークアウトベアラ22を確立するためにUE2と通信を行っている。UEがローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスの受信を予期している旨を要求した場合、ホーム基地局は、このような専用IPアドレスを取得するためにUEの代わりにDHCPサーバとも通信を行ってもよい。この取得はステップ156により示されている。ローカルブレークアウトトラフィック用として専用IPアドレスをUEに提供する種々のオプションについては上記に詳述した。ローカルブレークアウトベアラの確立後、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトベアラでアップリンクトラフィックを移動体端末から受信するステップを開始することができる(ステップ152)。ステップ153において、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウト・トランスポートに従って、ローカルブレークアウトベアラで移動体端末から受信したトラフィックを転送する。この転送はローカルCPEネットワーク20を介するローカルノード4への転送か、アクセスネットワーク14を介するインターネット21への転送かのいずれかの転送を意味する。双方の場合において、このトラフィックをIPsecトンネル13の外側へ転送させて、コアネットワーク15を経由させないようにする。ステップ154において、ローカルCPEネットワーク20内のローカルノードから、あるいは、IPsecトンネル13の外側にあるインターネットからホーム基地局により受信したダウンリンクトラフィックをローカルブレークアウトベアラ22でUEへ転送する。
【0101】
図16は、本発明に係る移動体端末(UE)2の実施例を示す概略ブロック図である。移動体端末2は無線インタフェース164を備え、無線インタフェース164によって移動体端末はホーム基地局などと通信を行うことができる。移動体端末2は、インタフェース164を介してデータパケットの受信と転送とをそれぞれ行うように適合された入力ユニット163及び出力ユニット162をさらに含む。移動体端末2の処理ユニット161が、上記のステップ141及び143を(さらに、場合に応じてオプションのステップ142も)実行するように適合される。図16は、ローカルブレークアウト・トランスポートをどのトラフィックに対して行うのが望ましいかを指定する構成情報を格納する格納ユニットが移動体端末2に含まれてもよいことも示す。当業者であれば、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェアとのうちの少なくともいずれかを用いて移動体端末2の種々のユニットを実現できる方法をこの説明から理解するであろう。
【0102】
図18は本発明に係るホーム基地局1の実施例を示す概略ブロック図である。ホーム基地局1は無線インタフェース3を備え、無線インタフェース3によって、ホーム基地局は1つ以上の移動体端末(UE)と通信を行うことが可能となる。ホーム基地局はインタフェース181及び183も備え、これらのインタフェースを経由して、ホーム基地局は、複数のローカルノード及び(3GPPコアネットワーク15などの)移動通信システムのコアネットワーク並びにアクセスネットワーク14を介してインターネット21と接続することができる。なお、適用シナリオに応じて、インタフェース181及び183を組み合わせるか、あるいは、これらのインタフェースを部分的に組み合わせることが可能である。例えば、上述の第1のシナリオでは、ホーム基地局1は、ローカルノード4へパケットを送信するのに使用するのと同じインタフェースをインターネット21へのパケット送信用として使用する。ホーム基地局は、インタフェースを介してデータパケットの受信と転送とをそれぞれ行うように適合された入力ユニット182と出力ユニット184とをさらに含む。ホーム基地局1の処理ユニット185は上記のステップ151を(さらに場合に応じてオプションのステップ156も)実行するように適合される。図18は、上述したようにホーム基地局がNAT17を含んでもよいことも示す。さらに、ホーム基地局はALGを含んでもよい(但しこのALGは図18には示されていない)。当業者であれば、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェアとのうちの少なくともいずれかを用いてどのようにホーム基地局1の種々のユニットが実装されるのかをここでの説明から理解するであろう。
【0103】
添付図面と明細書では、本発明の代表的な望ましい実施例について開示した。また、具体的な用語が使用されてはいるが、これらは一般的で例示的な意味合いでのみ使用されており、以下に記載の本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0104】
本明細書で用いられている略語の要約
3G: 第3世代
3GPP: 第3世代パートナープロジェクト
AAA: 認証、認可&課金
ADSL: 非対称デジタル加入者回線
AKA: 認証及びキーアグリーメント
ALG: アプリケーションレベルゲートウェイ/
アプリケーション層ゲートウェイ
APN: アクセスポイント名
ARP: アドレス解決プロトコル
AuC: 認証センタ
BB: 広帯域ブロードバンド
CPE: 顧客構内機器
CSG: 非公開加入者グループ
CSG ID: 非公開加入者グループ識別子
DHCP: 動的ホスト構成プロトコル
DNS: ドメイン名システム
DSL: デジタル加入者回線
EAP: 拡張可能認証プロトコル
EPS: 発展型パケットシステム
ESP: カプセル化セキュリティペイロード
E−UTRAN:発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク
FQDN: 完全修飾ドメイン名
GGSN: ゲートウェイGPRSサポートノード
Gi: UMTS GGSNと外部ネットワーク間インタフェース
GPRS: 汎用パケット無線サービス
GUTI: グローバルに一意の一時的識別子
HeNB: Home eNodeB
HN: Home(e)NodeB
(即ち、Home NodeB又はHome eNodeBのいずれか)
HNB: ホームノードB
HSS: ホーム加入者サーバ
ID: 識別子
IE: 情報要素
IEEE: 米国電気電子学会
IKE: インターネットキー交換
IKEv2: インターネットキー交換バージョン2
IMSI: 国際移動加入者識別子
IP: インターネットプロトコル
IPsec: (RFC4301に規定のような)IPセキュリティ
IPv4: インターネットプロトコルバージョン4
IPv6: インターネットプロトコルバージョン6
Iu: UMTS内のRNCとコアネットワーク間Iuインタフェース
L2: レイヤ2
LAN: ローカルエリアネットワーク
LBO: ローカルブレークアウト
LLC: 論理リンク制御
LLCSAPI:論理リンク制御サービスアクセスポイント識別子
LTE: ロングタームエボリューション
MAC: メディアアクセス制御
MGW: メディア・ゲートウェイ
MIPv6: 移動IPv6
MME: モビリティ管理体
MSC: 移動体交換センタ
NAS: 非アクセス層
NAT: ネットワークアドレス変換/トランスレータ
NSAPI: ネットワークサービスアクセスポイント識別子
O&M: 運用及び保守
PANA: ネットワークアクセス用の認証を搬送するためのプロトコル
PDCP: パケットデータコンバージェンスプロトコル
PDN: パケットデータネットワーク
PIN: 個人識別番号
QoS: サービス品質
RADIUS: ユーザサービスにおける遠隔地からの認証ダイアル
RFC: コメント要求
RLC: 無線リンク制御
RNC: 無線ネットワーク制御装置
RRC: 無線リソース制御
S1: (eNodeBとMME/S−GW間などの)
EPSにおけるE−UTRANとコアネットワーク間インタフェース
S1 AP: S1アプリケーションプロトコル
((H)eNBとMME間で使用されるプロトコル)
SAE: システムアーキテクチャエボリューション
SAPI: サービスアクセスポイント識別子
SGSN: サービングGPRSサポートノード
SGI: EPS PDNゲートウェイと外部ネットワーク間インタフェース
S−GW: サービングゲートウェイ
SGSN: サービングGPRSサポートノード
TS: 技術仕様
UE: ユーザ機器
UMTS: 汎用移動体通信システム
UpnP: ユニバーサルプラグ&プレイ
USIM: ユニバーサル加入者識別モジュール
WLAN: 無線ローカルエリアネットワーク
xDSL: Xデジタル加入者回線
(“X”が「DSL」の前に置き得る文字のうちの任意の文字
(AやVなど)を表すDSL技術ファミリを参照)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホーム基地局を備えた通信システムにおける方法及び構成に関し、特に、ホーム基地局と接続してトラフィックを管理する方法及び構成に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代UMTSシステム(例えば、非特許文献1、特に、その発展型バージョンSAE/LTE(例えば、(発展型パケットシステム(EPS)とも呼ばれる)非特許文献2、及び、非特許文献3において、ホーム基地局というコンセプトが導入されている。3Gにおいてホーム基地局がHome NodeB(HNB)と呼ばれるのに対して、EPSにおいては、ホーム基地局はHome eNodeB(HeNB)と呼ばれる。ホーム基地局はプライベートな家庭内に配置され、移動通信システムのコアネットワークにアクセスするためのホーム所有者の固定ブロードバンド接続を利用するものと仮定されている。また、ホーム所有者がホーム基地局の実際の物理的設置の管理を行うことも仮定されている。このため、ホーム基地局の配備計画は不可能となる。なぜなら、ホーム基地局の大部分が移動通信システムの通信事業者の制御の範囲外になるからである。ホーム基地局というコンセプトの別の重要な特性として、潜在的に非常に多数のホーム基地局が存在することが挙げられる。
【0003】
(Home NodeBあるいはHome eNodeBのような)ホーム基地局は、通信事業者のネットワークの境界においてセキュリティゲートウェイにつながる(IPsecにより保護されているものと仮定される)安全なトンネルを介して通信事業者のコアネットワークと接続している。このトンネルを介して、ホーム基地局は、通信事業者のコアネットワークのコアネットワークノード(EPS内のSIインタフェースを介するMME及びS−GW、あるいは、3G UMTS内のIuインタフェース又はIuhインタフェースを介するSGSN及びMSC(又はMGW及びMSCサーバ)など)と接続する。3GPP通信事業者はまた、ホーム基地局と正規のコアネットワークノードとの間において通信事業者のネットワーク内に集信装置ノードを配備している場合もある。EPSの標準化では、このような集信装置ノードは一般にHeNBゲートウェイと呼ばれるが、このようなノードはEPS HeNBによる解決方法におけるオプションのノードであってもよい。3G UMTS規格における対応するノード名はHNBゲートウェイであり、このノードは3G HNBシステムにおいて必須のものである。
【0004】
EPSと3G UMTSの双方の場合、ホーム基地局は、搬送ネットワーク(の一部)としてブロードバンドアクセスネットワークを使用する。ホーム基地局とコアネットワーク間における可能なネットワークアドレス変換装置(NAT)は、例えば(IKEv2のような)インターネットキー交換プロトコルを使用している場合、安全なトンネルにとって問題となるものではない。この交換プロトコルは、NATトラバーサル(すなわち、必要に応じて行われるEPSトラフィック用のアクティベートUDP(ユーザデータグラムプロトコル)カプセル化)の管理が可能であり、かつ、安全なトンネル確立のために使用されると仮定されている。
【0005】
さらに、ユーザプレーンセキュリティ、RLCプロトコル及びPDCPプロトコルは、3GではRNCにおいて、及び、LTEではeNodeBにおいて終端される。ホーム基地局が使用されているとき、これらのプロトコルは、ホーム基地局において(RNC機能が3G HNBアーキテクチャ内のHNB内に存在する場合にはHNB内において、あるいは、RNC機能がLTE内のHeNBに置かれている場合にはHeNBにおいて)終端される。これによって、ホーム基地局においてユーザプレーンIPパケットを容易に可視化させている。
【0006】
この設定を通じて、ユーザ機器(UE、移動体端末とも呼ばれる)が、他の任意のUEの場合のようにホーム基地局及びコアネットワークを介して通信を行うことが可能となる。しかし、ホーム基地局が(ブロードバンドモデムなどの)該ホーム基地局の所有者のブロードバンドアクセスと接続されているため、このホーム基地局は潜在的に(ローカルCPEネットワークとしても知られている)家庭内LANの一部である。従って、UEは、プリンタ又はコンピュータなどの家庭内LANと接続されている別の装置と潜在的に通信を行うことも可能となる。この結果、ホーム基地局に関連したメカニズムは、UEが(家庭内LAN内の装置と)ローカルに、そして、(家庭内LANの外部にある装置と)リモートに通信を可能にする必要があると共に、これら2つのタイプのトラフィックをミックスし、かつ、同時に進行中の、ローカル及び遠隔の双方による通信セションを行うことが可能であることが望ましい。
【0007】
しかし、従来技術による解決方法によれば、ホーム基地局は、リモートな通信セションに関連するトラフィックと比較して、ローカルな通信セションに関連するトラフィックに対する特別の処理を区別し、かつ、この処理を提供することはできない。従って、現行のホーム基地局による解決方法には、特定タイプのトラフィックに適合したさらに効率のよいトラフィック管理の実現のための、ローカルなトラフィックと遠隔トラフィックとを別様に管理する方法が存在していない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】3GPP TS23.002、「第3世代パートナープロジェクト技術仕様グループサービス及びシステムの諸側面」、ネットワークアーキテクチャ(リリース8)、2007年12月
【非特許文献2】3GPP TS23.401 v8.1.0、「第3世代パートナープロジェクト;技術仕様グループサービス及びシステムの諸側面;発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)のための汎用パケット無線サービス(GPRS)の拡張機能(リリース8)」、2008年3月
【非特許文献3】3GPP TS36.401 v8.1.0、「第3世代パートナープロジェクト;技術仕様グループ無線アクセスネットワーク;発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN);アーキテクチャ記述(リリース8)、2008年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ホーム基地局を備えた通信システムにおいて効率のよいトラフィック搬送を可能にする方法及び構成を提供することである。
【0010】
上述の目的は独立請求項に係る複数の方法及びノードにより実現される。
【0011】
本発明の実施例の基本アイデアは、ホーム基地局を介して移動体端末からの様々なタイプのアップリンクトラフィックの様々なタイプの搬送を可能にすることである。本発明の実施例は、ホーム基地局を介してトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポート(local breakout transportation)を可能にすることであり、このトランスポートは、トラフィックが移動通信システムのコアネットワークを経由することなくトランスポートされることを示唆するものである。本発明の実施例によれば、移動体端末とホーム基地局との間において、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックに対して別個の専用ベアラが確立される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の実施例は、移動体端末におけるトラフィックの転送方法を提供する。この移動体端末はホーム基地局との無線接続部を有する。ホーム基地局は、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介する移動通信システムのコアネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介するインターネットとの接続部とを有する。この方法は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別する工程を含む。ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、アップリンクトラフィックをローカルノードとインターネットとの内の少なくともいずれかへ転送することを示唆する。この方法には、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いてホーム基地局と通信を行う工程も含まれる。前記ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。この方法によれば、前記識別されたアップリンクトラフィックは前記確立されたローカルブレークアウトベアラでホーム基地局へ送信される。
【0013】
本発明の第2の実施例は、ホーム基地局におけるトラフィックの転送方法を提供する。ホーム基地局は、無線インタフェースを介する移動体端末との接続部と、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介する移動通信システムのコアネットワークとの接続部と、アクセスネットワークを介するインターネットとの接続部とを有する。その方法は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いて移動体端末と通信を行う工程が含まれる。上述したように、ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットとの内の少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示唆するものである。ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。この方法によれば、ホーム基地局は、前記確立されたローカルブレークアウトベアラで移動体端末からアップリンクトラフィックを受信し、ローカルブレークアウト・トランスポートに従う前記ローカルブレークアウトベアラで前記受信されたアップリンクトラフィックを転送する。
【0014】
本発明の第3の実施例は移動通信システムにおいて用いる移動体端末を提供する。この移動体端末はホーム基地局との接続用として適合された無線インタフェースを有し、そのホーム基地局は、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークと、アクセスネットワークを介して移動通信システムのコアネットワークと、さらに、アクセスネットワークを介してインターネットと接続されている。その移動体端末は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別するように適合された処理ユニットも備える。上述したように、ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットとの内の少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示唆する。前記処理ユニットはさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いてホーム基地局と通信を行うよう適合される。前記ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。その移動体端末はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポート用の前記処理ユニットにより識別されたアップリンクトラフィックを、前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記ホーム基地局へ送信するように適合された出力ユニットを備える。
【0015】
本発明の第4の実施例は移動通信システムにおいて用いるホーム基地局を提供する。このホーム基地局は、1つ以上の移動体端末との接続用として適合された無線インタフェースを備えるのみならず、アクセスネットワークを介する移動通信システムのコアネットワークとの接続用として、さらに、アクセスネットワークを介するインターネットとの接続用として、複数のローカルノードを備えたローカルネットワークとの接続用として適合された1つ以上のインタフェースも備える。そのホーム基地局はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラを確立するために、シグナリングを用いて移動体端末と通信を行うように適合された処理ユニットを備える。上述したように、ローカルブレークアウト・トランスポートとは、コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示唆するものである。ローカルブレークアウトベアラは移動体端末とホーム基地局との間に延びた無線ベアラである。そのホーム基地局は、確立されたローカルブレークアウトベアラで移動体端末からアップリンクトラフィックを受信するように適合された入力ユニットと、ローカルブレークアウト・トランスポートに従って受信されたアップリンクトラフィックをローカルブレークアウトベアラで転送するように適合された出力ユニットとを有している。
【0016】
本発明の第5の実施例は、通信システムの運用及び保守システムにおいて使用する運用及び保守ノードを提供する。このノードはホーム基地局と通信を行うように適合された制御ユニットを備え、ローカルブレークアウト・トランスポートを行うために、ホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりする。ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示唆する。
【0017】
本発明の第6の実施例は、通信システムの運用及び保守システムの運用及び保守ノードおける方法を提供する。この方法はローカルブレークアウト・トランスポートのために、ホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりするために、制御情報をホーム基地局へ送信する工程を含む。ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示唆する。
【0018】
本発明の実施例の利点として、これらの実施例が、ホーム基地局が接続されている接続先である(家庭内LANなどの)ローカルネットワークと接続されている他のノードとローカルに通信を行う可能性を有するホーム基地局と接続された移動体端末(UE)を提供できるという点が挙げられる。ローカルな通信が行われている間、トラフィックはローカルブレークアウト・トランスポートによりトランスポートされる。このローカルブレークアウト・トランスポートは、トラフィックが(3GPPコアネットワークなどの)移動通信システムのコアネットワークを経由しないことを示唆する。
【0019】
本発明の別の実施例の利点として、トラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートが使用されるとき、ローカル通信中に経験される待ち時間が著しく低減されるという点が挙げられる。
【0020】
本発明の実施例のさらに別の利点として、ローカルブレークアウト・トランスポートが使用されるとき、ローカル通信中のユーザ経験が改善され、かつ、ローカル通信に対するトラフィック課金及び長い待ち時間と共に生活しなければならないという腹立ちが取り除かれるという点が挙げられる。
【0021】
本発明の実施例のさらに別の利点として、或るトラフィック用のローカル搬送が使用されるとき、移動通信システムのコアネットワークがオフロードされる(さらに、移動通信の登録に対する定額制料金が利用されていれば、このようなオフローディングが通信事業者の収入を減少させることはない)という点が挙げられる。
【0022】
さらに、本発明の実施例のさらなる利点として、これらの実施例によって、移動通信システムのコアネットワークを介することなく、ホーム基地局と接続された移動体端末が、インターネットとの通信あるいはインターネットを経由する通信(即ち、インターネットトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポート)を行うことが可能になるという利点が挙げられる。これによって、3GPPの登録トラフィック料金を支払うことなく、ホーム基地局を介してインターネットにアクセスすることが可能となる。オーバヘッドの低減に起因して、このタイプのインターネットアクセスは、ユーザがより高速なアクセスを経験できるものにもなる。インターネットトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートが使用される場合、移動通信システムのコアネットワークはオフロードされる。移動通信の登録に対する定額制料金が利用されていれば、このようなオフローディングが通信事業者の収入を減少させることはない。
【0023】
本発明の実施例のさらなる利点と特徴は添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むとき明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例が実現される第1の適用シナリオを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施例が実現される第3の適用シナリオを示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施例が実現される第5の適用シナリオを示す概略ブロック図である。
【図4】HeNBゲートウェイを介する場合と、HeNBゲートウェイを使用しない場合のそれぞれについて、3GPP EPSコアネットワークと接続されたHeNB用制御プレーンプロトコルスタックを示す概略ブロック図である。
【図5】HeNBゲートウェイを介する場合と、HeNBゲートウェイを使用しない場合のそれぞれについて、3GPP EPSコアネットワークと接続されたHeNB用制御プレーンプロトコルスタックを示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の第1のタイプの実施例に係る種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図7】本発明の第1のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図8】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図9】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図10】本発明の第2のタイプの実施例に係る、ローカルブレークアウトベアラの確立解除を示す概略シグナリング図である。
【図11】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラのさらに別の代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図12】本発明の第2のタイプの実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラのさらに別の代替確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図13】本発明のスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理(local breakout operation)の実施例に係る、種々のIPアドレス割当ての変形例を含むローカルブレークアウトベアラの確立手順を示す概略シグナリング図である。
【図14】本発明の実施例に係るトラフィック転送のための移動体端末における方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施例に係るトラフィック転送のためのホーム基地局における方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施例に係る移動体端末の概略ブロック図である。
【図17】本発明の実施例に係るO&Mノードの概略ブロック図である。
【図18】本発明の実施例に係るホーム基地局の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の好適な実施例が示されている添付図面を参照しながら、以下本発明についてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多種多様な形態で実施が可能であり、ここで説明される実施例に限定されると考えるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的かつ完全であることを期し、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提示するものである。これらの図面では同じ参照番号は同じ要素を指している。本説明の間ずっと使用される略語の要約リストがこのセクションの最後に提供される。
【0026】
上述したように、従来技術による解決方法によれば、トラフィックが、ローカルセション(UEとローカルCPEネットワーク内の諸装置間の通信)に関するものであるか、あるいは、遠隔セション(UEとローカルCPEネットワークの外側にある装置間での通信)に関するものであるかどうかに関りなく、ホーム基地局がすべてのトラフィックを等しく処理する。この結果、複数の次善の状況が生じることが考えられる。ホーム基地局と接続されているUEが、ローカルノード(すなわち、ネットワークプリンタ又はマルチプレイヤーゲーム用のユーザ機器などのローカルCPEネットワーク内の別のノード)との通信を所望するとき、IPパケットは、3GPPコアネットワークにおいて、GGSNとGiインタフェースとを介して(HNBの場合)、あるいは、PDNゲートウェイとSGiインタフェースとを介して(HeNBの場合)ルーティングされることになる。ホーム基地局はローカルCPEネットワークトラフィックをグローバルなトラフィックと区別することはできない。これはパフォーマンス及びリソース利用の双方から見て最善のものであるとは言い難く、ユーザは不当な遅延を経験する場合がある。さらに、3GPP通信事業者が、(3GPPコアネットワークを介してトラフィックがルーティングされるという理由で)UEと、ローカルCPEネットワークと接続されている別のノードとの間のトラフィック料金をユーザに課金する場合、ユーザはかなりの腹立ちをいだくことになりそうに思われる。さらに、ローカルCPEネットワークのノードがネットワークアドレス変換装置(NAT)を介してブロードバンドアクセスネットワークと接続されている場合(これは通常行われている、予想されるシナリオである)、ノードはNATの外側からは着信不能になり、従って、3GPPコアネットワークを介して通信を行うUE(及びGi又はSGiインタフェース)は同じローカルCPEネットワークと接続されている別のノードへ向けて通信セションを開始できなくなる。UEが3GPPコアネットワークから(ルーティングが不可能な)プライベートアドレスも受信する場合(これは現在展開されているGPRS/UMTSネットワークでは時々生じるケースである)、ローカルCPEネットワークに接続されている装置はUEへ向けて通信セションを開始できなくなり、これは、UEが(アプリケーションレベルのランデブ・サーバの補助なしでは)ローカルCPEネットワーク上の他のノードと全く通信を行うことができなくなるということを意味する。
【0027】
ローカルCPEネットワークトラフィックのローカルブレークアウトが妨げられるのと同じ理由によって、ブロードバンドアクセスネットワークを介するインターネットトラフィックのローカルブレークアウトも妨げられる。家庭内LANと接続されている他の任意のIP動作が可能な装置の場合と同様に、ホーム基地局及び家庭内LANと接続されている間、ユーザがブロードバンドアクセスネットワークを介して(かつ3GPPコアネットワークを介することなく)インターネットへのアクセスを選択できるようになれば有益であろう。この選択に対するインセンティブとしてコストの低減が挙げられる。というのは、3GPP通信事業者からの潜在的課金がこのトラフィックの場合発生することがないからである。別のインセンティブとして、例えば、インターネットに到達する前に巡回すべきIPsecトンネルもコアネットワークも必要とせずに実現される、インターネットアクセス時の低いオーバヘッドに起因して得られるさらに高速のアクセスが考えられる。その一方で、ユーザは、このようなローカルにブレークアウトされたインターネットトラフィックに対しては、3GPPベースのモビリティサポートを受けることを全く期待できなくなることが考えられる。
【0028】
これらの理由のために、ホーム基地局において適切に選択されたトラフィックのためのローカルブレークアウトをサポートし、それによって、ローカルなCPEネットワークに対してローカルなCPEネットワークトラフィックを制限すると共に、3GPPコアネットワーク内を行き巡ることなく、ブロードバンドアクセスネットワークを介してインターネットトラフィックを直接動作可能にすることは有益であろうと考えられる。
【0029】
本発明の実施例によって、UEが(Home NodeB又はHome eNodeBなどの)ホーム基地局と接続されて、(家庭内LANなどの)ローカルCPEネットワークと接続された他のノードとローカルに通信を行うことが可能となる。従って、UEと、ローカルCPEネットワークと接続されたノードとの間のトラフィックは、ローカルに、かつ、3GPPコアネットワークを介することなくルーティングされることになり、これによって、ローカル通信中に経験される待ち時間の短縮が可能になると共に、ローカル通信中のユーザ経験の改善が可能となる。インターネットトラフィックの搬送時に3GPPコアネットワークを必要とすることなく、ホーム基地局と接続されたUEにインターネットと通信させたり、インターネットを介して通信させたりすることも本発明の実施例により可能になる。トラフィックが、(3GPPコアネットワークなどの)移動通信システムのコアネットワークを経由することなく、ホーム基地局を介してローカルにトランスポートされたり、インターネットへトランスポートされたりする場合、このトランスポートを、ここではローカルブレークアウト・トランスポート又はローカルブレークアウトと呼ぶことにする。
【0030】
本発明の実施例によれば、UEとホーム基地局間での明確なシグナリングが、ローカルブレークアウト・トランスポートによって(すなわちコアネットワークを経由することなく)トランスポートされることが望ましいトラフィック用の個別ベアラの確立に用いられる。ここではこの個別ベアラをローカルブレークアウトベアラと呼ぶことにする。ローカルブレークアウトベアラは、UEとホーム基地局との間においてローカルブレークアウトトラフィックを搬送するものであって、コアネットワーク内へ続くものではない。従って、ホーム基地局が、コアネットワークへトランスポートされることが望ましいトラフィックから、ローカルブレークアウトトラフィックを分離することは非常に簡単なタスクになる。ローカルブレークアウトトラフィックを非ローカルブレークアウトトラフィックから分離する実際の努力は、最も望ましい場所であるUEにおいて行われる。その理由として、UEが、ユーザの意図を最も容易に反映するアップリンクトラフィックのソースであるという理由が挙げられる。
【0031】
本願に記載の種々の実施例は、種々のタイプのシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラを確立できる方法からなる複数の種々のオプション、並びに、種々のアドレスオプションと種々のシナリオとを用いてローカルブレークアウト・トラフィックをトランスポートする方法からなる複数の種々のオプションを提示する。ここでに提示されるこれらの種々のオプションの多くは互いに無関係であるため、これらのオプションを組み合わせて多数の種々の実施例にすることが可能である。第1の代替例のタイプの実施例によれば、ローカルブレークアウトベアラは、RRCシグナリングに組み込まれて確立されると共に、別のタイプの実施例によれば、ローカルブレークアウトベアラは、NASシグナリングに組み込まれた形で確立される。以下さらに詳述するように、UEは、例えば、ローカルブレークアウトトラフィック用として3GPPコアネットワークがUEに割り当てたIPアドレスを使用してもよいし、あるいは、ローカルブレークアウトトラフィック用の別個のIPアドレスを使用してもよい。NAT(ネットワークアドレス変換)及びALG(アプリケーションレベル/レイヤゲートウェイ)機能などに関して、ホーム基地局内におけるトラフィック処理に関して種々の要求を出す複数の種々のシナリオの形でホーム基地局及びUEが使用されてもよい。
【0032】
以下は、本発明を適用できるいくつかのシナリオを例示によって説明するものである。
【0033】
図1に示す第1のシナリオでは、ホーム基地局(HN)1は、イーサネット(登録商標)/WLAN接続部5を介してNAT16によりCPE(ホーム)ルータ9と接続され、かつ、複数のローカルノード4(説明を簡略にするために唯一のローカルノードしか示されていないが、任意の個数であってもよい)がイーサネット(登録商標)/WLAN接続部8を介してCPEルータ9と接続されている。ローカルノード4にはCPEルータ9から(ルーティングが不可能な)プライベートIPアドレスが割り当てられる。CPEルータ9は、ブロードバンドモデムのようなL2ブロードバンドCPE10を介してブロードバンドアクセスネットワーク14と接続される。第1のシナリオでは、ブロードバンドアクセスネットワーク14は、1つの(グローバルなルーティングが可能な)公開IPアドレス(本例ではIPv4アドレス)を個々のブロードバンドアクセス加入者に対して割り当てる。これは、L2ブロードバンドCPE10が単一のパブリックIPアドレスに割り当てられることを意味する。ホーム基地局は、IPsecトンネル13によってコアネットワーク15(本図では3GPPコアネットワーク)と接続する。ブロードバンドアクセスネットワークは、インターネット21並びにコアネットワーク15にアクセスを提供することができる。このケースでは、3GPP無線インタフェースである無線インタフェース3を介して、UE2はホーム基地局と接続してもよい。家庭内における配置が仮定されているこれらのユニットはローカルCPEネットワーク20の一部である(ここではローカルネットワークとも呼ばれる)。
【0034】
第2のシナリオでは、図1の第1のシナリオの場合と同様に、ローカルノード4は、イーサネット(登録商標)/WLAN接続を介してCPEルータと接続される代わりに、3GPP無線インタフェース3を介してホーム基地局と接続される。その他の点では第1及び第2のシナリオは同様のシナリオである。しかし、第2のシナリオは起こりそうにないと考えられ、かつ、本発明に係る解決方法としては関心をひくものが少ないものである。というのは、おそらくこのシナリオでは、別の任意の2つの3GPP端末間での通信の場合と同様、3GPPコアネットワーク15を介してUE1及びローカルノード4に通信を行わせるのが妥当であると考えられるからである。
【0035】
図2は、ホーム基地局1がケーブルモデムや(ADSLなどの)xDSLモデムなどのレイヤ2ブロードバンドCPE10と接続されるか、あるいは、レイヤ2ブロードバンドCPEと一体化される第3のシナリオを示す図である。ホーム基地局1はNATとの一体型ルータ31を有する。ローカルノードは、イーサネット(登録商標)/WLAN接続33を介してホーム基地局ルータ31と接続される。ブロードバンドアクセスネットワーク14は(グローバルなルーティングが可能な)1つのパブリックIPアドレスを個々のブロードバンドアクセス加入者に割り当てる。ローカルノード4に対して、ホーム基地局ルータ31から(ルーティングが不可能な)プライベートIPアドレスが割り当てられる。
【0036】
第4のシナリオでは、ホーム基地局は、第3のシナリオの場合と同様、ケーブルモデム又は(ADSLなどの)xDSLモデムなどのレイヤ2ブロードバンドCPE10と接続されるか、あるいは、レイヤ2ブロードバンドCPEと一体化される。しかし、ローカルノード4は3GPP無線インタフェース3を介してホーム基地局と接続される。その他の点では第3と第4のシナリオは同様のシナリオである。上述の第2のシナリオの場合と同様に、第4のシナリオもまた起こりそうにないと考えられ、かつ、本発明に係る解決方法としては関心をひくものが少ないものである。というのは、おそらくこのシナリオでは、別の任意の2つの3GPP端末間での通信の場合と同様に、3GPPコアネットワーク15を介してUE1及びローカルノード4に通信を行わせるのが妥当であると考えられるからである。
【0037】
図3に示す第5のシナリオでは、ブロードバンドアクセスネットワーク14は、複数のグローバルなルーティングが可能な、パブリックIPアドレスをローカルCPEネットワーク20内の複数の装置に割り当てることができる(このシナリオは、シナリオ1〜4の場合に有効なブロードバンドアクセスネットワークから割り当てられた単一のアドレスという仮説からは逸脱するものである)。ブロードバンドCPEは、ローカルネットワーク20の装置間でのスイッチとして動作するレイヤ2ブロードバンドCPE51である。ホーム基地局1はイーサネット(登録商標)/WLAN接続部52を介してレイヤ2ブロードバンドCPE51と接続される。ローカルノード4はイーサネット(登録商標)/WLAN接続部53を介してレイヤ2ブロードバンドCPE51と接続される。
【0038】
ここで詳述されている本発明の実施例では、ホーム基地局1はLTE内などのHeNBであると仮定されている。しかし、本発明は同様のシグナリングを用いて(但し3Gプロトコル又は他のタイプのホーム基地局から選択された特定のメッセージと共に)3G HNBに対しても適合されてもよい。これについては後程さらに詳述する。
【0039】
UE及びHeNBによる、ローカルブレークアウトトラフィックに対する条件についての明示的な同意を可能にするために、UE−HeNB専用プロトコルが利用される。3GPPコアネットワーク15が完全に関与しない状態に保ちながら、かつ、ローカルブレークアウトトラフィックの存在が意識されない状態に保つことが可能である間、上記専用プロトコルの利用によって、UE/ユーザに対する柔軟性とHeNB用の単純なメカニズムとが可能になる。ローカルブレークアウト用の特別の(無線)ベアラ22が利用されているが、この(無線)ベアラは3GPPコアネットワーク15内へ続くものではない。
【0040】
ここに詳述されている本発明の実施例をより良く理解するために、3GPP EPSコアネットワークと接続されているHeNB用のいくつかの関連するプロトコルスタックが図4及び図5に示されている。図4は、HeNBゲートウェイ(HeNB GW)を介して3GPP EPSコアネットワークと接続されているHeNB用の制御プレーンプロトコルスタックを示す。図5は、HeNB GWを用いることなく3GPP EPSコアネットワークと接続されているHeNB用の制御プレーンプロトコルスタックを示す。ローカルブレークアウトベアラ22を確立するために使用されるシグナリングタイプという点から見ると異なるものである、本発明の2つの異なるタイプの実施例について以下説明する。第1のタイプの実施例によれば、RRC(無線リソース制御)レベルのシグナリングはローカルブレークアウトベアラ22を確立するために使用される。第2のタイプの実施例によれば、NAS(非アクセス層)レベルのシグナリングはローカルブレークアウトベアラ22を確立するために使用される。無線インタフェースを巡回するベアラの一部は「無線ベアラ」と呼ばれる場合が多い。結果的に、「無線ベアラ」という用語はUE2とHeNB1との間で使用されるRRCプロトコルに関連して使用される頻度が高くなるのに対して、「ベアラ」という用語は、コアネットワーク15においてUE2とMMEとの間で使用されるNASプロトコルに関連して使用される。ここでは、他の特段の区別が用語「ベアラ」及び「無線ベアラ」と関連づけられていないため、これら2つの用語は本質的に均等物と解釈してもよい。
【0041】
以下は、図6及び図7に示すシグナリング図に関連して、RRCレベルのシグナリングを使用するローカルブレークアウトトラフィック用無線ベアラの確立処理について説明するものである。UE2は、該UE2のトラフィックのうちのいくつかの又は全てのトラフィックのローカルブレークアウトを所望する旨を決定する。この決定は、例えば、ユーザからの手動による指示によってトリガすることができるし、あるいは、(ある種の「接続プリファレンス」などの)構成に基づいて結論を下すことができる。例えば、ユーザがこの接続プリファレンスをUE2内に構成してもよい。次いで、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22の確立を所望する旨を示すRRC要求メッセージ62をホーム基地局1へ送信する。RRC要求メッセージ62は、上記目的のために専用の新たなメッセージ(表示のRRC LBO−ベアラ要求(BearerRequest)メッセージなど)、あるいは、新たなタイプの指標を有する既存のメッセージ(RRC RRC接続要求(ConnectionRequest)メッセージ、若しくは、RRC RRC測定要求(MeasurementReport)メッセージなど)であってもよい。別の実施例によれば、UEが以下のようにRRC要求メッセージ62の形で追加のプリファレンスを示すという可能性も考えられる。
【0042】
ローカルベアラがその確立のために主として意図され、かつ、該ベアラの確立のために条件づけられたトラフィックタイプを示すプリファレンス情報。このようなプリファレンス情報は、例えば、ローカルブレークアウトベアラ22が、インターネットトラフィックのために(主として)意図されるものである旨を示すと共に、インターネットトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成できる場合にのみ、ローカルブレークアウトベアラが確立されるべきである旨を示してもよい。これに対応して、プリファレンス情報は、ローカルブレークアウトベアラ22が、UE2とローカルノード4の間でのローカルトラフィックのために(主として)意図される旨を、並びに、ローカルトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成できる場合にのみ、ローカルブレークアウトベアラ22を確立すべきである旨を示すものであってもよい。上記とは別に、プリファレンス情報は、インターネットトラフィックとローカルトラフィックとの少なくとも一方のトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成できる場合にのみ、ローカルブレークアウトベアラが確立されるべきである旨を示すことができる。
【0043】
IPアドレス割当てプリファレンス/機能に関するプリファレンス情報。例えば、次のようなものである。
【0044】
(a)UE2がローカルブレークアウトトラフィックに対して割り当てられた専用IPアドレスの取得を予期することを示す情報。この取得は、UE2が、ユーザプレーンにおいて(即ち、ローカルブレークアウトベアラ22の両端にわたって)DHCP(動的ホスト構成プロトコル)を使用して、IPアドレスを取得する方法などによって実行することができる。この場合、シナリオに応じて、専用IPアドレスの割当てを行うDHCPサーバが、(ホームルータなどの)ローカルCPEネットワーク20あるいはブロードバンドアクセスネットワーク14に配置されるか、ホーム基地局1内に一体化されるかのいずれかが行われてもよい。別の着想可能な方法によれば、UE2は、ホーム基地局1がRRC要求メッセージ62への応答65時にローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスの割当てを行うことを予期する。この方法の詳細な実施形に応じて、ホーム基地局1はインターネットトラフィック、ローカルCPEネットワークトラフィック、又はこれら双方のトラフィックに対してNATとして動作しなければならない場合もある。
【0045】
(b)3GPPコアネットワーク15から割り当てられた、やはりローカルブレークアウトトラフィック用のIPアドレスの使用をUEが予期し、それによってホーム基地局1におけるNATサポートを要求する旨の情報。この場合、使用IPアドレスはIPv4アドレスであるべきであるという旨の仮定がされている(従って、UE2は、場合に応じてIPv6アドレスに加えて、IPv4アドレスが割り当てられることを所望する旨を3GPPコアネットワーク15に対して明示しなければならない場合もある)。
【0046】
ローカルブレークアウトベアラ22の確立のためにホーム基地局がUE2からRRC要求メッセージ62を受信すると、UE2は、この要求内の任意の特定のプリファレンス/条件情報を処理し、かつ、ホーム基地局が要求を受け入れると仮定して、適切な内部コンテキストデータを作成すると共に、応答65をUEへ返信することによりローカルブレークアウトベアラ22の確立を行う。この応答は、表示のRRC LBO−ベアラアクセプト(BearerAccept)メッセージなどの専用RRCメッセージの形の指標、あるいは、(好適にはRRC RRC接続要求メッセージに応答するRRC RRC接続設定(ConnectionSetup)メッセージなどの要求を搬送していたRRCメッセージへの応答メッセージとして普通に使用される)既存のメッセージの形の指標であってもよい。上記応答は、(適切な要求であれば)要求の形で表現されるプリファレンス/条件のそれぞれを表す状態指標であって、例えば、ローカルトラフィック又はインターネットトラフィック用の、あるいは、これら双方のトラフィック用のローカルブレークアウト・トランスポートを構成できるかどうかという点と、ホーム基地局1がUE2用のNAT機能の提供が可能であり、かつ、提供するかどうかという点との少なくともいずれかの点を示す状態指標を含んでもよい。UE2がホーム基地局1からのローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスの受信を予期している場合、ホーム基地局1はUE2への応答65の中に上記IPアドレスを含んでもよい。このIPアドレスを得るために、ホーム基地局は、ローカルCPEネットワーク20又はブロードバンドアクセスネットワーク14に配置されているDHCPサーバ61からDHCPを介して、プライベートアドレスを内部で割り当てたり、このプライベートアドレスを取り出したりし、それによって、ある種の「DHCPクライアントプロキシ」としてUE2の代わりに動作してもよい。別の代替例として、UEのアドレス割当てプリファレンス/機能は、(RRC UE能力照会(CapabilityInquiry)メッセージに応じて)RRC UE能力情報(CapabilityInformation)メッセージの形でホーム基地局1へ搬送されるという代替例が挙げられる。さらに別の代替例として、ローカルブレークアウトベアラ22の確立に関係する何らかのプリファレンスをUE2からホーム基地局1へ搬送せず、その代わりにデフォルト値に頼るという代替例がある。ローカルブレークアウトトラフィック用の別個のIPアドレスがUE2に割り当てられる場合、このIPアドレスには、サブネットマスク、デフォルトのゲートウェイアドレス及びDNS(ドメイン名システム)サーバアドレスのような他のIPホスト構成データが付随してもよい。
【0047】
図6は、上述したローカルブレークアウトトラフィック用ローカルブレークアウトベアラの確立手順及び専用IPアドレスの割当ての種々の変形例を示す図である。
【0048】
専用IPアドレスがローカルブレークアウトトラフィック用としてUE2に割り当てられることなくローカルブレークアウトベアラ22が確立される場合、上記確定手順はUE2からホーム基地局1へRRC要求メッセージ62を送信するステップと、ホーム基地局1からUE2へ応答メッセージ65を送信するステップとを含んでもよい。その場合、アドレス割当てプリファレンス情報が要求メッセージ62の中に含まれなくなると共に、IPアドレスも応答メッセージ65の中に含まれなくなる。RRC要求メッセージがRRC LBO−ベアラ要求であること、及び、応答メッセージ65がRRC LBO−ベアラアクセプトメッセージであることが図6に示されているが、これらのメッセージはまた、ローカルブレークアウトベアラ要求を運ぶRRC RRC接続要求及びRRC RRC接続設定メッセージのような別の既存のメッセージであってもよく、かつ、これらのメッセージの正規の内容に加えて、指標(及び任意の関連づけられたパラメータ)も受け入れる。
【0049】
ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスがローカルCPEネットワーク20又はブロードバンドアクセスネットワーク14内のDHCPサーバ61によってUE2に割り当てられる場合、図6の矢印66により示されているように、UEとDHCPサーバ間においてシグナリングが実行される。次いで、RRC要求メッセージ62の中には、ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスの、DHCPによる受信をUEが予期する旨を示すアドレス割当てプリファレンス情報が含まれている。ホーム基地局1が一体型DHCPサーバを備えていれば、UEは、ホーム基地局と通信を行って、矢印66により示されているようなIPアドレスの代わりに、図6の矢印67により示されているようなDHCPを介する専用IPアドレスを受信してもよい。
【0050】
上述したように、ホーム基地局1は「DHCPクライアントプロキシ」としてUEの代わりに動作することが可能である。その場合、RRC要求メッセージ62内のアドレス割当てプリファレンス情報には、UEがホーム基地局から専用IPアドレスを受信することを予期している旨が示される。ホーム基地局は、図6の矢印63により示されているように、DHCPを介してDHCPサーバ61と通信を行って、UEの代わりに専用IPアドレスを受信する。別の代替例として、ホーム基地局1自身が、図6のボックス64により示されているようにローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスをUE2に割り当てるという代替例がある。次いで、上記DHCPサーバ又はホーム基地局により割り当てられた専用IPアドレスは、例えば、応答メッセージ65の形でローカルブレークアウトベアラの確立手順中にホーム基地局1からUE2へ転送される。UE2へ伝えられるIPアドレスには、サブネットマスク、デフォルトのゲートウェイアドレス及びDNSサーバアドレスのような別のIPホスト構成データが付随してもよい。
【0051】
上記ローカルブレークアウトベアラの確立手順はまた、新たなRRCメッセージと修正された既存メッセージの双方のメッセージを利用してハイブリッドアプローチを利用してもよい。このようなアプローチによれば、図7に示されているように、RRC LBO−ベアラ要求62などによるローカルブレークアウトベアラの確立手順を開始してもよく、この確立手順に続いて、正規のRRC接続再構成設定手順、即ち、ホーム基地局1からUE2への正規のRRC RRC接続再構成設定(ConnectionReconfiguration)メッセージ71と、UE2からホーム基地局1へのRRC RRC接続再構成設定の完了(ConnectionReconfigurationComplete)メッセージ72とが後続する。しかし、メッセージ71及び72は、ローカルブレークアウトトラフィック用として割り当てられた専用IPアドレスなどのような任意の必要な追加パラメータや、ホーム基地局のローカルブレークアウト能力を表す状態指標により増大する。専用IPアドレスをローカルブレークアウトトラフィック用として割り当てるこれらの種々の変形例は、図6に関連して説明した変形例に対応する変形例であるため、図7に関しては詳細には説明されていない。
【0052】
図1に示す第1のシナリオでは、DHCPサーバはCPE(ホーム)ルータ9に配置されていると予期することができる。(たとえCPE(ホーム)ルータ9が本願においてルータと呼ばれていても、ルータ9は、以下さらに詳細に説明するように、本発明の実施例が用いられる場合、ローカルトラフィックに関してはスイッチとして機能することができる。)このような専用IPアドレスが所望/予期される場合、CPE(ホーム)ルータ9内のDHCPサーバを使用して、ローカルブレークアウトトラフィック用専用IP(プライベート)アドレスをUE2に提供することができる。UE2はローカルブレークアウトユーザプレーンを介してDHCPサーバと直接通信を行ってもよいし、あるいは、ホーム基地局1がUEの代わりにDHCPサーバと通信を行い、かつ、上述のようにローカルブレークアウトベアラの確立手順中に、割り当てられたIPアドレスをUE2へ転送してもよい。
【0053】
図2に示す第3のシナリオでは、上記のような専用IPアドレスが使用される場合、UE2には、ホーム基地局1からローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスが割り当てられなければならない。上記の理由として、L2ブロードバンドCPE10がDHCPサーバを備えていないこと、かつ、ブロードバンドアクセスネットワーク14が2以上のアドレスを同じアクセス接続に割り当てることはないという理由が挙げられる。UE2がローカルブレークアウトユーザプレーンを介してDHCPを用いて上記アドレスを取得する場合、ホーム基地局1はDHCPサーバを含む必要がある。上記以外の場合、UE2が、(RRC LBO−ベアラアクセプトメッセージ65などの形で)ローカルブレークアウトベアラの確立手順中にホーム基地局1からのアドレスの受信を予期すれば、ホーム基地局1内の任意の内部アドレス割当てメカニズムが作動することになる。
【0054】
図3に示す第5のシナリオのUE2に対して、ローカルブレークアウトトラフィック用として専用IPアドレスを割り当てるべきである場合、このアドレスはブロードバンドアクセスネットワーク14により割り当てられることが望ましい。UE2自身が、ブロードバンドアクセスネットワーク14内のDHCPサーバ61から(ローカルブレークアウトユーザプレーン内の)DHCPを介してアドレスを取り出してもよい。上記とは別に、ホーム基地局1は、ブロードバンドアクセスネットワーク14の(DHCPクライアントプロキシとしてUE2の代わりに動作する)DHCPサーバ61からDHCPを介してアドレスを得ることができると共に、(RRC LBO−ベアラアクセプトメッセージ65などにおいて)ローカルブレークアウトベアラの確立手順中にこのアドレスをUE2へ転送することができる。さらに別の代替例として、ホーム基地局自身がUE2にアドレスを割り当てるという代替例があるが、この場合、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用する必要があり、同じローカルCPEネットワーク20に対して(即ち、同じ加入者アクセスを介して)複数のルーティングが可能なアドレスを割り当てることができるブロードバンドアクセスネットワークの利点は利用されなくなる。
【0055】
ローカルブレークアウトベアラ22が確立されるとすぐに、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22でトラフィックの送信(及び受信)を開始できると共に、ローカルブレークアウトベアラで受信したトラフィックの処理がホーム基地局1において開始する。この処理には適切な転送ステップ、及び、場合に応じてNATのような追加機能も含まれる。ローカルブレークアウトトラフィックの処理はシナリオに依存する。本発明の実施例によれば、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックは、実際には、UE2内にすでにある、コアネットワーク15を経由すべきトラフィックから分離される。この分離は、本発明の実施例がローカルブレークアウトトラフィック用専用無線ベアラ22の使用に起因して生じる分離である。従って、ホーム基地局は、ローカルブレークアウトベアラ22で着信するすべてのアップリンクパケットがローカルにブレークアウトされる(即ち、ローカルブレークアウト・トランスポートにより転送される)べきである旨を知ることになる。
【0056】
送信すべきアップリンクデータをUE2が有している場合、UE2はそのアップリンクデータの送信をどのベアラに乗せるべきかの選択を行わなければならない。同じベアラ(即ち、ローカルブレークアウトベアラ22)ですべてのローカルブレークアウトトラフィックが送信されるのに対して、非ローカルブレークアウトトラフィックは、3GPPコアネットワーク15を経由して継続する他の正規のベアラで送信される。このため、UE2が個々のパケットを送信するための載せるべきベアラを選択すると、ローカルブレークアウトトラフィックの分離が生じることになる。この分離は以下の態様で実現することができる。即ち、
− UEの内部ルーティングテーブルの形で、
− ソースアドレス選択メカニズムとして(UE2がローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスを有している場合)、
− パケットフィルタメカニズム(MIPv6と関連する気付アドレス選択用などとしての使用を意図するフィルタルールなど)を用いる場合、あるいは、
− UE2において何らかの方法で実装されている任意の正規のベアラ選択メカニズムの適用によってである。
【0057】
ホーム基地局1は、ローカルCPEネットワーク20と、インターネット21へ向かうブロードバンドアクセスネットワーク14との少なくともいずれかのネットワークにおいてローカルブレークアウトベアラ22で受信したすべてのアップリンクパケットをローカルノード4へ向けて転送する。ダウンリンク時に、ホーム基地局1は、ローカルCPEネットワーク20とブロードバンドアクセスネットワーク14の少なくともいずれかのネットワークと、UE2にアドレス指定されたインターネット21とにおいて、ローカルノード4からすべてのパケットをローカルブレークアウトベアラ22で転送する。上記パケットの中には、(UE2がローカルブレークアウトトラフィック用専用アドレスを有している場合)IPヘッダ内の宛先アドレスとして行先アドレスの形でUEのアドレスを有するパケットが含まれているか、あるいは、(ホーム基地局がローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用する場合)宛先アドレスとしてホーム基地局のアドレスを有すると共に、NATの状態に従うパケットが含まれる。ホーム基地局はまた、ローカルCPEネットワーク20とブロードバンドアクセスネットワーク14との少なくともいずれかのネットワーク及びインターネット21から、ローカルブレークアウトベアラ22を介して同報トラフィックとマルチキャストトラフィックとをUE2へ転送してもよい。
【0058】
場合に応じてホーム基地局1は、いくつかのローカルブレークアウトトラフィックか、あるいは、すべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用しなければならない。これらのケースには以下のケースが含まれる。
【0059】
UE2がローカルブレークアウトトラフィック用専用アドレスを有していない。この場合には、ホーム基地局1は、図1に示す第1のシナリオと、図3に示す第5のシナリオの双方のシナリオにおけるすべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能17(例えば、UPnPトラフィック用ALG機能などが望ましい)を適用しなければならない。図2に示す第3のシナリオでは、ホーム基地局1はNAT(及びALG)機能32をすべてのローカルブレークアウトトラフィックに対して適用してもよいが、ホーム基地局1はまた、NAT機能32を適用することなく、ローカルCPEネットワーク20のトラフィックとインターネット21のトラフィックとの区別を選択し、次いで、UE間を往来するローカルCPEネットワークトラフィックの方を許可してもよい。
【0060】
UE2がホーム基地局1により割り当てられたローカルブレークアウトトラフィック用専用(プライベート)アドレスを有している。この場合には、ホーム基地局1は、図1及び図3にそれぞれ示されている第1及び第5のシナリオにおけるすべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT(及び好適にはALG)機能17を適用しなければならない。図2に示す第3のシナリオでは、ホーム基地局は、すべてのローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT(ALG)機能32を適用してもよいが、ローカルCPEネットワーク20のトラフィックとインターネット21のトラフィックとを区別し、かつ、インターネットのトラフィックに対してのみNAT(場合に応じてALG)機能32を適用することが望ましい。ホーム基地局1は、IPパケットのIPヘッダ内の宛先アドレスをスヌープすることによって、アップリンクローカルCPEネットワーク20のトラフィックをアップリンクインターネット21のトラフィックと区別してもよい。上記アドレスが、ローカルCPEネットワーク20において、該アドレス自身によりローカルノード4に割り当てられたものであれば、(あるいは上記とは別に、このアドレスがプライベートアドレスの範囲内にあれば)パケットはローカルCPEネットワークトラフィックとして分類される。ダウンリンクトラフィックの場合、パケットのIPヘッダ内のソースアドレスを同様にスヌープすることによって、ローカルなCPEネットワークのトラフィックとインターネットのトラフィックとの分類を行うことが可能であるが、さらに簡単な分類法として、どのようなインタフェースにパケットが着信したかを単に追跡する分類方法がある(即ち、前記ブロードバンドアクセスネットワーク14とホーム基地局1との間のインタフェースに着信するパケットがインターネットのトラフィックとして分類されるのに対して、(非3GPP)ローカルインタフェースのうちの任意のインタフェースに着信するパケットはローカルCPEネットワークのトラフィックとして分類される)。
【0061】
UE2が、ホーム基地局1以外の別の発信ソースからローカルブレークアウトトラフィック用専用アドレスを取得した場合(即ち、ホーム基地局1以外の別のエンティティにより割り当てられた場合)、ホーム基地局は、ローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT(又はALG)機能を何も提供する必要はない。(しかしこの方法は第3のシナリオに対しては適用できない。なぜなら、第3のシナリオでは、専用アドレスをUE2に割り当てることができる唯一のエンティティはホーム基地局1のみであるからである)。ホーム基地局1がローカルブレークアウトトラフィックに対してNAT機能を適用しないとき、ホーム基地局1はUE2の代わりにプロキシARPを実行してもよい(即ち、ホーム基地局はUE2の代わりにARPシグナリングの管理を行うようにしてもよい。例えば、UEのローカルブレークアウトIPアドレスを求めるARP要求がホーム基地局1に着信すると、ホーム基地局は、ARPへの応答時に(IEEE802MAC−48アドレスなどの)基地局自身のハードウェアアドレスを用いてUE2の代わりに上記要求に応答する。
【0062】
UE2が3GPPコアネットワーク15から割り当てられたIPv6アドレスを使用している場合(通常このアドレス使用の回避は簡単に行えることが望ましい)、ホーム基地局1はローカルブレークアウトトラフィック用のNATとして動作することに加えて、IPv6とIPv4間の変換を行う必要がある。
【0063】
第1、第3及び第5のシナリオに対するローカルブレークアウトトラフィックの処理が図1〜図3に概略的に示されている。UEとローカルノード4との間のローカルブレークアウトトラフィックが太線11で示されている一方で、インターネットへの、そして、インターネットからのローカルブレークアウトトラフィックは太線24で示されている。コアネットワーク15を経由する(本願でコアトランスポートと呼ぶ)トラフィックは太線12で示されている。
【0064】
2つの(またはそれ以上の)UE2がホーム基地局1と同時接続されている場合、これらのUE2は、自身のそれぞれのローカルブレークアウトベアラ22を介して(即ち、3GPPコアネットワーク15及びインターネット21の中を巡回することなく)ローカルに通信を行ってもよい。ホーム基地局1は、UEのローカルブレークアウトトラフィック用ローカル同報セグメントをエミュレートして、UEのうちの1つのUEのローカルブレークアウトベアラからのアップリンクパケットを、もう一方のUEのローカルブレークアウトベアラでダウンリンク方向に転送できるようにしてもよい。ホーム基地局1は、UEが使用しているアドレスを知っているため、上記態様での転送に適したパケットを選択することができる。第3のシナリオ(図2を参照)では、ホーム基地局1と接続されている2つのUE2間のローカルブレークアウトトラフィックはまた、(通信経路内の可能なホーム基地局のNAT機能32により課されるアドレス指定上の制限を有する)一体型ルータ31により転送されてもよい。上記2つのUE2のうちの一方のみがローカルブレークアウトベアラ22を有している場合、2つのUE2(この場合も通信経路内の可能なNAT32により課されるアドレス指定上の制限を有する)は、3GPPコアネットワーク15及びインターネット21を介して(あるいは双方のUE2が非ローカルブレークアウトベアラを使用している場合、3GPPコアネットワーク15を介してのみ)相互に通信を行う。
【0065】
ローカルブレークアウトベアラ22の確立が可能であるだけでなく、ローカルブレークアウトベアラの確立解除も可能である。ローカルブレークアウトベアラの確立のために使用されるRRCシグナリングに対応して、RRCシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラの確立解除を行うことができる。すなわち、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するために専用RRCメッセージを使用する場合、ローカルブレークアウトベアラ22の確立解除のために専用RRCメッセージを使用することが望ましい。そして、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するために既存のRRCメッセージの形の指標を使用する場合、対応する既存のRRCメッセージの形の指標を使用してローカルブレークアウトベアラの確立解除を行うことが望ましい(但し、このケースでは、専用ローカルブレークアウトベアラの確立解除メッセージを使用してもよい)。UE2又はホーム基地局1のいずれかが、確立解除要求の送信によってローカルブレークアウトベアラの確立解除手順を開始することが可能であり、かつ、受信ユニットは確立解除が完了した旨を示すメッセージの送信により応答を行ってもよい。
【0066】
本発明の第1のタイプの実施例に従うRRCレベルのシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラ22を確立する処理について以上説明した。次に、第2のタイプの実施例に係るNASレベルのシグナリングを用いてローカルブレークアウトベアラ22を確立する処理について、図8及び図9に示すシグナリング図を参照して説明する。これらの図において、“RRCメッセージ{NASメッセージ}”という表記は、NASメッセージがRRCメッセージの形で搬送されることを示すものとする。
【0067】
NASレベルのシグナリングはUE2ベアラ要求用の通常のシグナリングレベルである。しかし、このNASシグナリングは通常3GPPコアネットワーク15ではUE2とMMEとの間で実行される。従って、ローカルブレークアウトベアラの確立手順時の3GPPコアネットワーク15の関与を回避するために、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトベアラ22に関連するUE2からあらゆるNASメッセージを遮断し、かつ、ローカルブレークアウトベアラ関連のNASメッセージの交換のためにMMEのエミュレーションを行う。遮断されたメッセージは3GPPコアネットワーク15内のMMEへ転送されなくなる。このため、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトベアラに関連したNASメッセージを識別するために、アップリンクNASメッセージのヘッダをスヌープしなければならなくなる。別の代替変形例に従ってLBOベアラを要求するための種々のNASメッセージの利用を行うことができる。第2のタイプの実施例に従うローカルブレークアウトベアラの確立と、前述した第1のタイプの実施例との間の相違点は、ローカルブレークアウトベアラの確立及び確立解除の際に存在するものであり、ローカルブレークアウトトラフィックの処理時に存在するわけではない。従って、ローカルブレークアウトベアラがRRCレベルのシグナリング又はNASレベルのシグナリングを用いて確立されたかどうかに関りなく、ローカルブレークアウトトラフィックの処理は上述したものと同様の処理となる。
【0068】
第1のタイプの実施例に関連して上述したように、第2のタイプの実施例の変形例においても、RRC UE能力情報メッセージを用いて、IPアドレス割当てプリファレンスを搬送したり、デフォルトのプリファレンス値を信頼したりすることが可能である。
【0069】
図8に示す第2のタイプの実施例の第1の変形例によれば、(例えば、“NAS LBOベアラ要求”などのラベルがつけられた)新たなNAS要求メッセージ81がローカルブレークアウトトラフィック用ベアラの確立を目的とする専用メッセージとなる。この新たなNAS要求メッセージ81は、IPアドレス割当てプリファレンスなどのようなローカルブレークアウトベアラの確立に関連する上記のパラメータのうちの任意のパラメータを含むことができる。ホーム基地局1は、NAS要求メッセージ81のスヌープと遮断とを行う(82)と共に、例えば、“NAS LBOベアラアクセプト”などのラベルがつけられた新たな対応するNAS応答メッセージ83を用いて応答する。NAS応答メッセージ83は、上述のように、ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスなどのような、第1のタイプの実施例のためのローカルブレークアウトベアラの確立関連パラメータを含んでもよい。NAS要求メッセージ81は、図8に図示のようにRRC接続再構成設定手順交換メッセージ83及び84を開始するためにホーム基地局1に対してトリガをかけることも行う。この変形例は、ホーム基地局1がNASメッセージを識別する最も単純な方法を提供するものであり、このNASメッセージはローカルブレークアウトベアラ22を求める要求を含むものであり、従って、遮断されると共に、MME及び3GPPコアネットワーク15へ転送されないようにすることが望ましい。ホーム基地局1は、アップリンクNASメッセージのメッセージタイプフィールド(このフィールドは常にメッセージの第2のオクテットである)のチェックを単に行うと共に、このメッセージタイプが、(例えば、“NAS LBOベアラ要求”などの)新たなローカルブレークアウトベアラ要求メッセージに対応するメッセージタイプ値にマッチしたとき、遮断をトリガする必要があるだけである。前述した第1のタイプの実施例に従って利用可能な種々のIPアドレスの割当てオプションは第2のタイプの実施例に関しても利用可能である。唯一の相違点として、任意のアドレス割当てプリファレンス情報及び(必要であれば)専用IPアドレスがRRCレベルで含まれるのではなく、NASメッセージの形で含まれているという点が挙げられる。従って、図6及び図7の場合と同じ参照番号が図8及び図9においてもIP割当て手順ステップに対して用いられている。これらのステップの詳細な説明のために、第1のタイプの実施例に関連する上記説明について以下言及する。
【0070】
第2のタイプの実施例の第1の変形例に係るローカルブレークアウトベアラ22の確立解除は、例えば、“NAS LBOベアラの確立解除要求”などのラベルがつけられた新たな専用NASメッセージによりトリガがかけられる。UE2又はホーム基地局1のいずれかによりこのメッセージを送信することができる。メッセージを受け取る通信相手は、例えば、“NAS LBOベアラの確立解除ACK”などのようなラベルがつけられた確認応答メッセージを用いて応答してもよいが、この確認応答メッセージを省いてもよい。上記手順はRRC接続再構成設定手順のトリガをかけることも行う。すべてのパケットデータネットワークからUE2が接続を切断された旨の指標をホーム基地局1が3GPPコアネットワーク15(即ち、MME)から受信した場合、ローカルブレークアウトベアラ22の確立解除も行われるようにしてよい。
【0071】
図9に示す第2のタイプの実施例の第2の変形例によれば、UE2は、既存のNAS PDN接続要求(NAS PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージ91を用いてローカルブレークアウトベアラ22の確立を要求する。NAS要求メッセージ91がローカルブレークアウトベアラ要求であることを示すために、UE2は、(アドレス割当てプリファレンス情報あるいは確立条件に関する情報のような任意のプリファレンス情報と共に)NAS要求メッセージ91の中に含まれている専用のAPN値を使用する。上記特別のAPN値は、無線USIM構成技術を利用して、UE2内に予め構成されるか、あるいは、UEのUSIM(ユニバーサル加入者識別モジュール)へダウンロードされるかのいずれかが行われる。図9に示すように、NAS要求メッセージ91はホーム基地局1によってステップ92でスヌープされる。ホーム基地局1において、上記特別のAPN値は、予め構成される(又はさらにハードコードされる)か、あるいは、ホーム基地局1のインストール時にO&M手段を介して構成されるかのいずれかが行われる。この特別のAPN値にとって、あまり望ましくない代替例として、専用のEPSベアラ識別子(この識別子は予め構成するか、特別のAPN値のようにダウンロードするかを行う必要がある)を使用することになるか、あるいは、新たなメッセージパラメータか、ローカルブレークアウトベアラ要求指標を導入して、NAS PDN接続要求メッセージの形でローカルブレークアウトベアラ要求を示すようにするという代替例が挙げられる。IPアドレス割当てプリファレンスなどのようなローカルブレークアウトベアラの確立に関連する上記記載のパラメータのうちの任意のパラメータを含むように、NAS PDN接続要求メッセージを場合に応じて増大させてもよい。
【0072】
ホーム基地局1は、特別のAPN値によって(又は専用EPSベアラ識別子や明確なローカルブレークアウトベアラ要求指標によって)トリガされて、UE1からNAS PDN接続要求メッセージを遮断する(92)(この接続要求メッセージは3GPPコアネットワーク15及びMMEへは転送されない)。MMEを装うために、ホーム基地局1は、該ホーム基地局1がEPSベアラ識別子及びローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立と関連づけられたパラメータを場合に応じて含むNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求(NAS ACTIVATE DEFAULT EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ93を用いて応答する。UE2は、ステップ95において、ホーム基地局によっても遮断されるNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキストアクセプト(NAS ACTIVATE DEFAULT EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ94を用いて順次応答する。この手順はRRC接続再構成設定手順にトリガをかけることも行う。
【0073】
第2のタイプの実施例の第2の変形例に従って確立されたローカルブレークアウトベアラの確立解除は、図10に示すように、NASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求メッセージ93の形で以前に受信したEPSベアラ識別子(又はリンクされたEPSベアラ識別子)を含むNAS PDN切断要求(NAS PDN DISCONNECT REQUEST)又はNASベアラリソース解除要求(NAS BEARER RESOURCE RELEASE REQUEST)メッセージ101を送信することにより実行されてもよい。ホーム基地局1は、NASメッセージ101をスヌープし、ホーム基地局1が以前にUE2へ送信したEPSベアラ識別子(又はリンクされたEPSベアラ識別子)を認識し、次いで、ステップ102によって示されるようにメッセージを遮断する(かつ、3GPPコアネットワーク及びMMEへは該メッセージを転送しない)。この遮断されたメッセージに関連してMMEを装って、ホーム基地局1をトリガして停止EPSベアラコンテキスト手順を開始する。このため、ホーム基地局1は、NAS停止EPSベアラコンテキスト要求(NAS DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ103をUE2へ送信する。UE2は、NAS停止EPSベアラコンテキストアクセプト(NAS DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ104を用いて応答し、メッセージ104もホーム基地局1により遮断される(105)。
【0074】
第2のタイプの実施例の第2の変形例において、UE2から以前のトリガを行うことなく、ホーム基地局1がローカルブレークアウトベアラの確立解除を開始することも可能である。このようなケースでは、ホーム基地局1は上述のように停止EPSベアラコンテキスト手順を開始するが、その場合、先行するNAS PDN切断要求又はNASベアラリソース解除要求メッセージ101のUEからの受信は伴わない。上記のように、停止EPSベアラコンテキスト手順は、ホーム基地局1からのNAS停止EPSベアラコンテキスト要求メッセージ103から構成され、その後に、UE2からの応答するNAS停止EPSベアラコンテキストアクセプトメッセージ104が続く。この手順はRRC接続再構成設定手順にトリガをかけることも行う。
【0075】
図11及び図12に示す第2の実施例の第3の変形例によれば、UE2は、NASベアラリソース割当て要求(NAS BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージ111を用いてローカルブレークアウトベアラ22を要求する。この要求がローカルブレークアウトベアラ22に関するものであることを示すために、UE2はNAS要求メッセージ111内にEPSベアラ識別子の専用値を含む。この専用値はUE2内に予め構成されるか、あるいは、無線USIM構成技術を用いてUSIMへダウンロードされる。ホーム基地局1において、上記専用値は、予め構成設定される(あるいはさらにハードコードされる)か、あるいは、ホーム基地局1のインストール時にO&M手段を介して構成設定されるかのいずれかの構成設定が行われる。専用EPSベアラ識別子の使用に対する代替例として、特別のQoS指標を使用する代替例があり、ホーム基地局1はこのQoS指標をローカルブレークアウトベアラ22を求める要求と解釈する。さらに別の代替例として、NASベアラリソース割当て要求メッセージ111の中に明確なローカルブレークアウトベアラ要求指標を導入する代替例がある。NASベアラリソース割当て要求メッセージ111を場合に応じて増大させて、IPアドレス割当てプリファレンスなどのようなローカルブレークアウトベアラの確立などに関係する上述のパラメータのうちの任意のパラメータを含むようにしてもよい。
【0076】
ホーム基地局1は、NASベアラリソース割当て要求メッセージ111をスヌープし(112)、この要求がローカルブレークアウトベアラを求める要求であり、従って、上記メッセージを3GPPコアネットワーク15及びMMEへは転送しないことを決定する。その代わりに、ホーム基地局は、図11に示すような専用EPSベアラコンテキスト起動手順か、図12に示すようなEPSベアラコンテキスト修正手順かのいずれかの手順の開始によりMMEを装う。前者の図11の場合には、ホーム基地局1は、(ローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立と関連づけられたパラメータを場合に応じて含む)NASアクティベート専用EPSベアラコンテキスト要求(NAS ACTIVATE DEDICATED EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ113をUE2へ送信する。このメッセージに対してUE2は、NASアクティブ専用EPSベアラコンテキストアクセプト(NAS ACTIVATE DEDICATED EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ114を用いて応答する(このメッセージはホーム基地局により遮断される(115))。後者の図12の場合には、ホーム基地局1は、NAS修正EPSベアラコンテキスト要求(NAS MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ121(ローカルブレークアウトトラフィック用IPアドレスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立と関連づけられたパラメータを場合に応じて含む)をUE2へ送信する。UE2は、NAS修正EPSベアラコンテキストアクセプト(NAS MODIFY EPS BEARER CONTEXT ACCEPT)メッセージ122を用いて応答する(このメッセージはホーム基地局1によって遮断される(123))。アクティブにされたNAS手順(即ち、専用EPSベアラコンテキスト起動手順又はEPSベアラコンテキスト修正手順)はRRC接続再構成設定手順に対するトリガをかけることも行う。図11及び図12の両図に、他の実施例と関連して前述したすべての種々のIPアドレス割当てオプションが示されている。
【0077】
第2のタイプの実施例の第3の変形例において、図10と関連する第2のタイプの実施例の第2の変形例と共に上述した方法と同じ方法でローカルブレークアウトベアラの確立解除が実行される。
【0078】
UE2が3GPPコアネットワーク15につながる少なくともデフォルトのベアラを有するとき、上述した種々の実施例を用いてもよい。しかしこれらの実施例はまた、スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理のために(すなわち、UE2が3GPPコアネットワーク15と接続されることなく、従って、3GPPコアネットワーク15につながるベアラを何ら用いることなく)適合されてもよい。本発明の上記の第1のタイプの実施例をスタンドアロン型のローカルブレークアウトによる解決方法にするためには、UE2が、ホーム基地局1とのRRC接続を確立した後、NASアタッチ要求メッセージの送信を控える(即ち、UEが、このような場合通常含まれているNASアタッチメッセージをRRC RRC接続設定完了メッセージの中に含まない)ようにすれば十分である。その代わりに、(通常ランダムアクセス手順を終結させる)RRC RRC接続設定完了メッセージに後続して、UE2は上述のように、ローカルブレークアウトベアラ22の確立を開始する。即ち、UE2は、(表示のRRC LBO−ベアラ要求などの)新たな専用RRCメッセージ62の形か、あるいは、ホーム基地局1につながる既存のRRCメッセージ(このRRCメッセージはRRC RRC接続設定完了メッセージであってもかまわない)の中に含まれる形かのいずれかの形で、ローカルブレークアウト無線ベアラ22を求めるUE2の要求をホーム基地局1へ送信する。次いで、ホーム基地局1は既に述べたようにローカルブレークアウト無線ベアラの確立を続行する。
【0079】
ホーム基地局1にアタッチ手順を遮断させ、関連するアップリンクNASメッセージを3GPPコアネットワーク15へ転送することを控えさせ、次いで、その代わりに上記手順中にMMEを装うことによって、上述した第2の実施例のタイプをスタンドアロン型ローカルブレークアウトの動作のために適合させてもよい。この適合を可能にするために、UE2は、アタッチ手順がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理に関するものである旨をホーム基地局1に対して示すことが望ましい。簡単な方法として、UE2が、アタッチ手順の開始時に(NAS PDN接続要求メッセージと共に)送信するNASアタッチ要求(NAS ATTACH REQUEST)メッセージの形で、EPSアタッチタイプIEに対する新たな値を導入するという方法がある。EPSアタッチタイプIEの値は3ビットから構成される。これによって、8つの異なる値が利用可能であるが、これらの値のうち4つの値のみが現在定義されている。上記4つの未定義の値のうちの1つの値を持つEPSアタッチタイプIEの受信時に、ネットワーク(即ち、MME)はデフォルトの解釈“初期アタッチ”を使用することが望ましい。この新たな“スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ”タイプは4つの現在未使用の値のうちの1つの値を占めることになる。ホーム基地局1がNASメッセージをスヌープすると、ホーム基地局1は、NASアタッチ要求メッセージのメッセージタイプを認識し、次いで、このメッセージタイプがトリガとなって、EPSアタッチタイプIEの値のチェックを行うことになる。このIEが“スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ”を示しているとホーム基地局1が判断した場合、ホーム基地局1は、(NASアタッチ要求メッセージと共にUE2が送信する)NASアタッチ要求とNAS PDN接続要求メッセージの双方を遮断し、かつ、3GPPコアネットワーク15(及びMME)への上記双方の転送を控える。その代わりに、ホーム基地局1は、受信されたNASメッセージに応答することによってMMEを装い、かつ、デフォルトのEPSベアラコンテキスト起動手順を開始する。即ち、ホーム基地局1は、NASアタッチアクセプト(NAS ATTACH ACCEPT)メッセージと共にNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求メッセージの送信を行う。UE2は、NASアタッチ完了(NAS ATTACH COMPLETE)メッセージと共にNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキストアクセプトメッセージを用いて応答する。これら2つのメッセージはまた、ホーム基地局1により遮断され(かつ転送されず)、従って、スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理のためのアタッチ手順は終結されることになる。前述したように、デフォルトのEPSベアラコンテキスト起動手順は、ローカルブレークアウトベアラ22の確立を終結させるRRC接続再構成設定手順に対するトリガをかけることも行う。IPアドレス割当てプリファレンスのような、ローカルブレークアウトベアラの確立に関係するパラメータ(もし何らかのパラメータが存在する場合)が、NASアタッチ要求メッセージ又はNAS PDN接続要求メッセージのいずれかのメッセージの中に含まれる可能性があり、ホーム基地局1は、NASアタッチアクセプト又はNASアクティベートデフォルトEPSベアラコンテキスト要求メッセージのいずれかのメッセージので、例えば、IPアドレスのようなパラメータ(もし、何らかのパラメータがあるなら)を含む可能性がある。
【0080】
UE2がNASアタッチ要求メッセージ内の新たなEPSアタッチタイプ値を用いるとき、ホーム基地局1は、NASアタッチアクセプトメッセージ内の「スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ」を示す、EPSアタッチの結果であるIEの対応する新たな値を使用することが望ましい。また、EPSアタッチの結果であるIEの値は3ビットから構成され、これらの3ビットによって8つの値が利用可能になる。これら8つの値のうちの4つの値のみが現在定義されている。そのため、新たな指標を表すためにこれら4つの未使用値のうちの1つを利用することができる。初期NASメッセージ(即ち、NASアタッチ要求と、NAS PDN接続要求)のうちのいずれのメッセージもローカルブレークアウトベアラ22の確立に関連するパラメータに伴って増大しなければ(かつ、その代わりにRRC UE能力情報メッセージ又はデフォルト値が用いられる場合)、この方法は、ローカルブレークアウトをサポートしない(少なくとも上記ローカルブレークアウトによる解決方法をサポートしない)ホーム基地局1とのスムーズな下位互換性を好適に提供するものとなる。ホーム基地局1がNASアタッチ要求メッセージ及び(新たなEPSアタッチタイプ値によりトリガされる)NAS PDN接続要求メッセージを遮断しなければ、これらのメッセージは通常MMEへ転送される。MMEは、デフォルトの解釈“初期アタッチ”を用いてEPSアタッチタイプ値を解釈し、デフォルトのEPSベアラコンテキスト起動手順を開始し、次いで、EPSアタッチの結果であるIEの中に“初期アタッチ”指標を含むNASアタッチアクセプトメッセージをUE2へ送信する。EPSアタッチの結果であるIEを示す上記の値から、UE2は、ホーム基地局1がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理を求める要求をサポートしなかった旨の結論と、UEのアップリンクNASメッセージがMMEへ転送された旨の結論とを下すことができる。UE2は、3GPPコアネットワーク15とのベアラの確立の継続と承認とを選択するか、あるいは、ネットワークからデタッチするかのいずれかの選択を行うことができる。
【0081】
さらに、本発明の第2のタイプの実施例の上記の3つの変形例を用いて、ローカルブレークアウトベアラ22の確立時にコアネットワーク15とのアタッチメントの抑止を行ってもよい。この抑止によって、結果としてスタンドアロン型ローカルブレークアウトの動作が生じることになる。
【0082】
第2のタイプの実施例の第1の変形例がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理の確立のために用いられるとき、UE2はNASアタッチ要求メッセージを完全に削除し、その代わりにローカルブレークアウトベアラ要求用の新たな専用NASメッセージをRRC RRC接続設定完了メッセージ(このメッセージの中には通常NASアタッチ要求メッセージが含まれる)の中に含める。
【0083】
第2のタイプの実施例の第2の変形例がスタンドアロン型ローカルブレークアウト処理の確立のために用いられるとき、UE2は、スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理が要求されている旨を示す特別のAPN値か、専用のEPSベアラ識別子か、あるいは新たな明確なメッセージパラメータをNAS PDN接続要求メッセージの中に含むことになる。UE2は、NASアタッチ要求メッセージと共に送信されるNAS PDN接続要求メッセージの中に上記指標を含むことが望ましい。
【0084】
スタンドアロン型のローカルブレークアウト処理を確立するために第2のタイプの実施例の第3の変形例を用いることも可能である。このような場合には、UE2は、RRC RRC接続設定完了メッセージ131の中にNASアタッチ要求メッセージを(さらにNAS PDN接続要求メッセージも)全く含まないことになる。その代わりにUE2は、RRC RRC接続設定完了メッセージの中に(専用のEPSベアラ識別子か、特別のQoS指標かのいずれかと共に)NASベアラリソース割当て要求(NAS BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことになる。上記とは別に、UE2は、RRC RRC接続設定完了メッセージ131の中にNASメッセージを全く含まないようにし、その代わりにRRC UL情報転送メッセージの中にNASベアラリソース割当て要求メッセージを後で送信するようにすることも可能である。このことは、図13に示されている。
【0085】
3GPPコアネットワーク15とのUEアタッチメントを伴わない上記のローカルブレークアウト処理の具体的な形は、オープンWLAN、すなわち暗号化及び認証を伴わないWLANと同様の状況を結果としてもたらすことになる。アプリケーションによっては上記の状況を容認できるものも考え得るが、さらに高レベルのセキュリティを望むアプリケーションもあり得る。認証及び無線インタフェースによる暗号化は3GPPコアネットワーク15の関与を必要とする。通常、3GPPコアネットワークはUSIM内に共有されている秘密に基づいて認証手順を実行し、AuC/HSS暗号化鍵が処理時に生成される。しかしながら、3GPPコアネットワーク15の関与は、3GPPコアネットワーク15とのアタッチメントを利用しないローカルブレークアウトトラフィックの確立という目標に或る意味で矛盾するものとなる。3GPPコアネットワーク15の関与なしで実行可能なさらに高レベルのセキュリティを実現する1つのオプションとして、ホーム基地局1においてIMSIベースのアクセス制御を可能にするというオプションがある。このオプションでは2つの条件、即ち、ホーム基地局1へのアクセスが許可されている登録者リストがホーム基地局1に保存され、かつ、ローカルブレークアウトベアラの確立中に、あるいは、ローカルブレークアウトベアラの確立に先行してUE2からIMSIが搬送されなければならないという2つの条件が満たされなければならない。(ホーム基地局1の所有者により定義されている)ホーム基地局へのアクセスリストは、(ホーム基地局所有者によって)ホーム基地局1内へ直接入力されるか、所有者により定義されたアクセスリスト(そしてこのリストは、例えば、ウェブインタフェースを介してO&Mエンティティ内へ入力されてもよい)を保有するO&Mエンティティから転送されるかのいずれかが行われれば第1の条件は満たされる。第2の条件を満たすためにはローカルブレークアウトに関連するシグナリングに対する或る種の修正又は拡張が必要となる。第1のタイプの実施例の場合、IMSIはローカルブレークアウト無線ベアラ要求を搬送するRRCメッセージ62の中に含まれている。第2のタイプの実施例の場合、処理はさらに複雑になる。新たなEPSアタッチタイプ(‘スタンドアロン型ローカルブレークアウト処理アタッチ’)を用いてNASアタッチ要求メッセージを利用する方法の場合、UE2は、このタイプのアタッチの場合、UE2の識別子としてGUTIではなくIMSIを含むように権限を与えれば十分である。第2のタイプの実施例の第1の変形例を利用する場合、専用のローカルブレークアウト無線ベアラの確立要求メッセージの中にIMSIが含まれることが望ましい。第2のタイプの実施例の第2の変形例が利用される場合、NASアタッチ要求メッセージか、該メッセージと共に送信されるNAS PDN接続要求メッセージかのいずれかのメッセージが所望の識別子を運ぶことができる。“専用EPSアタッチ型”の方法に関連して説明したように、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22を要求する場合、NASアタッチ要求メッセージの形でUE2の識別子としてIMSIを含むように権限が与えられる。上記とは別に、ローカルブレークアウトベアラ要求指標を搬送するNAS PDN接続要求メッセージの中にIMSIが含まれるようにすることも可能である。第2のタイプの実施例の第3の変形例が利用される場合、ローカルブレークアウトベアラ要求指標を搬送するNASベアラリソース割当て要求の中にIMSIが含まれることが望ましい。これらの拡張/修正を適切に施すことによって、ホーム基地局1は、そのアクセスリストに対して受信されたIMSIのチェックを行い、かつ、違法なUE2からのローカルブレークアウトベアラ要求を拒絶することができる。しかしながら、この方法の場合、IMSIの認証は行われないことに留意されたい。そのため、悪意のある(不法な)ユーザが、偽のIMSIをホーム基地局1へ提供することによって、このアクセス制御を回避することは依然可能である(但し、少なくとも何らかのセキュリティレベルがこの方法により提供される。というのは、IMSIへのなりすましを実行することは簡単なタスクではないからである)。
【0086】
許可されるアクセスにするために、UE2がホーム基地局1へ供給しなければならないPINコード又はパスワードの導入により別の種類のアクセス制御を実現することも可能である。ホーム基地局の所有者はPINコード又はパスワードをホーム基地局1の中へ直接入力することも可能である。上記とは別に(ホーム基地局の所有者が、例えば、ウェブインタフェースを介してO&Mノードの中へPINコード又はパスワードを入力した後)O&Mを介してPINコード又はパスワードを構成することも可能である。さらに代替例として、ホーム基地局1が転送されると、PINコード又はパスワードを予め構成設定したり、ハードコード化したりする代替例がある。許可されるアクセスになるようにUE2を準備させるために、ユーザは、PINコード又はパスワードを(マニュアル操作などによって)UE2内へ入力しなければならない。上記PINコード又はパスワードを一度使用したり、将来再使用するためにこのUE2内に格納したりすることができる。PINコード(又はパスワード)をホーム基地局1へ搬送するために、UE2は、別個のパラメータとしてか、あるいは、例えば、特別のAPN値の一部として既存のパラメータのうちの1つのパラメータ内に一体化されるかのいずれかの態様で使用されるメッセージのうちの1つのメッセージの中に上記PINコード又はパスワードを含めて、ローカルブレークアウトベアラ22を要求するようにする。
【0087】
正規のEPS認証と、暗号化キーの生成とを行うアルゴリズムの利用が可能な場合、ずっと高レベルのセキュリティの実現も可能であることは言うまでもないが、このセキュリティの実現を行うには3GPPコアネットワーク15とのアタッチが必要となる。潜在的次善策として、3GPPコアネットワーク15とまずアタッチし、無線インタフェースの暗号化の認証と確立とを行い、次いで、UE2とホーム基地局1との間でローカルブレークアウトベアラ22を確立すると共に、その後、3GPPコアネットワーク15からデタッチを行うという次善の策もあり得るが、UE2とホーム基地局1との間でローカルブレークアウトベアラ22を保持するという次善の策も考えられる。上記とは別に、UE2は、ローカルブレークアウトベアラ22を確立する前に3GPPコアネットワーク15からデタッチしてもよい(但しUE2とホーム基地局1の双方は確立されたセキュリティコンテキストを保持するものとする)。このデタッチはまた、UE2がNASメッセージを正規の方法で暗号化しないことを要件とする。通常、NASメッセージはUE2とMMEとの間で暗号化されるため、(第2のタイプの実施例の場合のように)NASメッセージをホーム基地局1により解釈する場合、このNASメッセージを正規の方法で暗号化してはならない。UE2は、上記NASメッセージを暗号化せずに送信するか、RRCシグナリング用として通常意図される暗号化を利用するかのいずれかを行う必要がある。
【0088】
別の可能な次善策として、MMEをトリガして、単に暗号化鍵を認証し、かつ、提供するのみで、それ以外には何もしないNASアタッチ要求メッセージ(あるいは既存のNASメッセージ、若しくは、全く新たなNASメッセージの形の別の指標)での新たなEPSアタッチタイプを使用するという策さえ考えられる。即ち、MMEは実際にはUE2をアタッチせず、かつ、状態情報(従ってUEコンテキスト)を何も作成しないことになる。このMMEの関与から得られる唯一の結果として、UE2が認証されるということ、及び、暗号化がUE2とホーム基地局1との間で確立されるということが挙げられる。
【0089】
さらに、EPSセキュリティ手順を利用する上記の次善策を用いて、正規のホーム基地局の動作の場合によく行われるように、UE2がこの特別のホーム基地局1へのアクセスを許可されているかどうかに関するアクセス制御をMMEによって実行することが可能となる。上記とは別に、IMSI、PIN又はパスワードに基づくIMSIベースのアクセス制御を上述のようにホーム基地局1により実行することも可能である。しかし、IMSIベースのアクセス制御は、アクセス制御のためにホーム基地局1が使用しているIMSIが、MMEによる認証手順で使用されたものと同じIMSIであることがホーム基地局1が知ることを必要とする。このことを保証するために、UE2は、NASアタッチ要求メッセージ(又は新たなNASメッセージ)の形でIMSI(GUTIではない)を送信し、それによってホーム基地局1がこのメッセージをスヌープできるようにしなければならない。
【0090】
MMEに関与しないEPS認証及びキーアグリーメント(AKA)メカニズムを利用する代替方法として、(MMEではなく)ホーム基地局1が、UE2へ向けて手順を開始し、かつ、インターネットを経由して(Diameterなどの)AAAプロトコルを介して、あるいは、IPsecトンネル13と、通信事業者のネットワーク内のトランスポートネットワークとを介して、通信事業者のHSS/AAAサーバと通信を行うという代替方法がある。AAAクライアントとして動作し、かつ、通信事業者のHSS/AAAサーバと通信を行うことができるようにするためには、ホーム基地局1は、通信事業者のHSS/AAAサーバのFQDN(又はIPアドレス)を用いて(好適にはインストール時にO&Mを介して)構成設定されなければならない。UE2へ向けて、ホーム基地局1は、PANAで搬送されるEAP−AKAを使用して、認証と、暗号化キーの確定手順とを実行することになる。AAAプロトコルの適切な選択として、EAPをサポートするためのDiameter EAPアプリケーション又はRADIUSを選択することも可能である。上記とは別に、ホーム基地局1は、AKA手順中にMMEのエミュレーションを行うと共に、暗号化の開始のみならず通常AKA手順の送信を行うNASメッセージを使用する。このケースでは、ホーム基地局1は、HSS/AAAサーバへ向けて3GPPネットワークと共に用いるように適合されたDiameterアプリケーションを使用することになる。
【0091】
さらに、コアネットワーク15とのUEアタッチメントなしでローカルブレークアウトトラフィックが使用されるシナリオに対してセキュリティを提供する方法として、予め共有されたキー又は暗号による証明書などに基づいて、UE2とホーム基地局1との間でIKE又はIKEv2をローカルに使用するという方法がある。予め共有されたキーベースのAKAはPANAの形で搬送されるEAP−AKAを用いてUE2とホーム基地局1との間でローカルに実行することも可能である。
【0092】
(ローカルブレークアウトをサポートしていないか、あるいは、UE2以外の別のローカルブレークアウト方法をサポートする)ホーム基地局との下位互換性上の問題を防止する単純な方法として、同報システム情報の形でそのローカルブレークアウトサポートをホーム基地局1に告知させるという方法がある。その場合、UE2はホーム基地局の能力に適合することができる(あるいは、UE2がシステム情報で表されたローカルブレークアウト能力の指標を理解しないか、若しくは、UE2及びホーム基地局1が互換性を有していない(即ち、UE2とホーム基地局1のローカルブレークアウト能力がマッチしない)か、若しくは、UE2が別の理由のために、ホーム基地局1のローカルブレークアウト能力に関して条件を満たしていない場合には、UE2はローカルブレークアウトの利用を控えることができる)。下位互換性を処理する別の方法として、ホーム基地局1が、UEのローカルブレークアウト関連メッセージと指標の少なくともいずれかを理解しないかもしれないことを容認するという方法がある。本発明の第1のタイプの実施例の場合、上記方法は、ホーム基地局1が理解しないローカルブレークアウト無線ベアラ要求のための新たな専用RRCメッセージが、ホーム基地局1により無視される可能性があることを意味する。(場合に応じて数回再試行した後)予期した応答がなければ、UE2は、ホーム基地局1が所望のローカルブレークアウトメカニズムをサポートしていないと結論を下すことになり、次いで、3GPPコアネットワーク15に対する正規のベアラの確立を試みるか、その代わりにベアラの確立を完全に放棄するかのいずれかの選択を行うことができる。本発明の第2のタイプの実施例の場合、上記アプローチとの下位互換性は、MMEが、未知の、予見されない、かつ、エラーを含むNASプロトコルデータをどのように管理するかに依存する。MMEが未知の/理解不能なメッセージパラメータ又はパラメータ値を無視する(又は適切な場合、デフォルトの解釈を使用する)ようにさせることができれば、下位互換性はかなり容易に実現されることになる。ホーム基地局1が遮断すべきであったローカルブレークアウト関連NASメッセージをホーム基地局1がMMEへ転送した場合、MMEはこれらのメッセージを正規のメッセージと解釈して、そのようなものとしてこれらのメッセージに応答してしまうことが考えられる。応答メッセージ内の予期される情報不足から、UE2は、ホーム基地局1が想定されたローカルブレークアウトメカニズムをサポートしていないこと、並びに、応答メッセージがMMEから着信するものである旨を推論することができる。それから、UE2は、手順を続行して(非ローカルブレークアウトトラフィックに対する)正規のベアラを確立するか、ベアラの確立を打ち切るかのいずれかの選択を行うことができる。
【0093】
本発明の実施例によれば、UE2が、どのトラフィックをローカルにブレークアウトすべきか、並びに、正規の3GPPトラフィック15としてどのトラフィックを処理すべきかを制御するものであるとはいえ、通信事業者は一般にローカルブレークアウト機能の制御全体を以前のまま実行してもよい。O&M手段を介して、通信事業者は、例えば、ホーム基地局1内のローカルブレークアウト機能を動作可能にすべきか、動作不能にすべきかを制御してもよい。この動作可能/動作不能の制御は、例えば、曜日と時刻の少なくともいずれかに基づいて条件付けることも可能である。この条件付けをさらにきめ細かくして、ローカルCPEネットワークトラフィック用のローカルブレークアウトと、インターネットアクセス用のローカルブレークアウトとを区別して、ローカルブレークアウト機能がトラフィックタイプのうちの1つのタイプに対応して動作可能にはなるが、その他のトラフィックタイプに対しては動作不能になるようにすることも可能である。さらにきめ細かな制御によって、ホーム基地局1へパケットフィルタをダウンロードし、例えば、どの宛先アドレスがローカルにブレークアウトすることが許されているか、あるいは、どの宛先アドレスがローカルにブレークアウトされてはならないかというような指定を行うことも可能である。
【0094】
図17は本発明の実施例に係るO&Mノード170の概略ブロック図である。O&Mノード170は、ホーム基地局1と通信を行うように適合された制御ユニット171を備え、ローカルブレークアウト・トランスポートを行うためにホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりする。
【0095】
通信事業者による制御への別のアプローチとして、加入者が((使用される時刻や、使用されるのがどのホーム基地局1(又はCSG ID)であるかなどに基づくような))条件付きで、あるいは、無条件に)ローカルブレークアウト機能の使用を可能にするか否かを加入者データの中に指定するアプローチがある。加入者データは、ネットワークアタッチメントの結果又はトラックエリアの更新の結果として、(他の加入者データと共に)HSSからMMEへダウンロードされるようにすると共に、MMEは、(1以上の新たなIE内の指示を含む)S1AP初期コンテキスト設定要求(S1AP INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)メッセージなどの適切なS1APメッセージを通じて適宜ホーム基地局1に対して順次指示を出すようにする。
【0096】
上記に詳述した本発明のこれら実施例は、EPS(SAE/LTE)コンテキストに基づくものであり、かつ、ホーム基地局1はHeNBである。しかし、当業者であれば理解するように、上記の実施例を3G及びHNBに適合させることは簡単である。対応するメッセージ及びパラメータを3Gプロトコルでも利用することができる。
【0097】
第1のタイプの実施例を3Gに適合させるために、LTE RRCメッセージに関連して上述したのと同様に、ローカルブレークアウトベアラの確立のために新たな3G RRCメッセージを導入することができる。上記とは別に、3G RRC RRC接続要求(RRC CONNECTION REQUEST)メッセージ又は3G RRC測定報告(RRC MEASUREMENT REPORT)メッセージなどの既存のメッセージで表される新たな指標を利用することも可能である。
【0098】
本発明の第2のタイプの実施例を3Gに適合させるために、対応する3G GPRSセション管理メッセージによってNASメッセージを置換することも可能である。第2のタイプの実施例の第1の変形例の場合、EPS NASメッセージに関連して上述したのと同様に、ローカルブレークアウトベアラの確立のために新たな3G GPRSセション管理メッセージを導入することができる。第2のタイプの実施例の第2の変形例の場合、(特別のAPN値又は特別のNSAPIあるいは(特別のEPSベアラ識別値の代わりに)LLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3GアクティベートPDPコンテキスト要求(3G ACTIVATE PDP CONTEXT REQUEST)メッセージによって、若しくは、(特別のNSAPI又は(特別のEPSベアラ識別値の代わりに)LLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3Gアクティベート2次PDPコンテキスト(3G ACTIVATE SECONDARY PDP CONTEXT REQUEST)要求メッセージによって、NAS PDP接続要求メッセージを置換することも可能である。第2のタイプの実施例の第3の変形例の場合、(特別のLLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3G修正PDPコンテキスト要求(3G MODIFY PDP CONTEXT REQUEST)メッセージによって、又は、(特別のNSAPI又は(特別のEPSベアラ識別値の代わりの)LLCSAPI値又は特別のQoS指標を有する)3Gアクティベート2次PDPコンテキスト要求メッセージによってNASベアラリソース割当て要求メッセージを置換することも可能である。
【0099】
本発明のこれら種々の実施例では、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックを、確立されたローカルブレークアウトベアラ22でホーム基地局1へ送信する手段によってコアネットワーク15を経由すべき対象トラフィックから、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックを分離する処理を行うのはまさに、UE2である。この手順は、本発明の実施例に係るUE2における方法を示すフローチャートである図14に示されている。ステップ141において、UE2は、上記に詳述した種々の確立手順のうちの任意の確立手順に従って、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するためにホーム基地局1と通信を行う。ローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスが使用される場合、ローカルブレークアウトベアラ22を確立するステップ141の必須部分として、このIPアドレスを取得してもよいし、あるいは、上記に詳述したように、専用IPアドレスを取得するためにUEによりDHCPサーバとの通信が行われるステップ142において別個にこのIPアドレスを取得してもよい。ステップ143において、UEはローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別し、次いで、ステップ144において、UEは、上記確立されたローカルブレークアウトベアラ22で上記識別されたアップリンクトラフィックをホーム基地局1へ送信する。なお、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別するUEによりステップ141にトリガをかけて実行してもよく、それによって、ステップ141よりも前にステップ143が実際には実行されるようになる。しかし、ローカルトランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックの識別は、アップリンクトラフィックが生成されている間、UEにおいても連続的に実行される。何らかのアップリンクトラフィックがローカルブレークアウト・トランスポート用として識別されたか否かに係わりなく、UEがホーム基地局1と接続されるとすぐにステップ141にトリガをかけて実行することも可能である。
【0100】
図15は、ローカルブレークアウト処理に関連してホーム基地局1において実行してもよい本発明の実施例に係る方法を示すフローチャートである。ステップ151において、ホーム基地局はローカルブレークアウトベアラ22を確立するためにUE2と通信を行っている。UEがローカルブレークアウトトラフィック用専用IPアドレスの受信を予期している旨を要求した場合、ホーム基地局は、このような専用IPアドレスを取得するためにUEの代わりにDHCPサーバとも通信を行ってもよい。この取得はステップ156により示されている。ローカルブレークアウトトラフィック用として専用IPアドレスをUEに提供する種々のオプションについては上記に詳述した。ローカルブレークアウトベアラの確立後、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウトベアラでアップリンクトラフィックを移動体端末から受信するステップを開始することができる(ステップ152)。ステップ153において、ホーム基地局1は、ローカルブレークアウト・トランスポートに従って、ローカルブレークアウトベアラで移動体端末から受信したトラフィックを転送する。この転送はローカルCPEネットワーク20を介するローカルノード4への転送か、アクセスネットワーク14を介するインターネット21への転送かのいずれかの転送を意味する。双方の場合において、このトラフィックをIPsecトンネル13の外側へ転送させて、コアネットワーク15を経由させないようにする。ステップ154において、ローカルCPEネットワーク20内のローカルノードから、あるいは、IPsecトンネル13の外側にあるインターネットからホーム基地局により受信したダウンリンクトラフィックをローカルブレークアウトベアラ22でUEへ転送する。
【0101】
図16は、本発明に係る移動体端末(UE)2の実施例を示す概略ブロック図である。移動体端末2は無線インタフェース164を備え、無線インタフェース164によって移動体端末はホーム基地局などと通信を行うことができる。移動体端末2は、インタフェース164を介してデータパケットの受信と転送とをそれぞれ行うように適合された入力ユニット163及び出力ユニット162をさらに含む。移動体端末2の処理ユニット161が、上記のステップ141及び143を(さらに、場合に応じてオプションのステップ142も)実行するように適合される。図16は、ローカルブレークアウト・トランスポートをどのトラフィックに対して行うのが望ましいかを指定する構成情報を格納する格納ユニットが移動体端末2に含まれてもよいことも示す。当業者であれば、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェアとのうちの少なくともいずれかを用いて移動体端末2の種々のユニットを実現できる方法をこの説明から理解するであろう。
【0102】
図18は本発明に係るホーム基地局1の実施例を示す概略ブロック図である。ホーム基地局1は無線インタフェース3を備え、無線インタフェース3によって、ホーム基地局は1つ以上の移動体端末(UE)と通信を行うことが可能となる。ホーム基地局はインタフェース181及び183も備え、これらのインタフェースを経由して、ホーム基地局は、複数のローカルノード及び(3GPPコアネットワーク15などの)移動通信システムのコアネットワーク並びにアクセスネットワーク14を介してインターネット21と接続することができる。なお、適用シナリオに応じて、インタフェース181及び183を組み合わせるか、あるいは、これらのインタフェースを部分的に組み合わせることが可能である。例えば、上述の第1のシナリオでは、ホーム基地局1は、ローカルノード4へパケットを送信するのに使用するのと同じインタフェースをインターネット21へのパケット送信用として使用する。ホーム基地局は、インタフェースを介してデータパケットの受信と転送とをそれぞれ行うように適合された入力ユニット182と出力ユニット184とをさらに含む。ホーム基地局1の処理ユニット185は上記のステップ151を(さらに場合に応じてオプションのステップ156も)実行するように適合される。図18は、上述したようにホーム基地局がNAT17を含んでもよいことも示す。さらに、ホーム基地局はALGを含んでもよい(但しこのALGは図18には示されていない)。当業者であれば、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェアとのうちの少なくともいずれかを用いてどのようにホーム基地局1の種々のユニットが実装されるのかをここでの説明から理解するであろう。
【0103】
添付図面と明細書では、本発明の代表的な望ましい実施例について開示した。また、具体的な用語が使用されてはいるが、これらは一般的で例示的な意味合いでのみ使用されており、以下に記載の本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0104】
本明細書で用いられている略語の要約
3G: 第3世代
3GPP: 第3世代パートナープロジェクト
AAA: 認証、認可&課金
ADSL: 非対称デジタル加入者回線
AKA: 認証及びキーアグリーメント
ALG: アプリケーションレベルゲートウェイ/
アプリケーション層ゲートウェイ
APN: アクセスポイント名
ARP: アドレス解決プロトコル
AuC: 認証センタ
BB: 広帯域ブロードバンド
CPE: 顧客構内機器
CSG: 非公開加入者グループ
CSG ID: 非公開加入者グループ識別子
DHCP: 動的ホスト構成プロトコル
DNS: ドメイン名システム
DSL: デジタル加入者回線
EAP: 拡張可能認証プロトコル
EPS: 発展型パケットシステム
ESP: カプセル化セキュリティペイロード
E−UTRAN:発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク
FQDN: 完全修飾ドメイン名
GGSN: ゲートウェイGPRSサポートノード
Gi: UMTS GGSNと外部ネットワーク間インタフェース
GPRS: 汎用パケット無線サービス
GUTI: グローバルに一意の一時的識別子
HeNB: Home eNodeB
HN: Home(e)NodeB
(即ち、Home NodeB又はHome eNodeBのいずれか)
HNB: ホームノードB
HSS: ホーム加入者サーバ
ID: 識別子
IE: 情報要素
IEEE: 米国電気電子学会
IKE: インターネットキー交換
IKEv2: インターネットキー交換バージョン2
IMSI: 国際移動加入者識別子
IP: インターネットプロトコル
IPsec: (RFC4301に規定のような)IPセキュリティ
IPv4: インターネットプロトコルバージョン4
IPv6: インターネットプロトコルバージョン6
Iu: UMTS内のRNCとコアネットワーク間Iuインタフェース
L2: レイヤ2
LAN: ローカルエリアネットワーク
LBO: ローカルブレークアウト
LLC: 論理リンク制御
LLCSAPI:論理リンク制御サービスアクセスポイント識別子
LTE: ロングタームエボリューション
MAC: メディアアクセス制御
MGW: メディア・ゲートウェイ
MIPv6: 移動IPv6
MME: モビリティ管理体
MSC: 移動体交換センタ
NAS: 非アクセス層
NAT: ネットワークアドレス変換/トランスレータ
NSAPI: ネットワークサービスアクセスポイント識別子
O&M: 運用及び保守
PANA: ネットワークアクセス用の認証を搬送するためのプロトコル
PDCP: パケットデータコンバージェンスプロトコル
PDN: パケットデータネットワーク
PIN: 個人識別番号
QoS: サービス品質
RADIUS: ユーザサービスにおける遠隔地からの認証ダイアル
RFC: コメント要求
RLC: 無線リンク制御
RNC: 無線ネットワーク制御装置
RRC: 無線リソース制御
S1: (eNodeBとMME/S−GW間などの)
EPSにおけるE−UTRANとコアネットワーク間インタフェース
S1 AP: S1アプリケーションプロトコル
((H)eNBとMME間で使用されるプロトコル)
SAE: システムアーキテクチャエボリューション
SAPI: サービスアクセスポイント識別子
SGSN: サービングGPRSサポートノード
SGI: EPS PDNゲートウェイと外部ネットワーク間インタフェース
S−GW: サービングゲートウェイ
SGSN: サービングGPRSサポートノード
TS: 技術仕様
UE: ユーザ機器
UMTS: 汎用移動体通信システム
UpnP: ユニバーサルプラグ&プレイ
USIM: ユニバーサル加入者識別モジュール
WLAN: 無線ローカルエリアネットワーク
xDSL: Xデジタル加入者回線
(“X”が「DSL」の前に置き得る文字のうちの任意の文字
(AやVなど)を表すDSL技術ファミリを参照)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラフィック転送を行う移動体端末(2)における方法であって、前記移動体端末はホーム基地局(1)との無線接続部を有し、該ホーム基地局(1)は、複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワークとの接続部(5、8)と、アクセスネットワーク(14)を介する移動通信システムのコアネットワーク(15)との接続部と、前記アクセスネットワークを介するインターネット(21)との接続部とを備え、
前記方法は、
前記コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへのアップリンクトラフィックの転送を示すローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべき前記アップリンクトラフィックを識別する工程(143)と、
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための、前記移動体端末と前記ホーム基地局との間に延びた無線ベアラである専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するためにシグナリングを用いて前記ホーム基地局と通信を行う工程(142)と、
前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記識別されたアップリンクトラフィックを前記ホーム基地局へ送信する工程(144)とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワーク(15)は、3GPPコアネットワークであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(142)は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを前記ホーム基地局から受信する工程を含み、
前記送信する工程(144)は、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして前記受信されたIPアドレスを使用する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバ(61)との通信を行う工程(142)をさらに有し、
前記送信する工程(144)は、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして前記取得されたIPアドレスを使用する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(141)は、前記ローカルブレークアウトベアラの確立のための要求メッセージ(62、81、91、111)を前記ホーム基地局(1)へ送信する工程を含み、
前記要求メッセージは、前記ローカルブレークアウトベアラの前記確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記プリファレンス情報は、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)が、
無条件に確立されるか、
ローカルネットワーク(20)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
インターネット(21)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと、インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとのうちの少なくとも一方のローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、あるいは、
ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと、インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとの双方のローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるかどうかを指定する確立条件に関する情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プリファレンス情報は、1つ以上のタイプの情報、即ち、
前記移動体端末(2)が、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)用として前記コアネットワーク(15)により割り当てられたIPアドレスを使用することを予期する旨の情報と、
前記移動体端末が、前記ローカルブレークアウトベアラ用として割り当てられた専用IPアドレスを、DHCPサーバ(61)から、又は、前記ホーム基地局(1)から取得することを予期する旨の情報と、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で搬送されるトラフィック用の、前記ホーム基地局から得られるネットワークアドレスの変換(NAT)サポートの必要性に関する情報とを有するIPアドレス割当てプリファレンスに関する情報を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(141)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラの確立要求(62)のために専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求メッセージか、あるいは、測定レポートメッセージを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(141)は、1つ以上の非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージを前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求のために専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求メッセージを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ローカルブレークアウト・トランスポートをどのトラフィックに対して行うのが望ましいかを指定する、前記移動体端末(2)内の構成設定情報に従って、トラフィックがローカルブレークアウト・トランスポート用として識別されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ローカルブレークアウト・トランスポートを行うことが望ましい対象トラフィックに関する、前記移動体端末(2)のユーザにより提供される指標に従って、トラフィックがローカルブレークアウト・トランスポート用として識別されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
トラフィック転送を行うホーム基地局(1)における方法であって、前記ホーム基地局は、無線インタフェースを介する1つ以上の移動体端末(2)との接続部と、複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワークとの接続部(5、8)と、アクセスネットワーク(14)を介する移動通信システムのコアネットワーク(15)との接続部と、前記アクセスネットワークを介するインターネット(21)との接続部とを備え、
前記方法は、
前記コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへのアップリンクトラフィックの転送を示すローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための、前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局(1)との間に延びた無線ベアラである専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するためにシグナリングを用いて前記移動体端末との通信を行う工程(151)と、
前記確立されたローカルブレークアウトベアラ(22)で前記移動体端末(2)からアップリンクトラフィックを受信する工程(152)と、
ローカルブレークアウト・トランスポートに従って前記ローカルブレークアウトベアラで受信した前記アップリンクトラフィックを転送する工程(153)とを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワーク(15)は3GPPコアネットワークであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程(151)は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを前記移動体端末へ送信する工程を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバと通信を行う工程(156)をさらに有することを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程(151)は、
前記ローカルブレークアウトベアラの確立のため、前記ローカルブレークアウトベアラの確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含む要求メッセージ(62、81、91、111)を受信する工程と、
前記プリファレンス情報に従って前記ローカルブレークアウトベアラを確立する工程とを含むことを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程(151)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局(1)との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上のRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラの確立要求専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求(Connection Request)メッセージか、あるいは、測定レポート(Measurement Report)メッセージを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程は、1つ以上の非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局(1)との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求(PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求(BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局(1)との間で1つ以上のNASシグナリングメッセージを交換する工程は、
NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関するかどうかを判定するために前記移動体端末からのNASシグナリングを遮断する工程と、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連するなら、前記ホーム基地局の内部において前記NASメッセージを処理する工程と、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連しないなら、前記NASメッセージを前記コアネットワーク(15)へ転送する工程とに関与することを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記ローカルネットワーク(20)と前記インターネット(21)の内の少なくともいずれかから前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で受信した(154)ダウンリンクトラフィックを前記移動体端末(2)へ転送する工程(155)をさらに有することを特徴とする請求項14乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ホーム基地局(1)においてローカルブレークアウト・トランスポート機能を動作可能にするか、あるいは、動作不能にする制御情報を受信するために、運用及び保守システムと通信を行う工程をさらに有することを特徴とする請求項14乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
移動通信システムにおいて用いる移動体端末(2)であって、
前記移動体端末は、
複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワーク(20)との接続部と、アクセスネットワーク(14)を介した前記移動通信システムのコアネットワーク(15)との接続部と、前記アクセスネットワークを介したインターネット(21)との接続部とを有するホーム基地局(1)との接続用として適合された無線インタフェース(164)を有し、
前記移動体端末はさらに、
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別し、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するためにシグナリングを用いて前記ホーム基地局と通信を行うよう適合される処理ユニット(161)と、
前記識別されたアップリンクトラフィックを前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記ホーム基地局へ送信するように適合された出力ユニット(162)とをさらに備え、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートは、前記コアネットワークを経由することなく、ローカルノードと前記インターネットとの内の少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示し、
前記ローカルブレークアウトベアラは、前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局(1)との間に延びた無線ベアラであることを特徴とする移動体端末。
【請求項27】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワークは、3GPPコアネットワーク(15)であることを特徴とする請求項26に記載の移動体端末。
【請求項28】
前記移動体端末はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを、前記ホーム基地局(1)から受信するように適合された入力ユニット(163)をさらに含み、
前記出力ユニット(162)は、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして、前記受信されたIPアドレスを使用するように適合されることを特徴とする請求項26又は27に記載の移動体端末。
【請求項29】
前記処理ユニット(161)はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)サーバ(61)と通信を行うように適合され、
前記出力ユニットは、前記ローカルブレークアウトベアラで送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして、前記取得されたIPアドレスを使用するように適合されることを特徴とする請求項26又は27に記載の移動体端末。
【請求項30】
前記処理ユニット(161)及び前記出力ユニット(162)はさらに、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)の確立を求める、前記ローカルブレークアウトベアラの確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含む要求メッセージ(62、81、91、111)を創成し、前記ホーム基地局(1)へ送信するよう適合されることを特徴とする請求項26乃至29のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項31】
前記プリファレンス情報は、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)が
無条件に確立されるか、
前記ローカルネットワーク(20)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
前記インターネット(21)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
前記ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと前記インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとの内の少なくとも一方のローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、あるいは、
前記ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと前記インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとの両方のブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるかどうかを指定する確立条件に関する情報を含むことを特徴とする請求項30に記載の移動体端末。
【請求項32】
前記プリファレンス情報は、1つ以上のタイプの情報、即ち、
前記移動体端末が、前記コアネットワーク(15)により割り当てられたIPアドレスを前記ローカルブレークアウトベアラ(22)のために使用することを予期する旨の情報と、
前記移動体端末が、前記ローカルブレークアウトベアラ用のために割り当てられた専用IPアドレスを、DHCPサーバ(61)、又は、前記ホーム基地局(1)から取得することを予期する旨の情報と、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で搬送されるトラフィックに対する、前記ホーム基地局から得られるネットワークアドレス変換(NAT)サポートの必要性に関する情報とを有するIPアドレス割当てプリファレンスに関する情報を含むことを特徴とする請求項30又は31に記載の移動体端末。
【請求項33】
前記処理ユニット(161)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラを確立するために、前記ホーム基地局(1)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項26乃至32のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項34】
前記1つ以上のRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求(Connection Request)メッセージか、あるいは、接続レポート(Measurement Report)メッセージを含むことを特徴とする請求項33に記載の移動体端末。
【請求項35】
前記処理ユニット(161)は、1つ以上の非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために、前記ホーム基地局(1)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項26乃至32のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項36】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求(PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求(BEARER REQUEST ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことを特徴とする請求項35に記載の移動体端末。
【請求項37】
前記移動体端末は、ローカルブレークアウト・トランスポートをどのトラフィックに対して行うのが望ましいかを指定する構成設定情報を格納する格納ユニット(165)をさらに備え、
前記処理ユニットは、前記構成設定情報に従ってローカルブレークアウト・トランスポート用のトラフィックを識別するように適合されることを特徴とする請求項26乃至36のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項38】
前記処理ユニット(161)はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートを行うことが望ましいトラフィックに関して、前記移動体端末のユーザにより提供される指標に従って、ローカルブレークアウト・ベアラ(22)用トラフィックを識別するよう適合されることを特徴とする請求項26乃至36のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項39】
移動通信システムにおいて用いられるホーム基地局(1)であって、前記ホーム基地局は、
少なくとも1つの移動体端末(2)との接続のために適合された無線インタフェース(3)と、
複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワーク(20)との接続のために適合されたインタフェース(181)と、
アクセスネットワーク(14)を介して前記移動通信システムのコアネットワーク(15)と接続するように適合されたインタフェース(183)と、
前記アクセスネットワークを介してインターネット(21)と接続するように適合されたインタフェース(183)とを備え、
前記ホーム基地局はさらに、
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために、シグナリングを用いて前記移動体端末との通信を行うよう適合された処理ユニット(185)と、
前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記移動体端末からアップリンクトラフィックを受信するように適合された入力ユニット(182)と、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートに従って前記ローカルブレークアウトベアラで受信された前記アップリンクトラフィックを転送するように適合された出力ユニット(184)とを備え、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートが、前記コアネットワークを経由することなく、前記ローカルノードと前記インターネットとの内の少なくともいずれかへ前記アップリンクトラフィックを転送することを示し、
前記ローカルブレークアウトベアラは、前記移動体端末と前記ホーム基地局との間に延びた無線ベアラであることを特徴とするホーム基地局。
【請求項40】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワーク(15)は、3GPPコアネットワークであることを特徴とする請求項39に記載のホーム基地局。
【請求項41】
前記処理ユニット(185)は、前記移動体端末(2)へのローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを送信するように適合されていることを特徴とする請求項39又は40に記載のホーム基地局。
【請求項42】
前記処理ユニット(185)はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)サーバ(61)と通信を行うよう適合されることを特徴とする請求項39乃至41のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項43】
前記処理ユニット(185)はさらに、
前記移動体端末(2)からの、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)の確立のため、前記ローカルブレークアウトベアラの確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含む要求メッセージ(62、81、91、111)の受信と処理とを行い、
前記プリファレンス情報に従って、前記ローカルブレークアウトベアラを確立するように適合されることを特徴とする請求項39乃至42のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項44】
前記処理ユニット(185)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために、前記移動体端末(2)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項39乃至43のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項45】
前記1つのRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求(Connection Request)メッセージか、あるいは、測定レポート(Measurement Report)メッセージを含むことを特徴とする請求項44に記載のホーム基地局。
【請求項46】
前記処理ユニット(185)は、1つ以上の非アクセス層(NAS)によってシグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラを確立するために、前記移動体端末(2)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項39乃至43のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項47】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求(PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求(BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことを特徴とする請求項46に記載のホーム基地局。
【請求項48】
前記処理ユニット(185)はさらに、
NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連するものであるかどうかを判定するために前記移動体端末(2)からNASシグナリングを遮断し、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連するなら、前記NASメッセージを処理し、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラ(22)の確立に関連しなければ、前記NASメッセージをコアネットワーク(15)へ転送するよう適合されることを特徴とする請求項46又は47に記載のホーム基地局。
【請求項49】
前記出力ユニット(184)はさらに、前記ローカルネットワーク(20)と前記インターネット(21)との内の少なくともいずれかから受信したダウンリンクトラフィック(184)を前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で前記移動体端末(2)へ転送するよう適合されることを特徴とする請求項39乃至48のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項50】
前記処理ユニット(185)はさらに、制御情報を受信し、前記制御情報に従って、前記ホーム基地局においてローカルブレークアウト・トランスポート機能を動作可能にするか、あるいは、動作不能にするために運用及び保守システムと通信を行うよう適合されることを特徴とする請求項39乃至49のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項51】
通信システムの運用及び保守システムにおいて用いられる運用及び保守ノード(170)であって、
前記ノードは、ローカルブレークアウト・トランスポートのために前記ホーム基地局(1)を動作可能にしたり、動作不能にしたりするために前記ホーム基地局と通信を行うように適合された制御ユニット(171)を備え、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワーク(15)を経由することなく、ローカルノード(4)とインターネット(21)との内の少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示すものであることを特徴とする運用及び保守ノード。
【請求項52】
通信システムの運用及び保守システムの運用及び保守ノード(170)における方法であって、
ローカルブレークアウト・トランスポートのために前記ホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりするための制御情報をホーム基地局(1)へ送信する工程を有し、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワーク(15)を経由することなく、ローカルノード(4)とインターネット(21)との内の少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示すものであることを特徴とする方法。
【請求項1】
トラフィック転送を行う移動体端末(2)における方法であって、前記移動体端末はホーム基地局(1)との無線接続部を有し、該ホーム基地局(1)は、複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワークとの接続部(5、8)と、アクセスネットワーク(14)を介する移動通信システムのコアネットワーク(15)との接続部と、前記アクセスネットワークを介するインターネット(21)との接続部とを備え、
前記方法は、
前記コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへのアップリンクトラフィックの転送を示すローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべき前記アップリンクトラフィックを識別する工程(143)と、
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための、前記移動体端末と前記ホーム基地局との間に延びた無線ベアラである専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するためにシグナリングを用いて前記ホーム基地局と通信を行う工程(142)と、
前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記識別されたアップリンクトラフィックを前記ホーム基地局へ送信する工程(144)とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワーク(15)は、3GPPコアネットワークであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(142)は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを前記ホーム基地局から受信する工程を含み、
前記送信する工程(144)は、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして前記受信されたIPアドレスを使用する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバ(61)との通信を行う工程(142)をさらに有し、
前記送信する工程(144)は、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして前記取得されたIPアドレスを使用する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(141)は、前記ローカルブレークアウトベアラの確立のための要求メッセージ(62、81、91、111)を前記ホーム基地局(1)へ送信する工程を含み、
前記要求メッセージは、前記ローカルブレークアウトベアラの前記確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記プリファレンス情報は、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)が、
無条件に確立されるか、
ローカルネットワーク(20)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
インターネット(21)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと、インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとのうちの少なくとも一方のローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、あるいは、
ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと、インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとの双方のローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるかどうかを指定する確立条件に関する情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プリファレンス情報は、1つ以上のタイプの情報、即ち、
前記移動体端末(2)が、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)用として前記コアネットワーク(15)により割り当てられたIPアドレスを使用することを予期する旨の情報と、
前記移動体端末が、前記ローカルブレークアウトベアラ用として割り当てられた専用IPアドレスを、DHCPサーバ(61)から、又は、前記ホーム基地局(1)から取得することを予期する旨の情報と、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で搬送されるトラフィック用の、前記ホーム基地局から得られるネットワークアドレスの変換(NAT)サポートの必要性に関する情報とを有するIPアドレス割当てプリファレンスに関する情報を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(141)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラの確立要求(62)のために専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求メッセージか、あるいは、測定レポートメッセージを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記ホーム基地局(1)と通信を行う工程(141)は、1つ以上の非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージを前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求のために専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求メッセージを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ローカルブレークアウト・トランスポートをどのトラフィックに対して行うのが望ましいかを指定する、前記移動体端末(2)内の構成設定情報に従って、トラフィックがローカルブレークアウト・トランスポート用として識別されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ローカルブレークアウト・トランスポートを行うことが望ましい対象トラフィックに関する、前記移動体端末(2)のユーザにより提供される指標に従って、トラフィックがローカルブレークアウト・トランスポート用として識別されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
トラフィック転送を行うホーム基地局(1)における方法であって、前記ホーム基地局は、無線インタフェースを介する1つ以上の移動体端末(2)との接続部と、複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワークとの接続部(5、8)と、アクセスネットワーク(14)を介する移動通信システムのコアネットワーク(15)との接続部と、前記アクセスネットワークを介するインターネット(21)との接続部とを備え、
前記方法は、
前記コアネットワークを経由することなく、ローカルノードとインターネットの少なくともいずれかへのアップリンクトラフィックの転送を示すローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための、前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局(1)との間に延びた無線ベアラである専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するためにシグナリングを用いて前記移動体端末との通信を行う工程(151)と、
前記確立されたローカルブレークアウトベアラ(22)で前記移動体端末(2)からアップリンクトラフィックを受信する工程(152)と、
ローカルブレークアウト・トランスポートに従って前記ローカルブレークアウトベアラで受信した前記アップリンクトラフィックを転送する工程(153)とを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワーク(15)は3GPPコアネットワークであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程(151)は、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを前記移動体端末へ送信する工程を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバと通信を行う工程(156)をさらに有することを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程(151)は、
前記ローカルブレークアウトベアラの確立のため、前記ローカルブレークアウトベアラの確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含む要求メッセージ(62、81、91、111)を受信する工程と、
前記プリファレンス情報に従って前記ローカルブレークアウトベアラを確立する工程とを含むことを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程(151)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局(1)との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上のRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラの確立要求専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求(Connection Request)メッセージか、あるいは、測定レポート(Measurement Report)メッセージを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために前記移動体端末(2)との通信を行う工程は、1つ以上の非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局(1)との間で交換することによって実行されることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求(PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求(BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局(1)との間で1つ以上のNASシグナリングメッセージを交換する工程は、
NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関するかどうかを判定するために前記移動体端末からのNASシグナリングを遮断する工程と、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連するなら、前記ホーム基地局の内部において前記NASメッセージを処理する工程と、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連しないなら、前記NASメッセージを前記コアネットワーク(15)へ転送する工程とに関与することを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記ローカルネットワーク(20)と前記インターネット(21)の内の少なくともいずれかから前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で受信した(154)ダウンリンクトラフィックを前記移動体端末(2)へ転送する工程(155)をさらに有することを特徴とする請求項14乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ホーム基地局(1)においてローカルブレークアウト・トランスポート機能を動作可能にするか、あるいは、動作不能にする制御情報を受信するために、運用及び保守システムと通信を行う工程をさらに有することを特徴とする請求項14乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
移動通信システムにおいて用いる移動体端末(2)であって、
前記移動体端末は、
複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワーク(20)との接続部と、アクセスネットワーク(14)を介した前記移動通信システムのコアネットワーク(15)との接続部と、前記アクセスネットワークを介したインターネット(21)との接続部とを有するホーム基地局(1)との接続用として適合された無線インタフェース(164)を有し、
前記移動体端末はさらに、
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきアップリンクトラフィックを識別し、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するためにシグナリングを用いて前記ホーム基地局と通信を行うよう適合される処理ユニット(161)と、
前記識別されたアップリンクトラフィックを前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記ホーム基地局へ送信するように適合された出力ユニット(162)とをさらに備え、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートは、前記コアネットワークを経由することなく、ローカルノードと前記インターネットとの内の少なくともいずれかへアップリンクトラフィックを転送することを示し、
前記ローカルブレークアウトベアラは、前記移動体端末(2)と前記ホーム基地局(1)との間に延びた無線ベアラであることを特徴とする移動体端末。
【請求項27】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワークは、3GPPコアネットワーク(15)であることを特徴とする請求項26に記載の移動体端末。
【請求項28】
前記移動体端末はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを、前記ホーム基地局(1)から受信するように適合された入力ユニット(163)をさらに含み、
前記出力ユニット(162)は、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして、前記受信されたIPアドレスを使用するように適合されることを特徴とする請求項26又は27に記載の移動体端末。
【請求項29】
前記処理ユニット(161)はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)サーバ(61)と通信を行うように適合され、
前記出力ユニットは、前記ローカルブレークアウトベアラで送信される前記アップリンクトラフィック用のソースアドレスとして、前記取得されたIPアドレスを使用するように適合されることを特徴とする請求項26又は27に記載の移動体端末。
【請求項30】
前記処理ユニット(161)及び前記出力ユニット(162)はさらに、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)の確立を求める、前記ローカルブレークアウトベアラの確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含む要求メッセージ(62、81、91、111)を創成し、前記ホーム基地局(1)へ送信するよう適合されることを特徴とする請求項26乃至29のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項31】
前記プリファレンス情報は、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)が
無条件に確立されるか、
前記ローカルネットワーク(20)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
前記インターネット(21)へのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、
前記ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと前記インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとの内の少なくとも一方のローカルブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるか、あるいは、
前記ローカルネットワークへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートと前記インターネットへのトラフィックのローカルブレークアウト・トランスポートとの両方のブレークアウト・トランスポートを構成することができる場合にのみ確立されるかどうかを指定する確立条件に関する情報を含むことを特徴とする請求項30に記載の移動体端末。
【請求項32】
前記プリファレンス情報は、1つ以上のタイプの情報、即ち、
前記移動体端末が、前記コアネットワーク(15)により割り当てられたIPアドレスを前記ローカルブレークアウトベアラ(22)のために使用することを予期する旨の情報と、
前記移動体端末が、前記ローカルブレークアウトベアラ用のために割り当てられた専用IPアドレスを、DHCPサーバ(61)、又は、前記ホーム基地局(1)から取得することを予期する旨の情報と、
前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で搬送されるトラフィックに対する、前記ホーム基地局から得られるネットワークアドレス変換(NAT)サポートの必要性に関する情報とを有するIPアドレス割当てプリファレンスに関する情報を含むことを特徴とする請求項30又は31に記載の移動体端末。
【請求項33】
前記処理ユニット(161)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラを確立するために、前記ホーム基地局(1)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項26乃至32のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項34】
前記1つ以上のRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求(Connection Request)メッセージか、あるいは、接続レポート(Measurement Report)メッセージを含むことを特徴とする請求項33に記載の移動体端末。
【請求項35】
前記処理ユニット(161)は、1つ以上の非アクセス層(NAS)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために、前記ホーム基地局(1)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項26乃至32のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項36】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求(PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求(BEARER REQUEST ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことを特徴とする請求項35に記載の移動体端末。
【請求項37】
前記移動体端末は、ローカルブレークアウト・トランスポートをどのトラフィックに対して行うのが望ましいかを指定する構成設定情報を格納する格納ユニット(165)をさらに備え、
前記処理ユニットは、前記構成設定情報に従ってローカルブレークアウト・トランスポート用のトラフィックを識別するように適合されることを特徴とする請求項26乃至36のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項38】
前記処理ユニット(161)はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートを行うことが望ましいトラフィックに関して、前記移動体端末のユーザにより提供される指標に従って、ローカルブレークアウト・ベアラ(22)用トラフィックを識別するよう適合されることを特徴とする請求項26乃至36のいずれか1項に記載の移動体端末。
【請求項39】
移動通信システムにおいて用いられるホーム基地局(1)であって、前記ホーム基地局は、
少なくとも1つの移動体端末(2)との接続のために適合された無線インタフェース(3)と、
複数のローカルノード(4)を備えたローカルネットワーク(20)との接続のために適合されたインタフェース(181)と、
アクセスネットワーク(14)を介して前記移動通信システムのコアネットワーク(15)と接続するように適合されたインタフェース(183)と、
前記アクセスネットワークを介してインターネット(21)と接続するように適合されたインタフェース(183)とを備え、
前記ホーム基地局はさらに、
ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィックのための専用ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために、シグナリングを用いて前記移動体端末との通信を行うよう適合された処理ユニット(185)と、
前記確立されたローカルブレークアウトベアラで前記移動体端末からアップリンクトラフィックを受信するように適合された入力ユニット(182)と、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートに従って前記ローカルブレークアウトベアラで受信された前記アップリンクトラフィックを転送するように適合された出力ユニット(184)とを備え、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートが、前記コアネットワークを経由することなく、前記ローカルノードと前記インターネットとの内の少なくともいずれかへ前記アップリンクトラフィックを転送することを示し、
前記ローカルブレークアウトベアラは、前記移動体端末と前記ホーム基地局との間に延びた無線ベアラであることを特徴とするホーム基地局。
【請求項40】
前記ホーム基地局(1)は、3GホームノードB又はEPS/LTE Home eNodeBであり、
前記コアネットワーク(15)は、3GPPコアネットワークであることを特徴とする請求項39に記載のホーム基地局。
【請求項41】
前記処理ユニット(185)は、前記移動体端末(2)へのローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを送信するように適合されていることを特徴とする請求項39又は40に記載のホーム基地局。
【請求項42】
前記処理ユニット(185)はさらに、ローカルブレークアウト・トランスポートの対象とすべきトラフィック用専用IPアドレスを取得するために、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)サーバ(61)と通信を行うよう適合されることを特徴とする請求項39乃至41のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項43】
前記処理ユニット(185)はさらに、
前記移動体端末(2)からの、前記ローカルブレークアウトベアラ(22)の確立のため、前記ローカルブレークアウトベアラの確立に関してプリファレンスを指定するプリファレンス情報を含む要求メッセージ(62、81、91、111)の受信と処理とを行い、
前記プリファレンス情報に従って、前記ローカルブレークアウトベアラを確立するように適合されることを特徴とする請求項39乃至42のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項44】
前記処理ユニット(185)は、1つ以上の無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラ(22)を確立するために、前記移動体端末(2)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項39乃至43のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項45】
前記1つのRRCシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ要求専用とされるRRCタイプのメッセージか、RRC接続要求(Connection Request)メッセージか、あるいは、測定レポート(Measurement Report)メッセージを含むことを特徴とする請求項44に記載のホーム基地局。
【請求項46】
前記処理ユニット(185)は、1つ以上の非アクセス層(NAS)によってシグナリングメッセージを前記移動体端末と前記ホーム基地局との間で交換することによって前記ローカルブレークアウトベアラを確立するために、前記移動体端末(2)と通信を行うように適合されることを特徴とする請求項39乃至43のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項47】
前記1つ以上のNASシグナリングメッセージは、ローカルブレークアウトベアラ専用とされるNASタイプのメッセージか、PDN接続要求(PDN CONNECTIVITY REQUEST)メッセージか、あるいは、ベアラリソース割当て要求(BEARER RESOURCE ALLOCATION REQUEST)メッセージを含むことを特徴とする請求項46に記載のホーム基地局。
【請求項48】
前記処理ユニット(185)はさらに、
NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連するものであるかどうかを判定するために前記移動体端末(2)からNASシグナリングを遮断し、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラの確立に関連するなら、前記NASメッセージを処理し、
前記NASメッセージがローカルブレークアウトベアラ(22)の確立に関連しなければ、前記NASメッセージをコアネットワーク(15)へ転送するよう適合されることを特徴とする請求項46又は47に記載のホーム基地局。
【請求項49】
前記出力ユニット(184)はさらに、前記ローカルネットワーク(20)と前記インターネット(21)との内の少なくともいずれかから受信したダウンリンクトラフィック(184)を前記ローカルブレークアウトベアラ(22)で前記移動体端末(2)へ転送するよう適合されることを特徴とする請求項39乃至48のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項50】
前記処理ユニット(185)はさらに、制御情報を受信し、前記制御情報に従って、前記ホーム基地局においてローカルブレークアウト・トランスポート機能を動作可能にするか、あるいは、動作不能にするために運用及び保守システムと通信を行うよう適合されることを特徴とする請求項39乃至49のいずれか1項に記載のホーム基地局。
【請求項51】
通信システムの運用及び保守システムにおいて用いられる運用及び保守ノード(170)であって、
前記ノードは、ローカルブレークアウト・トランスポートのために前記ホーム基地局(1)を動作可能にしたり、動作不能にしたりするために前記ホーム基地局と通信を行うように適合された制御ユニット(171)を備え、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワーク(15)を経由することなく、ローカルノード(4)とインターネット(21)との内の少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示すものであることを特徴とする運用及び保守ノード。
【請求項52】
通信システムの運用及び保守システムの運用及び保守ノード(170)における方法であって、
ローカルブレークアウト・トランスポートのために前記ホーム基地局を動作可能にしたり、動作不能にしたりするための制御情報をホーム基地局(1)へ送信する工程を有し、
前記ローカルブレークアウト・トランスポートは、移動通信システムのコアネットワーク(15)を経由することなく、ローカルノード(4)とインターネット(21)との内の少なくともいずれかへトラフィックを転送することを示すものであることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−504898(P2012−504898A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530024(P2011−530024)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050884
【国際公開番号】WO2010/039085
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050884
【国際公開番号】WO2010/039085
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]