説明

ボイラー給水組成物

本発明は、その主成分が、精製エチレングリコール及び純水の混合溶媒(重量比70〜90:10〜30重量百分率(%))であることを特徴とする精製エチレングリコール水溶液であるボイラー給水組成物を開示するものである。前記発明給水組成物には、92.1〜98.8重量百分率(%)の前記精製エチレングリコール水溶液、0.1〜2.0重量百分率(%)の安息香酸ナトリウム、0.1〜1.5重量百分率(%)のトリルトリアゾール、0.1〜0.7重量百分率(%)のトリエタノールアミン、0.5〜1.5重量百分率(%)の硝酸ナトリウム、0.3〜1.2重量百分率(%)のモリブデン酸ナトリウム、及び0.1〜1.0重量百分率(%)の水酸化カリウムが含まれる。本発明の給水組成物は、内部機関やボイラー管における腐食及びスケールの形成を防止し、その結果、その循環が円滑となり、その熱効率は特に高い。また、極寒気候においてエネルギー節約のためにボイラー電源が切られたときでさえも、本給水組成物は凍結せず、かくして内部機関やボイラー管の亀裂が防止される。しかも、本給水組成物は半恒久的に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラー給水組成物に関するものであり、より具体的には、精製グリコールと純水の混合溶媒を主成分として含有し、さらに適切な量の安息香酸ナトリウム、トリルトリアゾール、トリエタノールアミン、硝酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、及び水酸化カリウムを内燃機関やボイラー管の腐食を防止するための添加物として含有するボイラー給水組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在までに使用されてきたボイラー給水は水道水であるが、かかる水道水は内部機関やボイラー管の腐食を引き起こし、かくしてスケールが生成される。これは、給水の円滑な循環を妨げ、ボイラーの熱効率を低下させる。また、スケールなどの沈殿は、循環システムの停止や遮断という問題を引き起こし、しかも、ボイラーの耐用年限などの低下という問題も生じ得る。
【0003】
具体的には、冬季に空家でボイラーを停止させる場合、内部機関やボイラー管が凍結して、水の膨張のために亀裂する場合がある。このため、エネルギー損失やボイラー破損を始めとする経済損失などの問題や不便が生じる。
【0004】
また、水道水の熱伝導率は低いので、エネルギー損失が高く、同時に、水道水の蒸発速度は非常に高いので、水を高い頻度で補給する必要があり、不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの問題を解決するため、韓国特許出願番号1988-554(1988年3月26日)及び韓国特許出願番号1988-4064(1988年6月12日)では、エチレングリコールと水を主成分として含有する「熱媒体用液組成」が開示されている。しかし、これらの特許には前記液組成に含有されるアスベスト及びエマルジョン剤が使用されている。これらの化学物質は内部機関やボイラー管に付着するためにスケールが発生し、前記機関を破損する。日本国特開昭60-60178では、主成分がエチレングリコール水溶液またはプロピレングリコール水溶液である「ボイラー用熱媒体」が開示されている。この特許では、リン酸イオンの含有量が、スケールの発生を防止するために50ppm未満に限定されている。しかし、種々の金属に適切な腐食防止剤含まれていないので、前記特許において開示された熱媒体には、内部機関やボイラー管の腐食を防止できないという問題点がある。
【0006】
よって、本発明は、従来の技術において発生する前述の問題を解決するためなされたものである。本発明の目的は、円滑に循環されて熱効率の向上を示すように、内部機関やボイラー管内の腐食及びスケール生成を防止するボイラー給水組成物を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、冬季に空家でエネルギー節約のためにボイラーが停止されるときでさえも前記ボイラー給水が凍結しないので、内部機関やボイラー管の亀裂を防止することができるようなボイラー給水組成物を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、精製グリコール及び純水主成分として含有し、さらに種々の添加物を含有するので、交換しないで半恒久的に使用することができるボイラー給水組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的を達成するため、本発明は好適な比率の精製グリコールと純水を含有し、さらに種々の添加物を含有するボイラー給水組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
上記のように、本発明は、精製グリコール及び純水からなる精製グリコール水溶液を含有し、さらに種々の添加物を含有するボイラー給水組成物を提供するものである。この給水組成物を使用すると、内部機関やボイラー管における腐食及びスケールの形成を防止することができ、かくして前記給水の循環が円滑となる。また、前記給水は交換しないで半恒久的に使用することができる。
【0011】
前記発明給水組成物を100℃に加熱するために必要とされるボイラー運転時間は、水道水に比べて13.7〜20.0%短縮された。これは同程度のエネルギー節約も意味する。また、本発明の給水の30分間加熱後の上昇温度は、水道水に比べて45.37%高かった。前記発明給水組成物の加熱停止後30分間での下降温度は、水道水に比べて46.55%低かった。これは、ボイラー運転中に前記発明給水組成物が非常に高い熱効率を示すことを示唆する。
【0012】
また、本発明の給水組成物は低凝固点を有する。
【0013】
よって、厳冬に、エネルギー節約のために空家でボイラー電源が切られたときでさえも、本発明の給水組成物は凍結しない。これは、内部機関やボイラー管の亀裂可能性を排除する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係るボイラー給水組成物を詳細に説明する。
本発明は、92.1〜98.8重量百分率(%)の精製グリコールと純水の混合溶媒(重量比70〜90:10〜30)、0.1〜2.0重量百分率(%)の安息香酸ナトリウム、0.1〜1.5重量百分率(%)のトリルトリアゾール、0.1〜0.7重量百分率(%)のトリエタノールアミン、0.5〜1.5重量百分率(%)の硝酸ナトリウム、0.3〜1.2重量百分率(%)のモリブデン酸ナトリウム、及び0.1〜1.0重量百分率(%)の水酸化カリウムを含有するボイラー給水組成物(以下、「給水」と呼ぶ)に関するものである。
【0015】
本発明に用いた精製グリコール水溶液は、精製グリコールと純水の混合溶媒(重量比70〜90:10〜30)であり、前記発明給水組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合の使用量は92.1〜98.8重量百分率(%)である。前記精製グリコール水溶液中の精製グリコール含有量が70重量百分率(%)未満の場合、前記組成物の凝固点は高くなる。よって冬季には、内部機関やボイラー管が亀裂する可能性がある。その反面、前記含有量が90重量百分率(%)を超える場合、前記給水の加熱時間が短縮されるが、純水量が少ないので、添加物は完全に溶解しない。本発明に用いられる精製グリコールは、精製エチレングリコールまたはプロピレングリコールであり、好ましくは精製エチレングリコールである。精製グリコール自体には腐食を防止する能力がないので、下記などの種々添加物を追加することが必要である。
【0016】
本発明の給水に用いられる安息香酸ナトリウムは、鋳鉄及び鋼鉄などの鉄をベースにした材料の腐食を防止し、前記給水組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合の添加量は0.1〜2.0重量百分率(%)、好ましくは0.5〜1.0重量百分率(%)である。その含有量が0.1重量百分率(%)未満の場合、鉄の腐食を十分に防止するための安息香酸ナトリウム塗膜が形成されず、腐食が発生する。その含有量が2.0重量百分率(%)を超える場合、安息香酸ナトリウムが十分に溶解されず、その結果、防食効果が低下する。
【0017】
本発明に用いられるトリルトリアゾールは、銅及びその合金の腐食を防止する働きをし、前記組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合の添加量は0.1〜1.5重量百分率(%)、好ましくは0.4〜1.0重量百分率(%)である。その含有量が、0.1重量百分率(%)未満の場合、銅の腐食を防止するための十分な塗膜が銅に形成されず、その結果、腐食が発生する。その含有量が1.5重量百分率(%)を超える場合、トリルトリアゾールが完全に溶解されず、その結果、スケール発生が引き起こされる。本発明では、トリルトリアゾールは、単独またはベンゾトリアゾール及びメルカプトベンゾトリアゾールのうちの1つと共に使用することが可能である。
【0018】
本発明に用いられるトリエタノールアミンは、アルミニウム及び鉄の腐食を防止するために用いられ、前記組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合の添加量は0.1〜0.7重量百分率(%)、好ましくは0.2〜0.5重量百分率(%)である。その含有量が0.1重量百分率(%)未満の場合、アルミニウム及び鉄に形成されるフィルムは不完全であり、その結果、アルミニウム及び鉄の腐食が発生する。その含有量が0.7重量百分率(%)を超える場合、その分解は不十分であり、その結果、前記トリエタノールアミン共存する亜硝酸塩と反応して、汚染の原因であるニトロソアミンを生成し得る。本発明では、ジエタノールアミン、モノラルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びシクロヘキシルアミンからなるグループから選択される1つまたは複数の化合物をトリエタノールアミンの代替として用いてもよい。
【0019】
本発明に用いられる硝酸ナトリウムは、鉄の腐食を防止するために添加され、前記組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合のその添加量は、0.5〜1.5重量百分率(%)、好ましくは0.9〜1.3重量百分率(%)である。その含有量が、0.5重量百分率(%)未満の場合、鉄に形成される塗膜は不十分であり、腐食が発生する。その含有量が1.5重量百分率(%)を超える場合、その分解不完全であり、スケール発生が引き起こされる。
【0020】
硝酸ナトリウムがアミンと共存するとき、それらは互いに対応してニトロソアミンを生成し得る。本発明では、硝酸ナトリウムは、単独または硝酸マグネシウム及び硝酸ストロンチウムのうちの1つと共に使用することが可能である。
【0021】
本発明に用いられるモリブデン酸ナトリウムは、これらの腐食防止添加物の安定性を確実にする働きをし、前記組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合の添加量は0.3〜1.2重量百分率(%)、好ましくは0.6〜1.0重量百分率(%)である。モリブデン酸ナトリウム含有量がこの範囲外の場合、腐食防止に有害効果を生じ得る。
【0022】
本発明に用いられる水酸化カリウムは、前記給水のpHを調整するために添加され、前記組成物の総重量を100重量百分率(%)とした場合のその添加量は、0.1〜1.0重量百分率(%)、好ましくは0.2〜0.5重量百分率(%)である。この含有量範囲における水酸化カリウムは、前記給水をpH領域を7.5〜9.0に維持する。本発明では、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを使用してもよい。
【実施例】
【0023】
以下に、本発明を以下の実施例を用いて詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではないことは当然のことである。
【0024】
実施例1〜3及び比較例1〜3
精製エチレングリコールと純水の混合溶媒の凝固点と、前記混合溶媒を100℃に加熱するために必要とされるボイラー運転時間とを、精製エチレングリコールと純水の種々の混合比で測定した。その結果を下記の表1に示す。
【表1】

【0025】
上記の表1から明らかなように、精製エチレングリコールと純水の実施例1〜3の各混合溶媒(重量比70〜90:10〜30)を100℃の温度まで加熱するために必要とされるボイラー運転時間の範囲は8分15秒〜8分54秒であり、前記混合溶媒のボイラー運転時間は水道水の10分19秒と比べて13.7〜20.0%短いことを示唆した。比較例1〜3の場合では、精製エチレングリコールと純水間の混合比が本発明の範囲外であるので、ボイラー運転時間は実施例1〜3に比べて増加した。これはボイラーのエネルギー効率が低下することを意味する。具体的には、比較例1の凝固点は-25℃であり、所与の間隔で発生する極寒気候において内部機関やボイラー管が亀裂する恐れがあることを示唆した。
【0026】
よって、前記精製エチレングリコール水溶液を主成分として含有する本発明のボイラー給水は、優れた性能(パフォーマンス)を有するものである。したがって、本発明のボイラー給水の加熱に要するボイラー運転時間の短縮分と同量のエネルギーが節約され、同時にボイラー運転中の熱効率も同程度に増加されることを見出すことができる。
【0027】
実施例4及び比較例4
実施例2の精製エチレングリコール水溶液と種々の添加物を含有するボイラー給水組成物である実施例4と、水道水である比較例4の温度を、30分間に亘って5分毎に加熱及び冷却後に測定した。本測定結果下記の表2にを示す。
【表2】

【0028】
上記の表2から明らかなように、30分間の加熱後、実施例4は、比較例4の108℃に比べて49℃高い157℃を示した。これは、実施例4が、比較例4に比べて45.37%高い温度上昇を示すことを意味する。加熱停止後30分間にて、実施例4の温度は、比較例4の58℃に比べて27℃高い85.0℃であった。これは、実施例4の冷却速度が比較例4に比べて46.55%遅いことを意味する。よって、本発明の給水組成物が、加熱時の急速な温度上昇及び加熱停止時の緩慢な温度低下に起因して、優れたエネルギー効果を持つことを見出すことができる。
【0029】
上記の表1と表2とでは、100℃に加熱するために必要とされる運転時間がそれぞれ異なることが証明された。その理由は、表2では、種々の添加物を含有する給水組成物が使用されたことと、給水サンプル量が表1では60mlであり、表2では120mlであったためである。
【0030】
実施例5〜7及び比較例5〜7
最初に、実施例2の精製エチレングリコール水溶液を、精製エチレングリコール及び純水を重量比80:20で混合することによって作り、次いで表3に示した添加物を結果として得られた混合溶媒に添加して実施例5〜7及び比較例5〜7の水溶液を作った。
【表3】

【0031】
実施例5〜7及び比較例5〜7の耐食性試験結果を下記の表4に示す。
【表4】

【0032】
比較例5及び6では、添加物が本発明の含有量範囲外なので、種々の金属検査片の重量は、実施例5〜7に比べて相当量減少され、腐食が激しいことが指摘された。比較例7の場合では、安定剤であるモリブデン酸ナトリウ、及びpH調節剤である水酸化カリウムは添加されず、したがって、種々の腐食防止剤は安定化されず、前記給水のpHは7.5〜9.0範囲内に調整されなかった。したがって、種々の金属検査片の重量は、実施例5〜7に比べて相当量減少され、激しい腐食を意味した。
【0033】
表1における凝固点及び100℃に加熱するために必要とされるボイラー運転時間、表2における加熱及び冷却後のさまざまな時点での温度、及び表4における腐食による重量低減。
【0034】
1. 凝固点検査
30体積百分率(%)及び50体積百分率(%)の試験液を、前記給水を用いて製造した。75〜100mlの試験液を凝固点測定装置の冷却管に挿入し、攪拌器及び温度計をコルクまたはゴム製ストッパーを用いて設置し、前記温度計の下端部を前記試験液の中心に配置した。前記冷却管を、アセトンまたはメタノール及びドライアイスでできている冷却液に配置した。前記検査溶液の表面は、前記冷却液表面の約10mm下になるように制御した。次いで、前記攪拌器を毎分60〜80回で運転しながら冷却を始めた。温度は毎分ごとに記録した。
【0035】
凝固点は、前記温度の測定値が平坦になる温度である。凝固点を2回測定し、その平均を報告した。
【0036】
2. 加熱検査
100℃に加熱所要時間は、韓国国家承認の検査当局である韓国機械計器及び石油化学検査研究所において測定する。試験方法は以下の通りである。
【0037】
KSM2141に規定されたように、平衡還流沸点試験装置を使用した。温度計をフラスコの側面に挿入し、ゴムで密閉した。前記温度計の下部先端を、前記サンプル60ml及び3つの沸騰石が入れられた前記フラスコ下部中心の6.5mm上に配置した。加熱源としては、直径が32〜38mmの穴を有する加熱パッドを使用した。前記フラスコを前記パッドの穴を介して加熱した。冷却装置は、温度が28℃未満の水を流出させる。測定中の冷却水温度の上昇は2℃以内に維持した。前記加熱パッドの電源を入れたときから100℃に達するまでの時間を秒単位で測定した。表1の結果は、2測定値の平均である。
【0038】
表2では、加熱は表1と同様に30分間行い、その温度を5分毎に測定した。加熱停止後、冷却も加熱と同様に30分間行い、5分毎に温度を測定した。使用したサンプル量は、表1の2倍の量である120mlであった。
【0039】
3. 耐食性試験
耐食性試験は、KSM2142に規定されたとおりに行った。最初に、アルミニウム、鋳鉄、鋼鉄、真鍮、鉛、及び銅の検査片を準備した。148mgの硫酸ナトリウム、165mgの塩化ナトリウム、及び138mgの重炭酸ナトリウムを1リットルの水に溶解して水溶混合溶媒を調製した。前記給水を前記水溶混合溶媒中で30体積百分率(%)に希釈し、前記検査片を前記希釈給水中に浸漬し、当該希釈給水に乾燥空気を毎分10010mlの速度で導入して検査溶液温度を、336時間(14日数)に亘って882℃以内に維持した。前記検査溶液量を毎日確認し、蒸発損失を水で補給した。検査完了後、最大で0.1mgまでの重量を測定する前に、前記検査片を処理液で処理して乾燥した。重量変化を以下の式を用いて算出した。検査サンプルをそれぞれ2回ずつ検査した後にその平均値を報告した。
【0040】
C=(W'-W)/S
上式で、C:重量変化(mg/cm)
W':検査後の試験片重量(mg)
W:検査前の試験片重量(mg)
S:検査前の検査片総表面積(cm)。
【産業上の利用可能性】
【0041】
上記のように、本発明は、精製グリコール及び純水からなる精製グリコール水溶液を含有し、さらに種々の添加物を含有するボイラー給水組成物を提供するものである。この給水組成物を使用すると、内部機関やボイラー管における腐食及びスケールの形成を防止することができ、かくして前記給水の循環が円滑となる。また、前記給水は交換しないで半恒久的に使用することができる。
【0042】
前記発明給水組成物を100℃に加熱するために必要とされるボイラー運転時間は、水道水に比べて13.7〜20.0%短縮された。これは同程度のエネルギー節約も意味する。また、本発明の給水の30分間加熱後の上昇温度は、水道水に比べて45.37%高かった。前記発明給水組成物の加熱停止後30分間での下降温度は、水道水に比べて46.55%低かった。これは、ボイラー運転中に前記発明給水組成物が非常に高い熱効率を示すことを示唆する。
【0043】
また、本発明の給水組成物は低凝固点を有する。
【0044】
よって、厳冬に、エネルギー節約のために空家でボイラー電源が切られたときでさえも、本発明の給水組成物は凍結しない。これは、内部機関やボイラー管の亀裂可能性を排除する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
92.1〜98.8重量百分率(%)の精製エチレングリコール及び純水を主成分とする混合溶媒(重量比70〜90:10〜30)、0.1〜2.0重量百分率(%)の安息香酸ナトリウム、0.1〜1.5重量百分率(%)のトリルトリアゾール、0.1〜0.7重量百分率(%)のトリエタノールアミン、0.5〜1.5重量百分率(%)の硝酸ナトリウム、0.3〜1.2重量百分率(%)のモリブデン酸ナトリウム、及び0.1〜1.0重量百分率(%)の水酸化カリウムを含むボイラー給水組成物。
【請求項2】
前記精製エチレングリコールの代わりに、精製プロピレングリコールが使用されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項3】
前記トリルトリアゾールの代わりに、ベンゾトリアゾール及びメルカプトベンゾトリアゾールのうちの1つが使用されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項4】
前記トリエタノールアミンの代わりに、、ジエタノールアミン、モノラルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びシクロヘキシルアミンからなるグループから選択される少なくとも1つの化合物が使用されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項5】
前記硝酸ナトリウムの代わりに、硝酸マグネシウム及び硝酸ストロンチウムのうちの1つが使用されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項6】
前記安息香酸ナトリウムが0.5〜1.0重量百分率(%)の量で添加されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項7】
前記トリルトリアゾールが0.4〜1.0重量百分率(%)の量で添加されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項8】
前記トリエタノールアミンが0.2〜0.5重量百分率(%)の量で添加されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項9】
前記硝酸ナトリウムが0.9〜1.3重量百分率(%)の量で添加されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項10】
前記モリブデン酸ナトリウムが0.6〜1.0重量百分率(%)の量で添加されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。
【請求項11】
前記水酸化カリウムが0.2〜0.5重量百分率(%)の量で添加されていることを特徴とする請求項1の給水組成物。


【公表番号】特表2007−528937(P2007−528937A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520113(P2006−520113)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001688
【国際公開番号】WO2005/007772
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(506009671)
【Fターム(参考)】