説明

ボルト式端子付き密閉型二次電池とこれを用いた組電池

【課題】第一の目的として、従来に比べて良好な作業効率で製造することが可能なボルト式端子付き密閉型二次電池を提供する。また、第二の目的として、小型化の要請に合うボルト式端子付き密閉型二次電池を提供する。
【解決手段】電極端子3、4のボルト部30、40先端に、矩形状の外縁形状を持つ供回り防止工具用の嵌合孔402を形成し、且つ当該嵌合孔402内部よりボルトの軸方向に沿って、流通経路401を貫通形成する。電極端子3、4は特殊ナット5により封口体に固定する。
流通経路401の基部42側末端には、金属薄片を貼着してなる安全弁43を配設し、電池内圧異常時にはこれを破って、内部ガスを流通経路401を介して外気に解放させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルト式端子を備える密閉型二次電池とこれを用いた組電池の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より主として車載用鉛蓄電池の分野では、電極端子として導電性に優れる材料からなるボルトとナットを組み合わせたボルト式端子を備える電池(ボルト式端子型電池)が知られている。
そして近年では、携帯電話・ノート型PC、PDA等の小型電子機器の開発・普及により、当該機器用電源として密閉型二次電池が多様化しており、特許文献1及び2に示すように、前記ボルト式端子を備える密閉型二次電池も開発されるに至っている。このようなボルト式端子付き密閉型二次電池は、前記小型電子機器において単体で使用される他、大容量・大出力を得るため複数個を直列に配設して組電池とされ、電動工具や電気自動車等の電源、或いは携帯電話の中継基地局用バックアップ電源等として用いられている。
【特許文献1】特開2002−298823号公報
【特許文献2】特許2001−357833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のボルト式端子付き密閉型二次電池においては以下の問題がある。
ボルト式端子付き密閉型二次電池の製造工程では、通常、外装缶を封口体で封口する前に予め電極端子のネジを封口体に挿通させ、これを各電極端子について一つずつナットで螺合されているが、一般に当該密閉型二次電池は前記車載用鉛蓄電池に比較して非常に小型であり、このような作業は効率上の問題がある。
【0004】
すなわち、従来の鉛蓄電池のように、ボルト式端子のボルト径が比較的大きい場合には、ボルトとナットを手で良好にホールドしながら或程度強固に螺合させることができるが、このような作業を小型の密閉型二次電池において同様に行うことは難しい。また、これを手作業で行う場合には、さらに顕著な問題となりうる。
一方、従来の密閉型二次電池では、小型化・スリム化の要請がある上、封口体の面積も限られているところ、各ボルト式端子とは別体に安全弁を設ける場合もある。このような場合、部品点数が増えるため製造工程数が増加してコストがかかるほか、前記小型化・スリム化の要請に対応することも困難となる。
【0005】
以上のように、ボルト式端子付き密閉型二次電池においては未だ解決すべき課題が存在する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、第一の目的として、従来に比べて良好な作業効率で製造することが可能なボルト式端子付き密閉型二次電池を提供する。
また、第二の目的として、小型化・スリム化の要請に合うボルト式端子付き密閉型二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、筐体又はこれに装着される封口板に対し、ボルト部が露出するようにボルト式端子が奇数多角形状の特殊ナットで固定されてなる密閉型二次電池であって、前記ボルト式端子のボルト部には、前記特殊ナットの脱着に際して供回り防止固定具が嵌合される嵌合部が設けられているボルト式端子付き密閉型二次電池とした。
【0007】
ここで前記嵌合部は前記ボルト部に設けられた嵌合孔であり、さらに当該嵌合孔から前記筐体内部と連通する経路が形成され、当該経路の一部領域には前記連通を遮断するための閉塞手段若しくは安全弁が挿設されている構成とすることができる。
また前記ボルト式端子は正負両極端子としてそれぞれ備えられ、当該正負両極の各電極端子は、形状、サイズ、色のいずれかが互いに異なる構成とすることもできる。
【0008】
また、本発明は上記本発明のいずれかのボルト式端子付き密閉型二次電池を複数個備え、互いの前記ボルト式端子を連結手段で連結してなる組電池とした。
【発明の効果】
【0009】
以上の構成を有する本発明の電池によれば、筐体又はこれに装着される封口板に対し、ボルト式端子が奇数多角形の輪郭を持つ特殊ナットで固定され、このボルト部には、特殊ナットの脱着に際して供回り防止固定具が差し込まれる嵌合部(嵌合孔)が設けられていることから、製造工程において、ボルトの固定作業に係る作業効率が飛躍的に向上されている。
【0010】
すなわち、製造工程に係る作業者はまずボルト部にナットを軽く螺合させたのち、ボルト部の嵌合孔に対し、供回り防止固定具の嵌合部を差し込むようにすれば、後は電極端子の基部を固定したり、ボルト部を指で摘んだりしなくても、固定具を支点としてナットを締め込むことができる。これにより本発明では、たとえ細いボルト部であってもボルト部の供回りを確実に防止でき、良好な作業効率でナットを螺合できるといった効果が奏される。
【0011】
また、ナット部分の先端に嵌合孔と流通経路を兼用させて構成することによって、電極端子が電解液の注液孔若しくは安全弁用の流通経路としても役目をなすことが可能となる。このため、電極端子と別途安全弁や注液孔を設ける必要がなくなり、小型の密閉型二次電池を構成する上での大きなメリットとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の各実施の形態について順次説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るボルト式端子付き密閉型二次電池の構成を示す図である。図1(a)はボルト式端子付き密閉型二次電池の斜視図、図1(b)はx−x‘線に沿った断面図、図1(c)は負極端子4の断面図をそれぞれ示す。
【0013】
図1(a)に示されるボルト式端子付き密閉型二次電池1は、外観的には直方体状の有底外装缶10と、当該外装缶10の開口部11に嵌着された封口体2とで構成され、当該封口体2主面20より外部に露出するように設けられた正負両極の電極端子3、4が併設されている。
当該二次電池としては、ニッケル水素系、リチウムイオン系、ニッケルカドミウム系等の二次電池が適用できる。
【0014】
外装缶10は、アルミニウム等の軽量金属材料からなる筐体であって、図1(b)に示すように、内部に電極体6等を収納するものである。
封口体2は、外装缶10と同様の材料で構成されており、外装缶10と封口体2とは開口部11においてレーザ封口されている。
なお一般には、外装缶が負極或いは正極のいずれかに帯電されたものも存在するが、本実施の形態1の電池では電極端子3、4が別途設けられているので当該外装缶10を帯電させる必要がない。すなわち電極端子3、4を用いることで、外装缶を収縮チューブやペーパーチューブ等の被覆材を用いて別途絶縁する手間を省くことが出来る。また、後述の組電池を構成する場合、隣接電池間に絶縁部材を配設する必要がなく、製造効率の向上・コストダウンの効果も望める。
【0015】
電極端子3、4は、所謂ボルト式端子であって、封口体2の外側主面20において、図に示す如く、封口体2長手方向の一方にややオフセットした位置に併設されている。当該配設位置は当然ながら限定されるものではない。
密閉型二次電池1の内部構成は、図1(b)に示すように、電極端子3、4の基部32、42のそれぞれが、電極体6中の正極板及び負極板のそれぞれとタブ62、63で電気接続(例えば抵抗溶接)されてなる。
【0016】
電極体6は公知の巻回体としての構成を持ち、帯状の正極板、負極板(不図示)をセパレータ61を介して巻回し、これを側面から押し潰し、外装缶10に収納される。このとき当該電極体6には、別途、所定の電解液が注液・含浸されることで、発電要素として形成される。
尚、図1(b)では説明上、電極端子3、4のサイズをこれ以外の構成要素よりも大きく図示しているが、電池のエネルギー密度を維持するため、実際には電池サイズに対して許容可能な範囲で小さく形成されている。また、図示の容易化のためナット5、封口体2、外装缶10のみを断面構造で示している。
【0017】
封口体2に配される電極端子3、4は、図1(c)に示すように、一定の長さを持つボルト部30、40、当該ボルト部30、40を支える円柱状の根元部31、41、及び立方体状の基部32、42とで構成される。電極端子3、4のボルト部30、40は、封口体2に対して、気密性確保のためのパッキン21を介して挿通される。当図では電極端子4の構成について示しているが、電極端子3も同様の構成を持つ。
【0018】
特殊ナット5は図1(a)に示すように奇数多角形の外形(ここでは五角形)を持つナットであって、専用スパナ・レンチ等を利用して装着され、誤ってユーザが外してしまわないように通常のスパナ等では脱離出来ない構成となっている。このような特殊ナットは、高出力を有する電池に応用することで、ユーザに対し高い安全性を確保できるため有効である。
【0019】
電池1のサイズ例としては、幅65mm、高さ85mm、厚み18mmとすることができる。尚、この電池サイズは当然ながら一例であり、電池の用途等によって求められる出力や容量に合わせて、適宜設計変更することができるのは言うまでもない。
当該電池1の全体的な製造工程としては、まず前記電極体6を作製した後、正負各電極板に対しタブ62、63を延出させて配設する。
【0020】
その後、電極体6を側面より所定の厚みになるまで押し潰し、外装缶10に収納するとともに電解液を注液する。そして、前記タブ62、63に電極端子の基部32、42を抵抗溶接し、封口体2を外装缶開口部11に嵌着し、レーザ封口を行う。
続いて、電極端子のボルト部30、40を特殊ナット5で固定することで、二次電池が完成される。
【0021】
ここで電極端子3、4には、本発明の特徴として、各ボルト部30、40先端に矩形状の外縁形状を持つ供回り防止工具用の嵌合孔402が形成されている。また、当該嵌合孔402の内部には、当該嵌合孔402よりボルト部軸方向に沿って基部32、42まで貫通するように、流通経路401が形成されている。
さらに流通経路401の基部42側末端には、金属薄片を貼着してなる安全弁43が配設され、電池内圧異常時にはこれを破って、内部ガスを流通経路401を介して外気に解放できる構成となっている。
【0022】
以下、この電極端子3、4について詳細を説明する。
<電極端子の効果について>
図2は電極端子4に特殊ナット5を螺合する工程を説明するための模式的な組図である。ここでは説明のため封口体2の図示を省略しているが、実際にはボルト部4を封口体2に挿通させた状態でレーザ封口を行い、その後に行う工程となる。また電極端子4の構成について図示するが、電極端子3もほぼ同様の構造を持つ。
【0023】
上記構成を持つ本発明のボルト式端子付き密閉型二次電池の製造工程では、作業者はまず当図中一点鎖線に沿って、ボルト部40に特殊ナット5を軽く螺合させる。
その後操作業者は、ボルト部40の嵌合孔402に対し、供回り防止固定具Qの嵌合部1Qを差し込み、グリップ部2Qをホールドする。これにより作業者は、電極端子4の基部42を特に固定しなくても、グリップ部2Qを支点とすることでナット5を締め込むことが可能である。
【0024】
すなわち従来は、基部が封口体とともに電池内部に収納された後に、ボルト部を指で摘みながらナットを締め付ける工程を行うことが一般的であったが、この場合作業者は細いボルト部を扱うために、ボルト部の供回りをうまく抑えながらナットの確実な締め付けを行うことが困難であるほか、これを連続的に行う作業効率も低いという問題があった。
これに対し本発明では、径の細いボルト部であっても嵌合孔402に固定具Qの嵌合部1Qを嵌合させれば、後は固定具Qのグリップ部2Qを握るだけでボルト部の供回りを確実に防止でき、良好にナット5を螺合できるといった効果が奏される。このような効果は、本実施の形態1のように、比較的小型のボルト式端子付き密閉型二次電池の製造工程や、実施の形態2のように当該小型のボルト式端子付き密閉型二次電池を複数にわたり連結する製造工程がある場合に特に有効である。
【0025】
なお、供回り防止固定具の構成は図2のQに限らず、例えばホールドしやすいドライバーのグリップを備える本体部に自由に脱着できるビットとして構成してもよい。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2である組電池について説明する。当該組電池は、本発明の二次電池を複数個にわたり素電池(セル)として用いるものである。ここでは実施の形態1に挙げた密閉型二次電池1を1A、1Bとして利用した構成例について説明する。
【0026】
まず図3は、組電池を構成する素電池1A、1B同士を連結するためのリード板(バスバー)の構成例7A〜7Eを示す。
バスバー7A〜7Eは、短冊状本体部70に対し、その長手方向両端に係止部71或いは73を設け、これに所定の絶縁部材72をコートした構成を持つ。
本体部70、係止部71、73は、具体的には導電性に優れる金属板(例えばニッケルメッキしたステンレス板)を一体的に打ち抜き加工してなる。
【0027】
図3(a)〜(E)では、円形嵌合孔である係止部71、或いは鉤型の係止部73の何れかを備えるバスバー7A〜7Eの構成について図示している。
なおこのうちバスバー7Eのように、本体部70には凸部74を設け、これに組電池の温度管理をなすためのサーミスタ素子等を熱結合させて配設させたり、電圧検知用の端子として利用することも可能である(図3(E))。
【0028】
図4は、実施の形態2における組電池の構成例を示すものであって、図4(a)では上面図、図4(b)では側面図をそれぞれ示す。図4では電池の外装缶長手方向に沿って直列に接続した構成例としている。
当図に示される組電池は、素電池1A、1Bを互いにバスバー7Aで連結した構成を持つ。すなわち、素電池1Aの負極端子4及び素電池1Bの正極端子3が互いにバスバー7Aにより接続されている。ここで実際には、当該バスバー7Aの上からさらに特殊ナット5を締め込むことで二段重ね構造とし、図5に示すようにバスバー7Aがはずれないように固定される。このような固定は、当該組電池に振動が加わっても連結が脱離するのを防止できる点で有効である。
【0029】
以上の構成を持つ実施の形態2の組電池によれば、各素電池1A、1Bはバスバー7Aを挟んで二段重ねに締め付けられた特殊ナット5によって、各電極端子3、4で強固に連結されるので、優れた構成の組電池が形成される。
また、本発明では電極端子3、4をボルト構造としているので、素電池1A、1B同士の連結が容易になり、状況に合わせて柔軟に連結構造を変更させることもできる。
【0030】
さらに、特殊ナット5でバスバー7Aを固定する構造のため、スポット溶接で連結する場合に比べて接触面の抵抗が安定し、組電池の外部接続抵抗を抑制することもできる。
また、当該組電池の製造工程においては、各電極端子3、4に供回り防止工具Qを挿通させることで迅速に特殊ナット5の締め込みを行うことができるので、たとえ用いられる素電池の個数が多くても、比較的スピーディーに組電池を完成させられる効果も期待できる。
【0031】
次に図6は、別のバスバーの構成(7F)及び電極端子の構成(3X)をそれぞれ示す。
図6(a)に示すバスバー7Fは、一方の係止部としてDカット型嵌合孔75を備えており、これに対応するように図6(b)に示す正極電極端子3Xには、前記Dカット型嵌合孔75と対応するDカット部301が形成された構成となっている。なお、負極端子は前記4と同様の構成であり、これによって電極端子3X、4の構成は互いに外観形状が異なる。
【0032】
以上の構成を持つ実施の形態3の組電池によれば、正極の電極端子3XのみにDカット部301を設けているため、図7のように素電池の外観から電極端子3X、4の各位置がそれぞれ明確且つ容易に区別できる。このため、作業者がバスバー7Fを連結する際に電極端子3X、4の極性を誤認し、誤って連結されるのが効果的に防止され、迅速且つ正確に組電池を完成できる効果も奏される。
【0033】
<その他の実施形態>
(組電池のバリエーション)
上記実施の形態では、素電池1A、1Bを外装缶主面に沿って連結する構成例について説明したが、素電池1A、1Bの連結の方向は勿論これに限定されず、例えば図8(a)に示すように厚み方向に積層させた直列接続、或るいは図8(b)に示すように並列接続とすることも可能であることは言うまでもない。
【0034】
尚、ここで組電池は説明上、2個の素電池1A、1Bを接続した構成としているが、当然ながらこれ以上の個数の素電池を接続しても構わない。
(ネジ電極端子のバリエーション)
さらに実施の形態1では、電極端子4の構成例として、流通経路401と連通する基部42の下表面に金属薄片からなる安全弁43を設ける例について開示したが、当該安全弁の構成としては、図9(a)に示すように、ボルト部401の先端に対し、本体部430XにOリング431Xを配してなるキャップ状安全弁43Xを嵌着させた構成としてもよい。ここでOリング431Xは、流通経路401が一定の内圧に達した場合に安全弁43Xが外部へ脱離する程度の密着性及び堅さで設定される。
【0035】
このような構成によれば、安全弁43Xは封口体2のレーザ封口を行った後に取り付けることができるので、流通経路401を介して当該レーザ封口後に電池内部に電解液を注液でき、柔軟な製造工程の設定を考慮できるといった効果も奏される。すなわち、この場合嵌合孔402は、注液孔としての機能も兼用できるメリットがあり、封口体2上に別途注液孔を設けなくてもよいので、電池の小型化・スリム化の要請に非常に合わせた構成とすることができる。
【0036】
一方、流通経路401を専ら電解液の注液手段として用い、安全弁としての機能は不要である場合には、図9(b)のように、ボルト部40の先端に封止板43Yを載置し、これを抵抗溶接等で固着するようにしてもよい。
また、流通経路401の配設自体が不要である場合は、嵌合部402のみを設けるようにしてもよい。
【0037】
(特殊ナットのバリエーション)
さらに、本発明に適用できる特殊ナットは五角形のナット5に限定するものではなく、図9(c)(d)にそれぞれ示すように、七角形ナット5X、三角形ナット5Yの他、各種奇数多角形ナットを用いることができる。さらに、奇数多角形ナットに限らす、閉曲線状の輪郭形状を有する特殊ナットを使用することも可能である。
【0038】
さらに、正負両極端子のそれぞれに適用する特殊ナットの形状を互いに異なるようにすることもできる。
<その他の事項>
上記各実施の形態では、電池の封口体2上に正負両極の電極端子3、4が配設された構成について開示したが、本発明はこれに限定するものではなく、本発明の電極端子3、4は封口体2、外装缶10のいずれに設けられていてもよい。また、一方の極性にのみ設けるようにしてもよい。
【0039】
また、電池形状も角形に限定されず、円筒型等、他の形式としても同様の効果が奏されるのは言うまでもない。
また、供回り防止固定具に対する嵌合孔402の形状は、矩形状に限らず、当該固定具の先端部に合わせた所定の形状(例えば多角形型、星形等)とすることができる。さらに嵌合孔を設ける構成は必須ではなく、例えばボルト先端部の外観を矩形状とした嵌合部を設け、当該嵌合部を供回り防止固定具が嵌合する構成としてもよい。
【0040】
また、嵌合部はボルト部の30、40の側面に設けることもできる。この場合、例えば小さい穿孔部として形成し、これに細いレンチを前記固定具として差し込むことができる。
さらに、正負電極端子3、4を区別する方法としては、互いの電極端子3、4が形状、サイズ、着色のいずれかの特性で異なるような処理が施されていればよい。
【0041】
また組電池においては、バスバーは必須要素ではなく、導電性ケーブル、プリント配線基盤等、各種連結手段を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のボルト式端子付き密閉型二次電池及び組電池は、電池としては例えば小型電子機器用電源として利用でき、組電池としては例えば携帯電話基地局用バックアップ電源、或いは電動アシスト自転車、電動工具等の電源として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施の形態1に係るボルト式端子付き密閉型二次電池の構成を示す図である。
【図2】ボルト式端子の構成を示す図である。
【図3】バスバーの構成を示す図である。
【図4】本発明の組電池の構成を示す図である。
【図5】本発明の組電池の構成を示す図である。
【図6】バスバー及びボルト式端子の構成を示す図である。
【図7】本発明の組電池の構成を示す図である。
【図8】電池の連結方式を示す図である。
【図9】電極端子及び特殊ナットのバリエーションを示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 密閉型二次電池
2 封口体
3、3X ボルト式端子(正極端子)
4 ボルト式端子(負極端子)
5、5X、5Y 特殊ナット
7A〜7E バスバー
30、40 ボルト部
31、41 根元部
32、42 基部
43X、43Y 安全弁
70 本体部
71 円形係止部
72 絶縁部材
73 鉤型係止部
74 凸部
75 Dカット型嵌合孔
301X Dカット部
402 嵌合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体又はこれに装着される封口板に対し、ボルト部が露出するようにボルト式端子が奇数多角形状の特殊ナットで固定されてなる密閉型二次電池であって、
前記ボルト式端子のボルト部には、前記特殊ナットの脱着に際して供回り防止固定具が嵌合される嵌合部が設けられている
ことを特徴とするボルト式端子付き密閉型二次電池。
【請求項2】
前記嵌合部は前記ボルト部に設けられた嵌合孔であり、さらに当該嵌合孔から前記筐体内部と連通する経路が形成され、
当該経路の一部領域には前記連通を遮断するための閉塞手段若しくは安全弁が挿設されている
ことを特徴とする請求項1に記載のボルト式端子付き密閉型二次電池。
【請求項3】
前記ボルト式端子は正負両極端子としてそれぞれ備えられ、
当該正負両極の各電極端子は、形状、サイズ、色のいずれかが互いに異なる構成である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のボルト式端子付き密閉型二次電池。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のボルト式端子付き密閉型二次電池を複数個備え、互いの前記ボルト式端子を連結手段で連結してなることを特徴とする組電池。

【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−188787(P2007−188787A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6541(P2006−6541)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】