説明

ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体

診断および治療用薬剤を提供するために、一般式(I):[A−(B)nx−C {式中、Aは少なくとも1つの放射性核種金属を含む金属キレート剤、BはCのN末端に結合したスペーサ、または共有結合、Cは請求項に記載の配列を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト、であって、さらに、xは1から3の整数、nは1から6の整数である}を有する、ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用または診断用イメージングに用いる放射性医薬品、それらの製造および使用に関し、ここで、治療用または診断用イメージングに用いる放射性医薬品とは、ボンベシン受容体、特にガストリン放出ペプチド(GRP)受容体、に対し親和性を有する結合モイエティとして定義され、該受容体に結合することができるものである。上記結合モイエティは、アルファ−、ベータ−、ガンマ−、および陽電子を放出するアイソトープのための金属錯化グループに分類される。上記使用には腫瘍性疾患の治療が含まれ、該治療には、患者にボンベシン受容体、特に腫瘍細胞上で過剰発現したガストリン放出ペプチド(GRP)受容体に結合することのできるモイエティに結合したキレート基とキレートを形成する金属を有する放射性医薬品の治療有効量を投与するステップが含まれる。上記使用には腫瘍性疾患患者の診断やイメージングが含まれ、ボンベシン受容体、特に腫瘍細胞上で過剰発現したガストリン放出ペプチド(GRP)受容体に結合することのできるモイエティに結合したキレート基とキレートを形成する金属を有する診断/イメージング用放射性医薬品の使用を含む。上記方法は、ボンベシン受容体、特に腫瘍細胞上で過剰発現したガストリン放出ペプチド(GRP)受容体に結合することのできるモイエティと共有結合で結ばれた金属キレート基からなる前駆体化合物から、治療用または診断用化合物を製造することから構成される。
【背景技術】
【0002】
診断薬として有効に使用される放射性医薬トレーサの設計においては、薬物が、生体内標的的な薬物速度論的特性を有することが不可欠である。Fritzbergら(1992, J. Nucl. Med., 33:394)は、放射性核種の化学や関連する結合を考えた場合、生体分子担体のアタッチメントや化学修飾のラベリングを最適化する必要性が大きくなる、と更に述べている。よって、放射性核種の種類、生体分子の種類、およびそれらを互い結合する方法は、放射性トレーサの特性に大きな影響を与えるだろう。
【0003】
ペプチドは、神経伝達物質、ホルモン、抗生物質などによる活動を含む多くの生理学的過程で、重要な役割をはたす生体分子である。神経科学、免疫学、薬理学、および細胞生物学などの分野において、ペプチドの重要性が示されている。ペプチドの中には化学伝達物質として機能することができるものがある。これらは標的細胞表面の受容体に結合し、リガンドの生物学的効果が標的組織に伝達される。よって、リガンドの特異的受容体結合特性は、該リガンドを放射性核種で標識することで有効に利用することができる。理論的には、受容体に対するリガンドの親和性が高いと、受容体発現組織中での放射性標識リガンドの保持が容易になる。しかしながら、どういったペプチドが効果的に標識されるか、どういった条件下で標識化されるかはまだ研究途上である。化学反応の途中でリガンドペプチドの受容体特異性が変化する場合があることはよく知られている。従って、最適なペプチド構造体を明らかにする必要がある。
【0004】
腫瘍は、ペプチドが特異的に結合する種々の受容体タイプを過剰に発現する。Boermanらによる出版物、Seminar in Nuclear Medicine, 2000, 30(3), 195); Reubiら, J. Nucl. Med., 2005, 46, (suppl) 67S; Reubi, J.C., Endocrine Reviews, 2003, 24(4), 389、は、ソマトスタチン、血管作動性腸管ペプチド (VIP)、ガストリン放出ペプチド(GRP)受容体に結合したボンベシン、ガストリン、コレシストキニン(CCK)、およびカルシトニンなど、新生物中の細胞表面受容体に特異的に結合するペプチドの限定的なリストを提供している。
【0005】
金属標識受容体特異性ペプチドの、シンチグラフィーイメージングおよび放射線治療における潜在的な可能性は、例えば、111In-DTPA 複合オクトレオチド、すなわちFDAが承認し、米国のCovidienが販売している診断用造影剤Octreoscan(登録商標)などのソマトスタチンアナログで例示される(Lowbertzら, Seminars in Oncology, 1994, 1、および Reubiら, J. Nucl. Med., 2005, 46, 67S−75S およびそれぞれの参考文献)。Octreotideおよびそのアナログは、いくつかの造影用金属アイソトープ(99mTc、111In、68Ga)および治療用金属アイソトープ(105Rh、186/188Re、153Sm、90Y、166Ho、177Lu)に共有結合している。上記金属標識複合体は受容体に結合し、受容体に結合することでその構造体は受容体に内在化され、金属標識受容体特異性ペプチドまたはその代謝物は標的細胞中にトラップされる。
【0006】
前述の原理は更に、GRP受容体親和性ペプチド(ペプチドが受容体に対し強い親和性を有している)に対して拡張され、金属複合ボンベシンアゴニストがシンチグラフィーイメージングおよび放射線治療に使用される。(Smithら, Anticancer Res, 23 (2003), 63−70; Baidooら, Bioconjug. Chem., 9 (1998), 218−225; GaIiら, Bioconjug. Chem., 12 (2001), 354−363; Smithら, Bioconjug. Chem., 14 (2003), 93−102, Cancer Res., 63 (2003), 4082−4088; Rogersら, In, M. Nicolini and U. Mazzi, Editors, Technetium, rhenium and other metals in chemistry and nuclear medicine, SGE Editoriali, Italy (1999), 519−525; Zhangら, Cancer Res., 64 (2004), 6707−6715; Lantryら, EANM, Helsinki (Finland) (2004); Linderら, J. Nucl. Med., 45, (2004) (5), 169P [abstract 482]. Chenら, J. Nucl. Med., 45 (2004), 1390−1397; Johnsonら, Cancer Biother Radiopharm. 2006, 21(2), 155−66, Smithら, Nucl. Med. Biol, 2005, 32 733−40).
【0007】
Chenら(Appl. Radiat. Isot, 2007, (In Press))、Waserら(Eur. J. Nucl Med. MoI. Imaging. 2007 34, 95−100)、およびLantryら(J. Nucl. Med., 2006, 47, 1144−52) の文献には、ボンベシンアゴニスト、−NH−CH2−CO−[4−アミノベンゾイル]−QWAVGHLM−NH2))(X177LU−AMBA)にカップリングした177Lu−DOTA、のイメージングおよび放射線治療が記載されている。
【0008】
いくつかの特許および特許出願が、金属標識されたボンベシンアゴニストに言及している。Volkertら(US 2007/0065362 A)は、金属標識モイエティ(Metal labeling moiety)−スペーサグループ−ボンベシンアゴニスト、の一般構造を有する金属標識ボンベシンアゴニストをクレームしている。同じ発明者による特許および特許出願には、他にUS 6,921,526 B (2005)、 US 7,060,247 B、US 7,147,838 B (2006)、およびWO 2002/087631 A1がある。
【0009】
(技術水準)
上記公報すべてにおいて、放射性医薬品としてアゴニストを選択する際の基本原理は、それらが相互作用によってGRP受容体による応答を生成する、または引き出すことであって、放射性医薬品はその後にエンドサイトーシスによって細胞に内在化される。GRPアンタゴニストはアゴニストの効果を中和し、細胞中に取り込まれることはない。従って、アンタゴニストは放射線シンチグラフィーイメージングや放射線治療の目的にはあまり適していないだろう。これでのところ、放射性リガンド内在化特性が良好な化合物を開発し、体内における最適な視覚化および放射性核種治療に必要だと思われる、腫瘍中での放射性リガンドの高い体内蓄積を実現することにコンセンサスが得られている。分子薬理学の研究からは、効果的な内在化は主にアゴニストによってもたらされることはよく知られており(Bodeiら, J. Nucl. Med., 2006;47, 375−377; Koenigら, Trends Pharmacol. Sci., 1997;18, 276−287, Cescatoら, J. Nucl. Med., 2006;47, 502−511. Ginjら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2006; 103, 16436−16441) 、また最近、ソマトスタチン受容体のケースで、高親和性金属標識ソマトスタチン受容体アンタゴニストは腫瘍細胞への内在化が小さく、動物腫瘍モデル中で多量に内在化される対応アゴニストと比較して、腫瘍への生体内取込みに関して、同等以上の働きをすることが実証された。GRP受容体は、前立腺癌および転移癌、乳癌および転移癌、消化管間質腫瘍s、小細胞肺癌、腎細胞癌, 膵内分泌腫瘍、頭頸部扁平上皮癌、神経芽細胞腫および食道扁平上皮癌など、いくつかの新生物中で過剰発現する(Cornelioら, Ann. Onco., 2007, 18, 1457−1466および参考文献)。GRP受容体はまた、ヒト卵巣、子宮内膜、および膵臓癌の、腫瘍関連血管内でも発現する。従って、イメージングおよび放射線治療用に、アンタゴニスト性を有する強力な放射性医薬品を設計することが強く望まれる。
【0010】
Jensenら(Pharma. Reviews, 2008 (in Press))は、最近、GRP受容体がサブタイプ2に属する、3つの異なるボンベシン受容体サブタイプの受容体薬理についてレビューを行っている。
【0011】
最近の文献では、Cescatoら(J. Nucl. Med., 2008, 49, 318−26)が、99mTc−N4−標識ボンベシンアンタゴニストが、腫瘍標的用アゴニストよりむしろ好まれるかもしれないことを示している。
【0012】
WO 2007/109475 A2, WO 2007/095443 A2, US 2008/0008649 A1およびUS 7,226,577 B2には、後に示す一般スキームと共に、GRP受容体標的化合物分野の初期の発明が、金属キレート−リンカー−ボンベシンと共に記載されている。
【0013】
金属−キレート剤−リンカー−ボンベシンアナログ
【0014】
WO 2007/095443 A2によれば、特定のシーケンス177Lu−DOTA−Gly−4−アミノベンゾイル−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH2を有する。
L70サンプルはアゴニストとして作用しており、1時間および24時間での取込みが観測された。上記取込みは治療目的にとっては最適なものではなく、改良する必要がある。
【0015】
これらの特許および出願のほかに、出版物として、臨床前および臨床研究がある(Waserら, Eur. J. Nucl. Medicine, 2007, 34, 95−100; J. Nucl. Med., 2006, 47, 1144−52)。
【0016】
異なる部位にあるGRP受容体を高い親和性で標的とするアンタゴニストの選択に基づき、本発明では、非標的臓器に関しての少ない取込みと速やかな除去と組合せたスペーサ戦略の組合せによって、意外にも、高く持続性のある腫瘍取込みが実現されることを示す。比較研究では、類似のリンカーを用いた時、腫瘍中での優れて大きな取込み(> 2 X)が観察された。ボンベシンアナログのアンタゴニスト性を評価する生体内アッセイから開始し、以下のことが分かった;すなわち、スペーサ、キレート剤、および金属を加えた後であっても、これら拮抗の効果は維持され、腫瘍−バックグラウンド比の優れた生体内挙動に変換される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の目的は、高い取込みおよび高い生体内安定性(ヒト血清および組織)を示す、新たなボンベシンペプチドアンタゴニスト複合体を提供することである。
【0018】
一の態様では、本発明は、細胞内在化を誘発することなく、かつ、これら2つの系で、アゴニストに誘導された効果に拮抗する間にカルシウム動員を通じてシグナルを発することなく、ボンベシン受容体、特にGRP受容体に選択的に結合するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体に関し、該ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体は一般式(I):
(I) [A−(B)nx−C
{式中、
xは1から3の整数、
nは1から6の整数、
Aは、
少なくとも1つの放射性核種金属、
好ましくは、診断または治療用途に適したもの、
さらに好ましくは、イメージングまたは放射線治療用のもの、
を含む金属キレート、
BはCのN−末端に結合したスペーサまたは共有結合、
Cは、以下の配列C−1からC−4:
C−1:Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa313−Xaa414−ZH
[当該配列において、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化1】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa3はスタチン、スタチンアナログおよび異性体、4−Am、5−MeHpA、4−Am、5−MeHxAまたはα−置換アミノ酸、
Xaa4はLeu、Cpa、Cba、CpnA、Cha、t−buGly、tBuAla、Met、NIe、またはiso−Bu−Gly、および
ZはNHまたはOである]
C−2: Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
[当該配列において、
LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
【化2】

であり、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化3】

(式中、Kは、F、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2は、Glyまたはβ−Alaである];
C−3: Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa513−Xaa614−ZH、
[当該配列において、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化4】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa5はLeuΨ−CH2NH−、
Xaa6はCys、Phe、Trp、Tpi、またはTac、
ここで、TpiおよびTacは以下の:
【化5】

を表し、そして、
ZはNH、またはOである];
C−4: Xaa16−Gln7−Tip8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa7
[当該配列において、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化6】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa7はLeu−O−アルキル、またはLeu−NH−アルキルである]
で表されるボンベシンアナログペプチドアンタゴニストある}
を有する。
【0019】
本発明は、更に、これらボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の、薬学的に許容される無機または有機酸塩、および、一般式(I)を有するこれらの化合物の無水物、錯体、エステル、アミド、溶媒和物、およびプロドラッグに言及する。
【0020】
説明A(金属キレート剤):
本発明の好ましい実施態様では、金属キレート剤(A)は、3価金属または5価金属用の金属キレート剤、およびそれらの近縁アナログ(close analog)である。
【0021】
好ましくは、3価金属用の金属キレート剤(A)は、DOTA−、NODASA−、NODAGA−、NOTA−、DTPA−、EDTA−、TETA−、およびTRITA−ベースのキレート剤およびそれらの近縁アナログからなる集合から選択され、ここで、DOTAは1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’テトラ酢酸,
DTPAはジエチレントリアミン5酢酸、
EDTAはエチレンジアミン−N,N’−テトラ酢酸、
TETAは1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン−1,4,8,11−テトラ酢酸、および
NOTAは1,4,7−トリアザシクロノナントリ酢酸、
を表わす。
【0022】
さらに好ましくは、3価金属用の金属キレート剤(A)は、DOTA−、NOTA−、DTPA−、およびTETA−ベースのキレート剤およびそれらの近縁アナログの集合から選択される。
【0023】
これらキレートリガンド構造の、完全な脱プロトン化体は下記のとおりである。
【化7】

【0024】
さらに好ましくは、3価金属用の金属キレート剤(A)は、DTPA(ジエチレントリアミン5酢酸)および、DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’テトラ酢酸)のようなポリアザ−ポリカルボキシレート大員環およびそれらの近縁アナログの集合から選択される。
【0025】
好ましくは、5価金属用の金属キレート剤(A)は、
2−ヒドラジノニコチンアミド (HYNIC)、
4−キレート剤、
4−X (N4は線状またはマクロサイクリックであってよく、Xはアジドアミン、OH、ハロゲン、o−、m−、p−アミノベンジルメタパラカルボキシベンジル、およびカルボキシであってよい(Nock, B.ら(2003[99mTc]デモベシン1, GRP受容体標的腫瘍イメージング用の新規なボンベシンアナログ。Eur. I. Nucl. MoI. Imaging, 30, 247−258)))、
デスフェリオキサミン(DFO)、およびNr(4-r)キレート剤、そして
【化8】

{式中、
1−R15は互いに独立して水素原子または(C1−C4)アルキル基、
上記式の
【化9】

部分においてtは1または2または3であり、そして当該部分:
【化10】

において少なくとも1の炭素原子はYで置換されているか又は置換されておらず、
16は水素原子またはCO2(C1−C4)アルキル基;
17およびR18は互いに独立して(C1−C4)アルキル基またはフェニル基;
19はCH2−COOHまたはその官能性誘導体;
Eは(C1−C4)アルキレン、またはフェニレンであり;
場合により(C1−C4)アルキレンは、CO2−アルキル、CH2−COアルキル、CONH2、またはCONHCH2−CO2−アルキルで置換され;
場合によりフェニレンは、CO2−アルキルで置換され、式中、アルキル基は炭素原子を1から4有し;
GはNHまたはS;
Yはペプチド(N末端)のフリーのアミノ基、またはスペーサと結合することのできる官能基;および
Z' はSまたはOである}
を含むグループから選択される。
【0026】
4−キレート剤は、好ましくは、
【化11】

{式中、mは1から4の整数を意味する}である。
【0027】
r(4-r)キレート剤は、rが1から4の整数のものとして定義される。
【0028】
上記官能基Yは、好ましくは、イソシアナート、イソチオシアナート、ホルミル、ハロニトロフェニル、ジアゾニウム、エポキシ、トリクロロ−s−トリアジニル、エチレンイミノ、クロロスルホニル、アルコキシカルブ−イミドイル(alkoxycarb-imidoyl)、(置換または非置換)アルキルカルボニルオキシカルボニル、アルキルカルボニルイミダゾリル、スクシンイミド−オキシカルボニルを含み、該基は(C1−C10)炭化水素ビラジカルに結合している。炭化水素ビラジカルの適切な例としては、ベンゼン、(C1−C6)アルカン、(C2−C6)アルケンおよび(C1−C4)−アルキルベンゼン、およびそれらの近縁アナログから誘導されるビラジカルがある。
【0029】
好ましくは、Nr(4-r)キレート剤は、テクネチウム放射性核種用ビスアミノビスチオール(BAT)ベースのキレート剤、テクネチウム放射性核種用メルカプト−アセチル−グリシル−グリシル−グリシン(MAG3)、およびそれらの近縁アナログ、からなるグループから選択される。
【0030】
より好ましくは、5価金属用の金属キレート剤(A)は、下記式
【化12】

{式中、R1−R19、Z’、Y、Gおよびtは上で定義した通りである}
およびそれらの近縁アナログを含む群から選択される。
好ましくは、rは2から4の整数であり、より好ましくはrは2または3である。
好ましくは、mは1から2の整数を意味し、より好ましくは、mは1である。
【0031】
よく知られた金属キレートである、線形、マクロサイクリック、テトラピリジン、およびN3S, N22またはN4キレート剤等は、US 5,367,080 A, US 5,364,613 A, US 5,021,556 A, US 5,075,099 A, US 5,886,142 Aに開示されており、該開示は参照によってその全体が本明細書内に組込まれる。
【0032】
よく知られた金属キレートである、HYNIC、DTPA、EDTA、DOTA、TETA、ビスアミノビスチオール(BAT)ベースのキレート剤等は、US 5,720,934 Aに開示されており、該開示は参照によってその全体が本明細書内に組込まれる。
【0033】
よく知られた金属キレート剤であるデスフェリオキサミン(DFO)は、Douliasら(2003) Endosomal and lysosomal effects of desferoxamine: protection of HeLa cells from hydrogen peroxide−induced DNA damage and induction of cell−cycle arrest. Free Radic. Biol. Med., Vol. 35, Issue 7:719−28.に開示されている。
【0034】
多岐にわたるキレート化剤が利用可能であり、Banerjeeら(Nucl. Med. and Biology, 2005, 32, 1−20および参考文献)によってレビューされており、参照によって本明細書内に組込まれる。
【0035】
2−ヒドラジノニコチンアミド(HYNIC)は別のクラスのキレート化剤(A)であって、共リガンド(coligand)の存在下、99mTcおよび186,188Reの取込みに広く使用されている(Schwartzら, Bioconj. Chem., 1991, 2, 333−6; Babichら, J. Nucl. Med., 1993, 34, 1964−70; Nucl. Med. Biol., 1995, 22, 25−30; Nucl. Med. Biol., 1995, 22, pp. 32, pp. 1−10)。
【0036】
DTPAはOctreoscan(登録商標)(Covidianが販売)中で、111Inを錯化するために使用されており、文献には様々な改良が記載されている(Brechbielら, Biocon. Chem., 1991, 2, 187−194; Liら, Nucl. Med. Biol, 2001, 28, 145−154)。
【0037】
放射線治療用のDOTAタイプのキレートは、Tweedleらによって、US Pat 48885363に記載されている。3価アイソトープ金属をキレート化する他のポリアザマクロサイクルは、Maeckeら, Bioconj. Chem., 2002, 13, 530、に記載され、参照によって本明細書内に組込まれる。
【0038】
4−キレート化剤、99mTc−N4−キレート化剤はCCK−2受容体を標的としたミニガストリン(minigastrin)のケースにおいてペプチド標識に使用されている(Nockら, J. Nucl Med., 2005, 46, 1727−36)。
【0039】
本発明の好ましい態様では、金属キレート剤と錯化させイメージング用放射性金属キレート剤とするのに、放射性核種金属が適している。好ましくは、放射性核種金属は、133mIn、99mTc、67Ga、52Fe、68Ga、72As、111In、97Ru、203Pb、62Cu、64Cu、51Cr、52mMn、157Gd、123I、124I、131I、75Br、76Br、77Br、64Cuおよび82Brを含むグループから選択される。より好ましくは、放射性核種金属は99mTc、67Ga、68Ga、111In、および123Iを含むグループから選択される。更に好ましくは、放射性核種金属は68Gaである。更に好ましくは、放射性核種金属は99mTcである。
【0040】
本発明の好ましい態様では、金属キレート剤と錯化させ、放射線治療用放射性金属キレート剤とするのにするのには、放射性核種金属が適している。好ましくは、放射性核種金属は、168Re、90Y、67Cu、68Ga、69Er、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、198Au、199Au、161Tb、109Pd、188Rd、186Re、188Re、77As、166Dy、166Ho、149Pm、151Pm、153Sm、159Gd、172Tm、90Y、111In、169Yb、175Yb、177Lu、105Rh、111Ag、125I、123I、213Bi、225Ac、1291、64Cuおよび177mSnを含むグループから選択される。より好ましくは、放射性核種金属は186Re、188Re、90Y、153Sm、68Ga、および177Luを含むグループから選択される。
【0041】
第一の態様の更なる代替では、適切な放射性核種金属は放射性ハロゲン(ヨウ素および臭素アイソトープ)であり、該放射性ハロゲンは直接ペプチドに、ペプチド内のTyrやTrpモイエティなどへの化学反応によって結合する。または、任意に、AがTyrまたはTrpであってよい。
【0042】
好ましい放射線診断薬(67Ga、111In)および放射線治療薬(90Y、153Sm、177Lu)は、任意に、ランタニドとして知られる元素のクラスからのキレート化した+3金属イオンを含む。このクラスの典型的な放射性金属としては、アイソトープである90イットリウム、111インジウム、 149プロメシウム、153サマリウム、166ジスプロシウム、166ホルミウム、175イッテルビウム、および177ルテチウムがある。これら金属(およびランタニド系列中の他のもの)はすべて、+3酸化状態となり、硬い(酸素/窒素)ドナー原子を有するリガンドにキレートしやすいといった点で非常に類似した化学的性質を有している。
【0043】
B(スペーサ)の説明
BはCのN末端に結合したスペーサまたは共有結合である。
【0044】
本発明の好ましい態様では、Bは下記式(II)の化合物であって、
II B1−B2
{式中、
1は共有結合、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、線状ジアミン、またはサイクリックジアミンであり、
2は共有結合、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、線状ジアミン、またはサイクリックカルボン酸であり、
ただし、B1とB2が同時に共有結合であることはなく、かつB1がジアミンの時はB2はカルボン酸(すなわち、このケースでは、B2は結合であることはできず、または天然若しくは非天然のアミノ酸であることもできない)である}である。
【0045】
好ましくは、非天然アミノ酸は式(III)、(IV),(V)または(VI)いずれか1つを有する化合物であり、ここで式(III)は、以下の:
【化13】

{式中、
aは0から3の整数、
bは0から3の整数、そして
相対的な置換パターンは、任意に1,2−、1,3−、または1,4−であり、
好ましくは、aは0または1、
bは0または1である}
であり;
式(IV)は、以下の:
【化14】

{式中、
cは1から24の整数、
dは1から6の整数であり、
好ましくは、cは1から15の整数、より好ましくは、cは1から8、
dは1から3の整数、より好ましくは、dは1である}
であり;
式(V)は、以下の:
【化15】

{式中、
E’はNH、またはCH2
fは0から6の整数、
gは0から6の整数、
E’がCH2の時、6員環は任意に、任意の6員環炭素位置において、環の同じ炭素上で、または異なった炭素上で置換され、
E’がNHの時、6員環は任意に、任意の6員環炭素位置において、環の同じ炭素原子上で、または異なった炭素原子上で、および/または窒素原子上で、置換され、
ただしここで、fまたはgは1以上の整数である。
好ましくは、E’はNH,
fは0から3の整数、
gは0から3の整数である}
であり;
式(VI)は、以下の:
【化16】

{式中、
iは1から6の整数、
jは1から6の整数、
PはOまたはH2であり、
好ましくは、iは1から3の整数、
jは1から3の整数、
PはOである}
である。
【0046】
より好ましくは、スペーサは、4−アミノ−l−カルボキシメチルピペリジン、(R,S)−ジアミノ酢酸、PEG1-24、Sar5-10、8−アミノオクタン酸、6−アミノカプロン酸、4−(2アミノエチル)−l−カルボキシメチルピペラジン、ジアミノ酪酸、馬尿酸、4−アミノ−l−Boc−ピペリジン−4−カルボン酸、Gly−アミノ安息香酸、5−アミノ−3−オキサ−ペンチル−こはくアミド酸、Peg1-24−4−アミノ−l−カルボキシメチルピペリジン、Dab(シキミ酸)、(D−Gln)x、(D−Asn)xを含むグループから選択される。
【0047】
C(ボンベシンアナログペプチドアンタゴニストシーケンス)の説明
本発明の好ましい実施態様では、ボンベシンアナログペプチドアンタゴニストシーケンスはC−1からC−3、好ましくはC−1からC−2を含むグループから選択される。
【0048】
好ましくは、ボンベシンアナログペプチドアンタゴニストシーケンスは、
化合物1 配列:D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物9 配列:D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3;
化合物12 配列: D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2
化合物13 配列:Dphe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Cys−NH2
を含むグループから選択される。
【0049】
好ましくは、少なくとも1つの放射性核種金属を含む式(I)のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体は、
化合物1: DOTA−Gly−アミノベンゾイル−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物2: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物3: DOTA−4−アミノ−1−ピペリジン−4−カルボン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物4: DOTA−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物5: DOTA−(15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸)−(4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン)−D−Phe−Gm−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物6: DOTA−ジアミノ酪酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物7: DOTA−4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物8: DOTA−(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)−こはくアミド酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物9: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
化合物10: DOTA−(15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
化合物11: DOTA−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
化合物12: DOTA−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2
化合物13 : DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Cys−NH2
化合物14: N4−トリアゾール−dPEG1−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
を含むグループから選択される。
【0050】
他の好ましい実施態様:
本発明の好ましい態様では、式(I)の化合物に対して、xは1から2の整数であり、好ましくはxは1である。
【0051】
xが2以上の場合は、(B)nは
ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト(C)のN末端に結合した
線状のスペーサまたは分岐状のスペーサである。
【0052】
本発明の好ましい態様では、式(I)の化合物に対して、nは1から4の整数であり、好ましくは、nは1または3であり、より好ましくは1である。
【0053】
本発明の好ましい実施態様では、
式(I)の化合物に対して、Aはまた、
上記リストの放射性核種金属に対応する、またはそれと等価な
少なくとも1つの冷金属原子(cold metal atom)
を含む
金属キレート剤である。このような化合物は生体内・生体外結合アッセイ用に、参照化合物として有用である。好ましい実施態様では上記リストを適用する。
【0054】
本発明の好ましい実施態様では、式(I)の化合物に対して、KはさらにH、または好ましくはHである。
【0055】
第2の態様では、本発明は、細胞内在化を誘発することなく、かつ、これら2つの系で、アゴニストに誘導された効果に拮抗する間にカルシウム動員を通じてシグナルを発することなく、ボンベシン受容体、特にGRP受容体に選択的に結合するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体に関し、該ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体は、以下の一般式(I’):
(I’) [A’−(B)nx−C
{式中、
xは1から3の整数、
nは1から6の整数、
A’は金属キレート剤、
BはCのN末端に結合したスペーサまたは共有結合、
CはC−1からC−4のボンベシンアナログペプチドアンタゴニストである}
を有する。
【0056】
金属キレート剤A’はAに関する最初の態様で定義した通り、放射性核種金属を有しない、金属キレート剤である。
【0057】
スペーサBおよびボンベシンアナログペプチドアンタゴニストCは、上記最初の態様で定義した通りである。
【0058】
本発明は、更に、ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の薬学的に許容される無機または有機酸塩に言及し、また、一般化学式(I’)を有するこれら化合物の水和物、錯体、エステル、アミド、溶媒和物、およびプロドラッグに言及する。
【0059】
本発明の好ましい態様では、xは1から2の整数であり、好ましくはxは1である。xが2以上の時、(B)nはボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト(C)のN末端に結合した、線状スペーサまた分岐状スペーサである。
【0060】
本発明の好ましい態様では、式(I’)中、nは1から4の整数、好ましくは、nは1または3、より好ましくは1である。
【0061】
第3の態様では、本発明は、式(I)または(I’)を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体と薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関する。
【0062】
第4の態様では、本発明は、ボンベシン受容体に結合する式(I)または(I’)を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の使用であって、ボンベシン受容体、特にガストリン放出ペプチド受容体(GRP)への結合、および/または、ボンベシン受容体、特にガストリン放出ペプチド受容体(GRP)の阻害、に関する。
【0063】
第5の態様では、本発明は、以下の一般式(I):
(I) [A−(B)nx−C
{式中、n、x、A、B、およびCは上記定義のとおりである}
を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の製法であって、上で定義した一般式(I’)のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を、適当な放射性核種金属または上記リストの放射性核種金属に対応する金属原子で放射キレート化するステップを含む製法に関する。
【0064】
好ましくは、一般式(I)を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の製法は、適当な放射性核種金属と放射キレート化するステップを含む。
【0065】
更なる実施態様では、一般式(I):
(II) 「A−(B)nx−C
{式中n、x、A、B、およびCは上記定義のとおりである}
を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の製法は、更に下記a)およびb)のステップ:
a)スペーサBをボンベシンアナログペプチドアンタゴニストCにカップリングして配列C−1からC−4のスペーサ−ボンベシンアナログペプチドアンタゴニストを得、任意にステップa)を繰り返し;そして
b)スペーサ−ボンベシンアナログペプチドアンタゴニストを金属キレート剤A’とカップリングさせて、一般式(I’)のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を得、任意にステップb)を繰り返す;
を含み、上記ステップは、式(I’)のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体と適当な放射性核種金属、または、上にリストした放射性核種金属に対応するかまたは等価な金属原子との放射キレート化の前に行われる。
【0066】
本発明の好ましい実施態様では、n、x、金属キレート剤A、金属キレート剤A’、スペーサBおよびボンベシンアナログペプチドアンタゴニストCは上に定義した通りである。
【0067】
第6の態様では、本発明は、ボンベシン受容体、特に、患者の腫瘍細胞および/または腫瘍血管および腫瘍周辺血管を発現するGRP受容体をイメージングする方法に関し、該方法は下記ステップ:
−患者に放射性医薬的有効量の、式(I)を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を投与する;そして、
−患者体内の放射性核種金属をイメージングする
を包含する。
【0068】
第6の態様の好ましい実施態様は、ボンベシン受容体、特に、GRP受容体発現腫瘍細胞および/または腫瘍および腫瘍周辺血管をイメージングするための式(I)のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の、放射性医薬的有効量の使用に関する。
【0069】
好ましい実施態様では、腫瘍細胞は、
−転移癌を含む前立腺癌、
−転移癌を含む乳癌、
−消化管間質腫瘍、
−小細胞肺癌、
−腎細胞癌、
−膵内分泌腫瘍、
−頭頸部扁平上皮癌、
−神経芽細胞腫、および
−食道扁平上皮癌
を含むグループから選択される癌に言及する。
【0070】
さらにより好ましくは、腫瘍細胞は
−転移癌を含む前立腺癌、および
−転移癌を含む乳癌
から選択される癌に言及する。
【0071】
更に好ましい実施態様では、腫瘍および腫瘍周辺血管は
−卵巣癌、
−子宮内膜癌、および
−膵臓癌
から選択される癌に言及する。
【0072】
好ましくは、腫瘍および腫瘍周辺血管は卵巣癌に言及する。
【0073】
第7の態様では、本発明は、腫瘍細胞および/または腫瘍血管および腫瘍周辺血管関連の疾患を治療または予防する方法に関し、該方法は下記ステップを包含する:
−放射性医薬的有効量の、式(I)を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を投与する。
【0074】
第7の態様の好ましい実施態様は腫瘍細胞および/または腫瘍血管および腫瘍周辺血管関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造に、治療有効量の、式(I)のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を用いることに関する。
【0075】
好ましい態様では、腫瘍細胞関連疾患は
−転移癌を含む前立腺癌、
−転移癌を含む乳癌、
−消化管間質腫瘍、
−小細胞肺癌、
−腎細胞癌、
−膵内分泌腫瘍、
−頭頸部扁平上皮癌、
−神経芽細胞腫、および
−食道扁平上皮癌
からなるグループから選択される癌に言及する。
【0076】
より好ましくは、該腫瘍細胞関連疾患は、
−転移癌を含む前立腺癌、および
−転移癌を含む乳癌
からなるグループから選択される癌に言及する。
【0077】
さらに好ましい実施態様では、腫瘍および腫瘍周辺血管関連疾患は
−卵巣癌、
−子宮内膜癌、および
−膵臓癌
からなるグループから選択される癌に言及する。
【0078】
好ましくは、腫瘍および腫瘍周辺血管関連疾患は、卵巣癌に言及する。
【0079】
第8の態様では、本発明は、式(I)を有する放射線治療薬または放射線医薬イメージング剤製造用キットに関し、該キットは、所定量の式(I’)ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体および、金属キレートの放射性同位元素標識のための、許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含むバイアルを含む。
【0080】
第9の態様では、本発明は下記の配列C−1からC−4のボンベシンアナログペプチドアンタゴニストに関する:
C−1:Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa313−Xaa414−ZH、
当該配列において、Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化17】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa3はスタチン、スタチンアナログおよび異性体、4−Am、5−MeHpA、4−Am、5−MeHxAまたはα−置換アミノ酸、
Xaa4はLeu、Cpa、Cba、CpnA、Cha、t−buGly、tBuAla、Met、NIe、またはiso−Bu−Gly、および
ZはNHまたはOであり;
C−2:Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
当該配列において、LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3は、下記式であり:
【化18】

Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化19】

そして、
(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Alaであり;
C−3: Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa513−Xaa614−ZH、
当該配列においてXaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化20】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa5はLeuΨ−CH2NH−、
Xaa6はCys、Phe、Trp、Tpi、またはTac、
ここで、TpiおよびTacは以下を意味し:
【化21】

そして、
ZはNH、またはOであり;
C−4: Xaa16−Gln7−Tip8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa7
当該配列において、Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式のいずれか1つを有する残基:
【化22】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa7はLeu−O−アルキル、またはLeu−NH−アルキル
で表されるボンベシンアナログペプチドアンタゴニストに関する。
【0081】
(定義)
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アルキル」は、それ自身、または他のグループの一部として、炭素原子1から20の直鎖または分岐鎖アルキル基を指し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘプチル、ヘキシル、デシルなどが例示される。アルキル基はまた、ハロゲン原子、水酸基、C1−C4−アルコキシ基、C6−C12−アリール基などで置換することができる。更に好ましくは、アルキルはC1−C10−アルキル、C1−C6−アルキル、C1−C4−アルキルである。
【0082】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「低級非分岐または分岐アルキル(アルキレン)」は以下の意味をもつものとする:置換または非置換の、直鎖または分岐鎖の1価、2価または3価のラジカルであって、炭素および水素からなり、不飽和を含まず、1から8の炭素原子を有し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、n−ヘプチルなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。このモイエティは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−C4−アルコキシ基、C6−C12−アリール基などにより、置換されていなくてもされていてもよい。
【0083】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「フェニレン」基は、ジ−または任意にトリー置換ベンゼン環を基礎とする。例えば、ポリ(p−フェニレン)は、パラーフェニレン繰り返し単位から構築されるポリマーである。フェニレンは置換されていても置換されていなくてもよい。フェニレンはハロゲン、OH、アルコキシ、好ましくは、C1−C4−アルコキシ、カルボキシ、エステル、好ましくはC1−C4−エステル、アミド、ニトロで置換されてもよい。
【0084】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アルケン」は、以下の意味を有するものとする:不飽和脂肪族または脂環式化合物であって、炭素―炭素二重結合を少なくとも1つ有するもの。最も簡単なアルケンは、二重結合を1つ持ち、他の官能基は持たず、一般式Cn2n,の炭化水素の同族列を形成し、例えば、エチレン(C24)、プロピレン(C36)などである。アルケンは置換されていても置換されていなくてもよい。アルケンが置換される場合、それらはハロゲン原子、水酸基、C1-C4-アルコキシ基、C6−C12−アリール基等で置換されてよい。
【0085】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アリール」は、不飽和の環系を意味するものとし、好ましくは芳香族環、より好ましくは6から12の炭素原子を環骨格内に有するものである。これらの例はフェニルおよびナフタレニルである。アリールモイエティはハロゲン原子、水酸基、C1−C4−アルコキシ基、またはC6−C12−アリール基などで置換されていても置換されていなくてもよい。
【0086】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「ベンゼン」は、以下の意味を有するものとする:式C6H6の有機化合物。ベンゼンは芳香族炭化水素であり第2の[n]アヌレン([6]アヌレン)、連続したパイ結合を有する環状炭化水素である。ベンゼンは、ハロゲン原子、水酸基、C1−C4−アルコキシ基、またはC6−C12−アリール基などで置換されていても置換されていなくてもよい。
【0087】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アルケニル」および「アルキニル」は、アルキルと同様に定義されるが、ただし炭素−炭素二重結合または三重結合をそれぞれ少なくとも1つ有する。アルケニルは、より好ましくはC2−C6−アルケニルであってよく、アルキニルは、より好ましくはC2−C6−アルキニルであってよい。
【0088】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを意味するものとする。
【0089】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「無機または有機酸の塩」、「無機酸」、および「有機酸」は、鉱酸に言及し、例えば以下の酸を含むがこれらに限定されるものではなく:炭酸、硝酸、リン酸、塩酸、過塩素酸、または硫酸、または、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などそれらの酸性塩であって、例えば硫酸水素カリウム、また、適当な有機酸に言及し、例えば以下の酸が含まれるがこれらに限定されるものではなく、脂肪族酸、脂環式酸、芳香族酸、アラリファティック酸、複素環酸、カルボン酸及びスルホン酸、 これらの例として蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、フマル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、およびスルファニル酸がある。同様に、有機酸は、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など、塩として存在していてもよい。
【0090】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「薬学的に許容される塩」、は、無機または有機酸の塩に関し、例えば、無機酸としては、炭酸、硝酸または硫酸を含むがこれらに限定されるものではなく、有機酸としては脂肪族酸、脂環式酸、芳香族酸、アラリファティック酸、複素環酸、カルボン酸及びスルホン酸を含むがこれらに限定されるものではなく、例えば蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、およびスルファニル酸などがある。
【0091】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「プロドラッグ」、は、式(I)による活性親医薬を放出する、共有結合性化合物を意味する。
【0092】
本出願では、用語「プロドラッグ」はまた、エステル、アミドおよびリン酸塩などの薬学的に許容される誘導体を含み、生体内での該誘導体の生体変化産物は式(I)で定義される活性薬物である。GoodmanおよびGilmanの文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8 ed, McGraw−HiM, Int. Ed. 1992,”Biotransformation of Drugs”, 13−15)にはプロドラッグが記載されており、該開示は参照によって本明細書内に組込まれる。本発明の化合物のプロドラッグは、該化合物中の官能基を修飾することによって製造され、該修飾は、所定の操作または生体内のいずれかで開裂して親化合物を生じる。本発明の化合物のプロドラッグは、例えば、非対称炭素原子上の水酸基、またはアミノ基が任意の基に結合し、プロドラッグが患者に投与された時、開裂して、それぞれフリーの水酸基またはアミノ基を形成するような化合物を含む。
【0093】
典型的なプロドラッグが、例えばWO 99/33795 A、WO 99/33815 A、WO 99/33793 AおよびWO 99/33792 Aに記載されており、該開示は参照によってその全体が本明細書内に組込まれる。
【0094】
プロドラッグは、優れた水溶解性、向上したバイオアベイラビリティによって特徴づけられ、生体内で容易に活性阻害剤へと代謝される。
【0095】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アミノ酸配列」、および「ペプチド」は、本明細書中では、少なくとも2つのアミノ酸の(重)縮合によって得られるポリアミドとして定義される。
【0096】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アミノ酸」は、本明細書中では、少なくとも1つのアミノ基および少なくとも1つのカルボキシル基を含み、分子内にペプチド結合を含まない任意の分子を意味する。言い換えれば、アミノ酸はカルボン酸官能基と、少なくとも1つのフリーな水素を好ましくはそのアルファ位に有するアミン窒素を持ち、分子構造内にアミド結合を有さない分子である。すなわち、フリーのアミノ基をN末端に有し、かつフリーのカルボキシル基をそのC末端に有するペプチドは上記定義内では単一のアミノ酸であるとは考えられない。そのような縮合によって得られる2つの隣接アミノ酸残基間のアミド結合は「ペプチド結合」と定義される。
【0097】
本願において使用するアミド結合は下記構造を有する、任意の共有結合を意味する:
-C(O)-NH-CH- または -HC-HN-(O)C-
式中、カルボニル基は1の分子から与えられ、NH−基は、結合すべき他の分子から与えられる。かかる重縮合によって得られる、2つの隣接アミノ酸残基間のアミド結合は「ペプチド結合」として定義される。ポリアミド骨格の窒素原子(上記のNH)は、例えば、C1−C6−アルキル、好ましくは−CH3と、独立してアルキル化されてよい。
【0098】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、アミノ酸残基は、対応するアミノ酸から、他のアミノ酸とペプチド結合を形成することによって導出される。
【0099】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、アミノ酸は天然の、または非天然のアミノ酸であって、ここで、非天然のアミノ酸は合成/人口アミノ酸残基、タンパク新生の(proteinogenic)、および/または非タンパク新生のアミノ酸残基である。上記非タンパク新生のアミノ酸残基は、さらに
(a)タンパク新生アミノ酸のホモアナログ、
(b)タンパク新生アミノ酸残基のβ−ホモアナログ、および
(c)さらなる非タンパク新生アミノ酸残基、
に分類される。
【0100】
したがって、アミノ酸残基は、その対応するアミノ酸、例えば、
【0101】
タンパク新生アミノ酸、すなわち、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびVal;または
【0102】
非タンパク新生アミノ酸、例えば、その側鎖がメチレン基によって延長されたタンパク新生アミノ酸のホモアナログで、例えば、ホモアラニン(Hal)、ホモアルギニン(Har)、ホモシステイン(Hcy)、ホモグルタミン(Hgl)、ホモヒスチジン(Hhi)、ホモイソロイシン(Hil)、ホモロイシン(Hle)、ホモリジン(Hly)、ホモメチオニン(Hme)、ホモフェニルアラニン(Hph)、ホモプロリン(Hpr)、ホモセリン(Hse)、ホモスレオニン(Hth)、ホモトリプトファン(Htr)、ホモチロシン(Hty)およびホモバリン(Hva)など;
【0103】
メチレン基がα−炭素とβ−アミノ酸を生じるカルボキシル基間に挿入されたタンパク新生アミノ酸のβホモアナログで、例えば、β−ホモアラニン(βHal)、β−ホモアルギニン(βHar)、β−ホモアスパラギン(βHas)、β−ホモシステイン(βHcy)、β−ホモグルタミン(βHgl)、β−ホモヒスチジン(βHhi)、β−ホモイソロイシン(βHil)、β−ホモロイシン(βHle)、β−ホモリジン(βHly)、β−ホモメチオニン(βHme)、β−ホモフェニルアラニン(βHph)、β−ホモプロリン(βHpr)、β−ホモセリン(βHse)、β−ホモスレオニン(βHth)、β−ホモトリプトファン(βHtr)、β−ホモチロシン(βHty)およびβ−ホモバリン(βHva)など;
【0104】
さらに非タンパク新生アミノ酸、例えば、α−アミノアジピン酸(Aad)、β−アミノアジピン酸(βAad)、α−アミノ酪酸(Abu)、α−アミノイソ酪酸(Aib)、β−アラニン(βAla)、4−アミノ酪酸(4−Abu)、5−アミノ吉草酸(5−Ava)、6−アミノヘキサン酸(6−Ahx)、8−アミノオクタン酸(8−Aoc)、9−アミノナノン酸(9−Anc)、10−アミノデカン酸(10−Adc)、12−アミノドデカン酸(12−Ado)、α−アミノスベリン酸(Asu)、アゼチジン−2−カルボン酸(Aze)、β−シクロヘキシルアラニン(Cha)、シトルリン(Cit)、デヒドロアラニン(Dha)、(−カルボキシグルタミン酸(Gla)、α−シクロヘキシルグリシン(Chg)、プロパルギルグリシン(Pra)、ピログルタミン酸(Glp)、α−tert−ブチルグリシン(Tle)、4−ベンゾイルフェニルアラニン(Bpa)、(−ヒドロキシリシン(Hyl)、4−ヒドロキシプロリン(Hyp)、アロ−イソロイシン(alle)、ランチオニン(Lan)、(1−ナフチル)アラニン(1−Nal)、(2−ナフチル)アラニン(2−Nal)、ノルロイシン(Nle)、ノルバリン(Nva)、オルニチン(Orn)、フェニルグリシン(Phg)、ピペコリン酸(Pip)、サルコシン(Sar)、セレノシステイン(Sec)、スタチン(Sta)、β−チエニルアラニン(Thi)、1,2,3,4−テトラヒドロイソチノリン−3−カルボン酸(Tic)、アロ−スレオニン(aThr)、チアゾリジン−4−カルボン酸(Thz)、γ−アミノ酪酸(GABA)、イソ−システイン(iso−Cys)、ジアミノプロピオン酸(Dap)、2,4−ジアミノ酪酸(Dab)、3,4−ジアミノ酪酸((,βDab)、ビフェニルアミン(Bip)、−C1−C6−アルキル、−ハライド、−NH2または−CO2H(Phe(4−R)(式中、Rは−C1−C6−アルキル、−ハライド、−NH2または−CO2Hである)でパラ位において置換されたフェニルアラニン、ペプチド核酸(PNA、P.E.Nielsen, Acc. Chem. Res., 32, 624−30を参照)、またはこれらのN−アルキル化アナログ、例えばこれらのN−メチル化アナログ、から導出される。
【0105】
環状アミノ酸は、Pro、Aze、Glp、Hyp、Pip、TicおよびThzなどのタンパク新生または非タンパク新生であってもよい。
【0106】
さらなる実施例および詳細については、例えば、該開示が参照によってその全体が本明細書内に組込まれる、J.H.Jones, J.Peptide Sci., 2003, 9, 1−8を参照することができる。
【0107】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、「非タンパク質性アミノ酸」および「非タンパク質性アミノ酸残基」という用語は、タンパク新生アミノ酸の誘導体も包含する。例えば、タンパク新生アミノ酸残基の側鎖を誘導してタンパク新生アミノ酸残基を「非タンパク質性」にすることができる。同じことが、アミノ酸配列を終端させるタンパク新生アミノ酸残基のC末端および/またはN末端の誘導体にもあてはまる。
【0108】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、タンパク新生アミノ酸残基は、L−またはD−配置のいずれかのAla、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValからなる群から選択されるタンパク新生アミノ酸から生じ、ThrとIleの第2不斉中心はR−またはS−配置いずれかを有していてもよい。したがって、例えば、自然に生じるかもしれないN−アルキル化などのアミノ酸配列の翻訳後修飾により、その対応する修飾されたアミノ酸配列残基は、現実にはタンパク質に組み込まれるのだが、これは「非タンパク新生」とされる。好ましくは、修飾アミノ酸はN-アルキル化アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、ランチオニン、デヒドロアミノ酸、およびアルキル化グアニジンモイエティを有するアミノ酸、から選択される。
【0109】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「カルボン酸」、または「ジカルボン酸」は、本明細書中では、1つのCOOH部分、または2個のCOOH部分をそれぞれ有する有機化合物を意味し、例えば、それぞれ蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、乳酸(カルボン酸類)またはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、フタル酸(ジカルボン酸類)などがある。
【0110】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「ジアミン」は、2つのNR'R''部分を有する有機化合物であって、式中R'およびR''は互いに独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールであってよい。ジアミンは、例えばエチレンジアミン, 1,4-シクロヘキサンジアミン、ピペラジンである。
【0111】
上記アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、またはジアミンへの言及に関する限りでは、該アミノ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、またはジアミンは、例えば、−HN−...−CO−(アミノ酸)、−OC−...(カルボン酸)、−OC−...−CO−(ジカルボン酸)、−HN−...−NH−ジアミン)など、本発明の化合物に含まれる時、それぞれのラジカルもこれに含まれる。
【0112】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「金属キレート剤」("metal chelator ")は、放射線核種金属と錯化して、生理学的条件下で安定な金属キレートを形成し、スペーサを介して標的グループと複合化してもよい分子として定義される。上記金属キレート剤は金属放射性核種と錯化したりしなかったりする。
【0113】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「放射性核種金属」は、不安定な核を有する原子である放射性核種として定義される。ここで、上記核は、過剰エネルギーによって特徴づけられ、これは該核内に新しく生成した放射性粒子に、さもなければ、原子内電子(内部変換を見よ)に与えられる。本発明で使用する放射性金属核種は診断または治療用途に特に適しており、より好ましくは、イメージングまたは放射線治療に適している。放射性核種は上記手順によって、放射性崩壊を受け、ガンマ線および/または亜原子粒子を放出する。
【0114】
これらの粒子は電離放射線を構成する。放射性核種は天然に存在してよいが、人工的な産物でもありうる。
【0115】
これら放射性核種はガリウム(例えば、67Ga、68Ga)銅(例えば、67Cuおよび64Cu);テクネチウム(例えば、99mTcおよび94mTc);レニウム(例えば、186Reおよび 188Re);鉛(例えば、212Pb);ビスマス(例えば、212Bi);およびパラジウム(例えば、109Pd)を含むが、これらに限定されるものではない。これらアイソトープの製法は既知である。モリブデン/テクネチウム発生器が99mTcの製造用に市販されている。186Reの製法には、Deutschら、(Nucl. Med. Biol., Vol. 13:4:465−477, 1986))およびVanderheydenら、(Inorganic Chemistry, Vol. 24:1666−1673, 1985))が記述した方法が含まれ、188Reの製法はBlachotら(Intl. J. of Applied Radiation and Isotopes, Vol. 20:467−470, 1969)およびKlofutarら(J. of Radioanalytical Chem, Vol. 5:3−10, 1970))が記述している。212Pdの製造はFawwazら, J. Nucl Med, (1984), 25:796、が記述している。212Pb および21Biの製造はGansowら,Amer. Chem. Soc. Symp, Ser. (1984), 241 :215−217、およびKozahら,Proc. Nat’l Acad. Sci. USA, (January 1986), 83:474−478、によって記述されている。99mTcは診断用途に、リストされた他の放射性核種は治療用途に適している。
【0116】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「スペーサ」は、金属キレート剤とボンベシンペプチドアンタゴニストとの連結基として定義される。
【0117】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アゴニスト」は、細胞の受容体分子上の特定部位に結合し、細胞内での信号変換を活性化する物質(リガンド)を意味する。これによって効果の測定が可能となる。
【0118】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「アンタゴニスト」は、アゴニスト物質に特異的な受容体細胞上の部位に結合する物質(リガンド)を意味し、この部位をアゴニストに対しブロックし、効果の発生をなくす。すなわち、アンタゴニストはアゴニストの効果を阻害する。
【0119】
本発明の記載および請求項において以下使用するように、用語「スタチンアナログ」は、下記一般構造を有するジペプチド類似構造として定義される:
【化23】

スタチン(R2=OH、R1は、大きく変えることもできるが、典型的にはアミノ酸側鎖と同じである)。
スタチンアナログ(R2=H、R1は大きく変えることもできるが、典型的にはアミノ酸側鎖と同じである)。
【0120】
略語:
NODASA =1,4,7−トリアザシクロノナン−1−コハク酸−4,7−アセト酢酸
NODAGA =l,4,7−トリアザシクロノナン−N−グルタル酸−N’,N’’−アセト酢酸
TRITA = 1,4,7,10 テトラアザシクロトリデカン−1,4,7,10 N,N’,N’’, N’’’−テトラ酢酸
Cpa = (S)−4−カルボキシアミドフェニルアラニン
4−Am−5−MeHpA = 4−アミノ−5−メチルヘプタン酸
4−Am−5−MeHxA = 4−アミノ−5−メチルヘキサン酸
DFO = N’−[5−(アセチル−ヒドロキシ−アミノ)ペンチル]−N−[5−[3−(5−アミノペンチル−ヒドロキシ−カルバモイル)プロパノイルアミノ]ペンチル]−N−ヒドロキシ−ブタンジアミド
【化24】

【化25】

【0121】
さらなる詳細がなくても、当業者は、前述の記載をもとに本発明を十分に利用することができるだろう。以下の好ましい特定の実施態様は、従って、単に例示のためのものであり、開示された残りを限定するものでは全くない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】カルシウム放出分析で測定したボンベシンアナログの用量反応曲線 カルシウム放出分析は、物質と方法(Materials and Methods)に記載の通りに行った。PC3細胞は、ボンベシン単独の濃度0.01nmol/L および10μmol/Lの範囲で(●)、またはボンベシンアナログ化合物1、10μmol/Lの存在下で(黒三角)、またはIn−化合物1の存在下で(◆)、またはボンベシンアナログ化合物1aの存在下で(黒四角)、処理を行った。化合物1を単独で1μmol/Lおよび10μmol/Lで試験したもの(△)、In−化合物1(×)、および化合物1a(□)、はPC3細胞中のカルシウム放出に効果はなかった。化合物1aは1の結合シーケンスであって、リンカーおよびキレート(D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2)がないものをいう。化合物1はキレート(D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2)をいう。In−化合物1はIn−キレート化(D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2)をいう。
【図2】HEK−GRPR細胞免疫蛍光顕微鏡検査法 マウスモノクローナルHA−エピトープ抗体およびHEK−GRPR細胞を用いた、化合物1、In−化合物1、化合物1bおよびGRPR−ANTAG免疫蛍光顕微鏡検査法。(a)ペプチドなし、(b)ボンベシン10 nmol/L(c)化合物1b(d)化合物1b+ボンベシン10 nmol/L(d,f,h,j)1 μmol/Lの類似化合物1b、GRPR−ANTAG、化合物1、およびIn−化合物1の存在下、細胞をボンベシン10 nmol/Lで処理する。(c,e,g,i)細胞を化合物1b、GRPR−ANTAG、および化合物1で処理する。
【図3a】PC−3(3)およびLnCaP(4)担腫瘍マウス中のGa−68−DOTA化合物2のPETイメージング。a)10MBg放射性トレーサーの注射後1時間b)100μgaボンベシンでブロック。
【図3b】PC−3(3)およびLnCaP(4)担腫瘍マウス中のGa−68−DOTA化合物2のPETイメージング。a)10MBg放射性トレーサーの注射後1時間b)100μgaボンベシンでブロック。
【図4a】PC−3(3)およびLnCaP(4)担腫瘍マウス中のGa−68−DOTA化合物2のPETイメージング。a)10MBg放射性トレーサーの注射後1時間b)100μgaボンベシンでブロック。
【図4b】PC−3(3)およびLnCaP(4)担腫瘍マウス中のGa−68−DOTA化合物2のPETイメージング。a)10MBg放射性トレーサーの注射後1時間b)100μgaボンベシンでブロック。
【図5】
【図6】:PC−3担腫瘍マウス中における、99mTc−ARN4−06 (15 MBq/200 pmol)のSPECT/CTイメージ
【図7】
【図8】:PC−3担腫瘍マウス中における、99mTc−ARN4−05 (15 MBq/200 pmol)のSPECT/CTイメージ
【図9】逆相カラム上でのGa−68−DOTA化合物2のHPLC解析
【図10a】HPLCによる、マウスの血漿および尿中におけるGa−68−DOTA化合物2の安定性分析
【図10b】HPLCによる、マウスの血漿および尿中におけるGa−68−DOTA化合物2の安定性分析
【図10c】HPLCによる、マウスの血漿および尿中におけるGa−68−DOTA化合物2の安定性分析
【図10d】HPLCによる、マウスの血漿および尿中におけるGa−68−DOTA化合物2の安定性分析
【図10e】HPLCによる、マウスの血漿および尿中におけるGa−68−DOTA化合物2の安定性分析
【図11】Lu−177−DOTA化合物2のヒト血清安定性
【図12】腫瘍/組織Ga−68RM2と、F18FDGおよびF18コリンの比較
【0123】
本明細書で引用されている出願、特許、および公表文献のすべての開示は、参照によってその全体が本明細書内に組込まれる。
【0124】
以下の実施例は、一般的にまたは具体的に記載された本発明の反応物および/または操作条件を入れ替えることで、繰り返し、類似の結果を得ることができる。
【0125】
前述の記載から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に把握することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明を種々変形および修正し、様々な使用および条件に適合させることができる。
【実施例】
【0126】
ここで、Aは下記実施例のそれぞれに応じて適切に、AだけでなくA’の意味をも有する。
実施例1(A−B−C)
ここで、Aは下記実施例のそれぞれに応じて適切に、AだけでなくA’の意味をも有する。
【0127】
a)一般配列のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の合成
(A=DOTA、B=スペーサーB1−B2、C=N末端アミドZを有するペプチド[Z=NH])
DOTA−スペーサー−Xaa16−GIn7−Tip8−Ala9−Vall0−Xaa211−His12−Sta13−Leu14−NH2
Fmocストラテジーを用いて、固相上にマニュアルでペプチドを合成した。N末端アミドを得るために、RinkアミドMBHA樹脂LL(100−200メッシュ)( 4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシル−4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂)を用いた。理論負荷量(theoretical loading)0.34mmole/gの樹脂を有するRinkアミドMBHA樹脂を反応機に投入した。Ν,Ν−ジメチルホルムアミド(DMF)を反応機に加え、30分間撹拌し、樹脂を膨張させた。溶媒除去後、DMFの20%ピペリジン溶液を添加し、樹脂を15分間振とうし、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc) 保護基を除去した。このステップを2回繰り返した。この手順の後、樹脂をDMFで5分間3回洗浄した。ピペリジン溶液と最新3回の洗浄DMF溶液を集め、エタノールを添加し100mLにした。この溶液から一定分量をとり、除去されたFmoc保護基の量を分光光度法により決定した。
【0128】
Fmoc−アミノ酸誘導体をカップリングする前に、上記樹脂をDMFで2分間2回洗浄した。2等量のFmoc−アミノ酸を2等量のN,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC) / N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)であらかじめ活性化して樹脂に添加し、約4等量のN−エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)を添加することでpHを8−9に調製した。軽い振とう下で2時間、反応をインキュベートした。上記反応の後、溶媒を除去し、固相をDMFで5分間2回洗浄した。反応をKaiserテストでモニターした。所定量の樹脂ビーズをエタノールで3回洗浄し、50μLの溶液1(10mLのエタノールに加えた20gのフェノールを、49mLのピリジンに0.01MのKCNを加えた溶液の1mLと混合)および50μLの溶液2(エタノール10mLにニンヒドリン500gを添加)を加え、ビーズを95℃で10分間加熱した。青のビーズは、カップリングしていないフリーのアミノ基があることを示す。
【0129】
アミノ酸はすべてN末端Fmoc保護誘導体として使用され、同じような方法でカップリングされる。トリプトファンは側鎖上にtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)保護基をつけて使用され、一方、ヒスチジンおよびグルタミンはTrt保護した。各アミノ酸のカップリング後に行われたKaiserテストによりアミノ基のカップリングが不十分だということが分かった場合、繰り返しカップリングが行われる。
【0130】
望みのペプチド配列全体を構築した後、樹脂をDCMで5回、続いてジエチルエーテルで5回、それぞれ2分づつ洗浄を行い、真空乾燥する。
【0131】
b)SPACERおよびプロキレート化剤DOTA(tBu)3とのカップリング
プロキレート化剤DOTA(tBu)3はマクロサイクリック社(Macrocyclics Inc., Dallas, USA)から購入した。SPACERをカップリングする前に、N末端Fmoc保護を樹脂結合ペプチドから除去した。上記樹脂をDMF中で15分間膨潤し、ピペリジン20%のDMF溶液で2回処理し(15分)、DMFで3回洗浄した。ピペリジン処理およびそれに続くDMF洗浄からの溶液を集め、開裂したFmoc基の量を決定した。
【0132】
2等量のSPACERを、DMF中2−(1H−9−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1, 1,3,3−テトラメチル−アミニウムヘキサフルオロリン酸 (HATU)で20分間あらかじめ活性化し、上記樹脂に添加した。pHはDIPEAを添加することで8−9に調製した。反応混合物を2時間振とうし、カップリングをKaiserテストでモニターした。プロキレート化剤DOTA(tBu)3を前述と同様にFmoc除去後にカップリングした。終夜振とうし、DOTA(tBu)3のカップリングを行った。溶媒除去後、樹脂をDMFで3回、DCMで5回、続いてジエチルエーテルで5回、各2分間洗浄し、真空乾燥した。
【0133】
)脱保護、開裂および精製
上記ペプチド−樹脂をフリット付シリンジに採取した。トリフルオロ酢酸 (TFA)/チオアニソール(TA)/トリイソプロピルシラン(TIS)/H2O (94/2/2/1)溶液を加え、シリンジを2時間撹拌した。上記溶液を50% ジイソプロピルエーテルと50% ジエチルエーテルの混合物に、氷上添加し、ペプチドを析出させた。ペプチドを3000rpm5分間の遠心分離により収集し、上澄みを別の容器に移した。析出物をジエチルエーテルで数回洗浄し、真空乾燥した。粗生成物を水に溶解し、Macherey−Nagel VP 250/21 Nucleosil 100−5 C18カラム(溶離液: 溶離液1 =0.1% TFA水溶液、溶離液2 = アセトニトリル;勾配:0−20分, 90%−50%溶離液1;流速: 15 mL/min)付Metrohm HPLCシステムLC−CaDI 22−14 (Herisau, Switzerland)のセミ分別RP−HPLCで精製した。
【0134】
上記複合体をRP−HPLC分析装置で分析し、質量分析装置(ESI−MS)で特徴を明らかにした。
A−B−C−1
DOTA−Spacer−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa313−Xaa414−ZH (Z=NH)
【0135】
化合物1: A=DOTA, B1=Gly, B2=4−アミノベンゾイル; Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3=Sta; Xaa4=Leu, DOTA−Gly−アミノベンゾイル−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2 ; C801142020, 計算値 (m/z): 1675.8, 実測値[M+K]+: 1715.1.
【0136】
化合物2: A=DOTA, B1=4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジニル; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3=Sta; Xaa4= Leu DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2; C791182019; 計算値 (m/z): 1639.9, 実測値[M+K]+: 1678.1
【0137】
化合物3: A=DOTA, B1=4−アミノ−l−ピペリジン−4−カルボキシ; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=GIy; Xaa3=Sta; Xaa4=Leu
DOTA−4−アミノ−l−ピペリジン−4−カルボン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2771162019, 計算値 (m/z): 1624.9, 実測値[M+K]+: 1663.7
【0138】
化合物4: A=DOTA, B1=15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカノイル; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3=Sta; Xaa4= Leu
DOTA−15−アミノ−4,7, 10, 13−テトラオキサペンタデカン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2; C821271923, 計算値 (m/z): 1747.8, 実測値[M+K]+: 1785.1
【0139】
化合物5: A=DOTA, B1=15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカノイル; B2=4−アミノ−l−ピペリジン−4−カルボキシ, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3= Sta; Xaa4= Leu DOTA−( 15−アミノ−4,7, 10, 13−テトラオキサペンタデカン酸)−(4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン)−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2; C891392124, 計算値 (m/z): 1886.0, 実測値[M+K]+: 1924.9
【0140】
化合物6: A=DOTA, B1=ジアミノ酪酸 ; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3=Sta; Xaa4=Leu DOTA−ジアミノ酪酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2; C751142019, 計算値 (m/z): 1598.9, 実測値[M+K]+: 1638.4
【0141】
化合物7: A=DOTA, B1 =4−(2−アミノエチル)−l−カルボキシメチル−ピペリジニル; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3=Sta; Xaa4= Leu DOTA−4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2; C791212119, 計算値 (m/z): 1667.9, 実測値[M+Na]+: 1691.2
【0142】
化合物8: A=DOTA, B1=(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)−こはくアミド酸; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3=Sta; Xaa4= Leu DOTA−(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)−こはくアミド酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
791202021, 計算値 (m/z): 1685.9, 実測値[M+K]+: 1723.7
【0143】
実施例2(A−B−C)
a)一般配列(A=N4−アジド, B=Spacer B1−B2, C=N末端アミドZのペプチド[Z=NH2])のボンベシンペプチドアンタゴニスト複合体の合成
4−トリアゾール−dPEG1−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−ValI0−Xaa211−His12−Sta13−Leu14−NH2
【0144】
a)ペプチド合成:Fmoc−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Sta13−Leu14−NH2
【0145】
Fmoc−ストラテジを用い、マニュアルでペプチドを固相上に合成した。N−末端アミドを得るために、RinkアミドMBHA樹脂LL(100−200メッシュ)を用いた。合成は、実施例1の記載に従って行った。
【0146】
b) アルキル基プロパギル−dPEG1−NHS−エステルとのカップリング
アルキル基とカップリングする前に、N末端Fmoc保護基を樹脂結合ペプチドから除去した。上記樹脂をDMF中15分間膨潤し、20%ピペリジンのDMF溶液で2回処理し(15分)、DMFで3回洗浄した。ピペリジン処理および続くDMF洗浄からの溶液を集め、Fmocを決定した。
【0147】
2等量のプロパギル−dPEG1−NHS−エステルを樹脂に加えた。DIPEAを添加してpHを8−9に調製した。反応混合物を24時間振とうし、カップリングをKaiserテストでモニターした。
【0148】
c)脱保護、開裂および精製
上記ペプチド−樹脂をフリット付シリンジに採取した。TFA/TIS/H2O (94/2.5/2.5)溶液を加え、シリンジを2時間撹拌した。上記溶液を50% ジイソプロピルエーテルと50% ジエチルエーテルの混合物に、氷上添加し、ペプチドを析出させた。ペプチドを3000rpm5分間の遠心分離により収集し、上澄みを別の容器に移した。析出物をジエチルエーテルで数回洗浄し、真空乾燥した。粗生成物を水に溶解し、上述の通り半透膜RP−HPLCで精製した。
【0149】
上記複合体をRP−HPLC分析装置で分析し、質量分析装置(ESI−MS)で特徴を明らかにした。
【0150】
d)N4−アジドキレート剤の合成。該合成は下記3のステップを含む。
i) N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(tert−ブチルオキシカルボニル)−6−(アジド)−l,4,8,11−テトラアザウンデカン (N4(BoC)4−N3) [3]の合成:
a) N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(tert−ブチルオキシカルボニル)−6−(ヒドロキシ)−1,4,8,11−テトラアザウンデカン (N4(Bob)4−OH) [I]: 6−(ヒドロキシ)−1,4,8,11−テトラアザウンデカン(1g, 3.1 mmol)のDMF(10mL)溶液を0℃まで冷却した。これに二炭酸ジ−tert−ブチル(3.32 mL, 15.5 mmol)のDMF (5 mL) 溶液を加え、続いてDIPEA (2.7 mL, 15.5 mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。この反応の後、反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで3回抽出し、酢酸エチル相はあわせて塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過および減圧下での溶媒の蒸発によって表題化合物を86%の収率で得た。
【0151】
ii) N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(tert−ブチルオキシカルボニル)−6−(O−メチルスルホニル))−1,4,8,11−テトラアザウンデカン(N4(Bob)4−O−SO2CH3) [2]:
1(300 mg, 0.54 mmol)のピリジン(3 mL)溶液に、塩化メチルスルホニル(84 μL, 1.08 mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌し、反応が終了するまでTLCでモニターした。溶媒を減圧下に蒸発し、残渣は酢酸エチルに添加した。上記酢酸エチルを10%NaHCO3および水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過および減圧下での溶媒の蒸発によって粗製生物を得、これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物を84%の収率で得た。
【0152】
iii) N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(tert−ブチルオキシカルボニル)−6−(アジド)−1,4,8,11−テトラアザウンデカン
2(250 mg、0.38 mmol)とナトリウムアジド(100 mg, 1.52 mmol)のDMF(3mL)懸濁液を75℃で5時間撹拌した。その後反応混合物を室温で18時間撹拌した。続いて反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで3回抽出し、酢酸エチル相はあわせて塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過および減圧下での溶媒の蒸発によって粗製生物が得られ、これをさらにカラムクロマトグラフィーで精製した(収率88%)。
【0153】
d)溶液中でのカップリング
末端アルキル基を有するペプチド(6.2 mg, 5 μm)と3(3 mg, 5 μm)を水とtert−ブチルアルコール1:1混合物(1mL)に溶解した。銅粉(10mg)、続けて0.1M硫酸銅(II)5水和物(60 μL, 6 μm, 1.2 equiv)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。銅粉を濾別し、溶媒を減圧除去した。粗ペプチドを半透膜RP−HPLCで精製した。
【0154】
キレート剤−ペプチド複合体をTFA:TIS:H2O (95:2:3)で2時間処理した。溶媒を減圧除去した。粗生成物をジエチルエーテルで摩砕して、半透膜RP−HPLCで前述の通り精製した。
【0155】
上記複合体をRP−HPLC分析装置で分析し、質量分析装置(ESI−MS)で特徴を明らかにした。
【0156】
化合物14:A =N4−アジド、B1=プロパルギル−dPEG1−NHS−エステル; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=GIy; Xaa3=Sta; Xaa4=Leu
4−トリアゾール−dPEG1−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2; C681052113, 計算値 (m/z): 1424.7, 実測値[M+H]+: 1425.5
【0157】
実施例3(A−B−C2)
DOTA−Spacer−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CHOH)−(CH22−CH3
【0158】
擬ペプチド(pseudopeptides)はすべて液相で、ヘプタペプチドFmoc−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Xaa2−His−OHを修飾アミノ酸H−LeuΨ(CHOH)−(CH23−CH3と縮合して合成した。
【0159】
a)ヘプタペプチドFmoc−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Xaa2−His−OHの合成
【0160】
Fmocストラテジーを用い、マニュアルでペプチドを2−クロロトリチル樹脂上に合成した。通常は、2−クロロトリチル樹脂を理論充填量1.4mmol/g樹脂で反応装置に供給した。上記樹脂をDCM中30分間膨潤し、最初のアミノ酸をアミノ酸1等量加え、4倍モル過剰のDIPEAのDCM溶液と混合し、カップリングした。カップリング反応混合物を室温で2時間撹拌し、樹脂をDCM/MeOH/DIPEA (17/2/1)で2回、DCMで2回洗浄し、最後にDMF中で膨潤した。ピペリジン20%DMF溶液を用いてFmocを脱保護し、除去されたFmoc保護基の量を300nmの分光光度法で測定した。次のアミノ酸を、等モル量のDIC/HOBtと、4倍モル過剰のDIPEAのDCM溶液と共に、2倍モル過剰のアミノ酸を加えてカップリングした。樹脂を室温で2時間撹拌し、カップリングはKaiserニンヒドリンテストでモニターした。各アミノ酸は同じストラテジーを用いてカップリングした。
【0161】
b)SPACERとプロキレート剤DOTA (tBu)3のカップリング
カップリングは上記と同様に行った。
【0162】
c)開裂および精製
樹脂をTFA/TIS/DCM (1/5/94)混合物に分散することで、完全に保護したペプチドを、固体担体から開裂した。5mLの開裂溶液をシリンジで数回調製し、10分間インキュベートし、開裂フラクションを50mLフラスコに収集した。上記フラクションをすべて収集した後、3×10mLトルエンをフラスコに添加し、溶媒を蒸発させ、生成物をその後1時間オイルポンプ真空下乾燥した。
【0163】
d)Boc−LeuΨ(CHOH)−(CH23−CH3の合成。合成には3ステップが含まれる。
i)Boc−Leu−N(OCH3)CH3の合成
Boc−Leu−OH (1 g, 4.3 mmol)をDCM (30 mL)に溶解し、0℃で2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート (TBTU)(1.380 g, 4.3 mmol), HOBt (0.581 g, 4.3 mmol) およびDIPEA (743 μL, 4.3 mmol)を添加した。5分間の撹拌の後、O,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 (0.461 g, 4.73 mmol) およびDIPEA (817 μL, 4.73 mmol)を添加した。固形分はすべて10分以内で溶解し、該混合物を終夜、室温で撹拌した。溶媒を蒸発させ、反応混合物をAcOEtに再度溶解し、水、クエン酸、水、NaHCO3水溶液、飽和NaCl溶液で数回洗浄した。上記溶液をMgSO4乾燥し、溶媒を真空除去した。目的の化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。ESI−MS: 計算値 269; 実測値 292[M+Na]+
【0164】
ii)Boc−Leu−(CH23−CH3の合成
マグネシウム(0.330 g, 13.6 mmol)をN2下、トルエン中で30分間活性化した。上記トルエンを除去し、N2下、上記Mgを乾燥した。MgのTHF (20 mL)懸濁液へ、ブロモブタン(1.46 mL, 13.6 mmol)を滴下し、混合物を還流加熱した。すべてのマグネシウムを溶解した後、Boc−Leu−N(OCH3)CH3 のTHF溶液を滴下し、0℃で2時間撹拌反応させた。1M HCl (150 mL)、次いで酢酸エチル(100mL)を加えた。有機相を1M硫酸水素カリウム、水で洗浄、乾燥し(Na2SO4)、真空で濃縮した。予想される化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物の特徴を1H−NMRおよび13C−NMRで明らかにした。ESI−MS: 計算値 271; 実測値 293.3 [M +Na]+
【0165】
iii)Boc−LeuΨ(CHOH)−(CH23−CH3の合成
Boc−Leu−(CH23−CH3 (0.190 g, 0.7 mmol)のメタノール(5mL)溶液にNaBH4 (0.104 g, 2.8 mmol)を添加した。反応混合物をさらに1時間撹拌し、酢酸で中和し、溶媒を減圧除去した。予想される化合物を飽和重炭酸塩溶液で沈殿させた。濾過によりペプチドを収集し、水、ヘキサンで洗浄、乾燥した。生成物の特性を1H−NMRおよび13C−NMRで明らかにした。ESI−MS: 計算値 272; 実測値 273 [M +H]+; 547.7 [2M+H]+
【0166】
iv)溶液中でのカップリング
Boc−LeuΨ(CHOH)−(CH23−CH3を、TFA80%のDCM溶液で脱保護した。1時間後、溶液を濃縮し、DCMで数回洗浄し、乾燥した。キレート剤−スペーサ−ペプチドをDMFに溶解し、HATU(1.2等量)を添加し、該混合物を1時間撹拌した。H−LeuΨ(CHOH)−(CH23−CH3をDMFに溶解し、ペプチドに添加した。DIPEAを用いてpHを8に調節し、室温で4時間撹拌反応した。
【0167】
溶媒を濃縮し、氷上、水で完全保護ペプチドを析出させた。粗ペプチドを析出、冷却、遠心分離し、デカンテーションによって溶媒から分離した。完全に脱保護されたペプチドを得るために、DCM/TFA/TIS/H2O 10/85/2.5/2.5混合物に溶解した。4時間後、上記溶液を濃縮し、50%ジエチルエーテルと50%のジイソプロピルエーテルの混合物を用いて、ペプチドを氷上で析出した。上記ペプチドを3000rpmで5分間遠心分離器にかけて収集し、上澄みをデカンテーションした。沈殿物をジエチルエーテルで数回洗浄し、粗生成物を真空中に終夜保持し、残った溶媒を除去した。粗生成物を水に溶解させ、先に述べた分別で精製した。
【0168】
上記複合体をRP−HPLC分析装置で分析し、質量分析装置(ESI−MS)で特徴を明らかにした。
【0169】
化合物9: A=DOTA, B1=4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly;DOTA−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Ghi−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3, C741121817, 計算値 (m/z): 1524.8, 実測値[M+K]+: 1564.3
【0170】
化合物10: A=DOTA, B1=15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカノイル; B2=4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン, Xaa1=DPhe; Xaa2=GIy;DOTA−PEG4−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3; C861351922, 計算値 (m/z):1786.9, 実測値[M+K]+: 1811.1
【0171】
化合物11: A=DOTA, B1=15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカノイル; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; DOTA−PEG4−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3781211721, 計算値 (m/z): 1632.8, 実測値[M+K]+: 1672.2
【0172】
実施例4(A−B−C−3)
DOTA−Spacer−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa3I3−Xaa414−NH2
【0173】
一般配列:DOTA−Spacer−Xaa1−Trp−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2を有するボンベシン複合体の合成
a)ペプチド: Fmoc−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2 の合成。
【0174】
Fmocストラテジーを用いて、MBHA樹脂LL(100−200メッシュ)HCl上にマニュアルでペプチドを合成した。通常、理論負荷量0.59mmole/gのMBHA樹脂を反応機に投入、DCM中で30分間膨潤した。樹脂を、10%DIPEAのDCM溶液で3回(10分)処理した。Boc−LeuΨ(CH2NH)−Phe−OHの最初のカップリングは、2等量のHOBtと2等量のDICで活性化された、Boc−アミノ酸を2等量使用して行った。カップリング反応混合物を室温で2時間撹拌し、該反応はKaiserニンヒドリンテストでモニターした。BocをTFA30%のDCM溶液を用いて脱保護し、このステップを2回繰り返した。樹脂は、その後DIPEA10%のDCM溶液で処理し、上述のようにカップリングを行った。
【0175】
(H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2: C5676149, 計算値(m/z): 1089.3, 実測値[M+H]+: 1089.8
【0176】
b) SPACERとプロキレート剤DOTA (tBu)3とのカップリング
カップリングは上記と同様に行った。
【0177】
c)脱保護、開裂および精製
ペプチドをTFA (1 mL) およびTIS (30 μL)で処理し、混合物を室温で5分間撹拌した。上記混合物を次いでアイスバス中で冷却し、撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)を滴下した。フラスコをストッパーで密封し、混合物を室温で2時間撹拌した。真空で体積を減少させ、冷ジエチルエーテルを加えてペプチドを析出させた。析出物をジエチルエーテルで数回洗浄し、粗生成物を真空乾燥した。粗生成物を水に溶解し、上述のHPLC分別で精製した。
【0178】
上記複合体をRP−HPLC分析装置で分析し、質量分析装置(ESI−MS)で特徴を明らかにした。
【0179】
化合物12: A=DOTA, B1=4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン; B2=なし, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3 =LeuΨ(CH2NH); Xaa4= Phe
【化26】

DOTA−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2
791142017, 計算値 (m/z): 1615.9, 実測値[M+K]+: 1654.9
【0180】
一般配列:DOTA−Spacer−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CH2NH)−Cys−NH2を有するボンベシン複合体の合成
【0181】
a)ペプチド: Fmoc−Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CH2NH)−CyS−NH2の合成
【0182】
Boc−ストラテジを用い、マニュアルでペプチドをMBHA樹脂(0.59 mmol/g)上に固相で合成した。DIC (2.5 eq.) とHOBt (2.5 eq.)を活性化剤として用い、Boc−Cys(4−MeOBzl)−OH (2.5 eq.)を樹脂にカップリングした。pHをDIPEA(5 eq.)で8に調節した。酸性化ジメチルホルムアミドに溶解したBoc−Leu−アルデヒド (2.5 eq.)を用いて還元結合(reduced bond) 13Ψ14(CH2−NH)の導入を行った。DMFに溶解したNaBH3CN (2.5 eq.)をゆっくりと、20分間で添加し、室温で1時間撹拌しながら反応を行った。還元ペプチド結合を形成した後は、カップリング反応はすべてN−Boc保護アミノ酸を用いて行った。
【0183】
b)SPACERおよびプロキレート化剤DOTA(tBu)3とのカップリング
カップリングは上述の通り行った。
【0184】
c)脱保護、開裂および精製
脱保護、開裂および精製は上述の通り実施した。上記複合体はRP−HPLC分析装置で分析し、質量分析装置(ESI−MS)で特徴を明らかにした。
【0185】
化合物13: A=DOTA, B1=4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン; B2=none, Xaa1=DPhe; Xaa2=Gly; Xaa3 =LeuΨ(CH2NH)−; Xaa4=Cys
【化27】

DOTA−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CH2NH)−Cys−NH2; C731102017S, 計算値 (m/z): 1571.8, 実測値[M+Na]+: 1593.6
【0186】
実施例4 合成複合体の放射性同位元素標識(化合物1−13)
基本手順
キレート剤−ボンベシンペプチドアンタゴニスト複合体水溶液のアリコート10μgに、(111InCl3177LuCl3 または67/68GaCl3)の水溶液1−2mCi、および250−500μLの0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(pH=5)を添加した。この溶液を95℃で30分間加熱し、10分間で室温まで冷却した。反応混合物の5μlアリコートをCa−DTPA 溶液(0.1 M, pH 5.2)25μlに添加、HPLCで分析し、非標識放射性核種の量を決定した。
【0187】
実施例5 合成複合体の115In標識化
ボンベシンアナログとnatInの錯化は同じプロトコルに従って実施した。natInはnatInCl3溶液の形で、モル比1:1で使用した。
【0188】
実施例6(生体内アッセイ)
GRP受容体アンタゴニストの生体内特性評価
【0189】
試薬とペプチド
入手可能な特級の試薬を、一般の供給業者から購入した。マウスのモノクローナル血球凝集素(HA)エピトープ抗体をCovance(Berkeley, CA)から購入した。第2の抗体Alexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgG (H+L)をMolecular Probes, Inc. (Eugene, OR)から購入した。ボンベシンおよびそのアンタゴニスト[D−Phe6, Leu−NHEt13, des−Met14]−ボンベシン(6−14) (GRPR−ANTAG)はBachem(Bubendorf, Switzerland)から購入した。RM26, RM1b, In−RM1b, および175Lu−AMBAは H.R. Macke (Basel, Switzerland)から提供された。Fluo−4NW Calcium AssayキットはMolecular Probes, Inc. (Eugene, OR)から提供された。
【0190】
細胞株
HA−エピトープ標識ヒトGRP受容体(HEK−GRPR)を発現するヒト胎児腎臓293 (HEK293)細胞は、過去の記載通りに発生し(Cescatoら, 2008)、10% (v/v) ウシ胎仔血清(FBS)、100 U/ml ペニシリン、100 μg/ml ストレプトマイシン、および、750 μg/ml G418を含む、GlutaMAXTM−I添加ダルベッコ変法イーグル培地 (DMEM)中、37℃、5%CO2で培養した。ヒト前立腺癌細胞(PC3細胞)はDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH; DSMZ No: ACC465)から入手し、37℃、5%CO2で、2mML−グルタミンを含み、10% (v/v) FBS, 100 U/ml penicillin および100 μg/ml streptomycinを添加したHam’s F12K中で培養した。培養試薬はすべてGibco BRL (Grand Island, NY)のものを使用した。
【0191】
結合親和性測定
種々の化合物のGRP受容体結合親和性は、過去の記載通り、特性のよく知られた前立腺癌のクライオスタットセクション(cryostat sections)上の、またはHEK−GRPRまたはPC3細胞ペレットからのセクション上の、生体内における受容体オートラジオグラフィーによって測定した(Markwalderら, Can. Res., 1999; 59, 1152−1159; Reubi ら, Eur. J. Nucl. Med., 2000;27: 273−282; Reubiら, Clin. Cancer Res. 2002;8 1139−1146)。
【0192】
放射性リガンドはGRP受容体を優先的に標識するものとして知られている125I−[Tyr4]−bombesin (Vignaら, Gastroenterology. 1987;93: 1287−1295)、および一般的なボンベシン受容体リガンドである125I−[D−Tyr6, β−Ala11, Phe13, Nle14]−bombesin(6−14) (Gastroenterology. 1987;93: 1287−1295)、を使用した。
表1の結果を参照。
【0193】
免疫蛍光顕微鏡検査法
免疫蛍光顕微鏡検査法を用いたHEK−GRPR細胞内在化解析を、過去の記載通りに実施した(Cescatoら, 2006; Cescatoら, 2008)。簡単に言えば、HEK−GRPR細胞を、ポリ−D−lysine (20 μg/ml) (Sigma−Aldrich, St. Louis, MO)をコートした35mmの4穴プレート(Cellstar, Greiner Bio−One GmbH, Frickenhausen, Germany)上で培養した。実施例では、10nMボンベシン、または1μMの各種ボンベシンアナログ、または潜在的拮抗性を評価するために、100倍過剰のこれらアナログ存在下に10nMボンベシンで、細胞を37℃、5%CO2で30分間、成長培地で処理し、続けて、免疫蛍光顕微鏡検査のために、マウスモノクローナルHA−エピトープ抗体を一次抗体として希釈度1:1,000、Alexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgG (H+L)を二次抗体として希釈度1:600を用いて処理を行った。細胞のイメージングは、ライカDM RB免疫蛍光顕微鏡およびオリンパスDPlOカメラを用いて行った。
【0194】
ボンベシンによって誘発されるGRP受容体内在化は、ボンベシンアナログである化合物1、In−化合物1、化合物1b、およびGRPR−ANTAGによって効果的に拮抗される。HEK−GRPR細胞はビヒクル(ペプチドなし、a)、またはボンベシン10nmol/L(b)、すなわち亜最大の内在化効果を誘発する濃度、で30分間処理を行った。パネル(d、f、h、j)はアナログ化合物1b、GRPR−ANTAG、化合物1、およびIn−化合物1の1μmol/L存在下に10nmol/Lボンベシンで処理を行った細胞を示す。濃度1μmol/Lの化合物1b、GRPR−ANTAG、化合物1、および化合物In−化合物1単独での効果はパネル(c、e、g、i、k)に示す。ペプチドでのインキュベーションに続いて、上記の通り、細胞を免疫細胞化学用に処理した。ボンベシンで処理した細胞には、点状の、核周辺の汚染が明らかに検出される。この点状汚染は、アナログ化合物1、In−化合物1、化合物1bおよびGRPR−ANTAGの過剰で効果的に取り除くことができる。化合物−1、In−化合物1、化合物1bおよびGRPR−ANTAGを単独で与えた場合にはGRP受容体内在化に影響は与えない。
表1および表2の結果を参照。
【0195】
カルシウム放出試験
細胞内カルシウム放出は、過去の記載通り、PC3細胞内で、Fluo−4NW Calcium Assayキットを用いて測定した(Magrysら, J. Clin. Immunol. 2007, 27, 181−192; Michelら,; Cescatoら, J. Nucl. Med. 2008; 49: 318−326)。簡単にいえば、PC3細胞を96穴プレートに播種し(1穴あたり10000細胞)、37℃、5%CO2で2日間、培地で培養した。実験当日、細胞を、2.5mMプロベネシドを含む試験用緩衝液(1 x HBSS, 20 mM HEPES)で洗浄し、Fluo−4NW染料の2.5mMプロベネシド含有試験用緩衝液100μL/wellを37℃、5%CO2で30分間、さらに室温で30分間ロードした。試験用ボンベシンアナログで刺激を与えた後、細胞内カルシウム移動を測定するために、染料をロードした細胞をSpectraMax M2e (Molecular Devices, Sunnyvale, CA)に移した。細胞内カルシウム移動は、指示濃度のアナログの存在下に、520nmの蛍光放射(λex=485 nm)をモニターしながら、室温で60秒間、動的に記録した。25μMイオノマイシン添加後、最大蛍光(F−max)を測定した。染料をロードした未処理の細胞に対して、ベースライン(F−ベースライン)を測定した。データは、過去の報告 (Magrysら, J. Clin. Immunol. 2007, 27, 181−192; Michelら, Cescatoら, J. Nucl. Med. 2008; 49: 318−326) と同様に、最大カルシウム応答のパーセンテージ(F−max − F−baseline=100 % of maximum calcium response)として示した。実験はすべてトリプリケートで3回繰り返して行った。
【0196】
図1は、In−Compound 1 とcompound 1aが、ボンベシン(BB)の存在下、ボンベシンの用量反応曲線を右にシフトさせるアンタゴニストと同様に挙動することを示す。
表1および図1の結果を参照。
【0197】
化合物1 : DOTA−Gly−アミノベンゾイル−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物2: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物3 : DOTA−4−アミノ−1−ピペリジン−4−カルボン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−
His−Sta−Leu−NH2
化合物4: DOTA−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−
Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物5: DOTA−(15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸)−(4−アミノ−l−カルボキシ−メチル−ピペリジン)−D−Phe−Ghi−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物6: DOTA−ジアミノ酪酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物7 : DOT A−4−(2−アミノエチル)−1−カルボキシメチル−ピペラジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−VaI−
Gly−His−Sta−Leu−NH2
化合物8: DOTA−(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)−こはくアミド酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−
His−Sta−Leu−NH2
化合物9: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−
LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
化合物10: DOTA−(15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸−4−アミノ−l−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
化合物11: DOTA−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸−D−Phe−Gln−Trp−Ala−
Val−Gly−His−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
化合物12: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−
His−LeuΨ(CH2NH)−Phe−NH2
化合物13: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−
His−LeuΨ(CH2NH)−Cys−NH2
化合物14: N4−トリアゾール−dPEG1−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2.
【0198】
【表1】

化合物1、2および9の結合親和性は、115In非放射性アイソトープとの錯化後に測定した。データからは、アイソトープとの錯化は、受容体との結合親和性だけでなく、アンタゴニスト特性にも影響を与えないことが分かった。
【0199】
関連公報中の標準方法:
Cescato R, Schulz S, Waser Bら, sst2、sst3、およびsst5受容体の内在化:ソマトスタチンアゴニストおよびアンタゴニストの効果. J. Nucl. Med., 2006;47:502−511.
【0200】
Cescato R, Maina T, Nock B, Nikolopoulou A, Charalambidis D, Piccand V, Reubi JC. 腫瘍標的に関しボンベシン受容体アンタゴニストはアゴニストよりも好ましいかもしれない. J. Nucl. Med.. 2008; 49:318−326.
【0201】
Magrys, A.; Anekonda, T.; Ren, G.; Adamus, G. 自己免疫媒介網膜症の病原性におけるアンチ−アルファ−エノラーゼ自己抗体の役割. J. Clin. Immunol. 2007, 27, 181−192.
【0202】
Markwalder R, Reubi JC. ヒト前立腺におけるガストリン放出ペプチド受容体:悪性形質転換との関係. Cancer Res. 1999;59:1152−1159.
【0203】
Michel, N.; Ganter, K.; Venzke, S.; Bitzegeio, J.; Fackler, O. T.; Kepplet, O. T. ヒト免疫不全ウイルスはケモカイン受容体細胞表面レベルの広スペクトル調節因子であって、受容体エンドサイトーシスおよびGalphaiシグナリングについての従来のモチーフとは独立して作用する. Mol. Biol. Cell. 2006, 17, 3578−3590
【0204】
Reubi JC, Schaer JC, Waser Bら, シンチグラフィックおよび放射線治療用途のために選択されたソマトスタチン放射性トレーサの、ヒトソマスタチン受容体sst1―sst5親和性プロファイル. Eur. J. Nucl. Med., 2000;27:273−282.
【0205】
Reubi JC, Wenger S, Schmuckli−Maurer J ら,ヒト癌内ボンベシン受容体サブタイプ:ユニバーサル放射性リガンド(125)I− [D−TYR(6), beta−ALA(11), PHE(13), NLE(14)] ボンベシン(6−14)を用いた検出. Clin. Cancer Res., 2002;8:l 139−1146.
【0206】
Vigna SR, Mantyh CR, Giraud AS ら,イヌ胃腸管におけるボンベシンの特異的結合部位の特定. Gastroenterology. 1987;93: 1287−1295.
【0207】
実施例7 PC−3腫瘍を有するヌードマウスの生体内分布実験
メスのヌードマウスの皮下に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)滅菌溶液中で新たに増殖したPC−3腫瘍細胞を1000万埋め込んだ。接種11日後、マウスの尾静脈に10pmolの放射性標識ペプチド(約0.18 MBq)をNaClで希釈したもの(0.1%ウシ血清アルブミン, pH 7.4, 注射総量=100 μL)を注射した。腫瘍内または受容体陽性臓器内の非特異的な取込みを測定するために、4動物のグループにあらかじめ0.02μmolの非標識ペプチドの0.9%NaCl溶液を注射し、5分後に放射性標識ペプチドを注射した。1、4、24、48、および72時間のインターバルで、マウス(グループ3−4)を犠牲にし、興味のある臓器を集め、過剰の血液を洗い流し、秤量しγ−カウンターで測定した。
【0208】
【表2】

【0209】
【表3】

【0210】
【表4】

【0211】
【表5】

【0212】
【表6】

【0213】
【表7】

【0214】
【表8】

実施例8 PET/CT−イメージング、PC−3およびLNCaP -腫瘍を有するマウスのGa− 68−DOTA 化合物2の生体内分布実験、結合親和性および安定性
イメージング+生体内分布
化合物2: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Sta−Leu−NH2
【化28】

示性式:C78H115N20O19Ga; 分子量: 1704.89
【0215】
Ga−68−DOTA−化合物2はマイクロPET/CT(Inveon, Siemens)上で、PC−3 およびLNCaP腫瘍を有するマウス中で、10MBq放射性トレーサを注射した1時間後にイメージングした。このボンベシンアンタゴニストの急速な腎クリアランスによって、観測されたバックグラウンド活性は非常に低く、腎臓および膀胱のわずかな取込みのみであった。両異種移植片中に見られる高い腫瘍コントラストは、100μgボンベシンまたは非放射性化合物2そのものによって効果的にブロックされた。ボンベシン受容体がボンベシンで有効にブロックされることでPC−3腫瘍を有するマウスの腫瘍中における信号の重大な喪失が生じた。図3aおよび3bではPC−3腫瘍を有するマウス、および図4aおよび4bではLNCaP−腫瘍を有するマウス。
【0216】
結合親和性
Ga−68−DOTA−化合物2のGRPrに対する結合親和性は、2つの異なる方法で測定することができ、該方法はヒト組織上の受容体オートラジオグラフィおよびPC−3細胞を用いた細胞分析を含む。両方法は、非放射性DOTA−化合物2ペプチドをベースにして、IC50〜8nMと、化合物2の高い結合親和性を生じさせた。
【0217】
マウスプラズマおよびミクロソーム内の安定性
いくつかの生体内および生体外の方法による測定では、Ga−68−DOTA−化合物2は良好な代謝的安定性を示した。Ga−68−DOTA−化合物2の生体内プラズマ安定性は腫瘍を有しないマウスで観察され、マウスプラズマおよび尿は、Ga−68−DOTA−化合物2約20 MBqの静注後1、3、5、10、および15分後にHPLCで分析した。数分後、放射性トレーサの小規模なプラズマ分解を観察、すなわち、2つの非常に小さな極性の代謝物の存在が1.3および1.5分の保持時間で見られ、これはまた、尿中の主代謝物としても存在した。化合物そのものは、開始5分p.i.で、保持時間11.6−11.7に現れ、ダブルピークを示した。
【0218】
Ga−68−DOTA−化合物2のミクロソーム安定性は、マウスおよびヒトミクロソームを放射性トレーサを用いてインキュベートしたものを用いて測定し、HPLCで解析を行った。マウスまたはヒトミクロソームによるGa−68−DOTA−化合物2の分解は見られなかった。ミクロソーム補因子なしで、クロマトグラム上に検出されたわずかな不純物も存在した。
【0219】
実施例9 PC−3腫瘍を有するマウスでの、99mTc−ARN4−06のSPECT/CT−イメージングおよび生体内分布実験
【表9】

図6は99mTc−ARN4−06 (15 MBq/200 pmol)のSPECT/CTイメージを示す。
【0220】
実施例10 PC−3腫瘍を有するマウスにおける、99mTc−ARN4−05のSPECT/CT造影実験及び生体分布実験
上記実験プロトコルを参照のこと。
【表10】

図8は99mTc−ARN4−05 (15 MBq/200 pmol)のSPECT/CTイメージを示す。
【0221】
実施例11 Ga−68−DOTA 化合物2の合成
ステップ1:非放射性ペプチドをポリスチレン担持Rinkアミド樹脂を用いた標準Fmocストラテジーに続く固相ペプチド合成(SPPS)で合成した。
ステップ2:
350μl Wheaton Vバイアルの0.25M HEPES
・ [68Ga]GaCBを400μl 97.6%アセトン/0.05N HClに添加
・ 0.1 M HClでpHを〜3.5に調整
・ 40μg ペプチドを40μl 水に添加
・ 75W (95°C) で30秒間加熱
・ 30秒間保持
・ 加熱と静置をさらに3回繰り返す
・ 反応混合物に水を5ml添加
・ tC18 Light SPE固定
・ 水洗 (5ml)
・ EtOH溶出 (500μl)
【化29】

放射化学的収率(最適化なし) 79−231MBq(32−60%d.c.)
開始時活性 189−593 MBq
標識数 10
不成功 0
放射化学的純度 >98% (HPLC及びITLC)
比活性 3,2−11.8GBq/μmol
【0222】
図9は、逆相カラムでのGa−68−DOTA 化合物2のHPLC解析を示す。
生成物純度
カラム: ACE 5μ C18 50×4,6mm
溶媒: 溶媒A:H2O±0.1%TFA、
溶媒B:MeCN±0.1%TFA
勾配: 7分間で、5〜95%
流速: 2ml/分
【0223】
実施例12 Lu−177−DOTA化合物2の血清安定性
化合物2: DOTA−4−アミノ−1−カルボキシメチル−ピペリジン−D−Phe−Gln−Trp−Ala−VaI−Gly−His−Sta−Leu−NH2
ヒト血清内における、Lu−177で放射性標識したLu−177−DOTA 化合物2の血清安定性を調べた。HPLC法で解析したところ、ヒト血清内でLu−177−DOTA 化合物2を96時間インキュベートした後、化合物の70%がそのままだった。ヒト血清1mLを新たに用意、37℃5%CO2環境下であらかじめ平衡化し、0.03 nmol 177Lu標識ペプチド標準溶液を添加した。上記混合物を5%CO2、37℃環境下でインキュベートした。いくつかのポイントで100−μLアリコート(3部)をとり、EtOH200μLで処理し、血清タンパクを析出させた。サンプルはその後5000rpmで15分間遠心分離した。上澄みを50μLとり、γウエル型計算管で活性を測定、沈渣を1mLEtOHで2回洗浄して測定し、上澄みの活性をペレットの活性と比較し、タンパクに結合していないペプチド、または血清タンパクに移動した放射性金属のパーセントを求めた。上澄みをHPLCで分析(溶離液: A=0.1% トリフルオロ酢酸水溶液および B=アセトニトリル; 勾配: 0分 95%A; 20分 50%A)し、血清中のペプチドの安定性を測定した。
【0224】
図11にヒト血清中のLu−177−DOTA 化合物2の安定性を示す。
【0225】
実施例13 F18−塩素およびF18−FDGとの比較
1時間p.i.でのPC−3腫瘍担持マウス中のGa−68 RM2の生体内分布を、前立腺癌イメージングに使用されるF−18トレーサ[18F]フルオロエチルコリン(FEC)、および腫瘍学における代表的なF18トレーサであるFDGと比較した。Ga−68 RM2は下表参照:
【表11】

腫瘍対組織比の高さは、PETイメージング用のGa−68化合物RM2の診断薬としての有用性を明確に示している。
図12を参照。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I):
(II) [A−(B)nx−C
{式中、
xは1から3の整数、
nは1から6の整数、
Aは、少なくともひとつの放射性核種金属を含む金属キレーター、
Bは、CのN−末端に結合したスペーサまたは共有結合、
Cは、以下の配列C−1からC−4:
C−1: Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa313−Xaa414−ZH、
[当該配列において、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式:
【化1】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
のいずれか1つを有する残基であり、
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa3はスタチン、スタチンアナログおよび異性体、4−Am,5−MeHpA、4−Am,5−MeHxAまたはα−置換アミノ酸、
Xaa4はLeu、Cpa、Cba、CpnA、Cha、t−buGly、tBuAla、Met、Nle、またはiso−Bu−Gly、および
ZはNHまたはOである]
C−2: Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3
[当該配列において、
LeuΨ(CHOH−CH2)−(CH22−CH3は、
【化2】

であり、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式:
【化3】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
のいずれか1つを有する残基であり;
Xaa2はGlyまたはβ−Alaである]
C−3: Xaa16−Gln7−Trp8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa513−Xaa614−ZH、
[当該配列において、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式:
【化4】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2である)
のいずれか1つを有する残基であり;
Xaa2はGlyまたはβ−Ala、
Xaa5はLeuΨ−CH2NH−、
Xaa6はCys、Phe、Tip、Tpi、またはTac、
ここで、TpiおよびTacは以下の:
【化5】

を意味し、及び
ZはNH、またはOである]
C−4: Xaa16−Gln7−Tip8−Ala9−Val10−Xaa211−His12−Xaa7
[当該配列において、
Xaa1はD−Phe、D−Cpa、D−Tyr、D−Trpまたは下記式:
【化6】

(式中、KはF、Cl、I、またはNO2
のいずれか1つを有する残基であり:
Xaa2はGIyまたはβ−Ala、
Xaa7はLeu−O−Alkyl、またはLeu−NH−アルキルである]
のボンベシンアナログペプチドアンタゴニストである}
を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体、およびこれらの無機酸または有機酸の薬学的に許容される塩、これらの水和物、錯体、エステル、アミド、溶媒和物、およびプロドラッグ。
【請求項2】
前記金属キレーター(A)が3価金属または5価金属用の金属キレーター、およびそれらの近縁アナログである、請求項1記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項3】
前記3価金属用の金属キレーターがDOTA−、NODASA−、NODAGA−、NOTA−、DTPA−、EDTA−、TETA−、およびTRITA−ベースのキレーターおよびそれらの近縁アナログを含む群から選ばれる、請求項2に記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項4】
前記5価金属用の金属キレーターが、以下の:
【化7】

{式中、
1−R15は互いに独立して水素原子または(C1−C4)アルキル基であり、ここで、上記式の
【化8】

で表される部分において、tは1または2または3であり、以下の:
【化9】

で表される部分において、少なくとも1の炭素原子が、Yで置換されているかまたはYで置換されておらず、
16は水素原子またはCO2(C1−C4)−アルキル基であり;
17およびR18は互いに独立して(C1−C4)−アルキル基またはフェニル基であり;
19はCH2−COOHまたはその機能的誘導体;
Eは(C1−C4)−アルキレン、またはフェニレン;
場合により(C1−C4)−アルキレンはCO2−アルキル、CH2−CO−アルキル、CONH2、またはCONHCH2−CO2−アルキルで置換され;
場合によりフェニレンはCO2−アルキルで置換され、ここでアルキル基は1から4の炭素原子を有し;
GはNHまたはS;
Yはペプチド(N末端)のフリーのアミノ基、またはスペーサと結合することのできる官能基;および
Z’はSまたはOである}
を含む群から選択される、請求項2記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項5】
造影用の前記放射性核種金属が、133mIn,99mTc、67Ga、52Fe、68Ga、72As、111In、97Ru、203Pb、62Cu、64Cu、51Cr、52mMn、157Gd、123I、124I、131I、75Br、76Br、77Br、および82Brを含む群から選択される、請求項1記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項6】
放射線治療用の前記放射性核種金属が、186Re、90Y、67Cu、69Er、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、198Au、199Au、161Tb、109Pd、188Rd、186Re、188Re、77As、166Dy、166Ho、149Pm、151Pm、153Sm、159Gd、172Tm5 90Y、111In、169Yb、175Yb、177Lu、105Rh、111Ag、125I、123I、213Bi、225Ac、129I、および177mSnを含むグループから選択される、
請求項1記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項7】
CのN末端に結合したスペーサBが一般式II:
II B1−B2
{式中、
1は共有結合、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、線状ジアミン、またはサイクリックジアミンであり、
2は共有結合、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、線状カルボン酸、またはサイクリックカルボン酸であり、
ただし、B1とB2が同時に共有結合であることはできず、B1がジアミンの場合、B2はカルボン酸である}
を有する、請求項1記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項8】
前記非天然アミノ酸が、以下の一般式III、IV、VまたはVI:
【化10】

{式中、
aは0から3の整数、
bは0から3の整数であり、そして、
相対的な置換パターンは、任意に1,2−、1,3−、または1,4−である}
【化11】

{式中、
cは1から24の整数、
dは1から6の整数である}
【化12】

{式中、
E’はNH、またはCH2
fは0から6の整数、
gは0から6の整数であり、
E’がCH2の場合、当該6員環は、当該6員環の任意の炭素位において、環の同一炭素上で、または異なる炭素上で場合により置換され、
E’がNHの場合、当該6員環は、当該6員環の任意の炭素位において、環の同一炭素原子上で、または異なる炭素原子上で、および/または窒素原子上で場合により置換され、ただしfまたはgは1以上の整数である}
【化13】

{式中、
iは1から6の整数、
jは1から6の整数、
PはOまたはH2であり、
好ましくは、
iは1から3の整数、
jは1から3の整数、
PはOである}
のいずれか1つを有する化合物である、請求項7記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体およびそれらの近縁アナログ。
【請求項9】
ボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体が、以下の一般式(I’):
(I’) [A’−(B)nx−C
{式中、A’はAの代わりであって、放射性核種金属を伴わない金属キレーターであること以外は、Aと同じ意味を持つ}
を有する、請求項1−8いずれか1項に記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体。
【請求項10】
請求項1−9いずれか1項に記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体いずれかを含む薬学的組成物。
【請求項11】
ボンベシン受容体、好ましくはガストリン放出ペプチド受容体(GRP)への結合、および/または、ボンベシン受容体、好ましくはガストリン放出ペプチド受容体(GRP)の阻害のための、請求項1−9いずれか1項に記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の使用。
【請求項12】
上記定義の一般式(I’)を有するボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を、適当な放射性核種金属または金属原子と放射キレート化するステップを含む、請求項1記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体のいずれかの製法。
【請求項13】
−請求項1−8いずれか1項記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の放射性医薬的有効量を患者に投与する;
−患者体内で放射性核種金属を造影する;
ステップを含む、患者において、ボンベシン受容体、好ましくは、GRP受容体を発現する腫瘍細胞および/または腫瘍血管および腫瘍周辺血管を造影する方法。
【請求項14】
ボンベシン受容体、好ましくはGRP受容体発現腫瘍細胞および/または腫瘍および腫瘍周辺血管をイメージングするための造影剤の製造のための、放射性医薬として薬効な量の請求項1−8いずれか1項記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の使用。
【請求項15】
前記腫瘍細胞が、以下の:
−転移癌を含む前立腺癌、
−転移癌を含む乳癌、
−消化管間質腫瘍、
−小細胞肺癌、
−腎細胞癌、
−膵内分泌腫瘍、
−頭頸部扁平上皮癌、
−神経芽細胞腫、および
−食道扁平上皮癌
を含む群から選択される癌を指し、ここで
前記腫瘍および腫瘍周辺血管が、
−卵巣癌、
−子宮内膜癌、および
−膵臓癌
を含む群から選択される癌を指す、請求項14記載の使用。
【請求項16】
請求項1〜8いずれか1項記載の、治療有効量のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体を投与するステップを含む、腫瘍細胞および/または腫瘍血管および腫瘍周辺血管関連疾患を治療または予防するため方法。
【請求項17】
腫瘍細胞および/または腫瘍血管および腫瘍周辺血管関連疾患を治療または予防するための薬剤の製造のための、請求項1〜8いずれか1項記載の治療有効量のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体の使用。
【請求項18】
前記腫瘍細胞関連疾患が
−転移癌を含む前立腺癌、
−転移癌を含む乳癌、
−消化管間質腫瘍、
−小細胞肺癌、
−腎細胞癌、
−膵内分泌腫瘍、
−頭頸部扁平上皮癌、
−神経芽細胞腫、および
−食道扁平上皮癌
を含む群から選択され、
前記腫瘍血管および腫瘍周辺血管関連疾患が
−転移癌を含む前立腺癌、および、
−転移癌を含む乳癌、
を含む群から選択される、請求項17記載の使用。
【請求項19】
所定量の、請求項9記載のボンベシンアナログペプチドアンタゴニスト複合体および、金属キレーターの放射性同位元素標識のための、許容される担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含有したバイアルを含む、放射線治療薬または放射線医薬造影剤製造用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−515338(P2011−515338A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549043(P2010−549043)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001403
【国際公開番号】WO2009/109332
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(510239886)ウニベルジテーツシュピタール バーゼル (1)
【出願人】(510239897)ウニベルジテート ベルン (1)
【Fターム(参考)】