説明

ボールジョイントの取付構造

【課題】取付け前のリップ部および軸部の外周の少なくとも一方にグリースを塗布する場合であっても、被取付孔の内部へのグリースの供給を防ぐことができるボールジョイントの取付構造を提供すること。
【解決手段】ボールジョイント取付構造は、ナックル孔53の開口56の周壁54には、環状のシール部材70を収容するための環状段部80が形成されている。シール部材70は、胴部12Aの外周に接触して、その外周と周壁54との間をシールする。シール部材70としてたとえばOリングが採用されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボールジョイントを被取付部材に取り付ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、懸架装置のナックルアームと操舵装置との接続部分には、ナックルアームを、転舵や上下動可能に支持するボールジョイント(いわゆるアウターボールジョイント)が備えられている。このようなボールジョイントには、軸部の基端に球頭部が設けられた金属製のボールスタッドと、軸部を開口から突出させた状態で球頭部をその内部で保持する有底円筒状のハウジングと、ハウジングと球頭部との間に介在する合成樹脂製の樹脂シートと、ハウジングに取り付けられた筒状のゴム製ブーツとを備えるものがある(たとえば特許文献1参照)。ボールスタッドは、球頭部を中心としてハウジングに対して揺動可能であり、また、その軸部の中心軸線まわりに回転可能である。
【0003】
ブーツはハウジングの開口を覆っており、その一端および他端が、それぞれ、軸部の途中部およびハウジングの開口端(開口が形成された側の端部)に外嵌されている。ブーツの一端には、ボールスタッドの軸部外周に弾性接触するリップ部が設けられている。
このボールジョイントは、ナックルアームにおける、板状の被取付部分に取り付けられる。ナックルアームにおける、ボールジョイントを取り付けるための部分には、ナックルアームの被取付部分を貫通するナックル孔が形成されている。ボールスタッドの軸部をナックル孔に挿入させ、その後、ナックルアームの裏側に突出する軸部の先端部の雄ねじ部にナットを螺合させそのナットを締め込む。これにより、ボールスタッドがナックルアームに固定され、ボールジョイントのナックルアームへの取付けが達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−128351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、ブーツのシール性をより一層高めたいという要求がある。
本願発明者らは、ブーツの緊縛性を従前よりも高く設定することにより、ブーツのシール性を高めることを検討している。しかしながら、ブーツの緊縛性が高いと、軸部の外周とリップ部との接触圧が大きくなり、リップ部に異磨耗が生じるおそれがある。
そのため、本願発明者らは、軸部の外周とリップ部との間の潤滑状態を高めるために、リップ部の摺接面と軸部外周との間にグリースなどを介在させることを検討している。より具体的には、取付け前のボールジョイントのリップ部の摺接面や軸部の外周に、グリースなどを直接塗布することを検討している。
【0006】
しかしながら、この場合、ボールジョイントの取付け時に、軸部の被取付孔への挿入に伴って、軸部の外周に付着しているグリースが被取付孔に引き込まれる。すなわち、軸部の外周とリップ部の摺接面との間にグリースが供給されるだけでなく、被取付孔の内部にグリースが供給されるおそれがある。被取付孔の内部にグリースが供給されると、軸部とナットとの間の締結力が変化するなど、ボールジョイントに種々の悪影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
そこで、この発明の目的は、取付け前のリップ部および軸部の外周の少なくとも一方にグリースを塗布する場合であっても、被取付孔の内部へのグリースの供給を防ぐことができるボールジョイントの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、軸部(12)および前記軸部の一端に設けられた球頭部(11)を有するボールスタッド(4)と、開口を有し前記開口から前記軸部を突出させた状態で前記球頭部を内部に収納したハウジング(2)と、一端(5a)および他端(5b)が前記軸部の途中部および前記ハウジングにそれぞれ外嵌された筒状のブーツ(5)とを含むボールジョイント(1)と、被取付面(52b)および前記被取付面に開口した被取付孔(53)を有する被取付部材(51)と、を具備し、前記軸部が前記被取付孔に挿入された状態で前記被取付部材に締結されることにより前記ボールジョイントが前記被取付部材に取り付けられた取付構造であって、内周面(32)が前記軸部の外周に接触し一端面(33)が前記被取付面に接触する環状のリップ部(5a)が前記ブーツの一端に設けられていて、前記リップ部の内周面と前記軸部の外周との間にグリース(G)が供給されていて、かつ、前記被取付孔の開口(56)の内壁(54)には、前記軸部の外周に接触して前記グリースの進入を抑制する環状のシール部材(70)が配設されていることを特徴とするボールジョイント取付構造である。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
この構成によれば、被取付孔の開口の内壁には環状のシール部材が配設されている。軸部を被取付孔に挿入するときには、環状のシール部材が軸部の外周に接触して、軸部の外周に付着しているグリースを軸部の外周から掻き取る。したがって、軸部の外周に付着していたグリースは被取付孔に引き込まれない。また、環状のシール部材が軸部の外周に接触して、軸部の被取付孔に対する挿入後に、グリースが被取付孔の内部に進入することを防止することができる。これらにより、取付け前のリップ部および軸部の外周の少なくとも一方にグリースを配置した場合であっても、被取付孔の内部へのグリースの供給を防ぐことができる。
【0010】
請求項2に記載のように、前記被取付孔の前記開口の内壁には、前記シール部材を収容するための段部(80)が形成されていてもよい。
請求項3に記載のように、前記被取付孔の前記開口の内壁には、前記シール部材を収容するための環状溝(80A)が形成されていてもよい。
請求項4に記載のように、前記リップ部の前記一端面と前記被取付面との間に前記グリースが供給されていていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るボールジョイントの取付構造が採用されたボールジョイントおよびナックルアームの要部構成を示す部分断面図である。
【図2】ナックルアームへのボールジョイントの取付けを説明するための断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るボールジョイントの取付構造が採用されたナックルアームの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る取付構造が採用されたボールジョイント1およびナックルアーム51の要部構成を示す図である。図1は、ボールジョイント1の取付け後の状態を示している。この実施形態に係る取付構造は、懸架装置用のナックルアーム51と操舵装置との接続部分に設けられたボールジョイント1を、そのナックルアーム51(被取付部材)に取り付ける構造である。ボールジョイント1は、ナックルアーム51を、転舵や上下動可能に支持している。
【0013】
ナックルアーム51は、たとえばアルミニウム製のナックル本体(図示しない。)と、その下部に締結されたアルミニウム製のブラケット52とを備えている。ブラケット52の板状部分(被取付部分。この実施形態では一端部(図1に示す右側端部。))の被取付位置には、その上面52aおよび下面52bを貫通するナックル孔(被取付孔)53が形成されている。換言すると、ナックル孔53は下面(被取付面)52bに開口している。ナックル孔53は、ボールスタッド4の軸部12を挿通させるための挿通孔であり、略円筒状の周壁(内壁)54を有している。ナックル孔53の周壁54は、下方に向かうに従って拡径するテーパ状に形成されている。
【0014】
ボールジョイント1は、筒状のハウジング2と、このハウジング2の内部に保持された樹脂シート3およびボールスタッド4と、ハウジング2に取り付けられた筒状のブーツ5とを備えている。ハウジング2は、樹脂シート3がその内側に配置された筒状部材6と、この筒状部材6の下端を塞ぐように当該下端に固定されたプラグ板7とを含む。筒状部材6は、その上端が開口端6aになっている。
【0015】
樹脂シート3は、カップ状をなしており、筒状の周壁部8と、この周壁部8の下端に設けられた底部9とを含む。樹脂シート3は、周壁部8が筒状部材6の内周面に沿い、底部9がプラグ板7に対向するように配置されている。樹脂シート3は、開口端6aに設けられた環状の鍔部10と、プラグ板7との間で保持されている。鍔部10の内径は、ボールスタッド4の一部(後述する球頭部11。)の外径よりも小径にされており、ボールスタッド4の一部および樹脂シート3は、開口端6aによって筒状部材6から抜け止めされている。
【0016】
ボールスタッド4は、球面状の外周面を有する球頭部11と、この球頭部11から上方へ突出する軸部12とが一体的に形成された金属製の部材である。球頭部11は、その中心が軸部12の中心軸線上に位置するように配置されている。軸部12の先端には、雄ねじ部31が形成されている。また、軸部12の雄ねじ部31よりも球頭部11側には、略円筒状の胴部12Aが設けられている。胴部12Aは、ボールジョイント1の取付け状態において、ナックル孔53内に収容される部分である。そのため、胴部12Aの外周の形状および大きさは、ナックル孔53の周壁54に整合している。換言すると、胴部12Aの外周は、下方に向かうに従って拡径するテーパ状に形成されている。
【0017】
また、樹脂シート3の内周面は、球頭部11の外周面に沿う形状になっている。樹脂シート3と球頭部11との間には、グリースが充填されている。球頭部11は、樹脂シート3に対して摺動可能となっており、ボールスタッド4は、球頭部11を中心としてハウジング2に対して揺動可能となっている。さらに、ボールスタッド4は、軸部12の中心軸線まわりに回転可能となっている。
【0018】
ブーツ5は、上端部(一端、リップ部)5aが下端部5b(他端)よりも小径にされ、中間部が下端部5bよりも外方に膨らんだ筒状に形成されている。ブーツ5は、弾性を有する部材(たとえば、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム等。)を用いて形成されている。ブーツ5の上端部5aは、軸部12の途中部に外嵌して、胴部12Aの外周(軸部12の外周)を弾性接触している。また、ブーツ5の上端部5aは、図1に示す状態では、下面52bにも接触している。なお、ブーツ5の下端部5bは、筒状部材6の開口端6aに外嵌している。
【0019】
ブーツ5の下端部5bは、当該下端部5bに取り付けられた固定リング13によって筒状部材6に固定されている。具体的には、ハウジング2の開口端6aの外周には、その周方向に延びるブーツ装着用の環状溝14が形成されている。開口端6aの内側に形成された開口は、ブーツ5によって覆われており、これによって、水や埃などの異物がボールジョイント1内に進入することが防止されている。
【0020】
また、ブーツ5の下端部5bは、環状溝14に差し込まれている。下端部5bは、円筒部21と、この円筒部21の先端から外方に広がるように折り返された環状の折り返し部22とを含む。円筒部21は、軸長が環状溝14の幅とほぼ同じ大きさにされており、その内周面が環状溝14の底部に密着した状態で環状溝14内に配置されている。固定リング13は、たとえば平面視C形をなす弾性を有する部材であり、環状溝14内において円筒部21に外嵌され、円筒部21を外側から締め付けて筒状部材6に固定している。
【0021】
ブーツ5の上端部5aは、略円筒状をなしている。上端部5aは、胴部12Aの外周に摺接する略円筒状の第1摺接面32と、図1に示す状態において、下面52bに摺接する円環状の第2摺接面33とを有している。第1摺接面32は、その軸長全域で胴部12Aの外周と摺接している。
第2摺接面33は上端部5aの上端面をなしている。第2摺接面33は、第1摺接面32と連続し、第1摺接面32にほぼ直交している。第2摺接面33は、図1に示す、ナックルアーム51に取り付けられた後の状態では、下面52bに押し付けられて変形している。具体的には、後述する図2に示すように第2摺接面33はハウジング2側と離反する方向に突出する環状突起34をその外周部に備えているが、図1に示す状態では、下面52bと接触した環状突起34は、下面52bに押し付けられて外側へ張り出している(図1では、環状突起34は不図示。図2参照。)。
【0022】
球頭部11を中心とするボールスタッド4の揺動に伴って、ブーツ5の上端部5aの第1摺接面32は、胴部12Aの外周に摺動する。また、軸部12の中心軸線周りのボールスタッド4の回転に伴って、ブーツ5の上端部5aの第1摺接面32は、胴部12Aの外周に摺動する。
ナックル孔53の開口端56A(開口56)の周壁54には、下面52bに連続する環状段部(段部)80が形成されている。環状段部80には、胴部12Aの外周に接触して、胴部12A外周と周壁54との間をシールするための円環状のシール部材70が収容配置されている。シール部材70は、環状段部80の外周壁81および円環壁82に密着した状態で、環状段部80内に収容されている。
【0023】
シール部材70として、たとえばOリングが採用されている。このシール部材70の周方向に直交する断面形状は、図1および図2示すようにたとえば円形であってもよいし、また、たとえば楕円形であってもよい。また、シール部材70の材料には、たとえばニトリルゴム、シリコンゴムなどが採用されている。環状段部80は、たとえば研削加工などの切削加工によって、ナックル孔53の開口56の周壁54(周壁54のうち最も下方部分。)を削り取ることにより形成されている。
【0024】
図2は、ナックルアーム51へのボールジョイント1の取付けを説明するための断面図である。
ナックルアーム51へのボールジョイント1の取付けは、軸部挿入工程、および軸部固定工程の順序で実行される。そして、ボールスタッド4の軸部12のナックル孔53への挿入に先立って、作業者により、第1摺接面32および胴部12Aの外周(より詳しくは、胴部12Aの外周における第1摺接面32に対向する部分。)のうちの少なくとも一つに、グリースGが塗布される。そのため、第1摺接面32と、胴部12Aの外周(前記の第1摺接面32に対向する部分。)との間にグリースGが介在するので、胴部12Aの外周と上端部5aとの間の潤滑状態を高めることができる。また、図2に示すように、このグリースGの塗布に併せて、第2摺接面33にグリースGを塗布することもできる。図2では、軸部12の胴部12Aの外周にグリースGが付着している部分の一例を、「×」を付して表す。摺接面32,33や軸部12の外周に塗布されるグリースGは、球頭部11と樹脂シート3との間に充填されるグリースと同種類(ちょう度が同一。)のグリースであってもよい。
【0025】
軸部挿入工程について説明する。軸部挿入工程では、ボールスタッド4の軸部12がナックル孔53に挿入される。
図2に示すように、軸部挿入工程前(すなわち、ボールスタッド4の取付け前。)の状態では、環状突起34が、第2摺接面33の外周部に、ハウジング2側と離反する方向に突出している。環状突起34は、その周方向に直交する断面形状が三角形状をなしており、上方に向かうに従って外方に張り出すように形成されている。また、第2摺接面33の外周部を除く領域は略平坦面をなしている。
【0026】
また、軸部挿入工程前の状態では、シール部材70の内周端が、周壁54より径方向内方にやや突出している。
ボールスタッド4の軸部12をナックル孔53に挿入して、奥側に押し入れる。このとき、シール部材70は、軸部12の胴部12Aの外周に接触して、胴部12Aの外周に付着しているグリースGを掻き取る。したがって、胴部12Aの外周に付着していたグリースGはナックル孔53に引き込まれない。
【0027】
ボールスタッド4を十分に押し込んだ後、次いで、軸部固定工程が実行される。具体的に説明すると、ボールスタッド4の軸部12を十分に押し込んだ後は、ブラケット52の裏側(図2に示す上方。)から雄ねじ部31が突出する。その雄ねじ部31にナット30を螺合させそのナット30(図1参照。)を締め込むことにより、ボールスタッド4がナックルアーム51に固定される。これにより、ボールジョイント1がナックルアーム51に固定され、ボールジョイント1の取付けが達成される。
【0028】
ボールジョイント1の取付け後において、シール部材70は、胴部12Aの外周に接触して、胴部12Aの外周とナックル孔53の開口56の周壁54との間をシールする。そのため、グリースGがナックル孔53の内部に進入することを防止することができる。これらにより、ボールジョイント1の取付け前における、第1摺接面32および胴部12Aの外周の少なくとも一方にグリースGを塗布した場合であっても、ナックル孔53の内部へのグリースGの供給を防ぐことができる。
【0029】
図3は、本発明の他の実施形態に係るボールジョイント1の取付構造が採用されたナックルアームの要部断面図である。図3において、図1および図2に示した各構成と同等の部分には同じ符号を付して説明を省略する。
図3に示す取付構造が、図1および図2に示す取付構造と相違する点は、ナックル孔53の開口56の周壁54に環状溝80Aを形成し、この環状溝80A内にシール部材70を収容配置した点である。詳しくは、環状溝80Aは、周方向に直交する断面形状が矩形の環状溝である。環状溝80Aは、ナックル孔53の周壁54において、ナックル孔53の開口端56Aから内側に所定間隔Sを隔てて形成されている。シール部材70は、環状溝80Aの底壁86および両側壁87,88に密着した状態で、環状溝80A内に収容されている。図3に示す状態において、シール部材70の内周端は、側壁87の内周端および側壁88の内周端を結ぶ線分よりも、径方向内方に向けてやや突出している。
【0030】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
また、前述の実施形態では、ボールジョイント1が、懸架装置用のナックルアーム51に取り付けられる場合を例に挙げて説明したが、ボールジョイント1の、ステアリング用のナックルアームに対する取付構造に対しても、この発明の取付構造を採用することができる。
【0031】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1…ボールジョイント、2…ハウジング、4…ボールスタッド、5…ブーツ、5a…一端部(一端、リップ部)、5b…他端部(他端)、11…球頭部、12…軸部、32…第1摺接面(内周面)、33…第2摺接面(一端面)、51…ナックルアーム(被取付部材)、52b…下面(被取付面)、53…ナックル孔(被取付孔)、54…周壁(内壁)、70…シール部材、80…環状段部(段部)、80A…環状溝、G…グリース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部および前記軸部の一端に設けられた球頭部を有するボールスタッドと、開口を有し前記開口から前記軸部を突出させた状態で前記球頭部を内部に収納したハウジングと、一端および他端が前記軸部の途中部および前記ハウジングにそれぞれ外嵌された筒状のブーツとを含むボールジョイントと、
被取付面および前記被取付面に開口した被取付孔を有する被取付部材と、
を具備し、
前記軸部が前記被取付孔に挿入された状態で前記被取付部材に締結されることにより前記ボールジョイントが前記被取付部材に取り付けられた取付構造であって、
内周面が前記軸部の外周に接触し一端面が前記被取付面に接触する環状のリップ部が前記ブーツの一端に設けられていて、前記リップ部の内周面と前記軸部の外周との間にグリースが供給されていて、かつ、前記被取付孔の開口の内壁には、前記軸部の外周に接触して前記グリースの進入を抑制する環状のシール部材が配設されていることを特徴とするボールジョイント取付構造。
【請求項2】
前記被取付孔の前記開口の内壁には、前記シール部材を収容するための段部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のボールジョイントの取付構造。
【請求項3】
前記被取付孔の前記開口の内壁には、前記シール部材を収容するための環状溝が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイントの取付構造。
【請求項4】
前記リップ部の前記一端面と前記被取付面との間に前記グリースが供給されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のボールジョイントの取付構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−24385(P2013−24385A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162386(P2011−162386)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】