説明

ボールバルブ及びその施工方法

【課題】 構成を簡易化し、アダプター等の別部材を用いることなく、配管を容易に接続することができるボールバルブを提供する。
【解決手段】 ボールバルブ10は、輸送流体を流通させる為の流路を内部に備える筒状のバルブ11本体と、該バルブ本体11内の流路上に回動可能に支持され、連通路13aが貫通形成された球状の弁体13と、該弁体13に連結され、弁体13を回動させるための操作部材16と、輸送流体の逆流を防止する逆流防止弁18を備えている。ボールバルブ10の樹脂パイプ差込口20bには樹脂パイプ21接続用の連結筒体20が接続され、該連結筒体20には樹脂パイプ21が接着剤60により接着接合される。連結筒体20及び樹脂パイプ21は塩化ビニル樹脂により形成されていることが好ましく、接着剤60は塩化ビニル樹脂用の接着剤で有ることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば給湯器への給水配管において、輸送流体の流れを開閉するために用いられるボールバルブ及びその施工方法に関するものである。さらに詳しくは、流入側としての一次側端部には一次側配管としての樹脂パイプを接着接合し、流出側としての二次側端部には二次側配管としてのフレキシブル管が接続される雄ねじ部が設けられるボールバルブとその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、給水配管において、水道用メータと給湯器との間にはボールバルブが配置される。このボールバルブとして、具体的には次のようなボールバルブが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このボールバルブは、ボデーと接続体とを有し、このボデーと接続体とは螺着により一体化されている。ボデーと接続体とが一体化されると、一次側流路と二次側流路とが本体内部に構成される。ボデー内には2つのボールシートに保持された状態でボール弁体が装着され、このボール弁体は、ステムを介してハンドルにより回転可能になっている。この様に形成されたボールバルブの流入口となる一次側及びボールバルブの流出口となる二次側には、それぞれの配管を接続する一次側配管接続用の雄ねじと二次側配管を接続する二次側配管接続用の雄ねじとが設けられ、それぞれの配管が接続される。
【0003】
また、金属製の配管接続用雄ねじと塩化ビニル樹脂により形成された樹脂パイプとを接続するアダプター継手が提案されている。(例えば、特許文献2を参照)。このアダプター継手は塩化ビニル樹脂を主材質とするインサート成形法により製造され、その一端には金属製の筒状体がインサート成形されるとともに、他端には樹脂パイプが接着接合可能な形状に形成される。この金属製の筒状体には配管接続用雄ねじが螺合可能な雌ねじ部が形成されている。
【0004】
そして、ボールバルブと樹脂パイプとを接続するには、ボールバルブの配管接続用雄ねじにアダプター継手の配管接続用雌ねじを螺合した後、アダプター継手と樹脂パイプとを接続する。このような方法により、ボールバルブの配管接続用雄ねじと樹脂パイプとの接続はアダプター継手を介して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−144788号公報(第6項及び図2)
【特許文献2】特開2007−170589号公報(第4項)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたボールバルブに樹脂パイプを接続するには、アダプター継手を用いなければならず部品点数が増加する上、アダプター継手の長さを考慮した配管設計をしなければならない。また、ボールバルブの配管接続用雄ねじと接続継手用アダプターの雌ねじ部材とを螺入操作した後に樹脂パイプを接着接合しなければならず、このような接続作業は面倒である。
【0007】
さらに、ボールバルブの配管接続用雄ねじとアダプター継手の雌ねじ部材との螺入操作は適切な回転トルクで行わなければならない。なぜならば、螺入トルクが低い場合はねじ同士の密着性が悪く輸送流体の漏れが発生する恐れがあるためである。一方、螺入トルクが高い場合には、アダプター継手の金属製雌ねじ部材が、ボールバルブの配管接続用雄ねじに押し拡げられることにより変形し、アダプター継手の塩化ビニル樹脂と金属製インサートとの密着性が低下し、輸送流体の漏れが発生する恐れがあるためである。このような理由で螺入操作は適切な螺入トルクで行わなければならないが、施工現場において螺入トルクを管理しながら施工することは煩雑であった。
【0008】
そこで本発明の目的とするところは、構成を簡易化し、アダプター継手等の別部材を用いることなく、塩化ビニル樹脂により形成された樹脂パイプを接着接合できるとともに、施工の容易性を図ることができるボールバルブ及びその施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載のボールバルブは、輸送流体を流入口としての一次側から流出口としての二次側へと流通させるための流路を内部に備える筒状のバルブ本体と、該バルブ本体内の流路上に回動可能に支持され、流路に連通する連通路が貫通形成された球状の弁体と、該弁体に連結され、バルブ本体内で弁体を回動させるための操作部材と、バルブ内の流路上に二次側から一次側への逆流を防止するための逆流防止弁とを備え、前記操作部材で弁体の回動操作を行うことにより、流路と連通路とが連通されて輸送流体の流通が許容される開放状態と、連通路が遮断されて輸送流体の流通が規制される閉鎖状態とを切替可能に構成したボールバルブであって、一次側配管接続部と一次側配管接続部に接合される一次側配管とが共に塩化ビニル樹脂で形成され、一次側配管接続部は一次側配管が接着剤で接着接合されるように円筒体で構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項2に係る発明のボールバルブは、請求項1において、二次側配管接続部には可撓性を有する蛇腹管の一端に雌ねじが設けられたフレキシブル管が螺合される雄ねじが螺設されていることを要旨とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のボールバルブの施工方法であって、一次側配管を接着接合した後、二次側配管を螺合することを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明のボールバルブによれば、一次側配管が接着剤で接続されるように円筒体で構成されているため、アダプター等の別部材を用いることなく一次側配管を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態におけるボールバルブに一次側配管を接続する前の状態を示すボールバルブの側断面図。
【図2】(a)はバルブ本体を示す側断面図、(b)は円筒体を示す側断面図。
【図3】(a)は逆流防止弁の閉弁状態を示す断面図、(b)は逆流防止弁の開弁状態を示す断面図。
【図4】(a)は流路が閉鎖されている状態を示す水平断面図、(b)は流路が開放されている状態を示す水平断面図。
【図5】本発明の実施形態におけるボールバルブに一次側配管及び二次側配管を接続した状態を示すボールバルブの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のボールバルブを具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ボールバルブ10は略円筒状をなすバルブ本体11の一端部(図1では左端部)の内周面に螺刻された雌ねじ部11aと、略円筒状をなすバルブキャップ12の一端部(図1では右端部)の外周面に螺刻された雄ねじ部12bとが螺合接続されることにより構成されている。図2(a)に示すように、バルブ本体11の他端部(図2(a)では右端部)の内周面には凹状連結部30が設けられ、バルブキャップ12の他端部(図2(a)では左端部)の外周面には二次側接続雄ねじ12aが螺刻されている。そして、バルブ本体11の凹状連結部30には図2(b)に示す円筒状の凸状連結部35を有する連結筒体20が連結され、バルブキャップ12の二次側接続雄ねじ12aは図示しない水道配管等の管体と螺合可能になっている。また、バルブキャップ12を介して逆流防止弁18が配設されている。
【0015】
図1に示すように、ボールバルブ10内には、その軸線x方向に延びる一次側流路10aと二次側流路10bとが形成され、ボールバルブ10を水道配管等の管体に連結した際には、一次側流路10aと二次側流路10bとを輸送流体が流通するようになっている。
【0016】
バルブ本体11の内部には、収容空間が形成されており、該収容空間には球状の弁体13が収容されている。弁体13の内部には、直線状に延びる連通路13aが貫通形成されている。バルブ本体11に形成される第1当接部11b及び後述する逆流防止弁18に形成される第2当接部45fの内面上には、一対の円環状をなすボールシート14がそれぞれの外面を当接するように配設されている。ボールシート14はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)等のフッ素系樹脂により形成される。これらボールシート14の内周面がそれぞれ弁体13の外周面に圧接されることによりバルブ本体11と弁体13との間の隙間がシールされる。
【0017】
バルブ本体11の外周面において、空間部11cと対応する位置には、円筒状をなす軸受部15が径方向外方へ突設されている。該軸受部15の外端はバルブ本体11の外方へ開口されるとともに、内端は空間部11cに開口されており、軸受部15の内部と空間部11cとが連通されている。そして該軸受部15内には略円柱状をなす操作部材16が挿嵌されている。この操作部材16の内端面には嵌合突部16cが設けられ、弁体13に設けられる嵌合凹所13bに嵌合されている。
【0018】
操作部材16に設けられる嵌合突部16cと弁体13に設けられる嵌合凹所13bとの嵌合により、操作部材16を90°回動すると、弁体13も連動して90°回動する。このとき図4(a)に示すように、弁体13の連通路13aは二次側流路10bに対し垂直になり、一次側流路10aと二次側流路10bとの連通が遮断される。この状態からさらに操作部材16を90°回動すると、図4(b)に示すように弁体13の連通路13aは二次側流路10bと平行になり、一次側流路10aと二次側流路10bとが連通する。このように操作部材16が90°回動されることによりボールバルブ10の弁体13が回動し、ボールバルブ10の開閉が行われる。
【0019】
操作部材16の軸線方向における中央部の外周面には一対の環状溝16bが周方向に沿って凹設され、これら環状溝16bにはゴム製材料のOリング16aがそれぞれ嵌着されている。これらOリング16aにより、軸受部15の内周面と操作部材16の外周面との隙間がシールされる。従って、輸送流体が弁体13から空間部11cへ流出した場合でも、その輸送流体が一対のOリング16aによって軸受部15から外部へ漏出することを防止することができる。また、図1、図2(a)及び図5に示すように、操作部材16の外端部には断面二面カット形状の突出部16dが設けられ、ハンドル17が連結されている。
【0020】
バルブ本体11は黄銅(真鍮)、青銅、ステンレス等の金属で形成されている。バルブ本体11はこれらの金属を用い、鍛造法、鋳造法等の成形法により成形されるが、耐衝撃性等の機械的物性を向上させるために鍛造法を採用することが望ましい。バルブ本体11を金属で形成することにより、外的な衝撃力に対して損傷を受けにくく、耐衝撃性に優れ、また、高温時における変形が少なく優れたものとすることができる。
【0021】
また、弁体13は黄銅(真鍮)、青銅、ステンレス等の金属で形成されている。更にこのような弁体13の耐食性を向上させるため、鍍金や樹脂によるコーテイングを行うことが好ましい。
【0022】
次に、逆流防止弁18について図3(a)及び図3(b)に基づき説明する。逆流防止弁18を構成する円筒状の弁ケース45の一次側(図1〜5において右側)の開口部45aには、逆流防止用弁座45bが形成されている。前記弁ケース45の外周面には環状溝45cが形成され、第1逆流防止弁Oリング47が収容されている。前記弁ケース45の二次側(図1〜5において左側)の開口部45dには複数箇所に輸送流体の通路46aを形成した逆流防止弁キャップ46が取り外し可能に嵌入されている。前記弁ケース45の開口部45dの内周面には係止凸条45eが形成され、前記逆流防止弁キャップ46の嵌入用筒部46bの外周面に一体形成された係止爪46cが前記係止凸条45eに係止されるようになっている。
【0023】
前記逆流防止弁キャップ46の中央部には、ガイド孔46dが形成され、このガイド孔46dに逆流防止弁体48の本体48aに一体に形成した軸部48bがその軸線方向の往復運動可能に挿入されている。前記逆流防止弁体48の本体48aの外周面には環状溝48cが形成され、この環状溝48cには第2逆流防止弁Oリング49が装着されている。前記逆流防止弁キャップ46と逆流防止弁体48との間には、付勢部材としてのコイル状のばね50が介在されている。このばね50によって、常に逆流防止弁体48の第2逆流防止弁Oリング49が前記弁ケース45の逆流防止用弁座45bに押圧されて、開口部45aを封鎖する位置に付勢されるようになっている。
【0024】
逆流防止弁体48の本体48aの二次側の端面には前記ばね50を嵌入するための環状溝48dが形成されている。また、前記逆流防止弁キャップ46の一次側の中心部には、前記ばね50の位置を規制するためのボス部46eが一体に形成されている。
【0025】
そして、上記の様に構成された逆流防止弁18の動作について説明する。
図3(a)は前記逆流防止弁18に作用する一次側及び二次側の圧力が等しく、ばね50によって逆流防止弁体48が閉位置に保持された状態を示す。この状態において一次側の流体経路に流体が供給されて、逆流防止弁18の一次側に作用する流体の圧力が二次側の流体流路の流体の圧力及びばね50の付勢力よりも高くなると、図3(b)に示すように逆流防止弁体48はばね50の付勢力に抗して、一次側から二次側に移動される。このため、開口部45aの逆流防止用弁座45bから逆流防止弁体48の第2逆流防止弁Oリング49が離隔され、逆流防止弁体48が開位置に保持され、輸送流体が開口部45aから逆流防止弁キャップ46の通路46aを通って、二次側の流体経路に移動する。
【0026】
この様な逆流防止弁18は、バルブ本体11の雌ねじ部11aとバルブキャップ12の雄ねじ部12bとが螺合により連結され、バルブキャップ12の内側に形成される二次側流路10b内に、バルブキャップ12を介して配設される。
【0027】
次に、バルブ本体11の凹状連結部30について説明する。図2(a)に示すように、凹状連結部30は円筒状に形成され、その外周面には円環状をなす係止突起31が設けられている。凹状連結部30の外周面には、ステンレス綱等の剛性の高い金属で薄い円筒状に形成された補強リング32が外嵌されるようになっており、その端部が係止突起31に当接されるように構成されている。補強リング32の一端には、内方へ折曲形成された係合突条32aが設けられている。凹状連結部30の内周面には、後述するCリング23の円に基づく断面半円状に形成され周方向に延びる環状溝33が形成されるとともに、開口部内周面には開口側ほど拡径するテーパ状のガイド面34が形成されている。
【0028】
続いて、凸状連結部35について説明する。図2(b)に示すように、凸状連結部35は前記凹状連結部30に嵌合連結されるように円筒状に形成されている。凸状連結部35の基端部には、凹状連結部30のガイド面34に対応するように基端側ほど拡径したテーパ状の傾斜面36を介して先端部より拡径された段部37が設けられている。その段部37の基端側外周には環状係合溝38が凹設され、該環状係合溝38には前記補強リング32の係合突条32aが係合されるようになっている
【0029】
凸状連結部35の傾斜面36より先端側には、連結保持部材を構成するCリング23の円に基づく円弧を有する長孔状に形成された周方向に延びる収容溝40が設けられる。収容溝40は、凸状連結部35と凹状連結部30との嵌合連結時にCリング23を縮径させて収容される大きさに設定されている。このCリング23は、リン青銅、ステンレス綱のばね性を有する金属により、拡縮自在に構成されている。係る収容溝40の先端側開口縁には、円弧状に切欠かれCリング23の一部を収容溝40から凹状連結部30の環状溝33へ誘導するための切欠溝41が設けられている。該切欠溝41は、断面円形状をなすCリング23の円の一部に基づく円弧状に形成され、Cリング23が拡径しながら収容溝40から切欠溝41を介して環状溝33へ滑らかに移行できるようにしている。
【0030】
これらCリング23、収容溝40及び環状溝33により、凸状連結部35との嵌合状態でCリング23が収容溝40と環状溝33の双方に収容され、凸状連結部35及び凹状連結部30の軸線x方向への相対移動が規制され、凸状連結部35と凹状連結部30との連結を保持するように構成されている。凸状連結部35の収容溝40よりも先端側外周面には一対のOリング嵌着溝20aが設けられ、各Oリング嵌着溝20aにはシール部材としてのゴム製連結筒体Oリング22が嵌着されている。これら一対の連結筒体Oリング22により、凸状連結部35と凹状連結部30との間が水密に保持される。Cリング23はこれら連結筒体Oリング22より奥側に設けられているため、Cリング23に錆が発生する等の問題を回避することができる。
【0031】
そして、連結筒体20に接続される樹脂パイプ21は、その外周面に接着剤60が塗布され、連結筒体20内へ差し込まれて接続される。給水、給湯配管に使用される樹脂パイプ21及び連結筒体20は、耐衝撃性や耐熱性を有する塩化ビニル樹脂であることが配管の長寿命化を図るために好ましい。また、樹脂パイプ21及び連結筒体20を共に同一材質で形成すると、樹脂パイプ21と連結筒体20との接着強度を高めることができる点から好ましい。さらに、接着剤60として塩化ビニル樹脂用の接着剤60を使用することにより、樹脂パイプ21と連結筒体20との接着強度を一層高めることができる。塩化ビニル樹脂用の接着剤60としては、塩化ビニル樹脂又は塩化ビニル樹脂と酢酸ビニルとの共重合体樹脂にニトリルゴムを配合したものを溶剤に溶解させた接着剤、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂系接着剤、クロロプレンゴムとフェノール樹脂を主成分とするクロロプレンゴム系接着剤等が挙げられる。
【0032】
また、図5に示すように、ボールバルブ10の二次側配管として、フレキシブル管55がシールパッキン57を介して接続される。この接続はフレキシブル管55に通されたナット56の雌ねじ56aをバルブキャップ12の雄ねじ部12aに螺合することにより行われる。フレキシブル管55の一端には鍔55aが設けられており、この鍔55aをナット56に設けられる鍔押さえ56bとボールバルブ10の二次側端面10cとで挟み込み水密に接続される。フレキシブル管55はステンレス綱や銅により厚さ0.1mm〜0.5mmで蛇腹状に形成され可撓性を有しているため、容易に曲げ加工を施すことができる。
【0033】
以上のように構成されたボールバルブ10についてその作用を説明する。
ボールバルブ10を構成するには、連結筒体20の凸状連結部35をバルブ本体11の凹状連結部30に嵌め込んで連結する。この凸状連結部35を凹状連結部30に連結させる場合、凸状連結部35の収容溝40にCリング23を装着し、一対のOリング嵌着溝20aに連結筒体Oリング22を収容するとともに、凹状連結部30の外周面に補強リング32を外嵌し、その端部を係止突起31に当接させる。その状態で凸状連結部35を凹状連結部30に嵌入させる。このときCリング23は凹状連結部30のガイド面34に押圧されて縮径され、収容溝40内へと収容される。
【0034】
続いて凸状連結部35を凹状連結部30にさらに嵌入させると、Cリング23は一層縮径されてほとんど収容溝40に収容されるとともに、補強リング32の係合突条32a側が凸状連結部35の段部37の外周面上を摺動する。最後に、凸状連結部35を凹状連結部30にさらに嵌入させて凹状連結部30の先端面を凸状連結部35の段部37の外側面に当接させる。このとき、凸状連結部35の外周面では、補強リング32の係合突条32aが凸状連結部35の環状係合溝38に係合して位置決めされる。そのため、剛性の高い円筒状の補強リング32は凸状連結部35と凹状連結部30との嵌合連結部39を覆うように配置され、凸状連結部35及び凹状連結部30の径方向への撓みが抑えられる。
【0035】
一方、凹状連結部30の内周面では凹状連結部30のガイド面34に押圧されて縮径していたCリング23が復元性により拡径し、その一部が切欠溝41から環状溝33内へ案内され収容される。このように、Cリング23のほぼ半分が環状溝33に入り、残りの半分が収容溝40及び切欠溝41に入る。従って、このCリング23により凸状連結部35及び凹状連結部30は軸線x方向への動きが抑えられている。以上により凸状連結部35と凹状連結部30とが連結され、ボールバルブ10が得られる。
【0036】
続いて、連結筒体20に樹脂パイプ21を接続する際には、図1に示すように樹脂パイプ21の端部外周面に接着剤60を塗布した後、樹脂パイプ21を連結筒体20の樹脂パイプ差込口20bに差し込む。このとき、樹脂パイプ差込口20bの内周面には開口端側ほど拡径されるテーパ面となっているため、樹脂パイプ21の差込を速やかに行うことができるとともに、樹脂パイプ21を樹脂パイプ差込口20bに差し込むだけで接着剤60の効果により簡単に接続することができる。
【0037】
また、ボールバルブ10の二次側配管として可撓性を有するフレキシブル管55を接続することができる。
【0038】
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて説明する。
本実施形態のボールバルブ10には連結筒体20が接続され、連結筒体20の樹脂パイプ差込口20bは樹脂パイプ21が接着剤60で接合されるように円筒体で構成されている。そのため、アダプター継手などの別部材を用いることなく、樹脂パイプ21の外周面に接着剤60を塗布して連結筒体20の樹脂パイプ差込口20bに接続することにより、樹脂パイプ21を樹脂パイプ差込口20bに簡単に接続することができる。
【0039】
従って、アダプター継手等の別部材を用いることなく、ボールバルブ10と樹脂パイプ21とを接続することができ、配管を容易に行うことができる。
【0040】
また、二次側配管に可撓性を有するフレキシブル管55を接続することにより、ボールバルブ10の中心軸と図示しない器具の接続口の中心軸とが一致しない場合であっても配管を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
10…ボールバルブ、10a…一次側流路、10b…二次側流路、11…バルブ本体、13…弁体、13a…連通路、16…操作部材、18…逆流防止弁、20…連結筒体、21…一次側配管としての樹脂パイプ、20b…一次側配管接続部としての樹脂パイプ差込口、30…凹状連結部、35…凸状連結部、60…接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送流体を流入口としての一次側から流出口としての二次側へと流通させるための流路を内部に備える筒状のバルブ本体と、該バルブ本体内の流路上に回動可能に支持され、流路に連通する連通路が貫通形成された球状の弁体と、該弁体に連結され、バルブ本体内で弁体を回動させるための操作部材と、バルブ内の流路上に二次側から一次側への逆流を防止するための逆流防止弁とを備え、前記操作部材で弁体の回動操作を行うことにより、流路と連通路とが連通されて輸送流体の流通が許容される開放状態と、連通路が遮断されて輸送流体の流通が規制される閉鎖状態とを切替可能に構成したボールバルブであって、
一次側配管接続部と一次側配管接続部に接合される一次側配管とが塩化ビニル樹脂で形成され、一次側配管接続部と一次側配管とが接着剤で接着接合されるように円筒体で構成されることを特徴とするボールバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載のボールバルブであって、二次側配管接続部には可撓性を有する蛇腹管の一端に雌ねじが設けられたフレキシブル管が螺合される雄ねじが螺設されることを特徴とする請求項1に記載のボールバルブ。
【請求項3】
請求項2に記載のボールバルブの施工方法であって、一次側配管を接着接合した後、二次側配管を螺合することを特徴とする請求項2に記載のボールバルブの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−64436(P2013−64436A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202973(P2011−202973)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000128968)株式会社オンダ製作所 (31)
【Fターム(参考)】