説明

ポインター制御装置、制御方法およびポインター制御プログラム

【課題】操作の流れを妨げず、さらに余分な表示を使わずにボタンを誤操作から保護することのできる、画面上に表示されたボタンを操作するポインターの制御装置、制御方法および制御プログラムを提供する。
【解決手段】ポインター制御装置は、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、進入を許可する。したがって、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過するまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。さらに、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、ポインターによる操作が可能になるため、操作の流れを妨げず、余分な表示を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインターの制御装置、制御方法およびポインター制御プログラムに関し、例えば、マウス等のポインティング・デバイスを使用するグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)の画面上に表示されたポインターを操作するポインターの制御装置、制御方法およびポインター制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(以下単にGUIという)において、マウス等のポインティング・デバイスによってGUI表示画面上のポインターを操作し、ボタンの領域やスライドバーの領域を選択し、領域に関連付けられた機能を実行させることが広く行われている。このようなGUIにおいて、ユーザーによる誤操作の防止を図るために、保護すべきボタンが押された場合にはダイアログ・ウィンドウを表示してユーザーに確認する方法がある。しかしながら、ダイアログ・ウィンドウを表示してユーザーに確認する方法では、ユーザーのボタン操作に応じてダイアログ・ウィンドウが表示され、ダイアログ・ウィンドウに表示されたメッセージに対して、「はい」、「いいえ」または「キャンセル」といった選択の操作を要求するため、作業の流れが妨げられる場合があった。また、ダイアログ・ウィンドウを表示するスペースが画面上に必要となるため、画面上の表示スペースに余裕がないときには、ダイアログ・ウィンドウにより操作すべきボタンが覆われて、隠されてしまっていた。
【0003】
そのため、上述の領域に関連付けられた機能を実行可能か否かをユーザーに識別可能となるようにその領域の表示の表示特性を変更することで、ユーザーによる誤操作を防止する方法が、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−198545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、GUIによる操作においてリアルタイム性が求められる場合、例えば、スポーツの実況生中継に用いられる編集装置の操作等の場合、メニューを階層化せず、その代わりに機能を割り当てられたボタン等がすぐに操作できるよう配置されていることが望ましい。このため画面上に多数のボタンが配置され、表示画面を様々な機能を付与された領域が占めている。したがって、このような装置においては、ボタン等を誤操作する可能性は高まる。また、実況中継では、現在起こっている事柄をいかなる瞬間にもリアルタイムに中継するという性質上、やり再実行できない操作が多いため、誤って操作してはならないボタンを確実に保護する必要があった。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ボタンは常にユーザーにより操作可能なため、上記課題を解決する方法は示されていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、操作の流れを妨げず、さらに余分な表示領域を使わずにGUI画面上に表示されたボタンを誤操作から保護できる、ポインターの制御装置、制御方法および制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可する制御手段を備え、前記制御手段は、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、前記進入を許可する、ポインター制御装置が提供される。また、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から、前記所定の時間が経過する前に、前記ポインターが離れたときに、前記所定の時間の計時を停止し、それまでに計時した値を0とする、ポインター制御装置が提供される。また、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から、前記所定の時間が経過する前に、前記ポインターが、前記所定の領域を包含する周辺領域の外に出たときに、前記所定の時間の計時を停止し、それまでに測定した値を0とする、ポインター制御装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、ポインター制御装置は、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、進入を許可する。したがって、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過するまで確実に所定の領域をポインターによる誤操作から保護することができる。また、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可する。したがって、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供することができる。また、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から、所定の時間が経過する前に、ポインターが離れたときに、所定の時間の計時を停止し、それまでに計時した値を0とする。したがって、所定の時間、確実にボタンを保護することができる。また、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から、所定の時間が経過する前に、ポインターが、所定の領域を包含する周辺領域の外に出たときに、所定の時間の計時を停止し、それまでに測定した値を0とする。したがって、ポインターは計時の間、所定の領域と所定の領域を包含する領域の間で移動可能となり、ユーザーが意図せず計時がリセットされて0となってしまうことを防ぐことができる。
【0010】
また、本発明によれば、ポインター制御装置は、ポインターが上述の所定の領域を包含する領域に進入した時点から所定の時間が経過した後に、所定の領域への進入を許可する。したがって、ポインターが上述の所定の領域を包含する領域に進入した時点から所定の時間が経過するまで確実に所定の領域をポインターによる誤操作から保護することができる。また、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可する。したがって、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供することができる。したがって、ポインターは計時の間、所定の領域と所定の領域を包含する領域の間で移動可能となり、ユーザーが意図せず計時がリセットされて0となってしまうことを防ぐことができる。
【0011】
また、本発明によれば、ポインター制御装置は、ポインターと、所定の領域との接触を、通知手段を用いてユーザーに通知し、指示入力手段によりユーザーが入力を行うことで進入を許可する。したがって、ポインターと、所定の領域との接触を、通知手段を用いてユーザーに通知し、指示入力手段によりユーザーが入力を行うまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。また、通知手段を用いてユーザーに通知し、指示入力手段によりユーザーが入力を行うことで直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可する。したがって、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護することができる。
【0012】
また、本発明によれば、ポインター制御装置は、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から通知手段によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知し、所定の時間が経過した後に、進入を許可する。したがって、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から通知手段によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知して、ユーザー・フレンドリーに所定の時間が経過するまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。また、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、ポインターによる操作が可能になる。したがって、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護することができる。
【0013】
本発明の他の観点によれば、ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可するステップを含む、ポインター制御方法であって、前記ステップは、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可するステップを含む、ポインター制御方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、進入を許可するため、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過するまで確実に所定の領域をポインターによる誤操作から保護することができる。さらに、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、ポインターによる操作ができるため、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護することができる。
【0015】
本発明の他の観点によれば、ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可するステップをコンピュータに実行させる、ポインター制御プログラムであって、前記ステップは、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可するステップを含む、ポインター制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、グラフィカル・ユーザー・インターフェースの画面上に表示されたボタンの操作において、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに誤操作から保護することのできる、ポインターの制御装置、制御方法および制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るポインター制御装置手段の実施例を含む情報処理システムの概略図。
【図2】図1の情報システムを構成するコントローラの斜視図。
【図3】情報処理システムのブロック図。
【図4】図1のポインター制御装置によって実行されるポインター制御処理の実施例のフローチャート。
【図5】図1のポインター制御装置によって実行されるポインター制御処理の他の実施例のフローチャート。
【図6】図1のポインター制御装置によって実行されるポインター制御処理の他の実施例のフローチャート。
【図7】図1のポインター制御装置によって実行されるポインター制御処理のフローチャート。
【図8】図1の情報処理システムのシステム・モニタに表示される画面表示の一例。
【図9A】図8の画面表示に含まれるボタンの画面表示の一例。
【図9B】図8の画面表示に含まれるボタンの画面表示の他の一例。
【図9C】図8の画面表示に含まれるボタンの画面表示の他の一例。
【図10A】ポインターおよびボタンの画面表示例。
【図10B】図10Aと同様にポインターおよびボタンの画面表示例。
【図10C】図10Bと同様にポインターおよびボタンの画面表示例。
【図11A】図8の画面表示上のボタンおよびポインター検知領域の画面表示の一例。
【図11B】図11Aと同様にボタンおよびポインター検知領域の画面表示例。
【図11C】図11Bと同様にボタンおよびポインター検知領域の画面表示例。
【図11D】図11Cと同様にボタンおよびポインター検知領域の画面表示例。
【図12】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンおよび通知アイコンの画面表示の一例。
【図13A】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンの画面表示の一例。
【図13B】図13Aと同様にポインター、ボタンの画面表示の他の例。
【図13C】図13Bと同様にポインター、ボタンの画面表示の他の例。
【図14】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンおよび接触維持領域の画面表示の一例。
【図15】図8の画面表示に含まれるポインターおよびボタンの画面表示の他の例。
【図16】図8の画面表示に含まれるポインターおよびボタンの画面表示の他の例。
【図17A】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンおよび通知アイコンの画面表示の一例。
【図17B】図17Aと同様にポインター、ボタンおよび通知アイコンの画面表示の他の例。
【図18A】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンおよび通知アイコンの画面表示の一例。
【図18B】図18Aと同様にポインター、ボタンおよび通知アイコンの画面表示の他の例。
【図19A】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンおよび接触強制領域の画面表示の一例。
【図19B】図19Aと同様にポインター、ボタンおよび接触強制領域の画面表示の他の例。
【図20】図8の画面表示に含まれるポインター、ボタンおよび通知アイコンの画面表示の一例。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るポインター制御装置を含む情報処理システムの概略図である。図1を参照すると、情報処理システム100は、画像サーバ101と、コントローラ111と、キーボード112と、マウス113と、カメラ121〜123と、カメラ・モニタ131〜133と、デコーダ・モニタ134と、システム・モニタ135等からなる。情報処理システム100の各構成要素は、例えば、画像サーバ101とコントローラ111とを接続するLAN(Local Area Network)141、画像サーバ101とカメラ121〜123とを接続する同軸ケーブル124、画像サーバ101とカメラ・モニタ131〜133とを接続する同軸ケーブル136、画像サーバ101とデコーダ・モニタ134とを接続するケーブル138、コントローラ111とシステム・モニタ135とを接続するケーブル137等を用いて接続されている。ただし、これらの接続形式に限定されるものではなく、他の有線または無線の接続方式であってもよい。
【0020】
また、本発明の実施形態に係る最小限の構成は、コントローラ111、キーボード112またはポインター入力手段であるマウス113の何れかと、システム・モニタ135から構成される。なお、画像サーバ101はコントローラ111として一体として構成してもよい。
【0021】
画像サーバ101は、カメラ121〜123より受信した動画信号を符号化して、この符号化信号を動画データとして記憶する。また、画像サーバ101は、この動画データを動画信号に復号して、動画信号をデコーダ・モニタ134に送信する。デコーダ・モニタ134は画像サーバ101から送信された動画信号に基づいて動画を表示する。カメラ・モニタ131〜133は、カメラ121〜123が撮影した動画を表示する。なお、本明細書においては、「動画」という言葉は、「静止画」も含むものとする。
【0022】
コントローラ111は、画像サーバ101とLAN141を介して送受信し、画像サーバ101から送られる信号およびユーザーの入力に基づいて表示画面上(図2に示す)にユーザー・インターフェースを表示する。さらに、コントローラ111はマウス113、キーボード112やコントローラ111自体によって入力されるユーザーの要求を信号に変換し、その信号を画像サーバ101に送信する。また、コントローラ111はシステム・モニタ135にケーブル137を介してユーザー・インターフェースを表示するための信号を送信する。
【0023】
カメラ121〜123は、対象物の画像を撮影して動画信号として出力し、その画像を画像サーバ101に同軸ケーブル124を介して送信する。カメラ121〜123は、同一の対象物を異なるアングルで撮影してもよいし、また、それぞれ画角の異なるレンズを用いて撮影してもよく、通常のカメラと高速度撮影が可能なカメラを混在して用いてもよい。さらに、カメラ121〜123が異なる対象物を撮影してもよい。
【0024】
図2は、コントローラ111の斜視図である。図2を図1と合わせて参照すると、コントローラ111は、上部に液晶等のディスプレイ210と、ディスプレイ210の下側の中央に配列されたボタン群220と、ディスプレイ210の左下部にユーザーが前後方向に傾けて操作するTバー230と、ディスプレイ210の右下部にユーザーが水平に回転させて操作するジョグ・ダイヤル240とが設けられている。
【0025】
ディスプレイ210は、画像サーバ101から送られる信号およびユーザーの入力に応じてユーザー・インターフェースを表示する。また、ディスプレイ210は、ユーザーによる表示画面へのタッチ動作および表示画面上においてタッチされた位置を検知可能なタッチ・パネル・ディスプレイであってもよく、そのタッチ・パネルによってデータの入力や要求コマンドを入力可能としてもよい。入力手段はポインティング・デバイスであってもよく、本実施形態において、キーボード112、マウス113、あるいはタッチ・パネル・ディスプレイの少なくとも一つが入力手段を構成する。
【0026】
ボタン群220は、ユーザーによるその中のボタンの1つの押下に応じて信号を画像サーバ101に送信する。また、ボタンに関連する機能の状況に応じてボタンが光るようにしてもよい。
【0027】
Tバー230は、ユーザーのTバー230を前後方向に傾ける操作によって傾いたTバー230の傾き角度に応じた信号を画像サーバ101に送信し、Tバー230の傾き角度に応じて、再生される動画、すなわち、デコーダ・モニタ134に表示される動画の再生速度等を調整できる。
【0028】
ジョグ・ダイヤル240は、ユーザーによる水平に回転させる操作によって回転したジョグ・ダイヤル240の回転の速さや角度等に応じて信号を画像サーバ101に送信する。例えば、回転の速さが速くなればなるほど動画の再生速度(デコーダ・モニタ134に表示される動画の再生速度)が速くなり、回転を停止すると再生が停止する。また、ジョグ・ダイヤル240を時計方向に回すと順方向再生となり、反時計方向に回すと逆方向再生となる。
【0029】
なお、コントローラ111の機能をシステム・モニタ135上に表示されるグラフィカル・ユーザー・インターフェースとキーボード112やマウス113によって実施させてもよい。キーボード112、マウス113、システム・モニタ135を画像サーバ101に接続してもよい。一方、コントローラ111があれば、キーボード112、マウス113、システム・モニタ135は、情報処理システム100に必須ではなく、省略してもよい。また、Tバー230およびジョグ・ダイヤル240はコントローラ111に必須ではなく、省略してもよい。
【0030】
図3は、本発明の実施形態に係るポインター制御装置を含む情報処理システムの概略を示すブロック図である。図1、図2および図3を合わせて参照すると、情報処理システム100は、画像サーバ101と、コントローラ111と、キーボード112と、マウス113と、カメラ121〜123と、分配器321〜323と、カメラ・モニタ131〜133と、デコーダ・モニタ134と、システム・モニタ135等からなる。なお、画像サーバ101とコントローラ111は別々の装置として記述されているが、一体の装置として構成してもよい。
【0031】
画像サーバ101は、エンコーダ311〜313と、デコーダ341と、ディスプレイ・コントローラ351と、ハードディスク・コントローラ361と、ハードディスク・ドライブ362(以下、HDD362)と、CPU371と、メモリ381等から構成され、これらはそれぞれ何らかのバスを介して通信可能に接続される。
【0032】
エンコーダ311〜313は、分配器321〜323より送られた動画信号を符号化して、その信号を符号化された動画データとする。また、エンコーダ311〜313は、HDD362に記憶された動画信号を読み出して符号化してもよい。
【0033】
デコーダ341は、符号化された動画データをHDD362から読み出し、復号して動画信号をディスプレイ・コントローラ351等に送出する。
【0034】
HDD362は、CPU371上で実行されるプログラムと、エンコーダ311〜313より送られた符号化された動画データを記憶する。また、HDD362は、画像サーバ101の内部あるいは外部の何れか、または両方に設けられてもよい。さらに、本実施形態では例示として、HDD362として説明するが、動画データまたは動画信号を記憶できるのであれば、ハードディスク・ドライブ以外の記憶装置、例えば、テープドライブ、光ディスクドライブ、大容量半導体メモリでもよく、あるいはこれらの組合せを用いてもよい。
【0035】
CPU371は、メモリ381に記憶されたプログラムを読み込み、記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。CPU371が実行するプログラムには、例えば、動画データの編集や再生を行うアプリケーションや、バスに接続される各機器をコントロールするためのOS(Operating System)等が含まれる。
【0036】
メモリ381は、HDD362から読み出したプログラムを記憶する。プログラムには、例えば、コントローラ111の入出力に応答して、動画データの編集や再生を行うアプリケーションや、バスに接続される各機器をコントロールするためのOS等が含まれる。また、メモリ381は、バスに接続された機器からの動画信号および動画データを記憶してもよい。
【0037】
デコーダ・モニタ134はディスプレイ・コントローラ351に接続され、ディスプレイ・コントローラ351から送られた動画信号、例えばVGA信号に基づいて動画を表示する。デコーダ・モニタ134は、動画信号の内容をモニタする際に使用されるが、必ずしも情報処理システム100の構成としては必須ではない。
【0038】
また、コントローラ111は、コントローラ制御部391と、ディスプレイ210と、ボタン群220と、Tバー230と、ジョグ・ダイヤル240とから構成される。
【0039】
コントローラ制御部391は、CPUとメモリを有する。コントローラ制御部391は、画像サーバ101と信号を送受信し、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135にユーザー・インターフェースを表示するための信号を送信し、要求コマンドやボタン群220、Tバー230、ジョグ・ダイヤル240、キーボード112およびマウス113を介して入力された入力データを画像サーバ101に送信する。
【0040】
続いてポインターの制御に関する動作の説明を行う。
【0041】
図4は、図1に示すポインター制御装置により実行されるポインター制御処理の一例を説明するフローチャートである。上述の情報処理システム100において制御手段を構成するCPU371は、コントローラ制御手段391に指示して、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135上にユーザー・インターフェースを表示し、さらに、マウス113等による入力に応じてポインターの動作を制御し、ユーザーの操作に応じて所定の領域に割り当てられた所定のプログラムの機能を作動させる場合の制御である。
【0042】
図4を参照すると、最初に、ステップS401において、ポインターがディスプレイ210またはシステム・モニタ135に表示しているGUIの所定の領域に近接すると、CPU371は、所定の領域へのポインターの進入を禁止する。すなわち、ユーザーがポインターを所定の領域に進入させようとしても、この時点では、それ以上ポインターは所定の領域には進入できない。ここで、「所定の領域」とは、例えば、画像サーバ101上で動作する特定の機能を実現させるためのプログラムを作動または不作動させるためのボタン等、所定のプログラムを作動させるプログラム作動領域であってもよい。例えば、ボタンにポインターが進入した状態においてユーザーが入力手段により入力を行うことで所定のプログラムの機能を作動させることができる。
【0043】
次いで、ステップS405において、CPU371は、プログラムにより実行されるタイマーT1をリセット、例えば「0(ゼロ)」にセットする。タイマーT1はCPU371が実行するプログラムにより動作して、ポインターと所定の領域との接触時間を測定するタイマーである。測定した経過時間は、メモリ381等に記憶される。
【0044】
次いで、ステップS410において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力データにより、ポインター入力手段の移動量を算出する。ポインター入力手段には、上述のマウス113を含む。
【0045】
次いで、ステップS415において、CPU371は、ステップS410において算出したポインター入力手段の移動量に基づいて、ポインター位置を算出する。算出されたポインター位置により、コントローラ制御部391は、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135にユーザー・インターフェースを表示するための信号を送信し、ポインター位置を更新する。
【0046】
次いで、ステップS420において、CPU371は、ステップS415において算出したポインター位置に基づいて、ポインターが所定の領域と接触したか否かを判定する。ポインターが所定の領域と接触したと判定した場合は、ステップS425へ移る。接触していないと判定した場合は、ステップS401に戻る。
【0047】
次いで、ステップS425において、CPU371は、上述のタイマーT1が始動しているか否かを判定する。タイマーT1が始動していると判定した場合は、ステップS435に移る。タイマーT1が始動していないと判定した場合はステップS430に移る。
【0048】
次いで、ステップS430において、CPU371は、上述のタイマーT1を始動する。タイマーT1はポインターと所定の領域との接触時間を測定する。タイマーT1はポインターと所定の領域との接触時間を測定するタイマーであって、CPU371が実行するプログラムによって動作する。測定した経過時間はメモリ381に記憶される。タイマーT1が始動してから、ステップS405においてタイマーT1がリセットされるまでは、CPU371はメモリ381の経過時間記憶領域をタイマーT1が始動してからの経過時間により更新し続ける。
【0049】
次いで、ステップS435において、CPU371は、タイマーT1の測定時間が、所定の時間以上であるか否かを判定する。時間が所定の時間以上であると判定した場合は、ステップS440に移る。時間が所定の時間未満と判定した場合にはステップS410に戻る。
【0050】
次いで、ステップS440において、CPU371は、ポインターの所定の領域への進入を許可する。
【0051】
CPU371は、ポインターが所定の領域の境界線に接触した時点から所定の時間が経過した後に、ポインターの所定の領域への進入を許可する。したがって、ポインターの所定の領域の境界線への接触時点から所定の時間が経過するまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。さらに、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、ポインターによる操作が可能になるため、操作の流れを妨げず、画面上の余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供できる。
【0052】
図5は、本発明の別の実施形態に係るポインター制御装置によって実行されるポインター制御処理のフローチャートである。
【0053】
図5を参照すると、最初に、ステップS501において、ポインターのディスプレイ210およびシステム・モニタ135に表示しているGUI上の所定の領域へ近接している場合に、CPU371はポインターの所定の領域への進入を禁止する。「所定の領域」とは、例えば、画像サーバ101上で動作する所定のプログラムの機能を作動・不作動させるためのボタン等や所定のプログラムの機能を作動させるプログラム作動領域である。
【0054】
次いで、ステップS505において、CPU371は、プログラムにより実行されるタイマーT2をリセットする。タイマーT2はポインターと所定の領域との接触時間を測定するタイマーであって、CPU371においてプログラムにより実行され、測定した経過時間はメモリ381等に記憶される。
【0055】
次いで、ステップS510において、CPU371は、入力手段からの入力データを受信し、入力手段の移動量を算出する。ポインター入力手段には、上述のマウス113を含む。
【0056】
次いで、ステップS515において、CPU371は、ステップS510において算出したポインター入力手段の移動量に基づいて、ポインター位置を算出する。算出されたポインター位置に基づいて、コントローラ制御部391は、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135にユーザー・インターフェースを表示するための信号を送信し、ポインター位置を更新する。
【0057】
次いで、ステップS520において、CPU371は、ステップS515において算出したポインター位置に基づいて、ポインターが所定の領域を包含する当該所定の領域より大きい周辺領域に進入したか否かを判定する。ポインターが所定の領域を包含する周辺領域に進入したと判定した場合は、ステップS525へ移る。ポインターが所定の領域を包含する周辺領域に進入していないと判定した場合は、ステップS501に移る。更に具体的には、所定の領域を包含する周辺領域は、例えば、画像サーバ101上で動作する所定のプログラムの機能を作動させるためのボタンの近傍の領域等、所定のプログラムの機能を作動または不作動させるプログラム作動領域の外側の近傍の領域、周辺領域である。
【0058】
次いで、ステップS525において、CPU371は、上述のタイマーT2が始動しているか否かを判定する。タイマーT2が始動していると判定した場合は、ステップS535に移る。タイマーT2が始動していないと判定した場合はステップS530に移る。
【0059】
次いで、ステップS530において、CPU371は、上述のタイマーT2を始動する。タイマーT2はポインターと所定の領域との接触時間を測定する。タイマーT2はポインターと所定の領域との接触時間またはポインターが周辺領域内に位置する時間を測定するタイマーであって、CPU371においてプログラムにより実行される。測定した経過時間はメモリ381に記憶される。タイマーT2が始動してから、ステップS505においてタイマーT2がリセットされるまでは、CPU371はメモリ381の経過時間記憶領域をタイマーT2が始動してからの経過時間により更新し続ける。
【0060】
次いで、ステップS535において、CPU371は、タイマーの測定時間が、所定の時間以上であるか否かを判定する。時間が所定の時間以上であると判定した場合は、ステップS540に移る。時間が所定の時間未満と判定した場合にはステップS510に戻る。
【0061】
次いで、ステップS540において、CPU371は、ポインターの所定の領域への進入を許可する。
【0062】
CPU371は、ポインターが所定の領域を包含する周辺領域に進入した時点から所定の時間が経過した後に、所定の領域へのポインターの進入を許可する。したがって、ポインター制御装置は、ポインターが所定の領域を包含する周辺領域に進入した時点から所定の時間が経過するまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。さらに、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、領域におけるポインターによる操作が可能になるため、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供できる。また、ポインター820が所定の領域を包含する周辺領域から離れなければタイマーT2はリセットされない。したがって、所定の時間が経過するまでの間、ポインターは所定の領域を包含する周辺領域内を移動できる。したがって、ポインター制御装置は、所定の時間が経過するまでのユーザーによるポインター入力手段の意図しない操作を防止することが可能になる。
【0063】
図6は、本発明の別の実施形態に係る情報処理システムのポインター制御装置手段によるポインター制御処理のフローチャートである。
【0064】
図6を参照すると、最初に、ステップS601において、ポインターがディスプレイ210およびシステム・モニタ135に表示しているGUIの所定の領域に近接する際に、CPU371は、ポインターが一定の条件下でポインターが所定の領域に進入することを禁止する。所定の領域は、例えば、画像サーバ101上で動作する所定のプログラムの機能を作動または不作動させるためのボタン等や所定のプログラムの機能を作動させるプログラム作動領域である。
【0065】
次いで、ステップS605において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力データにより、ポインター入力手段の移動量を算出する。ポインター入力手段は、上述のマウス113を含む。
【0066】
次いで、ステップS610において、CPU371は、ステップS605において算出したポインター入力手段の移動量に基づいて、ポインター位置を算出する。算出されたポインター位置に基づいて、コントローラ制御部391は、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135にユーザー・インターフェースを表示するための信号を送信し、ポインター位置を更新する。
【0067】
次いで、ステップS615において、CPU371は、ステップS610において算出したポインター位置に基づいて、ポインターが所定の領域に接触したか否かを判定する。ポインターが所定の領域に接触したと判定した場合は、ステップS620へ移る。ポインターが所定の領域に接触していないと判定した場合は、ステップS601に戻る。
【0068】
次いで、ステップS620において、CPU371は、指示入力手段を入力待機状態にする。例えば、ポインターを操作している入力手段がマウス113である場合には、指示入力手段は、キーボード112、マウス113のボタンおよびディスプレイ210がタッチ・パネル・ディスプレイである場合のタッチ・パネルであってもよい。
【0069】
次いで、ステップS625において、CPU371は、通知手段によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを何らかの方法で通知する。通知手段は、例えば、CPU371により、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135に表示されるユーザー・インターフェースであり、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135に表示されるGUIの画像特性の変化によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知する。さらに、通知手段は、ユーザーの感覚(例えば視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の何れかに対して変化を伝える装置を備え、ユーザーの感覚(例えば視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の何れかに対して変化を伝えることによりポインターが所定の領域に接触したことを通知してもよい。この通知を受けたユーザーは、必要に応じて、指示入力手段を介した入力を行う。
【0070】
次いで、ステップS630において、CPU371は、指示入力手段に対する入力があったか否かを判定する。指示入力手段に入力があったと判定した場合は、ステップS635に移る。指示入力手段に入力がなかった場合にはステップS610に戻る。
【0071】
次いで、ステップS635において、CPU371は、ポインターが所定の領域へ進入することを許可する。
【0072】
以上説明したように、CPU371は、ポインターと、所定の領域との接触を、通知手段によりユーザーに通知し、通知手段による通知に応じてユーザーが指示入力手段により入力を行うことにより、所定の領域へのポインターの進入を許可する。したがって、ポインターおよび所定の領域の接触を、通知手段によりユーザーに通知し、通知手段による通知に応じてユーザーが指示入力手段により入力を行うまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。さらに、通知手段を用いてユーザーに通知し、指示入力手段によりユーザーが入力を行うことで直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、ユーザーの指示入力手段による入力により、所定の領域に割り当てられた所定のプログラムの機能を作動させることができる。したがって、操作の流れを妨げず、余分な表示を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供できる。
【0073】
図7は、本発明の別の実施形態に係る情報処理システムのポインター制御装置におけるポインター制御処理のフローチャートである。
【0074】
図7を参照すると、最初に、ステップS701において、CPU371は、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135に表示しているユーザー・インターフェースにおいて、所定の領域に、ポインターが進入することを禁止する。所定の領域は、例えば、画像サーバ101上で動作する所定のプログラムの機能を作動させるためのボタン等、所定のプログラムの機能を作動させるプログラム作動領域であってもよい。
【0075】
次いで、ステップS705において、CPU371は、プログラムにより実行されるタイマーT3をリセットする。タイマーT3はポインターと所定の領域との接触時間を測定するタイマーであって、CPU371においてプログラムにより実行され、測定した経過時間はメモリ381に記憶される。
【0076】
次いで、ステップS710において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力データにより、ポインター入力手段の移動量を算出する。ポインター入力手段には、上述のマウス113を含む。
【0077】
次いで、ステップS715において、CPU371は、ステップS710において算出したポインター入力手段の移動量に基づいて、ポインター位置を算出する。算出されたポインター位置により、コントローラ制御部391は、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135にユーザー・インターフェースを表示するための信号を送信し、ポインター位置を更新する。
【0078】
次いで、ステップS720において、CPU371は、ステップS715において算出したポインター位置に基づいて、ポインターと所定の領域とが接触したか否かを判定する。接触したと判定した場合は、ステップS725へ移る。接触していないと判定した場合は、ステップS701に戻る。
【0079】
次いで、ステップS725において、CPU371は、上述のタイマーが始動しているか否かを判定する。始動していると判定した場合は、ステップS735に移る。始動していないと判定した場合はステップS730に移る。
【0080】
次いで、ステップS730において、CPU371は、上述のタイマーT3を始動する。タイマーT3はポインターと所定の領域との接触時間を測定する。タイマーT3はポインターと所定の領域との接触時間を測定するタイマーであって、CPU371においてプログラムにより動作し、測定した経過時間はメモリ381に記憶される。タイマーT3が始動してから、ステップS705においてタイマーT3がリセットされるまでは、CPU371はメモリ381の経過時間記憶領域をタイマーT3が始動してからの経過時間の値によって更新し続ける。
【0081】
次いで、ステップS735において、CPU371は、通知手段によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知する。通知手段は、例えば、CPU371により、ディスプレイ210およびシステム・モニタ135に表示されるユーザー・インターフェースであり、画像の変化によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知する。さらに、通知手段は、ユーザーの感覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の何れかに対して変化を伝える装置を備え、ユーザーの感覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の何れかに対して変化を伝えることによりポインターと所定の領域とが接触したことを通知してもよい。
【0082】
次いで、ステップS740において、CPU371は、タイマーT3の測定時間が、所定の時間以上であるか否かを判定する。時間が所定の時間以上であると判定した場合は、ステップS745に移る。時間が所定の時間未満と判定した場合にはステップS710に戻る。
【0083】
次いで、ステップS745において、CPU371は、ポインターが所定の領域へ進入することを許可する。
【0084】
以上説明したように、CPU371は、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点で通知手段によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知し、所定の時間が経過した後に、進入を許可する。したがって、ポインターと、所定の領域の境界線との接触時点から通知手段によりユーザーにポインターと所定の領域とが接触したことを通知して、ユーザー・フレンドリーに所定の時間が経過するまで確実に所定の領域を誤操作から保護することができる。さらに、所定の時間が経過後は直ちに所定の領域へのポインターの進入を許可して、ポインターによる操作が可能になるため、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、所定の領域をポインターによる誤操作から保護するポインター制御装置を提供できる。
【0085】
図8は、情報処理システム100のシステム・モニタ135に表示される画面表示の一例を示す図である。
【0086】
図8を参照すると、システム・モニタ135に表示される画面800には、情報処理システム100の画像サーバ101において、CPU371が実行するプログラムの動作結果を表示するための領域であるウィンドウ等の様々な情報を表示するための領域が配置されている。情報処理システム100はリアルタイム性を重要視するシステムであるため、表示は可能な限り階層化されず、見やすいように配置され表示される。
【0087】
ウィンドウ801は一つ以上のボタン810を表示する領域を示す領域である。情報処理システム100(図1)はリアルタイム性を重要視するシステムであるため、ユーザーが動作の開始を指示する必要のある機能は階層化されず、一つ以上のボタン810それぞれに割り振られて操作可能に並べられる。ポインター820はポインター入力手段からの入力によって画面800上を移動する。ポインター入力手段は、例えば、マウス113等のポインティング・デバイスであってよい。
【0088】
図9A〜図9Cは、図8に示される画面表示に含まれるボタン810の画面表示の態様を示す図である。
【0089】
図9Aを参照すると、ボタン810を表示する領域を示す領域であるウィンドウ801の内部に1個のボタン810が配置されている。ボタン810は画像サーバ101においてCPU371が実行するプログラムの所定の機能等が割り振られており、上述のポインター820をボタン領域の内部に移動し、ポインター入力手段からの入力、例えばマウス113のマウスボタンを押すことで、画像サーバ101においてCPU371が実行するプログラムの所定の機能を実行させる。ウィンドウ801は必須ではなく、ボタン810を包含する領域として、ポインターの進入を検出できるようにしてもよい。
【0090】
図9Bを参照すると、ボタン810を表示する領域を示す領域であるウィンドウ801の内部に4個のボタン810A〜810Dが横1列に配置されている。図9Cを参照すると、ボタン810を表示する領域を包含するウィンドウ801の内部に4個のボタン810A〜810Dが縦2列、横2列(2×2)に配置されている。ボタン810は、ウィンドウ801の中に複数配置されていてよく、縦または横一列に配置されていても、縦、横に複数列で配置されていてもよい。
【0091】
図10A〜図10Cは、図4に示されるポインターの制御装置820における、ポインター820およびボタン810の画面表示を示す図である。
【0092】
図10Aと図4とを合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820およびボタン810の間を離して表示している。ポインターの位置とは、例えば矢印形状であるポインター820の矢印の先端部分(ホットポイント815)を指す。初めに、ステップS401において、CPU371は、ボタン810の表示領域に、ポインター820が進入することを禁止する。次いで、ステップS405において、CPU371は、プログラムにより動作するタイマーを0(ゼロ)にリセットする。タイマーは未だ始動していないため、処理は行われない。次いで、ステップS410において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力データにより、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS415において、CPU371は、ポインター位置を算出する。
【0093】
次いで、ステップS420において、CPU371は、図10Aに示されるようにポインター820およびボタン810は離れているため、ポインター820およびボタン810は接触していないと判定してステップS401に戻る。図10Aの状態においては以上のステップS401〜S420の処理を繰り返す。
【0094】
図10Bと図4とを合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820およびボタン810を接触させて表示している。CPU371は、上述のステップS401において、ポインター820のボタン810への進入を禁止しているため、ポインター820はボタン810の領域内に進入しない。したがって、ボタン810は入力から保護された状態となる。ステップS420において、CPU371は、ポインター820およびボタン810を接触させて表示しているため、ポインター820およびボタン810は接触していると判定してステップS425に移る。
【0095】
次いで、ステップS425において、CPU371は、タイマーが始動しているか否かの判定を行う。次いで、ステップS430において、CPU371は、タイマーを始動する。次いで、ステップS435において、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないと判定すると、ステップS410に移る。次いで、ステップS410において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力により、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS415において、CPU371は、ポインター位置を算出する。
【0096】
次いで、ステップS420において、CPU371は、ポインター820およびボタン810を接触させて表示しているため、ポインター820およびボタン810は接触していると判定してステップS425に移る。次いで、ステップS425において、CPU371は、上述のステップS430においてタイマーを始動したため、タイマーは始動していると判定してステップS435に移る。次いで、ステップS435において、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないため、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないと判定してステップS410に移る。図10Bの状態においては、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達するまで、以上のステップS410〜S435の処理を繰り返す。
【0097】
CPU371は、ポインター820がボタン810に接触する際、ポインター820の移動速度が所定の移動速度を超えている場合には、ポインター820が接近してきた側からボタン810に接触して停止するのではなく、ボタン810の反対側に乗り越えるよう制御する。すなわち、ポインター820はボタン810の反対側にジャンプする。ただし、領域内に進入したとは判定せず、ボタン810を保護する。
【0098】
ステップS420において、CPU371は、上述のステップS410〜S435の処理を繰り返す状態において、ポインター820およびボタン810は接触していないと判定した場合には、ステップS401に進み、CPU371は、再びポインター820のボタン810への進入を禁止する。次いで、ステップS405において、CPU371は、タイマーを0(ゼロ)にリセットする。そのため、CPU371は、ポインター820およびボタン810が一旦離れた際には、再び予め定められたボタン保護時間の間、ポインター820およびボタン810の接触が維持されなければ、ポインター820のボタン810への進入を許可しない。したがって、ポインター制御装置は、より確実にボタン810を保護することができる。
【0099】
図10Cと図4とを合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820をボタン810へ進入させて表示している。ステップS410〜S435の処理を繰り返す状態において、上述のタイマーが予め定められたボタン保護時間に達すると、ステップS435において、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達したと判定して、ステップS440に移る。ステップS440において、CPU371は、ポインター820がボタン810に進入することを許可する。ポインター820はボタン810の領域内に進入することが可能となり、ユーザーはボタン810に割り当てられたプログラムの機能を作動させることができる。また、CPU371は、例えば、ポインターを操作している入力手段以外の所定の入力手段により入力があった際に、ポインター820のボタン810への進入を許可してもよい。所定の入力手段とは、例えば、ポインターを操作している入力手段がマウス113である場合には、キーボード112、マウス113のボタンおよびディスプレイ210がタッチ・パネルである場合のタッチ・パネルであってもよい。
【0100】
図11A〜図11Dは、図5を参照して説明したポインター制御装置により実行されるポインターの制御処理における、ポインター820、ボタン810およびポインター検知領域1101の画面表示を示す図である。
【0101】
図11Aと図5とを合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820およびポインター検知領域(周辺領域)1101の間を離して表示している。ポインター検知領域1101は、ボタン810の領域の境界線からボタンの領域の外側に所定の距離離れた線を境界線とする、ボタン810を包含する領域である。ポインター検知領域1101は、図11Aでは不可視であるが、例えば、可視的に表示された領域であってもよい。ステップS501において、初めに、CPU371は、ポインター820のボタン810への進入を禁止する。次いで、ステップS505において、CPU371は、プログラムにより動作するタイマーを0(ゼロ)にリセットする。タイマーはまだ始動していないため、処理は行われない。次いで、ステップS510において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力により、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS515において、CPU371は、ポインター位置を算出する。次いで、ステップS520において、CPU371は、ポインター820およびポインター検知領域1101の間を離して表示しているため、ポインター820およびポインター検知領域1101は接触していないと判定して、ステップS501へ移る。図11Aの状態においては以上のステップS501〜S520の処理を繰り返す。
【0102】
図11Bと図5とを合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820をポインター検知領域1101に進入させて表示している。上述のステップS501において、CPU371は、ポインター820のボタン810への進入を禁止しているため、ポインター820はボタン810に進入できない。ステップS520において、CPU371は、ポインター820はポインター検知領域1101に進入しているか否かの判定を行う。CPU371は、ポインター820をポインター検知領域1101に進入させて表示しているため、ポインター820はポインター検知領域1101に進入していると判定して、ステップS525に移る。
【0103】
次いで、ステップS525において、CPU371は、タイマーが始動しているか否かの判定を行う。タイマーはまだ始動していないため、タイマーは始動していないと判定して、ステップS530へ移る。次いで、ステップS530において、CPU371は、タイマーを始動する。次いで、ステップS535において、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達しているか否かの判定を行う。CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達するまでは、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないと判定して、ステップS510に移る。次いで、ステップS510において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力により、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS515において、CPU371は、ポインター位置を算出する。
【0104】
次いで、ステップS520において、CPU371は、ポインター820はポインター検知領域1101に進入しているか否かの判定を行う。CPU371は、ポインター820をポインター検知領域1101に進入させて表示しているため、ポインター820はポインター検知領域1101に進入していると判定して、ステップS525へ移る。次いで、ステップS525において、CPU371は、タイマーは始動しているか否かを判定する。CPU371は、上述のステップS530においてタイマーを始動したため、タイマーは始動したと判定して、ステップS535へ移る。このようにして、CPU371は、ステップS535において、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達したと判定するまでは、ステップS510〜S535の処理を繰り返す。CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達すると、ステップS535において、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達したと判定して、ステップS540に移る。次いで、ステップS540において、CPU371は、ポインター820のボタン810への進入を許可する。
【0105】
ステップS520において、CPU371は、上述のタイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないと判定されてステップS510〜S535の処理を繰り返す状態において、ポインター820はポインター検知領域1101内でないと判定した場合には、ステップS501に移る。次いで、ステップS501において、CPU371は、ポインター820がボタン810に進入することを禁止する。次いで、ステップS505において、CPU371は、タイマーを0(ゼロ)にリセットする。したがって、CPU371は、ポインター820がポインター検知領域1101から一旦離れた後に再度進入した際には、ポインター820がポインター検知領域1101内に進入した状態において、予め定められたボタン保護時間が経過しなければ、ポインター820のボタン810への進入を禁止する。したがって、ポインター制御装置は、より確実にボタン810を保護することができる。
【0106】
図11Cを参照すると、CPU371は、ポインター820がボタン810に接触しているよう表示している。上述のように、予め定められたボタン保護時間が経過するまでの間、ポインター820がポインター検知領域1101内に進入した状態を維持すれば、タイマーはリセットされない。ボタン810に対して適切にポインター検知領域1101の大きさを定めることで、予め定められたボタン保護時間が経過するまでの間、ポインターが移動可能な範囲を任意に定めることができ、不意のポインター入力手段の操作でタイマーがリセットされることを防ぐことができる。
【0107】
図11Dと図5とを合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820がボタン810に進入しているよう表示している。上述のステップS440において、CPU371は、ポインター820がボタン810に進入することを許可している。したがって、ポインター820はボタン810の領域内に進入することが可能となり、ユーザーはボタン810に割り当てられたプログラムの機能を作動させることができる。
【0108】
図12は、図6を参照して説明したポインター制御装置により実行されるポインターの制御処理における、ポインター820、ボタン810および通知アイコン1201の画面表示を示す図である。
【0109】
図12と図6を合わせて参照すると、初めに、ステップS601において、CPU371は、ボタン810の表示領域へのポインター820の進入を禁止する。次いで、ステップS605において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力により、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS610において、CPU371は、ポインター位置を算出する。次いで、ステップS615において、CPU371は、図12に示されるように、ポインター820およびボタン810は接触している場合はポインター820およびボタン810は接触したと判定して、ステップS620に移る。ポインター820およびボタン810が接触していない場合は、ポインター820およびボタン810は接触していないと判定して、ステップS601に戻る。ポインター820およびボタン810が接触するまでステップS601〜S615の処理を繰り返す。
【0110】
次いで、ステップS620において、CPU371は、指示入力手段を待機状態にする。指示入力手段とは、ユーザーが指示を入力可能な手段であって、上述の入力手段以外のものが好ましい、例えば、マウス113を入力手段とした場合は、キーボード112、マウス113のボタン、およびディスプレイ210がタッチ・パネルである場合のタッチ・パネル等の何れか一つ以上、入力手段による操作と区別できるものが好ましい。次いで、ステップS625において、CPU371は、ユーザーに情報を通知する。情報とは鍵穴と鍵の通知アイコン1201であり、鍵穴と鍵の通知アイコン1201を表示することによりユーザーに「指示入力待機状態であること」および「ポインター820のボタン810への進入の禁止」を通知する。情報の通知は、上述のようにユーザーの視覚を通じて行ってもよく、ユーザーの他の感覚を通じて行ってもよい。例えば、音響を発生する手段により通知のための音を発生してユーザーの聴覚を通じて報知してもよく、振動を発生する手段により通知のための振動を発生してユーザーの触覚を通じて報知してもよく、香りを発生する手段により通知のための香りを発生してユーザーの嗅覚を通じて報知してもよい。
【0111】
次いで、ステップS630において、CPU371は、指示入力手段より指示が入力されたか否かを判定する。指示が入力されていない場合はS610へ移り、上記のステップS610〜S630の処理を繰り返す。指示が入力された場合は、ステップS635に移る。ステップS635において、CPU371は、ポインター820のボタン810への進入を許可する。したがって、CPU371は、ユーザーが通知に応じて指示を入力するまでポインター820のボタン810への進入を禁止するため、ユーザーの不意の操作からボタン810を確実に保護することができる。進入を許可する際に、CPU371は、例えば、通知アイコン1201を表示したままでもよく、通知アイコン1201の鍵が鍵穴に差し込まれ回転するアニメーションを表示して進入の許可をユーザーに通知してもよく、通知アイコン1201を消して進入の禁止が解除されたことをユーザーに通知してもよい。
【0112】
図13A〜図13Cは、図7を参照して説明したポインター制御装置により実行されるポインターの制御処理における、ポインター820、ボタン1301の画面表示を示す図である。
【0113】
図13Aと図7を合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820およびボタン1301の間を離して表示している。初めに、ステップS701において、CPU371は、ポインター820のボタン1301への進入を禁止する。次いで、ステップS705において、CPU371は、プログラムにより動作するタイマーを0(ゼロ)にリセットする。タイマーはまだ始動していないため、処理は行われない。次いで、ステップS710において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力により、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS715において、CPU371は、ポインター位置を算出する。次いで、ステップS720において、CPU371は、ポインター820およびボタン1301は接触しているか否かを判定する。CPU371は、ポインター820およびボタン1301の間を離して表示しているため、ポインター820およびボタン1301は接触していないと判定して、ステップS701に移る。図13Aの状態においては、以上のステップS701〜S720の処理を繰り返す。
【0114】
図13Bと図7を合わせて参照すると、CPU371は、ポインター820およびボタン1301を接触させて表示している。また、上述のステップS701において、CPU371は、ポインター820のボタン1301への進入を禁止しているため、ポインター820はボタン1301に進入せず、ボタン1301は、入力から保護される。また、CPU371は、ボタン1301を、透明なガラスのようなカバー(蓋)に覆われたように表示して、ポインター820およびボタン1301の接触とポインター820のボタン1301への進入の禁止とをユーザーに通知する。ステップS720において、CPU371は、ポインター820とボタン1301は接触しているか否かを判定する。CPU371は、ポインター820およびボタン1301を接触させて表示しているため、ポインター820およびボタン1301は接触していると判定して、ステップS725に移る。
【0115】
次いで、ステップS725において、CPU371は、タイマーが始動しているか否かを判定する。タイマーはまだ始動していないため、タイマーは始動していないと判定して、ステップS730へ移る。次いで、ステップS730において、CPU371は、タイマーを始動する。次いで、ステップS735において、CPU371は、ボタン1301を、透明なガラスのようなカバーに覆われたように表示して、ポインター820およびボタン1301の接触とポインター820のボタン1301への進入の禁止とをユーザーに通知して、ステップS740に移る。次いで、ステップS740において、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達したか否かを判定する。タイマーが予め定められたボタン保護時間に達するまでは、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないと判定して、ステップS710に移る。
【0116】
次いで、ステップS710において、CPU371は、ポインター入力手段からの入力により、ポインター入力手段の移動量を算出する。次いで、ステップS715において、CPU371は、ポインター入力手段の移動量より、ポインター位置を算出する。次いで、ステップS720において、CPU371は、ポインター820とボタン1301は接触しているか否かを判定する。CPU371は、ポインター820およびボタン1301を接触させて表示しているため、ポインター820およびボタン1301は接触していると判定して、ステップS725に移る。次いで、ステップS725において、CPU371は、タイマーが始動しているか否かを判定する。上述のステップS730において、CPU371は、タイマーを始動したため、タイマーは始動していると判定して、ステップS735に移る。次いで、ステップS735において、CPU371は、ボタン1301を、透明なガラスのようなカバーで覆われたように表示して、ポインター820およびボタン1301の接触とポインター820のボタン1301への進入の禁止とをユーザーに通知して、ステップS740に移る。次いで、ステップS740において、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達したか否かを判定する。タイマーが予め定められたボタン保護時間に達するまでは、CPU371は、タイマーが予め定められたボタン保護時間に達していないと判定して、ステップS710に移る。タイマーが予め定められたボタン保護時間に達するまでは、上述のステップS710〜S740の処理を繰り返す。したがって、CPU371は、ポインター820およびボタン1301の接触とポインター820のボタン1301への進入の禁止とをユーザーに通知して、ユーザーにポインターの制御の状態を通知して、ユーザー・フレンドリーに確実にボタン810を保護することができる。タイマーが予め定められたボタン保護時間に達すると、ステップS740において、CPU371は、タイマーが所定の時間に達したと判定して、ステップS745に移る。
【0117】
CPU371は、ステップS745において、ポインター820のボタン1301への進入を許可する。図13Cでは、CPU371は、ボタン1301の透明なガラスのようなカバーに覆われた表示を消して、ポインター820はボタン1301に進入している。CPU371は、ステップS745において、ポインター820のボタン1301への進入を許可した際に、ボタン1301の透明なガラスのようなカバーに覆われた表示を消して進入の禁止が解除されたことをユーザーに通知してもよく、例えば、ガラスのような表示がタイマーの経過とともに徐々に開き、予め定められたボタン保護時間が経過したときにカバーするガラスのようなカバーが完全に開いたように見える表示を行うことで、予め定められたボタン保護時間が経過するまでの残り時間をユーザーに知らせることができるようにしてもよい。
【0118】
上述のステップS710〜S740の処理を繰り返す状態において、次いで、ステップS720において、CPU371は、ポインター820およびボタン1301は接触しているか否かを判定する。CPU371は、ポインター820およびボタン1301の間を離して表示すると、ポインター820およびボタン1301は接触していないと判定して、ステップS701へ移る。次いで、ステップS701において、CPU371は、ボタン1301に、ポインター820が進入することを禁止する。次いで、CPU371は、ステップS705において、プログラムにより動作するタイマーを0(ゼロ)にリセットする。そのため、ポインター820が一旦離れた後に再度ボタン1301に接触した際には、CPU371は、改めて接触している時間の測定を開始し、再びタイマーが予め定められたボタン保護時間に達するまで、ポインター820およびボタン1301の接触を維持しなければ、ポインター820のボタン1301への進入を許可しない。したがって、ポインター制御装置は、より確実にボタン1301を保護することができる。
【0119】
図13A〜図13Cと図7を合わせて参照すると、上述の図13Bに示す、ボタン810の透明なガラスのようなカバーの表示は、ステップS720において、ポインター820がボタン810に接触したと判定した際に表示したが、これに限らず、ステップS701において、ポインター820のボタン810への進入を禁止した際に表示してもよい。
【0120】
図14は、ポインター820、ボタン810および接触維持領域1401の画面表示を示す図である。
【0121】
図14を参照すると、CPU371は、ポインター820およびボタン810を表示し、ボタン810を包含する領域である接触維持領域1401が示されている。接触維持領域1401は、図14では不可視であるが、例えば可視表示された領域であってもよい。上述の図4のように、ポインター820およびボタン810が接触した時点よりタイマーを始動して、予め定められたボタン保護時間が経過した場合にポインター820のボタン810の領域への進入を許可するが、ポインター820およびボタン810が接触してタイマーを始動した後にポインター820がボタン810から一旦離れても、ポインター820が接触維持領域1401の領域内に留まるならばタイマーをリセットしない。したがって、ポインター820がボタン810に接触していないと判定するとただちにタイマーをリセットする場合より、ポインター入力手段の不意の誤操作に対して寛容なユーザー・フレンドリーなユーザー・インターフェースを提供できる。
【0122】
図15は、ポインター1501およびボタン810の画面表示を示す図である。
【0123】
図15を参照すると、CPU371は、ポインター1501を砂時計型のアイコンで表示している。上述したように、CPU371は、ポインター1501およびボタン810が接触した時点よりタイマーを始動する。タイマーが予め定められたボタン保護時間に達するとポインター1501のボタン810の領域への進入を許可する。この際、CPU371は、タイマーを始動した時点でポインター1501の画面表示を通常の矢印表示から、砂時計のアイコン表示に変化させる。したがって、CPU371は、ポインター1501のボタン810への進入の禁止をユーザーに通知できる。また、CPU371は、ポインター1501のボタン810への進入を許可した際には、ポインター1501の表示を砂時計のアイコン表示から、通常の矢印表示に変化させる。したがって、CPU371は、ポインター1501のボタン810への進入の許可をユーザーに通知できる。また、CPU371は、例えば、ポインター1501の砂時計のアイコン表示を、時間の経過とともに砂時計の砂の量が変化するようアニメーション表示して、タイマーが始動していることを表示するようにしてもよい。さらに、予め定められたボタン保護時間に達すると砂時計の砂がなくなるようアニメーション表示することで、ポインター1501のボタン810への進入を許可するまでの残り時間を表示するようにしてもよい。
【0124】
図16は、ポインター820およびボタン1601の画面表示を示す図である。
【0125】
図16を参照すると、CPU371は、ボタン1601を、透明なガラスのようなカバーに覆われて表示している。上述したように、CPU371は、ボタン1601にポインター820が接触した時点よりタイマーを始動して、予め定められたボタン保護時間が経過すると、ポインター820のボタン1601への進入を許可する。CPU371は、タイマーを始動した時点で、ボタン1601を、通常の表示から、図16に示される透明なガラスのようなカバーに覆われた表示にする。したがって、CPU371は、ポインター820のボタン1601への進入の禁止を通知できる。また、CPU371は、ポインター820のボタン1601への進入を許可した際には、ボタン1601の表示を、透明なガラスのようなカバーに覆われた表示から、通常の表示にする。したがって、CPU371は、ポインター820のボタン1601への進入の許可を通知できる。また、CPU371は、ボタン1601の透明なガラスのようなカバーに覆われた表示を、時間の経過とともにガラスの部分が下(あるいは他の方向から)から徐々に開くように変化するようアニメーション表示する。したがって、タイマーが始動していることをユーザーに示すことができる。また、予め定められたボタン保護時間に達するとちょうどガラスが開ききるように表示することで、ポインター820がボタン1601に進入可能になるまでの残り時間を表示できるようにしてもよい。
【0126】
図17A、図17Bは、ポインター820、ボタン810および通知アイコン1701、通知アイコン1710の画面表示を示す図である。
【0127】
図17Aを参照すると、CPU371は、鍵1710と鍵穴型の通知アイコン1701をボタン810の近傍に表示している。上述したように、CPU371は、ボタン810およびポインター820が接触した後、タイマーを始動して、予め定められたボタン保護時間が経過した場合にはポインター820のボタン810への進入を許可する。CPU371は、タイマーを始動した時点で鍵穴型の通知アイコン1701をボタン810の近傍に表示する。したがって、ポインター820がボタン810に進入を禁止されていることを通知することができる。また、図17Bを参照すると、予め定められたボタン保護時間に達すると鍵型の通知アイコン1710を表示して、鍵が開くアニメーションを表示する。したがって、ポインター820のボタン810の領域への進入の許可を通知することができる。
【0128】
図18A、図18Bは、ポインター820、ボタン810および通知アイコン1801、通知アイコン1810の画面表示を示す図である。
【0129】
図18Aを参照すると、CPU371は、鍵穴型の通知アイコン1801をポインター820の近傍に表示している。上述したように、CPU371は、ボタン810の領域外からボタン810にポインター820が進入しようとするときにタイマーを始動して、予め定められたボタン保護時間が経過した場合にはポインター820のボタン810への進入を許可する。CPU371は、タイマーを始動した時点で鍵穴型の通知アイコン1801をポインター820の近傍に表示する。したがって、ポインター820がボタン810に進入を禁止されていることをユーザーに示すことができる。また、図18Bを参照すると、予め定められたボタン保護時間に達すると鍵型の通知アイコン1810を表示して、鍵が開くアニメーションを表示する。したがって、ポインター820のボタン810の領域への進入の許可をユーザーに示すことができる。
【0130】
図19A、図19Bは、ポインター820、ボタン810および接触強制領域1901の画面表示を示す図である。
【0131】
図19Aを参照すると、ボタン810を包含する領域である接触強制領域1901が示されている。上述したように、CPU371は、ボタン810にポインター820が接触した時点よりタイマーを始動して、予め定められたボタン保護時間が経過した場合にポインター820のボタン810の領域への進入を許可する。ポインター820が接触強制領域1901に進入すると、図19Bに示すように、ポインター820をボタン810に接触する位置に移動して、タイマーを始動する。ポインター820は、ボタン810から所定の距離離れる方向にポインター入力手段に入力がない限りは、ポインター820とボタン810とは接触した状態を維持する。したがって、ポインター820がボタン810に接触しなくなると直ちにタイマーをリセットする場合より、ポインター入力手段の不意の誤操作に対して寛容なユーザー・フレンドリーなユーザー・インターフェースを提供することが可能になる。
【0132】
図20は、ポインター820、ボタン810および通知アイコン2001の画面表示を示す図である。
【0133】
図20を参照すると、CPU371は、OKを表す手の形の通知アイコン2001をポインター820の近傍に表示する。上述したように、CPU371は、ボタン810にポインター820が接触した時点よりタイマーを始動して、予め定められたボタン保護時間に達した場合にポインター820のボタン810の領域への進入を許可する。CPU371は、予め定められたボタン保護時間に達するとOKを表す手の形の通知アイコン2001を表示する。したがって、ポインター820のボタン810への進入の許可をユーザーに知らせることができる。
【0134】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、ポインター制御装置は、ポインター820と、ボタン810との接触時点から所定の時間が経過した後に、ポインター820のボタン810への進入を許可する。したがって、ポインター820およびボタン810の境界線の接触時点から予め定められたボタン保護時間が経過するまで確実にボタン810を保護することができる。また、予め定められたボタン保護時間が経過後は直ちにボタン810へのポインター820の進入を許可する。したがって、操作の流れを妨げず、余分な表示領域を使わずに、ボタン810をポインター820による誤操作から保護するポインター制御装置を提供することができる。
【0135】
なお、上述の実施形態では、画像サーバ101のCPU371が実行するプログラムの動作により、ボタン810およびポインター820の表示等を行ったが、プログラムの一部をコントローラ111のコントローラ制御部391で動作させてボタン810およびポインター820の表示等を行ってもよい。
【0136】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【0137】
例えば、本発明のポインター制御装置は、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを用いるコンピュータ用アプリケーション・ソフトウエアのほか、携帯電話、メモリ・オーディオ、ゲーム機、情報家電、テレビ、カー・ナビゲーション・システム、セキュリティ・システム、銀行ATM、タッチ・パネル式入力装置等、グラフィカル・ユーザー・インターフェースおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース機能を有する機器であればいかなる機器にでも応用可能である。
【符号の説明】
【0138】
100 情報処理システム
101 画像サーバ
111 コントローラ
112 キーボード
113 マウス
135 システム・モニタ
210 ディスプレイ
391 コントローラ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、前記進入を許可する、ポインター制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から、前記所定の時間が経過する前に、前記ポインターが離れたときに、前記所定の時間の計時を停止し、それまでに計時した値を0とする、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から、前記所定の時間が経過する前に、前記ポインターが、前記所定の領域を包含する周辺領域の外に出たときに、前記所定の時間の計時を停止し、それまでに測定した値を0とする、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項4】
前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から前記所定の時間の経過とともに、当該ポインターの表示が変化する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項5】
前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から前記所定の時間の経過とともに、当該所定の領域の表示が変化する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項6】
前記ポインターと、前記所定の領域との接触後、通知手段は、当該所定の領域内への当該ポインターの進入の禁止を示す画像または進入の許可を示す画像を表示する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項7】
前記ポインターが前記所定の領域外より前記所定の領域内に進入しようとするときに、通知手段は、当該所定の領域内への当該ポインターの進入の禁止を示す画像または進入の許可を示す画像を表示する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項8】
前記所定の領域は、所定のプログラムの機能を作動または不作動させる領域である、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項9】
前記ポインターが前記所定の領域より外側に所定の距離離間した領域に進入したときに、前記ポインターを前記所定の領域に接触する位置に移動させる、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項10】
前記ポインターと、前記所定の領域との接触後、当該所定の領域への当該ポインターの進入の禁止または進入の許可に応じて、前記ポインターの表示が変化する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項11】
前記ポインターと、前記所定の領域との接触後、当該所定の領域への当該ポインターの進入の禁止または進入の許可に応じて、前記所定の領域の表示が変化する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項12】
前記ポインターと、前記所定の領域との接触の際、前記ポインターの単位時間当たりの移動量が所定のしきい値を超えているときに、前記ポインターの単位時間当たりの移動量と、前記ポインターと、前記所定の領域との接触位置に応じて、所定の領域の外部の位置に前記ポインターを移動する、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項13】
前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点からユーザーが入力手段を用いて、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可可能となる、請求項1に記載のポインター制御装置。
【請求項14】
前記入力手段はキーボード、マウス、タッチ・パネルを含む、請求項13に記載のポインター制御装置。
【請求項15】
ポインターが所定の領域を包含する領域内に進入しようとするときに、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を制限付きで許可する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記ポインターの所定の領域を包含する領域への進入時点から所定の時間が経過した後に、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可する、ポインター制御装置。
【請求項16】
ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可する制御手段と、
前記ポインターと、前記所定の領域との接触に応答してユーザーに情報を通知する通知手段と、
当該通知に応答するユーザーの指示を入力する指示入力手段と、を備え、
前記制御手段は、前記指示入力手段により入力された前記指示により、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可する、ポインター制御装置。
【請求項17】
ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可する制御手段と、
前記ポインターと、前記所定の領域との接触に応答してユーザーに情報を通知する通知手段と、を備え、
前記通知手段は、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点に当該接触に応答してユーザーに情報を通知し、
前記制御手段は、前記通知手段による前記通知から所定の時間が経過した後、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可する、ポインター制御装置。
【請求項18】
前記通知手段は、前記制御手段による前記ポインターの前記所定の領域内への進入の許可とともに、ユーザーに情報を通知する、請求項17に記載のポインター制御装置。
【請求項19】
ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可するステップを含む、ポインター制御方法であって、
前記ステップは、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可するステップを含む、ポインター制御方法。
【請求項20】
ポインターが所定の領域外より所定の領域内に進入しようとするときに、当該進入を制限付きで許可するステップをコンピュータに実行させる、ポインター制御プログラムであって、
前記ステップは、前記ポインターと、前記所定の領域の境界線との接触時点から所定の時間が経過した後に、前記ポインターの前記所定の領域内への進入を許可するステップを含む、ポインター制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−511332(P2011−511332A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529582(P2010−529582)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/JP2008/000117
【国際公開番号】WO2009/095953
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】