説明

ポイントサービスシステム

【課題】従来のポイントサービスは、商店などのような個人で利用する形態の事業においては効果的であったが、カラオケなどのグループで利用する形態のグループサービス事業においてはあまり効果が期待できなかった。
【解決手段】情報処理端末103がインターネットなどの通信ネットワーク101を介して運用管理サーバ102と接続されている会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムであって、情報処理端末103は、会員登録要求を送信する手段と、当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報を運用管理サーバ102との間で送受信する手段を備え、運用管理サーバ102は、ポイントを加算若しくは減算する対象範囲となるグループメンバーに関する世代数を設定する手段と、会員の利用状況などに応じて会員本人および前記設定された世代数に該当するグループメンバーに対してポイントを加算若しくは減算する手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会員以外のグループメンバーが利用しない場合でも、当該会員を中心とするグループメンバー全員にポイントを加算若しくは減算するポイントサービスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、会員に対するサービスとして、会員の店舗における購入金額に応じて一定のポイントを付与(ポイント付与段階)するポイントサービスが広く行われている。そして、会員がその店舗を次に利用した際に、会員に付与されたポイントを基にして、割引サービスが行なわれたり、一定のポイントに到達すると金券などと交換するものなどがある(ポイント利用段階)。
具体的なポイント付与段階の流れとしては、客が店舗に来店し、まだ当該店舗の会員になっていなかった場合は、会員が会員登録申込書に自分の個人情報を記載し、店舗から会員カードなどの発行を受けることによって会員登録を行う。そして、会員が店舗でサービスを利用したり商品を購入したりした場合に、会員カードなどを店舗の従業員に渡し、従業員は受け取ったカードなどに対してバーコードリーダや押印などによってポイントを付与し、従業員は会員にカードなどを返却する。
次に、ポイント利用段階の流れとしては、会員が再度、当該店舗に来店してサービスを利用したり商品を購入したりした場合に、従業員にポイントを利用する旨を伝えてカードなどを受け渡す。すると、従業員はバーコードリーダや押印などによって利用分のポイントをカードから加算若しくは減算し、会員に利用ポイント分の金券などを渡すとともにカードを返却するというものであった。
このようなポイントサービスに関するものとしては、例えばポイント管理システムにかかり、特に所定の店舗を利用することにより付与され、その蓄積に応じて所定の特典を受けることができるポイントを管理するシステムなどが提案されている。(特許文献1を参照)
【特許文献1】特許第3714217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来型のポイントサービスでは本人および第三者1名へポイントを付与することにより、本人または当該第三者を再度来店させるようにして来店のリピート率拡大を図っているものが一般的であった。
しかしながら、このような従来型のポイントサービスは、通常の商店などのような個人で利用する形態の業種においては効果的であったが、グループで利用する形態のグループサービス事業(例えば、居酒屋、カラオケ、ボーリングなど)における集客向上およびリピート率拡大という観点からはあまり効果が期待できないという課題があった。
また、グループサービス事業における従来型のポイントサービスでは、グループ内の限られたメンバーのみが多量のポイントを取得し、その他のメンバーはポイントが少ないといったアンバランスな現象がしばしば発生した。これにより、同じグループメンバー内においてもポイント数において差が発生するため、当該グループメンバー全員が公平なサービスを受けられないという課題があった。このため、ある特定のメンバーのポイントが多量にあってもグループメンバー間のポイントが均等ではない場合に、ポイントが少ないメンバーが自然に当該店舗を利用しなくなったり、あるいは他の店舗へ流出してしまうという課題があった。そこで、あるメンバーが店舗を利用しなくても当該メンバーのポイントが貯まって行き、来店動機付けを高めるような方法がないかが課題となる。
さらに、従来型のポイントサービスでは、店舗の従業員がポイント付与の手続きを実施するというのが通常であった。確かに、対象者本人のみへの付与ならば、このようなやり方でも可能であったが、グループ全体へのポイント付与となると煩雑な作業量が飛躍的に増大するために、その実施はなかなか困難であるという課題もあった。
他に、従来型のポイントサービスでは、個人の利用履歴の把握は可能であったが、グループ全体での利用履歴の把握は不可能であったということも課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために請求項1記載の発明は、情報処理端末がインターネットなどの通信ネットワークを介して運用管理サーバと接続されている会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムであって、前記情報処理端末は、前記運用管理サーバを呼び出して会員登録要求を送信する会員登録要求手段と、前記運用管理サーバを呼び出してポイント情報を含む当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報について登録、読み出し、更新、若しくは削除の各処理を行う手段と、上記運用管理サーバは、前記情報処理端末から会員登録要求を受信すると、この会員登録要求に含まれている会員識別情報が会員情報管理部に記憶保存されている会員データベースに既に存在していないかどうかを判断して、もし存在していない場合は、会員識別情報を含む当該会員に関する情報を前記会員データベースに追加する会員登録手段と、会員又はグループ毎に個別の情報画面を生成する手段と、各会員の会員識別情報の変更の有無を確認する手段と、ポイントを加算若しくは減算する対象範囲となるグループメンバーに関する世代数を設定する手段と、会員の状況などに応じて当該会員および前記設定された世代数に該当するグループメンバーに対してポイントを加算若しくは減算する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、情報処理端末は携帯電話であることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、施設に設置された専用端末がさらにインターネットなどの通信ネットワークを介して運用管理サーバと接続されており、前記専用端末は、前記運用管理サーバを呼び出して会員登録要求を送信する会員登録要求手段と、前記運用管理サーバを呼び出して当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報について登録、読み出し、更新、削除、検索、若しくは集計の各処理を行う手段と、読取可能な態様で記録した媒体に表示されたイメージデータを読み取る手段と、前記イメージデータに含まれるコードを認識処理して解析データを取得するイメージ解析手段と、前記イメージ解析手段で解析された解析データと、前記運用管理サーバに格納されているデータとを比較照合することにより、会員が所持するカードなどへポイントを加算若しくは減算する手段と、会員が所持するポイントによって金券などを出力する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、運用管理サーバは、加算若しくは減算するポイント数の算定にあたって、利用者本人かグループメンバーであるか、若しくはポイントを加算若しくは減算される者の世代数、年齢、性別、職業、携帯電話の機種、利用回数、会員ランクなどの人的区別によりポイント数を変動させる手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、運用管理サーバは、加算若しくは減算するポイント数の算定にあたって、利用単価・金額、利用時期・時刻・時間・季節・期間、利用場所、利用人数、事前予約の有無などの利用者の利用内容に応じてポイント数を変動させる手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、運用管理サーバは、会員の会員識別情報と当該会員のポイントサービスの利用情報とが対応付けられた利用履歴データを記憶装置に格納する手段と、前記利用履歴データ格納手段で格納した利用履歴データを読み出し、各種の情報を出力するための所定の演算処理を行う手段と、特定の情報処理端末からの要求に応じて任意の会員若しくは会員のグループメンバーに関する前記利用履歴データ又は前記演算結果データを送信する手段と、前記特定の情報処理端末は、当該運用管理サーバに通信ネットワークを介して接続し、前記利用履歴データ又は前記演算結果データを送受信する手段と、をさらに備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、運用管理サーバは、ポイントの譲渡やグループメンバー間でのポイントの均等化など会員間でポイントを移動するデータ処理手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおいて、運用管理サーバは、他の会員又は会員グループを対象とするシステムと通信ネットワークを介して接続され、さらに前記他のシステムとの間でポイント情報を交換して更新する手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項9記載の発明は、会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおける運用管理サーバ装置であって、インターネットなどの通信ネットワークを介して情報処理端末と接続されており、前記情報処理端末から会員登録要求を受信すると、この会員登録要求に含まれている会員識別情報が会員情報管理部に記憶保存されている会員データベースに既に存在していないかどうかを判断して、もし存在していない場合は、会員識別情報を含む当該会員に関する情報を前記会員データベースに追加する会員登録手段と、会員又はグループ毎に個別の情報画面を生成する手段と、ポイントを加算若しくは減算する対象範囲となるグループメンバーに関する世代数を設定する手段と、会員の状況などに応じて当該会員および前記設定された世代数に該当するグループメンバーに対してポイントを加算若しくは減算する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項10記載の発明は、会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおける専用端末であって、インターネットなどの通信ネットワークを介して運用管理サーバと接続されており、前記運用管理サーバを呼び出して会員登録要求を送信する会員登録要求手段と、前記運用管理サーバを呼び出して当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報について登録、読み出し、更新、削除、検索、若しくは集計の各処理を行う手段と、読取可能な態様で記録した媒体に表示されたイメージデータを読み取る手段と、前記イメージデータに含まれるコードを認識処理して解析データを取得するイメージ解析手段と、前記イメージ解析手段で解析された解析データと、前記運用管理サーバに格納されているデータとを比較照合することにより、会員が所持するカードなどへポイントを加算若しくは減算する手段と、会員が所持するポイントによって金券などを出力する手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムによれば、本人自身はもとより実際には来店していない他のグループメンバーにも来店訴求のアプローチが可能となり、効果的な来店促進が可能となるという効果がある。つまり、あるグループメンバーが販売店などの施設を利用しなくても、他のグループメンバーが当該施設を利用することにより、利用していないグループメンバーのポイントも蓄積されて行き、当該グループメンバーがポイントの利用をしなければしない程、ポイントが貯まって行くことになり、結果的に来店動機付けが高くなるという効果が発生する。これにより、ポイントを媒体としてグループ全体の活性化が期待でき、活動が停止するグループが減少しグループメンバーの来店回数の向上が期待できるという効果もある。
また、会員自身で販売店などの施設に設置されている専用端末からポイントの加算若しくは減算を受けることもできるため、従業員の業務負担が軽減され、さらに、グループで会員を管理できることから、グループ全体の利用率などのより効果的なマーケティング・データの取得が可能となるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
会員を中心とするグループ全体にポイントを加算若しくは減算して、より効果的な来店促進を実現するという目的を、以下のように、本発明による会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムによって実現した。
なお、ポイントの減算は、会員にとって不利益になる場合だけでなく、ポイントが減算されることによって利益となる場合もある。すなわち、ここでいうポイントの加算若しくは減算は、単にポイント数の値の変動を意味しているだけであり、ポイントが減算されることによって、施設利用の際に割引を受けられるなどの特典を会員が得られる場合もある。
【実施例1】
【0016】
以下に本願の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本願の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムの実施例1を示し、その全体構成を示したものである。
本願の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムは、図1に示すように、会員や施設が所持する情報処理端末103が、通信ネットワーク101を介して運用管理サーバ102と接続されている。
尚、図1に示した会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムでは、運用管理サーバ102、情報処理端末103は、いずれも1つとして示されているが、これらは各々複数あってもよい。
【0017】
運用管理サーバ102は、図示しないが、CPUなどの制御部とRAMやROMなどのメモリやインターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えたコンピュータである。
【0018】
通信ネットワーク101は、インターネット、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)など、種々のネットワークを利用することが可能である。
【0019】
情報処理端末103は、図示しないが、CPUなどの制御部とRAMやROMなどのメモリと液晶画面などの表示部やキーボードなどの入力部、インターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えた情報処理機器であり、この中にはパーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDAなどが含まれる。
【0020】
さらに、運用管理サーバ102には、図2の通り、各種のデータを管理する複数の管理部を有する。
その具体的な内部構成は、販売店やネット上の仮想店舗などの施設に関する名称・住所・連絡先などの情報が格納されている施設情報管理部201、会員に関するハンドル名などの名前、メールアドレス、パスワード、生年月日、職業、ポイント数などの情報が格納されている会員情報管理部202、グループメンバーのIDなどの情報が格納されているグループ情報管理部203、ポイント加算若しくは減算に関する発生時期・対象範囲・人的区別・利用内容的区別・会員ランク別区別などのポイントの算出条件や処理方法に関する情報が格納されているポイント情報管理部204、ポイント利用に関する金券の種類・キャッシュバックの額・処理方法などの情報が格納されているポイント利用管理部205、各種イベントに関する内容・ポイント数・処理方法などの情報が格納されているイベント管理部206から構成されている。
【0021】
まず、実施例1のシステム全体の概要について説明する。
会員が情報処理端末103を使用してIDとパスワードなどを入力することにより本システムにログインする。尚、クッキーや情報処理端末の個体識別番号などを利用したことによりログインする場合もありうる。
情報処理端末103は、通信ネットワーク101を介して運用管理サーバ102にアクセスして、ポイントに関するデータなどを送信する。運用管理サーバ102は、受信したデータを基にポイントの更新や利用履歴の更新などを行う。
そして、当該会員とグループ情報管理部203に記憶保存されている当該会員に関するグループメンバーである会員のポイントを加算若しくは減算する。
【0022】
本願における会員のライフサイクルについては、図3に示す通りである。ここでは、AがBをグループメンバーとして登録し、さらにBがCをグループメンバーとして登録した場合についての、新規登録・グループメンバー登録・グループメンバー解除・退会といった一連のライフサイクルについて示している。尚、図3における表記中、「GM」はグループメンバーを意味している。また、「ポイント付与」は会員にとって利益となるポイントの提供を意味し、具体的には会員の保持するポイントの加算若しくは減算をすることにより付与される。
まず、非会員であったAが新規に会員となり、Aに関する情報が会員情報管理部202に記憶保存される(ステップS101)。そして、Aが施設情報管理部201に記憶保存されている施設を利用することによりポイントが加算若しくは減算される(ステップS102)。次に、Aと既に会員であったBが互いにグループメンバーとして登録した場合(ステップS103、ステップS112)、その登録情報がグループ情報管理部203に記憶保存される。そして、Bが施設を利用してポイントが加算若しくは減算されると(ステップS113)、BのグループメンバーであるAにも、Aが当該施設を利用していないにもかかわらず、ポイントが加算若しくは減算される(ステップS104)。逆に、Aが施設を利用してポイントが加算若しくは減算されると(ステップS105)、グループメンバーであるBにも、Bが当該施設を利用していないにもかかわらず、ポイントが加算若しくは減算される(ステップS114)。このように、実際に施設を利用した会員のグループメンバーであれば、施設を実際には利用しなくてもポイントが蓄積されていくことになる。そのために、蓄積されたポイントを利用しなければしない程、ポイントが貯まって行く結果となり、実際には施設を利用していない会員の来店動機付けが高くなって行くことになる。
次に、Bが非会員であったCをグループメンバーに招待し(ステップS115)、Cがその招待に応じて新規に会員登録し(ステップS121)、Cに関する情報が会員情報管理部202に記憶保存されたとする。ここで、Cが施設を利用してポイントが加算若しくは減算されると(ステップS122)、ポイントが加算若しくは減算される世代数が「2」と設定されていた場合、第1世代のグループメンバーであるBばかりでなく(ステップS116)、第2世代のグループメンバーであるCにもポイントが加算若しくは減算される(ステップS106)。
そして、Aは蓄積したポイントを、蓄積した範囲内で消化することができる(ステップS107)。
ここで、BとCが互いをグループメンバーから解除したとすると(ステップS117、ステップS123)、グループ情報管理部203に記憶保存されている両者の関係状態がグループメンバー解除となる。グループメンバー解除となると、Cが施設を利用してポイントを加算若しくは減算されても(ステップS124)、もはやCのグループメンバーではないAおよびBにはポイントが加算若しくは減算されない。
次に、Aが施設を利用してポイントが加算若しくは減算されると(ステップS108)、AのグループメンバーであるBにもポイントが加算若しくは減算される(ステップS118)。逆に、Bが施設を利用してポイントが加算若しくは減算されると(ステップS119)、BのグループメンバーであるAにもポイントが加算若しくは減算される(ステップS109)。そして、Aは蓄積したポイントを、蓄積した範囲内で消化することができる(ステップS110)。
最後に、Aが退会し、会員でなくなると(ステップS111)、AはBのグループメンバーから自動的に解除され(ステップS120)、グループ情報管理部203に記憶保存されている両者の関係状態がグループメンバー解除となる。尚、図3では、ポイントを消化した後に退会しているが、ポイントを消化しないでの退会も可能である。この場合、保持しているポイントは消滅する。
尚、会員とそのグループメンバーとの関係状態には、グループメンバー登録状態とグループメンバー解除状態の2つの状態がある。そして、退会の場合、当該会員のデータは会員情報管理部202に記憶保存されている会員リストテーブルから削除される。尚、自主的な退会処理がなくても、メールが不通で、かつ一定期間のログインもない会員については、データクリーニングにより、会員リストテーブルから削除される場合もある。
【0023】
次に、グループ内におけるポイントの加算若しくは減算の方法について、さらに詳しく説明する。
まず、ここにいうグループとは、ある会員と当該会員を中心として接点がある他の会員からなる集団のことであり、特に当該会員と直接接点がある会員のことを本人からみた場合、第1世代のグループメンバーとして定義する。
つまり、例えばAという会員が、自分のグループメンバーとしてBCDを登録していた場合、BCDはAの第1世代のグループメンバーとなる。逆に、BCD各々にとってもAは第1世代のグループメンバーとなる。
そして、BがAEをグループメンバーとして登録していた場合、EはAにとってはグループメンバーのグループメンバーとなることから、EはAにとっては第2世代のグループメンバーといえる。言い換えると、グループメンバー関係の数がここでいう世代数となっているのである。AにとってEは、AB間のグループメンバー関係とBE間のグループメンバー関係という2つのグループメンバー関係を辿ることによって、関係性を確認できる相手であるからである。
ただし、BがAEではなくACEをグループメンバーとして登録していた場合、AにとってCは、Eと同じ第2世代のグループメンバーではなく、第1世代のグループメンバーである。なぜなら、上記の通り、AはCを直接、自分のグループメンバーとして登録しており、BC間のグループメンバー関係の有無とは関係なく、AB間のグループメンバー関係が成立しているからである。
そして、各会員のグループメンバーについての情報は、グループ情報管理部203に記憶保存されている。
本願に係るポイントサービスシステムの最も単純なポイント加算若しくは減算の例は、Aにポイントを加算若しくは減算した場合に、自動的に第1世代のBCDのみにポイントを加算若しくは減算する場合である。
もっとも、本願に係るポイントサービスシステムにおいては、ポイント加算若しくは減算の対象とする世代数を自由に指定することができるようになっていることから、第1世代のみ、第2世代までというように任意に指定することによって何世代までもポイント加算若しくは減算の対象とすることが可能となっている。
【0024】
さらに、加算若しくは減算される具体的なポイント数の算出にあたっては、様々な要素により差別化することが可能となっている。
まず、人による差別としては、利用者本人かグループメンバーかによる差別、またグループメンバーであってもどの世代のグループメンバーなのかによって差別をすることが可能である。また、年齢、性別、職業、携帯電話の種類、会員ランクなどの対象者の属性により、差別化することも可能となっている。
また、会員ランクは、当該会員の保持ポイント数、ポイントの利用実績、グループメンバーの紹介数、利用期間、利用回数、入会からの経過日数などに応じて、決定される。
次に、利用状況による差別としては、利用単価・金額、利用時期・時刻・時間・季節・期間、利用場所(施設なのかWEBなどにおけるアンケート回答なのか?)、利用人数、事前予約の有無、利用頻度(一見客なのか上位会員なのか?)などにより、差別化することも可能となっている。
そして、これらのポイントの算出条件についての情報は、ポイント情報管理部204に記憶保存されている。
【0025】
次に、具体的な会員登録の処理手順について、図4を用いて説明する。
実施の開始後(ステップS201)、会員になることを希望する者は、情報処理端末103で会員登録ページを表示する(ステップS202)。尚、会員になることを希望する者が本システムの会員登録用の電子メールアドレスへ本文の記載のない電子メール(空メール)を送信することにより、会員登録ページであるURLへのリンクが貼られた電子メールの返信を受け、そのURLへアクセスすることにより会員登録ページを表示する場合もある。
会員になることを希望する者は、会員として登録するために、ハンドル名などの名前、メールアドレス、パスワード、生年月日、職業などの登録情報を入力する。この登録画面の例を図12に示す。そして、入力情報の確認画面を経て、会員登録情報の入力を完了する(ステップS203)。
システムは入力された内容を運用管理サーバ102内のデータベースに格納し、仮登録完了メールを情報処理端末103へ送信する(ステップS204)。
会員になることを希望する者は、仮登録完了メールを受信して、当該メールに記載されている本登録URLにアクセスする(ステップS205)。
そして、システムは、会員の登録を仮登録から本登録へと更新して、会員になることを希望する者を正式に会員として登録する(ステップS206)。尚、仮登録のステップなしに、直接、本登録する場合もありうる。
システムは、本登録完了の通知とID、パスワード、会員又はグループ毎に生成する個別の情報画面にアクセスするURLを記載したメールを情報処理端末103へ送信し(ステップS207)、終了となる(ステップS208)。会員となった者に関する登録情報は会員情報管理部202に記憶保存される。
【0026】
次に、グループメンバー登録の処理手順について、図5を用いて説明する。
実施の開始後(ステップS301)、グループメンバー登録を申し込もうとする会員が情報処理端末103を使用してIDとパスワードなどを入力することにより本システムにログインする(ステップS302)。
申込者は、情報処理端末103で会員又はグループ毎に生成される個別の情報画面にアクセスしてグループメンバー登録画面を表示する(ステップS303)。
申込者は、グループメンバーにしたい対象者のメールアドレスを入力し、「送信」ボタンをクリックする(ステップS304)。
システムは、入力された対象者のメールアドレス宛てにグループメンバー紹介メールを送信する(ステップS305)。
対象者は、当該メールを受信して、そこに記載されているURLをクリックする(ステップS306)。
次に、会員情報管理部202を検索して、この対象者が既に会員となっているかどうかを判断する(ステップS307)。
もし、この対象者が既に会員だった場合は、ステップS307における判断はYesとなり、ログイン画面を表示し(ステップS308)、ログイン処理完了後にステップS310へ進む。
一方、この対象者がまだ非会員だった場合は、ステップS307における判断はNoとなり、その対象者の会員登録処理を行い、会員となったBに関する会員識別情報を含む個人情報は会員情報管理部202に記憶保存する(ステップS309)。
そして、会員又はグループ毎に生成される個別の情報画面を表示すると、「○○さんからグループメンバー申し込みがあります。申し込みを受けますか?(許可/拒否)」というメッセージを表示する(ステップS310)。情報処理端末103におけるグループメンバー申請可否の画面表示の例を図13に示す。
次に、対象者がこの申込みを受けたかどうかを判断する(ステップS311)。
もし、対象者がこの申込みを受けなかった場合は、ステップS311における判断はNoとなり、申込者の情報処理端末103にグループメンバー登録拒否メールを送信し(ステップS314)、終了となる(ステップS315)。
一方、対象者がこの申込みを受けた場合、ステップS311における判断はYesとなり、システムはグループ情報管理部203のデータを更新し、当該対象者をグループメンバーとして登録し、その情報をグループ情報管理部203に記憶保存する(ステップS312)。
そして、システムは申込者とグループメンバーの各々の情報処理端末103にグループメンバー登録完了メールを送信し(ステップS313)、終了となる(ステップS315)。
こうして、グループメンバーを登録していった場合のグループメンバー一覧の画面表示例を図14に示す。
【0027】
ポイントの加算若しくは減算の方法について、ネット上の仮想店舗の場合を例に説明する。
会員は、ネット上の仮想店舗などで会計処理を行うために、自身の会員識別情報(会員IDなど)を入力する。ただし、本システム上で商品販売を行った場合には、事前にログインを行っていることを条件に、会員識別情報の入力は省略可能である。システムは、入力された会員識別情報に対して更新処理を行い、会計処理が完了する。会員によって入力された会員識別情報に応じて加算若しくは減算されたポイントは、本人以下のグループメンバーに対して、仮想店舗システム側のルールに基づいて加算若しくは減算される。
尚、上記の他にも、仮想店舗システムが会員に対して管理番号を出力し、会員が当該管理番号を自身の情報処理端末103に入力することによって、ポイントの加算若しくは減算を受ける場合もある。この場合も、登録された管理番号に付随するポイントは、本人以下のグループメンバーに対して、仮想店舗システム側のルールに基づいて加算若しくは減算される。
【0028】
次に、ポイントの参照の方法について説明する。
会員は、情報処理端末103でID、パスワードなどを入力することによりシステムにログインして、会員又はグループ毎に生成される個別の情報画面を表示する。すると、システムは個別の情報画面において、会員情報管理部202に記憶保存されている現在の当該会員又はグループのポイントを画面上に表示する。会員は、この画面を閲覧して、現在利用可能なポイントを把握する。このポイントの参照画面の表示の例を図16に示す。
【0029】
次に、ポイントの利用の処理手順について、図6を用いて説明する。
実施の開始後(ステップS401)、会員が情報処理端末103を使用して自身のIDとパスワードなどを入力することにより本システムにログインする(ステップS402)。
会員は情報処理端末103にポイント利用の対象を入力する(ステップS403)。このポイント利用の場合の画面表示の例を図15に示す。尚、ポイント利用の対象に関する情報は、ポイント利用管理部205に記憶保存されている。
システムは入力されたポイント数を会員情報管理部202に記憶保存されている当該会員の保持ポイントから加算若しくは減算する(ステップS404)。
システムは入力されたポイントに対応する金額の割引処理や金券、イベントの通知などの送付処理などを行い、その処理情報を当該会員の会員情報管理部202に記憶保存し(ステップS405)、終了となる(ステップS406)。
【0030】
他のポイントの利用方法の例としては、会員が自身の情報処理端末103を操作してクーポンなどを画面に表示させて(この時点で対象ポイントが自身のポイント持分から加算若しくは減算される)、従業員に画面に表示されたクーポンなどを提示することにより、従業員が指定の割引などを実施する場合もある。
尚、利用対象のクーポンなどは当該会員の情報処理端末103を操作し、従業員などが判断可能な専用端末の情報画面やICカードやWWWフォームなどの媒体にインターネットなどのネットワークや赤外線、無線などを使用して送信・転送することも可能である。
また、会員が利用したいイベントを自身の情報処理端末103を操作して決定して(この時点で、その会員の利用ポイントが加算若しくは減算される)、イベントに参加する場合などもある。
【0031】
他の応用例としては、グループ毎の利用履歴を管理することが可能であることから、グループ全体の利用率の把握が可能になる。さらに、各会員の具体的な利用率も把握可能であるため、上位会員に対してより適切なサービスを提供することも可能である。
【実施例2】
【0032】
次に、第2の実施の形態では、施設に専用端末が置かれ、他の会員又は会員グループを対象とするシステムと通信ネットワークを介して相互接続されている場合について説明する。尚、第2の実施の形態では、前述の実施の形態で説明したものと同じものについては、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7は、本願の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムの実施例2を示し、その全体構成を示したものである。
本願のポイントサービスシステムは、図7に示すように、情報処理端末103および施設に設置されている専用端末104が、通信ネットワーク101を介して運用管理サーバ102と接続されている。さらに、本システムは通信ネットワーク101を介して、提携している他のシステムと相互接続されており、他のシステムは提携先運用管理サーバ105、提携先情報処理端末106、提携先専用端末107から構成されている。
尚、図7に示した会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムでは、運用管理サーバ102、情報処理端末103、専用端末104、提携先運用管理サーバ105、提携先情報処理端末106、提携先専用端末107は、いずれも1つとして示されているが、これらは各々複数あってもよい。
【0033】
さらに、運用管理サーバ102には、図8の通り、各種のデータを管理する複数の管理部を有する。その具体的な内部構成は、実施例1の場合の運用管理サーバ102に、提携先の名称などの情報を管理する提携先管理部207が追加されている構成となっている。
【0034】
専用端末104は、図示しないが、CPUなどの制御部とRAMやROMなどのメモリと液晶画面などの表示部やキーボードなどの入力部、インターネットなどとの通信を制御する通信部などを備えた情報処理機器であり、この中にはパーソナルコンピュータ、専用端末などが含まれる。また、イメージデータ読取装置などの入力装置やプリンタなどの出力装置を接続することも可能である。
【0035】
まず、実施例2のシステム全体の概要について、図9を用いて説明する。
実施の開始後(ステップS501)、会員が施設を利用する(ステップS502)。
会員は、専用端末104を使用して利用登録を行う(ステップS503)。
具体的な専用端末104における利用登録の方法としては、会員によるIDとパスワードなどの入力若しくは施設の従業員などによる当該会員の会員識別情報(会員IDなど)の入力などによる登録、会員カード、クレジットカード、二次元コード、バーコードなどのイメージデータをスキャンすることによる登録や生態認証による登録などを含む方法がある。
専用端末104は、運用管理サーバ102にアクセスして、当該会員の利用情報を送信する(ステップS504)。
運用管理サーバ102は、受け取ったデータを基にポイントの更新と当該会員の利用履歴の更新を行う(ステップS505)。
運用管理サーバ102は、当該会員とその所属するグループのグループメンバーにポイントを加算若しくは減算し(ステップS506)、その情報を当該会員および当該会員のグループメンバーの会員情報管理部202に記憶保存し、終了となる(ステップS507)。
【0036】
図10に示した実施例2の場合のグループ対応の管理レシートを利用した場合におけるポイント加算若しくは減算の処理手順について、説明する。
実施の開始後(ステップS601)、会員は、施設で会計処理を行う(ステップS602)。
施設の従業員は、金額と人数などを専用端末104に入力する(ステップS603)。
専用端末104は、グループ対応の管理レシートを1枚発行する(ステップS604)。
システムは、グループ対応の管理レシートの発行情報を、当該グループに所属する会員の会員情報管理部202に記憶保存する(ステップS605)。
従業員は、グループ対応の管理レシートを会員に受け渡す(ステップS606)。
会員は、情報処理端末103で本システムにログインし、利用登録画面を表示する(ステップS607)。
会員は、管理レシートに記載されているポイントコードなどを情報処理端末103に入力する(ステップS608)。
システムは、当該会員の会員情報管理部202に問い合わせを行い、入力されたポイントコードなどの妥当性を判断する(ステップS609)。
もし、入力されたポイントコードなどが妥当でなかった場合は、終了となる(ステップS611)。
一方、入力されたポイントコードなどが妥当だった場合は、利用登録が完了し、当該会員の会員情報管理部202に記憶保存されている利用履歴データが更新され(ステップS610)、終了となる(ステップS611)。尚、同一コードは、指定された人数まで利用可能である。また、システムは、発行の有無・利用の有無をチェックする。また、会員は、自身の情報処理端末103で当該会員の会員情報管理部202に記憶保存されている更新結果を確認することが可能である。
【0037】
この他のポイントの加算若しくは減算の前提となる利用登録の例としては、人数分発行された個別の管理レシートを利用する場合、会員の情報処理端末103の画面に表示されたバーコードなどのイメージデータを利用する場合、会員カードやリライトカードを利用する場合、レジ連動型の場合などもある。
【0038】
次に、専用端末104を利用した場合におけるポイントの利用の処理手順について、図11を用いて説明する。
実施の開始後(ステップS701)、会員が施設を利用する(ステップS702)。
会員は、専用端末104に会員識別情報(会員IDなど)を入力することによりログインして利用登録を行う(ステップS703)。
会員は専用端末104に利用したいポイント数を入力し、「ポイント利用」ボタンを押下する(ステップS704)。
システムは入力されたポイント数を当該会員の会員情報管理部202に記憶保存されている保持ポイントから加算若しくは減算する(ステップS705)。
システムは入力されたポイントに対応する金額の割引処理、金券の出力処理、現金などのキャッシュバック処理などのポイント利用管理部205に記憶保存されている処理を行い(ステップS706)、 その処理情報を当該会員の会員情報管理部202に記憶保存する。
会員は、専用端末104から出力された金券などを受け取り、任意に利用することが可能になり(ステップS707)、終了となる(ステップS708)。
【0039】
他のポイント利用の例としては、会員が専用端末104にログインしてイベント参加登録を行い(この時点で、その会員が保持するポイントは加算若しくは減算される)、専用端末104が引換券などを発券することにより、当該会員がイベントに参加する場合もある。
【0040】
次に、本システムを提携する他のシステムと相互接続することにより、例えば業種などが異なる他のシステムと接続することにより、さらに顧客の来店動機を高めることができる。
その際に、他のシステムとポイントの互換性を保持する場合でも、ポイントのレートを任意に変換する手段を備えることにより、より適切な他業種のシステムとの相互接続をすることも可能である。
【0041】
ここで、本システムによるサービスをASP(アプリケーションサービスプロバイダ)として相互接続により各社向けに提供する場合について説明する。ここでいう各社とは、個人顧客を対象としてサービスを提供している企業、団体または個人(居酒屋、カラオケボックス、ホテル、ボーリング、一般小売、通販、個人販売)などである。また、各社は既に会員管理を行っているか否かを問わず、ASPへの参加が可能である。ここでいう会員管理を行っている企業、団体または個人とは、会員毎にユニークな会員識別情報を付与している企業、団体または個人を意味する。
ASPサービスを開始するにあたり、会員管理を行っていない企業、団体または個人の場合には、ASP側が提供する基本的な会員管理機能を用いて新たに会員管理を行う。既存の会員を保持している企業、団体または個人は、ASP側でその会員の会員識別情報をシステムに吸収し、ASPサービス内の会員として紐付けすることによって、ASP上の会員とする。尚、ここでいう会員識別情報とは、当該会員のID、メールアドレスなどを指す。
ところで、ASP側での会員管理方法としては、2つのパターンが想定できる。尚、以下の説明におけるA社、B社、C社は、前述の個人顧客を対象としてサービスを提供している企業、団体または個人を意味する。
第一は、会員相互乗り入れがないパターンである。具体的には、A社およびB社がASPに参加した場合、A社の会員はA社に帰属し、B社も同様とする。したがって、A社、B社間での会員の相互乗り入れは行わない場合である。この場合、ASPサービスは本発明に基づいた会員管理に関するインフラを提供するに留まる。
第二は、会員相互乗り入れがあるパターンである。具体的には、A社、B社がASPを利用した場合にA社、B社とASP側の会員若しくは同等の立場とし、A社、B社間とで会員の共有が可能となる場合である。より具体的には、A社の会員がB社を利用した場合にも、それに付随する恩恵を受けることが可能となる場合である。この場合には、ASPは本発明に基づいた会員管理に関するインフラおよび、A社、B社間の会員相互乗り入れ環境を提供する。
【0042】
A社、B社がASPに参加した場合の実施例について、さらに具体的に説明する。
当該ASPの会員がA社を利用した場合、当該ASPグループに参加しているA社は当該顧客に対してポイントを加算することができる。このポイントはA社が当該ASPより購入したものである。尚、ここからの説明では便宜上1ポイント1円とし、A社は当該ASPより10,000円分のポイント(10,000ポイント)を購入したとする。例えば、当該顧客がA社にて10,000円の購買をした場合、勿論任意であるが、A社は当該顧客に対して500ポイントのポイントを加算したとする。すると当該顧客の保持ポイントは500ポイントとなり、A社の残りポイントは9,500ポイントとなる。
次に、当該顧客が当該ASPグループに参加しているB社を利用し、10,000円の購買を行い、先にA社より加算された500ポイントを利用したとする。この場合、当該顧客の支払金額は利用したポイント(500ポイント)を差し引いた9,500円となる。
そして、当該ASPは、利用されたポイントの任意パーセントの補完を行う。具体的な例を挙げると、前述の利用の場合には、A社で加算された500ポイントをB社で利用し、実質500円の値引きが適用された場合に、当該ASPは、B社に対して、その500ポイントの任意パーセントの補完を保障する。例えば、80パーセントの補完を保障した場合ならば、当該ASPはB社に400円の補完金の支払を行う。従って、B社は実質的にポイント利用分の20パーセントの割引を当該顧客に適用したことになる。尚、B社も当該ASPグループに参加しているため、当該顧客にさらにポイントを加算することも可能である。ただし、この場合B社も当該ASPのポイントを保持している必要がある。
ASP側の収益としては、A社が購入した10,000ポイントを顧客に加算し、当該顧客がB社で10,000ポイント利用した場合、当該ASPは、その80パーセントを保障することから8,000円をB社に支払うことから、当該ASPにとって差し引き2,000円の利益となる。
さらに、A社が何らかのイベントを行い当該ASPポイントを加算する場合には、当該ASPに所属する会員に対してA社のイベントの告知を行うことも可能である。このことは、A社が当該ASPサービスを利用する一つのメリットとなる。また、当該ASPは、ここでA社より別途支払いを受けることも可能である。
【0043】
このように、相互接続により提携先を含むASPグループを形成することが可能であることから、例えば、このASPグループに参加しているA社、B社が人気となり、会員から多大な信頼を得ている一方で、参加しているC社の人気がA、B社より劣る場合、C社が取る行動として当該ASPサービスのポイント加算額を増大することが予測される。具体的には、購買金額の5パーセントだったポイント加算率を8パーセントや10パーセントに引き上げる場合である。これによって、会員はC社を認知するようになり、C社の人気が向上することになる。一方、ASP側にとっては、C社からの購入ポイントが増え増益となる。
【0044】
最後に、応用例としてのイベント連動型ポイント付与について説明する。
まず、専用端末104の画面上にイベント管理部206に記憶保存されている施設のイベント情報などを表示する。このイベントに会員が参加することによって、施設から様々なサービスを受けることが可能になるものである。具体的には、雨の日サービスとして「本日ポイントを利用された場合には、100ポイントで200円分の金券の利用が可能です。」というようなサービス提供を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1の全体のシステム構成を示した説明図である。
【図2】実施例1の運用管理サーバ102の内部構成を示したブロック図である。
【図3】実施例1のシステム全体の処理手順を示した説明図である。
【図4】実施例1の会員登録の処理手順を示したフローチャートである。
【図5】実施例1のグループメンバー登録の処理手順を示したフローチャートである。
【図6】実施例1のポイント利用の処理手順を示したフローチャートである。
【図7】実施例2の全体のシステム構成を示した説明図である。
【図8】実施例2の運用管理サーバ102の内部構成を示したブロック図である。
【図9】実施例2のシステム全体の処理手順を示したフローチャートである。
【図10】実施例2のグループ対応の管理レシートを発行した場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図11】実施例2のポイント利用の処理手順を示したフローチャートである。
【図12】情報処理端末103における新規会員登録についての画面表示の例を示したものである。
【図13】情報処理端末103におけるグループメンバー申請可否の画面表示の例を示したものである。
【図14】情報処理端末103におけるグループメンバー一覧の画面表示の例を示したものである。
【図15】情報処理端末103におけるポイント利用の画面表示の例を示したものである。
【図16】情報処理端末103における利用履歴参照の画面表示の例を示したものである。
【符号の説明】
【0046】
101 通信ネットワーク
102 運用管理サーバ
103 情報処理端末
104 専用端末
105 提携先運用管理サーバ
106 提携先情報処理端末
107 提携先専用端末
201 施設情報管理部
202 会員情報管理部
203 グループ情報管理部
204 ポイント情報管理部
205 ポイント利用管理部
206 イベント管理部
207 提携先管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理端末がインターネットなどの通信ネットワークを介して運用管理サーバと接続されている会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムであって、
前記情報処理端末は、
前記運用管理サーバを呼び出して会員登録要求を送信する会員登録要求手段と、
前記運用管理サーバを呼び出してポイント情報を含む当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報について登録、読み出し、更新、若しくは削除の各処理を行う手段と、
上記運用管理サーバは、
前記情報処理端末から会員登録要求を受信すると、この会員登録要求に含まれている会員識別情報が会員情報管理部に記憶保存されている会員データベースに既に存在していないかどうかを判断して、もし存在していない場合は、会員識別情報を含む当該会員に関する情報を前記会員データベースに追加する会員登録手段と、
会員又はグループ毎に個別の情報画面を生成する手段と、
各会員の会員識別情報の変更の有無を確認する手段と、
ポイントを加算若しくは減算する対象範囲となるグループメンバーに関する世代数を設定する手段と、
会員の状況などに応じて当該会員および前記設定された世代数に該当するグループメンバーに対してポイントを加算若しくは減算する手段と、
を備えたことを特徴とする会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項2】
情報処理端末は携帯電話であることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項3】
施設に設置された専用端末がさらにインターネットなどの通信ネットワークを介して運用管理サーバと接続されており、
前記専用端末は、
前記運用管理サーバを呼び出して会員登録要求を送信する会員登録要求手段と、
前記運用管理サーバを呼び出して当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報について登録、読み出し、更新、削除、検索、若しくは集計の各処理を行う手段と、
読取可能な態様で記録した媒体に表示されたイメージデータを読み取る手段と、
前記イメージデータに含まれるコードを認識処理して解析データを取得するイメージ解析手段と、
前記イメージ解析手段で解析された解析データと、前記運用管理サーバに格納されているデータとを比較照合することにより、
会員が所持するカードなどへポイントを加算若しくは減算する手段と、
会員が所持するポイントによって金券などを出力する手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項4】
運用管理サーバは、
加算若しくは減算するポイント数の算定にあたって、
利用者本人かグループメンバーであるか、若しくはポイントを加算若しくは減算される者の世代数、年齢、性別、職業、携帯電話の機種、利用回数、会員ランクなどの人的区別によりポイント数を変動させる手段
をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項5】
運用管理サーバは、
加算若しくは減算するポイント数の算定にあたって、
利用単価・金額、利用時期・時刻・時間・季節・期間、利用場所、利用人数、事前予約の有無などの利用者の利用内容に応じてポイント数を変動させる手段
をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項6】
運用管理サーバは、
会員の会員識別情報と当該会員のポイントサービスの利用情報とが対応付けられた利用履歴データを記憶装置に格納する手段と、
前記利用履歴データ格納手段で格納した利用履歴データを読み出し、各種の情報を出力するための所定の演算処理を行う手段と、
特定の情報処理端末からの要求に応じて任意の会員若しくは会員のグループメンバーに関する前記利用履歴データ又は前記演算結果データを送信する手段と、
前記特定の情報処理端末は、
当該運用管理サーバに通信ネットワークを介して接続し、
前記利用履歴データ又は前記演算結果データを送受信する手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項7】
運用管理サーバは、
ポイントの譲渡やグループメンバー間でのポイントの均等化など会員間でポイントを移動するデータ処理手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項8】
運用管理サーバは、
他の会員又は会員グループを対象とするシステムと通信ネットワークを介して接続され、さらに前記他のシステムとの間でポイント情報を交換して更新する手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステム。
【請求項9】
インターネットなどの通信ネットワークを介して情報処理端末と接続されており、
前記情報処理端末から会員登録要求を受信すると、この会員登録要求に含まれている会員識別情報が会員情報管理部に記憶保存されている会員データベースに既に存在していないかどうかを判断して、もし存在していない場合は、会員識別情報を含む当該会員に関する情報を前記会員データベースに追加する会員登録手段と、
会員又はグループ毎に個別の情報画面を生成する手段と、
ポイントを加算若しくは減算する対象範囲となるグループメンバーに関する世代数を設定する手段と、
会員の状況などに応じて当該会員および前記設定された世代数に該当するグループメンバーに対してポイントを加算若しくは減算する手段と、
を備えたことを特徴とする会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおける運用管理サーバ装置。
【請求項10】
インターネットなどの通信ネットワークを介して運用管理サーバと接続されており、
前記運用管理サーバを呼び出して会員登録要求を送信する会員登録要求手段と、
前記運用管理サーバを呼び出して当該会員と当該会員のグループメンバーに関する情報について登録、読み出し、更新、削除、検索、若しくは集計の各処理を行う手段と、
読取可能な態様で記録した媒体に表示されたイメージデータを読み取る手段と、
前記イメージデータに含まれるコードを認識処理して解析データを取得するイメージ解析手段と、
前記イメージ解析手段で解析された解析データと、前記運用管理サーバに格納されているデータとを比較照合することにより、
会員が所持するカードなどへポイントを加算若しくは減算する手段と、
会員が所持するポイントによって金券などを出力する手段と、
を備えたことを特徴とする会員又は会員グループを対象とするポイントサービスシステムにおける専用端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−123236(P2008−123236A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306058(P2006−306058)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(500384525)株式会社クリアックス (2)
【Fターム(参考)】