説明

ポリアリレート樹脂組成物およびそれから得られる成形体

【課題】成形加工時に変色が生じず、さらには耐熱性に優れ、長期間使用後も変色しない、機械的特性に優れたポリアリレート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し、リン系化合物0.01〜1質量部、下記一般式(I)で示されるシラン化合物0.01〜1質量部を含有したポリアリレート樹脂組成物であって、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の配合比率が10/90〜100/0(質量比)であることを特徴とするポリアリレート樹脂組成物。


一般式(I)中、R1は炭素数1〜4のビニル基、アクリル基、メタクリル基のいずれかを表す。R2〜R4は炭素数1〜4のアルコキシ基またはアルキル基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、透明性、色調に優れたポリアリレート樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
二価フェノール類、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸とからなるポリアリレートはエンジニアリングプラスチックとして既によく知られている。係るポリアリレートは耐熱性が高く、機械的強度や寸法安定性に優れ、加えて透明であるので、その成形品は電気・電子機器、自動車、機械などの分野に幅広く応用されている。
【0003】
近年、自動車産業界においては自動車の燃費向上が最大の課題となっている。このため自動車を構成する材料を軽量化することを目的として、比重の高い金属あるいは他の無機材料に代えて低比重のプラスチックを自動車部品に応用する試みが盛んに行われている。例えば、自動車に搭載されるランプカバーやレンズ類等の部品についても例外ではなく、ガラスからプラスチックへの代替が進んでいる。
【0004】
この種の部品のうち耐熱変形性の要求が比較的低い部品にはアクリル樹脂が、耐熱変形性の要求がやや高い部品にはポリカーボネート樹脂が使用されている。しかし、さらに耐熱要求の高いへッドライトレンズ、インナーレンズあるいはフォグライトレンズなどにはこれらアクリル樹脂やポリカーボネートでは耐熱性が充分でない。このような事情からこれらの部品にはよリ耐熱性の高いポリアリレートの応用が期待されてきた。しかし最も代表的な2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸とからなるポリアリレートは高い耐熱性と透明性を有するものの、前述したライトの光源に起因する熱によって著しい変色を来すためその応用は大きく制限されてきた。また、ポリアリレート樹脂は、加熱成形時に熱劣化し、茶褐色に着色するという問題もある。
【0005】
上記のような問題を解決するために、特許文献1ではフェノール性水酸基を2個以上有するフェノール系化合物とホスファイト系化合物とのエステル化合物をポリアリレートに添加することが知られている。また特許文献2では、さらにラクトン系化合物を添加することが知られている。特許文献3では特定のシラン化合物を添加することで、特性が改良されることが知られているが、まだ不十分な場合があり、さらなる特性改良が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平4−46299号公報
【特許文献2】特開2002−265766号公報
【特許文献3】特開2007−119523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、成形加工時に変色が生じず、さらには耐熱性に優れ、長期間使用後も変色しない、機械的特性に優れたポリアリレート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレート樹脂、リン系化合物、特定のシラン化合物を含んでなるポリアリレート樹脂化合物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
【0010】
(1) ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し、リン系化合物0.01〜1質量部、下記一般式(I)で示されるシラン化合物0.01〜1質量部を含有したポリアリレート樹脂組成物であって、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の配合比率が10/90〜100/0(質量比)であることを特徴とするポリアリレート樹脂組成物。
【0011】
【化1】

一般式(I)中、R1は炭素数1〜4のビニル基、アクリル基、メタクリル基のいずれかを表す。R2〜R4は炭素数1〜4のアルコキシ基またはアルキル基を表す。
(2) さらにフェノール系化合物を含み、その配合がポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し0.01〜1質量部であることを特徴とする(1)のポリアリレート樹脂組成物。
(3) さらにラクトン系化合物を含み、その配合がポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し0.01〜1質量部であることを特徴とする(1)、または(2)のポリアリレート樹脂組成物。
(4) (1)〜(3)のポリアリレート樹脂組成物を成形してなる成形体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物が、リン系化合物、特定のシラン化合物を含んでいるため、成形加工時に変色が生じず、さらには耐熱性に優れ、長期間使用後も変色しない、機械的特性に優れたポリアリレート樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂,ポリカーボネート樹脂、シラン化合物、リン系化合物からなる。
【0014】
本発明に用いられるポリアリレート樹脂とは芳香族ジカルボン酸残基単位とビスフェノール類残基単位とからなる芳香族ポリエステルである。
【0015】
ビスフェノール類残基単位を導入するためのポリアリレート原料として、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種類以上混合して使用してもよいし、経済的な理由から、これらの化合物の中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましく、最適には当該化合物を単独で使用する。
【0016】
芳香族ジカルボン酸残基単位を導入するためのポリアリレート原料の例としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が挙げられる。本発明においては両者を混合して用いて得られるポリアリレート樹脂組成物が溶融加工性および機械的特性の面で特に好ましい。その混合比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は、モル比で90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、より好ましくは70/30〜30/70、最適には50/50である。テレフタル酸の混合モル分率が10モル%未満であっても90モル%を超えても、界面重合法で重合する場合には十分な重合度に達しない場合がある。
【0017】
前記のような原料からなるポリアリレート樹脂は、機械的特性と流動性の観点から、その極限粘度が0.4〜0.8、好ましくは0.4〜0.7であることが望ましい。本明細書中、極限粘度は1,1,2,2―テトラクロロエタンを溶媒として、温度25℃で測定された溶液粘度から求めることができる。
【0018】
そのようなポリアリレート樹脂として、例えば、市販のユニチカ社製U−100,Uパウダーを好ましく使用することができる。
【0019】
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール類残基単位とカーボネート残基単位とからなるポリ炭酸エステルである。ポリカーボネート樹脂は前期ポリアリレート樹脂と類似のビスフェノール類残基単位を有するため、ポリアリレート樹脂に対して良好な相溶性を示す場合が多い。
【0020】
ビスフェノール類残基単位を導入するためのポリカーボネート原料としてのビスフェノール類としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−マタハ1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジチオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。その他にも、米国特許第2,999,835号明細書、米国特許第3,028,365号明細書、米国特許第3,334,154号明細書、米国特許第4,131,575号明細書に記載されているジフェノールが使用できる。これらは単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。これらの化合物の中でも少なくとも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましく、経済的な理由で、最適には、当該化合物を単独で使用する。
【0021】
カーボネート残基単位を導入するための前駆物質としては、ホスゲンなどのカルボニルハライド、ジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルが使用できる。
【0022】
前記のような原料からなるポリカーボネート樹脂は、機械的特性と流動性の観点から、極限粘度が0.4〜0.8、好ましくは0.4〜0.6であることが望ましい。
【0023】
そのようなポリカーボネート樹脂として、例えば、市販の住友ダウ社製カリバーK200−30、200−13、200−3を好ましく使用することができる。
【0024】
ポリアリレート樹脂の重合方法、ポリカーボネート樹脂の重合方法であるが、本発明の目的を満足するものであれば、界面重合法でも溶融重合法でも特に限定されず、公知の方法を使用してよい。またポリアリレートとポリカーボネートの共重合を実施しても良い。
【0025】
ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との配合比は、樹脂組成物の成形加工性と成形品の耐熱変形性の観点から、ポリアリレート樹脂/ポリカーボネート樹脂の配合比率は、10/90〜100/0(質量比)であり、好ましくは10/90〜90/10(質量比)、より好ましくは30/70〜90/10(質量比)であることが好ましい。ポリカーボネートの配合量がこの範囲より少なくすると、流動性、加工性の面から、ポリアリレート樹脂/ポリカーボネート樹脂=100/0の場合とほとんど変わらなくなる。ポリカーボネート樹脂の配合量がこの範囲より多くなると、耐熱性が劣る場合がある。
【0026】
本発明におけるポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物の極限粘度は0.40〜0.60であることが好ましい。0.60を上回ると溶融粘度が高くなり、射出成形が困難になる。0.40を下回ると、得られる成形品の衝撃強度が不足する傾向にある。
【0027】
本発明に用いられるリン化合物はホスファイト化合物および/またはホスホナイト化合物である。具体例としては、例えば、トリスノニルホスファイト、トリスフェニルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス[2−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル]ホスファイト、トリス[2,4−ジ−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル]ホスファイト、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリスフェニルホスファイト、トリス(オクチルチオエチル)ホスファイト、トリス(オクチルチオプロピル)ホスファイト、トリス(クレジルチオプロピル)ホスファイト、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−オクチル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)スピロペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)スピロペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)スピロペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)スピロペンタエリスリトール−ジホスファイト、トリス(2−((2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ(d,f)(1,3,2)ジオキサフォスフェフィン‐6−イル)オキシ)エチル)アミン、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、等が挙げられる。これらの具体例の中でも、テトラキス(2、4−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸を用いることが好ましい。具体的商品例としては、チバ・スペシャリティ・ケミカル社製IRGAFOS P−EPQ、IRGAFOS 38等が挙げられる。
【0028】
リン化合物の配合量はポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との合計量100質量部に対して0.01〜1質量部、好ましくは0.02〜0.2質量部であることが望ましい。含有量が少なすぎると、樹脂組成物の溶融紺練時、成形加工時の変色を防止する効果が乏しくなる。含有量が多すても、効果が飽和するばかりか、経済的な好ましくない。リン化合物は2種類以上を組み合わせて用いてもよく、その場合、それらの合計量が前期範囲内であればよい。
【0029】
本発明のポリアリレート樹脂組成物に配合されるシラン化合物は下記一般式(I)で表される。
【0030】
【化2】

【0031】
一般式(I)中、R1〜R4の少なくとも2つ以上は、炭素数1〜4のアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基から選ばれる官能基を表す。残りは、炭素数1〜4のアルコキシ基、ビニル基、アクリル基以外を表し、例えば炭素数1〜4の水素、アルキル基、エポキシ基があげられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基があげられる。ビニル基としては、例えばビニル基、p−スチリル基があげられる。アクリル基としては、例えば3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基などがあげられる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基があげられる。エポキシ基としては、例えば3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)基などがあげられる。
【0032】
このようなシラン化合物の具体例および商品名の例としては、テトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8114、信越化学工業社製KBM−04)、テトラエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8124,信越化学工業社製KBE−04)、メチルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8113、信越化学工業社製KBM−13)、メチルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8123、信越化学工業社製KBE−13)、ジメチルジメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8112)、ジメチルジエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8122、信越化学工業社製KBE−22)、メチルジメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8117)、メチルジエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8127)、ジメチルエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8126)、フェニルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8173)、フェニルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8178、信越化学工業社製KBE−103)、ジフェニルジメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8172)、ジフェニルジエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8177)、ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−3063)、デシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−3103C)、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン社製TSL−8355)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL−8350、信越化学工業社製KBM−403)、ジメチルビニルメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8317)、メチルビニルジメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8315)、メチルビニルジエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8316)、ジメチルビニルエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8318)、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−1003)、ビニルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8311、信越化学工業社製KBE−1003)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−303)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業社製KBE−402)、p-スチリルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−1403)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8375、信越化学工業社製KBM−502)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8370、信越化学工業社製KBM−503)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業社製KBE−502)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製KBE−503)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−5103)、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−5102)等が挙げられる。
【0033】
中でも、炭素数1〜4のアクリル基、メタクリル基、ビニル基から選ばれる官能基を1つ有し、炭素数1〜4のアルコキシ基を3つ有するシラン化合物が結晶化速度の向上の点で好ましい。このようなシラン化合物の具体例および商品名の例としては、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−1003)、ビニルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8311、信越化学工業社製KBE−1003)、p-スチリルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−1403)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン社製TSL8370、信越化学工業社製KBM−503)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製KBE−503)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−5103)等が挙げられる。
【0034】
シラン化合物の配合量は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との合計量100質量部に対して、0.01〜1質量部、好ましくは0.02〜0.5質量部であることが望ましい。含有量が少なすぎると、樹脂組成物の成形加工時の変色および成形品の長期使用時の熱による変色を防止する効果、特に成形品の長期使用時の熱による変色を防止する効果が乏しくなる。含有量が多すぎると、量の割りに上記効果が期待できない。シラン化合物は2種類以上を組み合わせて用いられてよく、その場合はそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0035】
本発明で配合されるシラン化合物は、本発明の目的である耐熱性、透明性、流動性、色調を満足するものであれば、その製法は限定されず、公知の方法で製造できる。
【0036】
本発明では、リン系化合物、シラン化合物を使用することで、アロイ化工程の混練度が低レベルであっても、相溶性を向上することができ、かつ熱変色の少ない成形体が得られるが、さらにフェノール系化合物、ラクトン系化合物を併用することで、より色調が良好な成形体を得ることができる。特にラクトン系化合物の併用が効果的である。
【0037】
また、本発明のポリアリレート樹脂組成物は、フェノール化合物を配合することができる。本発明に用いられるフェノール系化合物はヒドロキシル基のオルト位置に置換基を有するヒンダードフェノール部を含む化合物であり、好ましくはヒドロキシル基の2つのオルト位置に置換基を有するヒンダードフェノール部を含む化合物である。オルト位置の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基を例示することができる。フェノール系化合物がヒンダードフェノール部においてヒドロキシル基の2つのオルト位置に置換基を有する場合、該2つの置換基は同一でも異なっていてもよく、好ましくは同時にt−ブチル基である。
【0038】
ヒドロキシル基の2つのオルト位置に置換基を有するヒンダードフェノール部を含む好ましいフェノール化合物として、例えば、プロピオネート系ヒンダードフェノール化合物、イソシアヌレート系ヒンダードフェノール化合物、ベンゼン系ヒンダードフェノール化合物、トリアジン系ヒンダードフェノール化合物、およびリン酸系ヒンダードフェノール化合物等が挙げられる。
【0039】
プロピオネート系ヒンダードフェノール化合物の具体例として、例えば、トリエチレングリコール−ビス−3−(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレングリコール−ビス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]メタン、2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3(3”,5”−ジ−t−ブチル−4”−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートなどを挙げることができる。
【0040】
イソシアヌレート系ヒンダードフェノール化合物の具体例として、例えば、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾイル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどを挙げることができる。ベンゼン系ヒンダードフェノール化合物の具体例として、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼンなどを挙げることができる。
【0041】
トリアジン系ヒンダードフェノール化合物の具体例として、例えば、6−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジンなどを挙げることができる。リン酸系ヒンダードフェノール化合物の具体例として、例えば、3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−ベンジルホスホリックアシッドジメチルエステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホリックアシッド)モノメチルエステルのニッケル塩などを挙げることができる。
【0042】
上記の具体例の中でも、プロピオネート系ヒンダードフェノール化合物、特にオクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートを使用することが好ましい。
【0043】
フェノール系化合物の含有量はポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との合計量100質量部に対して0.01〜1質量部、好ましくは0.02〜0.2質量部であることが望ましい。含有量が少なすぎると、樹脂組成物の成形加工時の変色および成形品の長期使用時の熱による変色を防止する効果、特に成形品の長期使用時の熱による変色を防止する効果が乏しくなる。含有量が多すぎると、量の割りに上記効果が期待できない。フェノール系化合物は2種類以上を組み合わせて用いられてよく、その場合はそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0044】
リンとフェノールが合成された単一の化合物も使用できる。そのような化合物としては、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]−ジオキサフォスフェフィンがあげられ、具体的な商品名としては、住友化学社製 スミライザーGPがあげられる。本発明においてこれを使用する場合の配合量は、本発明におけるリン系化合物の添加範囲とフェノール系化合物の添加範囲の合計の範囲中であればよい。具体的には0.02〜2%の範囲が望ましい。
【0045】
さらに、本発明のポリアリレート樹脂組成物は、ラクトン化合物を配合することができる。本発明に用いられるラクトン系化合物は、成形加工時の熱(通常、280〜360℃)によって分解または揮発せず、かつ、ポリアリレート/ポリカーボネート樹脂成分と相溶性を有するラクトン構造(環内にエステル結合を有する構造)含有化合物であればよく、芳香族系のラクトン化合物、中でもベンゾフラノン骨格を有するものが好ましく、ベンゾフラノン環の3位にアリール基を有する3−アリール−ベンゾフラン−2−オン誘導体、ベンゾフラノン環の3位にヒドロキシル基を有する3−ヒドロキシ−ベンゾフラン−2−オン誘導体が最適である。
【0046】
3−アリール−ベンゾフラン−2−オン誘導体および3−ヒドロキシ−ベンゾフラン−2−オン誘導体は1以上の炭素数1〜15のアルキル基をいずれの位置に有していてもよく、特にベンゾフラノン環の5位と7位に炭素数1〜4のアルキル基を有していることが好ましい。このとき5位の置換基と7位の置換基は同じでも、異なっていてもよく、最適には、すべてがt−ブチル基である。
【0047】
ポリアリレート樹脂組成物の溶融紺練時、成形加工時、該樹脂組成物中に含まれるリン化合物は失活する可能性があり、ラクトン系化合物は失活したリン化合物を再び活性化させる効果がある。
【0048】
3−アリール−ベンゾフラン−2−オン誘導体の具体例として、例えば、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(2,5−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(2,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(3、4−ジ−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(2,3−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(4−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(4−エチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(4−イソプロピルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(4−tert-ブチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−フェニル−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(4−ドデシルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(2,3,4−トリメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(2,3,4,5,6−ヘプタメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5−メチル−7−tert-ブチル−3−(4−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンなどのベンゾフラノン環の3位に置換または無置換のフェニル基を有するベンゾフラン−2−オン誘導体;および5,7−ジ−tert-ブチル−3−(9H−フルオレン−3−イル)−3H−ベンゾフラン−2−オンなどのベンゾフラノン環の3位に置換または無置換の多環式アリール基を有するベンゾフラン−2−オン誘導体などが挙げられる。
【0049】
3−ヒドロキシ−ベンゾフラン−2−オン誘導体の具体例として、例えば、5,7−ジ−tert-ブチル−3−ヒドロキシ−3H−ベンゾフラン−2−オン、7−tert-ブチル−5−メチル−3−ヒドロキシ−3H−ベンゾフラン−2−オン、5−tert-ブチル−7−メチル−3−ヒドロキシ−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−3H−ベンゾフラン−2−オンなどが挙げられる。
【0050】
これらの具体例の中でも、3−アリール−ベンゾフラン−2−オン誘導体を用いることが好ましく、より好ましくはベンゾフラノン環の3位に置換フェニル基を有するベンゾフラン−2−オン誘導体を用い、特に、5,7−ジ−tert-ブチル−3−(3、4−ジ−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンが最も好ましい。
【0051】
ラクトン系化合物の具体的商品例としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 HP−136が挙げられる。
【0052】
ラクトン系化合物の含有量はポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との合計量100質量部に対して0.005〜1質量部、好ましくは0.01〜0.2質量部であることが望ましい。含有量が少なすぎると、成形品の熱変色を防止する効果が乏しくなる。含有量が多すぎても効果が飽和するばかりか、経済的に好ましくない。ラクトン系化合物は2種類以上を組み合わせて用いられてよく、その場合はそれらの合計量が前記範囲内であればよい。
【0053】
この他に、特性を損なわない範囲であれば、顔料、染料、耐候剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、耐衝撃改良剤、超高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂等の摺動剤等を添加することができる。
【0054】
本発明の樹脂組成物において、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物、シラン化合物、その他添加剤を配合する方法は特に限定されるものではなく、樹脂組成物中に各成分が均一に分散されている状態になればよい。具体的にはポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、シラン化合物、その他添加剤をタンブラーあるいはヘンシェルミキサーを用いて均一にブレンドした後に溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。
【0055】
本発明のポリアリレート樹脂組成物を成形してなる成形体は、成形加工時に変色が生じず、さらには耐熱性に優れ、長期間使用後も変色せず、機械的特性に優れているため、特に透明性を有するレンズ用途で用いることができ、従来、ガラス製レンズを用いた用途で、材料の比重を下げ軽量化が求められる用途で用いることができる。例えば、自動車のヘッドライトの光を拡散させるためのレンズ部品、特に肉厚のレンズ部品に適用できる。また、各種光源、照明で用いる拡散レンズ、パーソナルコンピューターに接続して用いるようなモバイル型のプロジェクターのレンズ部品にも用いることが可能なばかりか、デジタルカメラ、携帯電話付属カメラのレンズとしても好適に用いることができる。さらには、レーザーディスク、ブルーレイディスクの光学ピックアップレンズ、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡等の精度を要求される光学機器のレンズ、眼鏡、サングラス等のレンズとしても用いることができる。
【実施例】
【0056】
以下に実施例および比較例をあげ、本発明を具体的に説明する。
【0057】
1.原料
・ポリアリレート樹脂;ユニチカ社製 U−パウダー(極限粘度0.55)。以下、PARとする。
・ポリカーボネート樹脂;住友ダウ社製 カリバー200−30(極限粘度0.44)。以下、PCとする。
・シラン化合物;ビニルトリメトキシシラン 信越化学工業社製 KBM−1003(分子量190.3)。以下シラン化合物1とする。
・シラン化合物;シラン化合物;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン 信越化学工業社製 KBM−5102(218.4)。以下シラン化合物2とする。
・リン系化合物;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGAFOS38。以下リン化合物1とする。
・リン系化合物;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製P−EPQ。以下リン化合物2とする。
・フェノール系化合物;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGANOX−1010
・リン/フェノール系化合物;住友化学社製 スミライザーGP 以下リン/フェノール化合物とする。
・ラクトン系酸化防止剤;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製HP−136。以下ラクトン化合物とする。
【0058】
2.評価方法
(1)極限粘度
1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒として用い、25℃における溶液粘度から求めた。流動性と機械物性の点から0.4〜0.6が適切である。
(2)DTUL(荷重たわみ温度)
ASTM D648に準じ、荷重1.8MPaにて測定した。140℃以上が好ましい。
(3)イエローインデックス(黄度)
厚み2mmの板を成形し、熱処理150℃×400h処理前後のイエローインデックス(YI)を測定した。10未満が好ましい。
【0059】
実施例1〜11
各原料を、表1に示す配合割合で、同方向2軸押出機(東芝機械社製TEM‐37BS)を用いて、バレル温度320℃で溶融混練をおこない、ノズルからストランド状に引き取った樹脂組成物を水浴に浸漬し冷却固化し、ペレタイザーでカッティングした後、120℃で12時間熱風乾燥することによって樹脂組成物のペレットを得た。 次いで、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製IS100E−3S)を用いて金型温度100℃で、また表1に示す成形温度で成形し、各種試験片を作製した。各種試験片は1日以上室温にて放置した後に、これらについてDTUL、YIを評価した。またYIに関してはさらに試験片を150℃×400h熱処理したものに関しても評価した。
【0060】
【表1】

【0061】
比較例1〜9
各原料を表2に示す配合割合で、同方向2軸押出機(東芝機械社製TEM‐37BS)を用いて、バレル温度320℃で溶融混練をおこない、ノズルからストランド状に引取った樹脂組成物を水浴に浸漬して冷却固化し、ペレタイザーでカッティングした後、120℃で12時間熱風乾燥することによって樹脂組成物のペレットを得た。
次いで、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製IS100E−3S)を用いて金型温度100℃で、表2に示す成形温度で成形し、各種試験片を作製した。各種試験片は1日以上室温にて放置した後に、これらについて、透明性、流動長、DTUL、YIを評価した。またYIに関してはさらに試験片を150℃×400h熱処理したものに関しても評価した。
【0062】
【表2】

【0063】
本発明の実施例1〜11は、DTUL、YIにおいて優れ、自動車レンズ用途に好適に使用することができる。
【0064】
実施例1と実施例2を比較することで、ラクトン系化合物を添加するとより初期色調が良好で、熱変色も小さくなることがわかる。
【0065】
比較例1の樹脂組成物はシラン化合物、リン化合物を添加していないために初期色調も悪く、熱変色も大きい。
【0066】
比較例2、3、6,8はシラン化合物を添加していない、または添加量が少なすぎるため、熱変色が大きい。
【0067】
比較例4,5、7は、リン化合物を添加していないため、または添加量が少なすぎるため、熱変色が大きい。
【0068】
比較例9の樹脂組成物は、ポリアリレート/ポリカーボネートの重量比率でポリアリレートの割合が少なすぎるので、DTULが低い。


































【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し、リン系化合物0.01〜1質量部、下記一般式(I)で示されるシラン化合物0.01〜1質量部を含有したポリアリレート樹脂組成物であって、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の配合比率が10/90〜100/0(質量比)であることを特徴とするポリアリレート樹脂組成物。
【化1】

一般式(I)中、R1は炭素数1〜4のビニル基、アクリル基、メタクリル基のいずれかを表す。R2〜R4は炭素数1〜4のアルコキシ基またはアルキル基を表す。
【請求項2】
さらにフェノール系化合物を含み、その配合がポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し0.01〜1質量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリレート樹脂組成物。
【請求項3】
さらにラクトン系化合物を含み、その配合がポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合物100質量部に対し0.01〜1質量部であることを特徴とする請求項1、または2に記載のポリアリレート樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のポリアリレート樹脂組成物を成形してなる成形体。

【公開番号】特開2010−163549(P2010−163549A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7605(P2009−7605)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】