説明

ポリアリーレンアイオノマー性膜

本明細書においては、ポリアリーレンアイオノマー性共重合体、ポリスルホン、スルホン酸、およびスルホンイミド繰り返し単位を含む共重合体の調製、ならびにこの種のポリアリーレンアイオノマー性共重合体から作製された、特に燃料電池等の電気化学セルの膜として有用な膜について記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書においては、電気化学セルの膜として有用な、ポリスルホン、スルホン酸、およびスルホンイミド繰り返し単位を含むポリアリーレンアイオノマー性共重合体の調製ならびにこの種の膜について記載する。
【背景技術】
【0002】
高分子電解質膜型燃料電池(PEMFC)は、従来の電源に比べて、高い効率を提供し、環境汚染を低減し、かつ運転および維持コストを削減することが期待されている。PEMFCの重要な構成要素が高分子電解質膜(PEM)である。PEMFC用の膜には、化学的、熱的、および機械的な安定性、高いイオン伝導度、反応体の透過し難さといった数多くの要件が存在するため、使用できそうな材料は限られている。Nafion(登録商標)パーフルオロスルホン酸膜などスルホン酸官能性ポリマーの使用が進んでいる。
【0003】
スルホン酸官能性ポリマーから作製された周知の膜は温度が100℃を超えると所望の性能に達しないことが分かっており、その理由の一部は、膜のプロトン伝導性が水分に依存することにある。100℃を超えると圧力が制約されるため、膜の水和に使用できる水の量が限られてしまう。湿度が相対的に低くなると、プロトン輸送を支持するのに十分な水が膜内に存在しなくなる。より高温下における性能を改善することに加えて、こうした温度下における機械的安定性を改善することも求められている。
【0004】
膜の導電度はアイオノマーの当量重量を抑えることによってある程度取り戻すことができるが、これが行き過ぎると過度の水膨潤や膜形成性の低下を招きかねない。
【0005】
パーフルオロスルホン酸膜の代替品として、芳香族アイオノマーの開発に多大な労力が費やされてきたが、これらはより低湿度下における導電度が一層低い上に水膨潤性がより高いという難点を示す傾向にある。
【発明の概要】
【0006】
特性が改善された新規な芳香族アイオノマー性ポリマーおよび/または共重合体から作製された膜が得られれば望ましいであろう。
【0007】
本発明は、式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Tは、嵩高い芳香族基であり、Mは、1種またはそれ以上の1価の陽イオンであり、mおよびnは、共重合体中の繰り返し単位の数を示す整数である)の繰り返し単位を含む共重合体から作製された膜を提供する。1価の陽イオンMは、単一種の陽イオンであっても異なる陽イオンの混合物であってもよい。一実施形態においては、Mは、K、Na、Li、またはHであり、Tは、フェニルである。本発明の実施形態においては、膜は、式(I)の繰り返し単位を含む共重合体を含む。本発明の他の実施形態においては、膜は、式(I)の繰り返し単位を含む共重合体からなる。
【0010】
本発明はまた、式(IV):
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、nおよびpは、共重合体中の繰り返し単位の数を示す整数であり、Arは、任意選択的に1個またはそれ以上のフッ素で置換されていてもよい、式(V)、(VI)、または(VII):
【0013】
【化3】

【0014】
の2価の基であり、
fは、任意選択的に1種またはそれ以上のエーテル酸素またはハロゲンで置換されていてもよい、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状のパーフルオロ化アルキレン基であり、
mは、1〜6であり、
M’は、1種またはそれ以上の1価の陽イオンであり、
Tは、嵩高い芳香族基であり、
Qは、S、SO2、CO、またはCR12(式中、R1およびR2は、独立に、1〜10個の炭素原子を有する分枝または環状のパーフルオロ化アルキル基であり、R1およびR2が一緒になって環を形成していてもよい)である)の繰り返し単位を含む共重合体から作製された膜を提供する。本発明の一実施形態においては、膜は、式(IV)の繰り返し単位を含む共重合体を含む。本発明の他の実施形態においては、膜は、式(IV)の繰り返し単位を含む共重合体からなる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書においては、式(I)の繰り返し単位を含む共重合体および式(I):
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、Tは、嵩高い芳香族基であり、Mは、1種またはそれ以上の1価の陽イオンであり、mおよびnは、共重合体中の繰り返し単位の数を示す整数である)の繰り返し単位を含む共重合体から作製された膜について記載する。
【0018】
嵩高い芳香族基とは、単環(例えば、フェニル)、多環(例えば、ビフェニル)、または少なくとも1個が芳香族である縮合多環(例えば、1、2、3、4−テトラヒドロナフチル、ナフチル、アントリル、またはフェナントリル)を有する芳香族炭素環式基を意味する。嵩高い芳香族基は、アルキル等の非反応性基、他の芳香族基、およびエーテル等の他の非反応性官能基で任意選択的に置換されていてもよい。1価の陽イオンMは、単一種の陽イオンであっても異なる陽イオンの混合物であってもよい。一実施形態においては、Mは、K、Na、Li、またはHであり、Tはフェニルである。
【0019】
「共重合体」という用語は、2種以上の繰り返し単位を有する低重合体および共重合体を包含することを意図している。第1モノマー「X−A−X」および第2モノマー「X−B−X」から誘導された繰り返し単位を有する共重合体は、繰り返し単位(−A−)および(−B−)を有することになる。本明細書に記載する共重合体は、ランダムまたはブロック共重合体とすることができる。一実施形態においては、共重合体の重量平均分子量は少なくとも30,000である。
【0020】
本共重合体中には他の繰り返し単位がさらに存在していてもよく、国際公開第2008/127320号パンフレットに開示されている、以下に示す式:
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、RfおよびR’fは、独立して、任意選択的に1種またはそれ以上のエーテル酸素またはハロゲンで置換されていてもよい、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状のパーフルオロ化アルキレン基であり、mは、0〜6であり、M”は、1種またはそれ以上の1価の陽イオンである)を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。1価の陽イオンM”は、単一種の陽イオンであっても異なる陽イオンの混合物であってもよい。一実施形態においては、M”は、K、Na、Li、またはHである。他の実施形態においては、mは0である。
【0023】
「パーフルオロ化アルキレン」とは、単結合で結合した炭素およびフッ素を含み、任意選択的にエーテル酸素または他のハロゲンで置換されていてもよい、異なる炭素原子に由来する2個の遊離原子価を有する2価の基を意味する。これは、線状、分枝、または環状であってもよい。一実施形態においては、RfおよびR’fは、独立して(すなわち、同一であっても異なっていてもよい)、1〜10個の炭素原子を有するパーフルオロ化アルキレン基である。他の実施形態においては、RfおよびR’fは、独立して、1〜4個の炭素原子を有する線状のパーフルオロ化アルキレン基である。
【0024】
ポリマー中のモノマー単位数の実施上の上限は、ポリマーに所望される具体的な溶媒または溶媒群への所望の溶解性によってある程度決まる。モノマー単位の総数が増加するに従いポリマーの分子量は増加する。一般に、ポリマーの分子量が増加すると特定の溶媒への溶解性が低下することが予想される。さらに、一実施形態においては、ポリマーが所与の溶媒に実質的に不溶になるモノマー単位数はモノマーの構造にある程度依存する。一実施形態においては、共重合体が所与の溶媒に実質的に不溶になるモノマー単位数はコモノマーの比率にある程度依存する。例えば、屈曲性を有するモノマーからポリマーを構成させる場合、得られるポリマーが重合の過程で過度に剛直になると有機溶媒に実質的に不溶となる可能性がある。他の例としては、数種類のモノマーから共重合体を構成させる場合、剛直モノマー単位対屈曲モノマー単位の比率を過度に高くすると有機溶媒に実質的に不溶となる可能性がある。ポリマーの分子量、ポリマーおよび共重合体の組成、ならびに溶媒の選択は、当業者の技能範囲内で行われる。
【0025】
式(I)の共重合体の調製に使用することができるモノマーおよびこのモノマーの調製に使用される反応体は、商業的に得ることもできるし、あるいは当該技術分野において周知の方法もしくは本明細書に開示した方法を用いて調製することもできる。
【0026】
本明細書においては、式(II):
【0027】
【化6】

【0028】
のモノマーおよび式(III):
【0029】
【化7】

【0030】
のモノマー(式中、MおよびTは、上記と同義であり、Xは、独立して、BrまたはClである)を重合させることを含む、共重合体の調製方法も記載する。本方法においては他のモノマーもさらに使用することができ、本明細書に記載する、国際公開第2008/127320号パンフレットに開示されている、以下に示す式:
【0031】
【化8】

【0032】
(式中、X’は、炭素−炭素結合形成反応に参加する脱離基(塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ボロン酸、ボロン酸塩、ボロン酸エステル、ボラン等、ただしこれらに限定されるものではない)であり、RfおよびR’fは、独立して、任意選択的に1種またはそれ以上のエーテル酸素またはハロゲンで置換されていてもよい、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状のパーフルオロ化アルキレン基であり、mは、0〜6であり、M”は、1種またはそれ以上の1価の陽イオンである)を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、XまたはX’の一方または両方がClである。
【0033】
概して、本明細書に記載する重合は、炭素−炭素結合形成反応においてモノマーの脱離基が脱離する合成経路を用いて実施することができる。このような炭素−炭素結合形成反応は、典型的には、中性配位子を含む0価の遷移金属錯体によって媒介される。一実施形態においては、0価の遷移金属錯体は、ニッケルまたはパラジウムを含む。
【0034】
式(II)および(III)のモノマーを反応させることによってより大きなモノマー単位を形成させ、次いでこれを単独でまたは他のモノマーと重合させることにより本明細書に開示するポリマーを形成することもできる。例えば、(−A−)x(−B−)yの共重合体は、モノマーX−A−XをモノマーX−B−Xと共重合させるかまたはより大きなモノマーX−A−B−Xを形成してこのモノマーを重合させることにより形成することができる。いずれの場合においても、結果として得られるポリマーは、モノマーX−A−XおよびモノマーX−B−Xから誘導された共重合体とみなされる。
【0035】
中性配位子とは、閉殻電子状態にある金属から形式上取り出した場合に電気的に中性である配位子として定義される。中性配位子は、遷移金属に結合することができる、非共有電子対の電子、パイ結合、またはシグマ結合のうちの少なくとも1種を含む。本明細書に記載する方法においては、中性配位子は2種以上の中性配位子の組合せであってもよい。1個を超える中性配位子が、結合またはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、もしくは官能基連結鎖(functional group tether)を介して結合している場合、この中性配位子は多座であってもよい。中性配位子は、複数の錯体を一緒に結合させるような、他の金属錯体(同一であっても異なっていてもよい)の置換基であってもよい。中性配位子は、カルボニル、チオカルボニル、カルベン、カルビン、アリル、アルケン、オレフィン、シアニド、ニトリル、一酸化炭素、リン含有化合物(ホスフィド、ホスフィン、ホスファイト等)、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、第3級アミン(複素環式アミンを含む)、エーテル、エステル、ホスフェート、ホスフィンオキシド、およびアミンオキシドを包含することができる。
【0036】
本明細書においては、本ポリマーの調製に使用することができる0価の遷移金属化合物に基づく3種の合成方法について記載する。各方法において、炭素−炭素結合形成の活性種である0価の遷移金属化合物は、反応に直接導入することもできるし、あるいは反応条件下において、前駆体である遷移金属化合物および1種またはそれ以上の中性配位子からその場で生成させることもできる。
【0037】
山本(Yamamoto),Progress in Polymer Science,Vol.17,p.1153(1992)に開示されている第1の合成方法は、モノマーのジハロ誘導体を化学量論量の0価のニッケル化合物(ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)等の配位化合物等)およびトリフェニルホスフィンや2,2’−ビピリジン等の中性配位子と反応させるものである。これらの成分が反応することにより重合反応における活性種である0価のニッケル化合物が生成する。活性な0価のニッケル化合物を安定化させるために1,5−シクロオクタジエン等の第2の中性配位子を使用することができる。
【0038】
米国特許第5,962,631号明細書、Ioyda et al.,Bulletin of the Chemical Society of Japan,Vol.63,p.80(1990)、およびColon et al.,Journal of Polymer Science,Part A,Polymer Chemistry Edition,Vol.28,p.367(1990)に開示されている第2の合成方法は、モノマーのジハロ誘導体と触媒量の2価のニッケル化合物とを、1種またはそれ以上の中性配位子の存在下、2価のニッケルイオンを0価のニッケルに還元することができる化学量論量の材料の存在下に反応させるものである。
【0039】
2価のニッケル塩から触媒が形成される。このニッケル塩としては、反応条件下において0価の状態に変換することができる任意のニッケル塩を用いることができる。好適なニッケル塩は、ハロゲン化ニッケル(典型的には、二塩化ニッケルまたは二臭化ニッケル)または配位化合物(典型的には、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリドまたは(2,2’−ビピリジン)ニッケルジクロリド)である。2価のニッケル塩は、典型的には、約0.01molパーセント以上、より典型的には約0.1molパーセント以上または1.0molパーセント以上の量で存在する。存在する2価のニッケル塩の量は、存在するモノマーの量を基準として典型的には約30molパーセント以下、より典型的には約15molパーセント以下である。
【0040】
重合は、2価のニッケルイオンを0価の状態に還元することができる材料の存在下に実施される。好適な材料としては、ニッケルよりも容易に酸化される任意の金属が挙げられる。好適な金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、およびリチウムが挙げられ、粉末形態の亜鉛が典型的である。反応の間中ずっとニッケル化学種を0価の状態に維持するためにはモノマーを基準として少なくとも化学量論量の還元剤が必要である。典型的には、約150モルパーセント以上、より典型的には約200モルパーセント以上、または約250モルパーセント以上が使用される。還元剤は、典型的には、モノマーの量を基準として約500モルパーセント以下、約400モルパーセント以下、または約300モルパーセント以下の量で存在する。
【0041】
さらに、配位子として作用することができる1種またはそれ以上の化合物も存在する。好適な配位子はトリヒドロカルビルホスフィン等の上述した中性配位子である。典型的な配位子は、トリアリールもしくはトリアルキルホスフィン等の単座(トリフェニルホスフィン等)または2,2’−ビピリジン等の2座である。単座配位子として作用することができる化合物は、典型的には、モノマーを基準として、約10モルパーセント以上または約20モルパーセント以上の量で存在する。単座配位子として作用することができる化合物は、典型的には、約100モルパーセント以下、約50モルパーセント以下、または約40モルパーセント以下の量で存在する。2座配位子として作用することができる化合物は、典型的には、2価のニッケル塩を基準として、ほぼモル当量またはそれを超える量で存在する。別法として、2座配位子を、上述した配位化合物としてニッケル塩に組み込むことができる。
【0042】
PCT出願である国際公開第00/53656号パンフレットおよび米国特許第6,353,072号明細書に開示されている第3の合成方法は、1種のモノマーのジハロ誘導体と、ボロン酸(−B(OH2)またはボロン酸塩、ボロン酸エステル(−BOR2)もしくは(−B(ORO))およびボラン(−BR2)(式中、Rは、通常はヒドロカルビル基である)から選択される2個の脱離基を有する他のモノマーの誘導体とを、上述した中性配位子を含む触媒量の0価のパラジウム化合物(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)の存在下に反応させるものである。脱離基がボロン酸エステルまたはボラン基である場合は、ボロン酸エステルまたはボラン基を加水分解して対応するボロン酸基にするために、反応混合物に十分な水または有機塩基を含有させる必要がある。モノマーのジボロン酸誘導体は、宮浦(Miyaura)et al.,Synthetic Communication,Vol.11,p.513(1981)およびWallow et al.,American Chemical Society,Polymer Preprint,Vol.34,(1),p.1009(1993)に記載された方法などの周知の方法を用いることによってジハロ誘導体から調製することができる。
【0043】
本明細書に開示された合成法はいずれも、反応を促進することができる化合物の存在下に実施することができる。好適な促進剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、テトラエチルアンモニウムヨージド、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物が挙げられる。促進剤は、反応を促進するのに十分な量、典型的には、モノマーを基準として10〜100モルパーセントが使用される。
【0044】
この反応は、典型的には、好適な溶媒または溶媒混合物中、すなわち、触媒、反応体、および生成物に悪影響を与えず、好ましくは反応体および生成物が溶解する溶媒中で実施される。好適な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、アニソール、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、およびN−メチルピロリジノン(NMP)が挙げられる。本方法における溶媒の使用量は幅広い範囲で変化させることができる。一般に、可能な限り少量の溶媒を使用することが好ましい。酸素の存在は触媒に有害となる可能性があり、また、多量の水が存在するとプロセスが早期に終了する可能性があるため、反応は、典型的には、酸素および湿分の非存在下に実施される。より典型的には、反応は、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で実施される。
【0045】
この反応は、反応が適度な速度で進行し、生成物および触媒の劣化を招くことがない任意の温度で実施することができる。反応は、一般に約20℃〜約200℃、より典型的には100℃未満の温度で実施される。反応時間は、反応温度、触媒の量、および反応体の濃度に依存し、通常は約1時間〜約100時間である。
【0046】
さらに本明細書においては、式(IV)の繰り返し単位を含む共重合体および式(IV):
【0047】
【化9】

【0048】
(式中、nおよびpは、共重合体中の繰り返し単位の数を示す整数であり、Arは、任意選択的に1個またはそれ以上のフッ素で置換されていてもよい、式(V)、(VI)、または(VII):
【0049】
【化10】

【0050】
の2価の基であり、
fは、任意選択的に1種またはそれ以上のエーテル酸素またはハロゲンで置換されていてもよい、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状のパーフルオロ化アルキレン基であり、
mは、1〜6であり、
M’は、1種またはそれ以上の1価の陽イオンであり、
Tは、嵩高い芳香族基であり、
Qは、S、SO2、CO、またはCR12(式中、R1およびR2は、独立に、1〜10個の炭素原子を有する分枝または環状のパーフルオロ化アルキル基であり、R1およびR2が一緒になって環を形成していてもよい)である)の繰り返し単位を含む共重合体から作製された膜についても記載する。
【0051】
一実施形態においては、Mは、K、Na、Li、またはHであり、Tは、フェニルである。典型的には、Rfは、2〜10個の炭素原子を有するパーフルオロ化アルキレン基であってもよく、mは、1であってもよく、Arは、(V)であってもよく、Qは、SO2であってもよい。
【0052】
本共重合体は、上述したいずれかの方法で調製することができる。
【0053】
式(IV)のポリマーの調製に使用することができるモノマーおよびこのモノマーの調製に使用される反応体は、商業的に得ることもできるし、あるいは当該技術分野において周知の任意の方法または本明細書に開示した方法を用いて調製することもできる。1種のモノマーを合成するのに好適な一方法は、フッ素化されたジスルホンアミドを、ハロゲン置換基およびハロゲン化スルホニル置換基を含む所望のアリーレン主鎖を有する化合物2当量と合一するものである。ジスルホンアミドを調製する方法の1つがPCT国際出願第2005/001979号パンフレットの実施例1に記載されている。アリーレン化合物を調製する方法の1つがPCT国際出願第1997/28129号パンフレットの実施例4に記載されている。モノマーおよび反応体を合成する方法は、共有に係る米国特許出願公開第2008−0177088号明細書にも開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本明細書に開示された方法により調製されたポリマーは、濾過や非溶媒を用いた析出等の従来の技法に従い回収することができる。これらをさらに処理するために好適な溶媒中に溶解または分散させることもできる。これらは、燃料電池用のプロトン交換膜および電極結着剤用途、リチウム電池における用途(リチウム塩形態として)、電荷移動現象を必要とする用途(コンデンサや特定の発光表示体用部品の作製等)、エンジニアリング樹脂または繊維用途といった多くの用途に有用な可能性がある。
【0055】
ポリマーは、任意の従来法、例えば、これらに限定されるものではないが、溶液または分散液の流延製膜(solution or dispersion film casting)や押出成形技法を用いて膜に形成することができる。膜厚は具体的な用途に応じて変化させることができる。典型的には、電気化学的用途における膜厚は、約350μm未満、より典型的には約25μm〜約175μmの範囲にある。所望により、膜を2種類のポリマー(当量重量の異なる2種類のポリマー等)の積層体とすることができる。このようなフィルムは、2種類の膜を積層することによって作製することができる。別法として、積層体の構成要素の一方または両方を溶液または分散液から流延することができる。膜が積層体である場合、さらなるポリマー中のモノマー単位の化学的特定名は、第1のポリマーの類似のモノマー単位の特定名と、独立して、同一であっても異なっていてもよい。当業者は、分散液から作製された膜が、包装における用途、非電気化学的膜用途、多層フィルムまたはシート構造体における接着剤または他の機能性層としての用途、ならびに電気化学分野以外のポリマーフィルムおよびシートを用いる他の既存の用途に利用できる可能性を理解するであろう。本発明においては、電気化学に一般に用いられる専門用語である「膜」という用語は、より一般的な用法における専門用語である「フィルム」および「シート」という用語と同義であり、これらは同一の物品を指す。
【0056】
この膜は、任意選択的に、機械的性質の改善、コストの削減、および/または他の理由により、多孔質支持体または強化材を含むことができる。多孔質支持体は、幅広い材料、例えば、これらに限定されるものではないが、平織、斜子織、絡織、または他の様々な織り方の不織または織布等から作製することができる。多孔質支持体は、ガラス、ポリオレフィン等の炭化水素系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、および共重合体)、およびポリクロロトリフルオロエチレン等の過ハロゲン化ポリマーから作製することができる。多孔質無機またはセラミック材料も使用することができる。熱および化学分解に対する耐性を得るために、支持体は、典型的にはフッ素樹脂、より典型的にはパーフルオロポリマーから作製されている。例えば、多孔質支持体のパーフルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレン共重合体の微多孔質フィルムを用いることができる。微多孔質PTFEフィルムおよびシートは支持体層として使用するのに適していることが周知である。例えば、米国特許第3,664,915号明細書には、空隙を少なくとも40%含む一軸延伸フィルムが開示されている。米国特許第3,953,566号明細書、米国特許第3,962,153号明細書、および米国特許第4,187,390号明細書には、空隙を少なくとも70%含む多孔質PTFEフィルムが開示されている。延伸PTFE(ePTFE)にパーフルオロ化スルホン酸ポリマーを含浸させることが米国特許第5,547,551号明細書および米国特許第6,110,333号明細書に開示されている。ePTFEはW.L.Gore and Associates,Inc.,Elkton,MDより「Goretex」の商品名およびDonaldson Company,Inc.,Bloomington,MNより「Tetratex」の商品名で入手可能である。
【0057】
膜電極接合体(MEA)およびそれを用いた燃料電池は当該技術分野において周知であり、上述した任意の膜を含むことができる。好適な一実施形態を本明細書に記載する。アイオノマー性ポリマー膜は、触媒層(非担持であっても炭素粒子上に担持されていてもよい白金等の触媒を含む)、Nafion(登録商標)等の結着剤、およびガス拡散支持体(gas diffusion backing)と組み合わせてMEAの形成に使用される。触媒層は、導電性および触媒活性を有する周知の粒子または材料から作製することができ、当該技術分野において周知の方法により作製することができる。触媒層は、触媒粒子の結着剤の役割を果たすポリマーのフィルムとして形成することができる。結着剤には、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、またはこの種のポリマーの混合物を用いることができる。結着剤用ポリマーは、典型的にはアイオノマー性であり、膜中のアイオノマーと同一であってもよい。燃料電池は、アノードおよびカソードとなる導電性を有する多孔質ガス拡散支持体、MEAの端部をシールするためのガスケット(電気絶縁層としても作用する)、ガス分配用流路を備えるグラファイト製集電プレート(current collector block)、燃料電池を一体に保持するためのタイロッドを有するアルミニウム製エンドプレート(end block)、アノード側の燃料(水素等)導入および排出路、カソード側の酸化剤(空気等)導入および排出路をさらに備える、単一のMEAから構築されるかまたは連続して積層された複数のMEAから構築される。
【実施例】
【0058】
厚み方向の導電度測定
膜面に垂直に電流を流す技法を用いて膜の厚み方向の導電度を測定した。直径12.7mmのステンレス鋼ロッドから下部電極を形成し、直径6.35mmのステンレス鋼ロッドから上部電極を形成した。このロッドを所定の長さに切断して、Oリングシールを受け入れる溝を切削し、端部を研磨して金めっきを施した。下部電極は加湿空気を流動させる6本の溝(幅0.68mm、深さ0.68mm)を有するものとした。下部電極/GDE/膜/GDE/上部電極から構成される積層体を形成した。GDE(ガス拡散電極)は、微多孔質層を有するカーボンクロス、白金触媒、およびこの触媒層の上に0.6〜0.8mg/cm2で適用されたNafion(登録商標)を備える触媒付きELAT(登録商標)(E−TEK Division,De Nora North America,Inc.,Somerset,NJ)とした。下部GDEを直径9.5mmの円盤形に打ち抜き、膜および上部GDEは、上部電極に一致するように直径6.35mmの円盤形に打ち抜いた。アニール処理を施した切削加工可能なガラス繊維強化PEEKブロック(46.0×21.0mm×15.5mm)の底面に、下部電極を受け入れるための直径12.7mmの穴を穿孔し、上面には上部電極を受け入れるための同心の直径6.4mmの穴を穿孔し、接合したスタックをこの中で所定の位置に保持した。このPEEKブロックは、平行ネジ接続部も有するものとした。調節可能な加湿空気の供給および排出路への接続に、管対Oリングシール用のSAE平行雄ネジを有する継手(Parker Instrumentsからの1M1SC2および2M1SC2)を使用した。ラバーグリップを有する小型バイスに固定具(fixture)を取り付け、トルクレンチを用いて10lb−inのトルクで締め付けた。膜を収容した固定具を、加熱用サーモスタット付き強制循環式オーブン内で1/16インチ管(加湿空気供給用)および1/8インチ管(加湿空気排出用)に接続した。槽内の温度は熱電対により測定した。
【0059】
水の供給は、ポンプコントローラを備えたIsco Model 500Dシリンジポンプから行った。乾燥空気の供給は、校正されたマスフローコントローラ(Tylan(登録商標)RO−28制御ユニットを備えたPorter F201)から行った(200sccm standard)。水を確実に蒸発させるため、供給空気および水を混合して、オーブン内で1.6mm(1/16インチ)、長さ1.25mのステンレス鋼管の中を循環させた。得られた加湿空気を1/16インチ管の供給口に供給した。セル内圧力(大気)を、DPI 280デジタル圧力インジケータに取り付けたDruck(登録商標)PDCR 4010圧力トランスデューサで測定した。理想気体の挙動を仮定し、液体の水の蒸気圧表を用いて、温度、2つの流量からの気体組成、槽内温度、およびセル内圧力に応じて相対湿度を求めた。下部電極に溝が存在することにより加湿空気が膜に流動して水蒸気と速やかに平衡状態に到達した。膜を収容した固定具のACインピーダンスの実部であるRsを、Solartron SI 1260インピーダンス/ゲイン・フェーズアナライザおよびSI 1287エレクトロケミカル・インターフェーズ(Electrochemical Interphase)を使用し、ZView 2およびZPlot 2ソフトウェア(Solartron Analytical,Farnborough,Hampshire,GU14 0NR,UK)を用いて周波数100kHzで測定した。膜試料を用いずに接合した積層体および固定具のACインピーダンスの実部を100kHzで測定することにより固定具の短絡(short)であるRfも測定した。次いで、膜の導電度すなわちκを求めた。
【0060】
κ=t/((Rs−Rf)×0.317cm2)(膜厚をt(cm)とした)
【0061】
面方向の導電度測定
相対湿度および温度を制御した条件下で電流を膜面に対し平行に流す技法により膜の面方向導電度を測定した。J.Electrochem.Soc.,vol.143,pg.1254(1996)にY.Soneらにより「Proton Conductivity of Nafion(登録商標)117 As Measured by a Four−Electrode AC Impedance Method」と題した記事に記載された技法と類似の4電極法(four−electrode technique)を用いた。これを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。直径0.25mmの4本の白金ワイヤー電極を支持および保持するための溝を備えた4本の平行な畝部と加湿空気を循環させるためのスロットとを有する下側固定具を、アニール処理したガラス繊維強化PEEKから切削加工した。外側の2本の電極間の距離を25mmとし、内側の2本の電極間の距離を10mmとした。外側の電極をわずかに超えて延在し、これらを覆うのに十分な長さを有する幅10〜16mmの膜の細片を切り出して白金電極に載せた。下側固定具の畝部に対応する位置に畝部を有する上側固定具をその上に載せ、2個の固定具を合わせてクランプ締めすることにより膜が白金電極と接触するように押圧した。膜を収容した固定具を小型の圧力槽(加圧濾過装置のハウジング)内に装入し、これを加熱用サーモスタット付き強制循環型オーブン内に装入した。槽内温度は熱電対で測定した。
【0062】
水の供給は、ポンプコントローラを備えたIsco Model 500Dシリンジポンプから行った。乾燥空気の供給は、(Tylan(登録商標)RO−28制御ユニットを備えたPorter F201)から行った(200sccm standard)。水を確実に蒸発させるため、供給空気および水を混合して、オーブン内で1.6mm(1/16インチ)、長さ1.25mのステンレス鋼管の中を循環させた。得られた加湿空気を圧力槽の入口に供給した。槽内の全圧力をGO BP−3シリーズの背圧レギュレーターを用いて調整した(100〜345kPa)。セル内圧力を、DPI 280デジタル圧力インジケータを取り付けたDruck(登録商標)PDCR 4010圧力トランスデューサで測定した。理想気体の挙動を仮定し、液体の水の蒸気圧表を用いて、温度、2つの流量からの気体組成、槽内温度、および全圧力に応じて相対湿度を求めた。固定具の下部および上部にスロットが存在することにより、加湿空気が膜に流動して水蒸気と速やかに平衡状態に到達した。電流を外側の2本の電極間に印加しながら内側の2本の電極間に生じた電圧を測定した。内側の2本の電極間のACインピーダンスの実部(抵抗)Rを、Solartron SI 1260インピーダンス/ゲイン・フェーズアナライザおよびSI 1287エレクトロケミカル・インターフェーズを使用し、ZView 2およびZPlot 2ソフトウェア(Solartron Analytical,Farnborough,Hampshire,GU14 0NR,UK)を用いて周波数1000 Hzで測定した。次いで、膜の導電度すなわちκを求めた。
【0063】
κ=1.00cm/(R×t×w)(膜厚をtとし、その幅をwとした(いずれもcm))
【0064】
H.Borns,Annalen der Chemie 1877,187,350に公開された手順を改変して2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホン酸ナトリウム塩を調製した。E.H.Huntress and F.H.Carten,J.Am.Chem.Soc.1940,62,511に公開された手順を改変して2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホニルクロリドを調製した。C.Courtot and C.C.Chang,Bull.Soc.Chim.Fr.1931,1047に公開された手順を改変して4,4’ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホニルジクロリドを調製した。
【0065】
2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホン酸ナトリウム塩(D100016−122)
【0066】
【化11】

【0067】
環流冷却器、スターラーバー、および気体導入管を備えた300mLの丸底フラスコに1,4−ジブロモ−ベンゼン(118g、0.50mol)および30%発煙硫酸(76mL)を装入した。この混合物を窒素下に150℃で3時間加熱することにより透明な溶液を得た。この溶液を室温に冷却することにより固化した塊を得、これを水を入れたビーカーに移し替えてスラリーを得た。このスラリーを50%水酸化ナトリウム溶液(130g)で処理し、加熱しながら水900mLで処理することにより、析出した固体を分散させた。混合物を室温に冷却して、固体をラバーダムの下で減圧濾過することにより回収した。固体をイソプロパノール(200mL)で2回洗浄し、フィルタ上で風乾させた後、100℃で真空乾燥させることによって159gを得た(粗収率93%)。生成物をエタノール/水(4:1)から再結晶させ、150℃で真空乾燥させることにより2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホン酸ナトリウム塩146gを得た(収率86%)。1H NMR(DMSO−d6):7.42(dd,8.4,2.6Hz,1H),7.53(d,8.4Hz,1H),8.01(d,2.6Hz,1H)。
【0068】
銅粉末の賦活
銅粉末を、Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry,4th edition,1981,Longman(London),page 285−286の手順に従い賦活した。青銅(50g、Aldrich Chemical Company,Milwaukee,WI)を、ヨウ素(10g)をアセトン(500mL)に溶解した溶液と一緒に10〜20分間撹拌することにより灰色の混合物を得た。銅を濾取し、アセトンで洗浄し、塩酸(150mL)およびアセトン(150mL)の溶液に加えた。灰色の固体が溶解するまで混合物を撹拌した後、銅を濾取し、アセトンで十分に洗浄した。賦活化された銅の固体を高真空下で乾燥し、保管および処理用のグローブボックスに移し替えた。
【0069】
実施例1(D100016−126)
【0070】
【化12】

【0071】
グローブボックス内で、環流冷却器、スターラーバー、および気体導入管を備えた500mLの丸底フラスコに、2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホン酸ナトリウム塩(73g、0.216mol)、賦活化された青銅(27g、0.43mol)、およびDMAc(200mL)を装入した。混合物を窒素下に120℃で一夜加熱した。混合物を水(1L)中に注ぎ、固体を減圧濾過により濾去した。濾液を蒸発させて残渣を100℃で真空乾燥させた。固体を脱色炭で処理した後、アセトニトリル/水(10:1)から再結晶させ、60〜150℃で真空乾燥させることにより4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩48.13gを得た(収率86%)。1H NMR(DMSO−d6):7.19(d,8.3Hz,2H),7.42(dd,8.3および2.1Hz,2H),7.96(d,2.1Hz,2H)。
【0072】
2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホニルクロリド(D100016−114)
【0073】
【化13】

【0074】
環流冷却器、スターラーバー、および気体導入管を備えた300mLの丸底フラスコに1,4−ジブロモ−ベンゼン(50g、0.21mol)およびクロロスルホン酸(100mL)を装入した。この混合物を窒素下に90℃で2時間加熱することにより透明な溶液を得た。溶液を室温に冷却し、氷(1kg)上に慎重に注いで析出物を得た。固体を減圧濾過により回収し、水で十分に洗浄し、フィルタ上で風乾させた後、50℃で真空乾燥させることにより68.36gを得た。生成物を脱色炭で処理した後にシクロヘキサンから再結晶させ、減圧濾過により回収し、50℃で真空乾燥させることにより2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホニルクロリド55.37gを得た(収率79%)。1H NMR(CDCl3):7.66(dd,8.4,2.3Hz,1H),7.72(d,8.4Hz,1H),8.30(d,2.3Hz,1H)。
【0075】
実施例2(D100016−98,113)
【0076】
【化14】

【0077】
環流冷却器、スターラーバー、および気体導入管を備えた100mLの丸底フラスコに2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホニルクロリド(10g、30mmol)およびベンゼン(30mL)を装入した。塩化アルミニウム(4g、30mmol)を加えて溶解するまで混合物を撹拌した。溶液を2時間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、塩酸50mLと混合した氷150g上に注いだ。析出した固体を濾取して水で洗浄した。濾液をエーテルで抽出し、有機抽出物を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。析出物および抽出物を合一して粗生成物11.33gを得た。固体を脱色炭で処理した後にエタノールから再結晶させ、2,5−ジブロモ−ジフェニルスルホン3.82gを得た(収率34%)。1H NMR(DMSO−d6):7.65(dd,7.7,7.4Hz,2H),7.76(t,7.4Hz,1H),7.76(d,8.4Hz,1H),7.85(dd,8.4,2.4Hz,1H),7.98(d,7.7Hz,2H),8.40(d,2.4Hz,1H)。
【0078】
この反応をスケールを拡大して(100mmol)繰り返し、6時間還流し、加水分解された混合物をジクロロメタンで抽出した後、炭酸ナトリウムで乾燥させることによってワークアップした。粗生成物をエタノールから再結晶させることにより13.7gを得た(収率36%)。13C NMR(CDCl3):120.23(C),122.31(C),129.21(2CH),129.39(2CH),134.20(CH),134.46(CH),137.38(CH),137.92(CH),139.69(C),142.04(C).MS(M+H+):m/e 376.8654(100%),374.8680(50%),378.8630(49%);C1292Br21の精密質量,376.8670(100%),374.8690(51.4%),378.8649(48.6)。
【0079】
実施例3(D100016−140)
グローブボックス内で、環流冷却器、スターラーバー、および気体導入管を備えた100mLの丸底フラスコに、2,5−ジブロモ−ベンゼン−スルホニルクロリド(15.05g、45mmol)、ベンゼン(15mL)、および無水ニトロメタン(45mL)を装入した。塩化アルミニウム(6.67g、50mmol)を加えて溶解するまで混合物を撹拌した。溶液を100℃で一夜加熱した。溶液を室温に冷却し、塩酸50mLと混合した氷100gに注いだ。混合物をジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出物を水で2回洗浄し、炭酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、蒸発させることにより16.28gを得た(96%)。固体を脱色炭で処理した後にエタノールから再結晶させることにより2,5−ジブロモ−ジフェニルスルホン13.48gを得た(収率80%)。1H NMR(DMSO−d6):7.65(ddd,8.4,7.4,2.0Hz,2H),7.76(tt,7.4,1.2Hz,1H),7.76(d,8.4Hz,1H),7.85(dd,8.4,2.4Hz,1H),7.98(ddd,8.4,2.01.2Hz,2H),8.40(d,2.4Hz,1H)。
【0080】
実施例4(D100016−116,118,120)
【0081】
【化15】

【0082】
グローブボックス内で、スターラーバー、環流冷却器、およびセプタムを備えた100mLの丸底フラスコに、2,5−ジブロモ−ジフェニルスルホン(7.52g、20mmol)、賦活化された銅粉末(2.54g)、およびDMAc(20mL)を装入した。フラスコを窒素下に120℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、アセトン中に注ぎ、5μmのPTFEメンブレンフィルタで濾過した。溶媒を蒸発させて残渣を高真空下に乾燥させ、固体6.40gを得た。混合物をシリカゲルおよびジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーで精製することにより2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモ−ビフェニル1.74gを得た(収率29%)。1H NMR(DMSO−d6):6.89(d,8.2Hz,2H),7.54(m,4H),7.55(m,4H),7.69(m,2H),7.86(dd,8.2,2.1Hz,2H),8.22(d,2.1Hz,2H)。
【0083】
この反応を、100〜120℃で、時間を3〜7時間の間で変化させながら数回繰り返したが、カラムクロマトグラフィー後の収率は実質的に変化しなかった。生成物を合一して(9.46g)トルエンから2回再結晶させることにより5.44gを純粋な化合物として得た。13C NMR(DMSO−d6):122.30(2C−Br),127.68(4CH),129.40(4CH),131.36(2CH),133.68(2CH),133.93(2CH),135.06(2C),135.38(2CH),140.25(2C−SO2−),140.92(2C−SO2−)。MS(M+H+):m/e 592.8907(100%),590.8933(49%),594.8884(56%);C24174Br22の精密質量,592.8909(100%),590.8930(51.4%),594.8889(48.6)。
【0084】
4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホニルジクロリド(D100016−131)
【0085】
【化16】

【0086】
グローブボックス内で、環流冷却器、スターラーバー、および気体導入管を備えた200mLの丸底フラスコに、実施例1からの4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩(51.6g、0.100mol)、五塩化リン(46g、0.22mol)、およびオキシ塩化リン(30mL)を装入した。混合物を窒素下に6時間穏やかに加熱還流させた(152℃)。混合物を氷(1kg)上に注いで固体が細かく分散するまで撹拌した。固体を減圧濾過により回収し、水で十分に洗浄し、フィルタ上で風乾させた後、75℃で真空乾燥させることにより50.7gを得た。固体を脱色炭で処理した後にトルエンから再結晶させ、減圧濾過により回収し、60℃で真空乾燥させることにより4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホニルジクロリド42.59gを得た(収率84%)。1H NMR(CDCl3):7.38(d,8.2Hz,2H),7.91(dd,8.2,2.0Hz,2H),8.37(d,2.0Hz,2H)。
【0087】
実施例5(D100016−151,153)
グローブボックス内で、スターラーバー、環流冷却器、および気体導入管を備えた125mLの丸底フラスコに4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホニルジクロリド(10.18g、20mmol)および塩化アルミニウム(5.87g、44mmol)を装入した。ベンゼン(14mL)および無水ニトロメタン(40mL)を加えて、溶解するまで混合物を撹拌した。この溶液を100℃で約8時間加熱した。溶液を室温に冷却し、塩酸100mLと混合した氷200g上に注いだ。この混合物をジクロロメタンで数回抽出した。有機抽出物を水で2回洗浄し、炭酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させることにより11.75gを得た(99%)。混合物をシリカゲルおよびジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して(Rf0.32)、2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモ−ビフェニル8.73gを得た(収率74%)。
【0088】
スケールを拡大して反応を繰り返すことにより24.37gを得(収率87%)、クロマトグラフィーにより精製して17.2gを得た(収率61%)。生成物を合一して脱色炭で処理した後にトルエンから再結晶させることにより2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモ−ビフェニル23.02gを得た(物質収支89%)。
【0089】
実施例6(D100016−125)
【0090】
【化17】

【0091】
グローブボックス内で、大型のスターラーバーおよびセプタムを備えた100mLの丸底フラスコにビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(4.58g、16.64mmol)、シクロオクタジエン(1.80g、16.64mmol)、2,2’−ビピリジン(2.60g、16.64mmol)、およびDMAc(20mL)を装入した。フラスコを窒素下に70℃で30分間加熱することにより暗紫色の溶液を得た。グローブボックス内で、セプタムを備えた50mL丸底フラスコに4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホン酸、ナトリウム塩(2.126g、4.119mmol)、2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモ−ビフェニル(2.440g、4.119mmol)、およびDMAc(30mL)を装入した。このフラスコを70℃に加熱してモノマーを溶解させ、溶液を窒素下にカニューレを介して反応フラスコに滴下した。70℃で一夜反応させた後、反応混合物を濃塩酸中に注いでポリマーを析出させ、混合物をブレンダーで細断してポリマーを粒子状に分散させた。ポリマーを減圧濾過により回収し、濃塩酸、次いで水で洗浄し、窒素パージした70℃の真空オーブン内で乾燥させることにより、1:1共重合体であるポリ[(4,4’−ビフェニレン−2,2’−ジスルホン酸)−コ−(2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ビフェニレン)]3.25gを得た(収率100%)。分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィーによりDMAc中で測定した:Mn21,000、Mw32,500、Mz49,200;[η]0.65。熱重量分析(昇温速度10℃/分)から、窒素中225℃で分解が開始することが示された。
【0092】
実施例7(D100016−139)
グローブボックス内で、大型のスターラーバーおよびセプタムを備えた100mLの丸底フラスコに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(4.45g、16.16mmol)、シクロオクタジエン(1.75g、16.16mmol)、2,2’−ビピリジン(2.52g、16.16mmol)、およびDMAc(20mL)を装入した。フラスコを窒素下に70℃で30分間加熱することにより暗紫色の溶液を得た。グローブボックス内で、セプタムを備えた50mLの丸底フラスコに、4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩(2.064g、4mmol)、2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモ−ビフェニル(2.369g、4mmol)、およびDMAc(30mL)を装入した。このフラスコを70℃に加熱してモノマーを溶解させ、この溶液を窒素下にカニューレを介して反応フラスコに滴下した。さらにDMAc(5mL)でモノマーを濯いで、洗液を追加した。重合が即座に開始してゲル化が開始したのでDMAc(10mL)を追加して希釈し、昇温して一夜100℃にした。反応混合物を濃塩酸中に注いでポリマーを析出させ、混合物をブレンダーで細断してポリマーを粒子状に分散させた。ポリマーを減圧濾過により回収し、濃塩酸、次いで水、次いでメタノールで洗浄し、窒素パージした70℃の真空オーブン内で乾燥させることにより、1:1共重合体であるポリ[(4,4’−ビフェニレン−2,2’−ジスルホン酸)−コ−(2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ビフェニレン)]1.54gを得た(収率52%)。分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィーによりDMAc中で測定した:Mn26,000、Mw39,100、Mz56,400;[η]0.96。
【0093】
この共重合体(0.99g)を加熱しながらDMAc(12.4mL)に溶解させ、グラスマイクロファイバー製シリンジフィルタを用いてポリメチルペンテン製ペトリディッシュ中に濾過した。このディッシュを窒素パージした乾燥チャンバ内の水平な乾燥台に載置した。乾燥した膜はディッシュから自然に剥がれ、次いでこれをさらに窒素パージした80℃の真空オーブンで乾燥させた。膜を15%硝酸で一夜処理した後、脱イオン水で中性になるまで洗浄した。膜を表1に示す厚み方向導電度測定用に分割した。
【0094】
【表1】

【0095】
実施例8(D100016−149)
グローブボックス内で、大型のスターラーバーおよびセプタムを備えた125mLの丸底フラスコに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(5.56g、20.2mmol)、シクロオクタジエン(2.19g、20.2mmol)、2,2’−ビピリジン(3.16g、20.2mmol)、およびDMAc(40mL)を装入した。フラスコを窒素下に70℃で30分間加熱することにより暗紫色の溶液を得た。グローブボックス内で、セプタムを備えた100mLの丸底フラスコに、4,4’−ジブロモ−ビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩(2.064g、4mmol)、2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモ−ビフェニル(3.554g、6mmol)、およびDMAc(40mL)を装入した。このフラスコを70℃に加熱してモノマーを溶解させ、この溶液を窒素下にカニューレを介して反応フラスコに滴下した。70℃で一夜反応させると混合物は黒色になった。
【0096】
グローブボックス内のセプタムで封止したバイアル内で、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(0.56g、2.0mmol)、シクロオクタジエン(0.22g、2.0mmol)、2,2’−ビピリジン(0.32g、2.0mmol)、DMAc(5mL)を用いて追加分の触媒を調製した。バイアルを70℃に加熱して触媒を溶解させ、窒素下にカニューレを介して反応フラスコに移し替えた。暗紫色の反応混合物は短時間で同様に黒色に変化した。反応混合物を濃塩酸中に注いでポリマーを析出させ、混合物をブレンダーで細断してポリマーを粒子状に分散させた。ポリマーを減圧濾過により回収し、濃塩酸、次いで水、次いでシクロヘキサンで洗浄し、窒素パージした70℃の真空オーブン内で乾燥させることにより2:3共重合体であるポリ[(4,4’−ビフェニレン−2,2’−ジスルホン酸)−コ−(2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ビフェニレン)]3.25gを得た(収率85%)。分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィーによりDMAc中で測定した:Mn23,500、Mw46,300、Mz75,200;[η]1.44。熱重量分析(昇温速度10℃/分)から、窒素中220℃で分解が開始することが示された。
【0097】
この共重合体(1.0g)をDMF(20mL)に溶解させ、グラスマイクロファイバー製シリンジフィルタを用いてポリメチルペンテン製ペトリディッシュ中に濾過した。ディッシュを窒素パージした乾燥チャンバ内の水平な乾燥台に載置した。乾燥した膜は自然にディッシュから剥がれた。膜を15%硝酸で一夜処理し、脱イオン水で洗浄した後、新鮮な15%硝酸で数時間処理した。膜を脱イオン水で中性になるまで洗浄した。膜を表2に示す面方向導電度測定用に分割した。
【0098】
【表2】

【0099】
実施例9(D100016−199)
【0100】
【化18】

【0101】
グローブボックス内で、大型のスターラーバーおよびセプタムを備えた100mLの丸底フラスコに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(2.42g、8.8mmol)、シクロオクタジエン(0.95g、8.8mmol)、2,2’−ビピリジン(1.37g、8.88mmol)、およびDMAc(10mL)を装入した。フラスコを窒素下に70℃で30分間加熱することにより暗紫色の溶液を得た。グローブボックス内で、セプタムを備えた50mLの丸底フラスコに、N,N’−ビス(7−ブロモ−ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド−3−スルホニル)−オクタフルオロブタン−1,4−ジスルホンアミドナトリウム塩(2.24g、2mmol)、2,2’−ビス−ベンゼンスルホニル−4,4’−ジブロモビフェニル(1.18g、2mmol)、およびDMAc(20mL)を装入した。このフラスコを70℃で撹拌してモノマーを溶解させ、この溶液を窒素下にカニューレを介して反応フラスコに滴下した。70℃で一夜反応させると粘性のある黒色の混合物となり、室温に冷却するとゲル化した。
【0102】
反応混合物を濃塩酸中に注いでポリマーを析出させ、フラスコをメタノールで濯いで洗液を加えた。混合物をブレンダーで細断することによりポリマーを粒状固体にして分散させた。ポリマーを減圧濾過により回収した後、メタノールおよび水で洗浄した。ポリマーをブレンダーに戻して濃塩酸およびメタノールで再度洗浄した後、回収して、メタノールおよび水で洗浄した。このポリマーを一夜風乾させた後、DMAc(50mL)に溶解させた。この溶液を濾過し、次いでブレンダー内で濃塩酸中に注ぎ、フラスコを濃塩酸で濯いで洗液を加えた。ポリマーを減圧濾過により回収し、水で洗浄した。ポリマーをフィルタ上で濃塩酸、次いで水で洗浄した。ポリマーを風乾させた後、窒素パージした50℃の真空オーブン内で乾燥させることにより1:1共重合体2.10gを得た(収率78%)。分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィーによりDMAc中で測定した:Mn59,500、Mw112,000、Mz204,000;[η]0.46。熱重量分析(昇温速度10℃/分)から、窒素中250℃で分解が開始することが示された。
【0103】
この共重合体(0.75g)をDMF(12mL)に溶解させ、100℃に加熱して、グラスマイクロファイバー製シリンジフィルタを用いてポリメチルペンテン製ペトリディッシュ中に濾過した。ディッシュを窒素パージした乾燥チャンバ内の水平な乾燥台に載置し、膜が硬化するまで乾燥させた。窒素パージした100℃の真空オーブン内で乾燥させると膜がディッシュから自然に剥がれた。膜を15%硝酸で一夜処理し、脱イオン水で洗浄した後、新鮮な15%硝酸で一夜処理した。膜を脱イオン水で中性になるまで処理し、風乾させた。膜を表3に示す厚み方向および面方向導電度測定用に分割した。
【0104】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合体を含む膜であって、前記共重合体が、式(I):
【化1】

(式中、Tは、嵩高い芳香族基であり、Mは、1種またはそれ以上の1価の陽イオンであり、mおよびnは、前記共重合体中の繰り返し単位の数を示す整数である)の繰り返し単位を含む、膜。
【請求項2】
Mが、H、Li、Na、またはKであり、Tが、フェニルである、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
前記共重合体の重量平均分子量が、少なくとも30,000である、請求項1に記載の膜。
【請求項4】
請求項1に記載の膜を含む、電気化学セル。
【請求項5】
燃料電池である、請求項4に記載の電気化学セル。
【請求項6】
共重合体を含む膜であって、前記共重合体が、式(IV):
【化2】

(式中、nおよびpは、前記共重合体中の繰り返し単位の数を示す整数であり、Arは、任意選択的に1個またはそれ以上のフッ素で置換されていてもよい、式(V)、(VI)、または(VII):
【化3】

の2価の基であり、
は、任意選択的に1種またはそれ以上のエーテル酸素またはハロゲンで置換されていてもよい、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状のパーフルオロ化アルキレン基であり、
mは、1〜6であり、
M’は、1種またはそれ以上の1価の陽イオンであり、
Tは、嵩高い芳香族基であり、
Qは、S、SO、CO、またはCR(式中、RおよびRは、独立に、1〜10個の炭素原子を有する分枝または環状のパーフルオロ化アルキル基であり、RおよびRが一緒になって環を形成していてもよい)である)の繰り返し単位を含む、膜。
【請求項7】
Mが、K、Na、Li、またはHであり、Tが、フェニルである、請求項6に記載の膜。
【請求項8】
が、2〜10個の炭素原子を有するパーフルオロ化アルキレン基である、請求項6に記載の膜。
【請求項9】
mが、1である、請求項6に記載の膜。
【請求項10】
Arが、(V)であり、Qが、SOである、請求項6に記載の膜。
【請求項11】
請求項6に記載の膜を含む、電気化学セル。
【請求項12】
燃料電池である、請求項11に記載の電気化学セル。

【公表番号】特表2013−515848(P2013−515848A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547254(P2012−547254)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/062292
【国際公開番号】WO2011/082197
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】