説明

ポリイミドシロキサン溶液の製造方法

【課題】 置換基として極性基を有するポリイミドシロキサンからなるポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、特別な設備等を追加することなく、反応溶液の増粘をより簡便で安定的に抑制(制御)できる改良されたポリイミドシロキサン溶液の製造方法を提供すること。
【解決手段】 溶媒中、テトラカルボン酸成分と、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミンを含むジアミン成分とを、重合及びイミド化反応するポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、反応溶液に(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物を加えることを特徴とするポリイミドシロキサン溶液の製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換基として極性基を有するポリイミドシロキサンからなるポリイミドシロキサン溶液の製造方法に関し、特に重合及びイミド化反応工程における増粘現象の抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドシロキサンは、溶媒中で、テトラカルボン酸成分とジアミノポリシロキサンを含むジアミン成分とを重合及びイミド化反応することによってポリイミドシロキサン溶液として製造される。
【0003】
ここで、ジアミン成分として、ジアミノポリシロキサンに加えて、カルボン酸基或いは水酸基などの極性基を有するジアミンを用いて、ポリイミドシロキサン主鎖にそれらの極性基を置換基として導入する場合、ポリイミドシロキサンに導入された極性基同士の相互作用によって反応溶液の粘度が増加する増粘現象が起こり、撹拌が困難になり反応を中断しなければならないなどの問題を生じることがあった。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1には、反応雰囲気に加湿した窒素やアルゴンなどの不活性ガスを供給しながら反応を行う方法が記載されている。
また、特許文献2には、水を反応溶液全重量に対して0.01wt%以上1.1wt%以下の範囲となるように、重合反応で生成する水を反応系内に還流しながら反応を行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−12664号公報
【特許文献2】特開2009−24033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2のような方法でも反応溶液の粘度増加を抑制できるかも知れないが、重合及びイミド化反応は脱水反応であるから、その反応工程にわざわざ水を存在させると反応が抑制されて効率的に反応を行うことが難しくなる。さらに供給する不活性ガスの湿度を一定に制御することや、脱水反応中に反応溶液中の水の量を還流によって一定に制御することは容易とはいえず、改良の余地があった。
すなわち、本発明の目的は、置換基として極性基を有するポリイミドシロキサンからなるポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、特別な設備等を追加することなく、反応溶液の増粘をより簡便で安定的に抑制(制御)できる改良されたポリイミドシロキサン溶液の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の各項に関する。
(1) 溶媒中、テトラカルボン酸成分と、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミンを含むジアミン成分とを、重合及びイミド化反応するポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、反応溶液に(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物を加えることを特徴とするポリイミドシロキサン溶液の製造法。
【0008】
(2) (b)極性基を有するジアミンの極性基の合計量に対して、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価アルコール化合物のアルコール性OH基が0.5倍当量以上であることを特徴とする前記項1に記載のポリイミドシロキサン溶液の製造法。
【0009】
(3) (c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価アルコール化合物が、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン、及びブタントリオールから選択される少なくとも1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする前記項1または2に記載のポリイミドシロキサン溶液の製造法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、置換基として極性基を有するポリイミドシロキサンからなるポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、特別な設備等を追加することなく、反応溶液の増粘をより簡便で安定的に抑制(制御)できる改良されたポリイミドシロキサン溶液の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、溶媒中、テトラカルボン酸成分と、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミンを含むジアミン成分とを、重合及びイミド化反応するポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、反応溶液に(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物を加えることを特徴とするポリイミドシロキサン溶液の製造法に関する。
【0012】
本発明において、溶媒は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを好適に重合及びイミド化して均一に溶解したポリイミドシロキサン溶液を得るための溶媒環境を与えるものであれば特に限定されないが、溶解性が優れる有機極性溶媒が好ましい。有機極性溶媒としては、窒素原子を含有する溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、硫黄原子を含有する溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、酸素原子を含有する溶媒、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラグライム、ジオキサン、イソホロン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなど、その他ピリジン、テトラメチル尿素などを挙げることができる。
【0013】
テトラカルボン酸成分としては、ポリイミドを製造する際に用いられるテトラカルボン酸成分であればいずれも好適に用いることができる。特に限定するものではないが、例えば2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ヘキサフルオロプロパン、ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(3,4−フェノキシジカルボン酸)フェニル〕プロパン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンなどの芳香族テトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコールのエステル化物、及び、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4.5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,4,5−テトラカルボン酸などの脂環族系テトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコールのエステル化物を好適になどを挙げることができる。テトラカルボン酸成分は、ジアミンと反応させることが容易なテトラカルボン酸二無水物を用いることが好適である。
【0014】
ジアミン成分は、少なくとも(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミンを含む。
(a)ジアミノポリシロキサンは、分子内にシリレン骨格を有するジアミン化合物を好適に用いることができるが、下記化学式(1)のジアミノポリシロキサンであることが好適である。
【0015】
【化1】

但し、化学式(1)において、R1は2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を示し、R2は独立に1価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を示し、n1は2〜50の整数を示す。
また、化学式(1)中、R1は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基、特にプロピレン基が好ましく、R2は独立に炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基が好ましく、n1は3〜50、特に3〜20が好ましい。ジアミノポリシロキサンのアミノ基は保護基で保護されていても良い。尚、ジアミノポリシロキサンが2種以上の混合物からなる場合は、n1はアミノ当量から計算される。
【0016】
(a)ジアミノポリシロキサンの例としては、例えばα,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0017】
(b)極性基を有するジアミンをポリイミドシロキサンに導入する目的は、例えば、硬化性樹脂との硬化反応を可能にしたり、ポリマーとしての特性を改良したりするためである。極性基としては、限定するものではないが、カルボキシル基、或いはフェノール性水酸基などを挙げることができる。分子中にエポキシ樹脂あるいはイソシアネートとの反応性を持った極性基を有する芳香族ジアミンが好適であり、好ましくは下記化学式(2)で表わされる芳香族ジアミンを挙げることができる。
【0018】
【化2】

化学式(2)において、X及びYは、それぞれ独立に、直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環又はSOを示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2、好ましくは0又は1であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。
【0019】
化学式(2)で示されるジアミンの例としては、2,4−ジアミノフェノ−ルなどのジアミノフェノ−ル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ハイドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルエ−テルなどのヒドロキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルスルホンなどのヒドロキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(ハイドロキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(ハイドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(ハイドロキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
【0020】
さらに、化学式(2)で示されるジアミンの例としては、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸などのベンゼンカルボン酸類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエ−テルなどのカルボキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルホンなどのカルボキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのCOOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
【0021】
本発明のジアミン成分は、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミン以外の(d)他のジアミンを必要に応じて含んでも構わない。(d)他のジアミンとしては、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミン以外のジアミンであれば特に限定されるものではないが、下記化学式(3)で示される複数のベンゼン環からなる芳香族ジアミンが好適である。
【0022】
【化3】

化学式(3)において、X及びYは、それぞれ独立に、直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環又はSOを示し、n5は1又は2である。
【0023】
化学式(3)で示されるジアミンの例としては、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン環を1個有するジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エ−テル、ビス(3−アミノフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジン、o−トリジン、トリジンスルホン酸類などのベンゼン環を2個有するジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン環を3個有するジアミン類、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン環を4個以上有するジアミン類などのジアミン化合物が挙げられる。
【0024】
ジアミン成分は、限定するものではないが、好ましくは30〜90モル%より好ましくは50〜90モル%の(a)ジアミノポリシロキサン、好ましくは5〜70モル%より好ましくは10〜60モル%の(b)極性基を有するジアミン、及び好ましくは5〜65モル%より好ましくは10〜60モル%の(d)他のジアミン、の割合で好適に使用することができる。
【0025】
本発明において、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物は、溶媒中、テトラカルボン酸成分と、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミンを含むジアミン成分とを、重合及びイミド化してポリイミドシロキサン溶液を得る際に、ポリイミドシロキサンに置換基として導入された極性基同士の相互作用による反応溶液の粘度増加を好適に抑制(制御)する役割を有する。これら以外のアルコール化合物、例えば炭素数が3個未満の1価のアルコール化合物を用いたのでは、反応溶液の粘度増加を好適に抑制(制御)するのは難しくなる。
【0026】
(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物として、好ましくは、(i)ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノールなどの炭素数が4個以上(特に炭素数が5個以上)の1価のアルキルアルコール化合物、及び/又は(ii)ベンジルアルコールなどの置換基として芳香族環を有する化学構造からなる炭素数が4個以上(特に炭素数が5個以上)の1価のアルキルアルコール化合物、及び/又は(iii)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価のアルコール化合物の水酸基がエーテル化された化学構造からなる炭素数が3個以上(特に炭素数が4個以上)の1価のアルコキシアルキルアルコール化合物、及び/又は(iv)エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン、ブタントリオールなどの炭素数が2個以上(特に炭素数が3個以上)の多価のアルコール化合物からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上の混合物である。
【0027】
(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物として、より具体的には、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン、及びブタントリオールからなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
【0028】
また、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物としては、好ましくは沸点が100℃以上の化合物であるが、通常は炭素数が18個以下好適には10個以下程度であることが好ましい。炭素数が多くなるとアルコール化合物が高沸点になり過ぎて、ポリイミドシロキサン溶液を用いる際に、溶液中のアルコール化合物を分離することが困難になる。
【0029】
本発明において、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物の使用量は、(b)極性基を有するジアミンの極性基の合計量に対して、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価アルコール化合物のアルコール性OH基が、好ましくは0.5倍当量以上、より好ましくは0.8倍当量以上、更に好ましくは1.0倍当量以上であって、好ましくは10.0倍当量以下、より好ましくは5.0倍当量以下、更に好ましくは2.0倍当量以下になるように使用するのが好適である。使用量が少な過ぎる場合には、反応溶液の粘度増加を十分に抑制できなくなる場合がある。なお、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物の使用量は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを好適に重合及びイミド化して均一に溶解したポリイミドシロキサン溶液を得るための溶媒環境を与える範囲内で好適に用いることができるが、通常は前記以下程度が好適である。
【0030】
本発明において使用するテトラカルボン酸成分とジアミン成分との割合は、略等モル、好ましくはジアミン成分1モルに対してテトラカルボン酸成分が0.95〜1.2、より好ましくは1.0〜1.1モル程度の割合が好適である。
【0031】
本発明のポリイミドシロキサン溶液の製造法において、テトラカルボン酸成分とジアミン成分との重合及びイミド化反応は、ランダム、ブロックのいずれにより行っても良いが、最初の工程で、テトラカルボン酸成分と(a)ジアミノポリシロキサン及び/又は(d)他のジアミンとを順次又は同時に反応させた後で、最後の工程で、反応混合液に(b)極性基を有するジアミンを加えて重合及びイミド化反応を行う、段階的反応工程で行うことが好適である。
【0032】
本発明のポリイミドシロキサン溶液の製造法において、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物は、重合及びイミド化反応中に反応溶液に加えて高粘度化を抑制するものであるが、反応溶液が高粘度化した後に加えても高粘度化を抑制できるし、また反応初期から加えても高粘度化を抑制できる。
(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物は、好ましくは、重合イミド化反応が進んで生成水の生成がほぼ終了した(反応系内からの生成水の留出がほぼ終了した)後であって反応溶液が高粘度化する前に加える方法が好適である。
特に、最初の工程で、テトラカルボン酸成分と(a)ジアミノポリシロキサン及び/又は(d)他のジアミンとを順次又は同時に反応させた後で、最後の工程で、反応溶液に(b)極性基を有するジアミンを加えて重合及びイミド化反応を行なう段階的反応工程を採用し、前記最後の工程で反応溶液に(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物を加えて更に重合及びイミド化反応を行うことが、反応効率を高めるうえで好適である。
【0033】
本発明のポリイミドシロキサン溶液の製造方法は、反応溶液中のテトラカルボン酸成分とジアミン成分に起因する固形分濃度が、1〜70質量%の濃度で好適に行なうことができる。特に高濃度の20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上の濃度で反応する時には、反応溶液が容易に高粘度化して撹拌停止などの問題を生じ易いので、本発明は特に有効である。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分との重合及びイミド化反応は、通常は100℃以上、好ましくは150℃以上に加熱して好適に行われる。加熱温度の上限は通常は300℃以下、好ましくは250℃以下である。また、反応時間は通常は0.1〜48時間程度であり、反応雰囲気は限定しないが通常は常圧であって、空気又は窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうのが好適である。
【0034】
本発明のポリイミドシロキサン溶液は、用途に応じて従来公知の種々の成分、すなわちエポキシ樹脂、ジイソシアネート化合物、フェノール樹脂などの硬化性成分、さらには有機または無機フィラー、顔料、消泡剤、たれ防止剤、密着性改良剤などを好適に加えた組成物とすることができる。この組成物は、例えばフレキシブル配線板上にスクリーン印刷などで塗布し硬化して絶縁膜として好適に用いることができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明について具体例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0036】
使用した原材料は以下の通りである。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DAPSi:α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン
BAPP:2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
MBAA:3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
DABA:3,5−ジアミノ安息香酸
DEGmM:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
DEGmB:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
PDL:1,2−プロパンジオール
【0037】
以下の各例において測定、評価は次の方法で行った。
〔溶液粘度〕
東機産業株式会社製E型粘度計TV−22を用い、温度25℃で、回転数10rpmにてポリイミドシロキサン溶液の粘度を測定した。
【0038】
〔固形分濃度〕
ポリイミドシロキサン溶液を200℃で1時間加熱し、加熱前の試料質量(w1)と加熱後の試料質量(w2)から、次式により固形分濃度を測定した。
固形分濃度(%)=〔w2/w1〕×100
【0039】
〔イミド化率〕
ポリイミドシロキサン溶液中のCOOH基(c1)を滴定により定量し、仕込み量から計算されるイミド基の理論生成量(c2)及びMBAA由来のCOOH基量(c3)から、次式によりイミド化率を測定した。
イミド化率(%)=〔c2−(c1−c3)〕/c2 ×100
【0040】
〔実施例1〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム198.5gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量410)172.2g(210mmol)とトリグライム5gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム5gとを加えて4時間、MBAA12.02g(42mmol)とトリグライム34.4gとを加えて5.5時間、DEGmM10.1g(84mmol)を添加し更に4.5時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度5Pa・s、固形分濃度53%、イミド化率99%であった。
【0041】
〔実施例2〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム128gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量415)174.3g(210mmol)とトリグライム10gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム30gとを加えて4時間、MBAA12.02g(42mmol)とトリグライム62gとを加えて2時間、DEGmB15.0g(92mmol)を添加し更に8時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度6Pa・s、固形分濃度54%であった。
【0042】
〔実施例3〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム165gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量410)172.2g(210mmol)とトリグライム5gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム15gとを加えて4時間、MBAA12.02g(42mmol)とトリグライム58gとを加えて5.5時間、PDL3.2g(42mmol)を添加し更に4時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度24Pa・s、固形分濃度53%であった。
【0043】
〔実施例4〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム165.8gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量410)172.2g(210mmol)とトリグライム5gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム15gとを加えて4時間、MBAA12.02g(42mmol)とトリグライム55gとを加えて2時間、PDL3.2g(42mmol)を添加し更に6時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度15Pa・s、固形分濃度54%であった。
【0044】
〔実施例5〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム162.6gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量410)172.2g(210mmol)とトリグライム5gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム15gとを加えて4時間、MBAA12.02g(42mmol)とトリグライム55gとを加えて2時間、PDL6.4g(84mmol)を添加し更に6時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度5Pa・s、固形分濃度54%であった。
【0045】
〔実施例6〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム190gとを加えて80℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量410)172.2g(210mmol)とトリグライム4gとを加えながら175℃に昇温し、175℃で2.5時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)及びトリグライム5g、さらにMBAA12.02g(42mmol)及びトリグライム45gを加えて6時間、PDL3.2g(42mmol)を添加し更に6時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度12Pa・s、固形分濃度54%であった。
【0046】
〔実施例7〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA71.32g(242mmol)と溶媒のトリグライム242.7gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量415)139.44g(168mmol)とトリグライム5gとを加えて20分撹拌後、170℃に昇温して5時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP14.78g(36mmol)とトリグライム15gとを加えて5時間、DABA5.48g(36mmol)とトリグライム60gとを加えて8.5時間、PDL0.7g(9mmol)を添加し更に1時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この間、反応溶液が攪拌軸に絡み付くことがなく、攪拌を継続して安定的に反応を続けることができた。
得られたポリイミドシロキサン溶液は、溶液粘度6Pa・s、固形分濃度41%であった。
【0047】
〔比較例1〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム150gとを加えて80℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量415)174.3g(210mmol)とトリグライム10gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム38gとを加えて4時間、MBAA12.02g(42mmol)とトリグライム50gとを加えて5.7時間、反応系内から水を除去しながら撹拌した。この時点で反応溶液が攪拌軸に絡み付き、反応を継続することができなくなった。
【0048】
〔比較例2〕
撹拌装置、温度計及び窒素導入管を備えた容量500ミリリットルのガラス製セパラブルフラスコに、a−BPDA89.6g(305mmol)と溶媒のトリグライム160gとを加えて120℃に昇温し、DAPSi(アミノ当量440)184.8g(210mmol)とトリグライム20gとを加えて20分撹拌後、175℃に昇温して6時間反応系内から水を除去しながら撹拌した。引き続いてBAPP19.7g(48mmol)とトリグライム20gとを加えて4時間、MBAA12.01g(42mmol)とトリグライム50gとを加えて2時間、エタノール3.86g(84mmol)を添加し更に反応系内から水を除去しながら撹拌した。3時間撹拌した時点で反応溶液が攪拌軸に絡み付き、反応を継続することができなくなった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によって、置換基として極性基を有するポリイミドシロキサンからなるポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、特別な設備等を追加することなく、反応溶液の増粘をより簡便で安定的に抑制(制御)できる改良されたポリイミドシロキサン溶液の製造方法を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒中、テトラカルボン酸成分と、(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)極性基を有するジアミンを含むジアミン成分とを、重合及びイミド化反応するポリイミドシロキサン溶液の製造方法において、反応溶液に(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価のアルコール化合物を加えることを特徴とするポリイミドシロキサン溶液の製造法。
【請求項2】
(b)極性基を有するジアミンの極性基の合計量に対して、(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価アルコール化合物のアルコール性OH基が0.5倍当量以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドシロキサン溶液の製造法。
【請求項3】
(c)炭素数が3個以上の1価のアルコール化合物及び/又は炭素数が2個以上の多価アルコール化合物が、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン、及びブタントリオールから選択される少なくとも1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドシロキサン溶液の製造法。

【公開番号】特開2012−17402(P2012−17402A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155343(P2010−155343)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】