説明

ポリエステルポリオール、それを用いたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物、及びイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム

【課題】イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの原料として使用した際に発泡剤の使用量を削減するとともに、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物の保存安定性を高め、さらには得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの脆さを改善するポリエステルポリオール及びイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物を提供する。
【解決手段】ポリエステルポリオールの製造原料であるカルボン酸成分として炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸及び/又は炭素数6〜12の芳香族多価カルボン酸を用い、且つ、アルコール成分の少なくとも一部として2級水酸基を有する官能基数3以上の多価アルコールを用いることにより、発泡剤の大きな削減効果を発現するポリエステルポリオールが得られるとともに、そのポリエステルポリオールをポリオール成分の一部としてイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン、特に、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの製造において、ポリオール組成物として好適に用いることができるポリエステルポリオールと、そのようなポリオール組成物をポリオール成分の一部として用いるイソシアヌレート変性ウレタンフォーム用組成物及びイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームに関する。詳しくは、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの原料として使用した際に発泡剤の使用量を低減するとともに、ポリオール成分の一部としてイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物に用いた場合にその保存安定性を高め、さらには得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの脆さ等の物性を改善するポリエステルポリオールと、その改善された物性を有するイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物及びイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは優れた断熱特性を有することから、冷蔵室、冷蔵庫、冷凍室、冷凍庫、一般建造物の断熱材等に広く用いられている。ポリウレタンフォームは、一般にポリイソシアネート成分液(以下、A液と略記)と、ポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルポリオール、発泡剤、さらに必要に応じて触媒や整泡剤等を混合した混合液(以下、B液と略記)を用意し、A液とB液を混合して、短時間で発泡、硬化させる方法で製造される。
【0003】
ポリウレタンフォームに求められる最も重要な性能の1つとして難燃性が挙げられる。ポリウレタンフォームの難燃性を高めるために、含ハロゲンリン酸エステルのような難燃剤を配合することや、フタル酸系のポリエステルポリオールをポリオール成分の一部として配合されるほか、イソシアネートインデックスを上げてポリウレタンフォームのイソシアヌレート変性を行うことで難燃性を向上させることが一般的である。
【0004】
発泡剤としては、一般的に低沸点無極性有機溶媒が用いられ、具体的には、HCFC系発泡剤の他、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤が用いられている。また、用途やポリウレタンフォームの製造条件によっては、引火点が低く爆発性を有するHC系発泡剤では実用上問題があり、HCFC系発泡剤が多用されている。
【0005】
一方、オゾン層破壊が問題となって以来、それまで汎用的に用いられてきたCFC系発泡剤、特にCFC−11e等からオゾン破壊係数の小さいHCFC系発泡剤、特にHCFC−141bが現在は代替使用されている。しかしこのHCFC−141bもオゾン破壊係数がゼロではなく、2003年末以降使用が制限されており、その代替品としては、HFC系発泡剤、特にHFC−245faやHFC−365mfcが用いられているほか、HC系発泡剤等も有望な発泡剤となっている。
【0006】
現在、及び将来使用が想定されるこれらの発泡剤を用いた場合の共通の問題点として、それらの発泡剤が地球温暖化物質であることが挙げられ、環境に対する負荷が大きいことから近年重大な環境問題として取り上げられている。さらには、それらの発泡剤はほとんどが非常に高価なものであり、環境保護の観点からも、また経済的にもその使用量を削減することが大変望ましい。
【0007】
これらの発泡剤を全く使わず、水とポリイソシアネート成分との反応で生成する炭酸ガスを発泡剤として用いる完全水発泡の技術もかなり進んでいるが、従来のHCFC系発泡剤、HFC系発泡剤を用いた発泡処方と比較して、反応性や発泡効率の低下(高密度化)、成形体表面の脆さの悪化、得られるフォームの強度低下、寸法安定性の低下、特に被着部材との接着強度の低下を生じやすいほか、セル内のガスが全て炭酸ガスであるために断熱性が低く、断熱性能が必要な分野では用いることが難しい。このような問題に対処するために、ポリウレタンフォームの密度を高めることがある程度有用ではあるものの、工業化、商品化を考えた場合にまだまだ満足のできるものではない。
【0008】
一方で、HCFC系発泡剤、HFC系発泡剤、HC系発泡剤を用いる処方においても、環境への配慮、コスト削減の面からも水を多く配合する処方(特許文献1参照)が検討されているものの、水とポリイソシアネート成分との反応によって生成するウレア基の増加により、ポリウレタンフォームの脆さが大きくなり、さらに接着強度の低下を引き起こすこともある。
【0009】
特に、発泡剤もしくはその一部として水を用いた場合の共通の問題点として、配合液中のポリエステルポリオールが加水分解を起こして正常な発泡ができなくなるという問題がある。一般的なエアレススプレー用の配合液は、難燃性の高いポリウレタンフォームを得るためにポリエステルポリオールを配合するが、配合されてから実際に使用されるまでに1〜2ヶ月の期間貯蔵されることもあり、ポリエステルポリオールの加水分解で当初の反応性が短期間のうちに失われ、ポリウレタンフォームの製造が困難になる。ポリエステルポリオールの加水分解を触媒としてイミダゾール系化合物を用いることで抑制し、その貯蔵安定性を高める方法(特許文献2参照)も提案されているが、やはりポリエステルポリオールの加水分解を完全に防ぐことは不可能であり、問題の解決には至っていない。
【0010】
HCFC系発泡剤、HFC系発泡剤、HC系発泡剤等の使用量を効果的に削減する方法として、トルエンジアミンのアルキレンオキサイド付加物からなる特定構造のポリエーテルポリオールを用いる方法(特許文献3参照)や、N−アミノエチルピペラジンのアルキレンオキサイド付加物からなる特定構造のポリエーテルポリオールを用いる方法(特許文献4参照)が提案されている。この方法によれば、発泡時に上記ポリエーテルポリオールから何らかの機構で炭酸ガスが発生する副反応が生じ、この副生した炭酸ガスが同時に発泡剤として作用することでHCFC系発泡剤、HFC系発泡剤、HC系発泡剤等の使用量削減をはかりうるものである。
【0011】
しかしながら、このようなトルエンジアミン系ポリエーテルポリオールやN−アミノエチルピペラジン系ポリエーテルポリオールの製造方法は、一般的なポリエーテルポリオールと同様にトルエンジアミンあるいはN−アミノエチルピペラジンへの無触媒でのエチレンオキサイドの付加の後、アルカリ存在下でプロピレンオキサイドの付加、さらにアルカリを中和して生成する塩を濾別した後に脱水を行い、さらに安定剤を加えるという多段階の工程であり、製造時にかかるコストが一般的なポリエステルポリオールに比べて非常に大きい。また製品自体の粘度が高く配合に不利なばかりか、発泡剤の削減効果もそれほど大きくなく、添加量を増やせば難燃性、接着性、脆さ、寸法安定性等、他の物性の低下を引き起こすなど、コストに見合う効果を考えた場合に全く満足できるものではない。
【0012】
一方、アジピン酸のような脂肪族多価カルボン酸と、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンのような脂肪族多価アルコールをエステル化反応させて得られる特定官能基数のポリエステルポリオールは公知である。例えば、脂肪族多価カルボン酸、3価以上を含む脂肪族多価アルコールを用いた官能基数2.0〜4.0程度のポリエステルポリオールの製造法及びそれを用いた硬質ウレタンフォーム用組成物、硬質ウレタンフォーム等が提案されている。(特許文献5参照) これらはポリエステルポリオールの官能基数を上げることにより、得られるポリウレタンフォームの強度、寸法安定性の向上を謳ったものである。しかしながら、このようなポリエステルポリオールを用いることにより発泡剤の使用量を削減し得るといったことについては何等言及されておらず、実施例、比較例においてもそのような効果は全く認められていない。以上、述べたように、これまでの公知文献に記載のウレタンフォーム製造技術において、発泡剤の削減効果が顕著に発現し、産業上の優位性を見いだせるポリエステルポリオールや、ポリウレタンフォーム用組成物は知られていない。
【特許文献1】特開2003−277461
【特許文献2】特開2004−59900
【特許文献3】特公平7−108939
【特許文献4】特開平7−97429
【特許文献5】特許第3651038号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、(1)ポリエーテルポリオールに比べて分子間の凝集力が強く、難燃性、接着性等の物性低下を招かず、さらには発泡剤の大きな削減効果を発現することのできるポリエステルポリオールを提供すること、(2)当該ポリエステルポリオールを用いた貯蔵安定性に優れたポリウレタンフォーム用組成物を提供すること、(3)ポリエステルポリオールの加水分解を抑制し、その貯蔵安定性を高めることにより、優れた物性を有するポリウレタンフォームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの本目的を達成すべく、鋭意検討した結果、特定の製法及び特定の構造的特徴を備えたポリエステルポリオールを原料として用いることにより、ポリウレタンフォーム製造時の発泡剤使用量を削減できるとの知見を得た。即ち、ポリエステルポリオールの製造原料であるカルボン酸成分として炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸及び/又は炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸を用い、且つ、アルコール成分の少なくとも一部として2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを用いることにより、発泡剤の大きな削減効果を有するポリエステルポリオールが得られるとともに、そのポリエステルポリオールをポリオール成分の一部としてポリウレタンフォーム用組成物に用いることで結果的にその貯蔵安定性を高め、さらには得られるポリウレタンフォームの脆さや接着性等の物性を改善できることを見いだし、本発明を完成させた。
【0015】
本発明の作用効果を確認するため、ウレタンフォームのセル内のガス組成について検討したところ、本発明のグリセリンのような2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを原料としたポリエステルポリオールを用いて、イソシアネートインデックスが130以上の条件で発泡させたイソシアヌレート変性硬質ウレタンフォームから想像以上の炭酸ガスが検出された。
硬質ウレタンフォームは独立気泡であり、短期間では外気とのガス置換がほとんど起こらない。このため発泡直後のセル内のガス組成は発泡剤組成に等しくなるため、発泡中に炭酸ガスが発生していることが示唆された。発泡原料に水を積極的に添加しない場合でも、若干の水(100ppm程度)が存在するため炭酸ガスが発生することは避けられないが、実際に検出された炭酸ガスはそのような水に由来する理論量をはるかに超えるものであった。このことから、本発明におけるポリエステルポリオールからは、発泡時に何らかの機構で水が生成し、この水がさらにイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生させていることが推測された。
【0016】
一方、イソシアネートインデックスが130未満の条件で発泡させたポリウレタンフォームからは、炭酸ガスがほとんど検出されなかった。また、イソシアネートインデックスが130以上の条件で発泡させたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームであっても、本発明のグリセリンのような2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを含む多価アルコールを原料としたポリエステルポリオールに代えて、トリメチロールプロパンのような2級水酸基を有さない官能基数3以上の多価アルコールを含む多価アルコールを原料としたポリエステルポリオール用いた場合、炭酸ガスがほとんど検出されなかった。このことから、過剰のポリイソシアネート成分の存在下、ポリエステルポリオールの2級水酸基は、ポリイソシアネート成分との反応によりウレタン結合を形成するよりも速く脱離反応を起こし、脱離した水が過剰のポリイソシアネート成分と反応することで炭酸ガスが発生することが推測された。つまり、ポリエステルポリオールが2級の水酸基を有することと、過剰のポリイソシアネート成分が存在するイソシアネートインデックス130以上であることが本発明の効果を発現する上で重要であると言える。
【0017】
さらに、HCFC系発泡剤、HFC系発泡剤、HC系発泡剤を用いる処方においても物性面の考慮、発泡剤コスト削減の目的から少量の水を添加することが一般的であるが、ポリオール成分としてポリエステルポリオールを配合する場合には前述したように加水分解による配合液の貯蔵安定性の低下が問題となる。しかしながら、本発明のポリエステルポリオールからは発泡中に少量の水が副生すると考えられるため、発泡原料に積極的に水を添加する必要がない。このことが、結果的にポリエステルポリオールの加水分解を抑制し、配合液の貯蔵安定性の向上につながる。また、本発明により得られたポリエステルポリオールは、従来汎用的に用いられているポリエステルポリオールと同様に、ポリウレタンの一構成成分としてポリウレタンの分子内に組み込まれるため、ポリウレタンフォームの物性を損なうことなく、上記の特性を発揮することができる。
【0018】
即ち、本発明は、以下を特徴とする要旨を有するものである。
(1) カルボン酸成分及びアルコール成分をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールであって、ウレタンフォーム製造時にポリオール成分として用いた際に、該ポリエステルポリオール100重量部に対し1〜10重量部の脱離水に相当する脱離可能な水酸基を有することを特徴とするポリエステルポリオール。
(2) カルボン酸成分が炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸であり、アルコール成分が2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを含む多価アルコールであることを特徴とする(1)に記載のポリエステルポリオール。
(3) カルボン酸成分が炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸及び炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸であり、アルコール成分が2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを含む多価アルコールであることを特徴とする(1)に記載のポリエステルポリオール。
(4) 2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールがグリセリンであることを特徴とする、(2)又は(3)に記載のポリエステルポリオール。
(5) 炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸がコハク酸又はアジピン酸であることを特徴とする(2)又は(3)に記載のポリエステルポリオール。
(6) (a)ポリイソシアネート、(b)ポリオール、(c)発泡剤、(d)触媒、(e)界面活性剤及び(f)その他助剤からなるイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物において、(1)乃至(5)のいずれかに記載のポリエステルポリオールを、(b)ポリオール成分の1〜40重量%用いることを特徴とするイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
(7) イソシアネートインデックスが130以上であることを特徴とする(6)に記載のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
(8) (c)発泡剤として、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤であることを特徴とする(6)に記載のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
(9) (c)発泡剤として、HCFC系発泡剤、HFC系発泡剤及びHC系発泡剤からなる群より選ばれた1種以上の発泡剤であることを特徴とする(6)に記載のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
(10) (6)乃至(9)のいずれかに記載のイソシアヌレート変性ウレタンフォーム用組成物を発泡硬化させてなることを特徴とするイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの原料として使用した際に発泡剤の使用量を削減するとともに、ポリオール成分の一部としてイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物に用いた場合にその保存安定性を高め、さらには得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの脆さ等の物性を改善するポリエステルポリオールと、その改善された物性を有するイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物及びイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明におけるポリエステルポリオールは、好適には、ポリウレタン、特にイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームに使用されるポリエステルポリオールであって、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分から得られるポリエステルポリオールである。
【0021】
本発明において、ポリエステルポリオールの原料であるカルボン酸成分としては、炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸や炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸が挙げられる。炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸等が挙げられ、炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、単独であっても混合物であっても良いが、芳香族多価カルボン酸のみを使用した場合、粘度が高くなりすぎる傾向があるため、例えば、炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸のみ、或いは炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸と炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸の組み合わせが好ましい。
【0022】
これらのカルボン酸成分のうち、脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸又はアジピン酸を使用することが好ましい。コハク酸又はアジピン酸の好ましい使用量は、全カルボン酸成分の30mol%以上、好ましくは50mol%以上、さらに好ましくは70mol%以上であり、カルボン酸成分の全量をコハク酸又はアジピン酸としても良い。コハク酸又はアジピン酸の使用量が全カルボン酸成分の30mol%未満では、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの脆さを改善させる効果が小さい。また得られるポリエステルポリオールの粘度が高くなり作業性が悪化するほか、発泡剤との相溶性も悪化させる可能性がある。尚、本発明のコハク酸又はアジピン酸には、無水コハク酸又は無水アジピン酸をも含めるものとし、また、コハク酸又はアジピン酸のかわりに、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数が1〜8のモノアルコールでエステル化されたもの、例えばジメチルコハク酸又はジメチルアジピン酸等を用いてもよい。これらの場合の使用量は、コハク酸に換算したmol%で計算するものとする。本発明の効果を害しない範囲で、コハク酸又はアジピン酸の製造工程で得られるようなクルード品、例えばアジピン酸、グルタル酸、コハク酸の混合物を用いても構わない。
【0023】
カルボン酸成分の全量をコハク酸又はアジピン酸としない場合、コハク酸やアジピン酸以外の脂肪族ジカルボン酸、または、脂肪族トリカルボン酸を使用することができる。好適な脂肪族カルボン酸成分としては、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これら脂肪族ポリカルボン酸以外のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸などの炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸を用いてもよい。これらコハク酸以外のカルボン酸成分のうち、特に好ましいのは、フタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸である。尚、これらのカルボン酸類は、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数が1〜8の1価のアルコールでエステル化されたもの、例えばジメチルテレフタル酸等を用いても構わない。
【0024】
本発明において、ポリエステルポリオールの原料であるアルコール成分の一部として、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを用いることが必須である。2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしては、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール、シュークロース、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいのはグリセリンである。2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールの使用量は、全アルコール成分の30mol%以上であり、好ましくは40mol%以上、さらに好ましくは50mol%以上であり、アルコール成分の全量を、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしても良い。2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールの使用量が全アルコール成分の30mol%未満では、発泡剤の使用量を削減させる効果が小さい。
【0025】
アルコール成分の全量をグリセリン、あるいは2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしない場合、それ以外の多価アルコールを併用することができる。通常、併用される他のアルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール、及びトリメチロールプロパン等のトリオール等が挙げられるほか、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレン共重合グリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等の長鎖ポリエーテルポリオールを用いても構わない。これらグリセリン以外のアルコール成分のうち、特に好ましいのは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールである。
【0026】
本発明におけるポリエステルポリオールの水酸基価としては、200〜600mgKOH/gの範囲であり、好ましくは300〜500mgKOH/gの範囲である。水酸基価が200より小さいと粘度が上昇し取り扱いが困難になる。また600より大きいとイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの物性が低下するほか、ポリイソシアネート成分の使用量が増加しコスト的にも不利となる。
【0027】
本発明におけるポリエステルポリオールの官能基数は、通常、2.5〜6.0の範囲である。好ましくは3.0〜5.0の範囲である。官能基数が2.5より小さいと発泡剤の使用量を削減させる効果が小さくなるほか、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの物性が低下してしまい好ましくない。また6.0より大きいと粘度が上昇し取り扱いが困難になるほか、発泡剤の使用量を削減させる効果も頭打ちとなる。
【0028】
また、ポリエステルポリオールの粘度を下げる方法として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール等の1価のアルコールを用いることもできる。但し、これらの1価のアルコールを用いた場合、水酸基価と官能基数が上記の範囲から外れないようにすることが重要である。さらにポリエステルポリオールの合成において反応系外に留出して収率を悪化させたり、ポリウレタンの強度や耐熱性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、実用上問題とならない範囲で使用することが好ましい。
【0029】
本発明におけるエステル化反応においては、通常、エステル化触媒が用いられる。触媒としては、一般に酸触媒が用いられることが多い。ルイス酸としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステルや、ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物や、酸化亜鉛等の金属化合物が用いられる。また、ルイス酸の他には、パラトルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を用いても構わない。
【0030】
一方、得られたポリエステルポリオールは、ポリイソシアネート成分とウレタン化反応してポリウレタンとなるが、この際、ポリエステルポリオールの合成に用いた触媒が、ウレタン化反応の反応挙動に影響を及ぼさない方が望ましい。そのため、上記のエステル化触媒の中では、オルトチタン酸エステルが好ましく、使用量についても、原料に用いるカルボン酸成分とアルコール成分の合計に対して、通常、1.0重量%以下、好ましくは0.2重量%以下で、通常、0.01重量%以上、好ましくは0.03重量%以上である。ポリウレタンの用途によっては、これらのエステル化触媒を用いないで反応しても構わないし、反応後に精製で取り除いても構わない。
【0031】
反応温度は、通常、150℃以上、好ましくは180℃以上で、通常、250℃以下、好ましくは230℃以下の範囲で行われる。例えば、150℃で反応を開始し、反応の進行に伴って230℃まで徐々に昇温するような条件であれば、反応を制御し易い。一方、反応圧力は常圧でも構わないが、副生する水を系外に除去し、反応を速やかに完結させるために反応の進行に伴って、徐々に減圧すると良い。ただし、反応時の減圧度が不足するとエステル化反応の完結度が低くなり、酸価の高いポリエステルポリオールが生成してしまう。一方、反応時に過度に減圧してしまうと、アルコール成分が系外に留去され収率を損なうばかりか、高分子量のポリエステルポリオールを形成し、得られたポリエステルポリオールの粘度を著しく上昇させると共に、発泡剤に対する相溶性を低下させる傾向を示す場合もある。従って、適切な到達反応圧力は、反応温度によっても異なるが、例えば、反応温度が200℃の場合においては、圧力は、通常、2kPa以上、好ましくは5kPa以上で、通常、50kPa以下、好ましくは30kPa以下であるが、目標とするポリエステルポリオールの粘度や水酸基価、用いるアルコールの種類、使用量によっては、上記の圧力範囲以外の条件で反応を行っても構わない。また、減圧する代わりに、トルエン、キシレン等の有機溶媒を少量併用して、副生する水を系外に共沸させて除去しても構わない。
【0032】
反応の終点は、ポリエステルポリオールの場合には、通常、用いた多価カルボン酸の未反応カルボキシル基の量で決定する。一方、ポリウレタンの用途においては、ポリイソシアネート成分とのウレタン化反応に対して、酸の存在は反応性を低下させる等好ましくない場合が多い。従って、ポリエステルポリオールについても、未反応のカルボン酸の量、即ち酸価は出来るだけ低い方が好ましい。イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの用途において、酸価は、通常、5mgKOH/g以下、好ましくは3mgKOH/g以下、さらに好ましくは1mgKOH/g以下である。また、さらに厳しいウレタン化反応条件下では、0.5mgKOH/g以下が望まれる場合がある。
【0033】
また、エステル化合物の平均官能基数を一定の目標値に保ち、及び/または平均分子量を一定に保つには、エステル化反応中にエステル交換反応に伴って平衡状態にあるアルコール成分を極力反応系外に留出させないことが重要である。アルコール成分の留出が多すぎると、エステル化合物の平均官能基数が当初の製品設計に対して異なったものになったり、平均分子量が大きくなり、その結果得られるポリエステルポリオールの粘度が著しく大きくなったりして好ましくない。従って、エステル化反応中に系外に留出するアルコール成分の量は、全アルコール成分に対して、通常、5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。但し、目標とするポリエステルポリオールの粘度や水酸基価、用いるアルコール成分の使用量によっては、上記の範囲を超えてアルコール成分を留去しても構わない。尚、本発明のポリエステルポリオールの望ましい数平均分子量としては、目的とする用途にもよるが、概ね200〜2000の範囲、さらに好ましくは300〜1000の範囲である。
【0034】
尚、反応開始時には、生成するポリエステルポリオールの着色を防ぐために反応容器の空間部を窒素置換し、さらに反応液中の溶存酸素も除去することが好ましい。また、反応終了の後に、適当な減圧条件下に、未反応のフリーのアルコール成分を系外に留去させて、ポリエステルポリオールの物性や性能を調節しても構わない。
【0035】
本発明におけるポリエステルポリオールの反応形式は、通常のバッチ設備あるいは連続設備で適用できるが、反応時間が長時間に渡ること、及び得られるポリエステルポリオールの粘度が原料に用いられたアルコール成分に比べてかなり高くなること等から、バッチ反応の方が好ましい。
【0036】
本発明により得られるポリエステルポリオールは、好適には、ポリオールとポリイソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタン、特に、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームに使用され、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤、特にHFC−245fa、HFC−365mfc等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤等の発泡剤の使用量を削減するとともに、得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの脆さ等の物性を改善させるポリエステルポリオールとして有用である。
【0037】
本発明におけるイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物としては、 (a)ポリイソシアネート、(b)ポリオール、(c)発泡剤、(d)触媒、(e)界面活性剤及び(f)その他助剤からなる組成物であり、ポリオール(b)の成分として上記のポリエステルポリオールを用いるものである。実用的には、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームは、(a)ポリイソシアネート成分からなるA液と、ポリエーテルポリオール及び/またはポリエステルポリオール等からなる(b)ポリオール、(c)発泡剤、(d)触媒、(e)整泡剤、さらに必要に応じて(f)その他の助剤からなるB液とを、短時間で混合、発泡、硬化させる方法で製造される。
【0038】
(a)ポリイソシアネート成分としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する有機化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族系、脂環族系、及び芳香族系ポリイソシアネート、またはこれらの変性物が挙げられる。具体的には、脂肪族系及び脂環族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族系ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等が挙げられ、さらにこれらのカルボジイミド変性物やプレポリマー等の変性物も包含される。
【0039】
本発明における好ましい(a)ポリイソシアネート成分は、芳香族ポリイソシアネート、またはその変性物であり、特に好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、及びこれらの変性物であり、単独でもそれらを混合して用いてもよい。ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有率が通常、29〜32重量%、粘度が通常、250mPa・s(25℃)以下のものが使用される。また、これらの変性物のうち、カルボジイミド変性物は、公知のリン系触媒等を用いてカルボジイミド結合を導入したものである。プレポリマーは、上記のポリイソシアネートとポリオールとを反応させ、末端にイソシアネート基を残したものである。その際用いるポリオールは、ポリウレタンを製造する際に使用するポリオールが通常使用できる。
【0040】
実用的には、A液として、これらのポリイソシアネートの他に、用途に応じて、添加剤、助剤をポリイソシアネート成分に混合して用いてもよい。例えば、B液との混合性を向上させる目的で、B液でも用いられる整泡剤を相溶化剤として併用する場合がある。その際には、通常、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤がよく用いられる。また、難燃性の向上及び粘度の調整を目的として、難燃剤を併用する場合がある。イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの用途においては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等がよく用いられる。上記以外の添加剤、助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で用いられるもので、ウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでなければ何を用いても構わない。
【0041】
(b)ポリオール成分としては、一般に、水酸基価が通常、50〜800、官能基数が通常、2.0〜8.0のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等を用いることができ、また、これらを2種類以上混合して用いても構わない。ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド及びテトラヒドロフラン等の単独、または併用によるアルキレンオキシドの重合物、ショ糖やソルビトール、及びグリセリン等の3官能以上の多価アルコール類と上記アルキレンオキシドの付加物、脂肪族アミン、及び芳香族アミンと上記アルキレンオキシドの付加物等が挙げられる。また、ポリエステルポリオールとしては、カルボン酸成分としてフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸及びトリメリット酸等の芳香族あるいは脂肪族ジ、またはトリカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等、及びグリセリン、トリメチロールプロパン等の2〜3価のアルコールを単独、または混合しエステル化反応により得られる、水酸基価が、通常、100〜500、官能基数が、通常、1.5〜3.0程度のポリエステルポリオールが挙げられる。
【0042】
本発明においては、これらのポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールと組み合わせて、前記した本発明のポリエステルポリオールを用いることが必須である。使用量としては全ポリオール成分中、通常、1〜40重量%の範囲、好ましくは3〜30重量%の範囲、さらに好ましくは5〜20重量%の範囲である。使用量が1重量%より小さいと発泡剤の使用量を削減させる効果がほとんどない。一方、40重量%より大きくても発泡剤の使用量を削減させる効果は発現するが、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの難燃性や寸法安定性等の物性に悪影響を与える可能性があることから、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの物性等を考慮し、実用上問題とならない範囲で使用することが好ましい。
【0043】
また、この他に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリン等のアルコールやジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、活性水素を1分子中に2個以上有する化合物も併用することができる。
【0044】
本発明のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームに用いる(c)発泡剤としては、オゾン破壊係数が通常、0.8以下の発泡剤、例えば、HCFC−141bの他に、HFC−245fa、HFC−365mfc等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤等の今後用いられる発泡剤を好適に使用できる。また、これらの発泡剤を単独で使用しても、混合使用しても構わない。必要に応じて水を併用しても構わず、発泡剤の全量を水としてもよい。
【0045】
(d)触媒としては、通常のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの製造に使用される公知の触媒が使用できる。例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン等のアミン系触媒の他に、オクチル酸カリウム等のカリウム系、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等の錫系、及びオクチル酸鉛等の鉛系等の金属系触媒等が挙げられる。
【0046】
(e)界面活性剤としては、例えば整泡剤としてノニオン系、アニオン系、カチオン系界面活性剤を用いることができるが、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤がよく用いられる。
【0047】
(f)その他助剤としては、用途に応じて様々な化合物が、添加剤、助剤として用いことができる。例えば、代表的な添加剤として難燃剤が挙げられる。イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの用途においては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等がよく用いられる。上記以外の添加剤、助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で用いられるもので、本発明及びウレタン化反応に著しい悪影響を及ぼすものでない限りにおいて使用することができる。
【0048】
本発明におけるイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの製造方法は、(a)ポリイソシアネート、(b)ポリオール、(c)発泡剤、(d)触媒、(e)界面活性剤及び(f)その他助剤からなる組成物を発泡硬化させるというものであるが、実用的には、(a)ポリイソシアネート成分をA液、(b)ポリオール成分をB液として、(c)発泡剤、(d)触媒、(e)界面活性剤、及び(f)その他助剤等はあらかじめA液及び/またはB液に適宜混合させ、後述する装置を用いて2液を混合し、発泡、硬化させるという方法である。尚、発泡剤、触媒、整泡剤はB液に混合しておくほうが好ましい。
【0049】
本発明によって得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームは、ウレタン結合やウレア結合とイソシアヌレート結合を有するものである。イソシアヌレート結合は、イソシアネート基を触媒により三量化させて生成され、機械的強度や耐熱性を向上させることができる。
【0050】
本発明において、好ましいイソシアネートインデックス(全イソシアネート基のモル数/全活性水素基のモル数×100)は、130以上であり、通常130〜700、好ましくは150〜600、さらに好ましくは170〜500である。イソシアネートインデックスが130未満になると、本発明の効果が得られなくなるほか、得られたフォームが十分な強度を有しないことがあり、収縮し易くなる、また、700を超えると、得られるフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にあるので好ましくない。
【0051】
イソシアヌレート変性ウレタンフォームを製造するにあたっては、A液とB液を均一に混合可能であればいかなる装置でも使用することができる。例えば、小型ミキサーや、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する、注入発泡用の低圧、または高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧、または高圧発泡機、連続ライン用の低圧、または高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用することができる。尚、イソシアヌレート変性ウレタンフォームを製造するに際し、A液、B液それぞれの液温は20〜60℃に調節しておくことが好ましい。
【実施例】
【0052】
以下に、実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。尚、特に断りのないかぎり、実施例中の「部」、及び「%」はそれぞれ「重量部」、及び「重量%」を意味する。
[ポリエステルポリオールの合成]
以下に示す方法で、ポリエステルポリオールの合成、及び評価を行い、評価結果を表−1に示す。(実施例1〜6及び比較例1〜4)
「実施例1」
【0053】
攪拌機、還流冷却機、温度計、圧力計、加熱装置などを装備した、容積が2リットルのガラス製反応器に、コハク酸437g、トリエチレングリコール389g、グリセリン307gを仕込み、反応器の空間部を窒素ガス置換した後、反応器内用物の加熱を開始した。反応器内温が150℃に達した時点で、触媒としてテトライソプロピルチタネート0.3gを反応器内に添加し、反応を開始した。その後、3時間かけて内温を210℃に昇温し、反応終了時までこの温度を保持した。一方、反応器内の圧力は、内温が150℃の時点から内温が210℃に達するまでは、88.0kPaに維持した。その後、3時間かけて徐々に減圧して、5.3kPaとし、反応が終了するまでこの圧力を保持した。反応の進行に伴い、反応混合物は均一な溶液になることが、目視観察された。反応進行中に、反応混合物の一部を反応器から抜き出して、抜き出した試料につき、酸価を測定して反応の進行状況確認の指標とした。反応の終了は、酸価が1.0以下となり、かつ、反応混合物が均一な溶液となった時点とした。反応終了後、加熱を停止して100℃付近まで冷却し、反応生成物を抜き出し、抜き出した試料につき酸価、水酸基価、及び粘度を測定した。また、得られたポリエステルポリオールに対する発泡剤(HFC−245fa、水)の溶解度を測定した。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−1」とした。
「実施例2」
【0054】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を使用せず、アジピン酸を490g、トリエチレングリコールを353g、グリセリンを278gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−2」とした。
「実施例3」
【0055】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を使用せず、アジピン酸を237g、無水フタル酸を240g、トリエチレングリコールを341g、グリセリンを269gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−3」とした。
「実施例4」
【0056】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を474g、トリエチレングリコールを301g、グリセリンを370gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−4」とした。
「実施例5」
【0057】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を使用せず、アジピン酸を527g、トリエチレングリコール271g、グリセリンを332gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−5」とした。
「実施例6」
【0058】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を使用せず、アジピン酸を557g、トリエチレングリコール177g、グリセリンを403gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−6」とした。
「比較例1」
【0059】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を412g、トリエチレングリコールを640g、グリセリンを74gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−7」とした。
「比較例2」
【0060】
実施例1の仕込み原料において、コハク酸を使用せず、無水フタル酸を396g、トリエチレングリコールを474g、グリセリンを177gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−8」とした。
「比較例3」
【0061】
実施例1の仕込み原料において、グリセリンを使用せず、コハク酸を383g、トリエチレングリコールを341g、トリメチロールプロパンを392gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−9」とした。
「比較例4」
【0062】
実施例1の仕込み原料において、グリセリンを使用せず、コハク酸を349g、トリエチレングリコールを528g、ペンタエリスリトールを229gとした以外は、同様の手順で反応させた。ここで得られたポリエステルポリオールを「ポリオール−10」とした。
【0063】
得られたポリエステルポリオールの評価は、下記の方法で行い、結果を「表−1」及び「表−2」に示した。
<評価方法>
(1)酸価
JIS K15571970に準拠して測定した。
(2)水酸基価
JIS K15571970に準拠して測定した。
(3)粘度
JIS K15571970に準拠して回転粘度計(B型粘度計)を使用し、25℃で測定した。
(4)官能基数
原料の仕込みモル比から算出した。
(5)平均分子量
ポリエステルポリオールの水酸基価から算出した。
(6)ポリエステルポリオールへの発泡剤(HFC−245fa、水)の溶解度
200mlのビーカーにポリエステルポリオール30〜50gを採り、室温・大気圧下の解放系において、30φの三方後退翼を用いて、400rpmで攪拌しながら発泡剤を徐々に添加し、目視で30秒以内に透明な均一相を形成しうる最大添加量を測定して求めた溶解度をポリエステルポリオールと発泡剤の相溶性の指標とした。
【0064】
【表−1】

【0065】
【表−2】

[プレミックス液の調製]
「表−3」〜「表−7」に示す原料、配合でイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用ポリオールプレミックス、「プレミックス−1〜20」を調製した。(実施例7〜17及び比較例5〜13) さらに、「表−8」に示す原料、配合でポリウレタンフォーム用ポリオールプレミックス、「プレミックス−21、22」を調製した。(比較例14、15)なお、以下の表中(pbw)は重量部を意味する。
【0066】
【表−3】

【0067】
【表−4】

【0068】
【表−5】

【0069】
【表−6】

【0070】
【表−7】

【0071】
【表−8】

【0072】
尚、「表−3」〜「表−8」の配合例において、原料は以下のものを用いた。
ポリオール−1〜10 : 前述のポリエステルポリオール
ポリオール−11 : 「MAXIMOL RFK−556」 テレフタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製)
ポリオール−12 : 「MAXIMOL SDK−145」 コハク酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製)
ポリオール−13 : 「GR−04」 エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(三井武田ケミカル株式会社製)
発泡剤 : HFC−245fa(セントラル硝子株式会社製)
水 : イオン交換水
触媒−1 : 「KAOライザーNo1」 アミン系触媒(花王株式会社製)
触媒−2 : 「DABCO K−15」 脂肪酸カリウム系触媒(エアープロダクツジャパン株式会社製)
整泡剤 : 「SZ−1717」 シリコーン系整泡剤(東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社製)
難燃剤 : トリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート リン系難燃剤(大八化学株式会社製)
【0073】
[イソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム、及びポリウレタンフォームの製造]
以下に示す方法で、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム(実施例18〜28、比較例16〜24)、及びポリウレタンフォーム(比較例24〜26)の製造、評価を行った。評価結果を「表−9」〜「表−14」に示す。
【0074】
<製造方法>
A液(ポリイソシアネート液)と「表−3」〜「表−8」に記載のB液(プレミックス)を混合した後、注入ボックスに流し込んでフリー発泡させ、ウレタンフォームを製造した。尚、ポリイソシアネート液は下記のものを用いた。
ポリイソシアネート液 : 「ミリオネート MR−200」 ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業株式会社製)
【0075】
<発泡条件>
<イソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム>
イソシアネートインデックス : 170
室温 : 24℃±1℃
液温 : 15℃±1℃
攪拌 : 3000rpm×5〜10秒間
注入ボックス : 木製 200mm×200mm×200mm 上部開放
<ポリウレタンフォーム>
イソシアネートインデックス : 110
室温 : 24℃±1℃
液温 : 15℃±1℃
攪拌 : 3000rpm×10秒間
注入ボックス : 木製 200mm×200mm×200mm 上部開放
脱型時間 : 1時間
【0076】
得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム、及びポリウレタンフォームの評価は、下記の方法で行い、結果を「表−9」〜「表−14」に示した。
<評価方法>
(1)反応性
クリームタイム : A液とB液を混合後、発泡高さ1%に達するまでの時間を測定した。
ゲルタイム : A液とB液を混合後、触針にて糸を引き始めるまでの時間を測定した。
ライズタイム : A液とB液を混合後、発泡高さ95%に達するまでの時間を測定した。
(2)コア密度
JIS A95112003に準拠して測定した。
(3)脆さ
ウレタンフォームを表面及び底部を定性観察して評価した。
◎ほとんど脆さがない。
○若干の脆さがある。
△脆い
【0077】
【表−9】

【0078】
【表−10】

【0079】
【表−11】

【0080】
【表−12】

【0081】
【表−13】

【0082】
【表−14】

[プレミックス液の保存安定性試験]
以下に示す方法で、プレミックス液の保存安定性の評価を行った。
「表−3」、「表−7」に示した原料、配合でイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用ポリオールプレミックス、「プレミックスー2」、「プレミックスー18〜20」を調整後、40℃の恒温槽で4週間保存したものでそれぞれイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームを製造して反応性を評価した。評価結果を「表−15」に示す。(実施例29、30及び比較例27、28)
【0083】
【表−15】

【0084】
「表−1」〜「表−15」より、主に次のことが明らかである。
(1)実施例18〜22と比較例16〜18の比較結果
本発明の炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸としてコハク酸、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしてグリセリンを使用したポリオール−1を配合した実施例18〜22の場合、配合しなかった比較例16〜18の場合に比べて、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームのコア密度が大きく低下し、脆さの改善も見られる。配合量を増やした場合に、その効果はさらに大きくなる。
【0085】
(2)実施例19、23〜27と比較16、19〜22の比較結果
本発明の炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸及び/又は炭素数6〜12の芳香族多価カルボン酸としてコハク酸、アジピン酸、無水フタル酸を用い、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしてグリセリンを使用した官能基数3.5〜4.5のポリオール2〜6を配合した実施例19、23〜27の場合、配合しなかった比較例16やグリセリンに代えてトリメチロールプロパンやペンタエリスリトールを用いた官能基数3.5のポリオール9、10を配合した比較例21、22の場合に比べて、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームのコア密度が大きく低下して、脆さの改善も見られる。一方、官能基数2.5〜2.8のポリオール7、8を配合した比較例19、20についても、芳香族多価カルボン酸を用いた比較例20の場合に脆さの低下が認められるものの、実施例19等と同様にイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームのコア密度の低下効果が認められた。特に脂肪族多価カルボン酸を用いた比較例19については、実施例19等と同様にコア密度の低下と共に脆さの改善が認められた。
【0086】
(3)実施例19、28と比較例23、24の比較結果
本発明の炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸としてコハク酸、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしてグリセリンを使用したポリオールー1を配合し、発泡剤を20部、かつ水を1.5部用いた実施例19の場合及び発泡剤を30部で水を用いなかった実施例28の場合、ポリオールー1を配合せず、発泡剤を30部、かつ水を1.5部用いた比較例24の場合及び発泡剤を40部で水を用いなかった比較例23の場合とイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームのコア密度がほぼ同等である。このことからポリオールー1を20部配合した場合、発泡剤として10部相当、水として1〜1.5部相当を配合したのと同等の効果がある。つまり、発泡剤の約25〜35%の削減効果がある。
【0087】
(4)比較例25、26
本発明の炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸としてコハク酸、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしてグリセリンを使用したポリオールー1を配合した比較例25場合と、配合しなかった比較例26のいずれにおいても、ポリウレタンフォームのコア密度がほぼ同等である。このことから、イソシアネートインデックスが130以下のポリウレタンフォームにおいては本発明の効果をほとんど得ることができない。
【0088】
(5)実施例19、28〜30と比較例23、24、27、28の比較結果
本発明の炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸としてコハク酸、2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールとしてグリセリンを使用したポリオール−1を配合し、かつ水を用いた実施例19、30の場合と、ポリオールー1を配合せず水を用いた比較例24、28を比べた場合、いずれも保存期間中に加水分解を引き起こし反応性が落ちている。一方、ポリオールー1を配合して水を用いなかった実施例28、29の場合と、ポリオールー1を配合せずに水を用いなかった比較例23、27を比べた場合、いずれも保存期間中の加水分解による反応性の低下は認められない。このことから、同等のコア密度のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームを製造する場合に、貯蔵安定性が良く、かつ発泡剤を削減できるのは実施例28、29の本発明のポリオール−1を配合して水を用いない場合である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によれば、イソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの原料として使用した際に発泡剤の使用量を削減するとともに、ポリオール成分の一部としてイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物に用いた場合、結果的にその保存安定性を高め、さらには得られたイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームの脆さ等の物性を改善するポリエステルポリオールと、その改善された物性を有するイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物及びイソシアヌレート変性ポリウレタンフォームを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸成分及びアルコール成分をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールであって、ウレタンフォーム製造時にポリオール成分として用いた際に、該ポリエステルポリオール100重量部に対し1〜10重量部の脱離水に相当する脱離可能な水酸基を有することを特徴とするポリエステルポリオール。
【請求項2】
カルボン酸成分が炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸であり、アルコール成分が2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを含む多価アルコールであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルポリオール。
【請求項3】
カルボン酸成分が炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸及び炭素数8〜12の芳香族多価カルボン酸であり、アルコール成分が2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールを含む多価アルコールあることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルポリオール。
【請求項4】
2級水酸基を少なくとも1つ有する官能基数3以上の多価アルコールがグリセリンであることを特徴とする、請求項2又は3に記載のポリエステルポリオール。
【請求項5】
炭素数4〜6の脂肪族多価カルボン酸がコハク酸又はアジピン酸であることを特徴とする請求項2又は3に記載のポリエステルポリオール。
【請求項6】
(a)ポリイソシアネート、(b)ポリオール、(c)発泡剤、(d)触媒、(e)界面活性剤及び(f)その他助剤からなるイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物において、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリエステルポリオールを、(b)ポリオール成分の1〜40重量%用いることを特徴とするイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
【請求項7】
イソシアネートインデックスが130以上であることを特徴とする請求項6に記載のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
【請求項8】
(c)発泡剤として、オゾン破壊係数が0.8以下の発泡剤であることを特徴とする請求項6に記載のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
【請求項9】
(c)発泡剤として、HCFC系発泡剤、HFC系発泡剤及びHC系発泡剤からなる群より選ばれた1種以上の発泡剤であることを特徴とする請求項6に記載のイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム用組成物。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のイソシアヌレート変性ウレタンフォーム用組成物を発泡硬化させてなることを特徴とするイソシアヌレート変性ポリウレタンフォーム。





【公開番号】特開2007−177172(P2007−177172A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380030(P2005−380030)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000199795)川崎化成工業株式会社 (133)
【Fターム(参考)】