説明

ポリエステル樹脂混合物を酸素捕捉用に改良する方法およびそれの製品

酸素捕捉用樹脂の製造方法を開示し、この方法は、a)芳香族二酸もしくはこれのジエステルとイオン性二酸もしくはこれのジエステルとジオールと金属化合物を反応させることでイオン性コポリエステルを生じさせ、b)前記イオン性コポリエステルを冷却し、切断しそして乾燥させることで固体状ペレットにしそしてc)前記乾燥させたイオン性コポリエステルと乾燥させておいた酸化性重合体を混合することを含んで成るが、但し前記酸化性重合体が部分的芳香族ポリアミドではないことを条件とする。また、i)前記方法で作られた組成物[この組成物は金属化合物含有イオン性コポリエステルおよび酸化性重合体を含有して成るが、但し前記酸化性重合体が部分的芳香族ポリアミドでないことを条件とする]およびii)前記組成物から製品を製造する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対する相互参照】
【0001】
本出願は、2009年9月11日付けで出願した米国仮出願番号61/241,591による優先権の利点を請求するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、透明性が改善されておりかつ誘導時間がより短い製品の成形に適した活性のある酸素捕捉用コポリエステルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエステルはガラスに比べて軽量であり、壊れる度合が低くかつ潜在的に低コストであることが理由で、ガラスおよび金属製の包装材料がポリエステルに置き換わってきている。ポリエステルの1つの主要な欠点は気体透過率が相対的に高い点にある。それによって炭酸清涼飲料および酸素に敏感な材料、例えばビールおよびフルーツジュースなどの保存可能期間が制限される。包装食品の保存可能期間をより長くしようとする食品産業の目標にある程度応答して酸素捕捉用有機材料が開発された。
【0004】
気体透過性の問題を取り扱おうとして現在用いられている1つの方法は「活性包装」の使用を伴い、その場合のパッケージは、当該製品が酸素にさらされる度合が制御されるように、ある様式で改質されている。そのような「活性包装」には、パッケージの中の酸素を酸化反応によって捕捉する鉄が基になった組成物を含有させた小袋が含まれ得る。
【0005】
気体透過性の問題を取り扱おうとする他の技術は、酸素捕捉剤をパッケージ構造物自身の中に組み込むことを伴う。そのような配置では酸素捕捉用材料がパッケージの少なくとも一部を構成していて、その材料が当該製品の回りに存在する酸素またはパッケージの中に漏れ込んでくる可能性のある酸素を密封されたパッケージ容積から除去することによって、食品の場合には腐敗が抑制されることで新鮮さが長持ちする。
【0006】
そのような状況における酸素捕捉用材料には、重合体のバックボーンまたは側鎖のいずれかが酸素と反応する低分子量のオリゴマー(これは典型的に重合体の中に組み込まれる)が含まれるか、或はそれは酸化性有機重合体であり得る。そのような酸素捕捉用材料は典型的に適切な触媒、例えば遷移金属触媒、例えばコバルトなどの有機もしくは無機塩などと一緒に用いられる。
【0007】
一般的にはm−キシリレンジアミンが基になった部分的芳香族ポリアミド、特にMXD6が酸化性有機重合体として用いられている。高バリヤー性重合体であるMXD6は、酸素および二酸化炭素の両方に対して受動的バリヤーになるばかりでなく遷移金属触媒、例えばコバルト塩などの存在下で活性のある酸素捕捉用重合体になる。
【0008】
以下の文献に、イオン性相溶剤および/または遷移金属塩をポリエステルに入れることで生じさせたマスターバッチの使用が開示されており、それを後でポリエステルおよび酸化性重合体と混合することが行われている。PETと部分的芳香族ポリアミド(MXD6)の混合物から作られた単層容器が示すヘイズ値を低くする目的でイオン性相溶剤、例えばナトリウム5−スルホイソフタレートのイオン性コポリエステルを用いることが特許文献1に開示されている。その例では、イオン性相溶剤および/または遷移金属塩をポリエステルに入れることで生じさせたマスターバッチが用いられていて、それを後でMXD6と混合している。ポリ(テトラメチレン−コ−アルキレンエーテル)の酸化性ポリエーテルセグメントを含有して成るコポリエステルエーテルが特許文献2に開示されている。遷
移金属塩をマスターバッチとして添加した後、射出成形時に基礎ポリエステルおよびコポリエステルエーテルと混合している。
【0009】
遷移金属のマスターバッチを用いると遷移金属塩を重合中に添加することに伴う欠点、例えば完全な活性を達成するまでの誘導期間が長いことまたは寿命(キャパシティー)があまりにも短いことなどを克服することができることが特許文献3に教示されている。具体的には、特許文献3は、コバルト塩を共重合させるとそれがポリエステルとMXD6の混合物中で酸素捕捉反応に触媒作用を及ぼす点でコバルトのマスターバッチを添加した時ほどには有効でないことを教示している。
【0010】
以下の文献に、遷移金属触媒をポリエステルと酸化性重合体を混合またはブレンドしている時に添加することが開示されている。リチウム5−スルホイソフタレートのイオン性コポリエステルをMXD6との混合物中で用いることに関する使用が特許文献4に開示されている。溶融相重合させたイオン性コポリエステルをMXD6との混合物中で用いる例では、そのイオン性コポリエステルのマスターバッチを用いて作られた混合物に匹敵する平均MXD6ドメインサイズ、従ってヘイズ%がもたらされることが示された。他の酸化性重合体も開示かつ商品化された。主にポリエステルセグメントを含有しかつ酸素捕捉用セグメント、例えばポリブタジエンなどを酸素捕捉量で含有する改質共重合体を有する酸素捕捉用組成物で構成された単層パッケージが特許文献5に開示されている。遷移金属塩をヒドロキシル末端ポリブタジエンとポリエステルの反応性重合を起こさせている間に添加している。その製品をColorMatrixがAmosorb(商標)の商標名で販売している。ポリエーテル、例えばポリ(アルキレングリコール)などが射出成形時に熱可塑性重合体および遷移金属触媒と混合する酸素捕捉部分として特許文献6に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】Mehta他のWO2005/023530
【特許文献2】Chen他のWO 2009/032560
【特許文献3】Stewart他のWO 2006/062816
【特許文献4】Ferrari他のWO 2007/049232
【特許文献5】Tibbitt他の米国特許第6,863,988号
【特許文献6】Cyr他の米国特許第6,455,620号
【発明の概要】
【0012】
不幸なことには、この上に示した技術は、結果として、ヘイズ値は低いが誘導時間が長い製品または誘導時間は短いがヘイズ値が高い製品のいずれかをもたらす。従って、ポリエステルと酸化性有機重合体(ここで、この酸化性有機重合体は部分的芳香族ポリアミド以外である)の混合物から作られた製品が示す誘導時間を短くしかつヘイズ値を低くする必要性が存在する。
【0013】
本発明に従い、ここに、金属化合物を含有させたイオン性コポリエステルを部分的芳香族ポリアミド以外の酸化性重合体と混合して用いるとそのような使用によって誘導時間が短くかつヘイズ値が低い製品を製造することができることを見いだした。従来技術の教示とは対照的に、イオン性相溶剤を共重合させて基礎重合体樹脂を生じさせる時に金属化合物をコポリエステル製造中に添加すると部分的芳香族ポリアミド以外の酸化性重合体と前記コポリエステルを混合することで生じさせた製品が示す誘導時間が短くなりかつヘイズ値が低くなる(マスターバッチを用いた時に比べて)ことを見いだした。
【0014】
1つの面では、酸素捕捉用樹脂を製造する方法を開示し、この方法は、a)芳香族二酸
もしくはこれのジエステルとイオン性二酸もしくはこれのジエステルとジオールと金属化合物を反応させることでイオン性コポリエステルを生じさせ、b)前記イオン性コポリエステルを冷却し、切断しそして乾燥させることで固体状ペレットにしそしてc)前記乾燥させたイオン性コポリエステルと乾燥させておいた酸化性重合体を混合することを含んで成るが、但し前記酸化性重合体が部分的芳香族ポリアミドではないことを条件とする。
【0015】
別の面では、金属化合物含有イオン性コポリエステルおよび酸化性重合体を含有して成る組成物を開示するが、但し前記酸化性重合体が部分的芳香族ポリアミドではないことを条件とする。
【0016】
さらなる面では、製品を製造する方法を開示し、この方法は、前記組成物を溶融させそしてその溶融物を製品に成形することを含んで成る。
【0017】
発明の詳細な説明
開示する酸素捕捉用樹脂製造方法の1つの面は、a)芳香族二酸もしくはこれのジエステルとイオン性二酸もしくはこれのジエステルとジオールと金属化合物を反応させることでイオン性コポリエステルを生じさせ、b)前記イオン性コポリエステルを冷却し、切断しそして乾燥させることで固体状ペレットにしそしてc)前記乾燥させたイオン性コポリエステルと乾燥させておいた酸化性重合体を混合することを含んで成るが、但し前記酸化性重合体が部分的芳香族ポリアミドではないことを条件とする。
【0018】
前記段階a)の反応はエステル化またはエステル交換であり得る。本方法に更に段階a)の後であるが段階b)の前に添加剤を添加することも含めてもよい。本方法に更に段階b)の後であるが段階c)の前にイオン性コポリエステルペレットを固体状態で重合させることも含めてもよい。
【0019】
前記芳香族二酸もしくはこれのジエステルはテレフタル酸もしくはテレフタル酸C−Cジアルキルを二酸もしくはエステルの総モルを基準にして少なくとも65モル%、例えば二酸もしくはエステルの総モルを基準にして少なくとも75モル%または少なくとも95モル%含有して成っていてもよい。前記ジオールはエチレングリコールをジオールの総モルを基準にして少なくとも65モル%、例えばジオールの総モルを基準にして少なくとも75モル%または少なくとも95モル%含有して成っていてもよい。
【0020】
前記イオン性二酸もしくはこれのジエステルは式:
【0021】
【化1】

【0022】
[式中、
Rは、水素、C−C−アルキルまたはC−C−ヒドロキシアルキルであり、
【0023】
【化2】

【0024】
であり、そして
M+は、原子価状態が+1または+2の金属イオンである]
で表され得る。そのような金属イオンはアルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属から成る群より選択可能である。前記イオン性二酸もしくはこれのジエステルを二酸もしくはエステルの総モルの約0.01から約5モル%、例えば二酸もしくはエステルの総モルの約0.1から約2モル%の量で存在させてもよい。
【0025】
前記金属化合物中の金属は周期律表の第一、第二および第三族から成る群より選択可能であり、例えば前記金属はコバルト、銅、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、タングステン、オスミウム、カドミウム、銀、タンタル、ハフニウム、バナジウム、チタン、クロム、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびこれらの混合物から成る群より選択した少なくとも一員であってもよい。前記金属化合物中の適切な金属はコバルトまたは亜鉛の塩であり得る。前記金属の対イオンはカルボキシレート、例えばネオデカノエート、オクタノエート、ステアレート、アセテート、ナフタレート、ラクテート、マレエート、アセチルアセトネート、リノレート、オレエート、パルミテートまたは2−エチルヘキサノエートなど、オキサイド、ボライド、カーボネート、クロライド、ジオキサイド、ヒドロキサイド、ナイトレート、ホスフェート、スルフェート、シリケートおよびこれらの混合物から成る群より選択可能である。前記金属の適切な対イオンは、アセテート、カーボネート、ステアレート、オレエート、ネオデカノエートおよびナフタレートから成る群より選択した対イオンであり得る。前記金属の適切な対イオンは、アセテート、ステアレートおよびネオデカノエートであり得る。例えば、前記金属をコバルトおよび亜鉛から成る群より選択してもよくそして対イオンをアセテート、ステアレートおよびネオデカノエートから成る群より選択してもよい。そのような金属化合物を前記イオン性コポリエステルの重量を基準にして約25から約200ppm、例えば約50から約150ppmの量などで存在させてもよい。
【0026】
前記イオン性コポリエステルが示す固有粘度は約0.6から1.0dl/g、例えば約0.7から約0.85dl/gなどであり得る。
【0027】
前記酸化性重合体は、官能基、例えばエーテル、アセタール、ジエンまたはケトンなど(窒素原子と結合している炭素原子、例えばアミドなどではなく)に隣接して位置するα−水素原子、アリルの原子またはベンジルの原子を含有する重合体のいずれかであり得る。前記α−水素原子は重合体鎖のバックボーンの中に存在するか或はペンダント型側鎖として存在する。例えば、そのような酸化性重合体は、コポリエステルエーテル、ポリブタジエン含有ポリエステルおよびペンダント型ベンジル基含有ポリエチレンから成る群より選択可能である。
【0028】
本組成物に入れる酸化性重合体の量は成形品、例えば射出もしくはブロー成形容器、熱成形トレーもしくはフィルムなどに要求される保存可能期間に依存するであろう。そのような酸化性重合体をイオン性コポリエステルの約1から10重量%、例えば約2から7重量%の量で存在させてもよい。
【0029】
前記添加剤は熱安定剤、抗ブロッキング剤、抗酸化剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、トナー(例えば顔料および染料)、充填剤、分枝剤または前記酸化性重合体の酸化を妨害しない他の典型的な作用剤から成る群より選択可能である。
【0030】
別の面では、この開示する方法を用いて組成物を生じさせ、その組成物は、例えば金属化合物含有イオン性コポリエステルおよび酸化性重合体を含有して成り得るが、但し前記酸化性重合体は部分的芳香族ポリアミドではないことを条件とする。
【0031】
さらなる面では、製品を製造する方法を開示し、この方法は、上述した方法のいずれかで生じさせた前記組成物を溶融させそしてその溶融物を製品に成形することを含んで成る。そのような製品はフィルム、シート、管材、パイプ、繊維、容器プレフォーム、射出およびブロー成形品、例えば硬質容器、熱成形品、軟質バッグなどおよびこれらの組み合わせから成る群より選択可能である。そのような製品は本組成物を含有して成る壁を1つ以上含んで成る。
【0032】
ポリエステルの製造は一般に下記の2つの方法、即ち(1)エステル方法および(2)酸方法、の中の1つを用いて実施可能である。エステル方法は、ジカルボン酸エステル(例えばテレフタル酸ジメチル)とエチレングリコールまたは他のジオールをエステル交換反応で反応させる方法である。この反応は可逆的であることから、一般に、原料を単量体に完全に変化させるにはアルコール(テレフタル酸ジメチルを用いる時にはメタノール)を除去する必要がある。そのようなエステル交換反応で用いるに適した特定の触媒は良く知られている。以前には、その後、エステル交換反応が終了した時点で燐化合物、例えばポリ燐酸などを導入して触媒活性を抑制することが行われていた。主に当該重合体に黄色化が起こらないようにする目的でエステル交換用触媒を抑制することが行われていた。次に、その単量体の重縮合を起こさせそしてその反応で用いられる触媒は一般にアンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、錫またはチタン化合物またはこれらの混合物である。
【0033】
2番目のポリエステル製造方法では、酸(例えばテレフタル酸)とジオール(例えばエチレングリコール)を直接エステル化反応で反応させて単量体と水を生じさせる。また、この反応もエステル方法と同様に可逆的であることで、その反応を完了にまで進行させるには水を除去する必要がある。その直接エステル化段階は触媒を必要としない。次に、その単量体の重縮合を前記エステル方法と正に同様に起こさせることでポリエステルを生じさせ、そして用いられる触媒および条件は一般に前記エステル方法のそれと同じである。
【0034】
要約として、エステル方法には2つの段階、即ち(1)エステル交換および(2)重縮合が存在する。また、酸方法にも2つの段階、即ち(1)直接エステル化および(2)重縮合が存在する。
【0035】
テレフタル酸もしくはテレフタル酸C−Cジアルキルを少なくとも65モル%、例えば少なくとも70モル%または少なくとも75モル%または少なくとも95モル%含有して成る二酸もしくはジエステル成分とエチレングリコールを少なくとも65モル%、例えば少なくとも70モル%または少なくとも75モル%または少なくとも95モル%含有して成るジオール成分を反応させることで適切なポリエステルを生じさせる。また、当該二酸成分がテレフタル酸でありそしてジオール成分がエチレングリコールであり得ることでポリエチレンテレフタレート(PET)を生じさせるのも適切である。前記二酸成分全部のモルパーセントは全体で100モル%でありそして前記ジオール成分全部のモルパーセントは全体で100モル%である。
【0036】
当該ポリエステル成分にエチレングリコール以外の1種以上のジオール成分を用いた修飾を受けさせようとする場合、記述するポリエステルの適切なジオール成分は1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール(2MPDO)、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、および酸素原子を鎖中に1個以上含有するジオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールまたはこれらの混合物などから選択可能である。そのようなジオールが含有する炭素原
子の数は一般に2から18、好適には2から8である。脂環式ジオールはシスまたはトランス形態または両方の形態の混合状態として使用可能である。適切な修飾用ジオール成分は1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはジエチレングリコールまたはこれらの混合物であり得る。
【0037】
当該ポリエステル成分にテレフタル酸以外の1種以上の酸成分を用いた修飾を受けさせる場合、線状ポリエステルの適切な酸成分(脂肪族、脂環式または芳香族ジカルボン酸)は、例えばイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビ安息香酸またはこれらの混合物などから選択可能である。重合体を生じさせようとする時、それらの官能酸誘導体、例えばジカルボン酸のジメチル、ジエチルまたはジプロピルエステルなどを用いる方がしばしば好適である。また、実施可能な場合には、前記酸の無水物もしくは酸ハライドを用いることも可能である。そのような酸修飾剤は一般にテレフタル酸に比べて結晶化速度を遅らせる。
【0038】
また、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルのいずれかのテレフタレートを少なくとも85モル%用いてそれを前記共重合用単量体のいずれかと反応させることでコポリエステルを生じさせることも可能である。
【0039】
テレフタル酸(またはテレフタル酸ジメチル)とエチレングリコールから生じさせたポリエステルまたは上述した如きコポリエステルに加えて、この開示する方法に、また、芳香族二酸、例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸またはビ安息香酸もしくはこれらのジエステルなどを100%用いること、およびそのような芳香族二酸/ジエステルと前記共重合用単量体のいずれかから生じさせたジカルボキシレートを少なくとも85モル%用いてそれを反応させることで生じさせたコポリエステルを用いることも包含させる。
【0040】
上述した方法を用いて、重合中に当該二酸もしくはエステル相当物および/またはジオールと反応する基を含有するイオン性共重合用単量体を添加することでイオン性コポリエステルを生じさせる。そのようなイオン性共重合用単量体を重合開始時に当該二酸もしくはエステル相当物およびジオールと一緒に添加してもよい。適切なイオン性共重合用単量体は二酸の金属スルホン酸塩であり、これは式
【0041】
【化3】

【0042】
[式中、
Rは、水素、C−C−アルキルまたはC−C−ヒドロキシアルキルであり、そして
【0043】
【化4】

【0044】
であり、その結合点は、好適には、1位、3位および5位(フェニル環の場合)および2
位、4位および6位(ナフチル環の場合)であり、そして
M+は、原子価状態が+1または+2の金属イオンであり、これはアルカリ金属(Li、NaおよびK)から成る群、またはアルカリ土類金属(Mg、CaおよびSr)から成る群、または遷移金属(Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Co)から成る群より選択可能である]
で表される。
【0045】
酸化性重合体の酸化用触媒として機能するそのような金属化合物を添加する時期は、重合中、適切には化合物が重合完了時点で安定な場合には重縮合前、または化合物があまり安定でない場合には重合後に押出し加工でストランドにしそしてそのストランドを急冷そして切断してペレットにする前の如何なる時期であってもよい。
【0046】
そのようなイオン性コポリエステルが示す固有粘度(IV)は、約0.6から約1.0dl/gの範囲、例えば約0.7から約0.85dl/gの範囲などであり得る。そのような分子量を溶融重合で直接生じさせることができるか、或はIVが0.45から0.6dl/gの非晶質コポリエステルを生じさせ、結晶化させた後、通常方法を用いて固体状態で重合させて所望のIVを示すようにする2段階で生じさせることができる。
【0047】
この開示する方法に更に本組成物の酸化を抑制しない添加剤を添加することを含めることも可能である。そのような添加剤は熱安定剤、抗ブロッキング剤、抗酸化剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、トナー(例えば顔料および染料)、充填剤、分枝剤または他の典型的な作用剤から選択可能である。そのような添加剤を本組成物に添加する時期は一般に重縮合反応中または重縮合反応がほぼ終了した時点であるか或は射出成形もしくは押出し加工中であってもよい。所望の結果を達成する目的で添加剤を導入しようとする時には通常の装置を用いることができる。
【0048】
この開示する方法で生じさせる組成物は製品で使用可能である。適切な製品には、これらに限定するものでないが、フィルム、シート、管材、パイプ、繊維、容器プレフォーム、ブロー成形品、例えば硬質容器、熱成形品、軟質バッグなどおよびこれらの組み合わせが含まれる。プラスチック、紙またはボール紙またはボトル、例えばジュース、ミルク、清涼飲料水、ビールおよびスープなど用の容器、熱成形トレーまたはコップなどの典型的な硬質もしくは半硬質製品の成形を行うことができる。加うるに、そのような製品の壁はしばしば材料の層を複数含有して成る。本発明をそのような層の中の1つ、いくつかまたは全部で用いることができる。
【0049】
試験手順
1. 固有粘度
コポリエステル−エーテルが示す固有粘度の測定をASTM D4603に従ってm−クレゾールを溶媒として用いて実施した。
【0050】
2. ボトルの酸素透過率
ボトルサンプルが周囲相対湿度において1気圧下23℃で示す酸素フラックスの測定をMocon Ox−Tranモデル2/60(MOCON Minneapolis、MN)を用いて実施した。窒素が98%で水素が2%の混合物を担体ガスとして用いそして周囲の空気(酸素が20.9%)を試験ガスとして用いた。試験に先立って痕跡量の大気酸素を除去する目的で試験片に条件付けを装置内の窒素中で最低限24時間受けさせておいた。この条件付けを45分間のサイクルで酸素フラックスの変化が1パーセント未満である定常ベースラインが得られるまで継続した。45分間の試験サイクル中の酸素フラックスの変化が1%未満である定常状態にフラックスが到達した時点で試験を終了した。酸素透過率の結果を測定して、cm/パッケージ/日として記録する。バリヤー向上係数
(Barrier Improvement Factor)、即ち「BIF」を測定する目的で、酸素捕捉剤を含有させていない対照ボトルにも測定を試験ボトルと同じ時に同じ条件下で受けさせる。BIFの計算を対照ボトルが示す酸素透過率を試験ボトルが示す酸素透過率で割ることで行う。酸素捕捉が始まる前の誘導時間の測定を容易にする目的で、10.0XのBIF値を用いる。このことは、試験ボトルが示す酸素透過率は対照ボトルが示すそれの10%以下であることを意味する。
【0051】
3. ヘイズ値および色
プレフォームおよびボトル壁が示すヘイズ値の測定をHunter Lab ColorQuest II装置を用いて実施した。CIE 1964 10゜標準的オブザーバーと一緒にD65光源を用いた。ヘイズ値はCIE Y総透過率に対するCIE Y拡散透過率のパーセントであると定義する。特に明記しない限り、厚みが0.25mmの延伸ブロー成形ボトルの側壁が示すヘイズ%を測定した。プレフォームおよびボトル壁が示す色の測定を同じ装置を用いて実施して、CIELAB色スケールを用いて報告したが、Lは輝度の尺度であり、aは赤色(+)または緑色(−)の尺度でありそしてbは黄色(+)または青色(−)の尺度である。
【0052】
4. 金属含有量
粉砕した重合体サンプルが示す金属含有量の測定をAtom Scan 16 ICP発光分光を用いて実施した。サンプルをエタノールアミンに入れて加熱することで溶解させ、冷却した後、蒸留水を添加することでテレフタル酸を析出させた。その溶液の遠心分離を行った後、上澄み液の分析を実施した。サンプルが分析下で示した原子発光を金属イオン濃度が既知の溶液が示すそれと比較することを利用して重合体サンプルが保持している金属の実験値を決定した。この方法を用いて当該組成物中のコバルト濃度を測定した。
【0053】
5. プレフォームおよびボトル方法
特に明記しない限り、本発明の重合体、共重合体および酸化性重合体を85−110℃で約30時間乾燥させ、乾燥させておいた基礎樹脂および乾燥させておいた遷移金属触媒マスターバッチと混合し、溶融させた後、押出し加工してプレフォームを生じさせた。0.5リットルの清涼飲料用ボトルの各プレフォームで用いた樹脂の量は例えば約24−25グラムであった。次に、そのプレフォームを約85−120℃に加熱した後、ブロー成形を延伸比が約12.5になるように実施することで0.5リットルのコンツアーボトルを生じさせた。側壁の厚みは0.25mmであった。
【実施例】
【0054】
実施例1
マスターバッチ−MB1
ポリ燐酸による抑制を受けさせておいたエステル交換用酢酸亜鉛触媒および三酸化アンチモンを重縮合用触媒として用いたテレフタル酸ジメチル(DMT)方法を用いかつ5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩を用いることで5−スルホイソフタル酸の含有量がイオン性コポリエステルの重量を基準にして3.65重量%のイオン性コポリエステルのマスターバッチを調製した。このマスターバッチをステアリン酸コバルトと混合することでCo含有量(元素状Coとしてマスターバッチの重量を基準に測定)が1375ppmの最終的樹脂を得た。
【0055】
マスターバッチ−MB2
ポリ燐酸による抑制を受けさせておいたエステル交換用酢酸亜鉛触媒および三酸化アンチモンを重縮合用触媒として用いたDMT方法を用いかつ5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩を用いることに加えてエステル交換後に酢酸コバルト(2000ppm)を添加することで5−スルホイソフタル酸の含有量がイオン性コポリエステルの重量を
基準にして3.65重量%のイオン性コポリエステルのマスターバッチを調製した。
【0056】
イオン性コポリエステル−IC1
イオン性コポリエステルの調製を直接エステル化方法を用いて樹脂中のSIPAが0.18重量%になるように実施した。ステアリン酸コバルト(Coが70ppm)を重縮合終了時に添加した。
【0057】
イオン性コポリエステル−IC2
イオン性コポリエステルの調製を直接エステル化方法を用いて樹脂中のSIPAが0.18重量%になるように実施した。エステル化後の単量体に酢酸コバルト(Coが100ppm)をこれがエチレングリコールのスラリーに入っている状態で添加した。
【0058】
コポリエステル−エーテル−COPE
冷却器、還流用カラムおよび撹拌機を装備しておいた反応槽にDMT、モル過剰量のグリコールおよび酢酸亜鉛(Znが70ppm)をエステル交換用触媒として仕込んだ。エステル交換中、前記材料を絶えず撹拌しながら大気圧下で160−230℃の温度にエステル交換反応が完了(除去されたメタノールの量で示されるように)するまで加熱した。その混合物をオートクレーブに移し、数平均分子量が1400g/モルのポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコールを最終的重合体の重量の50重量%に相当する量で重縮合用触媒としてのVertec(商標)AC420(Johnson Mathey、米国)(Tiが30ppm)と一緒に添加した。前記オートクレーブの圧力を<0.3mmHgにまで低下させた後、温度を250℃に上昇させた。重合中、前記混合物を絶えず撹拌しながら前記温度に撹拌機のアンペアで測定して必要な溶融粘度に合致するまで保持した。その反応槽を窒素で若干加圧することで生成物を冷水の中に押出した。重合体のストランドを冷却した後、Scheer−bayペレタイザーでペレットにした。そのコポリエステル−エーテルの固有粘度は約1.2dl/gであった。
【0059】
実施例2(比較)
ボトル用ポリエステル樹脂(INVISTA PolyClear(商標)樹脂、タイプ2201)を5重量%の量のMB1マスターバッチおよび2.2重量%の量のCOPEと乾式混合した後、射出成形することでプレフォームを生じさせた。そのプレフォームの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。このボトルのコポリエステル組成物はSIPAを0.18重量%およびCoを70ppm含有する。これらのボトルが示す平均ヘイズ値、誘導時間および最終的酸素透過率を測定して、その結果を表1に示す。
【0060】
実施例3(比較)
ボトル用ポリエステル樹脂(INVISTA PolyClear(商標)樹脂、タイプ2201)を5重量%の量のMB2マスターバッチおよび2.0重量%の量のCOPEと乾式混合した後、射出成形することでプレフォームを生じさせた。そのプレフォームの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。このボトルのコポリエステル組成物はSIPAを0.18重量%およびCoを100ppm含有する。これらのボトルが示す平均ヘイズ値、誘導時間および最終的酸素透過率を測定して、その結果を表1に示す。
【0061】
実施例4(対照)
イオン性コポリエステル(IC1)を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値および最終的酸素透過率を測定して、その結果を表1に示す。
【0062】
実施例5(本発明)
イオン性コポリエステル(IC1)を1.8重量%の量のCOPEと乾式混合した。その混合物を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値、誘導時間および最終的酸素透過率を測定して、その結果を表1に示す。
【0063】
実施例6(本発明)
イオン性コポリエステル(IC2)を1.9重量%の量のCOPEと乾式混合した。その混合物を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値、誘導時間および最終的酸素透過率を測定して、その結果を表1に示す。
【0064】
実施例7(対照)
標準的ボトル用樹脂(INVISTA Type 1101)を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値および最終的酸素透過率を測定して、その結果を表1に示す。
【0065】
実施例8(比較)
INVISTA Type 1101と2重量%の量のCOPEの乾式混合物を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値を測定して、その結果を表1に示す。
【0066】
実施例9(本発明)
IC2を2、2.5および3重量%の量のCOPEと乾式混合した。この混合物を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値を測定して、その結果を表1に示す。
【0067】
実施例10(比較)
INVISTA Type 1101と3重量%の量のAmosorb(商標)樹脂(ポリブタジエンセグメント含有量が約10重量%の酸化性ポリエステル)の乾式混合物を射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値を測定して、その結果を表1に示す。
【0068】
実施例11(本発明)
IC2を3重量%の量のAmosorb(商標)樹脂と乾式混合し、射出成形することでプレフォームを生じさせた後、それの延伸ブロー成形を行うことで500mlのボトルを生じさせた。これらのボトルが示す平均ヘイズ値を測定して、その結果を表1に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
従来技術の教示とは対照的に、酸化性重合体である部分的芳香族ポリアミドではない酸化性重合体との混合物を用いて作成したボトルの場合には、ヘイズ値を低くしかつ誘導時間を短くする点でイオン性コポリエステルの方がマスターバッチよりも有効である。具体的には、ステアリン酸コバルトの量が70ppmでありかつ酸化性重合体であるCOPEの量が1.8%であるイオン性コポリエステルは、マスターバッチを用いて生じさせた同様なコポリエステルと比べた時、ヘイズ値を77%低くしかつ誘導時間を433%短くした(実施例5と実施例2を比較)。同様に、酢酸コバルトの量が100ppmでありかつ酸化性重合体であるCOPEの量が1.9%であるイオン性コポリエステルは、マスターバッチを用いて生じさせた同様なコポリエステルと比べた時、ヘイズ値を60%低くしかつ誘導時間を33%短くした(実施例6と実施例3を比較)。このような結果は、特に金属化合物を用いて生じさせたイオン性コポリエステルがヘイズ値の低下で示す効果の方がマスターバッチを用いた時よりも低いことを教示している従来技術を考慮すると、驚くべきことでありかつ予想外である。
【0071】
本発明を本発明の具体的態様と関連させて説明してきたが、この上に示した説明を考慮することで数多くの代替形、修飾形および変形が当業者に明らかになるであろうことは明白である。従って、添付請求項の精神および幅広い範囲の中に入る如きそのような代替形、修飾形および変形の全部を包含させることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素捕捉用樹脂の製造方法であって、
a) 芳香族二酸もしくはこれのジエステルとイオン性二酸もしくはこれのジエステルとジオールと金属化合物を反応させることでイオン性コポリエステルを生じさせ、
b) 前記イオン性コポリエステルを冷却し、切断しそして乾燥させることで固体状ペレットにし、そして
c) 前記乾燥させたイオン性コポリエステルと乾燥させておいた酸化性重合体を混合する、
ことを含んで成るが、但し前記酸化性重合体が部分的芳香族ポリアミドではないことを条件とする方法。
【請求項2】
段階a)の反応がエステル化またはエステル交換である請求項1記載の方法。
【請求項3】
更に段階a)の後であるが段階b)の前に添加剤を添加することも含んで成る請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
更に段階b)の後であるが段階c)の前にイオン性コポリエステルペレットを固体状態で重合させることも含んで成る請求項1−3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記芳香族二酸もしくはこれのジエステルがテレフタル酸もしくはテレフタル酸C−Cジアルキルを二酸もしくはエステルの総モルを基準にして少なくとも65モル%含有して成る請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記芳香族二酸もしくはこれのジエステルがテレフタル酸もしくはテレフタル酸C−Cジアルキルを二酸もしくはエステルの総モルを基準にして少なくとも75モル%含有して成る請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記芳香族二酸もしくはこれのジエステルがテレフタル酸もしくはテレフタル酸C−Cジアルキルを二酸もしくはエステルの総モルを基準にして少なくとも95モル%含有して成る請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ジオールがエチレングリコールをジオールの総モルを基準にして少なくとも65モル%含有して成る請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ジオールがエチレングリコールをジオールの総モルを基準にして少なくとも75モル%含有して成る請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ジオールがエチレングリコールをジオールの総モルを基準にして少なくとも95モル%含有して成る請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記イオン性二酸もしくはこれのジエステルが式:
【化1】

[式中、
Rは、水素、C−C−アルキルまたはC−C−ヒドロキシアルキルであり、
【化2】

であり、そして
M+は、原子価状態が+1または+2の金属イオンである]
で表される請求項1から10のいずれか記載の方法。
【請求項12】
前記イオン性二酸もしくはこれのジエステルを二酸もしくはエステルの総モルの約0.01から約5モル%の量で存在させる請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記イオン性二酸もしくはこれのジエステルを二酸もしくはエステルの総モルの約0.1から約2モル%の量で存在させる請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記金属イオンをアルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属から成る群より選択する請求項11から13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記金属化合物中の金属を周期律表の第一、第二および第三族から成る群より選択する請求項1から14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記金属がコバルト、銅、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、タングステン、オスミウム、カドミウム、銀、タンタル、ハフニウム、バナジウム、チタン、クロム、ニッケル、亜鉛、マンガンおよびこれらの混合物から成る群より選択した少なくとも一員である請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記金属の対イオンがカルボキシレート、例えばネオデカノエート、オクタノエート、ステアレート、アセテート、ナフタレート、ラクテート、マレエート、アセチルアセトネート、リノレート、オレエート、パルミテートまたは2−エチルヘキサノエートなど、オキサイド、ボライド、カーボネート、クロライド、ジオキサイド、ヒドロキサイド、ナイトレート、ホスフェート、スルフェート、シリケートおよびこれらの混合物から成る群より選択した少なくとも一員である請求項15および16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記金属をコバルトおよび亜鉛から成る群より選択しそして前記対イオンをアセテート、ステアレートおよびネオデカノエートから成る群より選択する請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記金属化合物を前記イオン性コポリエステルの重量を基準にして約25から約200ppmの量にする請求項15から18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記金属化合物を前記イオン性コポリエステルの重量を基準にして約50から約150ppmの量にする請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記イオン性コポリエステルが示す固有粘度が約0.6から1.0dl/gである請求項1−20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記固有粘度が約0.7から約0.85dl/gである請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記酸化性重合体が官能基に隣接して位置するα−水素原子、アリルの原子またはベンジルの原子を含有して成る重合体でありかつ前記α−水素原子が重合体鎖のバックボーンの中に存在するか或はペンダント型側鎖として存在する請求項1から22のいずれか1項
記載の方法。
【請求項24】
前記重合体をコポリエステルエーテル、ポリブタジエン含有ポリエステルおよびペンダント型ベンジル基含有ポリエチレンから成る群より選択する請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記酸化性重合体を前記イオン性コポリエステルの約1から10重量%の量で存在させる請求項23または24記載の方法。
【請求項26】
前記酸化性重合体を前記イオン性コポリエステルの約2から7重量%の量で存在させる請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記添加剤を熱安定剤、抗ブロッキング剤、抗酸化剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、トナー(例えば顔料および染料)、充填剤、分枝剤または前記酸化性重合体の酸化を妨害しない他の典型的な作用剤から成る群より選択する請求項3または11記載の方法。
【請求項28】
請求項1から27の方法のいずれか1つの方法で作られた組成物。
【請求項29】
製品を製造する方法であって、請求項28記載の前記組成物を溶融させそしてその溶融物を製品に成形することを含んで成る方法。
【請求項30】
前記製品をフィルム、シート、管材、パイプ、繊維、容器プレフォーム、射出およびブロー成形品、例えば硬質容器、熱成形品、軟質バッグなどおよびこれらの組み合わせから成る群より選択する請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記製品が前記組成物を含有して成る壁を1つ以上含んで成る請求項30記載の方法。

【公表番号】特表2013−504661(P2013−504661A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528918(P2012−528918)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048370
【国際公開番号】WO2011/031929
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】