説明

ポリエチレン系樹脂製合紙

【課題】精密デバイス用基板や、精密装置用部材を搬送、保管する際に、傷つき、塵埃付着や有機物汚染から表面を保護する目的で基板間に挟み込んで使用されるポリエチレン系樹脂製合紙を提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)の片面又は両面にポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が貼合されてなるポリエチレン系樹脂製合紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密デバイス用基板や、精密装置用部材を搬送、保管する際に、傷つき、塵埃付着や有機物汚染から表面を保護する目的で基板間に挟み込んで使用される合紙に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体やフラットパネルディスプレイ等、電子機器の高性能化に伴い、製造に使用されるガラス、シリコン、プラスチック等の基板や、装置用部材に使用されるセラミック、金属材料等の搬送、保管時に発生する不具合が問題化している。
搬送、保管時に発生する不具合としては、物理的な傷つき、塵埃付着や、有機物汚染、静電気等があり、製造の際の歩留まりに大きく影響することが知られている。
例えば、半導体デバイスに使用されるシリコンウエーハや、フラットパネルディスプレイ基板に使用されるガラス基板は、搬送・保管時の汚染が、基板上に作製されるMOSFETやTFT等のデバイスの性能を大きく低下させるため、受け入れ後に徹底的に洗浄され、使用されている。
【0003】
しかし、デバイスの高性能化、微細化に伴い、更に精密な洗浄が必要となり、大量の純水を消費し、再生・リサイクルして使用するため洗浄工程の負荷が益々大きくなっている。このような中、洗浄負荷を低減させるために種々の簡易な洗浄技術が発明されているが有機物やゴミの吸着量が多いと、洗浄時間が長時間化したり、洗浄不足が生じたりするなどの問題を生じてしまっている。
搬送容器を密閉容器化し、搬送、保管時の汚染を発生させない工夫がされているが、基板接触による傷つきの問題から、カセットやケースを用いた非接触搬送で搬送・保管されるため、容器内のほとんどが空気であり、容器の容積が大きくなり、搬送・保管の効率が悪い原因にもなっている。
液晶などフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の場合、基板面積は拡大の一途をたどっており、これに伴って、液晶用ガラス基板を搬送する搬送容器の大きさも増加する傾向にある。また、基板の厚さが0.7mmと薄く、搬送・保管時の包装・梱包も重要となっている。
【0004】
従来からガラス基板を重ね合わせて搬送・保管する方法が考案されており、各ガラス基板間に合紙を挟み込んでいる。例えば、特許文献1や特許文献2ではパルプ製の合紙、特許文献3ではポリプロピレンシートまたはポリエチレンシート、特許文献4ではクッション性を有するポリエチレン発泡シートがガラス用合紙として使用されている。
また特許文献5には、特に従来使用されている4ホウ酸ナトリウムやトリポリリン酸ナトリウムを含有させた合紙によるガラス板表面の汚染の問題点を解消するために水溶性高分子を含有する樹脂シートを合紙に使用することが開示されている。
さらに特許文献6には、発泡ポリスチレンシートにポリエチレンシートを貼合された液晶表示体用ガラス保護スペーサーが開示されている。
いずれのガラス用合紙も様々な環境下で使用されるため、ガラス用合紙由来の有機物が付着されるため、ガラス基板の搬送・保管後に洗浄工程の負荷が大きい現状が続いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2791640号公報
【特許文献2】特許第4049719号公報
【特許文献3】特開2003-226354号公報
【特許文献4】特開2005-239242号公報
【特許文献5】特開2005-239184号公報
【特許文献6】特開平10-20285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、精密デバイス用基板や、精密装置用部材を搬送、保管する際に、傷つき、塵埃付着や有機物汚染から表面を保護する目的で基板間に挟み込んで使用される合紙を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、それぞれ特定の物性を有するポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)の片面又は両面に20〜100μm厚のポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が貼合されてなるポリエチレン系樹脂製合紙とすることにより、その目的に適合しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の内容のものである。
[1] ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)の片面又は両面にポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が貼合されてなるポリエチレン系樹脂製合紙。
[2] 少なくとも一面に、表面形状が、0.05〜0.30mmの凹凸状の加工が設けられていることを特徴とする[2]に記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[3] ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)および/またはポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、スリップ剤、酸化防止剤、充填剤をいずれも実質的に含まないことを特徴とする[1]または[2]に記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[4] ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)は、厚さが0.3〜1.5mm、見掛け密度が18〜180g/Lであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[5] ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、厚さが20〜100μmであり、密度が935〜970kg/m、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分のエチレン単独重合体および/またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体からなることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【0009】
[6] ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、メタロセン系高密度ポリエチレンを含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[7] ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、メタロセン系高密度ポリエチレン90〜50重量%と、分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%からなることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[8] 表面抵抗率が1×10〜1×1014(Ω)であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[9] ガラス基板、半導体基板、樹脂基板、プリント配線基板、セラミック基板、表示装置、半導体装置、導光板、反射板、レンズシート、プリズムシート、位相差板、偏光板、回路基板、磁気記録基板、光学記録基板、光磁気記録基板及び成形セラミック板から選ばれるいずれかの基板の基板間に挟み込んで使用されることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
[10] ガラス基板が、液晶ディスプレイ用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、エレクトロルミネッセンスディスプレイ用ガラス基板、フィールドエミッションディスプレイ用ガラス基板及び太陽電池パネル用ガラス基板から選ばれるいずれかであることを特徴とする[9]記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリエチレン系樹脂製合紙は、精密デバイス用基板や、精密装置用部材を搬送、保管する際に、傷つき、塵埃付着や有機物汚染から表面を保護する目的で基板間に挟み込んで使用される合紙として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願発明について具体的に説明する。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製合紙は、ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)の片面又は両面にポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が貼合されてなるポリエチレン系樹脂製合紙である。
【0012】
(ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1))
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)は、厚さが0.3〜1.5mm、見掛け密度が18〜180g/Lのポリエチレン系樹脂押出発泡シートからなるものが望ましい。該発泡シートの厚さが厚すぎる場合には積載量が限られること、梱包体に偏荷重や部分荷重が加わった場合にガラス基板が破損するおそれがあり、厚さが薄すぎる場合には表面保護性は不十分となることから、厚さはガラス基板合紙として有効な厚さであればよく、厚さが好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.0mm、更に好ましくは0.3〜0.7mmであることが上記の積載効率等の点から好ましい。
また発泡シートの見掛け密度は高すぎると表面保護性が劣り発泡シートを使用する利点が減じられる。一方、発泡シートの見掛け密度が低すぎると発泡シートの所望するコシの強さを有するものが得られない。このような観点から見掛け密度は、好ましくは18〜180g/L、より好ましくは25〜150g/L、更に好ましくは40〜120g/Lである。なお、上記発泡シート厚さは後述する押出発泡シートの全幅の平均厚さ(B)[mm]のことであり、上記発泡シートの見掛け密度は以下の通り測定される値である。発泡シートの坪量(g/m)を縦25mm×横25mmの発泡シートの試験片を切り出し、試験片の重量(g)を測定し、該重量を1600倍して、単位換算することで求め、次いで、求められた発泡シートの坪量(g/m)を後述する押出発泡シートの全幅の平均厚み(B)[mm]で除した値を単位換算し、発泡シートの見掛け密度(g/L)とする。該発泡シートのポリエチレン系樹脂原料に関しては、該樹脂の溶融張力が2〜40cN、メルトフローレートが0.2〜10g/10分のものを使用することが好ましい。
【0013】
ポリエチレン系樹脂の溶融張力が2cN未満、またはメルトフローレートが50g/10分を超える場合の該樹脂からなる発泡シートは、発泡性が低下し、目的の見掛け密度の発泡シートが得られ難く、仮に得られたとしても発泡シートの緩衝性や軽量性に劣るもので、ガラス基板用合紙として使用することが困難となる。一方、ポリエチレン系樹脂の溶融張力が40cNを超える、またはメルトフローレートが0.2g/10分未満の場合の該樹脂からなる発泡シートは、発泡シートを得るために押出発泡する際の押出機内、ダイ内での溶融樹脂の発熱が大きいことに起因して、得られる発泡シートは気泡膜に多数のシワが発生し、張りのある気泡膜が形成されず発泡シートの表面が凸凹である。また発泡シート表面に細かな裂けが発生している場合もあり、前述同様にガラス基板用合紙として使用することが困難になる。
上記観点から該樹脂の溶融張力は、好ましくは2〜40cN、より好ましくは3〜25cN、更に好ましくは4〜20cNである。
【0014】
上記溶融張力は、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dによって測定される。具体的には、シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度を190℃とし、ポリエチレン系樹脂を試料とし必要量を該シリンダー内に入れ、4分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、23℃の恒温室内にてこの紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、4分で引き取り速度が3m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取ると一定の溶融張力(cN)の値を得ることができる。ここで、引取り速度が3m/分から200m/分に達するまでの時間を4分とした理由は、樹脂の熱劣化を抑えるとともに得られる値の再現性を高めるためである。
【0015】
但し、上記した方法で溶融張力の測定を行い、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れず、一定の溶融張力の値を得られない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られる溶融張力(cN)の値を採用する。詳しくは、上記測定と同様にして、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を張力検出用プーリーに掛け、4分間で3m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーを回転させ、回転速度が200m/分になるまで待つ。回転速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を溶融張力とする。ここで、上記Tmaxとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、上記Tminとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。
【0016】
尚、当然のことながら上記測定において溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出す際には該紐状物に、できるだけ気泡が入らないようにする。また、発泡シートの該樹脂から試料を調整する場合、発泡シートを真空オーブンにて加熱し脱泡したものを試料とし、その際の真空オーブンでの加熱温度は、該樹脂を構成しているポリエチレン系樹脂の場合は190℃とする。
また、該樹脂であるポリエチレン系樹脂のメルトフローレートは、好ましくは0.2〜10g/10分、より好ましくは0.3〜8g/10分、さらに好ましくは0.4〜6g/10分である。
上記メルトフローレートは、JIS K7210−1999に従って、ポリエチレン系樹脂の場合は条件コードDを採用し、該樹脂を試料として測定される値である。発泡シートの該樹脂から試料を調整する場合、発泡シートを真空オーブンにて加熱し脱泡したものを試料とする。また、その際の真空オーブンでの加熱温度は190℃とする。
【0017】
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)における該ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体および/またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体エチレンからなりエチレン成分単位が50モル%以上の樹脂が挙げられ、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体と高密度ポリエチレン樹脂の混合物、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等のエチレン系共重合体、さらにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂の中でも、密度が935kg/m以下のポリエチレン系樹脂を主成分とするものが好ましい。具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることが好ましく、発泡性が良好な低密度ポリエチレンがより好ましい。
尚、密度が935kg/m以下のポリエチレン系樹脂を「主成分」とするとは、該ポリエチレン系樹脂の含有量が発泡シートの全重量の50重量%以上であることをいう。
【0018】
次に、本実施の形態のポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)の製造例について記述する。ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)は、ポリエチレン系樹脂押出発泡シートであり、例えば、気泡調整剤等を配合し押出機内で溶融混練し、該溶融混練物に発泡剤を圧入し、混練したのち、押出機出口部に付設された円環状ダイから押出発泡し冷却用円筒を通したのち切り開いてシート状とすることにより製造される。
本発明のポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)を製造する際に使用される発泡剤としては以下に示す物理発泡剤が好ましい。
【0019】
該物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、その他、ジメチルカーボネート、メタノール、エタノール等の有機系物理発泡剤、酸素、窒素、二酸化炭素、空気、水等の無機系発泡剤が好ましい。これらの物理発泡剤は、2種以上を混合して使用することが可能である。これらのうち、ポリオレフィン系樹脂との相溶性、発泡性の観点から有機系物理発泡剤が好ましく、中でもノルマルブタン、イソブタン、又はこれらの混合物を主成分とするものが最も好ましい。また、物理発泡剤ではないがアゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤も使用することができる。
上記発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、目的とする見掛け密度に応じて調整する。特に、本発明では気泡膜の形成による延伸効果が帯電防止性に関連があるため発泡剤の注入量は重要である。即ち、発泡剤としてイソブタン30重量%とノルマルブタン70重量%とのブタン混合物などの物理発泡剤を用いた場合、ポリエチレン系樹脂100重量部当たり、好ましくは4〜35重量部、より好ましくは5〜30重量部、更に好ましくは6〜25重量部である。
【0020】
また、ポリエチレン系樹脂押出発泡シートを製造する際には、前記押出機に供給されるポリエチレン系樹脂中には、気泡調整剤を添加しても良い。気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。また、クエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
上記気泡調整剤の添加量は、主として目的とする気泡径に応じて調節するが、一般的には、ポリエチレン系樹脂100重量部当たり、好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、更に好ましくは1〜3重量部である。
【0021】
(ポリエチレン系樹脂製フィルム(2))
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製フィルム(2)としては、厚さが20〜100μmであり、密度が935〜970kg/m、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分のエチレン単独重合体および/またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体のフィルムからなるものが好ましい。該フィルムの厚さが厚すぎる場合には剛直となりガラス基板にキズが付きおそれがあり、厚さが薄すぎる場合には表面保護性は不十分となることから、厚さはガラス基板合紙として有効な厚さであればよく、厚さが好ましくは20〜100μm、より好ましくは25〜80μm、更に好ましくは30〜50μmであることが上記のガラス基板保護等の点から好ましい。
【0022】
また、該樹脂であるポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K7112に従って、好ましくは935〜970kg/m、より好ましくは940〜960kg/m、更に好ましくは940〜950kg/mである。密度が935kg/m未満であるとフィルムの耐熱性、コシが低下するためガラス基板合紙の支持体としての適性が損なわれ、フィルムにシワができ易くなるという不具合を発生する。密度が970kg/mを超えると適度な柔軟性がなく使用時に裂けるおそれがある。ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートは、JISK7210に従って、0.1〜50g/10分が好ましい。メルトフローレートは、0.1g/10min未満であるとインフレーション製膜時の高速製膜性の低下や共押出性の低下をもたらす。50g/10分を超えるとインフレーション製膜時のバブルの不安定化、Tダイ成形時におけるネックインの増大という成形加工上の問題を起こす。さらに、本発明のポリエチレン系樹脂製合紙を構成するポリエチレン系樹脂製フィルム(2)として使用する場合、フィルムとしてのコシが重要であり、低密度ポリエチレン製フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン製フィルムは、ガラス基板と上記フィルムの合紙を積層して輸送試験などの振動を与えた条件化では、コシが不足するため、フィルムが伸びてしわが発生し、粉を発生するなどの問題が生じる。
【0023】
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製フィルム(2)における該ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなる共重合体が好ましい。
エチレンと共重合させる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、6−メチル−1−ヘプテンなどが挙げられる。α−オレフィンとしては、一般的に入手し易さから、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、重合プロセスから1−ブテンが好ましい。
共重合体としては、エチレンと1種類のα−オレフィンとの共重合体であってもよく、エチレンと2種類以上を組合せたα−オレフィンとの共重合体であってもよい。線状系ポリエチレン(A)としては、エチレンとα−オレフィンの共重合体とエチレンと別のα−オレフィンとの共重合体を任意の比率でドライブレンドまたはメルトブレンドした共重合体であってもよい。
【0024】
該ポリエチレン系樹脂のなかでもメタロセン触媒より製造された高密度ポリエチレンが最も好ましい。
該ポリエチレン系樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、好ましくは3〜7であり、より好ましくは3〜5の範囲である。該ポリエチレン系樹脂の分子量分布が、上記範囲内にあれば、分子量の均一性に起因して、フィルムの加工性が良好である。また、本発明のポリエチレン系樹脂製合紙を構成するポリエチレン系樹脂製フィルム(2)として使用する場合、該ポリエチレン系樹脂に含まれる低分子量体を低減することができ、アウトガス発生の低減、溶出成分の低減が実現できる。
【0025】
本実施の形態において、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定により求めることができる。
具体的には、Waters社製150−C ALC/GPC装置、カラムとしてはShodex製AT−807Sと東ソー製TSK−gelGMH−H6を直列にして用い、溶媒に10ppmのイルガノックス1010を含むトリクロロベンゼンを用いて、140℃で測定する分子量分布を測定することができる。
該ポリエチレン系樹脂からなるポリエチレン系樹脂製フィルム(2)のアウトガス発生は、ヘッド・スペースガスクロマトグラフ法によりポリプロピレン系樹脂製フィルム、チーグラー触媒系高密度ポリエチレン系樹脂製フィルム、PET・PENなどのポリエステル系樹脂製フィルムなどと比べて、非常に少ない。
【0026】
該ポリエチレン系樹脂に含まれる溶出成分、炭素数18、20の炭化水素成分量が150ppm以下である。好ましくは120ppm以下であり、より好ましくは80ppm以下である。炭素数18、20の炭化水素成分量が150ppmを超えると成形加工時の発煙や粉の発生を生じるため好ましくない。該ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、以下に記載の方法により製造することができる。
該ポリエチレン系樹脂の製造方法としては、メタロセン担持触媒[I]を予め水素と接触させた後、液体助触媒成分[II]と共に重合反応器へ導入し、エチレン単独の重合またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行う方法が挙げられる。
重合法は公知の各種方法を使用でき、例えば、不活性ガス中での流動床式気相重合または撹拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などが挙げられる。重合法としては、不活性溶媒中でのスラリー重合が好ましい。
【0027】
(メタロセン担持触媒[I])
メタロセン担持触媒[I]としては、(ア)担体物質、(イ)有機アルミニウム、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物、および(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤から調製されたメタロセン担持触媒を用いることが好ましい。
【0028】
(ア)担体物質としては、有機担体、無機担体のいずれでもよい。
有機担体としては、好ましくは、炭素数2〜20のα−オレフィンの重合体、芳香族不飽和炭化水素重合体、および極性基含有重合体などが挙げられる。
炭素数2〜20のα−オレフィンの重合体としては、例えば、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、1−ブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−1−ヘキセン共重合体樹脂、プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂、およびエチレン−1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。
芳香族不飽和炭化水素重合体としては、例えば、スチレン樹脂およびスチレン−ジビニルベンゼン共重合体樹脂などが挙げられる。
極性基含有重合体としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アミド樹脂、およびカーボネート樹脂などが挙げられる。
無機担体としては、好ましくは、無機酸化物、無機ハロゲン化物、無機の炭酸塩、竜酸塩、および硝酸塩、ならびに水酸化物などが挙げられる。
【0029】
無機酸化物としては、例えば、SiO、Al、MgO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO,SiO−MgO、SiO−Al、SiO−MgO、およびSiO−Vなどが挙げられる。
無機ハロゲン化合物としては、例えば、MgCl、AlCl、およびMnClなどが挙げられる。
無機の炭酸塩、硫酸塩、および硝酸塩としては、例えば、NaCO、KCO、CaCO、MgCO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NOなどが挙げられる。
水酸化物としては、例えば、Mg(OH)、Al(OH)、Ca(OH)などが挙げられる。
(ア)担体物質としては、SiOであることが好ましい。
担体の粒子径は任意であるが、粒子径分布としては、1〜3000μmであることが好ましく、粒子の分散性の見地から、粒子径分布は好ましくは10〜1000μmの範囲内である。
(ア)担体物質は必要に応じて(イ)有機アルミニウムで処理される。
【0030】
(イ)有機アルミニウムとしては、一般式:(−Al(R)O−)n(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子および/またはRO基で置換されていてもよい。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である。)で示される直鎖状または環状重合体などが挙げられる。
(イ)有機アルミニウム化合物としては、例えば、Rがメチル基、エチル基、イソブチルエチル基である、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、およびイソブチルエチルアルモキサンなどが挙げられる。
(イ)有機アルミニウムとしては、上記以外にも、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウム、アルメニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアルミニウム、およびセスキアルキルハイドロアルミニウムなどが挙げられる。
【0031】
トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、およびトリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。
ジアルキルハロゲノアルミニウムとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライドおよびジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルハロゲノアルミニウムなどが挙げられる。
セスキアルキルハロゲノアルミニウムとしては、例えば、セスキメチルアルミニウムクロライドおよびセスキエチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
(イ)有機アルミニウムとしては、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、およびセスキエチルアルミニウムハイドライドなどを挙げることもできる。
(イ)有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、およびジイソブチルアルミニウムハイドライドであることが好ましい。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物としては、下記式(1)で示される化合物を挙げられる。
【0032】
【化1】

【0033】
上記式(1)中、Mは1つ以上の配位子Lとη結合をしている酸化数+2、+3、+4の長周期型周期律表第4族の遷移金属であり、遷移金属は、チタニウムが好ましい。 Lは環状η結合性アニオン配位子であり、各々独立にシクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、またはオクタヒドロフルオレニル基であり、これらの基は20個までの非水素原子を含む炭化水素基、ハロゲン、ハロゲン置換炭化水素基、アミノヒドロカルビ基、ヒドロカルビオルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル基、アミノシリル基、ヒドロカルビルオキシシリル基およびハロシリル基から各々独立に選ばれる1〜8の置換基を任意に有していてもよく、2つのLが20個までの非水素原子を含むヒドロカルバジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレンオキシ、ヒドロカルビレンアミノ、ジラジイル、ハロシラジイル、アミノシランなどの2価の置換基により結合されていてもよい。
【0034】
Xは各々独立に、60個までの非水素原子を有する、1価のアニオン性σ結合型配位子、Mと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、またはMおよびLに各々l個ずつの価数で結合する2価のアニオンσ結合型配位子である。
X'は各々独立に、炭素数4〜40からなるホスフィン、エーテル、アミン、オレフィン、および/または共役ジエンから選ばれる中性ルイス塩基配位性化合物である。 lは1または2の整数である。
pは0〜2の整数であり、Xが1価のアニオン性σ結合型配位子であるか、MおよびLに各々1個ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よりもl以上少なく、XがMと2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pはMの形式酸化数よりもl+1以上少ない。
qは0、1または2の整数である。(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物としては、上記式(1)でl=1である化合物が好ましい。
(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物の好適な化合物としては、下記式(2)で示される化合物が挙げられる。
【0035】
【化2】

【0036】
上記式(2)中、Mは形式酸化数+2、+3または+4のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、チタニウムであることが好ましい。
は各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、またはこれらの複合基であり、各々20個までの非水素原子を有することができる。 また、近接するR同士がヒドロカルバジイル、ジラジイル、またはゲルマジイルなどの2価の誘導体を形成して環状となっていてもよい。
X”は各々独立に、ハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルアミノ基、またはシリル基であり、各々20個までの非水素原子を有しており、また2つのX”が炭素数5〜30の中性共役ジエンまたは2価の誘導体を形成してもよい。
Yは、O、S、NR、またはPRである。
ZはSiR、CR、SiRSiR、CRCR、CR=CR、CRSiR、またはGeRである。
は各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基またはアリール基である。
nは1〜3の整数である。(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物のより好適な化合物としては、下記式(3)または下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
【0037】
【化3】

【0038】
【化4】

【0039】
上記式(3)および式(4)中、Mはチタニウム、ジルコニウム、またはハフニウムであり、チタニウムであることが好ましい。
は各々独立に、水素、炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン、またはこれらの複合基であり、各々20までの非水素原子を有することができる。
Z、Y、XおよびX'は、は前出のとおりである。
pは0〜2の整数であり、qは0または1の整数である。
【0040】
但し、pが2でqが0の場合、Mの酸化数は+4であり、かつXはハロゲン、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、ジヒドロカルビルアミノ基、ジヒドロカルビルフォスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、シリル基またはこれらの複合基であり、20個までの非水素原子を有している。また、pが1でqが0の場合、Mの酸化数は+3であり、かつXはアリル基、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル基、または2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基から選ばれる安定化アニオン配位子であるか、またはMの酸化数が+4であり、かつXが2価の共役ジエンの誘導体であるか、またはMとXが共にメタロシクロペンテン基を形成している。さらに、pが0でqが1の場合、Mの酸化数は+2であり、かつX'は中性の共役または非共役ジエンであって任意に1つ以上の炭化水素で置換されていてもよく、X'は40までの炭素原子を含み得るものであり、Mとπ型錯体を形成している。(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物のさらに好適な化合物としては、下記式(5)または下記式(6)で示される化合物が挙げられる。
【0041】
【化5】

【0042】
【化6】

【0043】
上記式(5)および式(6)中、Mはチタニウムである。
は各々独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基である。
Yは、O、S、NR、またはPRであり、Zは、SiR、CR、SiRSiR、CRCR、CR=CR、CRSiR、またはGeRである。
は各々独立に、水素、炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基またはこれらの複合基であり、Rは20個までの非水素原子を有することができ、必要に応じてZ中の2つのR同士またはZ中のRとY中のRが環状となっていてもよい。
pは0〜2の整数であり、qは0または1の整数である。
但し、pが2でqが0の場合、Mの酸化数は+4であり、かつXは各々独立に、メチル基またはヒドロベンジル基である。また、pが1でqが0の場合、Mの酸化数は+3であり、かつXが2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジル基であるか、またはMの酸化数が+4であり、かつXが2−ブテン−1,4−ジイルである。さらに、pが0でqが1の場合、Mの酸化数は+2であり、かつX'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
【0044】
前記ジエン類は金属錯体を形成する非対称ジエン類を例示したものであり、実際には各幾何異性体の混合物である。
(エ)該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、単に「(エ)活性剤」と記載する場合がある。)としては、例えば、下記式(7)で示される化合物が挙げられる。
メタロセン担持触媒[I]においては、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と上記(エ)活性化剤により形成される錯体が、触媒活性種として高いオレフィン重合活性を示す。
【0045】
【化7】

【0046】
上記式(7)中、[L−H]d+はプロトン付与のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。
[Md−は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期律表第5族乃至15族から選ばれる金属またはメタロイドであり、Qは各々独立に、ヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、炭化水素基、または炭素数20個までの置換炭化水素基である。但し、ハライドであるQは1個以下である。
mは1〜7の整数であり、tは2〜14の整数であり、dは1〜7の整数であり、t−m=dである。
(エ)活性化剤の好適な化合物としては、下記式(8)で示される化合物が挙げられる。
【0047】
【化8】

【0048】
上記式(8)中、[L−H]d+はプロトン付与のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。
[M(G(T−H)d−は相溶性の非配位性アニオンであり、Mは周期律表第5族乃至15族から選ばれる金属またはメタロイドであり、Qは各々独立に、ヒドリド、ジアルキルアミド基、ハライド、アルコキサイド基、アリロキサイド基、炭化水素基、または炭素数20個までの置換炭化水素基である。但し、ハライドであるQは1個以下である。
GはMおよびTと結合するr+1の価数を持つ多価炭化水素基であり、TはO、S、NRまたはPRであり、Rはヒドロカルビル基、トリヒドロカルビルシリル基、トリヒドロカルビルゲルマニウム基、もしくは水素である。
mは1〜7の整数であり、wは0〜7の整数であり、uは0または1の整数であり、rは1〜3の整数であり、zは1〜8の整数であり、w+z−m=dである。
(エ)活性化剤のより好適な化合物としては、下記式(9)で示される化合物が挙げられる。
【0049】
【化9】

【0050】
上記式(9)中、[L−H]d+はプロトン付与のブレンステッド酸であり、Lは中性ルイス塩基である。
[BQは相溶性の非配位性アニオンであり、Bはホウ素原子、Qはペンタフ
ルオロフェニル基であり、Qは置換基としてOH基を1つ有する炭素数6〜20の置換アリール基である。
【0051】
本実施の形態において、相溶性の非配位性アニオンとしては、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)フェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル、)(4−(4’−ヒドロキシフェニル)フェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボレートなどが挙げられ、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレートであることが好ましい。
相溶性の非配位性アニオンとしては、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNHRで置き換えられたボレートを挙げることができる。ここでRは、メチル基、エチル基またはt−ブチル基であることが好ましい。
【0052】
本実施の形態において、プロトン付与のブレンステッド酸としては、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−オクチル)アンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム、ジブチルエチルアンモニウム、ジヘキシルメチルアンモニウム、ジオクチルメチルアンモニウム、ジデシルメチルアンモニウム、ジドデシルメチルアンモニウム、ジテトラデシルメチルアンモニウム、ジヘキサデシルメチルアンモニウム、ジオクタデシルメチルアンモニウム、ジイコシルメチルアンモニウム、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウムなどのようなトリアルキル基置換型アンモニウムカチオンが挙げられ、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルベンジルアニリニウムなどのようなN,N−ジアルキルアニリニウムカチオンなども挙げられる。
【0053】
(液体助触媒成分[II])
本実施の形態において、液体助触媒成分[II]は下記式(10)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物[III−1](以下、単に「有機マグネシウム化合物[III−1]」と記載する場合がある。)とアミン、アルコール、シロキサン化合物から選ばれる化合物[III−2](以下、単に「化合物[III−2]」と記載する場合がある。)との反応によって合成される、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物である。
【0054】
【化10】

【0055】
上記式(10)中、Mは周期律表第1〜3族に属する金属原子であり、RおよびRは炭素数2〜20の炭化水素基であり、a、b、c、dは次の関係を満たす実数である。 0≦a、0<b、0≦c、0≦d、c+d>0、かつe×a+2b=c+d(eはMの原子価である。)
【0056】
有機マグネシウム化合物[III−1]と化合物[III−2]との反応には特に制限はないが、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素および/またはベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などの不活性反応媒体中、室温〜150℃の間で反応させることが好ましい。
液体助触媒成分を製造する反応において添加する順序については特に制限はなく、有機マグネシウム化合物[III−1]中に化合物[III−2]を添加する方法、化合物[III−2]に有機マグネシウム化合物[III−1]を添加する方法、または両者を同時に添加する方法のいずれの方法を用いてもよい。
有機マグネシウム化合物[III−1]と化合物[III−2]との反応比率については特に制限はないが、反応により合成される液体助触媒成分[II]に含まれる全金属原子に対する化合物[III−2]のモル比が0.01〜2であるように化合物[III−2]を添加することが好ましく、0.1〜1であることがより好ましい。
【0057】
本実施の形態において、液体助触媒成分[II]は不純物のスカベンジャーとして用いられる。液体助触媒成分[II]は、高濃度であっても重合活性を低下させることが少なく、したがって広い濃度範囲で高い重合活性を発現させることができる。このため液体助触媒成分[II]を含むオレフィン重合用触媒は、重合活性の制御が容易である。
液体助触媒成分[II]は1種で使用してもよいし二種類以上混合して使用してもよい。
重合に使用する際の液体助触媒成分[II]の濃度については特に制限はないが、液体助触媒成分[II]に含まれる全金属原子のモル濃度が0.001mmol/リットル以上10mmol/リットル以下であることが好ましく、0.01mmol/リットル以上5mmol/リットル以下であることがより好ましい。
該モル濃度が0.001mmol/リットル以上であれば、不純物のスカベンジャーとしての作用を十分に発揮することができ、10mmol/リットル以下であれば、重合活性を十分に発揮させることができる。
【0058】
有機マグネシウム化合物[III−1]は上記式(10)で示される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物である。
上記式(10)として、有機マグネシウム化合物[III−1]は、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、(RMgおよびこれらと他の金属化合物との錯体の全てを包含するものである。記号a、b、c、dの関係式e×a+2b=c+dは、金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。
上記式(10)中、RおよびRの炭素数2〜20の炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基であり、アルキル基であることが好ましく、一級アルキル基であることがより好ましい。
a>0の場合、金属原子Mとしては、周期律表第1〜3族からなる群に属する金属元素が使用でき、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられるが、特にアルミニウム、ホウ素、ベリリウム、亜鉛が好ましい。
【0059】
金属原子Mに対するマグネシウムのモル比b/aには特に制限はないが、0.1以上50以下の範囲が好ましく、0.5以上10以下の範囲がより好ましい。
a=0の場合、有機マグネシウム化合物[III−1]が炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物であることが好ましく、上記式(10)のRおよびRが次に示す三つの群(i)、(ii)、(iii)のいずれか一つであることがさらに好ましい。
(i)RおよびRの少なくとも一方が炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基であり、好ましくはRおよびRが共に炭素原子数4〜6であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基である。
(ii)RおよびRが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であり、好ましくはRが炭素原子数2または3のアルキル基であり、Rが炭素原子数4以上のアルキル基である。
(iii)RおよびRの少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であり、
好ましくはRおよびRが共に炭素原子数6以上のアルキル基である。
【0060】
(i)において炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基などが挙げられ、1−メチルプロピル基が好ましい。
(ii)において炭素原子数2または3のアルキル基としては、エチル基、プロピル基が挙げられ、エチル基が好ましい。また、炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられ、ブチル基、ヘキシル基が好ましい。
(iii)において炭素原子数6以上の炭化水素基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基などが挙げられ、アルキル基である方が好ましく、ヘキシル基であることがより好ましい。
【0061】
有機マグネシウム化合物[III−1]として、一般にアルキル基の炭素原子数を増やすと炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる傾向であり、必要以上に長鎖のアルキル基を用いることは取り扱い上好ましくない。有機マグネシウム化合物[III−1]は炭化水素溶液として用いられるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミンなどのコンプレックス化剤をわずかに含有してもよく、また、該溶液中に該コンプレックス化剤が残存していても差し支えなく用いることができる。
化合物[III−2]は、アミン、アルコール、シロキサン化合物からなる群に属する化合物である。
アミン化合物としては、特に制限はないが、脂肪族、脂環式または芳香族アミンが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジンなどが挙げられる。
【0062】
アルコール化合物としては、特に制限はないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1,1−ジメチルエタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−4−メチル−1−ペンタノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、2−エチル−5−メチル−1−オクタノール、1−オクタノール、1−デカノール、シクロヘキサノール、フェノールが挙げられ、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノールおよび2−エチル−1−ヘキサノールが好ましい。
シロキサン化合物としては、特に制限はないが、下記式(11)で示される構成単位を有するシロキサン化合物が挙げられる。
シロキサン化合物は1種類または2種類以上の構成単位から成る2量体以上の鎖状または環状の化合物の形で用いることができる。
【0063】
【化11】

【0064】
上記式(11)中、RおよびRは、水素、炭素原子数1〜30の炭化水素基または炭素原子数1〜40の置換された炭化水素基なる群より選ばれる基である。
【0065】
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基、ビニル基が挙げられる。炭素原子数1〜40の置換された炭化水素基としては、特に制限はないが、トリフルオロプロピル基が挙げられる。
シロキサン化合物として、対称ジヒドロテトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン、ペンタメチルトリヒドロトリシロキサン、環状メチルヒドロテトラシロキサン、環状メチルヒドロペンタシロキサン、環状ジメチルテトラシロキサン、環状メチルトリフルオロプロピルテトラシロキサン、環状メチルフェニルテトラシロキサン、環状ジフェニルテトラシロキサン、(末端メチル封塞)メチルヒドロポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、(末端メチル封塞)フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが好ましい。
また、本実施の形態のポリエチレン系樹脂製フィルム(2) において、該ポリエチレン系樹脂としてメタロセン触媒より製造された高密度ポリエチレンが90〜50重量%、分岐状高圧法低密度ポリエチレンを10〜50重量%からなるフィルムが、ポリエチレン系樹脂製合紙として使用しても良い。
【0066】
(分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B))
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製フィルム(2)に用いられる分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)は、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)の密度は、好ましくは910〜930kg/mであり、より好ましくは915〜928kg/mである。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)のMFRは、好ましくは0.1〜10g/10分であり、より好ましくは1.0〜5g/10分である。
このような特性を有する分岐状高圧法系ポリエチレン(B)を用いることにより、フィルムの加工性に大きな効果を発揮させることができる。
分岐状高圧法低密度系ポリエチレン(B)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、他のα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどとの共重合体であってもよい。
【0067】
本発明におけるポリエチレン系樹脂製合紙は、ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)に用いられる該ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン共重合体であり、分子量分布(Mw/Mn)が3〜7と狭く、分子量の均一性を有していることから、分岐状高圧法低密度ポリエチレンとポリマーブレンドすることによりフィルム加工性を改良することができる。
ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)に用いられる該ポリエチレン系樹脂としては、メタロセン系高密度ポリエチレンと分岐状高圧法低密度ポリエチレンの配合する場合には、その配合割合は、メタロセン系高密度ポリエチレン90〜50重量%であり、好ましくは90〜60重量%であり、より好ましくは90〜70重量%である。
分岐状高圧法低密度ポリエチレンの配合割合は、好ましくは10〜50重量%であり、より好ましくは10〜40重量%であり、更に好ましくは10〜30重量%である。
【0068】
次に、本実施の形態のポリエチレン系樹脂製フィルム(2)の製造例について記述する。本発明のポリエチレン系樹脂製フィルム(2)の成形方法としては、公知のフィルム成形方法を採用することができる。たとえば、インフレーション法(空冷法、水冷法)、Tダイ法等何れのフィルム成形方法によることも可能で、場合により一軸延伸、二軸延伸処理等の延伸処理を加えることもできる。フィルム成形における成形温度、引取り速度に特に制限はないが、一般には成形温度140〜270℃、引取り速度5〜100m/min程度が好適である。また、ポリエチレン系樹脂からなるフィルムは単層もしくは積層体であってもよい。なお、基材層が多層の場合、各層の厚み比は特に限定しない。
さらに共押出法によるインフレーション製膜、Tダイ製膜で基材層と粘着層を積層させて得ることができるし、あるいは基材フィルムをインフレーション製膜、Tダイ製膜で得た後に粘着剤を塗布して得ることもできるが、特に限定されるものではない。ポリエチレン系樹脂製合紙には望ましくは粘着剤を使用しない方がよい。
【0069】
粘着層は、エチレン・酢酸ビニル共重合ポリマー、直鎖状低密度ポリエチレンなどの公知の粘着性樹脂を単独であるいは高圧法低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴムなどのエラストマー、テルペン樹脂、石油樹脂などの粘着助剤などを混合してもよく、共押出法によるインフレーション製膜、Tダイ製膜で基材層と積層することができる。あるいは天然ゴム、アクリル系、ポリイソブチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合ポリマー、スチレン・ブチレン・スチレン共重合ポリマー、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合ポリマー等の粘着剤を基材層に塗布して粘着層とすることもできる。基材層に対する粘着層の厚み比は特に限定しない。
【0070】
また、本発明におけるポリエチレン系樹脂製合紙を構成するポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)および/またはポリエチレン系樹脂製フィルム(2)には、スリップ剤、酸化防止剤、充填剤をいずれも実質的に含まないものが望ましい。スリップ剤としては、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、アルコールの脂肪酸エステル、ワックス、高級脂肪酸アマイド、シリコン油、ロジン等が挙げられ、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤があるが、フェノール酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(ジブチルヒドロキシトルエン)、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート))メタン等、リン系酸化防止剤としてはテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−t−ブチルフェニルホスファイト)等が挙げられる。充填剤としては、アルミノケイ酸塩、カオリン、クレー、天然シリカ、合成シリカ、シリケート類、タルク、珪藻土等が挙げられる。ここでいう添加とはポリエチレン樹脂組成物を改質、改良あるいは着色することを目的として上記の各種添加剤を該樹脂組成物に配合することであって、該樹脂組成物の製造中に不可避的に添加剤が微量混入するような場合、あるいは触媒や反応開始剤などが微量残存するような場合には添加とはいわない。充填剤、スリップ剤、酸化防止剤の添加剤を添加すると、溶出/ブリードアウト・アウトガス発生によるガラス基板の有機物汚染のため、ポリエチレン系樹脂製合紙として用いることができなくなるという問題を招来するので好ましくない。
【0071】
本発明におけるポリエチレン系樹脂製合紙を構成するポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)および/またはポリエチレン系樹脂製フィルム(2)に、意図的にスリップ剤、酸化防止剤、充填剤をいずれも実質的に含まないことを可能に出来ることで、ガラス基板用の合紙として利用が可能である。一般のチーグラー系触媒で製造した高密度ポリエチレンは、安定剤として、スリップ剤、酸化防止剤の添加剤を添加することが必須であり、一方メタロセン系触媒で製造した高密度ポリエチレンは、上記の添加剤を含まずに加工・使用することが可能である。もし、チーグラー系触媒で製造した高密度ポリエチレンにスリップ剤、酸化防止剤の添加剤を添加しなければ、加工時に劣化、分解してオリゴマーを発生し、ガラス基板への有機物付着の汚染を引き起こす。この理由は、チーグラー系触媒の成分に塩素が使用されていることにあり、高密度ポリエチレン中に残存する塩素成分を中和することが必要なため、上記の添加剤を添加する。一方、メタロセン系触媒はこの限りでない。また、分岐状高圧法低密度ポリエチレンにおいても、プロセス上ポリマーの分解に起因する触媒を用いないため、上記の添加剤を含まずに加工・使用することが可能である。
【0072】
また、本発明におけるポリエチレン系樹脂製合紙を構成するポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)および/またはポリエチレン系樹脂製フィルム(2)の替わりに、発泡シートとしてポリプロピレン系樹脂製発泡シート、ポリスチレン系樹脂製発泡シートを、フィルムとしてポリプロピレン系樹脂製フィルム、PET・PENなどのポリエステル系樹脂製フィルムとして場合は、意図的に酸化防止剤などを含むため、溶出/ブリードアウト・アウトガス発生によるガラス基板の有機物汚染の問題を招来するので好ましくない。
【0073】
本発明のポリエチレン系樹脂製合紙は、表面抵抗率が、好ましくは1×10〜1×1014(Ω)、より好ましくは1×10〜5×1013(Ω)、更に好ましくは1×10〜1×1013(Ω)であるものは、永久帯電防止性に優れており、塵や埃の付着を抑制し、ガラス基板を汚染することがなくガラス基板面を清浄に保持することができる効果を有する。
表面抵抗率は、JIS K6271−2001に準拠して印加電圧500Vにて測定される。
【0074】
本発明のポリエチレン系樹脂製合紙に帯電防止性を付与するために高分子型帯電防止剤がポリエチレン系樹脂製フィルム(2)を構成するポリエチレン系樹脂に添加しても良い。
使用される高分子型帯電防止剤は、表面抵抗率が1×1012(Ω)未満の樹脂からなるものが好ましい。具体的には、金属イオンとしてリチウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、あいはポリエーテルエステルアミドやポリエーテル等の親水性樹脂を主成分とするものが好ましい。また高分子型帯電防止剤は、発泡シートを構成するポリエチレン系樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を付与すると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、ポリオレフィン系樹脂をブロック共重合させた樹脂を用いることが更に好ましい。
高分子型帯電防止剤としては、例えば三井・デュポンポリケミカル株式会社製「SD100」、三洋化成工業株式会社製「ペレスタット300」という商品名で市販されている。
【0075】
本実施の形態のポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)およびポリエチレン系樹脂製フィルム(2) から構成されるポリエチレン系樹脂製合紙の製造例について記述する。製造して数日間を経て十分に養生した発泡シートの片面または両面を加熱ロールを通してフィルムと共に重ね合わせ、押圧・熱融着し、フィルム表面のエンボス加工処理をして積層し、ポリエチレン系樹脂製合紙を作製した。
本発明のポリエチレン系樹脂製合紙は、ガラス基板と接触する一面に、表面形状が、0.05〜0.3mmの凹凸状のエンボス加工が設けられていることが更に好ましい。 具体的には、ポリエチレン系樹脂製合紙にエンボス加工を施すことにより微細な凹凸を設けることが可能であり、ポリエチレン系樹脂製ガラス合紙の表面に、点状、鎖線状、直線状、波状などの形状に加工される。凸凹の高低差は0.05〜0.3mm、好ましくは0.05〜0.2mm、さらに好ましくは0.05〜0.1mmである。ピッチは2mm以下の状態で表裏全面に分布させたものが好ましい。
エンボス加工を行うことで、ガラスとの接着面積が減ることで密着強度が低減され、ガラスから合紙を容易に剥離させることが可能となる。
次に、実施例および参考例によって本発明を説明する。
【実施例】
【0076】
以下、本実施の形態を実施例および比較例によって更に詳細に説明するが、本実施の形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる測定方法および評価方法は以下のとおりである。
(1)密度
JIS−K−7112:1999に準じて測定した。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS−K−7210:1999(温度=190℃、荷重=2.16kg)に準じて測定した。
(3)見掛け密度
発泡シートから所定の大きさ(25mm×25mm)に切り取り、その厚みと重量を測定して見掛け密度を得る。
【0077】
(4)剥離性評価
液晶用ガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)と、同サイズの合紙を平置きの状態で交互に5枚積層し、加圧用冶具を用いて上方より2kg/cmの加重をかけた状態で温度40℃、湿度90%RHの環境下に14日間放置して加速試験を行った。試験終了後、ガラスから合紙を剥離して剥離性の評価を行った。剥離性評価は、剥離抵抗が全くなかったものは良好、剥離抵抗があったものは不良とした。
(5)ガラス表面の汚染度評価
上記の加速試験、剥離性評価後、エアーガンで表面の埃を除去し、純水による接触角測定を行った。比較として、ポリエチレン系樹脂製合紙と接触していない、元の液晶用ガラス基板の接触角も同時に測定した。接触角の測定値は、9点測定し、平均値とした。以下の汚染度評価基準で評価した。
良好:接触角の測定値の上昇度が、10度未満の場合。
不良:接触角の測定値の上昇度が、10度以上の場合。
【0078】
(6)耐傷付き性評価
液晶表示板用ガラス板(厚み0.7mm、縦横50mm×50mm)と同サイズの合紙を平置きの状態で交互に5枚積層し、加圧用冶具を用いて上方より32g/cmの加重をかけた状態でガラス基板と合紙の積層体を得た(ガラス基板5枚、合紙6枚 一番上と一番下は合紙とした)。
この積層体をゴム紐で縛り固定し、これを振とう機器(商品名「バイオシェーカー V・BR−36」 タイテック社製)で温度40℃の環境下、振とう速度300r/minの条件下、8時間振動を与えた。その後、ゴム紐を解いてガラス表面の細かい傷を、ガラスの側面から光を当て、顕微鏡を用いて確認した。
傷発生状況の評価基準を次の通りとし、評価した。
良好:傷の発生が確認できない。
やや良好:1枚のガラス板中、傷の発生が1個以下 不良:1枚のガラス板中、傷の発生が2個以上
【0079】
<樹脂サンプル作製>
[メタロセン担持触媒[I]の調製]
シリカP−10[富士シリシア社(日本国)製]を、窒素雰囲気下、400℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、1.3mmol/g−SiOであった。容量1.8リットルのオートクレーブにこの脱水シリカ40gをヘキサン800cc中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下50℃に保ちながらトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/リットル)を60cc加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの全ての表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[IV]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー800ccを得た。
【0080】
一方、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「チタニウム錯体」と記載する。)200mmolをアイソパーE[エクソンケミカル社(米国)製の炭化水素混合物の商品名]1000ccに溶解し、予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムより合成した組成式AlMg(C(n−C12の1mol/リットルヘキサン溶液を20cc加え、更にヘキサンを加えてチタニウム錯体濃度を0.1mol/リットルに調整し、成分[V]を得た。
また、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と記載する。)5.7gをトルエン50ccに添加して溶解し、ボレートの100mmol/リットルトルエン溶液を得た。このボレートのトルエン溶液にエトキシジエチルアルミニウムの1mol/リットルヘキサン溶液5ccを室温で加え、さらにヘキサンを加えて溶液中のボレート濃度が70mmol/リットルとなるようにした。その後、室温で1時間攪拌し、ボレートを含む反応混合物を得た。
【0081】
ボレートを含むこの反応混合物46ccを、上記で得られた成分[IV]のスラリー800ccに15〜20℃で攪拌しながら加え、ボレートを物理吸着によりシリカに担持した。こうして、ボレートを担持したシリカのスラリーが得られた。さらに上記で得られた成分[V]のうち32ccを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応させた。こうしてシリカと上澄み液とを含み、触媒活性種が該シリカ上に形成されているメタロセン担持触媒[I]を得た。
【0082】
[液体助触媒成分[II]の調製]
有機マグネシウム化合物[III−1]として、AlMg(C(n−C12で示される有機マグネシウム化合物を使用した。化合物[III−2]として、メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス)を使用した。200ccのフラスコにヘキサン40ccとAlMg(C(n−C12を、MgとAlの総量として37.8mmolを攪拌しながら添加し、25℃でメチルヒドロポリシロキサン2.27g(37.8mmol)を含有するヘキサン40ccを攪拌しながら添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下に反応させることにより、液体助触媒成分[II]を調製した。
【0083】
[メタロセン系高密度ポリエチレンであるエチレン単独重合体およびエチレンとα−オレフィンとの共重合体の調製]
上記により得られたメタロセン担持触媒[I]と液体助触媒成分[II]は触媒移送ラインに連鎖移動剤として必要量の水素を供給することで水素を接触させて重合反応器に導入し、溶媒としてヘキサン、モノマーとしてエチレンおよび1−ブテンを用いた。反応温度は70℃としてエチレン、1−ブテン、水素の混合ガス(ガス組成は1−ブテンとエチレン+1−ブテンのモル比が0.30、水素とエチレン+水素のモル比が0.0032を維持できるように調節)を全圧が0.8MPaでメタロセン系高密度ポリエチレンであるエチレンと1−ブテンとの共重合体を重合した。得られたメタロセン系高密度ポリエチレンであるエチレン−1−ブテン共重合体は密度が947kg/m、MFRが5.0g/10分、ゲルパーミエーションクロマトグラフの測定による分子量分布(Mw/Mn)が4.2であった。
【0084】
[分岐状高圧法低密度ポリエチレンであるエチレン重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体の調製]
公知のオートクレーブタイプリアクターでエチレンとα−オレフィンをラジカル重合して得られた、密度921kg/m、MFR0.4g/10分である分岐状高圧法低密度ポリエチレンを得た。
【0085】
[実施例1]
[発泡シートの調製]
発泡シート製造用の押出機として、直径150mmの押出機の出口に環状ダイが取付けられたシングル押出機を使用し密度926kg/m、MFR5.0g/10分の低密度ポリエチレン系樹脂100重量部を直径150mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱混練し、約200℃に調整された樹脂溶融物とした。該樹脂溶融物に物理発泡剤としてノルマルブタンを、該樹脂100重量部に対して14.6重量部となるように圧入し、次いで冷却して発泡性樹脂溶融物とし、該発泡性樹脂溶融物を環状ダイにて押出して筒状発泡シートを形成した。押出された筒状発泡シートを冷却された円筒に沿わせて引き取りながら切開いて、目的の発泡シートを得た。発泡シートの厚さが1.15mm、みかけ密度は35g/Lであった。
【0086】
[フィルムの調製]
密度947kg/m、MFR5.0g/10分、分子量分布:Mw/Mnが4.2のメタロセン系高密度ポリエチレン90重量%および密度921kg/m、MFR0.4g/10分の分岐状高圧法低密度ポリエチレン10重量%の割合で混合したポリマーブレンド物100重量部に5重量部の高分子型帯電防止剤(三洋化成工業株式会社製ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体「ぺレスタット300」)を配合、混練し、山口製作所製Tダイ(スクリュー径30mm、ダイ300mm幅)を用い、シリンダー温度200℃、ダイ温度230℃、押出し量5kg/時間、引き取り速度10m/分で成形し、厚さ35μmのポリエチレン樹脂からなる目的のフィルムを得た。
【0087】
[ポリエチレン系樹脂製合紙の調製]
ロール状に巻き取り保管した発泡シート原反をあらかじめ約300mm幅にスリットしておき、製造から3日後に用い、発泡シートの両面に厚さ35μmのメタロセン系高密度ポリエチレンフィルムを重ね合わせ、これを加熱温度130℃に設定した加熱ロールに通してシートとフィルムを熱融着し、エンボス加工処理をして積層した、厚さ1.03mmのポリエチレン系樹脂製合紙を製造した。
剥離性評価は、剥離抵抗が全くなく、良好であった。ガラス表面の汚染度評価は、接触角の測定値が7.6度(非接触のガラス基板の場合、接触角の測定値は、3.7度)であり、接触角の測定値の上昇度が、10度未満の場合であることから、良好であった。耐傷付き性評価は、傷の発生が確認できなかったため、良好であった。
【0088】
[比較例1]
市販のガラス合紙(長良製紙社製 商品名:きらりD)を実施例1と同様に評価した。
剥離性評価は、剥離抵抗がわずかにあり不良であった。ガラス表面の汚染度評価は、接触角の測定値が37.9度(非接触のガラス基板の場合、接触角の測定値は、3.7度)であり、接触角の測定値の上昇度が、10度以上の場合であることから、不良であった。耐傷付き性評価は、1枚のガラス板中に3個の傷の発生が確認されたため、不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、半導体基板、セラミック基板、金属基板、回路基板、CD、DVD、MO、ハードディスク基板、プリズムシート、レンズシート、位相差フィルム、輝度向上シート、視野拡大シート、電磁波シールドシート、導光板、拡散板、拡散シート、レンチキュラーレンズシート、反射シート、レンズ、プリズムに適用し、特に液晶ディスプレイ用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、エレクトロルミネッセンスディスプレイ用ガラス基板、フィールドエミッションディスプレイ用ガラス基板、太陽電池パネル用ガラス基板ならびにそれを加工したカラーフィルター基板、液晶ディスプレイ用パネル、TCOガラス基板、タッチパネルなどの各種基板や、精密装置用部材を搬送、保管する際に、傷つき、塵埃付着や有機物汚染から表面を保護する目的で基板間に挟み込んで使用される合紙として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)の片面又は両面にポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が貼合されてなるポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項2】
少なくとも一面に、表面形状が、0.05〜0.30mmの凹凸状の加工が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項3】
ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)および/またはポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、スリップ剤、酸化防止剤、充填剤をいずれも実質的に含まないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項4】
ポリエチレン系樹脂製発泡シート(1)は、厚さが0.3〜1.5mm、見掛け密度が18〜180g/Lであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項5】
ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、厚さが20〜100μmであり、密度が935〜970kg/m、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分のエチレン単独重合体および/またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項6】
ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、メタロセン系高密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項7】
ポリエチレン系樹脂製フィルム(2)が、メタロセン系高密度ポリエチレン90〜50重量%と、分岐状低密度ポリエチレン10〜50重量%からなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項8】
表面抵抗率が1×10〜1×1014(Ω)であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項9】
ガラス基板、半導体基板、樹脂基板、プリント配線基板、セラミック基板、表示装置、半導体装置、導光板、反射板、レンズシート、プリズムシート、位相差板、偏光板、回路基板、磁気記録基板、光学記録基板、光磁気記録基板及び成形セラミック板から選ばれるいずれかの基板の基板間に挟み込んで使用されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂製合紙。
【請求項10】
ガラス基板が、液晶ディスプレイ用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、エレクトロルミネッセンスディスプレイ用ガラス基板、フィールドエミッションディスプレイ用ガラス基板及び太陽電池パネル用ガラス基板から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項9記載のポリエチレン系樹脂製合紙。

【公開番号】特開2011−11478(P2011−11478A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158129(P2009−158129)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】