説明

ポリヒドロキシアルカノエートバイオポリマー組成物

【課題】生物系を使用して生成されたいくつかの新規なPHA(ポリ[(R)−3−ヒドロキシアルカノエート])ポリマー組成物を提供する。
【解決手段】ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、アシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群から選択される1以上酵素を発現する細胞系に、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、2−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、および5−ヒドロキシバレレートのようなモノマーを基質として提供することによって、ポリマーを蓄積させることからなる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、米国特許出願第60/086,396号(1998年5月22日出願)に対する優先権を主張する。
【0002】
多くの微生物が、PHAポリマーの細胞内貯蔵を蓄積する能力を有する。ポリ[(R)−3−ヒドロキシアルカノエート](PHA)は、再生可能な供給源から生成される、生分解性かつ生体適合性熱可塑性材料であり、広範な産業上の適用および生体医学適用を有する(WilliamsおよびPeoples,1996,CHEMTECH 26、38−44)。文献(SteinbuchelおよびValentin,1995,FEMS Mcrobiol.Lett.128;219−228)で報告されるように、約100の異なるモノマーが、PHAポリマーに組込まれ、そしてそれらの代謝の生物学および遺伝学が、最近総説されている(HuismanおよびMadison,1998,Microbiology and Molecular Biology Reviews,63:21−53)。
【0003】
今日まで、PHAは、開発量で利用可能である、コポリマーであるポリ(2−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシブチレート)(PHBV)のみに、限定された商業的利用能が見い出されてきた。このコポリマーは、細菌Ralstonia eutrophaの発酵によって生成されてきた。他のPHA型についての発酵および回収工程もまた、Azotobacter、Alcaligenes latus、Comamonas testosteroneならびに遺伝子操作されたE.coliおよびKlebsiellaを含む範囲の細菌を利用して開発され、そして最近総説されている(Brauneggら、1998、Journal of Biotechnology 65:127−161;ChoiおよびLee,1999.Appl.Microbiol.Biotechnol.51:13−21)。より伝統的なポリマー合成アプローチもまた試験されており、これらには、対応するラクトンの直接縮合および開環重合が挙げられる(JesudasonおよびMarchessault、1994、Macromolecules 27:2595−2602)。
【0004】
モノマー4−ヒドロキシブチレートを含むPHAポリマー(PHB4HB、Doi,Y.1995,Macromol.Symp.98,585−599)または4−ヒドロキシバレレートおよび4−ヒドロキシヘキサノエート含有PHAポリエステルの合成は記載されている(Valentinら、1992、Appl.Microbiol.Biotechnol.36,507−514、ならびにValentinら、1994、Appl.Microbiol.Biotechnol.40,710−716)。これらのポリステルは、PHBVについて元来記載された方法に類似する方法を使用して製造され、この方法は、微生物にモノマーのPHAポリエステル内への組み込みを強制するように、比較的広範な非炭水化物供給源を摂食させる。PHB4HBコポリマーは、再度広範なポリマーを提供する広範なモノマー組成物を用いて生成される(Saito,Y.Nakamura,S.,Hiramitsu,M.およびDoi,Y.,1996,Polym.Int.39:169)。
【0005】
3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシプロピオネートのPHAコポリマーもまた、記載されている(Shimamuraら、1994、Macromolecules 27:4429−4435;Caoら、1997、Macromol.Chem.Phys.198:3539−3557)。高レベルの3−ヒドロキシプロピオネートは、これらのコポリマーに88モル%で組み込まれる(Shimamuraら、1994、Macromolecules 27:4429−4435)。
【0006】
4−ヒドロキシバレレートを含むPHAターポリマーは、4−ヒドロキシバレレートまたはレブリン酸上で遺伝子操作したPseudomonas putida株を摂食させ、この株に3成分のPHA、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート−4−ヒドロキシバレレート)が生じることによって生成されている(Valentinら、1992、Appl.Microbiol.Biotechnol.36:507−514;SteinbuchelおよびGrenflo,1997,Macromol.Symp.123:61−66)。4−ヒドロキシバレレートを含む2成分のポリマーまたはポリ(4−ヒドロキシバレレート)のホモポリマーを生成するために生物学的系を開発することが望ましい。SteinbuchelおよびGorenflo(1997、Macromol.Symp.123:61−66)の結果は、Pseudomonas putidaがレブリン酸を4−ヒドロキシバレレートへ変換する能力を有することを示す。
【0007】
Heinら(1997)は、トランスジェニックEscherichia coli株XL1−Blueを使用してポリ−4HVを合成することを試みたが、成功しなかった。これらの細胞は、A.eutrophusのPHAシンターゼおよびClostridium kluyveriの4−ヒドロキシブチリル−CoAトランスフェラーゼ遺伝子の発現を可能にするプラスミドを保持した。このトランスジェニックE.coliに4HV、□−バレロラクトン(□−valerolactone)、またはレブリン酸を摂食させた場合、これらは、少量のPHBホモポリマーのみを生成した。
【0008】
産業上の理由のために、ある範囲の定義されたPHAホモポリマー、コポリマーおよびターポリマー組成物を生成することが可能であることが明らかに望ましい。このことを達成するために、個々の酵素の対応するPHA生合成経路の利用能を制御することが可能であることが望ましい。
【0009】
従って、ある範囲の定義されたPHAホモポリマー、コポリマーおよびターポリマー組成物を提供することが本発明の目的である。
【0010】
個々の酵素の対応するPHA生合成経路の利用能を制御するための方法および材料を提供することは、本発明の別の目的である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Brauneggら、1998、Journal of Biotechnology 65:127−161
【非特許文献2】ChoiおよびLee,1999.Appl.Microbiol.Biotechnol.51:13−21
【非特許文献3】Valentinら、1992、Appl.Microbiol.Biotechnol.36,507−514
【非特許文献4】Valentinら、1994、Appl.Microbiol.Biotechnol.40,710−716
【非特許文献5】Shimamuraら、1994、Macromolecules 27:4429−4435
【非特許文献6】Caoら、1997、Macromol.Chem.Phys.198:3539−3557
【非特許文献7】SteinbuchelおよびGrenflo,1997,Macromol.Symp.123:61−66
【発明の概要】
【0012】
生物学的系を使用して生成されたいくつかの新規なPHAポリマー組成物としては、3−ヒドロキシブチレート(hydroxybutyrate)、3−ヒドロキシプロピオネート(hydroxypropionate)、2−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート(hydroxyvalerate)、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、および5−ヒドロキシバレレートのようなモノマーが挙げられる。これらのPHA組成物は、例えば、3−ヒドロキシヘキサノエート(hydroxyhexanoate)、4−ヒドロキシヘキサノエート、6−ヒドロキシヘキサノエート、または7以上の炭素を含む、他のより長鎖の3−ヒドロキシ酸を含むさらなるモノマーを組込むように容易に伸長され得る。これは、天然のPHA生成者を取得し、そして化学的変異またはトランスポゾン変異を介して変異を与え、所望しない活性をコードする遺伝子を欠失または不活性化することによって達成され得る。あるいは、その株は、所望のポリマー組成物の生成に必要とされるこれらの酵素のみを発現するよう遺伝子操作され得る。PHA生成微生物を遺伝子操作するための方法は、当該分野で広く公知である(HuismanおよびMadison,1998,Microbiology and Molecular Biology Reviews,63:21−53)。これらのポリマーは、医用領域、産業領域および他の商業的領域において種々の使用を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、レブリン酸からポリ−4−ヒドロキシバレレートへの経路の概略図である。
【図2】図2は、IacI(誘導物質)遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびhbcT遺伝子を含む、プラスミドpFS16の構築物の概略図である。
【図3】図3は、IacI(誘導物質)遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ポリヒドロキシアルカノエートポリメラーゼ(phaC)遺伝子、およびhbcT遺伝子を含む、プラスミドpFS30の構築物の概略図である。
【0014】
(発明の詳細な説明)
いくつかの新規なPHAポリマー組成物が、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、2−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、および5−ヒドロキシバレレートのようなモノマーを組込むように、生物学的系を使用して生成されている。これらのPHA組成物は、例えば、3−ヒドロキシヘキサノエート、4−ヒドロキシヘキサノエート、6−ヒドロキシヘキサノエート、または7以上の炭素を含む、他のより長鎖の3−ヒドロキシ酸を含むさらなるモノマーを組込むように容易に伸長され得る。単一の構成物かまたはコモノマーのいずれかとしてこれらのモノマーの1以上を含むPHAを合成するトランスジェニック生物体を操作するための技術および手順が開発されている。これらの系において、このトランスジェニック生物体は、細菌(例えば、Escherichia coli、K.pneumoniae、Ralstonia eutropha(正式には、Alcaligenes eutrophus)、Alcaligenes latus、またはPHAを合成し得る他の微生物)、あるいは高等植物または植物の構成要素(例えば、油料穀物(Brassica、ヒマワリ、ダイズ、コーン、ベニバナ、アマ、ヤシまたはココナッツ)あるいはデンプン蓄積植物(ジャガイモ、タピオカ、カサバ)の種子)のいずれかである。
【0015】
組換えE.coli株における効果的なPHA合成のために、この経路に関与する全ての遺伝子の発現が十分であることが重要である。この目的のために、目的の遺伝子は、染色体外DNA分子(例えば、プラスミド)から発現され得、この染色体外DNA分子は、コピー数の効果およびその結果の高い発現レベルを内因的に生じるか、または、より好ましくは、目的の遺伝子は、染色体から発現され得る。汎用型産物の大規模の発酵については、プラスミドベースの系が、プラスミドの維持の過負荷および安定的な発現の問題に起因して十分なものでないことが、一般的に公知である。これらの欠点は、発現が十分かつ安定であるように、目的の遺伝子に先行する転写シグナルおよび翻訳シグナルを改善することによって染色体にコードされる酵素を使用して克服され得る。
【0016】
生物学的系は、モノマーをポリマーに変換するために、必要な場合1以上の酵素を発現しなければならない。適切な基質としては、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、2−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、4−ヒドロキシヘキサノエート、6−ヒドロキシヘキサノエート、および7以上の炭素を含む、他のより長鎖の3−ヒドロキシ酸が挙げられる。これらの酵素としては、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、アシルCoAトランスフェラーゼおよびヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、ならびにヒドロキシアシルCoAシンテターゼが挙げられる。これらの酵素は、生物学的系(例えば、細菌、酵母、真菌または植物)においてポリマー(例えば、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオネート−コ−5−ヒドロキシバレレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシブチレート)、およびポリ(3−ヒドロキシプロピオネート))を生成するために、これらの基質と共に使用され得る。
【0017】
必要とされる酵素をコードする遺伝子は、複数の供給源から獲得され得る。Peoplesらに対する、米国特許第5,798,235号および同第5,534,432号は、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、レダクターゼおよびチオラーゼを記載する。C.aminobutyricum由来の4−ヒドロキシブチリルCoAトランスフェラーゼが、WilladsenおよびBuckel,FEMS Microbiol.Lett.(1990)70:187−192に記載されるか、またはC.kluyveri由来の4−ヒドロキシブチリルCoAトランスフェラーゼが、SohlingおよびGottschalk,1996、J.Bacteriol.178,871−880に記載される。Neurospora crassa由来のアシル補酵素Aシンテターゼは、HiiおよびCourtright,J.Bacteriol.1982.150(2),981−983に記載される。Clostridium由来のヒドロキシアシルトランスフェラーゼは、HofmeisterおよびBucker,Eur.J.Biochem.1992,206(2)、547−552によって記載される。
【0018】
効果的なPHA生成のために、種菌生育および生成過程の継続時間中にバイオポリマーを合成する能力を損失しないことが重要である。任意のpha遺伝子の損失は、産物の損失を生じる。両方が望ましくなく、従って、株の安定した増殖が必要とされる。トランスフェラーゼまたはシンターゼをコードする遺伝子を単に組込むことは、有意なポリマー生成を生じないかもしれない。酵素の発現は、プロモーター領域の改変または変異あるいは他の公知の技術を経て増強され、その後ポリマー生成についてスクリーニングされ得る。これらの組換えPHA生成者の増殖および形態は、染色体上のpha遺伝子の存在によって解決されない。
【0019】
本発明は、以下の制限されない実施例を参照することによってさらに理解される。
【実施例1】
【0020】
(実施例1 E.coliにおける4−ヒドロキシバレレートおよびグルコースからのポリ(3HB−コ−4HV))
【0021】
(pFS16の構築)
プラスミドpTrcNは、pTrc99a(Pharmacia;Uppsala,Sweden)の誘導体であり;pTrcNと区別するその改変は、NcoIでの消化、T4 DNAポリメラーゼでの処理、および自己連結による、NcoI制限部位の除去である。Clostridium kluyveri由来の4−ヒドロキシブチリル−CoAトランスフェラーゼをコードするorfZ遺伝子は、標的DNAとしてプラスミドpCK3(SohlingおよびGottschalk,1996,J.Baceriol.178:871−880)および以下のオリゴヌクレオチドプライマー:
5’−TCCCCTAGGATTCAGGAGGTTTTTATGGAGTGGGAAGAGATATATAAAG−3’
(orfZ 5’ AvrII)
5’−CCTTAAGTCGACAAATTCTAAAATCTCTTTTTAAATTC−3’
(orfZ 3’ SalI)
を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびPerkin Elmer(Foster City,CA)からのキットを使用して増幅した。
【0022】
生じたPCR産物を、4−ヒドロキシブチリル−CoAトランスフェラーゼがIPTG(イソプロピル−β−D−グルコピラノシド)誘導性trcプロモーターから発現され得るように、AvrIIおよびSalIを用いて消化し、そしてXbaI(これらはAvrIIに適合可能である)およびSalIで消化したpTrcNに連結し、プラスミドpFS16を形成した。
【0023】
(pFS30の構築)
プラスミドpFS30を、(Gerngrossら、1994、Biochemistry 33:9311−9320)に記載されるような強力なE.coliリボソーム結合部位を付加することによって改変された、Ralstonia eutropha PHAシンターゼ(phaC)遺伝子(PeoplesおよびSinskey、1989、J.Biol.Chem.264:15298−15303)を付加することによってpFS16から誘導した。プラスミドpAeT414を、R.eutrophaプロモーターおよびphaC構造遺伝子が、1つのフラグメント上に存在するように、XmaIおよびStuIで消化した。pFS16をBamHIで切断し、T4 DNAポリメラーゼで処理して平滑末端を作製し、次いで、XmaIで切断した。従って、得られた2つのDNAフラグメントを共に連結して、pFSを形成した。この構築物において、PHBシンターゼおよび4−ヒドロキシブチリル−CoAトランスフェラーゼは、A.eutrophusのphbCプロモーター(PeoplesおよびSinskey、1989、J.Biol.Chem.264:15298−15303)から発現される。PHBシンターゼおよび4−ヒドロキシブチリル−CoAトランスフェラーゼを発現する他の適切なプラスミドは、(Heinら、1997、FEMS Microbiol.Lett.153:411−418;ValentinおよびDennis,1997,J.Biotechnol.58:33−38)に記載されている。
【0024】
E.coli MBX769は、その染色体内に組込まれたPHAシンターゼを有する。この株は、染色体外遺伝子の存在なしに、グルコースからポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を合成し得る。MBX769はまた、fadR(脂肪酸分解経路のリプレッサーおよび多くの他の細胞機能のエフェクター)を欠損し、rpoS(定常期の遺伝子発現のレギュレーター)を欠損し、そしてatoA(アセトアセチル−CoAトランスフェラーゼの1つのサブユニット)を欠損している。MBX769はまた、atoC(アセトアセテート系のポジティブレギュレーター)を構成的に発現する。
【0025】
Clostridium kluyveriの4−ヒドロキシブチリル−CoAトランスフェラーゼの発現を可能にするプラスミドpFS16(図2)を保持するE.coli MBX769を、250mLのErlenmeyerフラスコにおいて100μg/mlのアンピシリンナトリウムを含有する100mLのLB培地中で、37℃、200rpmで振盪して前培養した。16時間後、細胞を、5000gで10分間遠心分離して、LB培地からこれらを回収し、そしてこれらを、1リットルあたり、以下:4.1または12.4gの4−ヒドロキシバレレート(4HV)ナトリウム;5g/Lの4−ヒドロキシブチレート(4HB)ナトリウム;2gのグルコース;2.5gのLBブロス粉末(Difco;Detroit,Mich.);50mmolのリン酸カリウム、pH7;100μg/mLのアンピシリンナトリウム;および0.1mmolのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を含有する100mLの培地中に再懸濁した。4−ヒドロキシバレレートナトリウムは、水酸化ナトリウム溶液中でγ−バレロラクトンの加水分解によって得た。これらの細胞を、この培地中で3日間、これらの細胞を前培養した同じフラスコで32℃、200rpmで振盪して培養した。4.1g/Lの4−ヒドロキシバレレートナトリウムが最初に存在する場合、この細胞は、乾燥細胞重量の52.6%までポリマーを蓄積し、このポリマーは、63.4%の3HBユニットおよび36.6%の4HBユニットからなり、4HVユニットを含まなかった。
【0026】
12.4g/Lの4HVナトリウムが最初に存在する場合、この細胞は、乾燥細胞重量の45.9%までポリマーを蓄積し、このポリマーは、95.5%の3HBユニットおよび4.5%の4HVユニットからなるが、検出可能な4HBユニットは含まなかった。PHB−コ−4HVポリマーの正体を、全細胞のクロロホルム抽出、続いて、濾過、濾過物からのポリマーのエタノール沈殿、およびこのポリマーの水での洗浄によって得られた固体産物の核磁気共鳴(NMR)分析によって検証した。このポリマーをまた、以下のように行う、ガスクロマトグラフィー(GC)分析によって検証した。抽出したポリマー(1〜20mg)または凍結乾燥全細胞(15〜50mg)を、50%の1,2−ジクロロエタン、40%の1−プロパノール、および10%の濃塩酸からなる3mLのプロパノール溶解(propanolysis)溶液中、100℃で5時間インキュベートした。生じた混合物の水溶性成分を、3mLの水での抽出によって除去した。有機相(2ml/分の全体流速で、1:50のスプリット比で1μL)を、SPB−1融合シリカキャピラリーGCカラム(30m;0.32mm ID;0.25μmフィルム;Supelco;Bellefonte,Pa)上で、以下の温度プロフィールで分析した:80℃、2分;250℃まで、10℃/分;250℃、2分。ポリマー中の4HVユニットの存在について試験するために使用されるスタンダードは、γ−バレロラクトンであり、これは4−ヒドロキシバレレート酸のように、プロパノール溶解(propanolyzed)の際にプロピル4−ヒドロキシバレレートを形成する。ポリマー中の3HBユニットについて試験するために使用されるスタンダードは、PHBであった。
【実施例2】
【0027】
(実施例2 E.coliにおける4−ヒドロキシバレレートからのポリ(4HV))
Escherichia coli MBX1177は、グルコースからポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を合成し得ない。MBX1177は、DH5□株の自発性変異体であり、炭素源として4−ヒドロキシブチレート酸を使用し得る。Clostridium kluyveriの4HB−CoAトランスフェラーゼおよびRalstonia eutrophaのPHAシンターゼの発現を可能にするプラスミドpFS30(図2)を保持するMBX1177を、100μg/mlのアンピシリンナトリウムを含有する100mLのLB培地中で、37℃で振盪して前培養した。
【0028】
16時間後、細胞を、5000gで10分間遠心分離して、LB培地からこれらを回収し、そしてこれらを、1リットルあたり、以下:5gの4−ヒドロキシバレレート(4HV)ナトリウム;2gのグルコース;2.5gのLBブロス粉末;100mmolのリン酸カリウム、pH7;100μg/mLのアンピシリンナトリウム;および0.1mmolのIPTGを含有する100mLの培地中に再懸濁した。これらの細胞を、この培地中で3日間、これらの細胞を前培養した同じフラスコで30℃、200rpmで振盪して培養した。
【0029】
この細胞は、乾燥細胞重量の0.25%までポリマーを蓄積し、このポリマーは、100%の4HVユニットからなった。このポリ(4HV)ポリマーの正体を、水で洗浄し、そして50%の1,2−ジクロロエタン、40%の1−プロパノール、および10%の濃塩酸の混合物中で、100℃で5時間プロパノール溶解した全細胞のGC分析によって、スタンダードとしてγ−バレロラクトンを用いて検証した。
【実施例3】
【0030】
(実施例3 E.coliにおける2−ヒドロキシブチレートおよびグルコースからのポリ(3HB−コ−2HB))
プラスミドpFS16を保持するMBX769を、250mLのErlenmeyerフラスコにおいて100μg/mLのアンピシリンナトリウムを含有する100mLのLB培地中で、37℃、200rpmで振盪して前培養した。16時間後、細胞を、5000gで10分間遠心分離して、LB培地からこれらを回収し、そしてこれらを、1リットルあたり、以下:5gの2−ヒドロキシブチレート(2HB)ナトリウム;2gのグルコース;2.5gのLBブロス粉末;50mmolのリン酸カリウム、pH7;100μg/mLのアンピシリンナトリウム;および0.1mmolのIPTGを含有する100mLの培地中に再懸濁した。これらの細胞を、この培地中で3日間、これらの細胞を前培養した同じフラスコで33℃、150rpmで振盪して培養した。この細胞は、乾燥細胞重量の19.0%までポリマーを蓄積し、このポリマーは、99.7%の3HBユニットおよび0.3%の2HBユニットからなった。このポリ(3HB−コ−2HB)ポリマーの正体を、全細胞のクロロホルム抽出、続いて、濾過、濾液からのポリマーエタノール沈殿、およびこのポリマーの水での洗浄によって得られた固体産物のGC分析によって検証した。このポリマーをまた、水で洗浄し、そして50%の1,2−ジクロロエタン、40%の1−プロパノール、および10%の濃塩酸の混合物中、100℃で5時間、プロパノール溶解させた全細胞のGC分析により、スタンダードとしてPHBおよび2−ヒドロキシブチレートナトリウムを用いて検証した。
【実施例4】
【0031】
(実施例4 E.coliにおける2−ヒドロキシブチレートからのポリ(2HB))
Escherichia coli MBX184は、グルコースからポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を合成し得ない。MBX184は、fadRを欠損し、そしてatoCを構成的に発現する。
【0032】
プラスミドpFS30を保持するMBX184を、100μg/mlのアンピシリンナトリウムを含有する100mLのLB培地中で、37℃で前培養した。16時間後、細胞を、5000gで10分間遠心分離して、LB培地からこれらを回収し、そしてこれらを、1リットルあたり、以下:5gの2−ヒドロキシブチレート(2HB)ナトリウム;2gのグルコース;2.5gのLBブロス粉末;50mmolのリン酸カリウム、pH7;100μg/mLのアンピシリンナトリウム;および0.1mmolのIPTGを含有する100mLの培地中に再懸濁した。これらの細胞を、この培地中で3日間、これらの細胞を前培養した同じフラスコで33℃、150rpmで振盪して培養した。
【0033】
この細胞は、乾燥細胞重量の1.0%までポリマーを蓄積し、このポリマーは、100%の2HBユニットからなった。このポリ(2HB)ポリマーの正体を、水で洗浄し、そして50%の1,2−ジクロロエタン、40%の1−プロパノール、および10%の濃塩酸の混合物中、100℃で5時間プロパノール溶解した全細胞のGC分析により、スタンダードとして2−ヒドロキシブチレートを用いて検証した。
【実施例5】
【0034】
(実施例5 1,3−プロパンジオールから、および1.5−ペンタンジオールからのポリ−3HPおよびポリ−3HP−コ−5HV)
プラスミドpFS30を保持するEscherichia coli MBX184を、100μg/mlのアンピシリンナトリウムを含有する100mLのLB培地中で、37℃で前培養した。16時間後、細胞を、5000gで10分間遠心分離して、LB培地からこれらを回収し、そしてこれらを、1リットルあたり、以下:10gの1,3−プロパンジオール(1,3−PD)または1,5−ペンタンジオール(1,5−PD);2gのグルコース;2.5gのLBブロス粉末;50mmolのリン酸カリウム、pH7;100μg/mLのアンピシリンナトリウム;および0.1mmolのIPTGを含有する100mLの培地中に再懸濁した。これらの細胞を、この培地中で3日間、これらの細胞を前培養した同じフラスコで30℃、200rpmで振盪して培養した。ジオール基質が1,3−PDであった場合、この細胞は、乾燥細胞重量の7.0%までポリマーを蓄積し、このポリマーは、全体的に3HBユニットからなった。ジオール基質が1,5−PDであった場合、この細胞は、乾燥細胞重量の22.1%までポリマーを蓄積し、90%を超える3−ヒドロキシプロピオネートユニットおよび10%未満の5−ヒドロキシバレレートユニットからなった。このポリ(3−ヒドロキシプロピオネート)ポリマーの正体を、全細胞の次亜塩素酸ナトリウム抽出、続いて、遠心分離およびこのポリマーの水での洗浄によって得られた固体産物のNMR分析によって検証した。この両方のポリマーの正体を、50%の1,2−ジクロロエタン、40%の1−プロパノール、および10%の濃塩酸の混合物中、100℃で5時間、プロパノール溶解させた次亜塩素酸ナトリウム抽出したポリマーのGC分析により、スタンダードとしてβ−プロピオラクトンおよびδ−バレロラクトンを用いて検証した。
【実施例6】
【0035】
(実施例6 5−ヒドロキシバレレートからのポリ−5HV)
pFS30を保持するEscherichia coliMBX1177を、100μg/mlのアンピシリンナトリウムを含有する50mLのLB培地中で、37℃で前培養した。8時間後、細胞を、5000gで10分間遠心分離して、LB培地からこれらを回収し、そしてこれらを、1リットルあたり、以下:10gの5−ヒドロキシバレレート(5HV)ナトリウム;5gのグルコース;2.5gのLBブロス粉末;50mmolのリン酸カリウム、pH7;100μg/mLのアンピシリンナトリウム;および0.1mmolのIPTGを含有する100mLの培地中に再懸濁した。5HVナトリウムをδ−バレロラクトンのけん化によって得た。これらの細胞を、この培地中で3日間、これらの細胞を前培養した同じフラスコで30℃、200rpmで振盪して培養した。90%の1−ブタノール、および10%の濃塩酸の混合物中、110℃で5時間ブタノール溶解(butanolyzed)した凍結乾燥全細胞を用いて、GC分析を実行した;スタンダードは、5−ヒドロキシバレレートナトリウムであった。この分析物は、この細胞が乾燥細胞重量の13.9%までポリ(5HV)を蓄積したことを示した。このポリ(5−ヒドロキシバレレート)ポリマーの正体を、全細胞の1,2−ジクロロエタン抽出、続いて、遠心分離およびこのポリマーの水での洗浄によって得られた固体産物のNMR分析によって検証した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌系に、
1)2−ヒドロキシブチレート;
2)3−ヒドロキシプロピオネート;
3)4−ヒドロキシバレレート;
4)3−ヒドロキシブチレートおよび4−ヒドロキシバレレート;および
5)5−ヒドロキシバレレート、
からなる群より選択される1以上の基質を提供することによって生成される、ポリマーを作製するための細菌系であって、該細菌系は、ポリマーが蓄積するように、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、並びにアシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群から選択される1以上の酵素を発現し、
ここで、該ポリマーが、
ポリ(3−ヒドロキシブチレートコ−4−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(3−ヒドロキシプロピオネートコ−5−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(5−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(2−ヒドロキシブチレートコ−3−ヒドロキシブチレート)、
ポリ(3−ヒドロキプロピオネート)、
ポリ(3−ヒドロキシブチレートコ−2−ヒドロキシブチレート)、および
ポリ(2−ヒドロキブチレート)
からなる群より選択される、細菌系。
【請求項2】
前記ポリマーが、ポリ(2−ヒドロキシブチレート)およびポリ(2−ヒドロキシブチレートコ−3−ヒドロキシブチレート)からなる群より選択される、請求項1に記載の細菌系。
【請求項3】
前記ポリマーが、2−ヒドロキシブチレート、並びに3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、および6−ヒドロキシヘキサノエートからなる群より選択される1以上の基質を提供することによって生成される、請求項1に記載の細菌系。
【請求項4】
前記ポリマーが、ポリ(2−ヒドロキシブチレートコ−4−ヒドロキシバレレート)である、請求項1に記載の細菌系。
【請求項5】
前記細菌系が、前記酵素をコードする1以上の遺伝子を発現するように遺伝子操作されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細菌系。
【請求項6】
アシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群より選択される1以上の酵素を発現するように遺伝子操作された細菌系。
【請求項7】
細菌系においてポリマーを作製する方法であって、
1)2−ヒドロキシブチレート;
2)3−ヒドロキシプロピオネート;
3)4−ヒドロキシバレレート;
4)3−ヒドロキシブチレートおよび4−ヒドロキシバレレート;および
5)5−ヒドロキシバレレート、
からなる群から選択される1以上の基質を細菌系に提供する工程を包含し、
該細菌系は、ポリマーが蓄積するように、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、並びにアシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群から選択される1以上の酵素を発現し;
ここで、該ポリマーが、
ポリ(3−ヒドロキシブチレートコ−4−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(3−ヒドロキシプロピオネートコ−5−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(5−ヒドロキシバレレート)、
ポリ(2−ヒドロキシブチレートコ−3−ヒドロキシブチレート)、
ポリ(3−ヒドロキプロピオネート)、
ポリ(3−ヒドロキシブチレートコ−2−ヒドロキシブチレート)、および
ポリ(2−ヒドロキブチレート)
からなる群より選択される、方法。
【請求項8】
前記細菌系が、前記酵素をコードする少なくとも1つの異種遺伝子を発現する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2−ヒドロキシブチレート、並びに3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、および6−ヒドロキシヘキサノエートからなる群より選択される1以上の基質を提供する工程を包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記1以上の基質が、2−ヒドロキシブチレートおよび4−ヒドロキシバレレートである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
細菌系においてポリマーを作製する方法であって、該細菌系において3−ヒドロキシプロピオニルCoAを形成する基質を提供する工程を包含し、
ここで、該細菌系が、ポリマーが蓄積するように、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、並びにアシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群より選択される1以上の酵素を発現し、
ここで、該ポリマーが、ポリ(3−ヒドロキプロピオネート)およびポリ(3−ヒドロキシプロピオネートコ−5−ヒドロキシバレレート)から選択される、方法。
【請求項12】
細菌系においてポリマーを作製する方法であって、該細菌系において4−ヒドロキシバレリルCoAを形成する基質を提供する工程を包含し、
ここで、該細菌系が、ポリマーが蓄積するように、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、並びにアシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群より選択される1以上の酵素を発現し、
ここで、該ポリマーが、ポリ(3−ヒドロキブチレートコ−4−ヒドロキシバレレート)およびポリ(4−ヒドロキシバレレート)から選択される、方法。
【請求項13】
前記細菌系が前記酵素の1以上を発現するように遺伝子操作されている、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
生物系においてポリマーを作製する方法であって、2−ヒドロキシ酪酸を含む1以上の基質を提供する工程を包含し、
ここで、該生物系が、2−ヒドロキシ酪酸を含むポリマーが蓄積するように、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、アシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群より選択される1以上の酵素を発現するよう遺伝子操作されている、方法。
【請求項15】
生物系が、酵素をコードする1以上の異種遺伝子を発現する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
2−ヒドロキシブチレートと、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシバレレートおよび4−ヒドロキシブチレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとのコポリマーを作製する、請求項14に記載の方法であって、
2−ヒドロキシブチレートに加えて、(R)−3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシバレレートおよび4−ヒドロキシブチレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを提供する工程;および
前記モノマーを4−ヒドロキシブチレートCoAトランスフェラーゼと共にインキュベートする工程、
とを更に包含する、方法。
【請求項17】
生物系が、所望のポリマー組成物の産生に必要とされる酵素のみ発現されるよう、酵素発現が防止されるように遺伝子操作されている、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
生物系が突然変異により操作される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
生物系が酵素発現または活性を増強するように遺伝子操作される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
生物系においてポリマーを作製する方法であって、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、4−ヒドロキシヘキサノエート、および6−ヒドロキシヘキサノエートからなる群から選択される1以上の基質を提供する工程を包含し;
ここで、該生物系が、細菌、酵母、真菌、および植物からなる群から選択され、
さらに、該生物系が、1以上の基質を含むポリマーが蓄積するように、ポリヒドロキシアルカノエートシンターゼ、アシルCoAトランスフェラーゼ、ヒドロキシアシルCoAトランスフェラーゼ、およびヒドロキシアシルCoAシンテターゼからなる群より選択される酵素を発現し;
ここで、ポリマーが、ポリ(3−ヒドロキシプロピオネート)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオネートコ−5−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレートコ−4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキバレレート)、およびポリ(5−ヒドロキバレレート)からなる群より選択される、方法。
【請求項21】
生物系が酵素をコードする1以上の異種遺伝子を発現する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
生物系が細菌である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
生物系が植物である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
ポリマーがポリ(3−ヒドロキシプロピオネート)である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
ポリマーがポリ(3−ヒドロキシプロピオネートコ−5−ヒドロキシバレレート)である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
ポリマーがポリ(3−ヒドロキシプロピオネートコ−4−ヒドロキシバレレート)である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
ポリマーがポリ(4−ヒドロキシバレレート)である、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
ポリマーがポリ(5−ヒドロキシバレレート)である、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−213700(P2010−213700A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−60249(P2010−60249)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【分割の表示】特願2000−551008(P2000−551008)の分割
【原出願日】平成11年5月21日(1999.5.21)
【出願人】(398055233)メタボリックス,インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】