説明

ポリマーで固定化されたコロイド結晶及びその製造方法

【課題】硬度を容易に制御することができ、適度な硬度と基材への優れた付着性を有するコロイド結晶を効率よく且つ確実に製造することが可能なポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記条件(A)〜(D):
(A)複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーと、エチレン性二重結合を1つ有する単官能モノマーと、平均粒径が0.05〜5μmであり且つ下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下となるコロイド粒子とを含有すること;
(B)前記多官能モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して1〜95質量%であること;
(C)前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーであること;
(D)前記親水性モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して85質量%以上であること;
を満たす混合液中において、前記コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように分散させて、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されたモノマー分散液を得る工程と、
前記モノマー分散液中の前記モノマーを重合させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程と、
を含むことを特徴とするポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーで固定化されたコロイド結晶並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コロイド粒子が規則的に配列した秩序構造を有するコロイド結晶は、Bragg回折により、その格子定数に対応した波長の光を反射することが知られている。例えば、サブミクロンオーダーのコロイド粒子を規則的に配列させたコロイド結晶の場合、紫外光、可視光から赤外光の範囲の波長の光を反射する。そして、このようなコロイド結晶により可視光を反射させる場合には、イリデセンス(虹彩色)等のいわゆる構造色を発色させることが可能であることが知られている。そのため、このようなコロイド結晶は、その特徴を利用して、構造色を発色させる色材、特定の波長の光を透過しない光フィルター、特定の光を反射するミラー、フォトニック結晶、光スイッチ、光センサー等へ応用することが期待されており、様々なコロイド結晶及びその製造方法が研究されてきた。
【0003】
例えば、国際公開第2005/045478号パンフレット(特許文献1)においては、ETPTA(エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリアクリレート)からなるモノマーに粒子を含有させて、それをスピンコートし、固定化してコロイド結晶を製造するコロイド結晶の製造方法が開示されている。また、2008年発行のADVANCED MATERIALS Vol.20の1649〜1655頁(非特許文献1)においては、ETPTAからなるモノマー中に粒子を分散させた分散液を用いるコロイド結晶の製造方法が開示されている。
【特許文献1】国際公開第2005/045478号パンフレット
【非特許文献1】Shin-Hyun Kim et al.,“Optofluidic Assembly of Colloidal Photonic Crystals with Controlled Sizes, Shapes, and Structures” ADVANCED MATERIALS,2008年,Vol.20,1649〜1655頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1に記載のような従来のコロイド結晶の製造方法を利用した場合には、得られるポリマーで固定化されたコロイド結晶は硬く脆いものとなり、更には基材等への付着性が十分に確保できなかった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、硬度を容易に制御することができ、適度な硬度と基材への優れた付着性を有するコロイド結晶を効率よく且つ確実に製造することが可能なポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法、並びに、優れた機械的強度を有するポリマーで固定化されたコロイド結晶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先ず、特許文献1及び非特許文献1に記載のような従来のコロイド結晶の製造方法に関して、得られたコロイド結晶が硬く脆いものとなる理由について検討したところ、上記従来のコロイド結晶の製造方法においては、モノマーとして1分子中にC=C二重結合を3つ有するETPTAを単独で用いていたことに起因して、重合によりポリマーが剛直(鉛筆の硬度で4H〜5Hの間の硬さ)となり、脆くなるということを見出した。そこで、本発明者らが更に鋭意研究を重ねた結果、複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーと、エチレン性二重結合を1つ有する単官能モノマーと、単分散性の高い特定のコロイド粒子とを含有する下記条件(A)〜(D)を満たす混合液を用い、その混合液中において前記コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように均一に分散させてモノマー分散液を調製し、その後、前記モノマー分散液中のモノマーを重合することにより、固定化後のポリマーの硬度を容易に制御することが可能となり、適度な硬度と基材への優れた付着性を有するコロイド結晶を効率よく且つ確実に製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法は、下記条件(A)〜(D):
(A)複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーと、エチレン性二重結合を1つ有する単官能モノマーと、平均粒径が0.05〜5μmであり且つ下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下となるコロイド粒子とを含有すること;
(B)前記多官能モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して1〜95質量%であること;
(C)前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーであること;
(D)前記親水性モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して85質量%以上であること;
を満たす混合液中において、前記コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように分散させて、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されたモノマー分散液を得る工程と、
前記モノマー分散液中の前記モノマーを重合させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
【0008】
上記本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法においては、多官能モノマーが、エチレングリコール鎖及びプロピレングリコール鎖からなる群から選択される少なくとも1種と複数の(メタ)アクリル基とを含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーであることが好ましく、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーであることがより好ましい。
【0009】
また、上記本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法においては、前記単官能モノマーが、(メタ)アクリル基を1つ有する(メタ)アクリル酸モノマーであることが好ましく、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーであることがより好ましい。
【0010】
さらに、上記本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法においては、前記コロイド粒子が、シリカ、ポリスチレン又はポリメタクリル酸メチルからなる粒子であることが好ましい。
【0011】
また、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶は、上記本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法により得られたものであることを特徴とするものである。
【0012】
なお、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法によって、上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、本発明においては、前記混合液が前記多官能モノマーと前記単官能モノマーと前記コロイド粒子とを含有するものであり、且つ、前記多官能モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して1〜95質量%である(上記条件(A)及び(B))。このように、前記混合液においては、エチレン性二重結合(C=C)を2つ以上有するモノマーと、エチレン性二重結合を1つ有するモノマーとを特定の比率で含有させるため、ポリマーの架橋密度を容易に制御でき、これにより、コロイド結晶を薄膜化した場合の硬度やコロイド結晶をバルク体として用いた場合の機械的強度等を適宜制御することができる。また、本発明においては、エチレン性二重結合(C=C)の数が異なる前記多官能モノマーと前記単官能モノマーとを用いているため、固定化後における硬化収縮率も適度なものとなり、得られるコロイド結晶は基材等に対して優れた付着性を示すものと推察する。なお、従来のコロイド結晶の製造方法を利用した場合には、その方法にモノマーとしてエチレン性二重結合(C=C)を3つ有するモノマーを単独で用いていたため、硬化収縮率が大きくなり、基材に対する付着性が不十分なものとなっていたと推察する。また、本発明においては、前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーであり、そのような親水性モノマーの含有比率が全モノマーに対して85質量%以上である(条件(C)及び(D))。このように、本発明においては、親水性の前記多官能モノマー及び/又は親水性の前記単官能モノマーを、全モノマー中に85質量%以上含有させていることから、混合液中にコロイド粒子をより容易に且つより十分に分散させることが可能となるばかりか、コロイド粒子を自己組織的に配列させることが可能となるため、コロイド結晶が効率よく形成される。また、前記混合液は、上述のように単分散度が十分に低い非常に均一な(粒子径が非常に良く揃った)コロイド粒子を含有している。そのため、コロイド粒子を分散させる際に、混合液中にコロイド粒子を単一の粒子になるまで均一に分散させることが可能となる。そして、混合液中にコロイド粒子を均一に分散させると、粒子間の相互作用が均一に働き、その粒子間の相互作用によって容易に3次元規則配列構造が形成され、コロイド結晶が形成されたモノマー分散液が得られる。また、このようなモノマー分散液中のモノマーを重合させると、前記コロイド結晶が結晶状態を十分に保持しながらポリマーによって固定化され、これによりポリマーで固定化されたコロイド結晶が得られる。そして、このようなコロイド結晶を固定化しているポリマーは、多官能モノマー及び単官能モノマーにより形成されるものであるため、適度な硬度(好ましくは鉛筆硬度で4B〜3Hの間の硬さ)を示すものとなるものと本発明者らは推察する。なお、前述のモノマー分散液は各種基板上に容易に塗布、注入等して固定化することが可能なものであるため、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法は、光学材料や色材等の製造方法に広く応用することが可能である。また、本発明においては、前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーの種類を適宜変更することで、得られるポリマーで固定化されたコロイド結晶の機械的強度や耐水性、耐候性といった耐久性等の諸物性を制御することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、硬度を容易に制御することができ、適度な硬度と基材等への優れた付着性を有するコロイド結晶を効率よく且つ確実に製造することが可能なポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法、並びに、優れた機械的強度を有するポリマーで固定化されたコロイド結晶を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0015】
先ず、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法について説明する。すなわち、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法は、下記条件(A)〜(D):
(A)複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーと、エチレン性二重結合を1つ有する単官能モノマーと、平均粒径が0.05〜5μmであり且つ下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下となるコロイド粒子とを含有すること;
(B)前記多官能モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して1〜95質量%であること;
(C)前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーであること;
(D)前記親水性モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して85質量%以上であること;
を満たす混合液中において、前記コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように分散させて、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されたモノマー分散液を得る工程(第一工程)と、
前記モノマー分散液中の前記モノマーを重合させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程(第二工程)と、
を含むことを特徴とする方法である。
【0016】
先ず、前記混合液について説明する。前記混合液は、複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーと、エチレン性二重結合を1つ有する単官能モノマーと、平均粒径が0.05〜5μmであり且つ下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下となるコロイド粒子とを含有する(条件(A))。
【0017】
前記多官能モノマーは、複数のエチレン性二重結合を有するモノマーである。このような多官能モノマーにおいては、前記複数のエチレン性二重結合がそれぞれ隣り合わない状態となっていることが好ましい。ここにいう「隣り合わない状態」とはそれぞれのエチレン性二重結合が重合に関与する状態にあり、エチレン性二重結合同士が直接結合していないことを意味する。
【0018】
このような多官能モノマーとしては特に制限されず、公知の多官能モノマーを適宜用いることができるが、コロイド粒子が効率よく3次元配列構造を形成することが可能となるという観点からは、水に分散させることが可能な親水性のモノマーを用いることが好ましく、酸や塩基などのイオン性官能基以外の非イオン性の親水性基を含む親水性モノマーを用いることがより好ましい。このような非イオン性の親水性基としては、例えば、水酸基やエチレングリコール基、プロピレングリコール基等が挙げられる。酸や塩基などのイオン性官能基を含むモノマーを用いた場合には、コロイド結晶を形成させる際にコロイド粒子間の相互作用にモノマーが影響を及ぼし、3次元配列構造を形成させることが困難となる傾向にある。
【0019】
また、このような多官能モノマーとしては、エチレングリコール鎖及びプロピレングリコール鎖からなる群から選択される少なくとも1種と複数の(メタ)アクリル基とを有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましい。このようなエチレングリコール鎖及びプロピレングリコール鎖からなる群から選択される少なくとも1種を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを多官能モノマーとして用いることにより、多官能モノマーが十分に親水性を有するものとなり、より効率よく3次元規則配列構造を形成させることが可能となる傾向にある。また、前記多官能モノマーとして用いられる(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル基を2つ又は3つ有するものがより好ましい。また、このような多官能モノマーとして用いられるエチレングリコール鎖及び/又はプロピレングリコール鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、エチレングリコール鎖又はプロピレングリコール鎖の鎖長が異なる種々のモノマーを利用することができる。このような鎖長の異なるモノマーを利用することによって親水性を容易に制御でき、コロイド粒子の配列状態をより効率よく制御できる傾向にある。
【0020】
また、このような多官能モノマーとして用いられる(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、入手の容易性及びコロイド粒子の配列状態の制御性の観点から、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。このような多官能モノマーとしては1種類を単独であるいは2種類以上混合して用いてもよい。
【0021】
前記単官能モノマーは、エチレン性二重結合を1つ有するモノマーである。このような単官能モノマーとしては特に制限されず、公知の単官能モノマーを適宜用いることができ、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、スチレンモノマー、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが挙げられる。
【0022】
また、このような単官能モノマーとしては、コロイド粒子の分散性が向上するという観点からは、水に分散させることが可能な親水性のモノマーを用いることが好ましく、酸や塩基などのイオン性官能基以外の非イオン性の親水性基を含む親水性モノマーを用いることがより好ましい。なお、「非イオン性の親水性基」は前記多官能モノマーで説明したものと同様である。
【0023】
さらに、このような単官能モノマーとしては、入手の容易性等の観点から、(メタ)アクリル基を1つ有する(メタ)アクリル酸モノマーが好ましく、また、3次元規則配列構造を容易に形成させることが可能となるという観点から、非イオン性の親水性基と1つの(メタ)アクリル基とを有する(メタ)アクリル酸モノマーがより好ましい。
【0024】
また、このような単官能モノマーとしては、入手の容易性等の観点から、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)が特に好ましい。なお、このような単官能モノマーは1種類を単独であるいは2種類以上混合して用いてもよい。
【0025】
前記コロイド粒子は、平均粒径が0.05〜5μm(より好ましくは0.08〜2μm)の範囲にある粒子である。このような粒子の平均粒径が前記下限未満では、粒子表面間の凝集力が強くなり、モノマー分散液中で均一に分散し難くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粒子が沈降し易くなり、モノマー分散液中で均一に分散し難くなる傾向にある。なお、このようなコロイド粒子の平均粒子径は、例えば、コロイド粒子の水分散液を基板上で乾燥させ、それを走査型電子顕微鏡で観察して100〜500個の粒子の直径を測定し、平均値を求めることにより測定することができる。
【0026】
また、前記コロイド粒子は、下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下の粒子である。すなわち、前記粒子は、このような単分散度を有する粒径が極めて均一な粒子である。本発明においては、コロイド粒子にこのような均一性が極めて高い粒子を用いているため、混合液中において前記粒子を分散させた際に、粒子間の相互作用により容易に3次元規則配列構造を形成させることが可能となる。また、このような粒子としては、単分散度がより小さな値となるほどより高い特性が得られる傾向にあることから、前記単分散度は5%以下であることがより好ましい。
【0027】
また、このようなコロイド粒子の材料としては特に制限されず、得られるコロイド結晶を応用する分野に合わせて、公知の有機材料、無機材料、有機−無機複合材料及び無機−無機複合材料の中から適宜選択して用いることができる。このような有機材料としては、例えば、ポリスチレン及びその誘導体、アクリル樹脂等の有機高分子材料等が挙げられる。また、前記無機材料としては、例えば、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、チタニア(酸化チタン)、酸化亜鉛等が挙げられる。また、前記有機−無機複合材料としては、例えば、ポリスチレン及びその誘導体又はアクリル樹脂等からなる粒子を酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等で覆ったコアシェル型の有機−無機複合粒子などが挙げられる。また、前記無機−無機複合材料としては、例えば、シリカからなる粒子を酸化チタン、酸化セリウム又は酸化亜鉛等で覆ったコアシェル型の無機−無機複合粒子等が挙げられる。
【0028】
さらに、このようなコロイド粒子としては、容易に単分散粒子を合成することができるという観点から、シリカ、ポリスチレン及びポリメタクリル酸メチルのうちのいずれかを含有する粒子が更に好ましく、シリカ、架橋したポリスチレン、架橋したポリメタクリル酸メチル又は架橋したスチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる粒子が特に好ましい。なお、このようなコロイド粒子としては、例えば、エマルション重合により合成されたポリスチレン粒子又はポリメタクリル酸メチル粒子(ダウケミカル社製、ポリサイエンス社製、日本合成ゴム社製、積水化学社製等)やストーバー法により合成されたシリカ粒子(日本触媒製や触媒化成製等)を適宜用いることができる。また、Layer−By−Layer法で単分散な粒子(テンプレート粒子)に層状化合物をコートすることによって二層構造粒子や中空粒子を形成させて、本発明のコロイド粒子として利用してもよい。
【0029】
また、前記混合液においては、前記多官能モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して1〜95質量%(より好ましくは3〜90質量%)である(条件(B))。このような含有比率が前記下限未満では、重合後に得られるポリマーの硬度が低くなりすぎて、膜としての十分な強度を有さなくなり、他方、前記上限を超えると、重合後に得られるポリマーの硬度が高くなりすぎて脆くなる。
【0030】
また、前記混合液においては、前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーである(条件(C))。このように、2種以上のモノマーを含有する前記混合液においては、少なくとも1種のモノマーを非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーとする必要がある。このような親水性モノマーを含有させることにより、混合液中において、より効率よくコロイド粒子を3次元規則配列させることが可能となる。
【0031】
さらに、前記混合液においては、前記親水性モノマーの含有比率が、前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して85質量%以上(より好ましくは90質量%〜100質量%)である(条件(D))。前記親水性モノマーの含有比率が前記下限未満では、コロイド結晶を形成させることが困難となる。
【0032】
また、前記混合液においては、ポリマーで固定化されたコロイド結晶に諸物性(機械的強度、耐水性、耐候性等)を付与するという観点からは、非親水性の前記多官能モノマー及び/又は非親水性の前記単官能モノマーを用いてもよい。このような非親水性のモノマーとしては特に制限されず、公知のモノマーを適宜用いることができ、例えば、スチレンモノマー、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。なお、このような非親水性のモノマーの含有比率は、混合液中にコロイド粒子を分散させて3次元規則配列を効率よく形成させるという観点から15質量%未満とする必要がある。
【0033】
前記混合液中のコロイド粒子の含有量としては、5〜50体積%であることが好ましく、10〜40体積%であることがより好ましい。このようなコロイド粒子の含有量が前記下限未満では、コロイド粒子をモノマー中に分散させた際に3次元規則配列状態とすることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コロイド粒子の濃度が高くなりすぎて、形成させる配列構造を制御することが困難となる傾向にある。
【0034】
また、前記混合液の粘度は、コロイド粒子同士の相互作用を十分なものとし、前記3次元規則配列状態にコロイド粒子を効率よく配列させることが可能となるという観点から、より低い値を維持することが好ましく、50mPa・s以下(更に好ましくは5〜50mPa・sの範囲)とすることがより好ましい。前記混合液の粘度が前記下限を超えると、コロイド粒子の分散性が低下し、コロイド粒子間の相互作用が十分に得られなくなり、コロイド粒子を3次元規則配列状態に配列させることが困難となる傾向にある。このような混合液の粘度の測定方法としては、回転型粘度計、キャピラリー型粘度計、落下型粘度計等があるが、本発明においては、円筒またはコーンプレートを用いた回転型粘度計として、レオメトリックス社製レオメータ「ARES」を用いて測定する方法を採用する。
【0035】
また、前記混合液の粘度を前述のような範囲に調整する方法としては、前述の2種以上のモノマーのうちの少なくとも1種に、粘度の低いモノマーを用いて前記混合液全体の粘度を低くする方法、溶媒を添加することによって混合液の粘度を低くする方法等が挙げられる。このような粘度の低いモノマーとしては特に制限されず、用いる他のモノマーの種類に応じて粘度のより低いモノマーを適宜選択して利用すればよい。また、前記溶媒としては、特に制限されず、アルコール等の親水性溶媒や、塗料に一般的に用いられる粘度調整剤を適宜用いることができる。なお、前記混合液に溶媒を含有させる場合には固定化の際に溶媒が蒸発することに伴って結晶構造が変化することを防止するという観点から、前記混合液中の溶媒の含有比率は30質量%以下であることが好ましい。
【0036】
また、本発明においては、前記モノマーやコロイド粒子及びそれらの濃度を適宜選択することで、コロイド粒子の配列状態を任意に制御できるため、結晶構造の調整が容易である。更に、本発明においては、モノマー中において、コロイド粒子を前記3次元規則配列状態とさせた後に、これを各種基板等に塗布したり注入したりすることができ、その配列状態を十分に維持したまま固定化できるため、光機材料等へ容易に応用することが可能となる。
【0037】
さらに、前記混合液を調製する方法としては特に制限されず、例えば、前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーの混合物中に前記コロイド粒子を添加する方法を採用してもよく、前記単官能モノマー中に前記コロイド粒子を添加した後に、前記多官能モノマーを添加する方法を採用してもよい。
【0038】
次に、前記第一及び第二工程について説明する。
【0039】
前記第一工程は、前記条件(A)〜(D)を満たす前記混合液中において、コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように分散させて、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されたモノマー分散液を得る工程である。
【0040】
このような第一工程においては、前記混合液中において、反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように前記コロイド粒子を分散させる。すなわち、このような工程においては、前記混合液中に前記コロイド粒子を分散させて、コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態に配列させる。
【0041】
ここで、本発明にいう「反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態」とは、反射スペクトルを測定し、Bragg回折による反射ピーク(半値幅が50nm以下の反射ピーク)の存在が確認される状態をいい、「反射ピーク」とは、無反射の状態に対して反射光強度が波長の変化に伴って増加、減少する際の変曲点であって半値幅が50nm以下のものをいい、いわゆる反射光強度が上下するノイズとは異なるものである。このような反射スペクトルの測定方法としては、通常の分光光度計を用いることができるが、本発明においては、相馬光学社製の商品名「マルチチャンネル分光計 Fastvert」を用いて測定する方法を採用する。なお、このような3次元規則配列構造としては、例えば面心立方構造や体心立方構造等が挙げられる。また、前記ピークは、波長350〜1600nmの間の波長におけるピークでることが好ましい。
【0042】
また、このような3次元規則配列状態におけるコロイド粒子の最近接粒子間の距離の平均としては、用いる用途等に応じて適宜変更できるものであり、特に制限されないが、コロイド粒子の平均粒径の0.01〜10倍の範囲にあることが好ましく、0.05〜2倍の範囲にあることがより好ましい。前記最近接粒子間の距離の平均が前記下限未満では、ポリマーで固定化した後においてポリマーの占める体積が少なくなるため強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コロイド粒子を3次元規則配列させることが困難になる傾向にある。
【0043】
また、前記混合液中において、コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように分散させる方法(以下、単に「分散方法」という。)としては、コロイド粒子を分散させて前記3次元規則配列状態とすることが可能な方法であればよく、特に制限されず、例えば、超音波を長時間印加する方法、長時間撹拌する方法、加熱する方法、アルコール等の溶媒を加えて分散させる方法等を適宜採用することができる。なお、このような分散方法においては、コロイド粒子を3次元規則配列状態とするために、例えば、所定時間ごとに反射スペクトルを測定して反射ピークが現れるまで分散工程を繰り返す方法を採用してもよい。
【0044】
さらに、このような分散方法として超音波を印加する方法を採用する場合における超音波の印加時間等の好適な条件は、用いるモノマーの種類、前記混合液の粘度及びコロイド粒子の濃度等によって異なるものではあり、一概には言えないが、より確実にコロイド粒子を前記3次元規則配列状態に配列させるという観点から、前記混合液の粘度が5〜50mPa・sの範囲であり且つ前記混合液中のコロイド粒子の濃度が5〜50体積%の範囲である場合には、超音波を0.5〜24時間(より好ましくは1〜10時間)印加する条件を採用することが好ましい。超音波の印加時間が前記下限未満では、コロイド粒子を3次元規則配列状態に配列させることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、それ以降の操作が無駄となり、作業効率が低下する傾向にある。
【0045】
また、このような超音波の周波数は特に制限されず、16kHz以上であればよく、20〜200kHzとすることが好ましい。前記周波数が前記下限未満では、コロイド粒子を3次元規則配列状態に配列させることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、コロイド粒子が凝集し易くなり、やはり3次元規則配列状態に配列させることが困難となる傾向にある。
【0046】
また、このような超音波を印加する際の温度条件としては特に制限されないが、0〜80℃(より好ましくは10〜60℃)であることが好ましい。このような温度条件が前記下限未満では、コロイド粒子の分散効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、超音波印加中にモノマーの重合が進行し、固形物が形成される傾向にある。
【0047】
さらに、前記分散方法としてアルコール等の溶媒を加える方法を採用する場合においては、より確実にコロイド粒子を前記3次元規則配列状態に配列させるという観点から、前記溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等を用いることが好ましい。また、このような溶媒の含有量としては、前記混合液100質量部に対して、30質量部以下とすることが好ましい。このような溶媒の含有量が前記上限を超えると、モノマーを重合させてポリマーとした場合に、重合時に溶媒が揮発して規則配列状態が乱れたりあるいは溶媒を含んだゲルとなる傾向にある。
【0048】
また、本発明においては、上述のようにして前記混合液中にコロイド粒子を分散させることで、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されたモノマー分散液を得ることができる。このようなモノマー分散液は、分散液中のコロイド結晶状態を維持したまま、各種基板等に塗布、注入等することが可能なものである。そのため、本発明においては、前記モノマー分散液を得た後に、前記モノマー分散液を基板に塗布又はセル中に注入する工程を更に含むことが好ましい。このような基板又はセルとしては特に制限されず、目的とする用途に応じて、公知の基板又はセルを適宜用いることができる。なお、混合液の粘度を調整するために溶媒を加えた場合や前述の溶媒を加える分散方法を採用する場合においては、固定化の際に溶媒の蒸発に伴って結晶構造が崩れることを防止するために、モノマー分散液を得た後であって後述する第二工程を施す前に前記溶媒を除去する工程を含むことが好ましい。
【0049】
前記第二工程は、前記モノマー分散液中の前記モノマー(前記多官能モノマー及び前記単官能モノマー)を重合させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程である。
【0050】
第二工程において前記モノマー分散液中の前記モノマーを重合させる方法としては特に制限されず、前記モノマー分散液中に形成された結晶構造を消失させることなく前記モノマーを重合させることが可能な公知の方法を適宜採用することができ、例えば、光重合による方法や加熱による重合方法等が挙げられる。なお、加熱により重合させる場合には、加熱により結晶構造が消失してしまうことを防止するという観点から、80℃程度以下の温度条件で重合させることが好ましい。
【0051】
また、このようなモノマーの重合方法の中でも、加熱を伴うことなく、コロイド粒子の3次元規則配列構造をより十分に維持しながら、より効率よくモノマーを重合できるという観点から、前記モノマー分散液に光重合開始剤を更に添加して光を照射する光重合による方法を採用することが好ましい。
【0052】
このような光重合の際に用いられる光重合開始剤としては特に制限されず、公知の光重合開始剤を適宜用いることができ、例えば、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、アントラキノン、チオキサン、ケタール、アセトフェノン等のカルボニル化合物や、ジスルフィド、ジチオカーバメート等のイオウ化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、アゾ化合物、遷移金属錯体、ポリシラン化合物、色素増感剤等が挙げられる。
【0053】
また、このような光重合開始剤の添加量としては特に制限されず、用いたモノマーの種類等に応じて適宜変更できるが、前記モノマー分散液中の前記モノマー100質量部に対して1〜5質量部程度とすることが好ましい。また、このような光重合においては、コロイド結晶中のコロイド粒子の3次元規則配列構造をより十分に維持しながら重合させるという観点から、0〜40℃程度の温度条件下で重合させることが好ましい。
【0054】
次に、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶について説明する。本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶は、上記本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法により得られたものであることを特徴とするものである。
【0055】
このようなポリマーで固定化したコロイド結晶は、上記本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法を採用して得られるものであるため、上述のモノマー分散液中に形成されたコロイド結晶の結晶構造を十分に維持しながら製造されたものである。また、上述のモノマー分散液が鋼板やガラス板など種々な基板や紙や繊維など種々な材料にあらゆる方法で塗布又は塗装したり、型やセルなどの中に注入したりすることが可能なものであるため、それを固定化して得られる本発明のポリマーで固定化したコロイド結晶は、様々な用途に応用することが可能である。例えば、イリデセンス(虹彩色)等のいわゆる構造色を発色する構造色色材に好適に使用できる。また、赤外反射膜又は紫外反射膜用の塗装やフィルムとして好適に使用できる。更に、特定の波長の光を透過しない光フィルター、特定の光を反射するミラー、フォトニック結晶と呼ばれる光機能材料、光スイッチ、あるいは光センサー等としても好適に用いることができる。また、型やセル等の中に注入して固定化させることで、バルク材料として得ることもできる。
【0056】
また、このようなポリマーで固定化したコロイド結晶は、上述のモノマー分散液がモノマーとして前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーを所定の割合で含有するものであるため、ポリマーの架橋密度が適度なものとなっており、適度な硬度を有する。このようなポリマーで固定化したコロイド結晶の硬度としては、JIS K5600−5−4(1999)の鉛筆硬度試験で測定される硬度が4B〜3Hであることが好ましく、2B〜Hであることがより好ましい。このような硬度が前記下限未満では、柔らか過ぎて膜としての強度が十分でなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、硬くなり過ぎて脆くなる傾向にある。
【0057】
さらに、このようなポリマーで固定化したコロイド結晶においては、上述のモノマー分散液がモノマーとして前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーを所定の割合で含有するため、従来のコロイド結晶と比較して硬化収縮率がより小さなものとなるため、基材等に対して十分な付着性を示すものとなる。また、このようなポリマーで固定化したコロイド結晶は、用途に応じて上述のモノマー分散液中のモノマーの種類を適宜選択することで、耐水性や耐候性等の耐久性能や機械的強度をより高度なものとすることも可能となる。
【実施例】
【0058】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
先ず、ポリエチレングリコールジアクリレートモノマー(中村化学製の商品名「NKエステル A−200」:多官能モノマー[親水性モノマー])と、ポリエチレングリコールモノアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステル AM−30G」:単官能モノマー[親水性モノマー])とを重量比(A−200:AM−30G)で9:1となるようにして混合してモノマーの混合物を得た後、その混合物中に、Stober法によって合成されたシリカ粒子(平均粒子径200nm、単分散度:5%)を含有比率が27体積%になるようにして添加し、混合液を得た。次に、前記混合液に対して室温(25℃)条件下で超音波(45kHz)を3時間印加し、反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるようにコロイド粒子を分散させ、コロイド粒子(シリカ粒子)がモノマー中に均一分散したモノマー分散液を得た。なお、このようなモノマー分散液においては虹彩色が観察された。このようなモノマー分散液の反射スペクトルを図1に示す。
【0060】
次いで、前記モノマー分散液に、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル社製の商品名「Darocure1173」)を1重量%添加した。その光重合開始剤添加後のモノマー分散液を、セン特殊光源製の光表面処理装置PL16−110を用いてUVオゾンクリーニングを10分間予め施しておいた黒塗装基板(黒色に塗装された鉄鋼板基板)上にエアースプレーガンを用いて膜厚が約40μmとなるようにしてスプレー塗装し、黒塗装基板上にモノマー分散液の塗膜を形成せしめた。次いで、前記塗膜に対して、窒素雰囲気下にて紫外光を1分間照射し、前記塗膜中のモノマーを重合させて、黒塗装基板上にポリマーで固定化されたコロイド結晶の薄膜を製造した。このようにして得られたコロイド結晶の反射スペクトルを図2に示す。
【0061】
(実施例2〜4)
前記モノマーの混合物中におけるポリエチレングリコールジアクリレートモノマーと、ポリエチレングリコールモノアクリレートモノマーとの重量比(A−200:AM−30G)を、それぞれ8:2(実施例2)、7:3(実施例3)、5:5(実施例4)に変更した以外は、実施例1と同様にして、黒塗装基板上にポリマーで固定化されたコロイド結晶の薄膜をそれぞれ製造した。なお、各実施例で得られたモノマー分散液においてはそれぞれ虹彩色が観察された。また、各実施例で得られたモノマー分散液の反射スペクトルを図1に示し、各実施例で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを図2に示す。
【0062】
(実施例5)
前記モノマーの混合物の代わりに、ポリエチレングリコールジアクリレートモノマー(中村化学製の商品名「NKエステル A−200」)と、HEA(和光純薬工業製 2-Hydrooxyethyl Acrylate:単官能モノマー[親水性モノマー])とを重量比(A−200:HEA)が8:2となるようにして混合して得られたモノマーの混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒塗装基板上にポリマーで固定化されたコロイド結晶の薄膜を製造した。なお、前記薄膜の製造過程において得られたモノマー分散液においては虹彩色が観察された。また、前記モノマー分散液及び前記ポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを図3に示す。
【0063】
(実施例6)
前記モノマーの混合物の代わりに、ポリエチレングリコールジアクリレートモノマー(中村化学製の商品名「NKエステルA−200」)と、ポリプロピレングリコールジアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステルAPG−400」:多官能モノマー[親水性モノマー])と、ポリエチレングリコールモノアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステルAM−30G」)とを重量比(A−200:APG−400:AM−30G)が6:2:2となるようにして混合して得られたモノマーの混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒塗装基板上にポリマーで固定化されたコロイド結晶薄膜を製造した。なお、前記薄膜の製造過程において得られたモノマー分散液においては虹彩色が観察された。また、前記モノマー分散液及び前記ポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを図4に示す。
【0064】
(実施例7)
ポリエチレングリコールジアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステルA−600」:多官能モノマー[親水性モノマー])と、ポリエチレングリコールモノアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステルAM−90G」:単官能モノマー[親水性モノマー])とを重量比(A−600:AM−90G)が1:9となるように混合して得られたモノマーの混合物中に、Stober法によって合成されたシリカ粒子(平均粒子径200nm、単分散度:5%)を含有比率が27体積%になるようにして添加して混合液を得た。次に、前記混合液に対して室温(25℃)条件下で超音波(45kHz)を3時間印加し、反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるようにコロイド粒子を分散させ、コロイド粒子(シリカ粒子)がモノマー中に均一分散したモノマー分散液を得た。なお、このようなモノマー分散液においては虹彩色が観察された。このようなモノマー分散液の反射スペクトルを図5に示す。
【0065】
次いで、前記モノマー分散液に、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル社製の商品名「Darocure1173」)を1重量%添加した。その光重合開始剤添加後のモノマー分散液を、2枚のスライドガラスの間に0.5mm厚のシリコーンシートを挟みこんで作製したセルの隙間に注入し、大気中においてセルの表と裏それぞれに紫外光を1分間照射することによりセル中に存在するモノマーを重合させた後、スライドガラスを取り外して、ポリマーで固定化されたコロイド結晶のバルク体を製造した。このようにして得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを図5に示す。
【0066】
(調製例1)
前記モノマーの混合物の代わりに、ポリエチレングリコールジアクリレート(中村化学製の商品名「NKエステルA−200」)と、アクリル酸ブチル(和光純薬工業製 n-Butyle Acrylate:単官能モノマー[非親水性モノマー])とを重量比が9:1となるようにして混合して得られたモノマーの混合物を用いた以外は、実施例1で採用しているモノマー分散液の調製方法と同様の方法を採用してモノマー分散液を調製した。なお、このようにして得られたモノマー分散液においては虹彩色が観察された。また、前記モノマー分散液の反射スペクトルを図6に示す。
【0067】
(調製例2)
ポリエチレングリコールジアクリレート(中村化学製の商品名「NKエステルA−200」)を、HEMA(和光純薬工業製 2-hydroethyl Metacrylate:親水性モノマー)を重量比(A−200:HEMA)が9:1となるようにして混合して得られたモノマーの混合物を用いた以外は、実施例1で採用しているモノマー分散液の調製方法と同様の方法を採用してモノマー分散液を製造した。なお、このようにして得られたモノマー分散液においては虹彩色が観察された。また、前記モノマー分散液の反射スペクトルを図7に示す。
【0068】
(調製例3)
前記モノマーの混合物中におけるポリエチレングリコールジアクリレートモノマーと、HEMAとの重量比(A−200:HEMA)を8:2に変更した以外は、調製例2と同様にしてモノマー分散液を製造した。また、得られたモノマー分散液の反射スペクトルを図7に示す。
【0069】
(比較例1)
前記モノマーの混合物の代わりに、ポリエチレングリコールジアクリレートモノマー(中村化学製の商品名「NKエステルA−200」)のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、黒塗装基板上にポリマーで固定化されたコロイド結晶薄膜を製造した。なお、前記モノマー(A−200)のみを用いて得られたモノマー分散液においては虹彩色が観察された。また、このようにして得られたモノマー分散液の反射スペクトルを図1に示し、前記ポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを図2に示す。
【0070】
(比較例2)
前記モノマーの混合物の代わりに、ポリエチレングリコールモノアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステルAM−90G」)のみを用いた以外は、実施例7と同様にして、ポリマーで固定化されたコロイド結晶のバルク体を製造した。なお、本例においては、スライドガラスを取り外そうとしたところ、コロイド結晶がちぎれてしまい、大きなバルク体として取り出すことは困難であった。また、このようなバルク体の製造に用いたモノマー分散液においては虹彩色が観察された。得られたモノマー分散液及びポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを図8に示す。
【0071】
(比較例3)
ポリエチレングリコールジアクリレート(中村化学製の商品名「NKエステルA−200」)と、アクリル酸ブチル(和光純薬工業製 n-Butyle Acrylate:単官能モノマー[非親水性モノマー])とを重量比(A−200:アクリル酸ブチル)が8:2となるようにして混合して得られたモノマーの混合物中に、Stober法によって合成されたシリカ粒子(平均粒子径200nm、単分散度:5%)を含有比率が27体積%になるようにして添加して混合液を得た。次に、前記混合液に対して室温(25℃)条件下で超音波(45kHz)を5時間印加した。しかしながら、このようにして得られた分散液は、虹彩色を示さないものであることが確認され、反射スペクトルの測定においても反射ピークが観測されなかった。
【0072】
[各実施例、各調製例及び各比較例で得られたコロイド結晶等の特性の評価]
<目視による観察>
実施例1〜6及び比較例1で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶を目視により観察した。実施例1〜6及び比較例1で得られたコロイド結晶の薄膜はいずれも、正面から見ると赤色を呈し、斜めから見ると緑色に見え、コロイド結晶が形成されていることが確認された。また、これらの薄膜は外観からは見分けのつかないものであった。このような結果から、用いるモノマーの種類が異なる場合(例えば、実施例1と実施例5;実施例1と実施例6)においても、外観からは見分けのつかないようなコロイド結晶が得られることが分かった。
【0073】
<モノマー分散液及びポリマーで固定化したコロイド結晶の反射スペクトル測定>
上記各実施例等で得られたモノマー分散液及び前記ポリマーで固定化したコロイド結晶について、測定装置として相馬光学社製のマルチチャンネル分光計(商品名「Fastvert」)を用いて反射スペクトルを測定した。
【0074】
図1〜7に示す結果からも明らかなように、本発明にかかるモノマー分散液(実施例1〜7及び調製例1〜3)においては、いずれも反射スペクトルにおいて反射ピークが認められた。このような結果から各実施例及び各調製例で得られたモノマー分散液においては、その分散液中にコロイド結晶が形成されていることが確認された。また、図2〜5に示す結果からも明らかなように、実施例1〜7で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶においては、いずれの反射スペクトルにも反射ピークが認められ、コロイド結晶がポリマーで固定化されていることが確認された。また、図1〜5に示す結果からも明らかなように、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法によれば、モノマー分散液中に形成されたコロイド粒子の配列構造を十分に維持したままコロイド結晶を固定化することができることが確認された。これらの結果から、本発明にかかるモノマー分散液(実施例1〜7及び調製例1〜3)を用い、そのモノマー分散液中のモノマーを重合することにより、分散液中に形成されたコロイド粒子の配列構造を十分に維持したままコロイド結晶を固定化することができることが分かる。
【0075】
また、図1及び図8に示す結果からも明らかなように、比較例1〜2で得られたモノマー分散液においても、反射スペクトルにおいて反射ピークが認められた。一方、比較例3で得られたモノマー分散液では、反射スペクトルにおいて反射ピークが観測されなかった。ここで、調製例1で得られたモノマー分散液と比較例3で得られたモノマー分散液とを比較すると、非親水性の単官能モノマーの含有比率を全モノマーに対して10質量%とした場合(調製例1)には分散液中にコロイド結晶を形成させることができるのに対して、非親水性の単官能モノマーの含有比率を20質量%とした場合(比較例3)には分散液中にコロイド結晶を形成させることができないことが分かった。
【0076】
<ポリマーで固定化したコロイド結晶の硬度の評価>
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られたポリマーで固定化したコロイド結晶の硬度を鉛筆硬度試験により評価した。このような鉛筆硬度試験は、JIS K5600−5−4(1999)で規定される方法に準拠して実施した。得られた結果を表1に示す。なお、表1には、各実施例、各調製例及び各比較例で得られたモノマー分散液中の多官能モノマーと単官能モノマーとの質量比及び全モノマーに対する親水性モノマーの比率(質量%)も併せて示す。
【0077】
<ポリマーで固定化したコロイド結晶の付着性の評価>
実施例1〜6及び比較例1で得られた基板上に形成したポリマーで固定化したコロイド結晶の基板に対する付着性を、碁盤目剥離試験により評価した。このような碁盤目剥離試験は、旧JIS K5400(1990)に準拠して実施した。また、評価は1mm角の碁盤目100個において、テープを剥離した後の剥離数の比率([剥離数]/[碁盤目の数])を求めることにより行った。得られた結果を表1に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法を採用する場合(実施例1〜7)においては、得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶の硬度が十分に制御され、硬度が4B〜2Hの範囲となり、十分な硬さを有するものであることが確認された。一方、比較例1で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶は、硬度が4Hであることが分かった。また、比較例2で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶は、指で押しただけでも変形してしまうほど柔らかく、鉛筆硬度試験の際に硬度6Bの試験でも傷がついてしまった。
【0080】
また、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶(実施例1〜6)と、比較例1で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶の碁盤目剥離試験の結果から、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶(実施例1〜6)においては、十分に優れた付着性を有することが分かった。なお、比較例1で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶は、碁盤目剥離試験の際にカッターナイフで切れ込みを入れたところ、ナイフで切れ込みを入れただけで膜に割れが生じる場合があり、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶(実施例1〜6)と比較すると脆弱なものであった。
【0081】
このような結果から、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法(実施例1〜7)を採用する場合においては、モノマー分散液中の多官能モノマーと単官能モノマーとの質量比を適宜変更することにより、硬度を十分に制御することができ、十分な機械的強度を有するポリマーで固定化されたコロイド結晶を製造できることが分かった。また、本発明にかかるモノマー分散液を用いた場合(実施例1〜6)には、得られるポリマーで固定化されたコロイド結晶は基板等に対して優れた付着性を有することが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明によれば、硬度を容易に制御することができ、適度な硬度と基材への優れた付着性を有するコロイド結晶を効率よく且つ確実に製造することが可能なポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法、並びに、優れた機械的強度を有するポリマーで固定化されたコロイド結晶を提供することが可能となる。
【0083】
したがって、本発明のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法は、構造色色材赤外反射膜又は紫外反射膜用のフィルム、特定の波長の光を透過しない光フィルムを製造する際に用いるコロイド結晶を製造するための方法等として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例1〜4及び比較例1で得られたモノマー分散液の反射スペクトルを示すグラフである。
【図2】実施例1〜4及び比較例1で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例5で得られたモノマー分散液及びポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを示すグラフである。
【図4】実施例6で得られたモノマー分散液及びポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを示すグラフである。
【図5】実施例7で得られたモノマー分散液及びポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを示すグラフである。
【図6】調製例1で得られたモノマー分散液の反射スペクトルを示すグラフである。
【図7】調製例2及び3で得られたモノマー分散液の反射スペクトルを示すグラフである。
【図8】比較例2で得られたモノマー分散液及びポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記条件(A)〜(D):
(A)複数のエチレン性二重結合を有する多官能モノマーと、エチレン性二重結合を1つ有する単官能モノマーと、平均粒径が0.05〜5μmであり且つ下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下となるコロイド粒子とを含有すること;
(B)前記多官能モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して1〜95質量%であること;
(C)前記多官能モノマー及び前記単官能モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが非イオン性の親水性基を有する親水性モノマーであること;
(D)前記親水性モノマーの含有比率が前記多官能モノマーと単官能モノマーとの総量に対して85質量%以上であること;
を満たす混合液中において、前記コロイド粒子を反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態となるように分散させて、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されたモノマー分散液を得る工程と、
前記モノマー分散液中の前記モノマーを重合させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程と、
を含むことを特徴とするポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
【請求項2】
前記多官能モノマーが、エチレングリコール鎖及びプロピレングリコール鎖からなる群から選択される少なくとも1種と複数の(メタ)アクリル基とを有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
【請求項3】
前記多官能モノマーが、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
【請求項4】
前記単官能モノマーが(メタ)アクリル基を1つ有する(メタ)アクリル酸モノマーであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
【請求項5】
前記単官能モノマーが、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
【請求項6】
前記コロイド粒子が、シリカ、ポリスチレン又はポリメタクリル酸メチルからなる粒子であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法により得られたものであることを特徴とするポリマーで固定化されたコロイド結晶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−131525(P2010−131525A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309927(P2008−309927)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】