説明

ポリマーブレンド、ポリマー溶液組成物、ポリマーブレンドから紡糸されたファイバおよび濾過への応用

本発明はフィルタ媒体などのウェブまたはフィルタ構造に関し、フィルタ媒体はファインファイバまたはファインファイバウェブ構造中に第1ポリマーと第2ポリマーとを含むファイバの収集物を含む。2つのポリマーの結合は改良されたファイバのレオロジーを提供し、ファイバは優れた温度および機械的安定性を有する。ポリマーの結合は、高温耐熱性とともに弾性または粘着性の特性を与え、粘着性は、ファイバウェブに粒子を付着させるために好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ媒体などのウェブまたはフィルタ構造に関し、フィルタ媒体は、ファインファイバまたはファインファイバウェブ構造中に、第1ポリマーと第2ポリマーとを含むファイバの収集物を含んでいる。2つのポリマーの結合は、結果としてファイバが優れた温度安定性、抵抗、および機械的安定性を有する、ファイバのレオロジーが改良されたファインファイバフィルタ媒体あるいはフィルタ構造を提供する。優れた性能指数FOM(Figure of Merit)、ろ過効率、透過性、および寿命を有するそのようなファイバは、フィルタ媒体中で使用するために製造することができる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国以外の全ての国を指定国とする出願人である米国国内企業のドナルドソン社と、米国のみを指定国とする出願人であるトルコ国民であるベリ・カライシの名において、PCT国際特許出願として2007年2月12日に出願されたものであり、2006年2月13日に出願された米国仮特許出願第60/773,227号および2007年2月7日に出願された米国特許出願第***号の優先権を主張する。
【0003】
背景技術
流体の流れは、移動相と混入した粒子あるいは微粒子を含む。そのような流れは、しばしば、かなりの割合の1つまたはそれ以上の液体あるいは固体の微粒子物質によって汚染されているまたは含んでいる。これらの汚染物質は、組成、粒径、粒子形態、密度または他の物理的パラメータが異なり得る。流体は空気であり得る。空気の流れは、自動車のキャビンへの吸い込み流れ中で、コンピュータディスクドライブ中の空気で、HVAC空気クリーンルーム換気で、およびフィルタバッグ、遮蔽用織物、織物材料を用いる応用で、自動車あるいは発電のためのエンジンへの空気中で、濾過することができる。あるいはまた、ろ過は、ガスタービンに送られるガス流れ、あるいは、さまざまな燃焼炉中で使用される空気流れに対して使用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高分子ウェブは、電界紡糸、押出溶融紡糸、エアレイドプロセス(air laid process)、ウェットレイドプロセス(wet laid process)によって製造される。フィルタ媒体からのフィルタ構造の製造は、周知であり、何年間も実施されている。そのようなフィルタのろ過効率は、フィルタ媒体の特性であり、可動性流体の流れから除去される微粒子の比率に関連している。効率は、定められた試験プロトコルによって通常は測定され、その例を以下で定める。他のさまざまな材料と混合された複数のポリマー材料を想定するファインファイバ技術は、チャン他、米国特許第6,743,273号、チャン他、米国特許第6,924,028号、チャン他、米国特許第6,955,775号、チャン他、米国特許第7,070,640号、チャン他、米国特許第7,090,715号、チャン他、米国特許出願第2003/0106294号、バリス他、米国特許第6,800,117号およびジリンガム他、米国特許第6,673,136号に開示されている。さらに、同時係属中である2005年11月10日に出願された米国特許出願第11/272,492号において、ポリスルホンポリマーとポリビニルピロリドンポリマーとを混合し、ファインファイバ材料を電界紡糸するために使用される単相のポリマーアロイを得ることによって、水に不溶の高強度ポリマー材料が作られた。上記説明されたファインファイバ材料は、多くのろ過の最終用途のための適切な性能を持っているが、機械的安定性が要求される極端な温度領域での応用では、ファイバ特性における改良が常になされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ファインファイバ、ファインファイバー層、ファインファイバウェブ、または、フィルタ媒体エレメントあるいはカートリッジにおけるそのような構造の使用に関する。ファインファイバは、ポリウレタンポリマー、しばしば熱可塑性ポリウレタン(TPU)と、第2ポリマーとを含む。ポリウレタンポリマーの巨大な配列は、多機能基イソシアン酸塩化合物を、少なくとも2個の反応性水素を有するポリマー形成単位と反応させることによって作ることができる。好ましいポリマーは、ポリウレタンとポリアミドあるいはナイロンポリマーの組合せで混合される。ナイロンポリマーは、ナイロン6、ナイロン6,6あるいは架橋されたナイロンポリマーであり得る。
【0006】
層、ウェブまたは媒体の形態のファイバは、ろ過技術を含むさまざまな最終用途に応用することができる。ファイバは、フィルタあるいはフィルタ構造中で使用することができ、ファインファイバの層とファイバ材料とは、空気、ガスおよび液体流れなどの流体を濾過する方法とフィルタ構造とで使用される。ナノファイバフィルタ媒体は、商業、工業および防衛での応用において空気濾過の新しい性能レベルを実現し、高温安定性、機械的安定性、高能率、高透過性および長寿命などのろ過性能を必要とする応用において、ナノファイバの使用の可能性を広げた。我々は、ナノファイバ、ナノファイバウェブ、ナノファイバマトリクスおよびウェブが、既存の構造と比較して、改良した温度および機械的安定性とともに高いろ過効率を提供することを見出した。
【0007】
ファインファイバのファイバの層ウェブまたは媒体は、第1の熱可塑性ポリマーと第2のポリウレタンポリマーとを含む、実質的に連続したファイバあるいはファイバの集まりを含み得る。ウェブの1つの態様は、実質的に連続したファイバ媒体ウェブを有する連続したファイバ構造を含む。本発明の真新しいポリマーブレンドを使用するウェブは、ろ過用途およびさまざまな種類のろ過で使用することができる。例えば、この材料は、深さ媒体として、汎用のファイバ媒体層として使用することができ、改良された性能指数FOM(Figure of Merit)、ろ過効率、ろ過透過性、深さ充填および最小の圧損増加で特徴付けられると寿命の延びを得ることができる。最後に、本発明の重要な態様では、完全に仕上げられたウェブあるいは厚さに紡糸された層を形成する工程と、次に、基板層を有するあるいは基板層を有しないウェブまたは厚さを追加成分に加えて実用品を形成する工程とを含む。積層、カレンダリング、圧縮または他の処理を含むその後の処理工程では、ファイバあるいはファイバウェブを有用なフィルタ構造に組み込み得る。本発明のファイバあるいはファイバウェブは、積層されたフィルタ構造において、一つのファインファイバウェブの形態あるいは一連のファインファイバウェブの形態で使用することができる。
【0008】
用語「ファインファイバ」は、0.001μm〜5μm未満、または約0.001μm〜2μm未満、しばしば、いくつかの例では0.001μm〜0.5μmのファイバサイズあるいは直径を有するファイバを示す。さまざまな方法を、電界紡糸、溶融吹きつけまたは他のファイバ製造のために使用することができる。チェン他、米国特許第6,743,273号、カールバウフ他、米国特許第5,423,892号、マクリード、米国特許第3,878,014号、バリス、米国特許第4,650,506号、プレンティス、米国特許第3,676,242号、ローカンプ他、米国特許第3,841,953号、ブチン他、米国特許第3,849,241号は、さまざまなファインファイバ技術を開示しており、それらのすべては参照により本明細書に合体される。
【0009】
本発明のファインファイバは、通常は、2つの異なるポリマー種類を混合することによって製造される。ポリマーは、溶融混合、同時押出しなどを含むあらゆる有用な方法で混合することができるし、相溶性の溶液(compatible solution)中で混合することもできる。溶液は、ポリマー材料に対する相溶化剤(compatibilizer)として機能する。溶液中でポリマーアロイあるいはポリマーブレンド中で非相溶性となり得る多くの種類のポリマー、例えば、溶融条件下で分離相を形成するものは、溶媒の存在下で相溶性とするために使用することができる。この溶媒を用いるファインファイバ材料は、さまざまな技術を使用することにより紡糸して有用なファイバにすることができる。ポリマーの種類がいくぶん非相溶性である場合でも、溶媒相の溶融紡糸あるいは溶媒相を用いる電界紡糸は、ポリマー材料の相溶性を改良して、相溶性の溶媒材料の形成および乾燥後に、安定したファイバを形成することができる。
【0010】
本発明のファインファイバは、溶媒から基板上に電界紡糸することができる。基板は透水性あるいは不透水性材料であり得る。ろ過への応用では、基板として不織布フィルタ媒体を使用することができる。他の応用では、ファイバを不透水性層上に紡糸して、次に、後処理のために除去することができる。そのような応用では、ファイバは金属ドラムあるいはホイル上に紡糸することができる。基板上に形成されたファインファイバの層と本発明のフィルタは、微粒子分布、フィルタ性能およびファイバ分布において実質的に均質である。実質的な均質によって、ファイバが基板表面全体を十分に被覆し、被覆された基板表面を通る少なくとも測定可能なろ過効率を有することを意味する。本発明の媒体は、フィルタ構造において複数のウェブを有する積層体中で使用することができる。本発明の媒体は、ファインファイバ構造の少なくとも1個のウェブを含み、層は、積層体中で、単層中、または、一連の層中に微粒子の勾配を有することもできる。
【0011】
本発明の目的に対して、用語「媒体」は、実質的に連続するファインファイバウェブまたは固まりを含むウェブと、ファイバウェブ、固まりまたは層中に分散された本発明の分離またはスペーサ材料とを含むウェブを有する構造を含んでいる。本開示では、用語「ウェブ」は、ファイバ中に実質的に分散したスペーサ微粒子を有する、実質的に連続するあるいは切れ目のないファインファイバ相を含んでいる。連続するウェブは、移動相中の微粒子の汚染物質が充填する通路に障壁を与えるために必要である。1つのウェブ、2つのウェブまたは複数のウェブは、本発明の単層あるいは積層体のフィルタ媒体を作るために結合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のファインファイバは、ポリウレタンポリマーと第2ポリマーとを含むナノファイバサイズのファイバを含む。本開示の文脈において、用語「第2ポリマー」は、ポリウレタンポリマーと異なるポリマーを含む。この文脈における異なるポリマーは、異なるポリウレタンを含むことができ、このポリウレタンは、異なるジ、トリまたは多機能性イソシアネート反応物を含み得る、また、ポリウレタンの製造におけるハードまたはソフトポリオール反応物などの活性水素を含む異なるポリマー形成単位は、実質的に異なる分子量のポリウレタンを含み得る。また、この用語は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン、アラミド、アクリレート、または実質的に分子量、モノマー種、相溶性が異なる他のポリマー種などの異なるポリマーの種類を含むこともできる。ポリマーの結合は、溶媒からのポリマーブレンドを紡糸することにより達成される。
【0013】
本発明のファイバでは、ファイバは、ポリウレタンポリマーを約10〜90重量%、好ましくは約20〜80重量%と、バランスとして第2の異なるポリマーをタイプ約90〜10重量%、好ましくは約80〜約20重量%含み得る。1つの実施例では、ポリマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を45〜55重量%と第2ポリマーを55重量%の量で混合することができる。ファイバ製造の性質により、ファイバは、複数のポリマーの真溶液として一方のポリマーが他方のポリマー中に存在するか、または、ファイバは、ファイバが分散した複数の領域を有し、そこでは、それぞれのポリマーがその領域の実質的な内容物であり、結果として、ファイバを含むポリマー領域とファイバ構造内のストランドとが得られる。本発明のファイバは、通常は、ポリマーアロイを含んでおらず、ポリマーを断続的に連絡している状態で含んでおり、通常は不連続な内部構造のポリマーを含んでいる。しかしながら、ある複数のポリマーは、一つのTGA走査によって通常暗示される真のポリマーアロイを形成することが知られている。
【0014】
ファイバウェブの全体の厚さは、ファイバ直径の約1〜100倍である、または、約1〜300μmまたは約5〜200μmである。(分離手段の寄与を含む)媒体の総合的なソリディティは、約0.1〜約50%、好ましくは約1〜約30%である。本発明の結合したポリマーファイバは、本明細書に記載されているASTM1215−89に従って、0.78μmの単分散ポリスチレン球状粒子を用いて13.21fpm(4m/分)で測定される場合に、約40〜約99.99%のろ過効率を達成することができる。性能指数FOM(Figure of Merit)は、100〜105の範囲であり得る。本発明のろ過ウェブは、フレージャー透水性試験で、通常は、少なくとも約1m/分、好ましくは5〜約50m/分の透水性を示す。
【0015】
本発明に使用される熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、使用されるイソシアネートに依存する脂肪族または芳香族ポリウレタンであり、ポリエーテルポリウレタンあるいはポリエステルポリウレタンであり得る。良い物理的性質を有するポリエーテルウレタンは、ヒドロキシル基末端ポリエーテルまたはポリエステル中間体と、脂肪族−、芳香族−、または高分子−ジイソシアネートを有する鎖延長剤との溶融重合によって調製することができる。ヒドロキシル基末端ポリエーテルは、2〜10の炭素原子を含むアルキレンオキシド反復単位を有し、少なくとも1000の平均分子量を有する。鎖延長剤の量は、ヒドロキシル基末端ポリエーテル1モル当たり0.5から2モル未満である。鎖延長剤は、実質的に、2〜20の炭素原子を有する分枝していないグリコールである。ポリエーテルポリウレタンは、約140℃から250℃またはそれより大きい(例えば、150℃〜250℃)融点を有し、180℃またはそれより大きいことが好ましい。
【0016】
第1モードでは、本発明のポリウレタンポリマーは、単にジ−、トリ−または高機能性−の芳香族または脂肪族のイソシアネート化合物を、ポリエステルポリオールまたはポリエーテル・ポリオールのどちらかを含むポリオール化合物と結合することによって簡単に作ることができる。ポリオール中の活性水素原子とイソシアネート基との間の反応は、まっすぐに前進するやり方で付加ポリウレタンポリマー材料を形成する。OH:NCO比は、通常は、約0.8:1〜約2:1であり、後反応処理で、仕上げポリマー中の未反応イソシアン酸塩化合物中の未反応イソシアネートがほとんど無いまたは全く残っていない状態に、イソシアネートの反応化合物を使用して反応性を除去することができる。第2モードでは、ポリウレタンポリマーをイソシアネート末端プレポリマー材料から徐々に合成することができる。ポリウレタンは、イソシアネート基末端ポリエーテルあるいはポリエステルに有用である。イソシアネート・キャップド・ポリオール・プレポリマーは、芳香族あるいは脂肪族ジヒドロキシ化合物を用いてチェインを拡張することができる。用語「イソシアネート基末端ポリエーテルまたはポリウレタン」は、一般に、ジイソシアネート化合物(すなわち、少なくとも2つのイソシアネート(−NCO)基を含む化合物)と反応したポリオールを含むプレポリマーについて言う。好ましい形態では、プレポリマーは、2.0またはそれ以上の機能性と、約250〜10,000あるいは600〜5000の平均分子量とを有し、実質的に未反応ではないモノマーのイソシアン酸塩化合物を含むように調製されている。用語「未反応のイソシアン酸塩化合物」は、フリーなモノマーの脂肪族あるいは芳香族イソシアネート含有化合物、すなわち、出発物質としてプレポリマーの調製に関連して使用され、プレポリマー組成物中で未反応のままで残っているジイソシアネート化合物について言う。
【0017】
「ポリオール」は、本明細書で使用されるとき、一般に、二個以上のヒドロキシ(−OH)基を有する高分子化合物をいい、好ましくは、各端部がヒドロキシ基で終結している脂肪族―高分子(ポリエーテルまたはポリエステル)化合物をいう。チェーンを延す試薬は、二機能、および/または、三機能性化合物であり、62〜500の分子量と、好ましくは2〜14の炭素原子を有する脂肪族ジオール、例えば、エタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、および、特に、1,4ブタンジオールと、を有する。しかしながら、例えば、テレフタル酸ビスーエチレングリコールあるいは1,4−ブチレングリコールなどの2〜4まで炭素原子を有するグリコールとテレフタル酸のジエステル、例えば、1,4−ジ(βヒドロキシエチル)ヒドロキノンなどのヒドロキノンのヒドロキシアルキレンエーテル、イソフォロンジアンミン、エチレンジアミン、1,2−、1,3プロピレン・ジアミン、N−メチル−1,3プロピレン−ジアミン、N,N'ジメチル−エチレンジ−アミンなどの(シクロ)脂肪族ジアミン、および、例えば、2,4−および2,6−トルエン−ジアンミン、3、5−ジエチル−2,4−、および/または、−2,6−トルエン−ジアンミンなどの芳香族ジアミン、および、第1オルト−、ジ−、トリ−、および/または、テトラ−アルキル−置換された4,4'−ジアミノジフェニルメタンもまた適切である。また、上記説明されたチェーンを延す試薬の混合物を使用することもまた可能である。好ましいポリオールは、ポリエーテル、ポリカーボネートまたはそれらの混合物である。さまざまなポリオール化合物は、プレポリマーの調製で使用するために利用可能である。好適な実施例において、ポリオールは、例えば、ポリエーテルジオール類とポリエステルジオールとそれらの混合物またはそれらのコポリマーを含む高分子ジオールを含み得る。好ましい高分子ジオールはポリエーテルジオールであり、ポリアルキレンエーテルジオールがより好ましい。例示のポリアルキレンポリエーテルジオールは、例えば、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PEMEG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールおよびそれらの混合物あるいはコポリマーを含んでいる。これらのポリアルキレンエーテルジオール中で好ましいものは、PEMEGである。ポリエステルジオール中で好ましいものは、例えば、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、それらの混合物あるいはコポリマーである。他のポリエーテル・ポリオールは、その中に接着された2つの活性水素原子を含むスターター分子と、アルキレンラジカルで2〜4の炭素原子を有する1つまたはそれ以上のアルキレンオキシドとが反応することによって調製することができる。アルキレンオキシドの例として以下の酸化エチレン、1,2酸化プロピレン、エピクロルヒドリン、1,2および2,3酸化ブチレンが挙げられる。酸化エチレン、酸化プロピレン、1,2−酸化プロピレンと酸化エチレンの混合物の使用が好ましい。アルキレンオキシドは、個々に、または連続して、または混合物の形態で使用され得る。スターター(開始剤)分子として、例えば、水、アミノアルコール、N−メチル−ジエタノールアミンなどのN−アルキルジエタノールアミン、エチレングリコール、1,3−プロピレン・グリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオールを含む。また、スターター分子の混合物を使用することも可能である。また、適切なポリエーテル・ポリオールは、テトラヒドロフランのヒドロキシル基含有重合生成物である。適切なポリエステルポリオールは、例えば、2〜12の炭素原子、好ましくは4〜6つの炭素原子を有するジカルボキシル酸と多価アルコールとから調製され得る。適切なジカルボキシル酸は、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を含んでいる。ジカルボキシル酸は、個別または、例えば、琥珀酸とアジピン酸の混合物などの混合物の形態で使用され得る。ポリエステルポリオールの調製のために、ジカルボキシル酸の代わりに対応するジカルボキシル酸縁誘導体、例えば、アルコールラジカル中に1〜4の炭素原子を有するカルボン酸ジエステル、カルボン酸無水物、または塩化カルボン酸などのを使用することは、有利であり得る。多価アルコールの実施例は、2〜10、好ましくは2〜6の炭素原子を有するグリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1、6−キサンジオール、1,10−デカネジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよびジプロピレングリコールであり得る。所望の特性の基づいて、多価アルコールは、単独またはオープションに互いに混合物で使用され得る。また、適切なものは、上記説明されたジオールを有する炭酸エステルであり、特に、例えば、1,4−ブチレングリコール、および/または、1、6−ヘキサンジオールなどの4〜6の炭素原子を有するもの、オメガ−ヒドロキシカルボン酸の縮合生成物、例えば、オメガ−ヒドロキシカルボン酸、および、好ましくは、例えば、オープションに置換されエピシロン−カプロラクトンなどのラクトンの重合生成物である。ポリエステル・ポリオール・エタンジオール・ポリアジペート、1,4−ブタンジオール・ポリアジペート、エタンジオール−1,4−ブタンジオール・ポリアジペート、1,6−ヘキサンジオール・ネオペンチル・グリコール・ポリアジペート、1,6−ヘキサンジオール−1,4−ブタンジオール・ポリアジペートおよびポリカプロラクトンとして好ましく使用されるものがある。ポリエステルポリオールは、600〜5000の分子量を有する。
【0018】
ポリマーあるは誘導され得るプレポリマーからのポリオールの数平均分子量は、約800〜約3500の範囲であり、その中にすべての結合とサブの結合があり得る。より好ましくは、ポリオールの数平均分子量は、約1500〜約2500の範囲であり得るが、約2000の数平均分子量を有するものがさらに好ましい。
【0019】
プレポリマー中のポリオールは、イソシアン酸塩化合物でフタ付けされた(capped)かまたは熱可塑性ポリウレタン(TPU)と完全に反応している。広くさまざまなジイソシアネート化合物は、本発明のプレポリマーの調製において使用可能である。概して、ジイソシアネート化合物は、芳香族あるいは脂肪族であり得るが、芳香族ジイソシアネート化合物が好ましい。適切な有機ジイソシアネートは、例えば、Justus Liebigs Annalen der Chemie,562, page 75 to 136.で説明されているような、例えば、脂肪族、環状脂肪族、芳香脂肪族、複素環系と芳香族ジイソシアネートを含む。適切な芳香族ジイソシアネート化合物の例は、ジフェニルメタン・ジイソシアネート、キシレン・ジイソシアネート、トルエン・ジイソシアネート、フェニレン・ジイソシアネート、ナフタリン・ジイソシアネート、およびそれの混合物を含んでいる。適切な脂肪族ジイソシアネート化合物の例は、ジシクロヘキシルメタン・ジイソシアネート、ヘキサメチレン・ジイソシアネート、およびそれの混合物を含んでいる。ジイソシアネート化合物中で好ましいのは、鎖延長剤(以下でより詳しく説明される)とその一般に好ましい反応性と同様に、少なくとも一部が一般的に商業的に入手可能であり、安全性が高いMDIである。本開示によって武装された当業者にとって、上記例示されたものに加える他のジイソシアネート化合物は、容易に明らかであろう。以下のものは、特定の実施例として言及されるものであり、ヘキサメチレン・ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、イソフォロン・ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,4、および−2,6−シクロヘキサン・ジイソシアネート、および対応する異性体混合物などの環状脂肪族ジイソシアネート、および好ましくは、2,4トルイレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルイレンジイソシアネート2の混合物、4,4’−、2,4’−および2,2'−ジフェニルメタン・ジイソシアネート、2,4'−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、ウレタン−改質された液体4,4’−および/または、2,4'−ジフェニルメタン・ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート・ジフェニールエタン−(1,2)および1,5−ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどがある。好ましいものは、1,6−ヘキサメチレン・ジイソシアネート、イソフォロン・ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン・ジイソシアネート、96重量%より大きい量の4,4'−ジフェニルメタン・ジイソシアネートを有するジフェニルメタン・ジイソシアネート異性体混合物、および、特に、4,4’−ジフェニルメタン・ジイソシアネートおよび1,5−ナフチレン・ジイソシアネートなどの使用によって与えられる。
【0020】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)調製のために、鎖延長成分は、オープションに、触媒、助剤、および/または、付加物の存在下で反応する。全NCO−反応基の合計に対するNCO基の等価比、特に、低分子量ジオール/トリオールのOH基とポリオールの等価比が、0.9:1.0〜1.2、:1.0、好ましくは、0.95:1.0〜1.1:1.0である。適切な触媒、特に、ジイソシアネートのNCO基とジオール成分の水酸基との反応を加速するものは、例えば、従来技術において知られている慣用の第三級アミン、例えば、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N、N’−ジメチル・ピペラジン、2−(ジメチルアミノエトキシ)−エタノール、ジアザビシクロ−(2,2,2)オクタンおよび同様物、および、チタン酸エステル、鉄化合物、スズ化合物、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレートまたは同様物などの脂肪族カルボン酸のスズ二酢酸、スズジオクテート、スズジロウレートまたはスズジアルキル塩である。触媒は、通常は、ポリヒドロキシ化合物の100部あたり0.0005〜0.1部分の量で使用される。また、触媒に加えて、助剤、および/または、付加物を鎖延長成分中に取り入れることができる。例示された例は、潤滑剤、反ブロッキング剤、禁止剤、加水分解、光、熱、および変色に対する安定剤、不燃剤、着色、顔料、無機および/または有機フィラー、および補強剤である。補強剤は、特に、例えば、無機ファイバなどのファイバ状補強材であり、先行技術に従って調製され、あるサイズで提供される。
【0021】
更に熱可塑性ポリウレタン(TPU)に合体される追加成分は、熱可塑性プラスチックであり、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリプロピレン、他のポリオレフィン、ポリカーボネート、およびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン・ターポリマー(ABC)である。ABSは特に好ましい。他のエラストマー、例えば、ゴム、エチレン酢酸ビニルポリマー、ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエン・コポリマーおよび他のTPUもまた同様に使用することができる。また、合体されるのに適切なものは、市販の可塑剤、例えば、燐酸塩、フタラート、アジペート、セバシン酸塩などである。本発明に基づくTPUは、連続的に製造され得る。既知のバンド工程あるいは押出工程のどちらかが使用され得る。コンポーネントは、同時に、すなわち、ワンショットで、または連続に、すなわち、プレポリマープロセスで計測され得る。その場合、プレポリマーは、押出機の最初の部分にバッチ式でまたは連続的に導入され得るか、または、上流に配置された別のプレポリマー装置中で調製され得る。押出工程は、好ましくは、オープションにプレポリマーリアクタに関連して使用される。
【0022】
本発明の第2ポリマー組成物として使用することができるポリマー材料は、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、セルロースエーテルやエステル、ポリアルキレンサルファイド、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、改質されたポリスルホンポリマーおよびそれらの混合物などの付加ポリマーと縮合ポリマー材料の両方を含むことができる。これらの一般的な種類内にある好ましい材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリメタクリル酸メチル(および、他のアクリル樹脂)、ポリスチレン、およびそれらのコポリマー(ABAタイプのブロックコポリマーを含む)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(塩化ビニリデン)、架橋されたおよび架橋されていない形態の様々な加水分解度(87%〜99.5%)のポリビニルアルコールを含む。好ましい付加ポリマーは、(室温より高いTg)のガラス状であり得る。これは、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン・ポリマー組成物あるいはアロイ、あるいはポリふっ化ビニリデンとポリビニールアルコール材料の結晶化度が低いものであり得る。
【0023】
ポリアミド縮合ポリマーの1つの種類はナイロン材料である。用語「ナイロン」は、すべての長鎖の合成ポリアミドに対する総称である。通常、ナイロン命名法は、ナイロン−6,6などの連続番号を含み、ナイロン−6,6は、出発物質がC6ジアンミンと、C6二酸(第1ケタがC6ジアンミンを示し、第2ケタがC6ジカルボン酸化合物を示す)であることを示す。別のナイロンは、少量の水があるときにεカプロラクタムの重縮合でを作ることができる。この反応は、線状ポリアミドであるナイロン−6を形成する(環状ラクタム、また、ε−アミノカプロン酸として知られているものから作られる)。また、さらに、ナイロンコポリマーが想定される。コポリマーは、様々なジアミン化合物、様々な二酸化合物、および様々な環状ラクタム構造を反応混合物中で結合することによって、次に、ポリアミド構造中にランダムに配置されたモノマー材料とナイロンを形成することによって作ることができる。例えば、ナイロン6,6−6,10材料は、ヘキサメチレンジアンミンと二酸のC6およびC10の混合物から製造されたナイロンである。ナイロン6−6,6−6,10は、εアミノカプロン酸、ヘキサメチレンジアンミン、および二酸物質のC6およびC10の混合物の共重合によって製造されたナイロンである。
【0024】
また、ブロックコポリマーも本発明のプロセスで使用可能である。そのようなコポリマーがあるので、溶媒膨潤剤の選択は重要である。選択された溶媒は、両方のブロックが溶媒中で溶解可能である。実施例は、「ABA」と「AB」タイプのブロックコポリマーであり、ここで、AとBのブロックは、同じ溶媒に溶解可能である。例えば、スチレンコポリマーのブロックとエチレン・ブチレン・ランダム・コポリマーのブロックとは、例えば、スチレン−b−(エチレン−コ−ブチレン)−b−スチレンコポリマー、または、スチレン−b−(エチレン−コ−ブチレン)−ブロックコポリマー構造に結合され得る。ここで、両方のブロックは、溶解可能であり、ブロックコポリマーは、したがって、塩化メチレン中に溶解され得る。もし1つの成分が水に不溶の場合は、ゲルを形成し得る。そのようなブロックコポリマーの例は、クラトン(登録商標)タイプのスチレン−b−ブタジエンとスチレン−b−水添ブタジエン(エチレンプロピレン)と、ペバックス(登録商標)タイプのε−カプロラクタム−b−酸化エチレン、シンパテックス(登録商標)タイプのポリエステル−b−酸化エチレンとポリエチレンオキシドとイソシアネートのポリウレタンである。
【0025】
ポリふっ化ビニリデン、シンジオタクチックポリスチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、ポリビニールアルコール、ポリ酢酸ビニルのような付加ポリマー、ポリ(アクリロニトリル)およびそのアクリル酸とメタクリレートとのコポリマーなどの無定形付加ポリマー、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニール)およびその種々のコポリマー、ポリ(メチル・メタクリレート)およびその様々なコポリマーは、低圧力および低温で可溶性であるので、相対的容易に溶液紡糸することができる。しかしながら、ポリエチレンとポリプロピレンのような高結晶性ポリマーは、溶液紡糸する場合、高温高圧力溶媒を必要とする。したがって、ポリエチレンとポリプロピレンの溶液紡糸は非常に難しい。電界溶液紡糸はナノファイバとミクロファイバを作る1つの方法である。
【0026】
我々は、2つまたはそれ以上のポリマー材料を有するポリマー組成物からポリマーブレンドのアロイ・フォーマットまたは架橋され化学結合した構造を形成することの実質的な利点を見いだした。我々は、そのようなポリマー組成物がポリマー属性を変えることによって、例えば、ポリマーチェインの柔軟性またはポリマーチェインの移動度を改良する、総合的な分子量を増加させる、およびポリマー材料のネットワークを形成して補強することによって、物理的性質を改良すると信じている。
【0027】
この概念の1つの実施例において、2つの関連するポリマー材料を有利な特性のために混合することができる。例えば、高分子量のポリ塩化ビニルを低分子量のポリ塩化ビニルと混合することができる。同様に、高分子量のナイロン材料を低分子量のナイロン材料と混合することができる。さらに、異なる種類の一般的な高分子類を混合することができる。例えば、高分子量スチレン材料は、低分子量の耐衝撃性ポリスチレンと混合することができる。ナイロン−6材料は、ナイロン6;6,6;6,10などのナイロンコポリマーと混合することができる。さらに、87%の加水分解されたポリビニールアルコールなどの低い加水分解度を有するポリビニールアルコールを98〜99.9%の加水分解度を有するポリビニールアルコールと混合することができる。混合物中でこれらの材料のすべては、適切な橋かけ機構を使用して架橋することができる。ナイロンは、アミド連鎖中の窒素原子と反応する架橋剤を使用して架橋することができる。ポリビニールアルコール材料は、ホルムアルデヒドなどのモノアルデヒド、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒド、尿素、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂およびその類似物、ホウ酸と、他の無機化合物、二酸、ウレタン、エポキシと他の既知の架橋剤などのヒドロキシル基反応性物質を用いて架橋することができる。架橋技術は、既知であり、実質的に分子量、耐薬品性、総合的強度および機械的劣化への抵抗を改良するために、ポリマーチェインの間で反応して共有結合を形成する現象は理解されている。熱可塑性と熱硬化性ポリマーとの間で架橋することはよく知られていない。
【0028】
我々は、付加材料がファインファイバの形態でポリマー材料の特性をかなり改良することができることを見いだした。熱の影響、湿度、衝撃、機械的応力、および他の否定的な環境への影響に対する耐性は、実質的に付加材料の存在によって改善することができる。我々は、本発明のマイクロファイバ材料を処理している間に、付加材料が疎油性の特性、疎水性の特性を改良することができること、および、付加材料が材料の化学安定度を改良するのを補助するように見えることを見出した。我々は、マイクロファイバ形態の本発明のファインファイバが、これらの付加剤(additive)の保護層コーティングの侵食表面(ablative surface)を形成するとき、または、ポリマー材料の性質を改良するために表面からある深さまで浸透するときに、これらの疎油性および疎水性の付加剤の存在によって改良されると信じている。我々は、付加材料の重要な特性は、強い疎水性基が存在しかつ好ましくは、疎油性特性も持つことができることであると信じており、例えば、炭化フッ化基、疎水性炭化水素の界面活性剤あるいはブロック、および実質的に炭化水素のオリゴマー組成物などである。これらの材料は、通常は、ポリマーと物理的な結合または会合を与えるポリマー材料と相溶性である傾向のある分子の一部を有する組成物中で製造され、付加剤とポリマーの結合の結果として保護的な表面層を形成する間に、強い疎水性基または疎油性基が表面に存在する表面層を形成する、または、ポリマー表面層とアロイとなるまたはポリマー表面層と混合する。10%の付加剤物レベルを有する0.2μmのファイバに対して、表面厚さは、付加剤が表面に移動した場合、約50Åとなると計算される。移動は、バルク物質中での疎油性基あるいは疎水性基の非相溶性特性によって起こると信じられている。50Åの厚さは、保護コーティングのための妥当な厚さであるように見える。0.05μm直径のファイバに対して、50Åの厚さは20%の量に対応している。2μmの厚さファイバに対して、50Å厚さは2%の量に対応している。好ましくは、付加材料は約2〜25重量%の量で使用される。本発明のポリマー材料と結合して使用することができるオリゴマー付加剤は、約500〜約5000の分子量、好ましくは、約500〜約3000の分子量で、フッ化物、ノニオン性界面活性剤、および低分子量の樹脂またはオリゴマーを有するオリゴマーを含んでいる。有用なフェノール類の付加剤材料の例は、エンゾ−BPA、エンゾ−BPA/フェノール、エンゾ−TBP、エンゾ−COPおよび他の関連するフェノール類は、オハイオ州、コロンバスのエンゾモール、インターナショナルインクから入手される。
【0029】
非常に広い種類のファイバ状フィルタ媒体が異なる応用のために存在している。本発明で説明された耐久性のナノファイバとマイクロファイバーはいかなる媒体にも追加することができる。直径が小さいために、大きな耐久性を示しながら改善された性能(改善された効率、および/または、低減された圧力低下)の大きな利点を提供する本発明で説明されたファイバは、既存の媒体のファイバ成分の代わりに使用することもできる。
【0030】
ポリマーのナノファイバとマイクロファイバは知られているが、その用途は、機械的応力に対す脆弱性および容積に対する非常に大きな表面積比による化学的劣化に対する感受性のために非常に限られている。本発明で記載されたファイバは、これらの制限に取り組むものであり、したがって、非常に広い種類のろ過、織物、膜、および他のさまざま応用において使用可能であるだろう。
【0031】
本発明に基づくフィルタ媒体構造物は、透過性の粗いファイバ状媒体または第1表面を有する基板の支持体層を含んでいる。ファインファイバ媒体の層は、支持体の表面あるいは透過性の粗いファイバ状媒体の代替層に固定されている。好ましくは、透過性の粗いファイバ状材料の層は、少なくとも10μmの平均直径、通常および好ましくは、約12μm(または、14μm)から30μmの平均直径を有するファイバを含む。また、好ましくは、透過性の粗いファイバ状物質の第1層は、約200g/m2より大きくない、好ましくは0.50〜約150g/m2、最も好ましくは、少なくとも8g/m2の坪量を有する媒体を含む。好ましくは、透過性の粗いファイバ状媒体の第1層は、厚さが少なくとも0.0005インチ(12μm)であり、通常および好ましくは、厚さが約0.001〜0.030インチ(25〜800μm)である。
【0032】
好ましい配置では、透過性の粗いファイバ状材料の層は、構造物の残りのものと別々にフレージャー透水性試験によって評価される場合に少なくとも1m/分の透水率、通常および好ましくは約2〜900m/分の透水率を示す材料を含んでいる。本明細書において効率に対して引用する場合に、特別の記載がない限り、引用は、本明細書に記載されるように、20fpm(6.1m/分)で、0.78μmの単分散ポリスチレン球状粒子を用いる、ASTM−1215−89試験に基づいて測定される効率を意味する。
【0033】
好ましくは、透過性の粗いファイバ状媒体の代替層あるいは支持体表面に固定されたファインファイバ材料の層は、ナノファイバおよびマイクロファイバ媒体の層であり、ファイバは、約2μm未満の平均ファイバ径を有し、一般におよび好ましくは約1μm未満、通常および好ましくは、0.5μm未満で、約0.05〜0.5μmの範囲の平均ファイバ径を有する。また、好ましくは、透過性の粗いファイバ状材料の第1層の第1表面に固定されているファインファイバ材料の第1層は、全体の厚が約30μm未満、より好ましくは20μm未満、最も好ましくは約10μm未満であり、通常及び好ましくは、ファインファイバの平均直径の約1〜8倍(より好ましくは5倍未満)の厚さ以内である。
【0034】
ファイバは、慣用の方法により製造することができ、例えば、熱可塑性ポリウレタンあるいは混合されたポリエーテルウレタンおよび付加物を溶融紡糸することによって作ることができる。溶融紡糸は、周知のプロセスであり、そのプロセスでは、ポリマーは押出器によって溶融され、紡糸ノズルを通過して空気中押し出され、冷却により固化し、収集器上にファイバを巻き上げることによって集められる。通常、ファイバは、約150℃から約300℃のポリマー温度で溶融紡糸される。
【0035】
マイクロファイバあるいはナノファイバのユニットは、電界紡糸プロセスによって形成することができる。ファイバを形成するための適切な装置は、バリスの米国特許第4,650,506号に例示されている。この装置は、ファインファイバを形成するポリマー溶液が含まれているリザーバと、ポンプとポリマー溶液がポンプで送られるロータリ式の放出器またはエミッターとを含む。一般に、エミッターは、回転継ぎ手と、複数のオフセットホールと前方向に面している部分と回転継ぎ手に連結しているシャフトとを含む。回転継ぎ手は、中空のシャフトを通して前方向に面している部分にポリマー溶液の導入部を提供する。また、回転部分は、リザーバとポンプによって供給されたポリマーを貯蔵するリザーバ中に浸漬され得る。次に、回転部分がリザーバからポリマー溶液を得て静電場で回転するとき、溶液の小滴は静電場によって加速されて収集媒体に向かうが、このことは以下に説明される。
【0036】
収集媒体(すなわち、基板か結合した基板)が配置されている上に実質的に平らなグリッドが、エミッターに面し、間隔をあけて配置されている。空気はグリッドを通して吸引される。収集媒体は、グリッドの隣接する対向する端部に配置されているローラーの周りを通過する。適切な静電電圧源と、それぞれがグリッドおよびエミッターに接続する接続手段とによって、高電圧の静電電位がエミッターとグリッドとの間で維持される。
【0037】
使用中に、ポリマー溶液は、リザーバから回転継ぎ手あるいはリザーバにポンプで送られる。前方向に面している部分は回転し、液体がホールから出るかまたはリザーバから取り出され、エミッターの外側のエッジから動いてグリッド上に配置された収集媒体に向かって移動する。グリッドとエミッターとの間の静電電位は、はっきりと材料を電荷を与え、液体が薄いファイバとしてそこから放出され、グリッドに向かって吸引され、ファイバが基板上に到着して基板上または効率層に集められる。溶液中のポリマーの場合、溶媒はグリッドまでの飛行の間にファイバから蒸発し、ファイバが基板あるいは効率層に到着する。ファインファイバは、グリッドで最初に遭遇する基板のファイバと結合する。静電場の強さは、ポリマー材料がエミッターから収集媒体まで加速されるとき、ポリマー材料を非常に薄いマイクロファイバあるいはナノファイバ構造に変えるのに加速が十分であるのを保証するように選択される。収集媒体の前進速度を増加するかまたは遅くすると、形成される媒体上に多少放出されたファイバを堆積することができ、その結果、その上に堆積した各層の厚さの制御を可能にする。回転部分は、さまざまな有益な位置を持つことができる。回転部分は、平面が収集媒体の表面に垂直であるあるいは任意の角度で配置されているように、回転平面中に配置することができる。回転する媒体は、平行な配置からわずかにオフセットされるあるいは平行に配置することができる。
【0038】
基板上にファイバのネットワークを形成するために、シート状基板はステーションで巻かれない。次に、シート状基板は、スプライシングステーションに送られ、そこで、複数の基板の長さが連続操作のために結合される。シート状基板の連続する長さは、上記説明した紡糸技術を有するファインファイバ技術ステーションに送られ、そこで、紡糸装置は、ファインファイバを形成し、シート状基板上のろ過層中にファインファイバを堆積する。ファインファイバの層が形成ゾーンでシート状基板上に形成された後に、ファインファイバの層と基板は、適切な処理のために熱処理ステーションに送られる。シート状基板とファインファイバの層は、次に、効率モニターでテストされて、必要ならニップステーションではさまれる。次に、シート状基板とファイバの層は、更なる処理のための適切なスピンドル上に巻き上げるために適切な巻き取りステーションに送られる。
【0039】
実施例1
ノヴェロン(登録商標)によって製造された熱可塑性脂肪族ポリウレタン化合物、TECOPHILIC SP−80A−150 TPUが使用された。ポリマーは、ジシクロヘキシルメタン4,4'ジイソシアネートとポリオールとの反応によって製造された、ポリエーテルポリウレタンである。このポリマーは、以下本明細書では、ポリマー1と呼ぶ。
【0040】
実施例2
ナイロン6,66,610ナイロン共重合樹脂(SVP−651)のコポリマーは、末端基滴定によって分子量が分析された。(J.E.WaIzとG.B.テイラー、ナイロンの分子量の決定、Anal. Chem Vol.19,Number 7, pp448-450(1947)。数平均分子量は21500〜24800であった。組成物は、3成分の溶融温度の状態図によって見積もられ、ナイロン6が約45%、ナイロン66が約20%、ナイロン610が約25%であった。(286ページ、ナイロン・プラスチック・ハンドブック、メルビン・コーハン編集、ハンサー出版r、ニューヨーク(1995))SVP651樹脂の報告された物理的性質は以下の通りである。
【0041】
【表1】

【0042】
このポリマーは、以下本明細書では、ポリマー2と呼ぶ。
【0043】
実施例3
ポリマー1をジョージア・パシフィック5137として特定されるフェノール樹脂と混合した。ポリマー1:フェノール樹脂比および混合物の溶融温度を以下に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
ポリウレタンとポリマーの混合によって、新しいファイバの化学的性質における弾性の利益が得られる。
【0046】
実施例4
ポリマー1は、4時間、60℃でエチルアルコール中でしっかり撹拌することによって溶解した。4時間後に、溶液を室温で冷却した。溶液の固体量は約13重量%であったが、異なるポリマー固体量を使用することができる。室温まで冷却したとき、溶液の粘性を、25℃で測定すると、約340cP(センチポイズ)であった。
【0047】
この溶液は、様々な条件で、粗いファイバ支持体層上に電界紡糸された。支持体層は、リーマン(登録商標)ポリエステル不織布(テネシー州、オールド・ヒッコリーのファイバ・ウェブ・plcから利用可能である)である。紡糸後に、ファイバの粘着性によりカーボン粒子をウェブに接着した。使用したカーボン粒子は、325メッシュ(ペンシルヴェニア州、ピッツバーグのカルゴン・カーボンカンパニーから利用可能である)の活性炭であった。走査電子顕微鏡(SEM)写真によれば、図1の電界紡糸されたファイバ11とファイバ11中に混入されたカーボン粒子12とを有するファイバ集合体10を示しており、99℃で5時間加熱された同じ複合体を図2に示す。図2は、図1のファイバ11の溶解を示しており、耐熱性が低く、高温に晒されると、フィルタの安定性が欠落することを示している。
【0048】
このポリウレタンは、優れた弾性を有するものであるが、耐熱性を有することもまた好ましい。耐熱性は、高温処理を必要とする下流の加工プロセスがある場合に、特に重要である。1つの実施例は、化学的なろ過分野において与えられる。図1に示された粒子12は、ガス相中の化学物質を除去するように意図された活性炭粒子である。これらの粒子の吸着容量は、それらの後処理条件と強く関係する。電界紡糸では、ファイバを形成し乾燥するとき電界紡糸されたファイバから蒸発する溶媒がカーボン粒子によって吸着されるために、最終用途での材料を吸着するように意図された総合的な能力が制限される。活性炭粒子から溶媒分子を「見せる(flash)」ために、カーボン粒子から残留溶媒を取り除くために延ばされた耐久時間の間、形成されたフィルタ構造を溶媒の沸点、この場合78〜79℃を超えた温度で加熱することが必要である。従って、ファイバは、活性炭粒子を用いる化学的フィルタへの応用として使用するために後処理工程で使用される温度に耐えなければならない。
【0049】
実施例5
ファイバの耐熱度問題を解決し、同時にファイバの高弾性と(活性、および/または、非活性粒子などの付着に適した)粘着性との利益を得るために、我々は、ポリマー1とポリマー2の混合物を電界紡糸してファイバを作った。それゆえ13重量%のポリマー1と12重量%のポリマー2をエチルアルコールで個別に溶解した。次に、2つのポリマーを異なる比率で混合して、さまざまな溶液粘度範囲を得た。この実施例では、我々は、13:12重量%のポリマー1とポリマー2を使用した。
【0050】
この溶液は、約210cP(センチポイズ)の粘性を有する。室温で数分間、単に強く2つのポリマー溶液の混合物をかき回すことによって混合した。混合物の電界紡糸は、実施例4で説明したのと同じ技術を使用して行った。電界紡糸されたウェブのSEM画像は、図3に1000倍の倍率で粗いファイバ22上に電界紡糸されたファイバ21を有するファイバ集合体20を、図4に200倍の倍率で同じファイバ集合体を示す。次に、ファイバは110℃で2分間加熱した。加熱工程後のファイバ集合体20を図5に1000倍の倍率で、図6に200倍の倍率で示す。粗いファイバ22上のファインファイバ21は、加熱工程後も無傷であると認められる。
【0051】
従って、ポリマー1:ポリマー2の13:12重量%から電界紡糸されたファイバは、優れた温度安定性を有し、その結果、加熱工程後に無傷のまま残っている。また、ポリマーは、良い弾性と粘着性とを有する。この特性の結合はどちらの成分単独でも見いだせないものである。ファイバは、ポリマー2のファイバの平均ファイバ直径の約2〜3倍の平均直径を有する(ポリマー2の平均ファイバ直径は0.25μm範囲内にある)。
【0052】
実施例6
ポリマー1あるいはポリマー2のいずれかを単独で有するファイバを上記記載された同じ技術を使用して電界紡糸した。これらの単一成分ファイバは、上記実施例5で記載されたポリマー1:ポリマー2を13:12重量%含むファイバと同様に、示差走査熱量計(DSC)を使用して熱重量分析を行った。走査結果を図7に示す。
【0053】
図7を検証すると、ポリマーブレンドは、両方の成分の溶融およびガラス転移特性を有することが観測される。したがって、混合物は、ポリウレタン成分(ポリマー1)に対応する約30℃の溶融遷移状態、ナイロン成分(ポリマー2)に対応する約44℃のガラス遷移温度、および、ポリマー2の溶融温度に対応する約242℃の溶融遷移状態を有する。図7は、混合物から作られるフィルタ構造がなぜ優れた耐熱性が観測されたかを示している。ファイバはナイロンとポリウレタンの混合物であり、ファイバはナイロン成分の溶融温度より低い温度で完全に溶けないからである。
【0054】
上記の仕様、実施例、およびデータは、本発明の組成物の製造および使用について完全に記載している。本発明の精神と範囲から逸脱せずに本発明の多くの実施例を作ることができるが、本発明は、本明細書の以下に添付されたクレーム中に銘記されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ファイバウェブ中に取り込まれたカーボン粒子を有するポリウレタン(TPU)ファインファイバの電子顕微鏡写真を示す図である。
【図2】図1の繊維の加熱後の電子顕微鏡写真であり、繊維が溶けて合体していることを示す図である。
【図3】本発明の混合した複数のポリマー材料を含むファインファイバウェブを示す図である。
【図4】本発明の混合した複数のポリマー材料を含むファインファイバウェブを示す図である。
【図5】図3の加熱後のファインファイバウェブを示す図である。
【図6】図4の加熱後のファインファイバウェブを示す図である。
【図7】2つのホモポリマー(単独重合体)とそれらのポリマーアロイの熱的特性を示す示差熱分析(DSC)結果を示す図であり、ポリマーアロイは、本発明のファインファイバを電界紡糸するために使用されたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンを含む第1ポリマーと第2ポリマーとを含むファインファイバであって、
前記第1ポリマーの1部に対して前記第2ポリマーが約0.1〜0.99部であり、
前記ファインファイバは、約0.001〜5μmの直径を有し、
前記第1ポリマーと前記第2ポリマーは相溶性であることを特徴とするファインファイバ。
【請求項2】
前記ファインファイバは、前記第1ポリマーだけから作られたファイバと比べて改善された溶融抵抗を有することを特徴とする請求項1に記載のファインファイバ。
【請求項3】
前記ファインファイバは、粒子を付着するのに適した粘着性の表面を有することを特徴とする請求項1に記載のファインファイバ。
【請求項4】
前記第2ポリマーは、付加ポリマーあるいは縮合ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のファインファイバ。
【請求項5】
前記第1ポリマーは、多機能性イソシアン酸塩化合物と、2つまたはそれ以上の反応性水素を有するポリマーを形成する化合物との反応生成物を含むことを特徴とする請求項1に記載のファインファイバ。
【請求項6】
前記イソシアン酸塩化合物は、ジイソシアネート化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載のファインファイバ。
【請求項7】
前記イソシアン酸塩化合物は、芳香族イソシアネートであることを特徴とする請求項5に記載のファインファイバ。
【請求項8】
前記反応性水素を有するポリマー形成化合物が、ジオール、トリオール、ポリオール、ジアンミン、トリアミンまたはテトラミンまたはそれらの混合物から成るグループから選択された化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載のファインファイバ。
【請求項9】
更に粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載のファインファイバ。
【請求項10】
前記粒子が活性炭であることを特徴とする請求項9に記載のファインファイバ。
【請求項11】
前記ファインファイバが、前記第1ポリマーと前記第2ポリマーとの溶液から電界紡糸されることを特徴とする請求項1に記載のファインファイバ。
【請求項12】
前記ファインファイバは、前記ファインファイバが電界紡糸される溶媒の沸点に対応する温度で溶融状態にならないことを特徴とする請求項11に記載のファインファイバ。
【請求項13】
前記ファインファイバは、支持体層上に向けて電界紡糸され、電界紡糸されたファイバの層を形成することを特徴とする請求項11に記載のファインファイバ。
【請求項14】
前記支持体層は、不織布ウェブであることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項15】
前記支持体層は、セルロース基板、セルロース/合成基板、または高分子の不織布基板を含むことを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項16】
前記ファイバの層は、電界紡糸後に前記支持体層から取り除かれることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項17】
前記ファインファイバの直径が約0.01〜約2μmであり、前記ファイバの層の厚さは前記ファインファイバの直径の約1〜100倍であることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項18】
前記ファイバの層の厚さは、前記ファインファイバの直径の約1〜5倍であることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項19】
前記ファイバの層の厚さは、約1〜30μmであることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項20】
前記ファイバの層は、2層の前記ファインファイバであることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項21】
前記ファイバの層は、多層の前記ファインファイバであることを特徴とする請求項13に記載のファインファイバ。
【請求項22】
ポリアミドポリマーとポリウレタンポリマーとを含むファインファイバであって、
前記ポリウレタンポリマーの1部に対して前記ポリアミドポリマーが約0.1〜0.99部であり、
前記ファインファイバが約0.001〜5μmの直径を有し、
前記ポリアミドポリマーと前記ポリウレタンポリマーは相溶性であることを特徴とするファインファイバ。
【請求項23】
前記ポリアミドポリマーは、ナイロンであることを特徴とする請求項22に記載のファインファイバ。
【請求項24】
前記ポリアミドポリマーと前記ポリウレタンポリマーとの結合が、前記ポリウレタンポリマーの溶融に対する温度抵抗性を増加させることを特徴とする請求項22に記載のファインファイバ。
【請求項25】
前記ファインファイバは、粒子を付着するのに適した粘着性表面を有することを特徴とする請求項22に記載のファインファイバ。
【請求項26】
前記ポリウレタンポリマーは、イソシアン酸塩化合物と反応性水素を有する化合物との反応生成物を含むことを特徴とする請求項22に記載のファインファイバ。
【請求項27】
前記イソシアン酸塩化合物は、ジイソシアネート化合物を含むことを特徴とする請求項26に記載のファインファイバ。
【請求項28】
前記イソシアン酸塩化合物は、芳香族イソシアネートであることを特徴とする請求項26に記載のファインファイバ。
【請求項29】
前記反応性水素を有する化合物は、ジオール、トリオール、ポリオール、ジアンミン、トリアミン、またはテトラミン、またはそれらの混合物から成るグループから選択された化合物を含むことを特徴とする請求項26に記載のファインファイバ。
【請求項30】
更に粒子を含むことを特徴とする請求項22に記載のファインファイバ。
【請求項31】
前記粒子が活性炭であることを特徴とする請求項30に記載のファインファイバ。
【請求項32】
前記ファインファイバが、前記ポリアミドポリマーと前記ポリウレタンポリマーとの溶液から電界紡糸されることを特徴とする請求項22に記載のファインファイバ。
【請求項33】
前記ファインファイバは、前記ファインファイバが電界紡糸される溶媒の沸点に対応する温度で溶融状態にならないことを特徴とする請求項32に記載のファインファイバ。
【請求項34】
前記ファインファイバは、ファイバの層を形成するために、支持体層上に電界紡糸されることを特徴とする請求項32に記載のファインファイバ。
【請求項35】
前記支持体層は、不織布ウェブであることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項36】
前記支持体層は、セルロース基板、セルロース/合成基板、または高分子の不織布基板を含むことを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項37】
前記ファイバの層は、電界紡糸後に前記支持体層から取り除かれることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項38】
前記ファインファイバの直径が約0.01〜約2μmであり、前記ファイバの層の厚さは前記ファインファイバの直径の約1〜100倍であることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項39】
前記ファイバの層の厚さは、前記ファインファイバの直径の約1〜5倍であることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項40】
前記ファイバの層の厚さは、約1〜30μmであることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項41】
前記ファイバの層は、2層の前記ファインファイバであることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項42】
前記ファイバの層は、多層の前記ファインファイバであることを特徴とする請求項34に記載のファインファイバ。
【請求項43】
ファインファイバの層を形成する方法であって、
(a)ポリウレタンを含む第1ポリマーと第2ポリマーとの溶液を形成する工程と、
(b)前記溶液を基板上に向けて電界紡糸してファインファイバの層を形成する工程と、
(c)前記ファインファイバの層から溶媒の全てを実質的に取り除くために前記ファインファイバの層を十分に乾燥させる工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項44】
前記第2ポリマーはポリアミドであることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリアミドはナイロンであることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ファインファイバは、前記第1ポリマーだけから作られたファイバと比べて改善された溶融抵抗を有することを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記ファインファイバは粒子を付着するのに適した粘着性表面を有することを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記粒子が活性炭であることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ファインファイバは、前記ファインファイバが電界紡糸される溶媒の沸点に対応する温度で溶融状態にならないことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記溶液を支持体層上に向けて電界紡糸することを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記支持体層は、不織布ウェブであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記支持体層は、セルロース基板、セルロース/合成基板、または高分子不織布基板を含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ファイバの層が電界紡糸後に前記支持体層から取り除かれることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記ファインファイバの直径が約0.01〜約2μmであり、前記ファイバの層の厚さは前記ファインファイバの直径の約1〜100倍であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項55】
前記ファイバの層の厚さは、前記ファインファイバの直径の約1〜5倍であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項56】
前記ファイバの層の厚さは、約1〜30μmであることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項57】
前記ファイバの層は、2層の前記ファインファイバであることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項58】
前記ファイバの層は、多層の前記ファインファイバであることを特徴とする請求項43に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−526917(P2009−526917A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554422(P2008−554422)
【出願日】平成19年2月12日(2007.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/003756
【国際公開番号】WO2007/095219
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】