説明

ポリマーペレットの製造システム

【課題】重合工程で得られたポリマーを連続してペレットに加工でき、重合工程が停止した際などで重合工程からのポリマー粉体が送られてこない場合、別途の重合システムで得られたポリマーも適宜ペレットに加工できるシステムを提供する。
【解決手段】モノマーを重合する重合反応器1、該重合反応器1から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ2、該サイロ2から供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機5を有し、該重合反応器で得られたポリマー粉体からポリマーペレットを得る機能を具備し、かつ該造粒機へ別途独立してポリマー粉体を供給して造粒する機能を具備するポリマーペレットの製造システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーペレットの製造システムに関するものである。更に詳しくは、本発明は、モノマーを重合する重合反応器、該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ、該サイロから供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機を有するポリマーペレットの製造システムであって、システムの重合工程で得られたポリマーを連続してペレットに加工でき、重合工程が停止した際などで重合工程からのポリマー粉体が送られてこない場合、別途の重合システムで得られたポリマーも適宜ペレットに加工でき、極めて機能的であるという優れた効果を有するポリマーペレットの製造システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリマーのペレットを製造するシステムとしては、モノマーを重合する重合反応器、該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ、該サイロから供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機を用いるものが一般である(たとえば、文献1参照。)。
【0003】
上記の方法は、重合工程からペレット化工程が連続して接続しているため、別途の重合工程で得られたポリマーを上記のシステムを用いてペレットにすることは困難であった。
【0004】
【非特許文献1】著者名 エドワード・P・ムーア・Jr.、発行社 株式会社 工業調査会、発行年 1998年5月15日 初版第一刷発行、タイトル 『ポリプロピレンハンドブック』8章『製造』ページ337〜353
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、モノマーを重合する重合反応器、該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ、該サイロから供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機を有するポリマーペレットの製造システムであって、システムの重合工程で得られたポリマーを連続してペレットに加工でき、重合工程が停止した際などで重合工程からのポリマー粉体が送られてこない場合、別途の重合システムで得られたポリマーも適宜ペレットに加工でき、極めて機能的であるという優れた効果を有するポリマーペレットの製造システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、モノマーを重合する重合反応器、該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ、該サイロから供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機を有し、該重合反応器で得られたポリマー粉体からポリマーペレットを得る機能を具備し、かつ該造粒機へ別途独立してポリマー粉体を供給して造粒することによりポリマーペレットを得る機能を具備するポリマーペレットの製造システムに係るものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、モノマーを重合する重合反応器、該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ、該サイロから供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機を有するポリマーペレットの製造システムであって、システムの重合工程で得られたポリマーを連続してペレットに加工でき、重合工程が停止した際などで重合工程からのポリマー粉体が送られてこない場合、別途の重合システムで得られたポリマーも適宜ペレットに加工でき、極めて機能的であるという優れた効果を有するポリマーペレットの製造システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の対象とするポリマーとしては、特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。
【0009】
重合反応器としては、特に制限はなく、冷却装置付(例えばジャケット式冷却機能)、攪拌機付の重合反応機等をあげることができる。
【0010】
該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロとしては、特に制限はなく、重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納できるものであれば良い。
【0011】
ポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機としては、特に制限はなく、ポリマー粉体を加熱溶融しペレット化できるものであれば良い。
【0012】
本発明の最大の特徴は、造粒機へ別途独立してポリマー粉体を供給して造粒することによりポリマーペレットを得る機能を具備する点にある。かかる特徴的な構成を用いることにより、前期の本発明の課題が完全に解決されるのである。
【0013】
本発明の構成の具体例と使用方法を、図1を参照しつつ説明する。
【0014】
重合工程(モノマーを重合し、ポリマー粉体が送られてくる工程)が、修理対応等により停止した際、別途独立してポリマー粉体を供給する設備である、投入ホッパー(図1−符号6)に、予め製袋(一般的には、フレコン、紙袋、樹脂袋等)されているポリマー粉体(図1−符号7)を投入し、造粒機上部サイロ(図1−符号3)にポリマー粉体を送り造粒機(図1−符号5)によりポリマーペレットを得た。
【実施例】
【0015】
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
重合工程(モノマーを重合し、ポリマー粉体が送られてくる工程)が、修理対応等により停止した際、別途独立してポリマー粉体を供給する設備である、投入ホッパー(図1−符号6)に、予め製袋(一般的には、フレコン、紙袋、樹脂袋等)されているポリマー粉体(図1−符号7)を投入し、造粒機上部サイロ(図1−符号3)にポリマー粉体を送り造粒機(図1−符号5)によりポリマーペレットを得た。
【0016】
比較例1
重合工程(モノマーを重合し、ポリマー粉体が送られてくる工程)が、修理対応等により停止しため、ポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機も停止したのに対し、実施例1では、別途独立してポリマー粉体を供給する設備である、投入ホッパー(図1−符号6)に、予め製袋(一般的には、フレコン、紙袋、樹脂袋等)されているポリマー粉体(図1−符号7)を投入し、造粒機上部サイロ(図1−符号3)にポリマー粉体を送り造粒機(図1−符号5)によりポリマーペレットを得た。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1のシステムの概略を示す図である。
【図2】比較例1(従来のシステム)の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
[図1]
1 重合槽(重合工程)
2 サイロ
3 造粒機上部サイロ
4 ブロワー
5 造粒機
6 投入ホッパー
7 予め製袋(一般的には、フレコン、紙袋、樹脂袋等)されているポリマー粉体
[図2]
1 重合槽(重合工程)
2 サイロ
3 造粒機上部サイロ
4 ブロワー
5 造粒機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーを重合する重合反応器、該重合反応器から供給されてくるポリマー粉体を収納するサイロ、該サイロから供給されてくるポリマー粉体を造粒してポリマーペレットを得る造粒機を有し、該重合反応器で得られたポリマー粉体からポリマーペレットを得る機能を具備し、かつ該造粒機へ別途独立してポリマー粉体を供給して造粒することによりポリマーペレットを得る機能を具備するポリマーペレットの製造システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−73937(P2008−73937A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255389(P2006−255389)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】