説明

ポリマー核酸のハイブリダイゼーションプローブ

新規ポリマー核酸プローブは、さまざまなハイブリダイゼーションプラットホームにおいて検出感度及び特異性を向上させる。プローブは、結合した複数の短い核酸配列(モノマーという)でできており、ハイブリダイゼーション用途に使用する長いポリマープローブを形成する。プローブの表面への固定を必要とする用途に関し、ポリマープローブは、プローブの端に化学修飾することなくさまざまな表面に固定できる点で長いDNAプローブに類似している。標的核酸は、ポリマープローブ中の比較的短いモノマーにハイブリダイズするため、ポリマープローブは、長いDNAプローブよりも特異的である。更に、ポリマープローブは、表面の単位面積あたりに固定される接近可能なモノマーオリゴヌクレオチドプローブ数を増加させることによって、シグナル対バックグラウンド比も向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸ハイブリダイゼーションの分野に関するものである。これには、臨床診断、臨床スクリーニング、遺伝子型決定、病原体検出、病原体同定、特定遺伝子の検出、遺伝子発現試験、医学的応用、及び多型の検出を含めた広範な応用のために、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)標的を、公知配列を有するプローブにハイブイリダイズさせることが含まれる。
【背景技術】
【0002】
DNAとRNA
遺伝情報は、デオキシリボ核酸(DNA)の4つの塩基(アデニン[A]、グアニン[G]、チミン[T]、及びシトシン[C])の配列内に含まれている。同様に、リボ核酸(RNA)にも4つの塩基、A、G、C、及びウラシル(U)がある。DNA及びRNAでは、これらの塩基が糖−リン酸骨格に結合している。この骨格は、構造的方向性を有しており、一端は5’端と規定され、他端は3’端である。特に言及しない限り、DNA配列は、慣例により5’端から最初に記載されている。したがって、AGA−TCG−GTCは5’−AGA−TCG−GTC−3’と同等である。更に、DNAの2つの1本鎖が結合(ハイブリダイズ)して2本鎖DNA(ハイブリッド)を形成する場合、それらは逆平行に結合し、一方の鎖の5’から3’方向は他方の鎖の5’から3’方向と180°をなしている。最も安定なハイブリッドは、一方の鎖の配列が他方の鎖の配列と相補的である場合に形成される。DNA/DNAハイブリッドでは、AはTに相補的であり、GはCに相補的である;DNA/RNAでは、AはUに相補的であり、GはCに相補的である。このことは、公知配列のプローブ核酸と安定なハイブリッドを形成するかどうか試験することによって標的核酸について配列情報を得ることを可能にする。ハイブリッドの長さ、相補性の程度、ミスマッチの位置、G−C含量、pH、及び塩濃度などのいくつかのパラメータは、全て得られたハイブリッドの安定性に影響する。一般に、短いハイブリッドの安定性は、長いハイブリッドの安定性よりも、少量のミスマッチに影響される。
【0003】
他の核酸
ペプチド核酸(PNA)[Egholmら、米国特許第6,451,968号]は、DNAの合成アナログであり、ハイブリダイゼーションやポリメラーゼ連鎖反応技術におけるDNAの代用品としてうまく使用されている[Ganeshら、Current Org.Chem.、4(9):931(2000)を参照されたい]。PNA/DNA 2重鎖及びPNA/RNA 2重鎖は、一般に、対応のDNA/DNA又はDNA/RNA 2重鎖よりも安定である[Jensenら、Biochemistry、36:5072(1997)]。ハイブリダイゼーション技術には、DNA模倣能の点で成功がさまざまな多くのPNA化学的骨格修飾が用意されている[Ganeshら、Current Org.Chem.、4(9):931(2000)]。PNA骨格の構造は標準の酵素学的連結技術を許容しないが、化学的方法が開発されている。天然核酸に対する他の修飾には、2’酸素と4’炭素とを糖骨格内でリンクさせることが含まれる。この修飾産物は、「ロックト核酸」又はLNAと命名されている。LNAのフラノース環は、C3’エンド型構造内でロックされており、これは非常に安定なLNA/DNA及びLNA/RNA2重鎖をもたらす[Petersen及びWengel、Trends Biotechnol.、21:74(2003)]。
【0004】
固定されたプローブへのハイブリダイゼーション
ハイブイリダイゼーション実験は、由来の異なる核酸間の遺伝的類似性の程度を測定する。多くの場合、こうした実験は、プローブと呼ばれる公知配列の1つの核酸と、標的と呼ばれる調査対象である核酸とを用いて行われる。ハイブリダイゼーション実験は溶液中で行うことができるが、同時に存在する使用可能なプローブ配列数を制限する。この制限を克服するには、さまざまな配列のプローブを、固体表面のさまざまな位置に固定することができ、これにより高度の多重化を可能にする。多くの研究者は、これらのハイブリダイゼーションアレイ(DNAマイクロアレイ、遺伝子センサー、遺伝子チップなどともいう)は、特定配列のDNA又はRNAがサンプル中に存在するかどうかを決定する最良の方法であると考えている。プローブは、典型的には化学合成によって作製される短いオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)でも、典型的にはクローニングによって又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)若しくは他の増幅技術を用いてDNAを複製することによって作製されるDNAのより長いセクションでもよい。1本鎖標的核酸をプローブとハイブリダイズさせることによって、標的核酸の配列情報が得られる。2つの鎖が完全な相補体である場合、得られるハイブリッドは最も安定である。たった1つのミスマッチでさえ、25bpのハイブリッドの安定性を顕著に減少させるであろう[Wangら、1995]。したがって、総称して「ストリンジェンシー」と呼ばれる適切な条件下、ハイブリダイゼーション後の特定プローブ部位における安定なハイブリッドの存在は、標的核酸に相補配列が存在することを示す。このように、適当なストリンジェンシー下では、配列AGA−TCG−GTCを有するプローブ部位での安定なDNA/DNAハイブリッドの存在は、標的のセクションに配列GAC−CGA−TCTがあることを示しているであろう。安定なハイブリッドの存在は、通常、標的DNAを標識し、ハイブリダイゼーション反応後に標識を検出することによって決定される。当該分野に熟練した者は、アレイ又はプローブを何ら改変することなく、このタイプのアレイによってリボ核酸(RNA)標的も精査され得ることを認識するであろう。同様に、DNAアナログ、例えばペプチド核酸[Egholmら、米国特許第6,451,968号]、又は化学修飾したDNA、例えばロックト核酸[Petersen及びWengel、Trends Biotechnol.、21:74(2003)]からプローブを作製できることが認識されるであろう。
【0005】
ハイブリダイゼーションアレイでの部位特異的配列固定は、多量のプローブ配列を1つの基板に採用して、同時に標的核酸を試験することを可能にする。この利点は、病原体検出の例に見ることができる。病原体を検出し、特徴付けするために、毒素をコードする遺伝子配列、毒素の産生及び送達に関連する配列、病原性因子に関連する配列、並びに抗菌物質耐性遺伝子を同時に標的にして診断の確実性を向上させることができるであろう。ウイルス診断は、ウイルスゲノムに存在する配列構造の同定を目的とする複数のプローブに依拠するであろう。したがって、多量の病原体が診断手順において同時に調査される場合、更に多量のハイブリダイゼーション反応を必要とする。マイクロアレイは、こうした反応を同時に実施する能力を提供する。DNAアレイの並列的性質により、他のプローブと同一条件下で対照配列も試験することができる。対照配列とは、標的核酸に存在することが知られている配列と相補的な配列(陽性対照)であるか、又は標的核酸存在しないことが知られている配列と相補的な配列(陰性対照)である。
【0006】
長いプローブ
長いプローブは、複数の付着物を介して基板表面に付着したプローブである。長いプローブは、例えばポリ−L−リジンでコーティングしたスライドグラスに付着させ、紫外線照射で架橋させることができる。アミン又はエポキシコーティングのような他のいくつかのコーティングも用いることができる。1級アミン基(R−NH)を用いたコーティングでは、例えば、アミンは中性pHで陽電荷をもち、DNAの陰性荷電したリン酸骨格とのイオン結合の形成を介して長いDNAの付着を可能にする。紫外線又は熱への曝露は、静電相互作用を補う共有結合を誘発するであろう。DNAは、その長さにしたがって複数の位置に結合するため、DNAの特定セクションは標的へのハイブリダイゼーションに利用できないかもしれない。しかしながら、これらのDNAの長さは、たとえプローブにミスマッチや利用できないセクションがあったとしても、ハイブリッドを非常に安定にする。長いDNAはその構造の長さにしたがって基板に付着するため、短いDNAの固定に必要とされる末端修飾は、長いDNAプローブには必要とされない。これは、短い合成DNAプローブに対する費用や複雑さを顕著に減じることを意味する。他の利点は、G−C結合はA−T結合よりも強いという事実によって起こる安定性の配列依存的変動が、長いDNAでは平均する傾向にあるということである。しかしながら、長いプローブでは1塩基ミスマッチによって起こる不安定性もあまり顕著ではなく、アレル特異的ハイブイリダイゼーションを困難にし、多型の特徴付けを目標とした応用における長いプローブの使用を妨げる。長いプローブは、遺伝子の発現をモニターする応用に、より好適である。長いプローブに関する他の問題は、クローン又はPCR産物の調製に多大な努力を要し、発現をモニターするためにPCRで産生される配列は、確実に増幅できるものに制限されることが多いということである。
【0007】
短いプローブ
短いODNプローブの主な利点は、1塩基ミスマッチが、短いハイブリッドを長いハイブリッドよりも不安定化させることである。この特性は、1塩基多型(SNP)の決定のようなアレル特異的ハイブリダイゼーションを必要とする応用に生かすことができる。ハイブリッド安定性は長さが短くなるとともに減少するという事実は、より長いプローブは長い標的の内部構造の解明を助けるという事実とともに、約8塩基よりも短いODNプローブの使用を妨げる。
【0008】
短いプローブの固定には、典型的には、ODNへの高価な末端修飾を必要とする。オリゴヌクレオチドを固体支持体へ付着させるための化学作用のデザインは、マイクロアレイ開発技術において主要な研究の焦点となっており、ODN固定に非常によく機能する多くの市販の活性化基板が存在している。フォトリソグラフィー技術を用いて、オリゴヌクレオチドプローブがin situで合成されている。この技術は、非常に高密度のODNプローブアレイを可能にする[Fodorら、Science、251:767(1991)]が、このアプローチで調製したマイクロアレイは非常に高価である。フォトリソグラフィー法も、中密度及び低密度アレイや、多量の反復実験を必要とする状況にはあまり適当ではない。5’−又は3’−アルキルアミンを利用する化学作用は、アルデヒド、エポキシド、及びアミンで修飾した表面とうまく反応する[Dolanら、Nucleic Acids Res.、29:e107(2001);Guoら、Genome Res.、12:447(2002);Beattieら、Mol.Biotechnol.、4:213(1995)]。チオール誘導体化ODNは、メルカプトシラン化(mercaptosilanated)表面又は金でコーティングした表面に付着することが示されている(Herne及びTarlov、J.Am.Chem.Soc.、119:8916(1997);Rogersら、Anal.Biochem.、266:23(1999))。
【0009】
同様にうまく機能することが示されている他の化学作用には、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルのような不安定な中間体及び/又は複雑な化学処理が含まれる[Kwiatowskiら、Nucleic Acids Res.、27:4710(1999);Shchepinovら、Nucleic Acids Res.、27:3035(1999);Strotherら、Nucleic Acids Res.、28:3535(2000)]。
【0010】
固体支持体上のODNプローブの充填密度は、重要な検討材料である[Steelら、Biophysical J.、79:975(2000);Petersonら、Nucleic Acids Res.、29:5163(2001)]。ODNプローブの過剰な充填密度及び表面への近接性は、立体効果及び込み合い効果[Southernら、Nature Genet.、21 supplement:5(1999)]及び/又はDNAで修飾した表面でのDNA骨格の陰電荷濃度による静電的反発力[Steelら、(2000);Herne及びTarlov(1997)]のために、ハイブリダイゼーションシグナルを減少させる。末端修飾には、多くの場合、ODNと付着物成分とのあいだでスペーサーとして作用する分子鎖が含まれる[Schepinovら、Nucleic Acids Res.、25:1155(1997)]。これは、固定されたODNプローブを表面から更に遠くへ伸長させ、ハイブリダイゼーションシグナルを増加させる。更に感度を上げるために、多孔性アクリルアミドマトリックス又は「ゲルパッド」が開発されている[Livshits及びMirzabekov、Biophys.J.、71:2795(1996)]。「ゲルパッド」アプローチを用いたハイブリダイゼーションは、単位面積あたりのプローブ濃度がより高く、プローブ接近可能性が向上しているため、より感度が高いことがわかっている[Drobyshevら、Gene、188:45(1997)]。ミスマッチの識別性の向上は、ゲルパッドアプローチのための液相ハイブリダイゼーション条件の近似から生ずることが示唆されている[Drobyshevら、(1997);Livshits及びMirzabekov、(1996)]。多孔性基板への固定も用いられている[Cheekら、Anal.Chem.、73:5777(2001)]。ポリアクリルアミドと活性化ODNプローブとの共重合に関する方法が開発されているが、ゲルパッドアレイの調製は面倒で技術的手腕の問われるものである。ポリアクリルアミドの間隙率の低さはハイブリダイゼーション動態に影響し、標的とする核酸配列の長さに制約を与える[Proudnikovら、Anal.Biochem.、259:34(1998)]。
【0011】
ポリマープローブ
ポリマーは、モノマーと呼ばれる、より小さな分子の複数コピーで構成される分子である。モノマーは共有結合してポリマーを形成する。本願では:
・ モノマーは、少なくとも8塩基の特定の核酸配列である;
・ ポリマーは、1つのモノマー配列の複数コピーから成るホモポリマーでも、異なる配列を有する2以上のモノマーの複数コピーから成るコポリマーでもよい;
・ 異なるモノマーのコポリマー中での順序は変更することができる;
・ モノマーは直接終端間結合することができ、又は分子リンカーを用いてモノマーを結合させることもできる;
・ 分子リンカーはポリマー中で同一であることができ、又は組成及びサイズを変更することもできる。
【0012】
ポリマープローブを構築する方法−連結法
ポリマープローブを形成する1つの方法は、DNAリガーゼを用いてモノマー単位を連結することである。DNAリガーゼは、DNAの損傷した鎖を修復する酵素である。多数のリガーゼ及び連結技術が存在する。多くのDNAリガーゼは、2本鎖DNAの1つの鎖のニックを修復する;こうしたリガーゼは、典型的には、ニックの5’端がリン酸化され、ニックの他の側で隣接3’端は利用できるヒドロキシル基を有することを必要とする。研究者らは、この方法を用いて野生型配列と相補的な配列を連結させ、次にゲル電気泳導を用いて得られる鎖の長さを決定することによって突然変異を探索している。突然変異は、配列の1つをあまり有効に結合させず、連結産物の画分を試験した完全長よりも短くするであろう[Yagerら、米国特許第6,025,139号]。他の密接に関連した方法には、合成遺伝子を形成するための再帰的指向性連結が含まれる[Meyer及びChilkoti、Biomacromolecules、3(2):357(2002)]。この技術では、2本鎖DNAの配列を反復して連結させてタンパク質ベースのポリマーを調製している。これらの技術を改変して、本願のポリマープローブを調製することができるであろう。しかしながら、ポリマープローブをハイブリダイゼーション技術に用いる前に、相補配列を除去する必要があるであろう。
【0013】
ポリマープローブを構築する方法−環状鋳型を用いた鎖置換増幅
ローリングサークル増幅(RCA)は核酸の定温増幅技術である。RCAは、環状DNA鋳型と、鋳型周辺を移動して環の配列相補体の縦列反復である長い1本鎖DNA産物を産生するためにプライマー及び伸長産物を移動させる特化したポリメラーゼとを用いる。この方法は、標的に選択的に結合する「特異的結合分子」を有するレポーター分子の増幅を目的として特許されている(Lizard,P.M.、米国特許第5,854,033号;第6,210,884号)。この方法の「特異的結合分子」を排除することによって、この技術はポリマープローブを形成するための代替法となるであろう。
【発明の開示】
【0014】
発明の概要
本発明は、核酸プローブ配列の複数のコピーでできているポリマー核酸のハイブリダイゼーションプローブであり、これは標的核酸中の目的配列に相補的である。ポリマー中のモノマー単位は、プローブ配列の一端又は両端に付着した1以上のリンカー成分を含むことができる。モノマー単位の複数のコピーは、直接又はポリマー内で変更することができる追加のリンカー成分を介して一緒に結合している。これは、ハイブリダイゼーションアレイ表面への固定に末端修飾を必要としないような長いDNAハイブリダイゼーションプローブの多くの利便性と、1塩基ミスマッチを識別する能力のような短いDNAハイブリダイゼーションプローブの多くの属性とを有する長鎖ポリマープローブを形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
発明の詳細な説明
本発明は、リンクした核酸モノマーを利用して、ポリマーハイブリダイゼーションプローブを形成する。モノマーは、標的核酸に存在するかもしれない目的配列に相補的であるようにデザインされている、少なくとも1つの核酸プローブ配列でできている。モノマーは、一端又は両端にリンカーを有することもでき、各リンカーは、核酸配列又は他の分子成分又は両者の組み合わせを含む。ポリマープローブは、ハイブリダイゼーション表面に、長いDNAプローブと同様の様式で付着することができ、ポリマー鎖に沿っていくつかの位置で結合する。これらの結合位置間で、モノマー単位は標的DNAへのハイブリダイゼーションに利用可能であろう。表面の一部へ結合させるためにブロッキング分子を用いることができ、これにより、それらの部位でポリマープローブが付着するのを妨げ、ハイブリダイゼーションに利用可能なポリマープローブ中のモノマー単位の画分を増加させる。ポリマープローブの長さは、多くのモノマー単位を表面から十分離して位置させ、液相ハイブリダイゼーションに類似した条件を提供するであろう。この3次元効果は、より高密度の単位表面積あたりのモノマー単位も可能にし、各々の付着部位でプローブにハイブリダイズし得る標的数を増加させるであろう。
【0016】
1つの態様では、T4 DNAリガーゼ及び相補的カプラーDNA配列を用いて、プローブモノマーをポリマープローブに組み立てる。T4 DNAリガーゼは(他の多くのリガーゼと同様)、2本鎖DNA断片の平滑末端又は適合する突出末端で5’−リン酸化DNA末端を3’−ヒドロキシル化DNA末端へ共有結合的に結合させる。1本鎖DNAの連結には、T4 DNAリガーゼが機能するように相補的カプラーを加える必要がある。端にリンカー配列を用いてモノマーを合成する場合、万能カプラーを用いることができる。
【0017】
この態様では、カプラー配列は、連結反応後に容易に除去し得るように、長さが限定され、低(G+C)含量である必要がある。この態様における連結反応の1つの工程を、特定のプローブ配列及び特定のリンカー配列について図1に示す。この場合、例示プローブ配列はGATACTGGCAAGCTTGAGである。初期合成では、T 6merリンカーをプローブ配列の3’末端に付着させ、CACACA 6merリンカーをプローブ配列の5’末端に付着させ、モノマー単位として用いられる40merを形成する。したがって、TGTGTGAAAAAAカプラーは、2つのモノマーの反対端にハイブリダイズすることができ、2つの端を接続させ、2つのリンカー間にギャップ(「ニック」という)を有する2本鎖セクションを形成する。標準的リガーゼを用いて、このニックを横断してリンカーを共有結合させることができる。
【0018】
標準的合成では、オリゴヌクレオチドは典型的には3’端のヒドロキシル基で終結させられているが、5’端は通常リン酸化されていない。したがって、リガーゼが有効であり得る前にリン酸化が必要である。これは、T4ポリヌクレオチドキナーゼ又は当該分野に熟練した者に公知の多くの手段のいずれかを用いて達成することができる。しかしながら、図2a〜2dに示すように、5’端の完全なリン酸化は望ましくない。これらの図は、リン酸化及び非リン酸化ODNモノマーの混合物を用いたいくつかの可能な連結の結果を示している。当該分野に熟練した者は、これらの図に示したモノマーは、以前に連結していたポリマーをも意味することを認識するであろう。図2a〜2dでは、モノマーの部分を太さの異なる線で示している;プローブ配列は太線で示し、5’リンカーは中太線で示し、3’リンカーは細線で示している。5’リンカーの端のPという文字は5’端のリン酸化を示す。反応及び解離は、A、B、及びCという文字で標識した矢印で示す。反応AはODNの両端におけるカプラーのリンカーへのハイブイリダイゼーションであり、反応Bは連結反応であり、Cは、2重鎖を解離してカプラーを除去するための上昇した温度でのインキュベーションである。図2a及び2bに示すように、非常に短いモノマーの場合を除き、単一モノマーの両端を同一カプラー分子にハイブリダイズさせることも可能である。図2aは、非リン酸化モノマー1に関してこの反応を示す。カップリング反応により、T4 DNAリガーゼで連結できない環状分子2を生ずる。したがって、反応Cでカプラーを除去すると、初期モノマーは元の線状状態に戻り、更なる反応を受けることができる。しかしながら、リン酸化モノマー3が同一のカップリング反応を受けると(図2b)、4を生じ、反応BでT4 DNAリガーゼによって連結されることができ、カプラーが依然として付着している連続した環状ODN5を形成する。反応Cでカプラーを除去した後の結果は環状の1本鎖ODN6である。環状分子6は、更なる反応に参加して所望の長いポリマープローブを形成することができない;しかしながら、分子6は表面に付着し、表面位置数をポリマープローブが結合できる数に制限するために、長いポリマープローブの表面への固定を必要とする応用において有用な目的を果たす。これは、標的へのハイブリダイゼーションに利用可能なポリマープローブ中のモノマー単位数を増加させる。これらの自己連結反応と2つの異なる分子の連結とのあいだの相対的収率は、モノマーODNの濃度を増加させることによって調製することができる。環状分子6は、出発分子6が標的DNAに相補的である代わりに標的DNAと同一配列を有するという条件のみにおいて、非常に長いポリマープローブのローリングサークル合成に鋳型として用いることができることが注目される。
【0019】
図2cは、2つの非リン酸化モノマー1のあいだで可能な反応を示す。カップリング反応Aは、完全に環化した分子7、又は線状分子8を産生することができる。7も8もリン酸基がないために反応Bでは連結できず、いずれの場合も反応Cでは元の線状モノマーに戻す。
【0020】
図2dは、1つの非リン酸化モノマー1と1つのリン酸化モノマー3とのあいだで可能な反応を示す。カップリング反応は、リン酸化5’末端を有する線状分子9、非リン酸化5’末端を有する線状分子10、又は環状ODN13を産生することができる。分子9は反応Bで連結することができず、したがって反応Cでは2つの開始モノマーに戻す。分子10は連結して線状分子11を形成することができる。Cにおいてカプラーを除去した後の結果は、2つのモノマー(N=2)でできている線状の1本鎖ポリマープローブ12である。カプラー反応Aが完全に環化した分子13を形成する場合、唯一のカップリングセクションはリン酸を有し、連結反応はそのリン酸化セクションのみを結合させ、環状分子14を形成する。反応Cはカプラーを除去し、先の例と同一の線状ポリマープローブ12を生ずる。分子12は更なる反応を受けてより長いポリマープローブを作製することができる。したがって、1つのリン酸化ODNと1つの非リン酸化ODNとの反応を伴う場合は全て、結果は、更なる反応を受けることができる出発物質又はポリマープローブである。
【0021】
図2eは、2つのリン酸化モノマー3のあいだで可能な反応を示す。カプラー反応Aは、2つの可能な産物、完全に環化した分子15と線状分子18を生ずる。全ての5’端はリン酸化されているため、連結反応Bは、それぞれ環状ODN16及び線状ODN19をもたらす。Cでカプラーを除去した後の産物は、それぞれ1本鎖環化ODN17、及び1本鎖線状ODN20である。分子17は、更なる反応に利用できない点で分子6と同様だが、ポリマープローブから部位をブロックする上で有用であり得る。分子20はリン酸化5’端を有し、他の反応でリン酸化モノマー又はポリマーと組み合わせると、最終環化産物を生ずるであろう。しかしながら、分子20を非リン酸化モノマー又はポリマーと組み合わせると、環化しない、より長いポリマーを形成する。
【0022】
反応AとBは同一温度で同時に行うことができる。デカップリング反応Cはより高温を要する。したがって、好ましい態様に熱サイクル法を用いて反応を反復し、ポリマープローブの長さを増加させることができる。プローブ分子とともに形成されるハイブリッドがT4 DNAリガーゼの変性温度以下で解離するように、カプラー分子の長さ及びG−C含量をデザインすることができる。
【0023】
環化によって負荷される制限があるとしても、ポリマープローブは標準的モノマープローブよりも顕著によく機能する。実験は、ポリマープローブをモノマープローブと比較して用いたとき、固定された相補的プローブに50℃でハイブリダイズした、1fモルの色素で標識したE.Coli標識DNAからのハイブリダイゼーションシグナルは、少なくとも3つの因子によって向上したことを示した。試験した3つの濃度のポリマープローブ(12.5、6.25、及び3.125μモル)全てに関し、これは正しかった;モノマープローブは最適濃度(50μモル)であった。ポリマープローブ濃度は、12.5μモルのポリマープローブが、等量の50μモルのモノマープローブよりもモノマーが4倍少ないように、モノマー単位に換算して示していることに注意されたい。
【0024】
他の連結反応−第2の態様では、リガーゼを変性させることなく、より高い温度を工程Cに用いることができるように、T4 DNAリガーゼの代わりにAmpligase、Thermophage(商標)1本鎖DNAリガーゼ、又はTfiリガーゼのような熱安定性DNAリガーゼが用いられる。第3の態様では、T4 RNAリガーゼを用いてモノマープローブ単位の直接連結を達成することができる[Tessierら、Anal.Biochem.、158:171(1986)]。この反応は、カプラーを使用せずにODNプローブを直接リンクさせる。たとえT4 DNAリガーゼの場合のようにプローブ配列の両端でリンカーを必要としなくとも、少なくとも一端のリンカーがポリマープローブ中のプローブ配列の分離を果たし、隣接モノマー部位で形成されるハイブリッドによって起こるハイブリダイゼーションに対する立体障害を減少させる。更に他の態様では、非酵素学的(化学的)方法[Xu及びKool、Nucleic Acids Res.、27:875(1999);Liu及びTaylor、Nucleic Acids Res.、26:3300(1998)]を用いてモノマープローブを連結させる。この場合も、プローブ配列の少なくとも一端のリンカーを用いて、ハイブリダイゼーション反応に対する立体障害を減少させることができるであろう。
【0025】
配列の異なるモノマー−他の態様では、ポリマープローブが複数の配列を導入したコポリマーとなるように配列の異なるモノマーを連結させることができるであろう。これは、使用者が、いくつかの可能なSNPが標的DNAに存在するかどうか知ることを望む場合に有用であろう。
【0026】
カプラー配列を連結から防ぐ−他の態様では、配列の3’末端に最後の塩基を付加するためのジデオキシヌクレオシド三リン酸を用いて、カプラー配列の3’端を保護することができる。これは、当該分野に熟練した者に公知の多くのヌクレオチド伸長反応によって達成することができる。カプラー配列の5’端はリン酸化されていないため、すでに他の核酸への連結から保護されている。
【0027】
環化−他の態様では、所望の長さのポリマープローブが達成された後、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてポリマープローブの5’端をリン酸化することができる。これには、カプラーハイブリダイゼーションとリガーゼを伴い、多量のポリマープローブを環化させるであろう。初期熱サイクルでは、ポリマープローブの長さが更に増加するのを妨げるため、環化(同一ポリマープローブ分子の反対端間の連結)を避ける必要があるが、ポリマープローブが許容できる長さに到達した後は望ましいかもしれない。
【0028】
ローリングサークル増幅−他の態様では、ローリングサークル増幅(RCA)を用いて非常に長いポリマープローブを作製することができるが、唯一の制限は分子全体がDNAである必要があるということである。RCAは、φ29ポリメラーゼのような鎖置換ポリメラーゼを、環化したオリゴヌクレオチド鋳型とともに用いる。産物は、環の相補体の複数の縦列反復で構成された、非常に高分子量の1本鎖オリゴヌクレオチドである。RCA反応のための環化した鋳型は、RCA産物の各モノマー成分が標的配列に相補的であるように、初期モノマー配列が標的DNA配列と同一であることを除いて、上記と同様の連結反応で作製される。環化した鋳型は、さまざまなモノマー単位数の環から成ることができるが、全ては同一分子をプライマーとすることができ、そして全ては同一産物を生ずる。RCA反応後、産物は所望のサイズに剪断されることができる。
【0029】
例示的態様
連結反応によるポリマープローブの合成−T4 DNAリガーゼを、配列(TG)を有するカプラー分子とともに用いて、5’及び3’末端の側面に(CA)が位置するE.coliモノマープローブ配列を、16時間の室温での連結反応で連結させた。同様の末端付加を有するβ−プロテオバクテリアのコンセンサス配列も同様に連結させた。バイオラッドのProtean(商標)II xi 電気泳導セルを用いて、6%変性ポリアクリルアミドゲルで、250V×2時間、産物を電気泳導した。いずれの場合も、ポリマープローブについて得られた電気泳導プロファイルは、各増分(N=2〜N=10)で起こる2本のバンドパターンを示し、他者によって得られた線状及び環化DNAのバンドと一致した(例えばProkariaのウェブサイト、prokaria.com)。
【0030】
連結したポリマープローブのハイブリダイゼーションの結果−連結したポリマープローブを段階希釈し、Superaldehyde(商標)スライドにプリントした。5’C−アルキルアミンで修飾したコンセンサス配列モノマーと、同様に修飾したE.coli配列モノマーとを、以前に沈着させたモノマーについて最適な結果を提供することがわかっている、Micro Spotting Plus溶液(Telechem)中の50μMプローブ濃度でプリントした。3つの異なる濃度の未修飾ポリマープローブ(12.5μM、6.25μM、及び3.13μM)を、spotting溶液[3×SSC、1.5Mベタイン]に沈着させた。ポリプローブ濃度をモノマー単位に換算して示していることに注意することが重要である;したがって、等量の等濃度モノマープローブとポリプローブは、同数のモノマー単位を有する。ポリマープローブの最適な固定条件は、ポリプローブの長さにしたがい、必要に応じて変化させることができる。プリントしたモノマープローブとポリプローブを、表面と一晩反応させる。100mMリン酸ナトリウム、1×デンハルト試薬、0.3% SDS、並びに1pモルのCy5−標識E.coliプローブ相補体、及び1pモルのCy3−標識コンセンサスプローブ相補体を用いて、45℃で12時間のハイブリダイゼーションを行った。これらのハイブリダイゼーション条件は、モノマーとして沈着させたプローブに関し、最適な選択性とシグナル強度のために選択された。ハイブリダイゼーション後、スライドを室温で洗浄し、パーキンエルマーのScanArray imagerで蛍光画像を得た。これらの結果は、ポリマープローブが、たとえポリマープローブ中のモノマー濃度が、C−アルキルアミンで修飾したモノマープローブよりも顕著に低くても、これらの条件で、少なくともC−アルキルアミンで修飾したモノマープローブと同様に機能したことを示した。高ストリンジェンシー(標的1fモル、ハイブリダイゼーション温度50℃)を用いる以外は先の段落に記載したハイブリダイゼーション反応を反復した場合、ポリマープローブの平均蛍光強度は、E.coli配列のモノマーよりも顕著に強かった。
【0031】
鎖置換増幅によるポリマープローブの合成−連結させたポリマープローブを鋳型として用いて、鎖置換増幅により長いポリプローブを合成した。反応には、φ29DNAポリメラーゼ(New England BioLabs)、鋳型として先に記載したものと同一の反応に由来する短い連結したポリマープローブ、及びプライマーとして(TG)カプラー分子を用いた。反応条件は、[Deanら、多重鎖増幅を用いた広範なヒトゲノム増幅。Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:5261−5266(2002)]に記載のものと同様である。鎖置換増幅(SDA)反応は、長い1本鎖ポリマープローブを産生した。これを示すために、剪断したSDA反応産物のゲル電気泳導プロファイルを他のDNAと比較した。非剪断産物は非常に大きくゲルに入らないため、剪断を要した。剪断SDA反応産物の電気泳導プロファイルは、剪断1本鎖DNAのものに匹敵したが、剪断2本鎖DNAのものには匹敵しなかった(全て、Misonix(商標) Cell Disruptorを用いて、電力レベル2で60秒間超音波処理をした)。
【0032】
わずか5秒間の剪断SDA反応産物は、約500bp〜8Kbpのサイズ分布を生じ、これは約N=20〜270に相当した。剪断産物をマイクロアレイに固定し、E.coli及びコンセンサス配列で標識した標的についてハイブリダイゼーション反応を実施した。蛍光画像は適切な位置にシグナルを生じ、SDA産物はポリマープローブの正確な配列を有することを規定した。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この図は、本発明の1つの態様における2つの同一ODNモノマーの連結の一例を示す。モノマーは、縦棒で隔てられた上段ラインに示されている。モノマーは、それぞれの端を6merリンカーで取り囲まれた、下線で示した中央のプローブ配列を有する。これらのリンカーとハイブリダイズするカプラーを2番目のラインに示す。このカプラーは、モノマーへの結合位置を示すために3’端を左に示す。塩基が2つのモノマーの相補体とぴったりと合うように、カプラーのA塩基とG塩基とのあいだに大きな隔たりが描かれている。この隔たりは、厳密に配列を描写するためであり、これら2つの塩基間の実際の隔たりは、カプラー中の他の隣接塩基間と同じであろう。連結後のこの特定のカプラーの2重鎖の解離温度Tdは、約29.7℃と計算されており、リガーゼを変性することなく、連結後、カプラーの除去を可能にする。
【図2A】図2a〜2c。例示的連結方法。この図では、モノマーの部分を太さの異なる線で示している;プローブ配列は太線で示し、5’リンカーは中太線で示し、3’リンカーは細線で示している。5’リンカーの端のPという文字は、5’端のリン酸化を示す。連結されたニックは小さな黒丸で示す。反応Aは、ODNの両端のリンカーへのカプラーのハイブリダイゼーションであり、反応Bは連結反応であり、Cは、2重鎖を解離させ、カプラーを除去するための上昇した温度でのインキュベーションである。図2aは、非リン酸化モノマーとそれ自身との反応を示し、図2bは、リン酸化モノマーとそれ自身との反応を示す。図2cは、2つの非リン酸化モノマー間で可能な反応を示している。
【図2B】図2d〜図2e。例示的連結方法。この図では、モノマーの部分を太さの異なる線で示している;プローブ配列は太線で示し、5’リンカーは中太線で示し、3’リンカーは細線で示している。5’リンカーの端のPという文字は、5’端のリン酸化を示す。連結されたニックは小さな黒丸で示す。反応Aは、ODNの両端のリンカーへのカプラーのハイブリダイゼーションであり、反応Bは連結反応であり、Cは、2重鎖を解離させ、カプラーを除去するための上昇した温度でのインキュベーションである。図2d及び2eは、それぞれ、1つの非リン酸化モノマーと1つのリン酸化モノマーとのあいだで可能な反応、及び2つのリン酸化モノマー間で可能な反応を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一緒にされた1以上の配列の1本鎖核酸(モノマー)の複数のコピーを含む1本鎖ポリマープローブであって:
モノマーの長さは少なくとも6ヌクレオチドであり;
モノマーは、直接終端間結合しているか、又は異なる配列を有する他のモノマーを含んでも含んでいなくともよい分子リンカーの反対端に結合しており;
ポリマープローブは少なくとも4コピーのモノマーを含有し;そして、
ポリマープローブは、標的核酸の潜在配列、標的核酸の陽性対照配列、又は標的核酸にない陰性対照配列のいずれかに相補的であることが知られている少なくとも1つのプローブ配列を有する、前記ポリマープローブ。
【請求項2】
モノマー核酸が、合成オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、ペプチド核酸(PNA)、ロックト核酸(LNA)、及びDNA増幅技術を用いて形成した単離DNAのセクションから成る群より選択される、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項3】
1本鎖核酸のモノマー配列が、プローブ配列の一端又は両端に核酸の追加配列を含む、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項4】
1本鎖核酸のモノマー配列が、核酸でない分子リンカーによってプローブ配列の一端又は両端にリンクしている、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項5】
ポリマープローブがホモポリマーである、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項6】
ポリマープローブが、モノマー単位に関し、2以上の異なる配列を有するコポリマーである、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項7】
ポリマープローブが直線状である、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項8】
ポリマープローブが環状である、請求項1に記載のポリマープローブ。
【請求項9】
モノマー又はポリマーのリン酸化5’末端を、5’端がリン酸化されていないポリマー配列又はモノマー配列の3’端に反復して結合させることを含む、請求項1に記載のプローブを形成する方法。
【請求項10】
相補的カプラー核酸を、ギャップ(「ニック」)を有する2本鎖セクションを形成するように、1つのモノマー又はポリマーの3’配列と、他のモノマー又はポリマーの5’端の配列とにハイブイダイズさせ、ギャップを形成する核酸の端を連結させることによって結合が達成される、請求項0に記載の方法。
【請求項11】
リガーゼを用いて核酸の端を連結する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
リガーゼが、核酸の5’末端にリン酸を必要とし、3’末端にヒドロキシルを必要とする酵素である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、Ampligase、Tsc DNAリガーゼ、又はクロレラウイルスPBCV−1 DNAリガーゼである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プローブ配列の3’端と5’端を少なくとも長さ4塩基の核酸リンカーで末端処理することによって万能カプラーがさまざまなプローブ配列に用いられ;5’端の核酸リンカーは、3’端の核酸リンカーと、長さ、配列、又は両方が同一又は異なっている、請求項0に記載の方法。
【請求項15】
カプラーをハイブリダイズさせる値から、連結させる値、ハイブリダイズしたカプラー分子を連結したポリマーから解離させる値へと循環する反応混合物温度を有する熱サイクルを用いて連結を反復させる、請求項0に記載の方法。
【請求項16】
熱サイクルを複数回反復させてポリマーの長さを増加させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
リガーゼ変性が、少なくとも50%のリガーゼがインキュベーション30分後も有効なままである温度で解離するハイブリッドを形成する長さ及びG+C含量を有するカプラーを用いることによって回避される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
リガーゼ変性が、熱安定性リガーゼを用いることによって回避される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
モノマー及び/又はポリマーが、カプラー分子を必要とすることなく、1本鎖モノマー及びポリマーを直接リンクさせることができるリガーゼを用いて結合される、請求項0に記載の方法。
【請求項20】
リガーゼが、T4 RNAリガーゼ又はThermophage(商標)1本鎖DNAリガーゼである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
モノマー及び/又はポリマーが、非リガーゼ酵素法を用いて連結される、請求項9に記載の方法。
【請求項22】
請求項1に記載のポリマープローブを、さまざまな別個の位置で固体基板表面上に固定することを含む核酸アレイの作製方法であって、各ポリマー核酸プローブは、1以上のモノマー配列でできている、前記方法。
【請求項23】
固体基板が、ガラス、シリコン、ナイロン、ポリアクリルアミドゲル、テフロン(商標)、又は金属である、請求項0に記載の方法。
【請求項24】
固体基板表面が、核酸の固定を高めるために成分でコーティングされている、請求項0に記載の方法。
【請求項25】
固体基板表面が、エポキシド、アルデヒド、ポリ−L−リジン、ナイロン、アミノ、カルボキシレート、又は結合化学作用を高める他の成分でコーティングされている、請求項0に記載の方法。
【請求項26】
プローブが、紫外線、熱、又は反応性化学作用を用いて固体基板表面に共有結合的に架橋される、請求項0に記載の方法。
【請求項27】
固体基板表面のさまざまな別個の位置に固定された請求項1に記載のポリマープローブを含む核酸アレイであって、各ポリマー核酸プローブは、1以上のモノマー配列でできている、前記核酸アレイ。
【請求項28】
標的核酸を含有するサンプルを、請求項27に記載の核酸アレイと接触させ;固定されたポリマープローブを標的核酸とハイブリダイズさせ;そしてポリマープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出することを含む、標的核酸をアッセイする方法。
【請求項29】
検出が、放射線標識、蛍光標識、生物発光標識、化学発光標識、電気的検出、又は標識若しくは未標識標的核酸の質量分析を用いて行われる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アッセイで得たハイブイリダイゼーション情報を用いて、特定の核酸配列がサンプル中に存在するかどうか決定する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
アッセイで得たハイブリダイゼーション情報を用いて核酸多型を検出する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
アッセイで得たハイブリダイゼーション情報を用いて、病原体を検出及び/又は同定する、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
病原体が、細菌、ウイルス、又は真菌に由来する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ハイブリダイゼーション情報を用いて疾患を診断する、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
ハイブリダイゼーション情報を用いて、疾患治療の有効性をモニターする、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
直接オリゴヌクレオチド合成法によってポリマープローブを調製する、請求項1に記載のポリマープローブを作製する方法。
【請求項37】
環化した鋳型の鎖置換増幅によってポリマープローブを調製する、請求項1に記載のポリマープローブを作製する方法。
【請求項38】
DNA増幅技術を用いて形成される単離DNAのセクションが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて形成される、請求項2に記載のポリマープローブ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【公表番号】特表2007−506429(P2007−506429A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528153(P2006−528153)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/031182
【国際公開番号】WO2005/030929
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506097737)アトム・サイエンシズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】