説明

ポリマー発泡体

少量の高表面積シリカを含む、アクリル発泡体を含むポリマー発泡体について記載する。このような発泡体を調製する方法及びこのような発泡体を含む物品についても記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少量の高表面積シリカを含有するポリマー発泡体に関する。ホットメルト接着剤発泡体、このような発泡体を組み込んだテープ、及びこれらを調製する方法についても記載する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
簡潔に述べると、1つの態様では、本開示は、ポリマーと、複数の少なくとも部分的に発泡した発泡性ポリマー微小球と、ASTM D1993−03(2008)に従って測定したとき少なくとも300平方メートル/グラムの表面積を有するシリカ0.3〜1.5重量%と、を含む、発泡体を提供する。幾つかの実施形態では、発泡体は、少なくとも0.5重量%のシリカを含む。幾つかの実施形態では、発泡体は、1重量%以下のシリカを含む。
【0003】
幾つかの実施形態では、ポリマーは、アクリルポリマーを含む。幾つかの実施形態では、ポリマーは、低分子量アクリルポリマーと高分子量アクリルポリマーとのブレンドを含む。
【0004】
幾つかの実施形態では、発泡体テープは、発泡体と、発泡体の第1の表面に接着された第1の接着剤と、を含む。幾つかの実施形態では、発泡体テープは、第1の接着剤とは反対側の、発泡体の第2の表面に接着された第2の接着剤を更に含む。
【0005】
幾つかの実施形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、感圧性接着剤を含む。幾つかの実施形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、加熱活性化接着剤を含む。幾つかの実施形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、アクリルポリマーを含む。幾つかの実施形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、ブロックコポリマーを含む。幾つかの実施形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、シリコーンポリマーを含む。幾つかの実施形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、アクリルポリマー、ブロックコポリマー、及びシリコーンポリマーからなる群より選択される少なくとも2つのポリマーのブレンドを含む。
【0006】
上記の本開示の概要は、本発明のそれぞれの実施形態を説明することを目的としたものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明文から、また特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本開示の幾つかの実施形態による代表的な発泡体。
【図2】本開示の幾つかの実施形態による代表的な発泡体テープ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
Gehlsenら(米国特許第6,103,152号及び同第6,797,371号)は、アクリル発泡体を含むポリマー発泡体を生成するための様々な方法について記載している。幾つかの実施形態では、方法は、ポリマー組成物を少なくとも1つの発泡性ポリマー微小球(「epm」)と溶融混合し、ダイを通して組成物を押出成形してポリマー発泡体を形成することを含む。次いで、これら発泡体を電子ビーム(「E−ビーム」)硬化させてもよい。発泡体は、1つ以上の接着層と組み合わせて接着物品、例えば、発泡体コアの各主表面上にスキン接着剤の層を含む物品を形成してもよい。
【0009】
このような接着物品は広範な用途において成功裏に用いられているが、本発明者らは、少量の高表面積シリカを発泡体コアに添加することにより、破断点伸び、凝集強度、及び層間接着のうちの1つ以上を含む多数の重要な機械的特性が驚くほど改善することを見出した。
【0010】
幾つかの実施形態では、本開示は、ポリマーと、複数の少なくとも部分的に発泡した発泡性ポリマー微小球と、少なくとも300平方メートル/グラムのBET表面積を有するシリカ0.5〜1.5重量%と、を含む発泡体を提供する。
【0011】
一般的に、ポリマーの選択は特に限定されない。幾つかの実施形態では、溶融押出成形プロセスに好適なポリマー又はポリマーのブレンドを選択することが望ましい場合がある。代表的なポリマーとしては、アクリルポリマー、アクリレート不溶性ポリマー、紫外線活性化性基を含有するエラストマー、及び非光重合性モノマーから調製されるポリマーが挙げられる。
【0012】
幾つかの実施形態では、ポリマーは、1つ以上のアクリルポリマー、例えば、アクリレート及びメタクリレート接着ポリマー及びコポリマーを含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、即ち、エチル(メタ)アクリレートは、エチルアクリレート及び/又はエチル(メタ)アクリレートを指す。
【0013】
幾つかの実施形態では、アクリルポリマーは、少なくとも1つの非三級アルキルアルコールのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、及び任意で少なくとも1つの共重合強化モノマーの反応生成物を含む。幾つかの実施形態では、アクリルポリマーは、少なくとも約70部、幾つかの実施形態では少なくとも約80部、少なくとも約90部、少なくとも約95部、又は更に約100部の、少なくとも1つの非三級アルキルアルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルを含む。ある実施形態では、アクリル接着剤組成物は、約30部以下、幾つかの実施形態では約20部以下、約10部以下、約5部以下、及び更には1部以下の、少なくとも1つの共重合強化モノマーを含む。幾つかの実施形態では、アクリル接着剤組成物は、共重合強化モノマーを含まない。
【0014】
幾つかの実施形態では、非三級アルキルアルコールは4〜20個の炭素原子を含有する。代表的なアクリル酸エステルとしては、アクリル酸イソオクチル、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸イソボルニル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。代表的なメタクリル酸エステルとしては、これらのアクリル酸エステルのメタクリレート類似体が挙げられる。
【0015】
幾つかの実施形態では、共重合強化モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、N,N’ジメチルアクリルアミド、N,N’ジエチルアクリルアミド、ブチルカルバモイルエチルアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0016】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの高分子量(メタ)アクリレートポリマーと少なくとも1つの低分子量(メタ)アクリレートポリマーとを組み合わせることが望ましい場合がある。
【0017】
幾つかの実施形態では、ポリマーは、ブロックコポリマーを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ブロックコポリマーは、ゴム状ブロック、R、及び少なくとも1つのガラス状ブロック、Gを含む。幾つかの実施形態では、ブロックコポリマーは、少なくとも3つのガラス状ブロックを含む。幾つかの実施形態では、第1のブロックコポリマーは、3つ以上5つ以下のガラス状ブロックを含む。幾つかの実施形態では、第1のブロックコポリマーは、4つのガラス状ブロックを含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、第1のブロックコポリマーは、一般式Q−Y(式中、Qは多腕(multi-arm)ブロックコポリマーの腕を表し、nは腕の数を表し、かつ少なくとも3の整数であり、Yは多官能性カップリング剤の残基である)を有する多腕ブロックコポリマーである。各腕Qは、独立して式R−Gを有し、式中Gはガラス状ブロックを表し、Rはゴム状ブロックを表す。
【0019】
一般に、ゴム状ブロックは、室温未満のガラス転移温度(Tg)を示す。幾つかの実施形態では、ゴム状ブロックのTgは約0℃未満、又は更には約−10℃未満である。幾つかの実施形態では、ゴム状ブロックのTgは約−40℃未満、又は更には約−60℃未満である。
【0020】
一般に、ガラス状ブロックは、室温を超えるTgを示す。幾つかの実施形態では、ガラス状ブロックのTgは、少なくとも約40℃、少なくとも約60℃、少なくとも約80℃、又は更には少なくとも約100℃である。
【0021】
幾つかの実施形態では、ゴム状ブロックは、重合共役ジエン、重合共役ジエンの水素添加誘導体、又はこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、共役ジエンは4〜12個の炭素原子を含む。代表的な共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、エチルブタジエン、フェニルブタジエン、ピペリレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、エチルヘキサジエン、及びジメチルブタジエンが挙げられる。重合共役ジエンは、個別に又は互いにコポリマーとして用いることができる。幾つかの実施形態では、共役ジエンは、イソプレン、ブタジエン、エチレンブタジエンコポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0022】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのガラス状ブロックが重合モノビニル芳香族モノマーを含む。幾つかの実施形態では、トリブロックコポリマーのガラス状ブロックは両方、重合モノビニル芳香族モノマーを含む。幾つかの実施形態では、モノビニル芳香族モノマーは8〜18個の炭素原子を含む。代表的なモノビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、ビニルピリジン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジ−n−ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、他のアルキル化スチレン、スチレン類似体、及びスチレン同族体が挙げられる。幾つかの実施形態では、モノビニル芳香族モノマーは、スチレン、スチレン適合性モノマー又はモノマーブレンド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0023】
本明細書で使用するとき、「スチレン適合性モノマー又はモノマーブレンド」とは、優先的にポリスチレン又はブロックコポリマーのポリスチレン末端ブロックと結合する、重合又は共重合することができる、モノマー又はモノマーブレンドを指す。適合性は、単量体スチレンとの実際の共重合、ホットメルト又は溶媒処理中ポリスチレン相内の適合性モノマー若しくはブレンド、又は重合モノマー若しくはブレンドの溶解度、又は処理後の静置時における、モノマー若しくはブレンドとスチレンが豊富な相のドメインとの結合に起因する可能性がある。
【0024】
本開示の幾つかの多腕ブロックコポリマーの一般式、Q−Yでは、nは腕の数を表し、少なくとも3の整数である、即ち、多腕ブロックコポリマーは星型ブロックコポリマーである。幾つかの実施形態では、nは3〜10の範囲である。幾つかの実施形態では、nは3〜5の範囲である。幾つかの実施形態では、nは4である。幾つかの実施形態では、nは6以上に相当する。
【0025】
幾つかの実施形態では、ブロックコポリマーはポリモーダルなブロックコポリマーである。本明細書で使用するとき、「ポリモーダル」という用語は、コポリマーが少なくとも2つの異なる分子量を有するガラス状ブロックを含むことを意味する。このようなブロックコポリマーはまた、少なくとも1つの「高」分子量ガラス状ブロック、及び少なくとも1つの「低」分子量ガラス状ブロックを有することを特徴とする場合があり、ここで高及び低という用語は互いに相対的に用いられる。幾つかの実施形態では、高分子量ガラス状ブロックの数平均分子量(Mn)と、低分子量ガラス状ブロックの数平均分子量(Mn)との比は、少なくとも約1.25である。
【0026】
幾つかの実施形態では、(Mn)は約5,000〜約50,000グラム/モルの範囲である。幾つかの実施形態では、(Mn)は少なくとも約8,000であり、また幾つかの実施形態では、少なくとも約10,000グラム/モルである。幾つかの実施形態では、(Mn)は約35,000グラム/モル以下である。幾つかの実施形態では、(Mn)は約1,000〜約10,000グラム/モルの範囲である。幾つかの実施形態では、(Mn)は少なくとも約2,000であり、また幾つかの実施形態では、少なくとも約4,000グラム/モルである。幾つかの実施形態では、(Mn)は約9,000未満であり、また幾つかの実施形態では、約8,000グラム/モル未満である。
【0027】
幾つかの実施形態では、ブロックコポリマーは非対称なブロックコポリマーである。本明細書で使用するとき、「非対称」という用語は、ブロックコポリマーの腕の全てが同一とは限らないことを意味する。一般に、ポリモーダルなブロックコポリマーは、ガラス状ブロックの分子量が全て同じとは限らないので、ポリモーダルなブロックコポリマーの全ての腕が同一とは限らないため、非対称なブロックコポリマー(即ち、ポリモーダルなで非対称なブロックコポリマー)である。幾つかの実施形態では、本開示のブロックコポリマーは、ポリモーダルなで非対称なブロックコポリマーである。非対称なポリモーダルなブロックコポリマーを製造する方法は、例えば、米国特許第5,296,547号に記載されている。
【0028】
一般に、多官能性カップリング剤は、任意のポリアルケニルカップリング剤又は、リビングポリマーのカルバニオンと反応して架橋ポリマーを形成することができる官能基を有することが知られている他の物質であってよい。ポリアルケニルカップリング剤は、脂肪族、芳香族、又は複素環式であってよい。代表的な脂肪族ポリアルケニルカップリング剤としては、ポリビニル及びポリアルキルアセチレン、ジアセチレン、リン酸塩、亜リン酸塩、及びジメタクリレート(例えば、エチレンジメタクリレート)が挙げられる。代表的な芳香族ポリアルケニルカップリング剤としては、ポリビニルベンゼン、ポリビニルトルエン、ポリビニルキシレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルナフタレン、及びジビニルジュレンが挙げられる。代表的なポリビニル基としては、ジビニル、トリビニル及びテトラビニル基が挙げられる。幾つかの実施形態では、ジビニルベンゼン(DVB)を用いることもでき、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、及びこれらのブレンドを挙げることができる。代表的な複素環式ポリアルケニルカップリング剤としては、ジビニルピリジン、及びジビニルチオフェンが挙げられる。他の代表的な多官能性カップリング剤としては、ハロゲン化ケイ素、ポリエポキシド、ポリイソシアネート、ポリケトン、ポリ無水物(polyanhydride)、及びジカルボン酸エステルが挙げられる。
【0029】
幾つかの実施形態では、ブロックコポリマーは直鎖ブロックコポリマーであってよい。直鎖ブロックコポリマーは、式
R−(G)
(式中、Rはゴム状ブロックを表し、Gはガラス状ブロックを表し、ガラス状ブロックの数であるmは1又は2である)により記述することができる。幾つかの実施形態では、mは1であり、直鎖ブロックコポリマーは1個のゴム状ブロックと1個のガラス状ブロックを含むジブロックコポリマーである。幾つかの実施形態では、mは2であり、直鎖ブロックコポリマーは、2個のガラス状末端ブロックと1個のゴム状中央ブロックを含む、即ち、直鎖ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。
【0030】
幾つかの実施形態では、第2ブロックコポリマーのゴム状ブロックは、重合共役ジエン、その水素添加誘導体、又はこれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、共役ジエンは4〜12個の炭素原子を含む。代表的な共役ジエンとしては、上記の代表的な共役ジエンのいずれかが挙げられる。
【0031】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのガラス状ブロック、幾つかの実施形態では、第2ブロックコポリマーの各ガラス状ブロックが、重合モノビニル芳香族モノマーを含む。幾つかの実施形態では、モノビニル芳香族モノマーは8〜18個の炭素原子を含む。代表的な重合モノビニル芳香族モノマーとしては、上記の代表的な重合モノビニル芳香族モノマーのいずれかが挙げられる。
【0032】
幾つかの実施形態では、ポリマーは、シリコーンポリマーを含んでもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、ポリマーは、2つ以上のポリマーのブレンド、例えば、高分子量アクリルポリマーと低分子量アクリルポリマーとのブレンド、1つ以上のアクリルポリマーと1つ以上のブロックコポリマーとのブレンド等を含んでもよい。
【0034】
発泡性ポリマー微小球は、一般的に、可撓性、熱可塑性であり、加熱時に発泡する液体及び/又は気体を含むコアを取り囲むポリマーシェルを特徴とする。市販の発泡性ポリマー微小球の例としては、Pierce & Stevens(Buffalo,New York)及びHenkel AGから商品名MICROPEARLとして、またAkzo−Nobelから商品名EXPANCELとして入手可能なものが挙げられる。
【0035】
一般的に、発泡性微小球の量は、発泡体の望ましい特性に基づいて選択される。一般的に、微小球の量が多いほど、得られる発泡体の密度が低くなる。幾つかの実施形態では、発泡体は、ポリマー樹脂100部当たり、少なくとも0.1重量部、幾つかの実施形態では、少なくとも0.5重量部の発泡性微小球を含む。幾つかの実施形態では、発泡体は、ポリマー樹脂100部当たり、50重量部以下、幾つかの実施形態では、20重量部以下の発泡性微小球を含む。
【0036】
本開示の発泡体は、少量の高表面積シリカを含む。幾つかの実施形態では、発泡体は、ポリマー樹脂100部当たり0.3〜1.5重量部のシリカを含む。幾つかの実施形態では、発泡体は、ポリマー樹脂100部当たり、少なくとも0.5、又は更には0.7重量部のシリカを含む。幾つかの実施形態では、発泡体は、ポリマー樹脂100部当たり、1.4部以下、又は更には1重量部以下のシリカを含む。
【0037】
シリカ粒子は、典型的に充填剤として添加されるシリカに比べて高い表面積を有する。幾つかの実施形態では、シリカの表面積は、ASTM D1993−03(2008)「Standard Test Method for Precipitated Silica−Surface Area by Multipoint BET Nitrogen Adsorption」に従って測定したとき、少なくとも300平方メートル/グラム、幾つかの実施形態では、少なくとも320平方メートル/グラムである。
【実施例】
【0038】
【表1】

【0039】
アクリルポリマーの調製
90部の2−EHA、10部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.03部のIOTGを混合することにより、アクリルポリマー(AP−1)を調製した。包装フィルム(CT Film,Dallas,TexasからVA−24フィルムとして販売されている厚さ0.0635mmのエチレンビニルアセテートコポリマーフィルム)から目立たない(Discreet)フィルムパッケージを形成した。AP−1組成物を、約10センチメートル(cm)×5cm×厚さ0.5cmと測定されたフィルムパッケージ内に密封した。約21℃〜約32℃に維持された水浴中に浸漬している間、パッケージを、約3.5ミリワット/平方センチメートル(mW/sq cm)の強度及びNIST単位で測定したとき約1680ミリジュール/平方センチメートル(mJ/sq cm)の総エネルギーを有する紫外線(UV)に曝露した。パッケージを形成し、硬化させる方法は、米国特許第5,804,610号の実施例1に記載されており、この主題は参照することにより全体を本明細書に組み込まれる。
【0040】
85部の2−EHA、15部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.8部のIOTGを使用したことを除き、AP−1の手順に従ってアクリルポリマー2(AP−2)を調製した。同様に、組成が95部の2−EHA、5部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.02部のIOTGであったことを除き、アクリルポリマー1の手順に従ってアクリルポリマー3(AP−3)を調製した。同様に、45部のIOA、45部のBA、10部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.06部のIOTGを混合することにより、アクリルポリマー4(AP−4)を調製した。90部の2−EHA、10部のAA、0.15部のIRGACURE 651、及び0.02部のIOTGを混合することにより、アクリルポリマーAP−5を調製した。AP−2、AP−3、AP−4、及びAP−5を、AP−1の手順に従って、パッケージ内に入れ、紫外線エネルギーに曝露した。
【0041】
以下の表2に記載されている組成に従って固体(未発泡)サンプルを調製した。各サンプルについて。指定量のAP−1及びAP−2を、Brabenderによって供給されているBANBURY混合ブレードを備える混練ミキサーのボウルに入れた。材料を121℃(250°F)及び60rpmで3分間混合した。
【0042】
これらのサンプルを動的剪断力試験手順に従って評価した。結果を表2に記す。
【0043】
動的剪断力試験手順2枚の30mm×70mmのアルミニウムパネルをN200Jプライマー(3M Company)で下塗りした。25mm×25mmのテープのサンプルをアルミニウムパネルの下塗りされた表面間に配置し、パネルの寸法70mmの未接着部分が反対方向に延在するように末端付近で接着させた。接着された試料を室温で24時間エージングした。掴み具を離したとき、テープのサンプルの厚さに対して剪断力が及ぼされるように、アルミニウムパネルの未接着部分をINSTRON引張試験機の掴み具で固定した。掴み具を1.3mm/分(0.05インチ/分)で離し、ピーク力を表2に報告する。
【0044】
【表2】


ASTM D1993−03(2008)「Standard Test Method for Precipitated Silica−Surface Area by Multipoint BET Nitrogen Adsorption」に従って測定したとき。
【0045】
発泡体コアテープ調製手順。
スキン接着剤調製手順
60mmの共回転2軸押出成形機(Berstorffから入手可能)を用いて感圧性接着剤を配合した。ポリモーダルで非対称な星型ブロックコポリマー(「PASBC」)を米国特許第5,393,373号に従って調製し、その主題を参照することにより全体を本明細書に組み込む。ポリマーは、ポリスチレン標準を用いて較正したSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)により測定した数平均分子量は、2つの末端ブロックが約4,000ダルトン及び約21,500ダルトン、腕部が127,000〜147,000ダルトン、星部が約1,100,000ダルトンであった。ポリスチレン含量は、9.5〜11.5重量%であった。高分子量腕部のモルパーセントは、約30%と推定された。
【0046】
ポリモーダルで非対称なブロックコポリマー(31.2重量%)及び直鎖スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマー(KRATON 1161−D)(13.4重量%)を、押出成形機の第1のゾーンに乾式注入した。ロールフィード押出成形機(Berstorffから入手可能)を用いて、アクリルポリマーAP−4(4重量%)を加熱し、押出成形機の第3のゾーンに注入した。酸化防止剤(IRGANOX 1010)(1.3重量%)、紫外線吸収剤(TINUVIN 328)(1.3重量%)、有色エチレンビニルアセテート(EVA;4900 CMB)(0.4重量%)を乾式注入し;第1の粘着付与剤(REGALITE R1125)(30.9重量%);第2の粘着付与剤(CUMAR 130)(10.3重量%);及び可塑剤(NYPLAST 222B)(7.2重量%)を第1の接着剤押出成形機の様々なゾーンに溶融注入した。配合された接着剤をシリコーンコーティングされた箱に注入した。
【0047】
発泡体コア調製手順
発泡体コア層を50mmのBONNOT単軸押出成形機で加工した。押出成形機は120℃で稼働させた。次いで、混合物を2軸押出成形機(40mm BERSTORFF(ZE−40)共回転2軸押出成形機)のゾーン1に注入し、そこでF−100発泡性ポリマー微小球と混合した。標準的な配合軸設計を用い、前方に搬送し、次いでゾーン2の混練セクションに送り、残りのゾーンで自己拭き取り搬送要素を用いてゾーン2、ゾーン4、及びゾーン6で逆混練した。軸速度は125RPMであった。押出成形機の温度は104℃に設定し、ホース及びダイ温度は193℃に設定した。この温度プロファイルによって、配合中の発泡が防止され、発泡性ポリマー微小球の破裂が最小限に抑えられた。押出品の流れは、NORMAGギアポンプを用いて制御した。0.23kg/時の速度でKTron KCL−KC20注入機を用いて2軸押出成形機のゾーン8に発泡性ポリマー微小球を計量注入した。幅25.4cmのドロップダイを1mmで調整し(shimmed)、193℃で稼働させた。
【0048】
配合されたコア層をCloeren Inc.(Orange,Texas)から入手した3層マルチマニホールドフィルムダイの中心層に注入した。配合されたスキン接着剤を50mmのBONNOT単軸押出成形機に注入し、3層ダイの外層に注入した。この押出成形機は120℃で稼働させた。
【0049】
ダイから出るとき、共押出された層をシリコーンで剥離コーティングされたキャスティングロール上に流延した。このロールを、約20℃の温度の水で冷却した。冷却した押出品を、キャスティングロールから、厚さ0.117mmの両面をシリコーンでコーティングされたポリエチレン剥離ライナに転写し、キャスティングロールと同じ速度で、ウェブ輸送ラインの末端へ移動させた。第1のスキン接着剤は、移動後ライナと接触していたが、第2のスキン接着剤は外気にさらされていた。ライナは、ライナを混同することなく巻き付けた後テープを巻き出すことができる、特異な(differential)剥離特性を有していた。
【0050】
剥離ライナは当技術分野において周知であり、任意の既知の剥離ライナを使用することができる。典型的には、剥離ライナは、剥離剤でコーティングされたフィルム又は紙基材を含む。市販の剥離ライナとしては、シリコーンコーティングされた紙、及びポリエステルフィルムのようなシリコーンコーティングされたフィルムが挙げられるが、これらに限定されない。好適な剥離ライナはまた、3M Innovative Properties Companyに譲渡されている、米国特許第6,835,422号、同第6,805,933号、同第6,780,484号、及び同第6,204,350号にも開示されている。
【0051】
発泡体コア及び両方の接着剤スキンを、ライナ上に支持されている間、電子ビーム硬化を用いてウェブ上で架橋した。テープの反対面上で行う次の2つの連続照射工程を使用した。第1のスキン接着剤はポリエチレンライナを通して照射され、一方第2のスキン接着剤は外気にさらした状態で照射された。電子ビームユニットは、加速電圧300keV及び線量6MRADのELECTROCURTAIN CB−300 E−ビームユニット(Energy Sciences Inc.(ESI),Wilmington,Mass.)であった。
【0052】
引っ張り力(Pluck Force)試験手順
厚さ6.4mm(1/4インチ)のアルミニウムで作製された2枚のT−ブロックの30mm×30mmの平面に3M Company製のN200Jプライマーで下塗りした。下塗りした表面間に25mm×25mmのサンプルを配置し、2枚のT−ブロックを接着した。T−ブロックをINSTRON引張試験機に実装し、1.3mm/分(0.05インチ/分)の速度で引き離した。ピーク分離力をキログラム力の単位で「引っ張り力」として報告する。
【0053】
角度分裂(Angle Cleavage)試験手順
30mm×30mm×30mmのアルミニウムのL字型片の30mm×30mmの一面を3M Company製のN200Jプライマーで下塗りした。下塗りした表面を25mm×25mmのサンプルの一面に接着させた。サンプルの反対側の面を、N200Jプライマーで下塗りされた陽極酸化アルミニウムパネルに接着させた。下塗りされた面に対して垂直なアルミニウムのL字型片の脚部を2.5mm/分(0.1インチ/分)の速度でINSTRON引張試験機を用いて引っ張った。ピーク力をキログラム力の単位で表4に報告する。
【0054】
発泡体コアテープ調製手順に従って発泡体テープを調製した。発泡体コアの組成を表3に要約する。引っ張り力試験手順を用いて測定した引っ張り力も表3に報告する。
【0055】
【表3】

【0056】
発泡体コアテープ調製手順に従って発泡体テープを調製した。発泡体コアの組成を表4に要約する。角度分裂試験手順に従って測定した角度分裂も表4に報告する。
【0057】
【表4】


38ポンド/立方フィート(609グラム/リットル)
【0058】
また、角度分裂試験手順を用いて、少量の高表面積シリカを添加した場合としなかった場合の、別のコア組成を有する発泡体テープを評価した。裏打ちされた側面からは225kEV及び10MRADで、裏打ちされていない側面(即ち、開放面側)からは250kEV及び15MRADで、テープをE−ビーム硬化したことを除いて、発泡体コアテープ調製手順に従ってテープのサンプルを調製した。テープのコアの組成及び角度分裂力を表5に報告する。
【0059】
【表5】


(a)ems=発泡性微小球(DUALITE U010−185)
(b)pbw=シリカ、AP−2、及びAP−3の総重量に基づく重量部
【0060】
本開示の幾つかの実施形態に係る代表的な発泡体を図1に示す。発泡体10は、ポリマー20に分散している少なくとも部分的に発泡した発泡性ポリマー微小球30及びシリカ40を含む。
【0061】
図2に示されるように、本開示の幾つかの実施形態では、このような発泡体を含む発泡体テープを調製することができる。発泡体テープ100は、発泡体10及び発泡体10の第1の表面11に接着された第1の接着層50を含む。幾つかの実施形態では、発泡体テープ100は、発泡体10の第2の表面12に接着された第2の接着層60を更に含む。幾つかの実施形態では、接着層の一方又は両方は、発泡体に直接接着されてもよい。幾つかの実施形態では、接着層の少なくとも1層は、発泡体に間接的に接着されてもよい。即ち、1層以上の介在層、例えば、プライマー層が、接着層と発泡体コアとの間に存在してもよい。
【0062】
本発明の様々な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかとなるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと、複数の少なくとも部分的に発泡した発泡性ポリマー微小球と、ASTM D1993−03(2008)に従って測定したとき少なくとも300平方メートル/グラムの表面積を有するシリカ0.3〜1.5重量%と、を含む、発泡体。
【請求項2】
前記発泡体が少なくとも0.5重量%のシリカを含む、請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
前記発泡体が1重量%以下のシリカを含む、請求項1又は2に記載の発泡体。
【請求項4】
前記ポリマーがアクリルポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項5】
前記ポリマーが、低分子量アクリルポリマーと高分子量アクリルポリマーとのブレンドを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡体と、前記発泡体の第1の表面に接着された第1の接着剤と、を含む、発泡体テープ。
【請求項7】
前記第1の接着剤とは反対側の、前記発泡体の第2の表面に接着された第2の接着剤を更に含む、請求項6に記載の発泡体テープ。
【請求項8】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、感圧性接着剤を含む、請求項6又は7に記載の発泡体テープ。
【請求項9】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、加熱活性化接着剤を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の発泡体テープ。
【請求項10】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、アクリルポリマーを含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の発泡体テープ。
【請求項11】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、ブロックコポリマーを含む、請求項6〜10のいずれか一項に記載の発泡体テープ。
【請求項12】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、シリコーンポリマーを含む、請求項6〜11のいずれか一項に記載の発泡体テープ。
【請求項13】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤のうちの少なくとも1つが、アクリルポリマー、ブロックコポリマー、及びシリコーンポリマーからなる群より選択される少なくとも2つのポリマーのブレンドを含む、請求項6〜12のいずれか一項に記載の発泡体テープ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−530806(P2012−530806A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516164(P2012−516164)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/038498
【国際公開番号】WO2010/147888
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】