説明

ポリマー組成物

【課題】ポリマー組成物を提供する。
【解決手段】第1ポリマーおよび第2ポリマーを含むポリマー粒子を含有するポリマー組成物が開示される。第1ポリマーは、任意に、架橋コアを有し、かつ−30℃ないし100℃の範囲のガラス転移温度を有する。選択架橋性基を含む第2ポリマーは−10℃ないし18℃未満の範囲のガラス転移温度を有する。このポリマー組成物を含有するコーティング組成物が提供される。このポリマー組成物は良好な低温被膜形成を有し、かつ許容し得るレベルの硬度を有する被膜を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水性媒体中に分散されたポリマー粒子を含むポリマー組成物に関する。これらのポリマー粒子は第1ポリマーおよび第2ポリマーを含む。このポリマー組成物は低温で被膜形成性であり、硬質被膜を有するコーティングを提供する。本発明はこれらのポリマー組成物を含むコーティング組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
コーティングの硬度は主としてそのモジュラスに関連し、多くの用途において基体に保護被膜を提供するものよりも、硬い被膜が望ましい。良好な硬度を伴うコーティングは、硬質ポリマー、すなわち、周囲温度を有意に上回るガラス転移温度を有するポリマーを含むポリマー粒子水性分散物から調製することができる。しかしながら、これらの硬質ポリマーを含むコーティング組成物は、典型的には、添加物、例えば、硬質ポリマーを流動させ、かつ周囲温度で被膜を形成させるために揮発性造膜助剤を含む。被膜形成の後、そのような揮発性造膜助剤は蒸発して乾燥硬質ポリマー被膜を残す。しかしながら、そのような添加物の不在下においては、良好なレベルの硬度とポリマー流動(したがって、許容し得る被膜形成)とは互いに相容れない特性である。揮発性溶媒を含む揮発性造膜助剤は、それらが大気汚染に寄与し得る揮発性有機化合物(VOC)の源であり得るため、強化された監視の下で用いられる。したがって、硬質コーティングをもたらし、かつ揮発性造膜助剤のレベルが低下しているか、もしくは全くなしに配合することができる水性ポリマー組成物が必要である。
【0003】
米国特許出願公開第2003/0088014号は、第1ポリマーおよび第2ポリマーを含むポリマー粒子を含有するポリマー組成物を開示する。第1ポリマーは架橋コアおよび−30℃ないし100℃の範囲のガラス転移温度を有する。それは重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして:85ないし99.9重量%のコモノマー、0ないし5重量%のアニオン性モノマー、および0.1ないし10重量%の多エチレン性不飽和モノマーを含む。第2ポリマーは選択架橋性基(select crosslinking groups)および−10℃ないし18℃未満の範囲のガラス転移温度を有する。それは重合単位として、第2ポリマーの重量を基準にして:70ないし99重量%のコモノマー、0ないし10重量%のアニオン性モノマー、および1ないし20重量%の架橋性モノマーを含む。開示されるポリマー組成物は許容し得るレベルの硬度を伴う被膜を生じる良好な低温被膜形成を有し、コーティングの調製に用いることができる。しかしながら、この開示にもかかわらず、良好な低温被膜形成および硬質皮膜の形成の組み合わせを提供するポリマー組成物の継続する必要性が存在する。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0088014号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポリマー被膜の硬度および流動の一般に反対の性質にもかかわらず、我々は改善された低温被膜形成特性に加えて、汚れ捕捉(dirt pick up)耐性のような試験によって促成される改善された被膜の硬度を有するポリマー組成物を見出している。このポリマー組成物は任意に架橋していてもよい第1ポリマーおよび特定の架橋性基を有する第2ポリマーを含む選択ポリマー粒子を含有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は水性媒体中に分散されているポリマー粒子を含むポリマー組成物(1)であって、ポリマー粒子が、該ポリマー粒子の重量を基準にして:20ないし70重量%の第1ポリマー;および30ないし80重量%の第2ポリマーを含むポリマー組成物である。第1ポリマーは−30℃ないし100℃の範囲のガラス転移温度を有し、かつ重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして:15ないし50重量%の1種類以上の、次のモノマー:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルベンゾニトリルおよびその異性体、シアノアクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルファ−シアノスチレンおよび他の多シアン化スチレン系化合物、もしくはそれらの組み合わせ、並びに50ないし85重量%の1種類以上のエチレン性不飽和コモノマーを含む。第2ポリマーは−10℃ないし18℃未満の範囲のガラス転移温度を有し、かつ重合単位として、第2ポリマーの重量を基準にして:70ないし98.5重量%の1種類以上のエチレン性不飽和コモノマー、0.5ないし10重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、および1ないし20重量%の1種類以上の架橋性モノマーを含む。これらの架橋性モノマーには、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート、およびビニルアセトアセテート;アセトアセトアミドエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトアミドプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトアミドブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトアミド)プロピル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセトアミド、およびビニルアセトアセトアミド;シアノアセトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、シアノアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(シアノアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、アリルシアノアセテート、およびビニルシアノアセテート;シアノアセトアミドエチル(メタ)アクリレート、シアノアセトアミドプロピル(メタ)アクリレート、シアノアセトアミドブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(シアノアセトアミド)プロピル(メタ)アクリレート、アリルシアノアセトアミド、およびビニルシアノアセトアミドからなる群より選択されるものが含まれる。
【0006】
本発明の一態様は、第1ポリマーが、第1ポリマーの重量を基準にして、0.1ないし10重量%の1種類以上の多エチレン性不飽和モノマーをさらに含む上記ポリマー組成物(ポリマー組成物1)である。この組成物をここではポリマー組成物2と呼ぶ。
【0007】
別の態様、ポリマー組成物3は、(a)第1ポリマーが0.5ないし5重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性界面活性剤、または安定化機能性試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、上記ポリマー組成物1である。
【0008】
別の態様、ポリマー組成物4は、同様に、(a)第1ポリマーが0.5ないし5重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性界面活性剤、または安定化機能性試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、上記ポリマー組成物2を指す。
【0009】
本発明の別の態様(ポリマー組成物5と呼ぶ)は、(a)第2ポリマーが、第2ポリマーの重量を基準にして、0.5ないし10重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性界面活性剤、または安定化機能性試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、上記ポリマー組成物1である。
【0010】
別の態様、ポリマー組成物6は、同様に、(a)第2ポリマーが、第2ポリマーの重量を基準にして、0.5ないし10重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性界面活性剤、または安定化機能性試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、上記ポリマー組成物2を指す。
【0011】
ポリマー組成物1の特に好ましい態様は第2ポリマーが−10℃ないし15℃の範囲のTを有する場合に存在する。ポリマー組成物1の別の特に好ましい態様はその最低造膜温度が30℃以下である場合に存在する。
【0012】
本発明の別の側面は、上記ポリマー組成物1から調製されるコーティング組成物であって、1種類以上の顔料を含み、1ないし45%の顔料体積濃度を有するコーティング組成物である。
【0013】
本発明のこの側面の特に好ましい態様は、コーティング組成物が、乾燥ポリマー組成物の重量を基準にして、6重量%未満の揮発性有機化合物を含むときであり;別の特に好ましい態様は、コーティング組成物に含まれるポリマー組成物の第2ポリマーが−10℃ないし15℃の範囲のTを有するとき;およびコーティング組成物が30℃以下の最低造膜温度を有するときである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここで用いられる場合、「(メタ)アクリレート」という用語はアクリレートもしくはメタクリレートのいずれかを指し、「(メタ)アクリル」という用語はアクリルもしくはメタクリルのいずれかを指す。
【0015】
ここで用いられる場合、「AN群モノマー」という用語は以下のモノマーの群を指す:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルベンゾニトリルおよびその異性体、シアノアクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルファ−シアノスチレン並びに他の多シアン化スチレン系化合物。
【0016】
「安定化試薬」という用語は、ここで用いられる場合、水中のオリゴマー、ポリマー、もしくはポリマー粒子を、エマルジョン重合の間もしくはその後、安定化できるか、もしくは安定化を補助できるあらゆる種を指す。そのような種にはアニオン性もしくは非イオン性分散剤、別名、界面活性剤;高分子量ポリマー、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびポリビニルアルコール;保護コロイド;高分子電解質、例えば、ポリアクリル酸;酸性モノマー、特には低分子量のもの、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸が含まれる。
【0017】
重合性界面活性剤およびポリマーと共重合することができる他のモノマー、例えば、以下に記載されるポリアルキレンオキシド誘導(メタ)アクリレート型モノマーを「重合性安定化試薬」と呼ぶ。
【0018】
揮発性有機化合物(VOC)は、ここでは、大気圧で280℃未満の沸点を有する炭素含有化合物と定義される。
【0019】
顔料粒子の種の顔料体積濃度は、コーティング組成物から調製される乾燥コーティングの総体積を基準にする、その種の顔料粒子によって占められる体積のパーセンテージである。
【0020】
「ガラス転移温度」もしくは「T」は、ここで用いられる場合、その温度以上でガラス状ポリマーがポリマー鎖のセグメント運動を受ける温度を意味する。具体的には、ここで定義されるポリマーのガラス転移温度は、以下のようにFox式[Bulletin of the American Physical Society 1, 3 Page 123 (1956)]で算出される:
【0021】
【数1】

【0022】
コポリマーに対しては、wおよびwは、反応容器に投入されるモノマーの重量を基準にして、2つのコモノマーの重量画分を指し、Tg(1)およびTg(2)は2つの対応するホモポリマーのケルビンでのガラス転移温度を指す。3種類以上のモノマーを含むポリマーに対しては、さらなる項が追加される(w/Tg(n))。ホモポリマーのガラス転移温度は、本発明の目的上、″Polymer Handbook″, edited by J. Brandrup and E. H. Immergut, Interscience Publishersにおいて報告されるものであり、ただし、これが特定のホモポリマーのTを報告していない場合を除き、その場合にはホモポリマーのTを示差走査熱量測定(DSC)によって測定する。ホモポリマーのガラス転移温度をDSCによって測定するには、そのホモポリマーの試料を調製し、アンモニアもしくは一級アミンの不在下に維持する。そのホモポリマー試料を乾燥させ、120℃に予備加熱して−100℃に急冷した後、20℃/分の速度でデータを収集しながら150℃に加熱する。ホモポリマーのガラス転移温度は半高法(half−height method)を用いて屈曲の中点で測定される。
【0023】
架橋性モノマーを重合単位として含むコポリマーのTのFox計算は各々の架橋性モノマーから形成されるホモポリマーのガラス転移温度に基づくものであり、ここで、そのホモポリマーはアンモニアもしくは一級アミンの存在下にはない。アニオン性モノマーから形成されるホモポリマーのガラス転移温度値は酸形態にあるアニオン性ポリマーのものである。
【0024】
ポリマーコーティングの最低造膜温度(MFFT)は、被膜のクラック形成および/または粉状外見の視覚的欠如、並びに被膜の一体性によって示される、連続被膜をポリマーコーティングが形成する最小温度である。これは、Sperryら(Langmuir, 1994, (10), 2619−2628)によって記載されるように、被膜を温度勾配プレート(MFFT装置)で試験することによって決定する。
【0025】
本発明のポリマー組成物は、第1ポリマーおよび第2ポリマー(これらは、両者共、エチレン性不飽和モノマーの重合によって形成される)を含む選択組成を有するポリマー粒子を含有する。第1ポリマーは少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマーを重合単位として任意に含む組成を有する。第2ポリマーはそれらのポリマー粒子を含む被膜の形成後に架橋を形成することが可能な架橋性基を含む。このポリマー組成物は、最小レベルの造膜助剤で、もしくは造膜助剤なしに、硬質皮膜を形成するのに有用である。
【0026】
第1ポリマーは、重合単位として、15ないし50重量%(第1ポリマーの重量を基準とする)の、上で定義されるAN群のモノマーから選択されるモノマーを含む。これはコモノマー並びに、任意に、多エチレン性不飽和モノマー、および/もしくはアニオン性モノマーをさらに含む。第2ポリマーは、重合単位として、コモノマー、架橋性モノマー、およびアニオン性モノマーを含む。
【0027】
多エチレン性不飽和モノマーは少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含むモノマーである。適切な多エチレン性不飽和モノマーには、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレン、グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、もしくはそれらの混合物が含まれる。
【0028】
アニオン性モノマーは酸基もしくはそれらの塩を含むエチレン性不飽和モノマーである。適切な酸基には、カルボン酸基、リン酸基、および硫酸基が含まれる。アニオン性モノマーには、カルボン酸モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、およびフマル酸のモノエステル;リン酸モノマー、例えば、ホスホエチル(メタ)アクリレートおよびアリルホスホン酸;並びに硫酸モノマー、例えば、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、およびビニルスルホン酸が含まれる。第1ポリマーもしくは第2ポリマーは1種類以上のアニオン性モノマーを含むことができる。
【0029】
架橋性モノマーは少なくとも1つのエチレン性不飽和並びにアセトアセトキシ−、アセトアセトアミド−、シアノアセトキシ−、およびシアノアセトアミド−基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む。アセトアセトキシ基を含む架橋性モノマーには下記構造を有するアセトアセトキシ官能性モノマーが含まれ:
【0030】
【化1】

【0031】
アセトアセトアミド基を含む架橋性モノマーには下記構造を有するアセトアセトアミド官能性モノマーが含まれ:
A−NH−C(O)−CH(R)−C(O)−B;
シアノアセトキシ基を含む架橋性モノマーには下記構造を有するシアノアセトキシ官能性モノマーが含まれ:
【0032】
【化2】

【0033】
およびシアノアセトアミド基を含む架橋性モノマーには下記構造を有するシアノアセトアミド官能性モノマーが含まれ:
A−NH−C(O)−CH(R)−CN
式中、
はH、1ないし10個の炭素原子を有するアルキル、もしくはフェニルのいずれかであり;
Aは:
【0034】
【化3】

【0035】
のいずれかであって、式中、
はH、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルもしくはフェニル、置換フェニル、ハロ、COCH、もしくはCNのいずれかであり;
はH、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルもしくはフェニル、置換フェニル、もしくはハロのいずれかであり;
は1ないし10個の炭素原子を有するアルキレンもしくは置換アルキレンまたはフェニレン、または置換フェニレンのいずれかであり;
は1ないし10個の炭素原子を有するアルキレンもしくは置換アルキレンのいずれかであり;
a、m、n、p、およびqは独立に0もしくは1のいずれかであり、
XおよびYは独立に−NH−もしくは−O−のいずれかであり;
BはA、1ないし10個の炭素原子を有するアルキルもしくはフェニル、置換フェニル、または複素環のいずれかである。
【0036】
適切なアセトアセトキシ官能性モノマーには、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、およびビニルアセトアセテートが含まれる。類似のアセトアセトアミド−官能性モノマー、例えば、アセトアセトアミドエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトアミドプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトアミドブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトアミド)プロピル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセトアミド、およびビニルアセトアセトアミドも適切であり;同様に、シアノアセトキシ−官能性モノマー、例えば、シアノアセトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、シアノアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(シアノアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、アリルシアノアセテート、およびビニルシアノアセテート;それに加えて、シアノアセトアミド−官能性モノマー、例えば、シアノアセトアミドエチル(メタ)アクリレート、シアノアセトアミドプロピル(メタ)アクリレート、シアノアセトアミドブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(シアノアセトアミド)プロピル(メタ)アクリレート、アリルシアノアセトアミド、およびビニルシアノアセトアミドも適切である。
【0037】
第2ポリマーは1種類以上の架橋性モノマーを含む混合物から重合されることができる。
【0038】
第1ポリマーおよび第2ポリマーはコモノマーも重合単位として含む。ここで定義されるコモノマーはアニオン性モノマー、重合性安定化試薬、多エチレン性不飽和モノマー、もしくは架橋性モノマーではないエチレン性不飽和モノマーであり、AN群モノマーとして定義されるモノマーも排除される。適切なコモノマーには、例えば、(メタ)アクリルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸のCないしC40エステル、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートを含む;(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;スチレンもしくは置換スチレン;ビニルアセテートもしくは他のビニルエステル;N−ビニルピロリドン;アクリルアミド、およびメタクリルアミドが含まれる。
【0039】
第1ポリマーは、重合単位として、上で定義されるAN群のモノマーから選択されるモノマー、コモノマー、並びに、任意に、多エチレン性不飽和モノマー、および/もしくはアニオン性モノマーを含む。AN群モノマー、コモノマー、アニオン性モノマー、および多エチレン性不飽和モノマーのタイプおよびレベルは、−30℃ないし100℃の範囲、好ましくは、−20℃ないし50℃の範囲、より好ましくは、−15℃ないし30℃の範囲のTを有する第1ポリマーをもたらすように選択される。第2ポリマーは、重合単位として、コモノマー、架橋性モノマー、およびアニオン性モノマーを含む。コモノマー、任意のアニオン性モノマー、および架橋性モノマーのレベルは、−15℃ないし25℃未満の範囲、好ましくは、−10℃ないし18℃未満の範囲、より好ましくは、−10℃ないし15℃の範囲、さらにより好ましくは、−5℃ないし15℃の範囲、最も好ましくは、0℃ないし10℃の範囲のTを有する第2ポリマーをもたらすように選択される。
【0040】
第1ポリマーは、重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして、15ないし50重量%の少なくとも1種類のAN群モノマー、好ましくは、25ないし45重量%のAN群モノマー、より好ましくは、30ないし40重量%のAN群モノマーを含む。第1ポリマーは、重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして、50ないし85重量%のコモノマー、好ましくは、55ないし75重量%のコモノマー、より好ましくは、60ないし70重量%のコモノマーも含む。第1ポリマーは、任意に、重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして、0.1ないし10重量%の多エチレン性不飽和モノマー、好ましくは、0.4ないし8重量%の多エチレン性不飽和モノマー、より好ましくは、用いられる場合には、0.4ないし5重量%の多エチレン性不飽和モノマーを含むこともできる。第1ポリマーは、任意に、重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして、0.5ないし5重量%、好ましくは、0.5ないし1重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマーまたは重合性安定化試薬を含む。
【0041】
第2ポリマーは、重合単位として、第2ポリマーの重量を基準にして、70ないし98.5重量%のコモノマー、好ましくは、80ないし98重量%のコモノマー、より好ましくは、85ないし96重量%のコモノマーを含む。第2ポリマーは、重合単位として、第2ポリマーの重量を基準にして、0.5ないし10重量%、好ましくは、0.5ないし7重量%、より好ましくは、1ないし5重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマーまたは重合性安定化試薬も含む。さらに、第2ポリマーは、重合単位として、第2ポリマーの重量を基準にして、1ないし20重量%の上述の架橋性モノマー、好ましくは、3ないし15重量%の架橋性モノマー、より好ましくは、5ないし10重量%の架橋性モノマーを含む。
【0042】
モノマー成分の具体的な組み合わせは、当該技術分野において公知のように、共重合して第1ポリマーの組成もしくは第2ポリマーの組成が調製し、並びに望まれる適用特性を有するポリマー粒子およびそれらのポリマー粒子から調製されるコーティングがもたらされるように選択される。
【0043】
ポリマー粒子は、第2ポリマーが第1ポリマーを完全に、もしくは部分的に封入し、またはその逆である形態を有することができる。適切な形態には、第1ポリマーがコアを形成し、かつ第2ポリマーがシェルを形成するコア−シェルポリマー、第1ポリマーが第2ポリマー内に2つ以上のドメインを形成するポリマー粒子、および第2ポリマーが第1ポリマーコアを部分的に覆い、かつポリマー粒子の表面積の大部分をもたらすドングリ形態が含まれる。好ましい形態は第1ポリマーコアおよび第2ポリマーシェルを有するコア−シェルポリマーである。本発明はシードポリマーを用いて実施することができ、シードポリマーは予め形成されていてもいなくてもよい;実際、本発明の第1ポリマーはシードポリマーであり得る。重金属染色技術と組み合わされた電子顕微鏡をポリマー粒子の形態の決定に用いることができる。
【0044】
ポリマー粒子は40nmないし1000nmの範囲、好ましくは、60nmないし500nmの範囲、より好ましくは、80nmないし200nmの範囲の平均粒子直径を有することができる。平均粒子直径は、準弾性光散乱技術(quasi−elastic light scattering technique)により、ニューヨーク州HoltsvilleのBrookhaven Instruments Corporationによって供給されるBrookhaven Model BI−90 Particle Sizerのような機器を用いて測定することができる。
【0045】
ポリマー組成物は水性媒体中に分散されたポリマー粒子を含む。水性媒体は水混和性共溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトンエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルおよびジアセトンアルコール;並びに水非混和性溶媒、例えば、プロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルイソアミルケトン、アミルアセテート、ジイソブチルケトン、キシレン、トルエン、ブタノール、およびミネラルスピリットを含む共溶媒を含有することができる。好ましくは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量を基準にして、0ないし20重量%の共溶媒、より好ましくは、0ないし10重量%の共溶媒、より好ましくは、0ないし8重量%の共溶媒を含む。ポリマー組成物は、湿潤ポリマー組成物の重量を基準にして、10ないし70重量%のポリマー粒子を伴って提供することができる。
【0046】
ポリマー粒子を含むポリマー組成物は懸濁もしくはエマルジョン重合技術によって調製することができる。重合は二段階もしくは多段階プロセスであり得る。二段階プロセスにおいては、少なくとも1種類のAN群モノマー、少なくとも1種類のコモノマー、並びに、任意に、少なくとも1種類の多エチレン性不飽和モノマー、および/もしくは少なくとも1種類のアニオン性モノマーを含む第1モノマー混合物を水性エマルジョン重合して第1ポリマーの粒子を形成することによって第1ポリマーを調製することができる。次に、少なくとも1種類のコモノマー、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、および少なくとも1種類の架橋性モノマーを含む第2モノマー混合物を第1ポリマー粒子の存在下で水性エマルジョン重合することによって第2ポリマーを調製する。
【0047】
エマルジョン重合の実施手順はD.C. Blackley, Emulsion Polymerization (Wiley, 1975)において詳細に考察されている。通常のエマルジョン重合技術をポリマー粒子の水性分散物としての本発明のポリマー組成物の調製に用いることができる。エマルジョン重合の実施手順はH. Warson, The Applications of Synthetic Resin Emulsions, Chapter 2 (Ernest Benn Ltd., London 1972)においても考察される。
【0048】
このようにして、エチレン性不飽和モノマーを安定化試薬、例えば、アニオン性もしくは非イオン性分散剤、別名、界面活性剤で、例えば、全モノマーの重量を基準にして、0.05ないし10重量%の分散剤を用いて、乳化することができる。アニオン性および非イオン性分散剤の組み合わせを用いることもできる。高分子量ポリマー、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびビニルアルコールを、高分子電解質、例えば、ポリアクリル酸を用いることができるように、エマルジョン安定化剤および保護コロイドとして用いることができる。酸性モノマー、特には、低分子量のもの、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸は水溶性であり、したがって、用いられる他のモノマーの乳化を補助する分散剤としての役割を果たすことができる。
【0049】
適切なアニオン性分散剤には、例えば、高級脂肪アルコールスルフェート、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム;アルキルアリールスルホネート、例えば、ナトリウムもしくはカリウムイソプロピルベンゼンスルホネートもしくはイソプロピルナフタレンスルホネート;アルカリ金属高級アルキルスルホスクシネート、例えば、ナトリウムオクチルスルホスクシネート、ナトリウムN−メチル−N−パルミトイラウレート、ナトリウムオレイルイソチオネート;アルキルアリールポリエトキシエタノールスルフェート、スルホネート、もしくはホスフェートのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、例えば、1ないし50のオキシエチレン単位を有するナトリウムtert−オクチルフェノキシポリエトキシエチルスルフェート;アルキルポリエトキシエタノールスルフェート、スルホネート、およびホスフェートのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩;並びにアリールポリエトキシエタノールスルフェート、スルホネート、およびホスフェートのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩が含まれる。
【0050】
適切な非イオン性分散剤には、約7ないし18個の炭素原子のアルキル基および約6ないし約60のオキシエチレン単位を有するアルキルフェノキシポリエトキシエタノール、例えば、ヘプチルフェノキシポリエトキシエタノール、メチルオクチルフェノキシポリエトキシエタノール;メチレン連結アルキルフェノールのポリエトキシエタノール誘導体;イオウ含有剤、例えば、約6ないし60モルのエチレンオキシドをノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタンと、もしくはアルキル基が6ないし16個の炭素原子を含むアルキルチオフェノールと縮合させることによって製造されるもの;長鎖カルボン酸のエチレンオキシド誘導体、例えば、分子あたり6ないし60のオキシエチレン単位を含む、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、もしくはトール油において見出されるもののような酸の混合物;長鎖アルコール、例えば、オクチル、ドデシル、ラウリル、もしくはセチルアルコールのエチレンオキシド縮合体アナログ、疎水性炭化水素鎖を有するエーテル化もしくはエステル化ポリヒドロキシ化合物のエチレンオキシド誘導体、例えば、6ないし60のオキシエチレン単位を含むソルビタンモノステアレート;1以上の疎水性プロピレンオキシド区画と組み合わされたエチレンオキシド区画のブロックコポリマーが含まれる。アルキルベンゼンスルホネートおよびエトキシル化アルキルフェノールの混合物を用いることができる。
【0051】
第1ポリマーもしくは第2ポリマーは、重合単位として、少なくとも1つの重合性エチレン性不飽和結合を有する共重合性界面活性剤を含むことができる。ポリマーと共重合することができる他のモノマー、例えば、米国特許出願公開2001/0031826(パラグラフ0001−0002)に記載されるポリアルキレンオキシド誘導(メタ)アクリレート型モノマーを用いることもできる。そのような物質、および同様に機能するものをここでは集合的に「重合性安定化試薬」と呼ぶ。
【0052】
好ましくは、ポリマー粒子を含むポリマー組成物は、ポリマー粒子の重量を基準にして、10重量%以下、より好ましくは、7.5重量%以下、最も好ましくは、5重量%以下の総レベルの界面活性剤を含む。より高レベルの界面活性剤を用いることもできるが、多くのコーティング用途において、界面活性剤はコーティング特性、例えば、耐湿性に悪影響を及ぼすことがある。
【0053】
フリーラジカル型の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウムもしくはカリウムを単独で、もしくはレドックス系の酸化成分として用いることができ、後者は還元成分、例えば、メタ重亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、もしくはホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウムをも含む。この還元成分は、しばしば、促進剤と呼ばれる。一般に触媒、触媒系もしくはレドックス系と呼ばれる開始剤および促進剤は、共重合させようとするモノマーの重量を基準にして、各々約0.01%以下ないし3%の割合で用いることができる。レドックス触媒系の例には、t−ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート/Fe(II)および過硫酸アンモニウム/亜硫酸ナトリウム/ナトリウムヒドロスルファイト/Fe(II)が含まれる。他の適切な開始剤にはアゾ化合物が含まれる。重合温度は10℃ないし90℃、もしくはそれを上回れるものであり得、従来通り、用いられる触媒系に合わせて最適化することができる。エマルジョン重合はシード化してもしなくてもよい。本発明の一態様においては、1種類以上のAN群モノマーがシード粒子中に存在し得る。
【0054】
連鎖移動剤、例えば、重合混合物中のメルカプタン、ポリメルカプタン、およびポリハロゲン化合物を用いて第1ポリマーもしくは第2ポリマーの分子量を適度にすることができる。用いることができる連鎖移動剤の例には、長鎖アルキルメルカプタン、例えば、t−ドデシルメルカプタン、アルコール、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、ラウリルアルコール、もしくはt−オクチルアルコール、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、およびトリクロロブロモエタンが含まれる。一般には、第1ポリマーもしくは第2ポリマー中の全モノマーの重量を基準にして、0.1ないし3重量%を用いることができる。その代わりに、開始剤レベルを高めることにより、もしくは開始剤レベルの増加および連鎖移動剤の組み合わせにより、適切な分子量を得ることもできる。
【0055】
第1ポリマーもしくは第2ポリマーを調製する重合プロセスは熱型であってもレドックス型であってもよい;すなわち、開始剤種の熱分のみによってフリーラジカルを生成させることができ、またはレドックス系を用いることができる。重合しようとするモノマーの全てもしくは一部を含むモノマーエマルジョンはモノマー、水、および界面活性剤を用いて調製することができる。水中に触媒を含む触媒溶液は別に調製することができる。モノマーエマルジョンおよび触媒溶液はエマルジョン重合の過程にわたって重合容器に同時供給することができる。反応容器それ自体は最初に水を収容しうる。反応容器は加えてシードエマルジョンを収容することもでき、さらに、重合触媒の初期投入物を加えて収容することができる。エマルジョン重合中の反応容器の温度は、冷却して重合反応によって生じる熱を除去することにより、または反応容器を加熱することにより制御することができる。幾つかのモノマーエマルジョンを反応容器に同時に供給することができる。複数のモノマーエマルジョンを同時供給するとき、それらは異なるモノマー組成のものであってもよい。異なるモノマーエマルジョンを同時供給するシークエンスおよび速度はエマルジョン重合プロセスの間に変化させることができる。反応容器の内容物のpHもエマルジョン重合プロセスの過程の間に変化させることができる。好ましくは、第1ポリマーもしくは第2ポリマーを調製するエマルジョン重合プロセスのpHは8未満、より好ましくは2−6の範囲である。
【0056】
他の成分を本発明のポリマー組成物に添加することができ、これには、限定されることなしに、他のポリマー、例えば、酢酸ビニルポリマー、スチレンブタジエンポリマー、アクリルコポリマー、および塩化ビニルコポリマー;界面活性剤;可塑剤;緩衝剤;中和剤;湿潤剤;ワックス;染料;真珠光沢剤(pearlescents);接着促進剤;粘着付与剤;分散剤;消泡剤;レベリング剤;光学的光沢剤(optical brighteners);紫外線安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤;造膜助剤;レオロジー改変剤もしくは増粘剤;保存剤;殺生物剤;および酸化防止剤が含まれる。
【0057】
加えて、ポリマー組成物は、ポリマー粒子のアセトアセトキシ−、アセトアセトアミド−、シアノアセトキシ−、もしくはシアノアセトアミド−基と反応性である架橋剤を含むことができる。架橋剤のタイプおよび架橋剤のレベルは、被膜を形成するポリマー組成物の能力が実質的に影響を受けないように選択される。適切な架橋剤には、例えば、多官能性アミン化合物、オリゴマー、および少なくとも2つのアミン基を有するポリマー、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,2−フェニルジアミン、ジアミノトルエン、ポリエチレンイミン、二官能性および三官能性Jeffamines(商標)硬化剤(Huntsman Petrochemical Corporation)、ジヒドラジン、並びにペンダントアミノ、ヒドラジドもしくはヒドラジン基を有する水性ポリウレタン分散体;アミノシランエポキシシラン、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルメチルジイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルメチルジイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジイソプロポキシシラン、およびN−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジイソプロポキシシラン;エポキシシラン、例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、もしくはベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;多官能性イソシアネート、例えば、Bayhydur(商標)XP−7063イソシアネート(Bayer);脂肪族カルボジイミド、例えば、Ucarlink(商標)XL−29SE架橋剤、もしくは米国特許第4,977,219号に開示されるもの;芳香族カルボジイミド、例えば、米国特許第5,574,083号に開示されるもの;二価金属イオン、例えば、Zn2+、Mg2+、Ca2+;並びにジルコン酸塩、例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウムが含まれる。好ましくは、ポリマー組成物において架橋剤として用いられる多官能性アミン化合物は一級アミン基である。ポリマー組成物における、一級アミン基を有する多官能性アミン化合物の好ましいレベルは、アセトアセトキシ−、アセトアセトアミド−、シアノアセトキシ−、シアノアセトアミド−基もしくはそれらの組み合わせあたり、0.1ないし1の一級アミン基である。好ましいアミノシランには、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および3−アミノプロピルメチルジメトキシシランが含まれる。
【0058】
本発明のポリマー組成物は、とりわけ、様々な種類の顔料が添加されたコーティング組成物を製造するのに用いることができる。本発明のコーティング組成物は1ないし85%の範囲、好ましくは、1ないし45%の範囲、より好ましくは、1ないし25%の範囲の顔料体積濃度で顔料を含む。顔料粒子の種の顔料体積濃度は、そのコーティング組成物から調製される乾燥コーティングの総体積を基準にして、その種の顔料粒子によって占められる体積のパーセンテージである。適切な顔料には、無機顔料、有機顔料、および充填剤、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、有機および無機着色顔料、アルミノシリケート、シリカ、および様々なクレーが含まれる。適切な有機顔料にはプラスチック顔料、例えば、固体ビーズ顔料および空隙もしくは小胞を含む微小球顔料、および無機顔料も含まれる。固体ビーズ顔料の例には、塩化ポリスチレンおよびポリ塩化ビニルビーズが含まれる。1以上の空隙を含むポリマー粒子および小胞化ポリマー粒子を含む微小球顔料の例は、米国特許第4,427,835号;米国特許第4,920,160号;米国特許第4,594,363号;米国特許第4,469,825号;米国特許第4,468,498号;米国特許第4,880,842号;米国特許第4,985,064号;米国特許第5,157,084号;米国特許第5,041,464号;米国特許第5,036,109号;米国特許第5,409,776号;および米国特許第5,510,422号に開示される。他の適切な顔料には、例えば、Expancel(商標)551 DE20、アクリロニトリル/塩化ビニル発泡粒子(Expancel Inc.、Duluth、Georgia);Sil−Cell(商標)35/34、ナトリウムカリウムアルミニウムシリケート粒子(Silbrico Corporation、Hodgkins、IL);Dualite(商標)27、CaCOでコートされた塩化ポリビニリデンコポリマー(Pierce and Stevens Corporation、Buffalo、NY);Fillitte(商標)150、セラミック球状粒子(Trelleborg Fillite Inc.、Norcross、GA);Microbeads(商標)4A、ソーダ石灰粒子(Cataphote Inc.);Sphericell(商標)、中空ガラス粒子(Potter Industries Inc.、Valley Forge、PA);Eccosphere(商標)、中空ガラス球(New Metals & Chemicals Ltd.、Essex、イギリス);Z−light(商標)Sphere W−1200、セラミック中空球(3M、St. Paul、MN.);Scotchlite(商標)K46、ガラス球(3M、St. Paul、MN.);Vistamer(商標)UH 1500、ポリエチレン粒子;およびVistamer(商標)HD 1800、ポリエチレン粒子(Fluoro−Seal Inc.、Houston、TX)が含まれる。
【0059】
揮発性有機化合物(VOC)をポリマーもしくはコーティング組成物に添加して被膜特性を改善するか、またはその組成物の適用特性を補助することができる。そのような化合物の例には溶媒および造膜助剤、例えば、グリコールエーテル、有機エステル、芳香族化合物、エチレンおよびプロピレングリコール、並びに脂肪族炭化水素が含まれる、揮発性有機化合物(VOC)は、ここでは、大気圧で280℃未満の沸点を有する炭素含有化合物と定義される。一態様において、本発明のポリマーもしくはコーティング組成物は低VOCポリマーもしくはコーティング組成物である。ここで用いられる場合、低VOCポリマーもしくはコーティング組成物は、乾燥ポリマーもしくはコーティング組成物の総重量を基準にして、0.01ないし6重量%未満のVOC、好ましくは、0.01ないし3重量%未満のVOC、より好ましくは、0.01ないし2重量%未満のVOCを含むポリマーもしくはコーティング組成物を指す。
【0060】
本発明のポリマーもしくはコーティング組成物は通常のコーティング塗布法、例えば、ブラッシング、ローリング、浸漬、および噴霧法を用いて基体上に塗布することができる。本発明のポリマーもしくはコーティング組成物を塗布することができる基体には、例えば、杉、松、チーク、オーク、楓、およびクルミを含むがこれらに限定されるものではない木材;中密度ファイバーボード、チップボード、積層体を含むがこれらに限定されるものではない加工木材;石造物、コンクリート、スタッコ、繊維、モルタル、セメント、セメントアスベスト、石膏、石膏版、艶出しおよび非艶出しセラミックを含むがこれらに限定されるものではない無機基体;亜鉛メッキ鉄、亜鉛メッキ鋼、冷間圧延鋼、Zincalum(商標)金属、Zincalum(商標)II金属、アルミニウム、鍛鉄、落とし鍛造鋼、およびステンレス鋼を含むがこれらに限定されるものではない金属;アクリルコーティング、ビニルアクリルコーティング、スチレンアクリルコーティング、粉末コート表面、溶媒アクリルコーティング、アルキド樹脂コーティング、溶媒ウレタンコーティング、およびエポキシコーティングを含むがこれらに限定されるものではない、事前に塗装もしくは下塗りされている(塗りたて、経年、もしくは風雨にされされた)表面;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、およびポリプロピレンを含むがこれらに限定されるものではない合成基体;アスファルト;セルロース基体、例えば、紙、ボール紙、壁紙、および壁板;ガラス;皮革;並びに織物および不織材料、例えば、布、羊毛、合成および天然繊維、およびテキスタイルが含まれる。ポリマーもしくはコーティング組成物は、例えば、木材コーティング、メンテナンスコーティング、内壁もしくは外壁コーティング、金属下塗りもしくはコーティング、トラフィックペイント、織物もしくは不織テキスタイル飽和剤もしくはコーティング、皮革コーティング、コイルコーティング、建築用コーティング、マスティックシーラント、コーク、ボードコーティング、紙コーティング、インク、オーバーコートワニス、床用コーティング、および接着剤として用いることができる。ポリマー組成物から調製されるコーティングは透明コーティング、平坦コーティング、サテンコーティング、半光沢コーティング、光沢コーティング、下塗り、テキスチャードコーティング等であり得る。
【0061】
ポリマーもしくはコーティング組成物を基体に塗布した後、ポリマーもしくはコーティング組成物は乾燥され、または乾燥させられて被膜を形成する。ポリマーもしくはコーティング組成物を乾燥させるのに熱を適用することができる。この被膜形成工程の後、ポリマー粒子を含む被膜は硬化され、または硬化させられて架橋被膜を形成する。ポリマー粒子に含まれる選択架橋性基の反応が架橋の形成を生じるものと信じられる。この硬化工程は、その架橋の程度が被膜形成を妨害しないという条件で、ポリマーもしくはコーティング組成物の乾燥中に開始することができる。有用な特性を得るための硬化は周囲温度、例えば、0℃ないし35℃で行うことができる。しかしながら、時折、塗布されたポリマーもしくはコーティング組成物を25℃ないし200℃の温度に加熱することによって特性発現の速度を加速することが望ましい。
【実施例】
【0062】
【表1】

【0063】
実施例1
モノマー混合物1を、76.4gの脱イオン水、16.5gの界面活性剤A、145.8gのBA、83.8gのMMA、131.2gのAN、1.8gのMAAおよび1.8gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを、402gの脱イオン水、113gの界面活性剤A、802gのBA、504.5gのMMA、17.5gのビニルトルエン、91gのAAEM、および43.7gのMAAから調製する。フラスコに1140.7gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を85℃で20分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を85℃で95分にわたって反応器に供給する。供給の完了時に反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0064】
実施例1についての比較例
モノマー混合物1を、76.4gの脱イオン水、16.5gの界面活性剤A、145.8gのBA、215.1gのMMA、1.8gのALMA、および1.8gのMAAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを402gの脱イオン水、113gの界面活性剤A、802gのBA、504.5gのMMA、17.5gのビニルトルエン、91gのAAEM、および43.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに、脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を20分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を80分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0065】
実施例2
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、134.7gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、593gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で40分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0066】
実施例2についての比較例
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、397.1gのMMA、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を60分にわたって反応器に供給し、温度を85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0067】
実施例3
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、131.2gのMMA、262.4gのAN、3.6gのMAA、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、579.7gのBA、399.2gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Aを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0068】
実施例3についての比較例
モノマー混合物1を、631.1gの脱イオン水、137gの界面活性剤A、1356gのBA、1631.1gのMMA、15.1gのMAAおよび15.1gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを1346.3gの脱イオン水、398.7gの界面活性剤A、2431.1gのBA、1649.7gのMMA、339gのAAEM、および135.6gのMAAから調製する。フラスコに4459.7gの脱イオン水および37.7gの界面活性剤Aを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水84.1g中に15.1gの過硫酸ナトリウムの溶液および436.5gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に6.9gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を60分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0069】
実施例4
モノマー混合物1を、76.4gの脱イオン水、16.5gの界面活性剤A、164.1gのBA、65.6gのMMA、131.2gのAN、1.8gのALMA、および1.8gのMAAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを402gの脱イオン水、113gの界面活性剤A、802gのBA、504.5gのMMA、91gのAAEM、17.5gのビニルトルエン、および43.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を15分にわたって反応器に供給する。脱イオン水95.2g中に1.8gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を80分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0070】
実施例4についての比較例
モノマー混合物1を、84.1gの脱イオン水、18.2gの界面活性剤A、180.7gのBA、216.8gのMMA、2gのALMA、および2gのMAAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを442.6gの脱イオン水、124.4gの界面活性剤A、882.2gのBA、554.8gのMMA、19.3gのビニルトルエン、100.4gのAAEM、および48.2gのMAAから調製する。フラスコに1418gの脱イオン水および10gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水22.4g中に4gの過硫酸ナトリウムの溶液および113gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.8gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を95分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0071】
実施例5
モノマー混合物1を、110gの脱イオン水、26gの界面活性剤A、246.1gのBA、79.3gのMMA、218.7gのAN、および2.7gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを380gの脱イオン水、103gの界面活性剤A、701.7gのBA、454.2gのMMA、82gのAAEM、および38.3gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を80℃で40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を75分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0072】
実施例5についての比較例
モノマー混合物1を、110gの脱イオン水、26gの界面活性剤A、246.1gのBA、295.3gのMMA、2.7gのALMA、および2.7gのMAAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを380gの脱イオン水、103gの界面活性剤A、701.7gのBA、429.9gのMMA、15.3gのビニルトルエン、91gのAAEM、および38.3gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を35分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を70分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0073】
実施例6
モノマー混合物1を、76.4gの脱イオン水、16.5gの界面活性剤A、164.1gのBA、131.2gのAN、65.6gのMMA、1.8gのMAAおよび1.8gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを402gの脱イオン水、113gの界面活性剤A、772.8gのBA、551.4gのMMA、91gのAAEM、および43.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を15分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.8gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を105分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0074】
実施例6についての比較例
モノマー混合物1を、76.4gの脱イオン水、16.5gの界面活性剤A、164.1gのBA、196.8gのMMA、1.8gのALMA、および1.8gのMAAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを402gの脱イオン水、113gの界面活性剤A、772.8gのBA、533.7gのMMA、91gのAAEM、17.5gのビニルトルエン、および43.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を20分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.8gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0075】
実施例7
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、262.4gのAN、134.8gのMMA、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、553.4gのBA、336.4gのMMA、162.7gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0076】
実施例7についての比較例
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、322.3gのBA、387.7gのMMA、3.6gのALMA、および3.6gのMAAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、556.2gのBA、315.8gのMMA、17.2gのビニルトルエン、161.2gのAAEM、および32.2gのMAAから調製する。フラスコに1103gの脱イオン水および9gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および103.7gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水85g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を60分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0077】
実施例8
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、251.4gのMMA、145.7gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.5gの界面活性剤A、557.8gのBA、421.1gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Aを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0078】
実施例9
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、364.4gのBA、156.7gのMMA、204.1gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.5gの界面活性剤A、557.8gのBA、421.1gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Aを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0079】
実施例10
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、193.1.4gのMMA、204.1gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.5gの界面活性剤A、557.8gのBA、421.1gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Aを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0080】
実施例11
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、400.8gのBA、61.9gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給し、温度を85℃に上昇させる。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0081】
実施例12
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、400.8gのBA、61.9gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、623.3gのBA、355.4gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給し、温度を85℃に上昇させる。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0082】
実施例13
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、400.8gのBA、61.9gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、298.3gのMMA、164gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を45分にわたって反応器に供給し、温度を85℃に上昇させる。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0083】
実施例14
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、134.7gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、623.3gのBA、355.4gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を80℃で40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0084】
実施例15
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、131.2gのMMA、262.4gのAN、および13.3gの(55%)ジビニルベンゼンを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を60分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0085】
実施例16
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、138.4gのMMA、262.4gのANを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を80℃で45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0086】
実施例17
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、134.7gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、382.8gのBA、596gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を80℃で40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0087】
実施例18
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、134.7gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、492.1gのBA、486.6gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を80℃で40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0088】
実施例19
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、287gのBA、92.5gのMMA、255.2gのAN、および3.2gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、651.6gのBA、415.8gのMMA、82gのAAEM、および35.5gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で80℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を80℃で35分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を65分にわたって反応器に供給する。温度を段階2にわたって85℃に上昇させる。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0089】
実施例20
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gのBA、131.2gのMMA、262.4gのAN、および7.3gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を85℃で40分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を85℃で65分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0090】
実施例21
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、328gの2−エチルヘキシルアクリレート、134.7gのMMA、262.4gのAN、および3.6gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、601.5gのBA、377.3gのMMA、82gのAAEM、および32.8gのMAAから調製する。フラスコに1090gの脱イオン水および20gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を85℃で45分にわたって反応器に供給する。脱イオン水120g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を85℃で65分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0091】
実施例22
モノマー混合物1を、150gの脱イオン水、32.6gの界面活性剤A、287gのBA、54.2gのMMA、63.8gのスチレン、229.6gのAN、および3.2gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを320gの脱イオン水、94.8gの界面活性剤A、660gのBA、415.8gのMMA、82gのAAEM、および35.5gのMAAから調製する。フラスコに1140.7gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Bを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液、脱イオン水50g中に5.7gの重炭酸カリウム、および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を85℃で36分にわたって反応器に供給する。脱イオン水85g中に1.7gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を85℃で90分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を15分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0092】
実施例23
モノマー混合物1を、110gの脱イオン水、26gの界面活性剤A、218.7gのBA、128.5gのMMA、196.9gのAN、および2.7gのALMAを混合することによって調製する。第2モノマーエマルジョンを380gの脱イオン水、103gの界面活性剤A、702.1gのBA、445.5gのMMA、91gのAAEM、および38.3gのMAAから調製する。フラスコに1141gの脱イオン水および9.1gの界面活性剤Aを投入した後、窒素パージの下で85℃にする。次に、そのフラスコに脱イオン水20.3g中に3.6gの過硫酸ナトリウムの溶液および102.6gのモノマー混合物1を投入する。10分後、残りのモノマーエマルジョン1を35分にわたって反応器に供給する。脱イオン水86.5g中に1.6gの過硫酸ナトリウムの混合物をモノマーエマルジョン1および2と同時に反応器に添加する。モノマーエマルジョン1の添加の完了時に反応をその温度で15分間保持する。続いて、モノマーエマルジョン2を95分にわたって反応器に供給する。供給の完了時、反応器を攪拌した後、冷却する。65℃で、25.5gのMMAおよび10.9gのジビニルベンゼン(80%)の混合物を全て一度にケトルに添加する。7.33gの硫酸第一鉄七水和物の溶液(1%)および1.1gの1%エチレンジアミンテトラ酢酸、ナトリウム塩を反応器に添加する。水11.2g中に1gのt−ブチルヒドロペルオキシド(70%)の溶液、次いで水16.8g中に0.7gのエリソルビン酸の溶液を添加する。反応物を10分間攪拌した後、冷却する。50℃で、そのラテックスに28%水酸化アンモニウム溶液を投入してpHをpH=9.0に上昇させ、〜45%固形分に希釈するのに十分な水を添加した後、濾過して凝塊を除去する。
【0093】
コーティング組成物の調製
あらかじめ分散された二酸化チタンスラリーを用い、表1における成分を組み合わせることにより、コーティング組成物を調製する。
【0094】
【表2】

【0095】
コーティング組成物、塗料1−23は、上記手順に従い、実施例1のポリマー組成物を(固体を基準にして)等量の実施例1−23のポリマー組成物に置き換えることによって調製される。比較コーティング組成物、塗料比較1Aないし比較7Aも、上記手順に従い、実施例1のポリマー組成物を(固体を基準にして)等量のそれぞれの比較ポリマー組成物と置き換えることによって調製される。
【0096】
コート済み基体の調製および評価 − 低温被膜形成(LTFF):
基体、コーティング組成物、および他の試験材料を、コーティングに先立って少なくとも1時間、4.4℃(40°F)および相対湿度40%の試験条件で平衡化する。コーティング組成物を、10ミルのパス深さを有する側部を用いる2−パス「Straddle」湿潤被膜塗布機を用いて、Leneta、Form IB、Penopacチャート上に塗布する。塗布したコーティング組成物を試験条件で16時間乾燥させる。その後、低温被膜形成を、クラック形成について乾燥コーティング組成物を検査することによって評価する。
【0097】
クラック形成の程度は、10倍拡大鏡を用い、以下の評定スケールに従って特徴付ける。8以上の評点を有するコーティングが、許容し得る低温被膜形成を有するものとみなされる。
10=なし
9=痕跡
8=痕跡/僅か
7=僅か
6=僅か/中程度
5=中程度
4=中程度/重度
3=重度
2=重度/非常に重度
1=非常に重度
【0098】
コート済み基体の調製および評価 − 皮膜汚れ捕捉耐性(DPUR):
コーティング組成物を、アルコール洗浄されたミル仕上げのアルミニウムQ−パネルに、7ミルのパス深さを有する側部を用いる8−パス湿潤被膜塗布機で塗布する。このコーティングを25℃(77°F)で7日間乾燥させる。次に、褐色酸化鉄のスラリーを各々のパネル上にブラシにより、均一な塗布速度を維持するように試みながら、コートする。スラリーをパネル上で16時間乾燥させた後、この手順によってはスラリーをそれ以上容易に除去することができないことが明らかとなるまで(〜15秒)、冷水道水の下でチーズクロスを用いて穏やかにこする。この洗浄手順の完了後、パネルを少なくとも1時間放置して乾燥させる。汚れのないコーティングに対するデルタEをHunterLab Miniscan XE Plus比色計(反射除去45/0)を用いて測定することにより汚れ捕捉耐性を評価する。より小さい数値は色の変化が少ないこと、したがって、より良好な汚れ捕捉耐性を示す。15以下のデルタE値を汚れ捕捉(DPU)耐性の許容し得るレベルとみなす。
【0099】
油に曝露されたコーティングについての汚れ捕捉耐性、DPUR Oilは、幾つかのコーティングが油性物質に曝露された後に特に変色する傾向があることを考慮する別の産業用尺度である。この試験は以下の修正を加えて上のように行う:(上のように)パネルをコートして7日間乾燥させた後、Lubriderm(商標)ハンドローションの層を(厚く)刷毛塗りし、16時間放置する。その後、ローションを拭い去り、乾燥した布でバフ処理洗浄する(水の適用なし)。その直後に褐色酸化鉄スラリーを塗布し、試験手順は上述の通りである。
【0100】
DPU Oilの場合、20以下のデルタEが許容し得るレベルの耐性を表す。
【0101】
【表3】

【0102】
これらの結果は、本発明のポリマー組成物から調製されるコーティング組成物が、ほとんどの場合において、低温被膜形成もしくは汚れ捕捉耐性のいずれかに対する利点を示すことを示す。幾つかの例は両特性に対する利点を示す。対照的に、比較例のポリマー組成物を用いて調製されるコーティングは、一般には、低温被膜形成および/もしくは汚れ捕捉耐性に劣っていた。両特性が同時に改善されることは、汚れ捕捉に対する耐性によって測定される被膜硬度を維持しながら、低い共溶媒要求の必要性を満たすようにコーティング組成物を開発する上で非常に重要なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性媒体中に分散されているポリマー粒子を含むポリマー組成物であって、ポリマー粒子が、該ポリマー粒子の重量を基準にして:
(a)20ないし70重量%の第1ポリマーであって、−30℃ないし100℃のTを有し、かつ重合単位として、第1ポリマーの重量を基準にして
i)15ないし50重量%の、1種類以上の、次のモノマー:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルベンゾニトリルおよびその異性体、シアノアクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルファ−シアノスチレンおよび他の多シアン化スチレン系化合物、および
ii)50ないし85重量%の1種類以上のエチレン性不飽和コモノマー、
を含む第1ポリマー、並びに
(b)30ないし80重量%の第2ポリマーであって、−10℃ないし18℃のTを有し、かつ重合単位として、第2ポリマーの重量を基準にして:
i)70ないし98.5重量%の1種類以上のエチレン性不飽和コモノマー、
ii)0.5ないし10重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、および
iii)1ないし20重量%の、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート、およびビニルアセトアセテート;アセトアセトアミドエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトアミドプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトアミドブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(アセトアセトアミド)プロピル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセトアミド、およびビニルアセトアセトアミド;シアノアセトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、シアノアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(シアノアセトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、アリルシアノアセテート、およびビニルシアノアセテート;シアノアセトアミドエチル(メタ)アクリレート、シアノアセトアミドプロピル(メタ)アクリレート、シアノアセトアミドブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジ(シアノアセトアミド)プロピル(メタ)アクリレート、アリルシアノアセトアミド、およびビニルシアノアセトアミドからなる群より選択される1種類以上のモノマー、
を含む第2ポリマー、を含有するポリマー組成物。
【請求項2】
第1ポリマーが、第1ポリマーの重量を基準にして、0.1ないし10重量%の1種類以上の多エチレン性不飽和モノマーをさらに含む請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項3】
(a)第1ポリマーが0.5ないし5重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性安定化試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項4】
(a)第1ポリマーが0.5ないし5重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性安定化試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、請求項2記載のポリマー組成物。
【請求項5】
(a)第2ポリマーが、第2ポリマーの重量を基準にして、0.5ないし10重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性安定化試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項6】
(a)第2ポリマーが、第2ポリマーの重量を基準にして、0.5ないし10重量%の1種類以上の酸官能性もしくはアニオン性モノマー、または重合性安定化試薬をさらに含むか;あるいは(b)ポリマー組成物が安定化試薬を含む、請求項2記載のポリマー組成物。
【請求項7】
第2ポリマーが−10℃ないし15℃の範囲のTを有する請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項8】
最低造膜温度が30℃以下である請求項1記載のポリマー組成物。
【請求項9】
請求項1記載のポリマー組成物を含むコーティング組成物であって、1種類以上の顔料を含み、1ないし45%の顔料体積濃度を有するコーティング組成物。
【請求項10】
乾燥ポリマー組成物の重量を基準にして0.01ないし6重量%未満の揮発性有機化合物を含む請求項8記載のコーティング組成物。
【請求項11】
第2ポリマーが−10℃ないし15℃の範囲のTを有する請求項8記載のコーティング組成物。
【請求項12】
最低造膜温度が30℃以下である請求項8記載のコーティング組成物。

【公開番号】特開2007−169630(P2007−169630A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−334142(P2006−334142)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】