説明

ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレン含量を減少させる方法、および前記方法により得られる熱可塑性樹脂を含む物品

ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製し、前記均質配合物をスチームストリッピングすることによって製造することができ、ここで前記溶融混練工程は、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時という特定のエネルギー消費量で行われる。本発明の方法により、最終配合物のスチレンモノマー含量を最小限に抑えつつ均質樹脂配合物を作製することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポリ(アリーレンエーテル)樹脂とポリスチレン樹脂との熱可塑性配合物は現在、大量に製造されており、剛性、衝撃強さ、引張強度、および耐熱性を含めた種々の特性のバランスの点で高く評価されている。該配合物の特性の幾つかは、どちらか一方の成分樹脂単独の場合の特性より優れていることがある。例えば、Cizekによる米国特許第3,383,435号を参照。該特許は、配合物の曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、引張強度、衝撃強さ、および硬度の値が成分樹脂に対する対応する値より優れている、ということを実証している。
【0002】
熱可塑性樹脂に対する可能な多くの製品用途では、樹脂にいかなる不快臭もないことが要求される。ポリ(アリーレンエーテル)樹脂に関連した臭気成分を減少させるために、多大の努力が費やされてきた。ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、一般には、悪臭を放つ有機アミンの存在下で合成され、このようなアミンを組み込んで、あとになって遊離することがある。したがって、ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の臭気を減らそうとする1つの取り組みは、押出工程時における揮発性成分の除去に重点を置いている。例えば、Newmarkによる米国特許第3,633,880号は、樹脂の圧縮と減圧を交互に行い、これによって揮発性成分を遊離させるための構成要素、および揮発性成分を除去するための複数の真空穴、を含む押出機を開示している。他の例として、Ribbingらによる米国特許第4,746,482号は、ポリフェニレンエーテル樹脂を減圧下で溶融混練してから他の樹脂と混合する、という押出プロセスを開示している。
【0003】
ポリ(アリーレンエーテル)樹脂における臭気の他の源は、フェノールモノマー[酸化重合されてポリ(アリーレンエーテル)を生成する]中の不純物である。2,6-ジメチルフェノールモノマー中の悪臭放出不純物(例えば2,4,6-トリメチルアニソール)は、Ingelbrechtによる米国特許出願公開第US2004-0211657A1号に記載の、特定の蒸留法を使用して実質的に減少させることができる。これとは別に、ポリ(アリーレンエーテル)プロセスの再利用溶媒中へのこうした不純物の蓄積は、Baneviciusによる米国特許第4,906,700号に記載の溶媒精製法によって減少させることができる。
【0004】
ポリ(アリーレンエーテル)樹脂およびポリ(アリーレンエーテル)樹脂とポリスチレンとの配合物の臭気を減らすことに対するさらに他のアプローチは、押出樹脂の臭気を少なくする物質を押出プロセスに加えることである。例えば、Boppによる米国特許第5,017,656号は、押出工程時にカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を加えることを開示している。該特許においては、押出ペレットが臭気に関して主観的に等級付けされたが、個別の臭気成分に対する化学分析は報告されなかった。他の例として、Boppらによるヨーロッパ特許第480,244B1号は、押出工程時にカルボン酸またはカルボン酸無水物を加えることと、樹脂を”スチームストリッピングする”(すなわち、押出機に水を加え、生成する水蒸気を排出する)ことを組み合わせることを開示している。該特許は特に、樹脂中のブタナール不純物のレベルを低下させることに関するものであった。さらに他の例として、Kasaharaらによる米国特許第4,369,278号は、ポリフェニレンエーテルとゴム改質ポリスチレンとの配合物を真空穴を有する押出機中にて押出しすること、そして必要に応じて熱分解抑制剤(例えば、ヒンダードフェノールやホスファイト化合物)および/または水を押出機に加えること、を開示している。Kasaharaらの特許の実施例は、樹脂配合物中の揮発性物質の総含量を2500ppmという低レベルにまで減少させることができる、ということを示している。
【0005】
自動車用内装品のためのパネルのような美的要求の厳しい市場に応えるべく、ポリ(アリーレンエーテル)樹脂とポリスチレン樹脂との配合物中の揮発性物質のレベルをさらに低下させる方法が依然として求められている。特に、得られる配合物中のスチレンのレベルを低下させるような、これらの樹脂を配合する方法が求められている。
【発明の開示】
【0006】
上記の欠点および他の欠点は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;を含み、ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含む、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法によって改善される。
【0007】
上記方法によって製造される樹脂組成物およびこうした樹脂を含む物品を含めて、他の実施態様を以下に詳細に説明する。
(発明の詳細な説明)
1つの実施態様は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;を含み、ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含む、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法である。本発明者らは、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物の臭気を減少させる方法について広範囲の研究を行った。本研究を進めていく過程において、配合物のポリ(アリーレンエーテル)成分からの臭気を減少させるとされている幾つかの方法が、実際には、最終配合物中のスチレンとトルエンの量を増大させている、ということが観察された。したがって、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物に対して公知の臭気減少法を組み合わせると、最終配合物のスチレン含量に対して予測可能な効果をもたらさないことがしばしばある、ということが明らかになった。特に、公知の臭気減少法を組み合わせると、配合物中のスチレンのレベルがしばしば増大する。押出機の構造と押出条件における多くのバリエーションを含む広範囲の研究を行った後、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンの溶融混練を、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時という特定のエネルギー消費量で行えば、最終配合物中のスチレンとトルエンのレベルを実質的に低下させることができる、ということが明らかになった。
【0008】
本発明の方法は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練することを含む。ポリ(アリーレンエーテル)は、式
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、それぞれの構造単位に関して、各Z1は独立して、ハロゲン、第一級もしくは第二級C1-C12アルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシ、または少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔離しているC1-C12ハロヒドロカルビルオキシであり;各Z2は独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級C1-C12アルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシ、または少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔離しているC1-C12ハロヒドロカルビルオキシである)で示される反復構造単位を含んでよい。1つの実施態様においては、各Z1がメチルであり、各Z2が水素またはメチルである。他の実施態様においては、ポリ(アリーレンエーテル)が、2,6-ジメチルフェノールのホモポリマー[すなわち、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)]、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマー[すなわち、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル-コ-2,3,6-トリメチル-1,4-フェニレンエーテル)]、またはこれらの組み合わせを含む。
【0011】
ポリ(アリーレンエーテル)は、アミノアルキル含有末端基(一般には、ヒドロキシル基に対してオルト位に位置している)を有する分子を含んでよい。さらに、テトラメチルジフェノキノン(TMDQ)末端基(一般には、テトラメチルジフェノキノン副生物が存在する反応混合物から得られる)も存在することが多い。ポリ(アリーレンエーテル)は、ホモポリマー;コポリマー;グラフトコポリマー;イオノマー;ブロックコポリマー;または前記物質の少なくとも1種を含む組み合わせ;の形態をとってよい。
【0012】
ポリ(アリーレンエーテル)は、3,000〜40,000g/モルの数平均分子量と5,000〜80,000g/モルの重量平均分子量(単分散ポリスチレン標準、40℃でのスチレンジビニルベンゼンのゲル、およびクロロホルム1ml当たり1mgの濃度を有するサンプルを使用して、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定)を有することができる。ポリ(アリーレンエーテル)は、0.08〜0.60デシリットル/グラム(dl/g)の初期固有粘度(25℃にてクロロホルム中で測定)を有する。初期固有粘度は、組成物における他の成分と配合する前のポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度であると定義される。ポリ(アリーレンエーテル)の粘度は、配合工程後に最大で30%高くなってよい。種々の異なる固有粘度を有するポリ(アリーレンエーテル)樹脂の配合物を使用することができる。
【0013】
本発明の方法において使用されるポリスチレンは、一般には、スチレンから誘導される反復構造単位を含むポリマーである。1つの実施態様においては、ポリスチレンは、スチレンから誘導される反復構造単位を少なくとも80重量%含む。ポリスチレンのスチレン含量は、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または少なくとも約98重量%であってよい。スチレン含量は100%であってよい(すなわち、ポリスチレンはホモポリスチレンであってよい)。ポリスチレンが、スチレンから誘導される反復構造単位を100%未満にて含むとき、ポリスチレンは、スチレンと少なくとも1種の他の共重合可能なモノマー[例えば、他のアルケニル芳香族モノマー(例えば、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、またはジビニルベンゼン)、アクリロニトリル、共役ジエン(例えば、ブタジエンやイソプレン)、または無水マレイン酸]とのランダムコポリマー、ブロックコポリマー、またはグラフトコポリマーであってよい。1つの実施態様においては、共役ジエンは、ブロックコポリマーを形成させるための共重合可能なモノマーとして使用される。この実施態様では、共役ジエンから誘導されるポリスチレンの部分は、必要に応じて、部分的または完全に水素化することができる。さらに、共役ジエンが共重合可能なモノマーとして使用されるとき、ポリスチレンは、スチレンから誘導される反復構造単位を約20〜約90重量%、および共役ジエンから誘導される反復構造単位を約10〜約80重量%含んでよい。"ブロックコポリマー”という用語は、ジブロック構造体、トリブロック構造体、テトラブロック構造体、およびペンタブロック構造体のほかに、ポリスチレンとポリ(共役ジエン)とが合わさったたブロックにて6以上のブロックを含有する線状構造体も含むと理解すべきである。ポリスチレンの立体規則性は、アタクチックであっても、シンジオタクチックであっても、あるいはアイソタクチックであってもよい。1つの実施態様においては、ポリスチレンは非晶質ポリスチレン(すなわち、結晶質でも半結晶質でもない)である。1つの実施態様においては、ポリスチレンはアタクチックホモポリスチレンを含む。1つの実施態様においては、ポリスチレンは、アタクチックホモポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、スチレンと共役ジエンとのブロックコポリマー、およびスチレンと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー等、ならびにこれらの組み合わせから選択される。ゴム改質ポリスチレンは、ゴム改質剤とホモポリスチレンとの配合物および/またはグラフト物である。好ましいゴム改質ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレンまたはHIPSとしても知られている)は、約88〜約94重量%のポリスチレンと約6〜約12重量%のポリブタジエンを含んでよく、このとき効果的なゲル含量は約10%〜約35%である。これらのゴム改質ポリスチレンは、例えば、ゼネラルエレクトリック社からGEH 1897として、そしてシェブロン社からBA 5350として市販されている。
【0014】
ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンは、約1:99〜約99:1の重量比にて溶融ブレンドすることができる。この範囲内にて、重量比は、少なくとも約5:95、少なくとも約10:90、または少なくとも約20:80であってよい。さらにこの範囲内にて、重量比は、最大で約95:5、最大で約90:10、または最大で約80:20であってよい。
【0015】
本発明の方法において使用されるカルボン酸化合物は、カルボン酸またはカルボン酸無水物である。一般には、カルボン酸化合物は、C1-C20カルボン酸、C2-C20カルボン酸無水物、またはこれらの組み合わせである。カルボン酸化合物は、1つ、2つ、3つ、もしくはそれ以上のカルボン酸基[-C(O)OH]またはカルボン酸無水物基[-C(O)-O-C(O)-]を含んでよい。適切なカルボン酸化合物としては、1つのカルボン酸基もしくはカルボン酸無水物基を有する化合物(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、o-ブロモ安息香酸、m-ブロモ安息香酸、p-ブロモ安息香酸、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、o-メトキシ安息香酸、m-メトキシ安息香酸、p-メトキシ安息香酸、メチル酪酸、ジメチルバレリアン酸、フェニル酪酸、クロロメチル酪酸、ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)、ジニトロ安息香酸、メチルブタン酸、フェニルプロパン酸、クロロフェニルブタン酸、およびブテン酸等、ならびに前記酸の水和物、前記酸の無水物、ならびにこれらの組み合わせ)がある。本明細書中で使用している”前記酸の無水物”という用語は、対称酸無水物と非対称酸無水物を含む。適切なカルボン酸化合物はさらに、2つ以上のカルボン酸基もしくはカルボン酸無水物基を有する化合物(例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ブロモグルタル酸、ジメチルグルタル酸、シトラコン酸、クエン酸、およびイタコン酸等、ならびに前記酸の水和物、前記酸の無水物、ならびにこれらの組み合わせ)がある。
【0016】
1つの実施態様においては、カルボン酸化合物は、アジピン酸、グルタル酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、およびクエン酸等、ならびに前記酸の水和物、前記酸の無水物、ならびにこれらの組み合わせから選択される。1つの実施態様においては、カルボン酸化合物はクエン酸を含む。
【0017】
1つの実施態様においては、カルボン酸化合物は、溶融混練工程にストレートで供給される。例えば、カルボン酸化合物が25℃および1気圧にて固体であるとき、カルボン酸化合物は、配合装置(例えば押出機)に固体として加えることができる。他の実施態様においては、カルボン酸化合物は、溶融混練工程に水溶液として供給される。この実施態様においては、水溶液は、約5〜約80重量%のカルボン酸化合物を含む液体水溶液であってよい。この範囲内にて、カルボン酸化合物の量は、少なくとも約20重量%であってよい。
【0018】
カルボン酸化合物は、一般には、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの合計100重量部当たり約0.1〜約10重量部の量にて使用される。この範囲内にて、カルボン酸化合物の量は、少なくとも約0.2重量部、または少なくとも約0.5重量部であってよい。さらにこの範囲内にて、カルボン酸化合物の量は、最大で約5重量部、または最大で約2重量部であってよい。
【0019】
カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンの溶融混練は、均質配合物を作製できるいかなる熱可塑性樹脂溶融ブレンド法によっても行うことができる。溶融混練によって熱可塑性配合物を製造するのに適した装置としては、例えば、二本ロール機、バンバリーミキサー、一軸スクリュー押出機、および二軸スクリュー押出機がある。1つの実施態様においては、溶融混練は、二軸スクリュー押出機を使用することを含む。
【0020】
本発明の方法は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンをいろいろな順序で溶融混練装置に加えることができる。1つの実施態様においては、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを全て、同じ上流位置にて(例えば供給口にて)溶融混練装置に加える。本実施態様が図1に示されており、ここでポリ(アリーレンエーテル)を”PPE”と略記し、ポリスチレンを”PS”と略記し、そしてカルボン酸化合物を”CA”と略記している。他の実施態様(図2に示す)においては、ポリ(アリーレンエーテル)を上流で加え、ポリスチレンとカルボン酸化合物を下流で加えている。例えば、ポリスチレンの上流添加、およびポリ(アリーレンエーテル)とカルボン酸化合物の下流添加;ポリスチレンとポリ(アリーレンエーテル)の上流添加、およびカルボン酸化合物の下流添加;カルボン酸化合物の上流添加、およびポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンの下流添加;ポリスチレンとカルボン酸化合物の上流添加、およびポリ(アリーレンエーテル)の下流添加;ポリ(アリーレンエーテル)の上流添加、ポリスチレンの下流添加、およびカルボン酸化合物のさらなる下流添加;ならびに、ポリスチレンとカルボン酸化合物の上流添加、およびポリ(アリーレンエーテル)の下流添加;を含めた他の添加順序も可能である。さらに、1種以上の成分の添加を、押出機の異なった位置間にて分けることも可能である。
【0021】
図1と2でのスクリュー要素の標識において、”SF”は、単式ねじ山スクリュー要素(sngle flighted element)を表わしており、”UB”は、単式ねじ山スクリュー要素と複式ねじ山スクリュー要素(multiflighted element)との間の変わり目を表わしており、”RKB”は、右回りの混練ブロックを表わしており、そして”LKB”は、左回りの混練ブロックを表わしている。文字標識の付いていない要素は搬送要素である。標識付きの各要素は、上記の3文字頭字語に従った1ナンバー表示もしくは2ナンバー表示を含む。混練要素(すなわち、”RKB”要素と”LKB”要素)に関して、単独の数字は、ミリメートル表示での要素の全長である。スクリュー要素(すなわち、”SF”要素と”UB”要素)と搬送要素に関して、第1の数字はピッチ(すなわち、完全に1回転するために、ねじ山に対して必要とされるミリメートル表示での軸方向長さ)であり、第2の数字は、ミリメートル表示でのスクリュー要素の全長である。どちらの図面も、スクリューの直径は58ミリメートルである。スクリュー要素の上の番号付けセクションは、バレル数として知られている。
【0022】
本発明の方法は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンから作製される均質配合物をスチームストリッピングすることを含む。熱可塑性樹脂のスチームストリッピングは、溶融混練時に樹脂中に水を注入すること、および得られる水/樹脂混合物を減圧にてガス抜きすることを含む。水の注入は、樹脂を溶融した後にて、減圧ガス抜きの前に行うことができる。図1に示す実施態様においては、水の注入は、例えばバレル5の中央部にて行うことができる。図2に示す実施態様においては、水の注入は、例えばバレル6の中央部にて行うことができる。スチームストリッピングのために均質配合物に注入される水の量は、一般には、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンの合計100重量部を基準として約0.1〜約10重量部である。この範囲内にて、注入する水の量は、少なくとも約0.5重量部、または少なくとも約1重量部であってよい。さらにこの範囲内にて、注入する水の量は、最大で約5重量部、または最大で約2重量部であってよい。
【0023】
前述したように、スチームストリッピングは、得られる水/樹脂混合物を減圧にてガス抜きすることを含む。減圧ガス抜きは、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとカルボン酸化合物との溶融混練より下流にて、かつ、水の注入より下流にて行うのが好ましい。例えば、図1においては、減圧ガス抜きは、バレル1でのポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとカルボン酸化合物の添加より下流にて、バレル4と5での溶融混練ブロックより下流にて、そしてバレル5での水の注入より下流にて、バレル6において行われる。他の例として、図2においては、減圧ガス抜きは、バレル1でのポリ(アリーレンエーテル)の添加より下流にて、バレル3と4における溶融混練ブロックより下流にて、バレル5でのポリスチレンとカルボン酸化合物の添加より下流にて、バレル6における溶融混練ブロックより下流にて、そしてバレル6での水の注入より下流にて、バレル7において行われる。必要に応じて、1つ以上の真空穴を、水の添加より上流にて使用することができる。
【0024】
減圧ガス抜きは、スチームストリッピングのために加えられた水のほとんどを除去するのが好ましい。水は、約1〜約80キロパスカルの絶対圧力にて、ベントから組成物をガス抜きすることによって除去することができる。この範囲内にて、ガス抜き圧力は、少なくとも約5キロパスカル、または少なくとも約15キロパスカルであってよい。さらにこの範囲内にて、ガス抜き圧力は、最大で約70キロパスカル、または最大で約50キロパスカルであってよい。注入する水の量、押出機のバレル温度、および真空穴の圧力を含めた種々の変数に応じて、押出後の組成物は、組成物の総重量を基準として約0.01〜約1重量%の残留水濃度を含んでよい。この範囲内にて、残留水濃度は少なくとも約0.1重量%であってよい。さらにこの範囲内にて、残留水濃度は約0.5重量%未満であってよい。
【0025】
本発明の方法は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時(kW-h/kg)という特定のエネルギー消費量で溶融混練することを含む。”特定のエネルギー消費量”という用語は、押出機を通る樹脂の単位量を処理するのに必要なエネルギー量(すなわち、押出機からの単位押出量当たりの押出機によって消費されるエネルギー)と定義される。特定のエネルギー消費量は、押出機の駆動モーターによって消費される電力を、押出物の全質量流量で除することによって求めることができる。上記の範囲内にて、特定のエネルギー消費量は、最大で約0.2kW-h/kg、または最大で約0.18kW-h/kg、または最大で約0.15kW-h/kgであってよい。上記範囲での特定のエネルギー消費量を使用することによって、均質に配合された樹脂組成物を得ることができて、しかもポリスチレンの分解を最小限に抑えることができ、したがってスチレンと他のポリスチレン分解生成物(例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンダイマー、およびスチレントリマーを含む)の濃度を最小限に抑えることができる。
【0026】
1つの実施態様においては、溶融混練が押出機中で行われ、ポリスチレンは、押出機中にて約2〜約60秒の滞留時間を有する。この範囲内にて、ポリスチレンの滞留時間は、最大で約30秒、または最大で約15秒、または最大で約10秒、または最大で約5秒であってよい。ポリスチレンの滞留時間は、例えば、スクリューの回転速度を増大させることによって、下流の供給口を介してポリスチレンを加えることによって、あるいはポリスチレンの添加と出口ダイとの間の押出機長さをできるだけ小さくすることによって減少させることができる。ポリスチレンの滞留時間は、例えば、トレーサー(例えば顔料濃縮物)の単一ショットをポリスチレン入口に加え、次いで押出機出口におけるトレーサーの濃度を、トレーサー添加後の時間の関数として記録することによって決定することができる。このデータから、標準的な数学的手法を使用して平均滞留時間を算出することができる。
【0027】
1つの実施態様においては、溶融混練が、第1の混合セクションと第2の混合セクションとを含む押出機で溶融混練することを含み;ならびに溶融混練が、第1の混合セクションより上流にて、ポリ(アリーレンエーテル)を押出機に加えること、および第1の混合セクションより下流で、第2の混合セクションより上流にて、ポリスチレンとカルボン酸化合物を押出機に加えることを含む。
【0028】
1つの実施態様においては、溶融混練が、L/D比(ここでLは、ポリスチレンの添加位置と配合物の排出位置との間の距離であり、Dは、押出スクリューの直径である)が約5〜約45となるように押出機で溶融混練することを含む。この範囲内にて、L/D比は少なくとも約10であってよい。さらにこの範囲内にて、L/D比は最大で約20であってよい。上記範囲のL/D比を使用することが、樹脂配合物中のスチレンとトルエンの濃度をできるだけ抑えて、ポリスチレン成分の均質な配合を可能にするのに効果的であることが見出された。ポリスチレンの添加位置と配合物の排出位置との間の距離Lは、ポリスチレン入口の中心線と押出機ダイプレートの末端との間で測定される。スクリューの直径は、スクリュー要素であるねじ山(screw element flights)の先端の直径によって決まる。
【0029】
1つの実施態様においては、組成物が押出機で溶融ブレンドされ、ポリスチレンの添加より下流の各押出機のバレルが、排出される均質配合物のガラス転移温度より約50℃〜約120℃高いバレル温度を有する。この範囲内にて、各バレル温度は、ガラス転移温度より少なくとも約80℃高くてよい。さらにこの範囲内にて、各バレル温度は、ガラス転移温度より最大で約100℃高くてよい。上記範囲の温度により均質な配合が可能になるだけでなく、スチレンとトルエンの形成が最小限に抑えられる。排出される均質配合物のガラス転移温度は、ASTM E1640(動的機械的分析によってガラス転移温度を決めるための標準的な試験法)に従って測定することができる。
【0030】
本発明の方法は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンと追加成分とを溶融ブレンドすることを必要に応じてさらに含んでよい。このような成分の追加は、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時という特定のエネルギー消費量で溶融ブレンドすることによって均質配合物を達成する能力を妨げてはならない。適切な追加成分としては、例えば、可塑剤、耐衝撃性改良剤、離型剤、着色剤(顔料と染料を含む)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、ドリップ抑制剤、粘着防止剤、帯電防止剤、発泡剤、難燃剤、充填剤、および前記物質の類似物、ならびにこれらの組み合わせがある。
【0031】
本発明の方法は、スチームストリッピングした均質配合物をペレット化することを必要に応じてさらに含んでよい。本発明の方法は、スチームストリッピングした均質配合物をシート押出することを必要に応じてさらに含んでよい。
【0032】
本発明の方法は、均質配合物のスチレン含量とトルエン含量を最小限に抑えるのに効果的である。例えば、後述するように、スチームストリッピングした均質配合物は、カルボン酸化合物なしで、またはスチームストリッピングなしで溶融ブレンドした対応する均質配合物のスチレン含量の約30〜約50%であるスチレン含量を有することができる。均質配合物のスチレン絶対含量は、例えば、約120〜約270重量ppmであってよい。同様に、スチームストリッピングした均質配合物は、カルボン酸化合物なしで、またはスチームストリッピングなしで溶融ブレンドした対応する均質配合物のトルエン含量の約20〜約40%であるトルエン含量を有することができる。均質配合物のトルエン絶対含量は、例えば、約10〜約25重量ppmであってよい。
【0033】
1つの実施態様は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;を含む、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法であり;ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.18キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含み;カルボン酸化合物が、アジピン酸、グルタル酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、クエン酸、前記酸の無水物、およびこれらの組み合わせから選択され;カルボン酸化合物が、25℃および1気圧にて固体であり;前記溶融混練が、押出機中にてブレンドすることを含み;そして前記溶融混練が、固体形態のカルボン酸化合物を押出機に加えることを含む。
【0034】
1つの実施態様は、カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;を含む、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法であり;ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.15キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含み;前記溶融混練工程が、ポリスチレンが押出機中にて約2〜約15秒の滞留時間を有するように押出機でブレンドすることを含み;前記溶融混練工程が、第1の混合セクションと第2の混合セクションを含む押出機で溶融混練することを含み;前記溶融混練工程が、第1の混合セクションより上流にて、ポリ(アリーレンエーテル)を押出機に加えること、および第1の混合セクションより下流で第2の混合セクションより上流にて、ポリスチレンとカルボン酸化合物を押出機に加えることを含み;カルボン酸化合物がクエン酸を含み;カルボン酸化合物が、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンの合計100重量部当たり約0.2〜約5重量部の量にて使用され;ポリ(アリーレンエーテル)が、2,6-ジメチルフェノールのホモポリマー、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマー、またはこれらの組み合わせから選択され;ポリ(アリーレンエーテル)が、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンの合計重量を基準として約5〜約95重量%にて存在し;ポリスチレンが、アタクチックホモポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、スチレンと共役ジエンとのブロックコポリマー、スチレンと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択され;そしてポリスチレンが、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンの合計重量を基準として約5〜約95重量%にて存在する。
【0035】
1つの実施態様は、前述した方法のいずれかによって製造され、約170〜約270重量ppmのスチレン含量を有するポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物である。他の実施態様は、前述した方法のいずれかによって製造されるポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物を含む物品である。本発明の物品は、例えば、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物を含む少なくとも1つの層を含むフィルム、シート、成形品、または複合物の形態にて、前記配合物を含んでよい。本発明の物品は、当業界に公知の製造法(例えば、単層発泡押出と多層発泡押出、単層シート押出と多層シート押出、射出成形、ブロー成形、押出、フィルム押出、異形押出、引抜成形、圧縮成形、熱成形、圧力成形、油圧成形、真空成形、および発泡成形を含む)を使用して、配合物から製造することができる。上記物品製造法の組み合わせも使用することができる。1つの実施態様においては、シーシ押出と発泡押出の組み合わせを使用して、2層のシート材料間に1層の発泡材料がサンドイッチされた形の多層物品を製造することができる。この実施態様においては、異なった層に異なった組成物を使用することができる。ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物は、建物や乗り物の内部空間に使用するための物品を製造するのに特に適している。例えば、本発明の物品は、飲食料品用容器、自動車(乗用車、トラック、スポーツ用車両、レクレーション用車両、および類似物を含む)用内装品、航空機(飛行機、ヘリコプター、飛行船、宇宙船、および類似物を含む)用内装品、水上乗り物(ボート、潜水艦、および類似物を含む)用内装品、ならびに住居用建物および商業ビル用内装品であってよい。自動車内装パネルとそれらの製造法が、例えばYamaguchiらによる日本特許出願公開番号2005-199891 A2に開示されている。飲食料品用容器と低密度発泡シートを製造する方法は当業界に公知である。
【0036】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、これらの実施例によって本発明が限定されることはない。
【実施例】
【0037】
(実施例1〜30)
これらの実施例は、スチレンとトルエンの含量を、熱可塑性樹脂組成物、カルボン酸の濃度、および水の濃度の関数として示す。組成の詳細を、表1の第2欄〜第5欄に示す。成分の量は全て重量部(pbw)にて表示してある。表1の欄見出しにおいて、”PPE”は、クロロホルム中25℃にて1グラム当たり0.46デシリットルの固有粘度を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)(ゼネラルエレクトリック社からPPO(登録商標)646として入手)を表わしている。”PS”は、約72,000原子質量単位の数平均分子量と、約214,000原子質量単位の重量平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン[ノバケミカル社からノバコール(Novacor)2272として入手]を表わしている。”CA”は、カーギル社から入手した無水クエン酸を表わしている。水は、スチームストリッピングのために押出機中に注入した水を表わしている。
【0038】
サンプルは、互いに完全にかみ合っている直径30mmの共回転二軸スクリュー押出機を使用して配合した。押出機の全長は977mmであった。PPE、PS、およびCAは全て、第1のバレルにおいて加えた(このことは、押出機でのPSに対するL/Dが31であったことを意味している)。サンプルを、1分当たり300回転(300rpm)のスクリュー速度にて15.9キログラム/時(35ポンド/時)で押し出した。供給成分は、供給入口から7直径(diameters)と12直径(diameters)との間の区域に位置する混合セクションにて可塑化した。この混合セクションのすぐ後にベントを位置決めし、周囲圧力にて操作した。追加混合の区域における供給入口から24.5スクリュー直径である位置にて、一部のサンプルに水を注入した。真空穴を供給入口から28直径に位置決めし、約15キロパスカル(kPa)絶対圧力にて操作した。バレル温度は、100%PS、50%PS、30%PS、および0%PSに対して、それぞれ220℃、280℃、290℃、および310℃に設定した。
【0039】
各サンプル中のスチレン含量とトルエン含量は、クロマトグラフィー等級のクロロホルム500ml中に10μlのデカンを溶解して得られる内部標準液25ml中に1.00グラム(±0.01グラム)のペレットもしくは一部分を溶解することによって求めた。次いでこの溶液を、HP5890ガスクロマトグラフ、HP7673Aオートインジェクター、およびDOSベースのケムステーションを装備したHP5989B質量分析計中に注入した。次いで、スチレンとトルエンの濃度をデカンの既知濃度と突き合わせて比較した。
【0040】
各サンプルに対するスチレン含量とトルエン含量[(重量ppm)にて表示]を、表1の第6欄と第7欄に示す。これらの結果から、クエン酸を加え、そしてスチームストリッピングを使用すると、スチレンとトルエンの含量が実質的に減少する、ということがわかる。
【0041】
【表1】

【0042】
(実施例31〜54)
これらの実施例は、スチレンとトルエンの含量を、熱可塑性樹脂組成物、カルボン酸の濃度、カルボン酸の添加方法、水の濃度、および再押出の関数として示す。表2の見出しにおいて、”CA 溶液”は、クエン酸の30重量%水溶液を表わしている。”CA 固体”は、固体無水クエン酸の添加を表わしている(すなわち、実施例1〜30におけるクエン酸の添加に対して使用されたのと同じ方法)。30%クエン酸溶液の5重量部は、固体無水クエン酸の1.5重量部に等しい。”再押出?”は、サンプルを再押出したかどうかを表わしている。”再押出?”値が"無”であるサンプルは、押出を1回行い、ペレット化してから分析した。” 再押出?”値が"有”であるサンプルは、押出を行い、表2に記載の条件を使用してペレット化し、次いでいかなるカルボン酸化合物もスチームストリッピングも使用することなく再押出し、そして再ペレット化した。
【0043】
各サンプルに対するスチレン含量とトルエン含量[(重量ppm)にて表示]を表2の後方2欄に示す。実施例1〜30における結果を裏づけることに加えて、表2の結果から、カルボン酸化合物を水溶液として加えることが、スチレン含量とトルエン含量を減少させるのに効果的であるが、カルボン酸化合物を固体として加えることよりは幾らか効果が劣る(例えば、実施例38と40を比較)、ということがわかる。これらの結果はさらに、PPE/PS配合物中のトルエン含量とスチレン含量が、再押出により増大することがある(例えば、実施例35と47を比較)、ということを示しており、これはおそらく、ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物を溶融処理するに必要な温度にてポリスチレンが熱分解を起こすことによるものと考えられる。しかしながら、カルボン酸化合物と水を使用して最初に押し出されたPPE/PS配合物は、カルボン酸化合物と水の一方または又は両方なしで押し出されたPPE/PS配合物より低いスチレン含量とトルエン含量を示している(例えば、実施例47、50、および54を比較)。
【0044】
【表2】

【0045】
(実施例55〜60)
これらの実施例は、約70重量%のポリ(アリーレンエーテル)と約30重量%のポリスチレンを含む配合物の6つのバリエーションを示している。表3の欄見出しにおいて、”PPE”は、クロロホルム中25℃にて1グラム当たり0.46デシリットルの固有粘度を有するポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)(ゼネラルエレクトリック社からPPO(登録商標)646として入手)を表わしている。”PS”は、約72,000原子質量単位の数平均分子量と、約214,000原子質量単位がの重量平均分子量を有するアタクチックホモポリスチレン[ノバケミカル社からノバコール2272として入手]を表わしている。”CA”は、カーギル社から入手した無水クエン酸を表わしている。水は、スチームストリッピングのために押出機中に注入した水を表わしている。ポリ(アリーレンエーテル)、ポリスチレン、およびクエン酸(固体として加えた)は全て、押出機の供給口にて加えた。これらの結果は、カルボン酸化合物とスチームストリッピングを組み合わせることが(実施例58と60によって示されている)、120ppmという低いスチレン含量を達成するのに効果的であった、ということを示している。
【0046】
【表3】

【0047】
好ましい実施態様を挙げて本発明を説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を行ってよく、該実施態様の要素の代りに等価物を使用することができる、ということは当業者にとっては言うまでもないことである。さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の開示内容を特定の状況や材料に適合させるよう多くの改良を行うことができる。したがって本発明は、本発明を実施すべく意図された最良の様式として開示されている特定の実施態様に限定されず、本発明は、特許請求の範囲の範囲内に含まれる全ての実施態様を含む。
【0048】
引用した全ての特許、特許出願、および他の文献の全開示内容を、参照により本明細書に含める。
本明細書に開示の範囲は全て端点を含み、端点は互いに組み合わせ可能である。
【0049】
”a”、”an”、および”the”という用語の使用、ならびに本発明を説明する文脈における(特に、特許請求の範囲の文脈における)類似の言及は、本明細書において特に明記しない限り、あるいは文脈によって明確に矛盾しない限り、単数と複数の両方を含むものと見なさなければならない。さらに、留意しておかねばならないことは、”第1の”や”第2の”などの用語は、何らかの順序、量、または重要性を示しているのではなく、ある1つの要素を他の要素から区別するために使用されている、という点である。量に関連して使用されている修飾語”約”は、明記されている値を含み、文脈によって指示されている意味を有する(例えば、特定の量の測定に付きものの誤差の程度を含む)。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ポリ(アリーレンエーテル)(“PEE”)、ポリスチレン(“PS”)、およびカルボン酸化合物(“CA”)が押出機の供給口にて加えられ、そしてスチームストリッピングのための水が押出機バレル5において加えられる、という押出機構成の概略図である。
【図2】ポリ(アリーレンエーテル)(“PEE”)が押出機の供給口にて加えられ、ポリスチレン(“PS”)とカルボン酸化合物(“CA”)が下流の押出機バレル5において加えられ、そしてスチームストリッピングのための水がバレル6において加えられる、という押出機構成の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、
前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;
を含み、
ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.3キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含む、
ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法。
【請求項2】
ポリ(アリーレンエーテル)が、式
【化1】

(式中、それぞれの構造単位に関して、各Z1は独立して、ハロゲン、第一級もしくは第二級C1-C12アルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシ、または少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔離しているC1-C12ハロヒドロカルビルオキシであり;各Z2は独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級C1-C12アルキル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12ヒドロキシアルキル、フェニル、C1-C12ハロアルキル、C1-C12ヒドロカルビルオキシ、または少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔離しているC1-C12ハロヒドロカルビルオキシである)で示される反復構造単位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリ(アリーレンエーテル)が、2,6-ジメチルフェノールのホモポリマー、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ポリスチレンが、スチレンから誘導される反復構造単位を少なくとも80重量%含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリスチレンが、アタクチックホモポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、スチレンと共役ジエンとのブロックコポリマー、スチレンと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ポリスチレンがアタクチックホモポリスチレンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンを約1:99〜約99:1の重量比にて溶融ブレンドする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ポリ(アリーレンエーテル)が、2,6-ジメチルフェノールのホモポリマー、または2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマーを含み;ポリスチレンが、アタクチックホモポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、スチレンと共役ジエンとのブロックコポリマー、スチレンと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択される;請求項1に記載の方法。
【請求項9】
カルボン酸化合物が、C1-C20カルボン酸とC2-C20カルボン酸無水物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
カルボン酸化合物が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、o-ブロモ安息香酸、m-ブロモ安息香酸、p-ブロモ安息香酸、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、o-メトキシ安息香酸、m-メトキシ安息香酸、p-メトキシ安息香酸、メチル酪酸、ジメチルバレリアン酸、フェニル酪酸、クロロメチル酪酸、乳酸、ジニトロ安息香酸、メチルブタン酸、フェニルプロパン酸、クロロフェニルブタン酸、ブテン酸、前記酸の水和物、前記酸の無水物、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
カルボン酸化合物が、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ブロモグルタル酸、ジメチルグルタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、クエン酸、前記酸の水和物、前記酸の無水物、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
カルボン酸化合物が、アジピン酸、グルタル酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、クエン酸、前記酸の水和物、前記酸の無水物、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
カルボン酸化合物がクエン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
カルボン酸化合物が、25℃および1気圧にて固体であり;前記溶融混練工程が、押出機中にてブレンドすることを含み;前記溶融混練工程が、カルボン酸化合物を押出機に固体形態にて加えることを含む;請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶融混練工程が、押出機中にてブレンドすることを含み;前記溶融混練工程が、カルボン酸化合物を押出機に水溶液として加えることを含む;請求項1に記載の方法。
【請求項16】
カルボン酸化合物が、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの合計100重量部当たり約0.1〜約10重量部の量にて使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記均質配合物をスチームストリッピングする工程が、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの合計100重量部を基準として約0.1〜約10重量部の水を均質配合物中に注入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記均質配合物をスチームストリッピングする工程が、均質配合物を約1〜約80キロパスカル絶対圧力のベント圧力でガス抜きすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
スチームストリッピング後の均質配合物が、組成物の総重量を基準として約0.01〜約1重量%の残留水濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり0.2キロワット時以下の特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり0.15キロワット時以下の特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記溶融混練工程が、ポリスチレンが約2〜約60秒の押出機中滞留時間を有するように、押出機中にてブレンドすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
滞留時間が15秒以下である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
滞留時間が5秒以下である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記溶融混練工程が、第1の混合セクションと第2の混合セクションを含む押出機で溶融混練することを含み;前記溶融混練工程が、第1の混合セクションより上流においてポリ(アリーレンエーテル)を押出機に加えること、および第1の混合セクションより下流で第2の混合セクションより上流においてポリスチレンとカルボン酸化合物を押出機に加えることを含む;請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記溶融混練工程が、押出機で溶融混練することを含み;押出機が、あるスクリュー直径、あるポリスチレン添加位置、およびある配合物排出位置を含み;ポリスチレン添加位置と配合物排出位置との間の距離対スクリュー直径の比が約5〜約45である;請求項1に記載の方法。
【請求項27】
ポリスチレン添加位置と配合物排出位置との間の距離対スクリュー直径の比が約10〜約20である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記溶融混練工程が、押出機で溶融混練することを含み;
押出機が、あるポリスチレン添加位置、ある配合物排出位置、およびあるバレル温度を有するあるバレルを含み;
排出位置から排出される均質配合物があるガラス転移温度を有し;
ポリスチレン添加位置より下流のバレル温度が、排出された均質配合物のガラス転移温度より約50℃〜約120℃高い;
請求項1に記載の方法。
【請求項29】
スチームストリッピングした均質配合物をペレット化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
スチームストリッピングした均質配合物をシート押出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
スチームストリッピングした均質配合物が、カルボン酸化合物なしで、またはスチームストリッピングなしで溶融ブレンドした対応する均質配合物のスチレン含量の約30〜約50%であるスチレン含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
スチームストリッピングした均質配合物が、約120〜約270重量ppmのスチレン含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
スチームストリッピングした均質配合物が、カルボン酸化合物なしで、またはスチームストリッピングなしで溶融ブレンドした対応する均質配合物のトルエン含量の約20〜約40%であるトルエン含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
スチームストリッピングした均質配合物が、約10〜約25重量ppmのトルエン含量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、
前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;
を含み、
ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.18キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含み;カルボン酸化合物が、アジピン酸、グルタル酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、クエン酸、前記酸の無水物、およびこれらの組み合わせから選択され;カルボン酸化合物が、25℃および1気圧において固体であり;前記溶融混練工程が、押出機中にてブレンドすることを含み;前記溶融混練工程が、カルボン酸化合物を押出機に固体形態にて加えることを含む;
ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法。
【請求項36】
カルボン酸化合物、ポリ(アリーレンエーテル)、およびポリスチレンを溶融混練して均質配合物を作製する工程;ならびに、
前記均質配合物をスチームストリッピングする工程;
を含み、
ここで前記溶融混練工程が、均質配合物1キログラム当たり約0.1〜約0.15キロワット時という特定のエネルギー消費量でブレンドすることを含み;
前記溶融混練工程が、ポリスチレンが押出機中に約2〜約15秒の滞留時間を有するように押出機中にてブレンドすることを含み;
前記溶融混練工程が、第1の混合セクションと第2の混合セクションを含む押出機で溶融混練することを含み;
前記溶融混練工程が、第1の混合セクションより上流においてポリ(アリーレンエーテル)を押出機に加えること、および第1の混合セクションより下流で第2の混合セクションより上流においてポリスチレンとカルボン酸化合物を押出機に加えることを含み;カルボン酸化合物がクエン酸を含み;
カルボン酸化合物が、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの合計100重量部当たり約0.2〜約5重量部の量にて使用され;
ポリ(アリーレンエーテル)が、2,6-ジメチルフェノールのホモポリマー、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマー、またはこれらの組み合わせから選択され;
ポリ(アリーレンエーテル)が、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの合計重量を基準として約5〜約95重量%の量にて存在し;
ポリスチレンが、アタクチックホモポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、スチレンと共役ジエンとのブロックコポリマー、スチレンと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択され;
ポリスチレンが、ポリ(アリーレンエーテル)とポリスチレンとの合計重量を基準として約5〜約95重量%の量にて存在する;
ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物のスチレンモノマー含量を減少させる方法。
【請求項37】
請求項1に記載の方法によって製造され、約120〜約270重量ppmのスチレン含量を有するポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物。
【請求項38】
請求項36に記載の方法によって製造され、約120〜約270重量ppmのスチレン含量を有するポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物。
【請求項39】
請求項37に記載のポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物を含む物品。
【請求項40】
ポリ(アリーレンエーテル)/ポリスチレン配合物を含む少なくとも1つの層を含むフィルム、シート、成形品、または複合物を含む、請求項39に記載の物品。
【請求項41】
物品が、発泡押出、単層シート押出と多層シート押出、射出成形、ブロー成形、押出、フィルム押出、異形押出、引抜成形、圧縮成形、熱成形、圧力成形、油圧成形、真空成形、および発泡成形から選択される少なくとも1つの方法を使用して作製される、請求項39に記載の物品。
【請求項42】
物品が、飲食料品用容器、自動車用内装品、航空機用内装品、水上乗り物用内装品、ならびに住居用建物および商業ビル用内装品から選択される、請求項39に記載の物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−511711(P2009−511711A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535608(P2008−535608)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/039443
【国際公開番号】WO2007/047217
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】