説明

ポンプボトル収納用の容器

【課題】特別な別部材を必要とせず、容器内におけるポンプボトルの回転を防止するとともに、しかも手作業によることなく装置を用いた収納も可能なポンプボトル収納容器を提供する。
【解決手段】吐出ノズル4を有するポンプ部3をボトル本体2の上部に装着したポンプボトル1を収納するポンプボトル収納用の容器10であって、容器天面の出し入れ口において、フラップ14aにポンプボトル1の吐出ノズル4を嵌める孔又はフラップ14aの取付方向と平行に形成された溝15若しくは溝孔を形成し、予めフラップ14a,14bを内側に折った状態でポンプボトル1を落とし入れ、フラップ14a,14bが元の状態に戻ろうとする復元力を利用して、フラップ14aの溝15などに吐出ノズル4を嵌める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポンプボトルを収納するポンプボトル収納用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シャンプーやリンスなどの洗髪用品、ボディーソープなどの液体石鹸といったトイレタリー製品に留まらず、少量ずつ注出する使用勝手などを考慮して、クレンジングや乳液、化粧水等をポンプボトルに収容した商品形態にして提供する製品が増加している。このポンプボトルは、略円筒状のボトル本体の上部に、吐出ノズルを有するポンプ部を備えたものである。
【0003】
上記ポンプボトルはボトル本体が略円筒状の形状を呈しているので、単に収納容器に収納するだけでは、搬送中や取扱い時に収納容器の内部で回転し易い。このため、収納容器とポンプボトルとの摩擦により、ポンプボトル自体に傷が生じ、商品価値が著しく損なわれる。また、収納容器の正面に対してそのポンプボトルの正面がずれてしまうことがあり、商品陳列上見栄えが悪くなることもあった。
【0004】
こうした不都合への対策として、例えば、ポンプボトルを嵌め込む凹部を備えたトレーとともに収納容器に入れ、トレーにポンプボトルを嵌め込むことによりポンプボトルの回転を規制することが考えられる。また、ポンプボトルを収納した後で、ポンプボトルの上部形状に対応するように発泡スチロールなどから作製された固定用部材を使用することでポンプボトルの回転を規制する工夫も提案されている。
【0005】
このような状況下において、例えば、特開2003−95250号公報には、容器天面の出し入れ口にあるフラップに、ポンプボトルの向きを規制する切り込みを有する規制片を備えることによって、ポンプボトルの回転を規制する方法が提示されている。
【特許文献1】特開2003−95250号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、凹部を設けたトレーや固定用部材を用いたのでは、新たな部材を必要とし、コストを引き上げるという問題があった。また、特許文献1に記載された方法では、フラップへの取付位置で規制片を折り曲げることによって、切り込みにポンプボトルの吐出ノズルを挿入する必要がある。従って、ボトルの収納作業を手作業で行わなければならず、収納時にもポンプボトルの向きを切り込みの位置に忠実に合わせる必要もあって、非常に手間のかかるものであった。また、規制片を折り曲げるという理由から装置を用いた自動収納ができないために、工程数が増加し、梱包コストを引き上げるという問題を生じていた。
【0007】
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、特別な別部材を必要とせず、容器内におけるポンプボトルの回転を防止するとともに、しかも手作業によることなく装置を用いた収納も可能なポンプボトル収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、容器天面の出し入れ口に備えられたフラップの動きに着目し、当該フラップに吐出ノズルが嵌る孔や溝孔、溝を設けることにより、自動装填が可能でかつ吐出ノズルの回転をほぼ防ぐことができることを見いだし、本願発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の容器は、吐出ノズルを有するポンプ部をボトル本体の上部に装着したポンプボトルを収納するためのポンプボトル収納用の容器であって、当該容器は、容器天面の出し入れ口において、少なくとも一枚のフラップを有し、前記フラップは、ポンプボトルの吐出ノズルが嵌る孔又はフラップの取付方向と略平行に形成された溝若しくは溝孔を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、コストを引き上げることなくポンプボトルの回転が抑えられる。この結果、ポンプボトルへの傷の発生が防止され、見栄えを良好に保ったままで陳列できる。また、容器天面の出し入れ口を塞ぐようにフラップを内側に傾けたり、フラップを容器内側に降り倒した状態から、ポンプボトルを出し入れ口の上方から落とし込むと、フラップの復元力によって吐出ノズルがフラップの孔等に嵌り、ポンプボトルが所望する方向に向けて収納される。
【0011】
特に出し入れ口において前記フラップを折り倒した状態から、ポンプボトルを落下させるだけで、吐出ノズルが孔に嵌るので、装置を用いた自動収納(自動包装)が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付された図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。また、本発明は下記の実施形態に示されたものに限定されることのないのは言うまでもない。
【0013】
図1は本発明の一実施形態であるボトル収納容器の斜視図、図2は当該ボトル収納容器の展開図、図3はボトル収納容器にポンプボトルを収納した状態を示す斜視図、図4はその正面図である。
【0014】
本発明に係るボトル収納容器(以下、単に「容器」と略する場合もある)10はポンプボトル1について用いられるものである。ポンプボトル1はボトル本体2の上部に吐出ノズル4を備えたポンプ部3を備えている。ポンプ部3は、吐出ノズル4を常に上方に向けて付勢する昇降体5を備えており、昇降体5の押し下げ動作が内容物を吐出する。ポンプボトル1の多くは、運搬中における内容物の吐出を防止するため、吐出ノズル4を下ろした状態で昇降体5をロックするロック機構(図示せず)を備えている。内容物がポンプボトル1へ充填された後は、最初に使用されるまでロック機構により昇降体5はロックされている。このために、容器10への収納時や輸送時、保管中は、吐出ノズル4はボトル本体2に対して定められたある方向を向いている。もっとも、本発明においては、ポンプボトル1はロック機構を備えている必要はなく、自由に回転できる吐出ノズル4を有していても差し支えない。また、本発明で言うポンプボトル1とは、ボトル本体2の胴部が図示するように略円錐状のものだけでなく、横断面が真円や楕円、略矩形となったポンプボトル1をも含む概念で用いられる。
【0015】
容器10は、例えば紙製のシートや合成樹脂製のシートを所定の形状に裁断したブランクシート20を組み起こして作製される。この紙製のシートや合成樹脂製のシートは、下記に述べるように本発明の目的を達成可能な可撓性を有し、本発明の目的を考慮すると合成樹脂製のシートが好適である。
【0016】
容器10の胴部11は、ブランクシート20の連接した正面板21、背面板22、2つの側面板23a,23bから作製され、正面板21の側辺にあるスリーブ24が側面板23bの表面又は裏面に糊付けされることにより作製される。容器天面の出し入れ口12の開閉部は、背面板22の上辺に備えられた1枚の蓋板13と側面板23a,23bの上辺に備えられた1対の上フラップ14a,14bとから構成され、折り倒されたフラップ14a,14bの上から蓋板13を折りたたむことにより出し入れ口12が閉じられる。容器底面の開口19の開閉部は、正面板21の下辺に備えられた底板18と側面板23a,23bの下辺に備えられた1対の下フラップ17とから構成され、下フラップ17と蓋板18を折りたたむことによって容器底面の開口19が閉じられる。
【0017】
図1〜図4に示す実施形態では、上フラップ14a,14bの左右の幅は容器10の正面幅の1/2よりも小さく、左右の上フラップ14a,14bを90度折りたたんだ際には、容器正面から見て、左側の上フラップ14aと右側の上フラップ14bの間に溝ができる。この溝にポンプ部3が収まる。また、ポンプボトル1を収納した際には、双方の上フラップ14a,14bのボトル側に位置するフラップ縁(以下、「内フラップ縁」と言う)が、ポンプ部3やポンプ本体2に接触するように作製するのが好ましく、図示された内フラップ縁はポンプ部3に接触している。このとき、上フラップ14a,14bの左右の幅が容器10の正面幅の1/2よりも小さいと、上フラップ14a,14bがポンプ部3の上方を挟み込むことになり、より好ましい形態と言える。もっとも、上フラップ14a,14bの左右の幅は、容器10の正面幅の1/2よりも小さくて、大きくても差し支えなく、図示されるように内フラップ縁がポンプ部3に接触するように、ポンプ部3の大きさや切り欠き16a,16bの大きさなどによって適宜調整される。ただし、上フラップ14a,14bの左右の幅が容器10の正面幅の1/2よりも大きすぎると、上フラップ14a,14bがボトル本体2に当たるなどして、本発明の作用を発揮できない虞がある。なお、図1は、上フラップ14a,14bが出し入れ口12への取り付け部分において、内側にわずかに折られた状態を示している。
【0018】
上フラップ14a,14bの一方のフラップ、例えば実施形態における容器10では左側の上フラップ14aに、当該上フラップ14aのほぼ中央位置から上フラップ14aの上縁に至る溝15が天面の出し入れ口12への取付方向と略平行に形成されている。この溝15に吐出ノズル4が嵌る。溝15の幅は吐出ノズル4の外径よりもやや大きい。その幅は吐出ノズル4の外径や形状、例えば吐出ノズル4の曲がり具合、具体的に言うと、吐出ノズル4が直管のごとくポンプ部3の鉛直方向に対してほぼ垂直に取り付けられているのか、あるいは図示するように鳥のくちばしのごとく、吐出ノズル4の先端が下方に折り曲がっているのかによっても調整される。この溝15は、上フラップ14aが有する復元力、すなわち、上フラップ14aの出し入れ口12への取り付け部分において生じる復元力により、出し入れ口12において容器内側に折り返した上フラップ14aが元の位置方向に戻ろうとし、その際に吐出ノズル4が嵌る溝15である。そして、この溝15に吐出ノズル4が嵌ることにより吐出ノズル4の動きが抑制される。したがって、溝15の幅が大きすぎると溝15から吐出ノズル4が外れてしまう虞がある。また、溝15の幅が小さすぎると吐出ノズル4が溝15に入らない。
【0019】
図示する溝15は、上フラップ14aの上縁近傍に溝15の幅を狭めるための突出部15aを有する。この突出部15aは、例えば運搬中に大きな衝撃が加わりボトル1全体が回転した場合など、突出ノズル4の位置の移動によって吐出ノズル4が溝15から外れるのを防止する。突出部15aは必須の構成要素ではないが、溝15の幅が良好な大きさよりも大きい場合に効果的である。
【0020】
図に示す実施形態では、溝15は上フラップ14aのほぼ中央から上フラップ14aの上縁に至る直線状の溝15となっているが、溝15の位置は吐出ノズル4の長さや形状、吐出ノズル4の高さ位置、上フラップ14aの左右の幅、ポンプ部3の形状、ポンプボトル1の正面の位置や吐出ノズル4の向きなどによって適宜調整される。また、溝15の方向は、出し入れ口12における上フラップ14aの取付方向と平行でなくてもよく、取付方向に対して角度があってもよい。
【0021】
左右の上フラップ14a,14bはいずれも内フラップ縁に切り欠き16a,16bを備えている。左右の切り欠き16a,16bは、ポンプ部3の昇降体5、いわゆるボトル1の首の部分を左右から挟んでいる。図示する例では、溝15を有する左の上フラップ14aの切り欠き16aは溝15を有しない右の上フラップ14bの切り欠き16bよりも小さい。ボトル1を収納した後は、吐出ノズル4が溝15に嵌るので、左の上フラップ14aの内フラップ縁は、右の上フラップ14bの内フラップ縁よりも下方に位置する。このため、左の上フラップ14aの内フラップ縁とポンプ部3と接触する領域が、右の上フラップ14bのフラップ縁が接触する領域よりも小さくなる。この接触する領域に応じて左右の切り欠き16a,16bの大きさが違っている。切り欠き16a,16bの形状として、例えば半円状、半楕円状、三角形状などが例示されるが、接触に適切であれば任意の形状で差し支えない。また、上フラップ14a,14bの左右の幅が大きい場合には、よりボトル本体2に近い位置若しくはボトル本体2に接触することになり、その接触形状に応じた形状が選択される。
【0022】
本発明の容器10は、折り込まれた後に元の状態に戻ろうとする上フラップ14aに、吐出ノズル4を嵌める溝15を備えた容器10である。すなわち、本発明の容器10は、容器の内側に折り込まれた上フラップ14aが元の位置に戻ろうとする力を利用するものであって、上フラップ14aが元の位置に戻ろうとする際に、特定の方向を向いた吐出ノズル4が嵌る位置に溝15を設けた容器である。
【0023】
次に本発明の収納方法について、図5、図6に従って説明する。図2のブランクシートを組み立てた後には、図6に示すように左の上フラップ14aは左の側面板23aの上方に延設され、直立した状態にある。また、右の上フラップ14bも右の側面板23bの上方に延設され、直立した状態にある。蓋板13は背面板22の上方に延設され、直立した状態にある。これまでは、このような容器10にポンプボトル1を収納する場合には、まず図6に示す状態から、ポンプボトル1を収納し、次いで左右の上フラップ14a,14bを略90度に折りたたみ、蓋板13をその上から折り重ねて容器天面の出し入れ口12を閉じていた。
【0024】
本発明の方法はこのような収納方法ではなく、まず上フラップ14a,14bを各フラップを容器内側に折った状態にしておき、その後にポンプボトル1を入れる方法である。すなわち、図5に示すように、出し入れ口12において左右の上フラップ14a,14bを直立した状態から容器内側に倒し、わずかに折り目を付ける(図1参照)。そうすると、上フラップ14a,14bは出し入れ口12において容器の内側方向に折られた状態に保持される。このとき、強く折り目を付けてしまうと、ポンプボトル1を落とし込んだ際に元の位置に戻ろうとする復元力を失い、本発明の機能を果たせなくなる。次に、内側に倒した状態にて出し入れ口12の上方からポンプボトル1を落とし入れる(図5(a)参照)。このとき、吐出ノズル4を溝15のある方向、図示例では正面からみて、約左90度の方向を向ける。そうすると、図5(b)に示すように落とし入れられたポンプボトル1の底が左右の上フラップ14a,14bを直立した状態からほぼ180度近くまで折り返しながら、ポンプボトル1は容器10内に落ちる。ポンプボトル1が落下するにつれ、上フラップ14a,14bが直立する方向に戻ろうとする。そうすると、戻ろうとする左の上フラップ14aに設けられた溝15に吐出ノズル4が嵌り、吐出ノズル4が溝15に通った状態で左の上フラップ14aが静止する。また、左の上フラップ14aの切り欠き16aとポンプ部3が接触する。一方、溝15のない右の上フラップ14bは、当該上フラップ14bの切り欠き16bとポンプ部3が接触して、右の上フラップ14bも静止する(図3、図5(c)参照)。そして、左右の上フラップ14a,14bの上に蓋板13を被せるように蓋板13を折りたたんで、容器天面の出し入れ口12を閉じる。
【0025】
このように、本発明の容器10は、容器内側に折り込まれた上フラップ14aの出し入れ口12における復元力によって元の状態に戻ろうとする際に、吐出ノズル4が嵌る溝15を備えているので、上フラップ14aを容器内側に折った状態でポンプボトル1を落とすことによって、簡単に吐出ノズル4を溝15で固定することができる。なお、折り込んだ状態から元の状態に戻ろうとする復元力は、必ずしも、上フラップ14aが直立した状態はもとより、略90度折った位置に戻る力まで要求されるものではなく、出ノズル4が戻ろうとする上フラップ14aの溝15に挿入できる程度の力があればよい。そして、溝15に挿入された吐出ノズル4を上方に付勢する力があればなおさらよい。付勢する力を持たせることにより、吐出ノズル4の固定を確実なものにできる。
【0026】
特に、上記の実施形態では、左右の上フラップ14a,14bは、容器内側に折った状態で一時的に保持されているので、この状態からポンプボトル1を落下させることができる。この結果、装置を用いた自動収納が可能になる。
【0027】
また、溝15は、上フラップ14aのほぼ中央から上フラップ14aの上縁に至っているので、ポンプボトル1を落下させる際に、吐出ノズル4の方向が正面から見て左90度の位置から多少背面側にずれたとしても、吐出ノズル4が確実に溝15に嵌る。この観点から、溝15の長さは長いほどよいことになるが、溝15が上フラップ14aの上縁から下縁近くまで形成された場合には、上フラップ14aの強度が低下し、吐出ノズル4の位置ずれを防止できない虞が生じる。
【0028】
さらに、容器10の上フラップ14aは、上フラップ14aのほぼ中央から上フラップ14aの上縁に至る溝15を有している。このため、収納されるボトルポンプ1の吐出ノズル4が、ボトル本体2の最外周よりも外側に位置している場合には、吐出ノズル4の方向を、正面から見て左90度から135度の範囲内で回転させた位置、つまり、図3に示す位置よりも45度の範囲内で背面側に回転した位置で落とし込めば、溝15に吐出ノズル4を嵌めることができる。
【0029】
上記の場合では、落とし入れたポンプボトル1の底面で上フラップ14a,14bを押し曲げることができるように、上フラップ14a,14bを直立した状態から内側に折った状態に折り目を付けているが、本発明においては必ずしも折り目を付けて一時的に保持させる必要はない。例えば、上フラップ14a,14bを直立した状態の容器10(図6参照)から、図7に示すように上フラップ14a,14bを直立した状態から内側に傾け、手や保持装置を使ってその状態を保持し、その上方からポンプボトル1を落とすようにしてもよい。つまり、ポンプボトル1の底が上フラップ14a,14bを容器内側に曲げることができるように、上フラップ14a,14bを内側にやや曲げた状態にする。その状態にてポンプボトル1を落とすと、ポンプボトル1が上フラップ14a,14bを容器内側に曲げ入れ、ポンプボトル1が容器10内に収納されるにつれて、上フラップ14a,14bが元の状態に戻ろうとする。その際に、上記に説明したように左の上フラップ14aの溝15に吐出ノズル4が嵌る。一方、右の上フラップ14bは、切り欠き16bがポンプ部3に接触して止まる。
【0030】
図8に示す容器10では、略円形乃至略楕円形の孔31が上フラップ14aに設けられている。この孔31は吐出ノズル4の外径よりも大きく開口されている。また、図9に示す容器10では、出し入れ口12への取付方向と平行に開口された溝孔32が左の上フラップ14aに設けられている。このように、上フラップ14aの上縁に達する溝15ではなく、略円形状に限ることなく種々の形状をした孔、例えば楕円形状の孔や取付方向と平行に開口された溝孔を上フラップ14aに設けることにしてもよい。
【0031】
図10に示す容器10では、上フラップ14aの内フラップ縁側に凸となる略円弧状の溝孔33が左の上フラップ14aに形成されている。このように内フラップ縁側に凸となる略円弧状の溝孔33では、先端が下方に曲がらず直線状となった吐出ノズル4であっても、確実に溝孔33に嵌る。
【0032】
なお、上記の実施形態以外にも、図示はしないが次の実施形態も考えられる。例えば、側面板23a,23bの上辺に設けられた一対の上フラップ14a,14bの他に、例えば正面板21の上辺に第3の上フラップをさらに設け、当該第3の上フラップに溝や溝孔を形成し、第3の上フラップを折り曲げた状態でポンプボトル1を落とし入れるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のポンプボトル収納用の容器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の容器を作製するためのブランクシートを示す平面図である。
【図3】図1の容器にポンプボトルを収納した状態を示す斜視図である。
【図4】図1の容器にポンプボトルを収納した状態を示す縦断面図である。
【図5】図1の容器にポンプボトルを収納する様子を示す説明図であって、(a)はポンプボトルを落下させる前の状態を示す図、(b)はポンプボトルの落下途中にある状態を示す図、(c)はポンプボトルが落下した状態を示す図である。
【図6】図2のブランクシートを組み立てた状態を示す斜視図である。
【図7】図6の容器にポンプボトルを収納する直前の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明のポンプボトル収納用の容器のさらに他例を示す斜視図である。
【図9】本発明のポンプボトル収納用の容器のさらに他例を示す斜視図である。
【図10】本発明のポンプボトル収納用の容器のさらに他例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ポンプボトル
3 ポンプ部
4 吐出ノズル
10 ポンプボトル収納用の容器
12 容器天面の出し入れ口
13 蓋板
14a 溝15を有する上フラップ
14b 溝15を有しない上フラップ
15 吐出ノズルを嵌める溝
16a,16b 切り欠き
31 吐出ノズルを嵌める孔
32 吐出ノズルを嵌める溝孔
33 ボトル側に位置するフラップ縁側に凸となる略円弧状に形成された溝孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出ノズルを有するポンプ部をボトル本体の上部に装着したポンプボトルを収納するためのポンプボトル収納用の容器であって、
当該容器は、容器天面の出し入れ口において、少なくとも一枚のフラップを有し、
前記フラップは、ポンプボトルの吐出ノズルが嵌る孔又はフラップの取付方向と略平行に形成された溝若しくは溝孔を有することを特徴とするポンプボトル収納用の容器。
【請求項2】
吐出ノズルを有するポンプ部をボトル本体の上部に装着したポンプボトルを収納するポンプボトル収納用の容器であって、
当該容器は、容器天面の出し入れ口において、少なくとも一枚のフラップを有し、
当該フラップは、当該フラップが出し入れ口において容器内側に折り返した状態から直立した状態に戻ろうとする復元力を有し、
当該フラップは、当該フラップが出し入れ口において容器内側に折り返した状態から直立した状態に戻る際に、ポンプボトルの吐出ノズルが嵌る孔又はフラップの取付方向と略平行に形成された溝若しくは溝孔を有することを特徴とするポンプボトル収納用の容器。
【請求項3】
孔又は溝若しくは溝孔を有する前記フラップは、当該フラップのボトル側に位置するフラップ縁に、切り欠きを有することを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載のポンプボトル収納用の容器。
【請求項4】
吐出ノズルを有するポンプ部をボトル本体の上部に装着したポンプボトルを収納するポンプボトル収納用の容器であって、
当該容器は、容器天面の出し入れ口において、一対のフラップを有し、
双方の当該フラップは、当該フラップが出し入れ口において容器内側に折り返した状態から直立した状態に戻ろうとする復元力を有し、
前記フラップの一方は、出し入れ口において容器内側に折り返した状態から直立した状態に戻る際に、ポンプボトルの吐出ノズルが嵌る孔又はフラップの取付方向と略平行に形成された溝若しくは溝孔を有することを特徴とするポンプボトル収納用の容器。
【請求項5】
前記一対のフラップは、前記各フラップのボトル側に位置するフラップ縁に、切り欠きを有することを特徴とする請求項4に記載のポンプボトル収納用の容器。
【請求項6】
前記フラップの取付方向と略平行に形成された溝孔が、フラップのボトル側に位置するフラップ縁の方向に凸となる略円弧状であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のポンプボトル収納用の容器。
【請求項7】
吐出ノズルを有するポンプ部をボトル本体の上部に装着したポンプボトルが収納されたポンプボトル入り容器であって、
容器天面の出し入れ口において、一対のフラップを有し、
出し入れ口において、容器内側において容器内側に折り返した状態から直立した状態に戻ろうとする復元力によって、一方のフラップに設けられた孔又はフラップの取付方向と略平行に形成された溝若しくは溝孔に吐出ノズルが嵌ったことを特徴とするポンプボトル入り容器。
【請求項8】
吐出ノズルを有するポンプ部をボトル本体の上部に装着したポンプボトルを、請求項1〜6の何れかに記載のポンプボトル収納用の容器へ収納するポンプボトルの収納方法であって、
出し入れ口において、各フラップを容器内側に折り返した状態で、出し入れ口上方からポンプボトルを落とし込むことを特徴とするポンプボトルの収納方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−241988(P2009−241988A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94145(P2008−94145)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)
【Fターム(参考)】