説明

ポンプ付き容器

【課題】容器を把持してポンピング操作を行う際の把持力による容器本体の変形を回避して、安定したポンピング操作を円滑に行うことができると共に、外観が損われないようにすることのできる、可撓性を有する材料からなる容器本体を有するポンプ付き容器を提供する。
【解決手段】本発明のポンプ付き容器10は、可撓性を有する材料からなり、口部11bとは反対側の一端部11aが閉塞された筒状の容器本体11と、容器本体11の口部11bに装着されるポンプ本体15及びノズル部14を有するポンプ装置13と、ポンプ装置13を覆って容器本体11に取り付けられ、ポンプ装置13を作動させるポンピング手段としてのレバー6を備えるホルダー5と、ホルダー5の下端開口5aの周縁部分に上端開口30aの周縁部分を係止することにより、容器本体11の収容部11dを覆ってホルダーに5装着される有底筒状のカバー体30とによって構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ付き容器に関し、特に可撓性を有する材料からなる一端部が閉塞された筒状の容器本体と、この容器本体の口部に装着されるポンプ装置とを含むポンプ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器本体に収容された液体などの内容物を容器本体からスムーズに取り出すことができるように、容器本体の口部にポンプ装置を取り付けたポンプ付き容器が種々用いられている。また、可撓性を有する材料からなり、一端部が閉塞された筒状の容器であるいわゆるチューブ容器を容器本体として、これにポンプ機能を有するディスペンサーを取り付けて内容物を吐出させるようにした容器も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−11905号公報
【特許文献2】特開2007−137466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、チューブ容器に収容される内容物は、一般に粘度の高いものが多く、内容物の粘度が高い場合には、ポンプを作動させるための操作に相当の力を要することになる。このようなことから、本発明者らは、例えばてこの原理を利用して大きな操作力を容易且つ効率良く得られるようにした、レバーなどによるポンピング手段を提案している(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
これらのポンプ付き容器では、レバーなどのてこの原理を利用したポンピング手段による操作によって、大きな操作力をポンプ装置に容易且つ効率良く伝えることができる一方で、大きな操作力の反力を得るために、例えば内容物を収容したチューブ容器を大きな力で把持する必要を生じることになる。したがって、このような大きな把持力によって、可撓性を有する材料からなるチューブ容器としての容器本体は変形しやすくなり、外観を損うと共に、把持し難くなって安定したポンピング操作を円滑に行うことが困難になる惧れがある。このようなことから、可撓性を有する材料からなる容器本体の変形を防止するための新たな技術の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、容器を把持してポンピング操作を行う際の把持力による容器本体の変形を回避して、安定したポンピング操作を円滑に行うことができると共に、外観が損われないようにすることのできる、可撓性を有する材料からなる容器本体を有するポンプ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可撓性を有する材料からなり、口部とは反対側の一端部が閉塞された筒状の容器本体と、該容器本体の口部に装着されるポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置と、好ましくは該ポンプ装置を覆って前記容器本体に取り付けられ、該ポンプ装置を作動させるポンピング手段を備えるホルダーと、該ホルダーの例えば下端開口の周縁部分に上端開口の周縁部分を係止することにより、前記容器本体の収容部を覆って前記ホルダーに装着される有底筒状のカバー体とからなるポンプ付き容器であって、前記カバー体は、底部が楕円又は長円の平面形状を備えると共に前記上端開口が円形の開口形状を備えるように成形されており、前記上端開口を楕円又は長円の開口形状となるように変形させて、前記上端開口の周縁部分が前記ホルダーの楕円又は長円の開口形状を有する前記下端の周縁部分に係止されているポンプ付き容器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の可撓性を有する材料からなる容器本体を有するポンプ付き容器によれば、容器を把持してポンピング操作を行う際の把持力による容器本体の変形を回避して、安定したポンピング操作を円滑に行うことができると共に、外観が損われないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明のポンプ付き容器について、その好ましい一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図4に示す本実施形態のポンプ付き容器10は、例えばチューブ状の容器本体11を一対備えた2連式吐出容器であって(図2参照)、内容物として例えば2剤式染毛剤のような2種類の剤を、一回のポンピング操作によって各々容器本体11から同時に取り出すと共に、これらの剤を混合した状態で、ノズル部14の吐出口14aから吐出させることができるようになっている。
【0009】
本実施形態のポンプ付き容器10では、一対の容器本体11を並設した状態で保持するホルダー5に回動可能に取り付けられたレバー6をポンピング手段として、容器10の上部を把持しつつポンピング操作を行うことになるが、ポンピング操作を行う際の把持力によって可撓性を有する材料からなる容器本体11が変形するのを防止し、安定したポンピング操作を円滑に行うことができるようにすると共に、容器本体11の変形によって外観が損われないようにする機能を備えている。
【0010】
そして、本実施形態のポンプ付き容器10は、可撓性を有する材料からなり、口部11bとは反対側の一端部11aが閉塞された筒状の容器本体11と、容器本体11の口部11bに装着されるポンプ本体15及びノズル部14を有するポンプ装置13と、ポンプ装置13を覆って容器本体11に取り付けられ、ポンプ装置13を作動させるポンピング手段としてのレバー6を備えるホルダー5と、ホルダー5の下端開口5aの周縁部分に上端開口30aの周縁部分を係止することにより、容器本体11の収容部11dを覆ってホルダー5に装着される有底筒状のカバー体30とによって構成される。
【0011】
また、本実施形態では、ポンピング手段としてのレバー6は、ホルダー5に回動可能に取り付けられると共に、操作部6Cが容器本体11の側方に延設しており、操作部6Cを容器本体11に近づけるように操作することでポンプ装置13が作動して、ノズル部14の吐出口14aから内容物を吐出するようになっている。
【0012】
さらに、本実施形態では、ホルダー5は、一対の容器本体11を並設した状態で保持すると共に、レバー6の操作によって各容器本体11から内容物を同時に吐出させる2連式のホルダーであり、この2連式のホルダー5に一対の容器本体11が並設して取り付けられている。
【0013】
本実施形態では、ポンプ付き容器10を構成する容器本体11は、可撓性を有する材料からなり、図2に示すように、口部11bとは反対側の一端部11aが閉塞されたチューブ状の筒状体である。容器本体11は、例えば内径が10〜50mm程度、高さ(長さ)が70〜200mm程度の円筒状に形成される。
【0014】
容器本体11には、例えば、染毛剤、練り歯磨き等の2剤式の内容物(図示せず)が収容されている。本実施形態における内容物は、2剤式の染毛剤の第1剤及び第2剤である。容器本体11に収容されている内容物は、ポンプ装置13(図5参照)のポンプ作用によって吸引され、ノズル部14を介して吐出口14aから吐出される。
【0015】
内容物が酸素により劣化するもの(例えば染毛剤)である場合には、該内容物の劣化を防止するために、容器本体11は、酸素バリア性を有するシート材料からなることが好ましい。そのようなシート材料としては、例えばアルミラミネート樹脂が挙げられる。
容器本体11の一端部11aは、例えば、次のように閉蓋される。まず、口部11bにポンプ装置13を固定する。ポンプ付チューブ容器を形成する際における常法に従って、一端部11aから容器本体11に内容物を充填収容する。その後、一端部11aを平坦状に押し潰しつつ、公知のヒートシール手段を用いて、アルミラミネート樹脂シートにおける最内層のシーラント層同士をヒートシールする。
【0016】
容器本体11の口部11bに固定されるポンプ装置13は、一般にポリオレフィン樹脂等の合成樹脂からなり、図5及び図6に示すように、ポンプ本体15及びノズル部14から構成される。
ポンプ本体15は、その内部に、計量室19を含む公知のポンプ機構を備える。また、ポンプ本体15は、容器本体11の口部11bの内周面11cと密着する外周面部分16を有しており、外周面部分16を内周面11cに密着させて容器本体11で覆った状態で、口部11bに固定されるようになっている。
【0017】
ポンプ本体15は、円筒スリープ形状の外周面部分16によって、その外殻部が構成されている。外周面部分16は、容器本体11の内径と同じか、僅かに大きい外径を有しており、そのため、外周面部分16の外周面は、ポンプ本体15が容器本体11の口部11bに挿入装着された際に、口部11bの内周面11cと強固に密着する。
【0018】
ポンプ本体15の外周面部分16の外周面は、ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂等からなる。そして、容器本体11の口部11bにポンプ本体15を装着した後に、公知のヒートシール手段を用いて容器本体11の外側からヒートシールを施すことにより、ポンプ本体15の外周面部分16の外周面と容器本体11の口部11bの内周面11cとを、気密な状態で強固に密着接合することが可能になる。
【0019】
ポンプ本体15は、シリンダー20、ピストン21、吸入弁22、吐出弁23、ステム26、ステム押さえ27、スプリング28、スプリング押さえ29等を備えている。シリンダー20は、円筒状で、その下端部に吸入弁22が設けられている。ピストン21は、シリンダー20の内面を密着摺動するもので、その下端部に吐出弁23が設けられている。シリンダー20の内面及び吸入弁22並びにピストン21の吐出弁23によって閉鎖される空間から、計量室19が形成される。
【0020】
ステム26は、ピストン21の上部に連結された筒状の部材である。ステム押さえ27は、ステム26のつば部を上方から押さえ付け、ステム26の上方への移動を阻害している。スプリング押さえ29は、ステム26の上部に連結された筒状の部材である。
【0021】
ステム押さえ27とスプリング押さえ29との間には、スプリング28が介在している。従って、スプリング押さえ29は、スプリング28の弾性力によって、ステム押さえ27から離間する方向に常時、付勢されている。ただし、スプリング押さえ29の上部に連結されたノズル部14が、後述するように、ポンピング手段であるレバー6の押圧部64によって上方への移動を拘束されているので、スプリング押さえ29が、ステム26から分離することはない。
【0022】
ノズル部14は、ポンプ本体15から上方に突出して設けられており、その下部に連結されたスプリング押さえ29及びステム26を介してピストン21に連結されている。ノズル部14の流路はクランク状(略直角に屈曲し、次に反対向きに略直角に屈曲した形状)である。
【0023】
このように構成されたポンプ装置13によれば、ノズル部14の押圧操作を繰り返すことにより(本実施形態においては、後述するように、ポンピング手段であるレバー6によるポンピング操作により、ノズル部14の押圧操作が行われる)、ピストン21をシリンダー20に対して密着摺動させ、そのポンプ作用によって、容器本体11から吸入弁22を介して内容物を計量室19に吸引することができる。そして、計量室19に吸引された内容物を、吐出弁23、ステム26、スプリング押さえ29等を介して、ノズル部14の吐出口14aから必要量吐出することができる。
【0024】
本実施形態のポンプ付き容器10においては、前述した構成を有するポンプ装置13が、並設された2本の容器本体11にそれぞれ設けられており、並設された2本の容器本体11,11の口部11b,11bに固定されたポンプ装置13,13のクランク状の各ノズル部14,14は、その吐出口14a,14a近傍において一体化しており、吐出口14a,14aを隣接させている。そのため、並設された2本の容器本体11,11の収容部11d(図2参照)のそれぞれに充填されている第1剤及び第2剤は、隣接する吐出口14a,14aから吐出されることになるため、第1剤及び第2剤は、実質的に同じ位置に吐出されることになる。2個のノズル部14の流路14bは、その断面積及びその長さが実質的に同じになっている。
【0025】
ポンプ装置13は、前述したように、ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂からなるが、このような材料から形成されたポンプ装置13は、それ自体が酸素バリア性を有していない。而して、本実施形態のポンプ装置13においては、計量室19に、容器本体11の内容物に対して不活性なガスが充填されている。ここでいう「不活性」とは、内容物に対する相対的なものである。具体的には、本実施形態における染毛剤のような、酸素に対して劣化する内容物に対して不活性なガスとしては、例えば窒素ガス、ヘリウムガスが挙げられる。
【0026】
次にホルダ5について説明する。ホルダ5は、ポンプ装置13,13を固定した2本の容器本体11,11を並設した状態で保持する部材である。ホルダ5は、容器本体11を保持可能な保持部51,51を2個並設しており、本実施形態における保持部51は、容器本体11の口部11bを、直接的に又は他の部材を介して間接的に保持可能になっている。
ホルダ5は、保持部51に、ポンプ装置13,13を固定した容器本体11を着脱自在に構成されている。容器本体11を着脱自在な構成については特に制限はなく、例えば、凸部を凹部に嵌め込むことによる嵌着、雄ネジと雌ネジとをネジ込むことによる螺着が挙げられる。本実施形態においては、嵌着が用いられている。
【0027】
ホルダ5の外面は、保持部51に保持された容器本体11の口部11bを被覆する被覆部52を形成している。被覆部52は、その内側にポンプ本体15が位置するように構成されていることが好ましい。本実施形態においては、一方の容器本体11(図2の右側に示す容器本体11)は、口部11bに装着されたポンプ装置13のポンプ本体15が被覆部52の内側に位置しているが、他方の容器本体11(図2の左側に示す容器本体11)は、そのポンプ本体15が被覆部52の内側だけでなく、外側にも位置している。
【0028】
次にポンピング手段について説明する。ポンピング手段は、ポンプ装置13のポンピング動作を行うものである。本発明において「ポンピング動作」とは、ポンプ装置13にポンプ作用を生じさせる動作のことであり、使用者の手動の操作により行われる。本実施形態においては、ポンピング手段としてレバー6を備えており、レバー6の押圧操作により、並設された2本の容器本体11,11に装着された各ポンプ装置13,13のポンピング動作を一つの操作で行うことができるように構成されている。また、レバー6は、例えばホルダ5に設けられた回動軸61に軸支されて、ホルダ5に対して回動可能に取り付けられている。
【0029】
本実施形態においては、ポンピング手段であるレバー6は、略直角に屈曲した形状を有しており、その基端部6Aが回動軸61を回動支点として、ホルダ5の上部の端部に軸支されている。レバー6の基端部6Aから横方向に延びる中間部分6Bの上部には、貫通孔62が設けられている。中間部分6Bに貫通孔62が設けられていることにより、2個のノズル部14が一体化した吐出口14a近傍の部分は、レバー6の中間部分6Bを貫通して、該中間部分6Bの上部から突出する。
【0030】
レバー6の中間部分6Bには、貫通孔62を包囲するようにノズル部14に向けて突出する押圧部64が設けられている。押圧部64は、ノズル部14における横方向に延びる中間部分14cに当接している。
【0031】
レバー6の操作部6Cは、把持しやすい形状を有しており、中間部分6Bから略直角下方に屈曲して、容器本体11の側方に延設している。従って、ホルダ5や後述するカバー体30によって周囲を覆われた容器本体11を、掌に包み込むようにして操作部6Cの反対側から把持し、レバー6の操作部6Cに指を掛けて、回動軸61を回動支点として操作部6Cを容器本体11に近づけるようにレバー6を操作すれば、押圧部64を介して、並列された2個のポンプ装置13における各ノズル部14の双方が、下方に向けて(つまり計量室19に向けて)押圧される。これによって、ピストン21がシリンダー20の内部を上下動することによりポンプ装置13が作動して、ノズル部14の吐出口14aから内容物を容易に吐出させることが可能になる。
【0032】
そして、本実施形態のポンプ付き容器10では、図1、図3、及び図4に示すように、容器本体11の収容部11dを覆う有底筒状のカバー体30が、ホルダー5の下端開口5aの周縁部分に上端開口30aの周縁部分を係止して、ホルダーに5に着脱可能に装着されている。
【0033】
カバー体30は、例えばPE、PP、PET等の合成樹脂材料を用いて、好ましくはブロー成形によって成形される。カバー体30は、底部31と筒部32とが一体となった有底筒状に形成され、上端面が上端開口30aとして開口する。また、カバー体30は、筒部32における合成樹脂材料の厚さが例えば500〜1500μmとなるように成形されていて、適度な可撓性と保形剛性とを備えている。これによって、例えば上端開口30aがフリーな状態でこれの周縁部分を側方から手や指で押圧することにより、当該上端開口30aの形状を容易に変形することができるようになっている(図4参照)。また例えば上端開口30aの周縁部分が全周に亘って外側から拘束されていて、当該上端開口30aを径方向に外側に広げることができない状態では、当該上端開口30aを手や指で圧縮変形させる荷重に対して効果的に抵抗して、多少撓みはするものの、大きな変形を生じさせることなくその開口形状を強固に保持することができるようになっている(図1参照)。
【0034】
ここで、本実施形態では、カバー体30の上端開口30aの周縁部分の外側には、凹凸溝33等を適宜設けておき、この凹凸溝33をホルダー5の下端開口5aの周縁部分の内側に設けた被係止凹凸部(図示せず。)に着脱可能に係止させて、容器本体11の収容部11dを覆った状態で、カバー体30をホルダー5に安定した状態で装着しておくことが可能になる。また、カバー体30の上端開口30aの周縁部分の外側に、位置決め凹凸部34を適宜設けておき、この位置決め凹凸部34をホルダー5の下端開口5aの周縁部分の内側に設けた位置決め凹凸部(図示せず。)に着脱可能に係止させて、使用中におけるカバー体30のホルダー5に対する回転移動を防止できるようになっている。さらに、例えばカバー体30の筒部32の側部にスリットを設けてホルダー5に位置決めすることにより、カバー体30の回転によってカバー体30がセット位置からずれないようにしたり、カバー体30の筒部32に上端開口30aを押しつぶす方向を明示したマーキングを施すことにより、カバー体30が所望の形状及び方向にスムーズに変形されるように誘導することもできる。
【0035】
また、本実施形態では、カバー体30は、底部31が長円の平面形状を備えると共に上端開口30aが円形の開口形状を備えるように成形されている。上端開口30を外側から挟み込むようにして押しつぶすことにより長円の開口形状となるように変形させて、上端開口30aの周縁部分を、ホルダー5の長円の開口形状を有する下端開口5aの周縁部分に係止することにより、容器本体11と、ポンプ装置13と、ホルダー5と、カバー体30とが一体となった、本実施形態の2連式吐出式のポンプ付き容器10が形成されることになる。
【0036】
ここで、本実施形態では、ホルダ5は、ポンプ装置13,13を装着固定した2本の容器本体11,11を並設した状態で一対の保持部51,51に取り付けて保持するようになっている。したがって、その被覆部52による下端開口5aは、下方から見て、一対の円形断面を収容するのに適した長円の開口形状となっている。
【0037】
そして、上述の構成を有する本実施形態のポンプ付き容器10によれば、容器10を把持してポンピング操作を行う際の把持力による容器本体11の変形を回避して、安定したポンピング操作を円滑に行うことができると共に、外観が損われないようにすることができる。すなわち、可撓性を有する材料からなるチューブ状の容器本体11の収容部11dは、レバー6によるポンピング操作を行う際の大きな把持力を直接受けると変形しやすいものであるが、本実施形態によれば、容器本体11の収容部11dを覆ってホルダーに5装着される有底筒状のカバー体30を備えており、このカバー体30を把持することによって、レバー6による大きな操作力の反力を得ることになるため、把持しやすい。またカバー体30は、操作力の反力を安定した状態で支持して、容器本体11に収容された内容物が粘度の高いものである場合にも、変形することなくポンピング操作によってスムーズに内容物を吐出することができると共に、容器10の外観を損うことがない。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えばホルダーが2連式のホルダーであり、2連式のホルダーに一対の容器本体が並設して取り付けられている必要は必ずしもなく、一本の容器本体のみがポンピング手段を備えるホルダーに取り付けられていても良い。また、ポンプ装置は、ポンプ本体の外周面を容器本体の口部の内周面に密着させて取り付けられている必要は必ずしもなく、ポンピング手段はホルダーに回動可能に取り付けられたレバーである必要は必ずしもない。さらに、カバー体は、容器本体を完全に覆う必要は必ずしもなく、窓等が開口形成されていても良い。さらにまた、カバー体の底部は完全に閉塞されたものである必要は必ずしもなく、その形状を強固に保持できるものであれば、開口部分を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るポンプ付き容器を示す斜視図である。
【図2】ホルダーに容器本体が取り付けられた、カバー体を装着する前の状態を示す正面図である。
【図3】成形時のカバー体の斜視図である。
【図4】カバー体をホルダーに装着する状況を説明する、容器本体を省略して示す分解斜視図である。
【図5】ホルダーに容器本体が内容物を吐出可能に取り付けられた状態を説明する要部拡大断面図である。
【図6】容器本体にポンプ装置が装着された状態を説明する要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0040】
5 ホルダー
5a ホルダーの下端開口
6 レバー(ポンピング手段)
6C レバーの操作部
10 ポンプ付容器
11 容器本体
11a 容器本体の一端部
11b 容器本体の口部
11d 容器本体の収容部
13 ポンプ装置
14 ノズル部
15 ポンプ本体
30 カバー体
30a カバー体の上端開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する材料からなり、口部とは反対側の一端部が閉塞された筒状の容器本体と、該容器本体の口部に装着されるポンプ本体及びノズル部を有するポンプ装置と、該ポンプ装置を作動させるポンピング手段を備えるホルダーと、該ホルダーの下端の周縁部分に上端開口の周縁部分を係止することにより、前記容器本体の収容部を覆って前記ホルダーに装着される有底筒状のカバー体とからなるポンプ付き容器であって、前記カバー体は、底部が楕円又は長円の平面形状を備えると共に前記上端開口が円形の開口形状を備えるように成形されており、前記上端開口を楕円又は長円の開口形状となるように変形させて、前記上端開口の周縁部分が前記ホルダーの楕円又は長円の開口形状を有する前記下端の周縁部分に係止されているポンプ付き容器。
【請求項2】
前記ホルダーが上記ポンプ装置を覆うように前記容器本体に取り付けられた請求項1記載のポンプ付き容器。
【請求項3】
前記ポンピング手段は、前記ホルダーに回動可能に取り付けられると共に、操作部が前記容器本体の側方に延設しており、該操作部を前記容器本体に近づけるように操作することでポンプ装置が作動して、前記ノズル部から内容物を吐出するようになっている請求項1又は2に記載のポンプ付き容器。
【請求項4】
前記ホルダーは、一対の前記容器本体を並設した状態で保持すると共に、前記ポンピング手段の操作によって各容器本体から内容物を同時に吐出させる2連式のホルダーであり、該2連式のホルダーに一対の前記容器本体が並設して取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−154899(P2009−154899A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333697(P2007−333697)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】